JP4051159B2 - 食品の含浸方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、食品の含浸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品を糖液などの含浸液に漬け込み、糖密などを食品内に含浸させるということが行われている。含浸を行う場合、異なる濃度の含浸液を入れた含浸釜を複数用意しておき、ホイストなどで食品を移動させて順次漬け込んでいくという方法が採られていた。含浸は浸透圧の差によって行うが、食品の破損を防ぐために浸け始めの濃度は低くし、段階的に濃度を上げていく。例えば糖度の異なる3種類の糖液に順次漬け込む場合、3個の含浸釜に低い糖度、中間糖度、高い糖度の糖液をそれぞれ準備しておき、最初に低い糖度の糖液を溜めた含浸釜、次に中間糖度の糖液を溜めた含浸釜、最後に高い糖度の糖液を溜めた含浸釜へと順番に漬け込んでいく。食品の含浸には時間が掛かるため、全体では4〜8時間またはそれ以上の時間が必要であり、作業の効率が悪かった。また、含浸させることによって含浸液は薄まるため、毎回含浸液の調整が必要であり、含浸釜内の上下では濃度が異なることにより、製品の濃度にばらつきが生じるということもあった。
【0003】
そのため含浸釜内を真空化し、真空状態で含浸を行うことにより、含浸速度を向上させるということが行われている。含浸釜内を真空とすると、食品中から水分や空気が吸引され、食品中の水分と含浸液との交換が効率的に行われるため、通常の圧力下で行う場合よりも短時間で含浸を行うことができるようになる。また含浸釜内の減圧と加熱を行うと、含浸釜内の含浸液が沸騰して濃縮されるため、含浸を行っている間に含浸液の濃度を高めることができ、複数の含浸液を準備する必要が無くなるという利点がある。しかしこの場合、含浸液の沸騰によって含浸させている食品が崩れるという問題があり、また従来に比べると含浸時間は短くなったが、更なる時間の短縮が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、含浸時間をさらに短縮し、かつ含浸させている食品が崩れることも防止することのできる食品の含浸方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
真空含浸釜内に食品と含浸液を入れて行う食品の含浸方法において、(1)真空含浸釜内を減圧する真空工程、(2)真空状態の真空含浸釜内を大気開放して真空含浸釜内圧力を常圧に戻す大気開放工程、(3)大気開放状態のままで真空含浸釜内を加熱し、真空工程時に低下した含浸液の温度を高める加熱工程の3工程を1サイクルとし、該サイクルを繰り返すことにより食品の含浸を行う。加熱工程では含浸液が沸騰する前に加熱を終了させ、含浸サイクルを繰り返す毎に加熱工程での含浸液到達温度を低くしていく。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施する真空含浸釜の概要図であり、図2は本発明の一実施例での含浸方法のフロー図である。
真空含浸釜1は上部に蓋2、下部に蒸気ジャケット3を設けており、上部より真空含浸釜1内に真空配管4を接続している。真空配管4の他端は真空発生装置(図示せず)に接続しており、真空配管4の途中に大気開放弁6を設けておく。蒸気ジャケット3には蒸気配管7を接続しており、蒸気配管7の途中に蒸気弁8を設け、蒸気配管7の他端は蒸気発生装置(図示せず)に接続しておく。真空含浸釜1には温度センサー5を設けておき、真空含浸釜1内の温度は温度センサー5にて検出する。
【0007】
さつまいもなどの食材9に糖蜜を含浸させる工程の説明を行う。真空含浸釜1内には、含浸液10として最初比較的低い糖度の糖液を準備しておき、糖液内に含浸を行う食材9を入れる。食材9がさつまいもの場合、食材9は予めダイス(角切り)、スライス(輪切り)、ステックなど必要な大きさにカットし、ボイルしておく。真空含浸釜1内の含浸液10へ食材9を投入後、蓋2を閉じ、含浸の工程を開始する。
【0008】
まず、大気開放弁6と蒸気弁8は閉じ、真空弁11を開いておき、真空発生装置を作動させることで真空工程を開始する。真空発生装置を作動させると、真空含浸釜1内の空気は真空配管4を通って取り出される。真空含浸釜1内の圧力が低下することで、食材内の空気や水分が食材内から取り出され、含浸のための準備が行われる。
【0009】
真空工程を所定時間を行うと、大気開放工程に工程が移る。真空弁11を閉じ、大気開放弁6を開くと、大気開放弁6から真空含浸釜1内へ空気が入り、減圧状態にあった真空含浸釜1内の圧力が上昇して常圧まで戻る。真空含浸釜1内の圧力を減圧状態から常圧に戻すことにより、真空工程で取り出した空気や水の代わりに含浸液10が食材9内に入るため、食材9への含浸液10の含浸が行われる。
続いて大気開放弁6は開いたままで蒸気弁8を開き、蒸気ジャケット3内へ蒸気を導入する加熱工程を行う。蒸気ジャケット3内へ蒸気を導入することで真空含浸釜の底面が加熱され、含浸液10の温度が上昇する。加熱工程では含浸液の沸騰は行わせず、温度が70℃まで上昇すると、蒸気弁8を閉じて加熱を終了させる。
【0010】
加熱工程を終了させると、2度目の真空工程を行う。2度目の真空工程の場合、直前の加熱工程によって含浸液10の温度を上昇させているため、真空含浸釜1内の圧力を低下させることで含浸液10の沸騰点を低くすると、含浸液10は低温で沸騰する。含浸液10内の水分を蒸発させることにより含浸液10は濃縮され、含浸液10の糖度は上昇する。また、真空工程によって食材9内から空気や水分を取り出すことで、含浸の準備が行われる。
【0011】
所定時間の真空工程が終了し、大気開放工程となって大気開放弁6を開くと、食材9への含浸液10の含浸が行われる。加熱工程とその後の真空工程による濃縮によって、前回の大気開放工程時よりも含浸液10の濃度を高くしているため、食材9内の糖分量もより高くすることができる。
【0012】
大気開放工程が終了すると加熱工程に移る。前回の真空工程によって含浸液10の水分を蒸発させた際、気化熱が奪われるために、含浸液10の温度は低下しており、含浸液を加熱することで再び真空濃縮が行えるように準備する。2度目の加熱工程では、1度目の加熱工程での含浸液10の到達温度よりも低い60℃で加熱工程を終了する。その後、前回のサイクルと同様に真空工程による含浸液10の濃縮と、大気開放工程による含浸を行う。該サイクルを必要回数繰り返すことで食材9への含浸は終了し、蓋2を開けて完成した食材9を取り出す。
【0013】
【発明の効果】
減圧工程から常圧に戻す大気開放工程を行うことによって食材への速やかな含浸が行え、真空工程、大気開放工程、加熱工程を繰り返す本発明の含浸方法を採った場合、従来の真空含浸よりも早く含浸を終了させることができ、約1時間30分で味付けを行うことができる。含浸液の加熱と減圧を同時に行った場合には、食材が崩れるという問題があったが、加熱後に減圧を行うことで沸騰状態を抑制し、加熱と減圧を別々に行うことで食材が崩れるということを防ぐことができる。糖蜜は高温に加熱すると褐変するが、含浸液の濃縮は加熱工程で温度を上昇させた含浸液を、真空工程の際に低温沸騰させることにより行うので、糖蜜が褐変することもなくなる。食材の含浸が進むほど食材は崩れやすくなるという問題があったが、加熱工程での到達温度を含浸が進むほど低くすることで、含浸の進んだ食材が崩れるということを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する真空含浸釜の概要図
【図2】 本発明の一実施例での含浸方法のフロー図
【符号の説明】
1 真空含浸釜
2 蓋
3 蒸気ジャケット
4 真空配管
5 温度センサー
6 大気開放弁
7 蒸気配管
8 蒸気弁
9 食材
10 含浸液
11 真空弁
Claims (4)
- 真空含浸釜内に食品と含浸液を入れて行う食品の含浸方法において、(1)真空含浸釜内を減圧する真空工程と、(2)真空含浸釜内を大気開放する大気開放工程と、(3)真空含浸釜内を加熱し、真空工程時に低下した含浸液の温度を高める加熱工程の3工程を1サイクルとし、該サイクルを繰り返すことにより食品の含浸を行うことを特徴とする食品の含浸方法。
- 真空含浸釜内に食品と含浸液を入れて行う食品の含浸方法において、(1)真空含浸釜内を減圧する真空工程、(2)真空状態の真空含浸釜内を大気開放して真空含浸釜内圧力を常圧に戻す大気開放工程、(3)大気開放状態のままで真空含浸釜内を加熱し、真空工程時に低下した含浸液の温度を高める加熱工程の3工程を1サイクルとし、該サイクルを繰り返すことにより食品の含浸を行うものであり、加熱と減圧を同時には行わないものであることを特徴とする食品の含浸方法。
- 請求項2に記載の食品の含浸方法において、加熱工程では含浸液が沸騰する前に加熱を終了させるものであることを特徴とする食品の含浸方法。
- 請求項2または請求項3に記載の食品の含浸方法において、含浸サイクルを繰り返す毎に加熱工程での含浸液到達温度を低くしていくことを特徴とする食品の含浸方法。
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