JP4050914B2 - 二次電池の劣化判定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池が劣化状態にあるか否かを判定する二次電池の劣化判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のバッテリー等の二次電池が劣化状態にあるか否かを判定する手法として種々の手法が開発され、提案されている。例えば特開2000−329834号公報には、二次電池の劣化を検出する従来の手法として、一旦完全に充電したバッテリーを定格電流容量の2時間放電率で120分間に亘って定格電流を流し続けて、放電開始から120分経過後でのバッテリー端子間電圧(放電電圧)即ち放電終止電圧を測定して、この放電終止電圧からそのバッテリーの劣化状態を判定する手法が紹介されている((2)頁、右欄)。この手法は、「容量低下状態にあるバッテリーはその放電終止電圧が極度に低下することが知られていることから」((2)頁、右欄)、バッテリーの放電終止電圧を測定して、そのバッテリーの劣化状態を判定しようとする手法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのように二次電池の劣化状態を判定するために、二次電池に完全に一旦充電を完了した後放電して放電終止電圧を測定して二次電池の劣化状態を判定するという手法では、劣化状態の判定にするためにその都度一旦完全に充電を完了してから行う必要があり、「多くの時間が要されるといった不都合」(同公報、(2)頁、右欄)が存在していた。
【0004】
そこで、特開2000−329834号公報には、「バッテリー種別対応に、良品バッテリーについての、時間経過に伴い放電電圧が如何に変化するかを示す放電特性と、時間経過に伴い充電電圧が如何に変化するかを示す充電特性とが予め電圧変化上の許容範囲として記憶された状態で、既に充電状態におかれているバッテリーが放電されるに際しては、一定時間毎にバッテリー端子間電圧としての放電電圧が測定される度に、該放電電圧が該当許容範囲内にあるか否かが判定された上、該該当許容範囲内にないと判定されたことを以て、バッテリー劣化として検出表示されるとともに、バッテリーからの放電が停止されるようにし、バッテリーからの放電が所定時間に亘って行われ得た場合には、バッテリーからの放電を停止の上、該バッテリーが充電されるに際しては、一定時間毎にバッテリー端子間電圧としての充電電圧が測定される度に、該充電電圧が該当許容範囲内にあるか否かが判定された上、該該当許容範囲内にないと判定されたことを以て、バッテリー劣化として検出表示されるとともに、バッテリーへの充電が停止されるようにしたバッテリー劣化検出方法」(請求項1)が提案されている。
【0005】
ここで図8に特開2000−32984号公報に記載されたこの手法によるバッテリーの劣化を判定する処理を表すフローチャートを示す。この手法は、時間経過に伴うバッテリーの放電電圧の変化を示す放電特性と時間経過に伴うバッテリーの充電電圧の変化を示す充電特性とを電圧変化上の許容範囲として予め記憶しておいて、バッテリーが充電あるいは放電される際に一定時間毎にバッテリー端子間電圧としての放電電圧あるいは充電電圧を測定して、その測定の度に測定された放電電圧あるいは充電電圧が許容範囲内にあるか否かを判定し、許容範囲内にないと判定された場合にはその時点でバッテリー劣化とするという手法である。つまり放電サイクルと充電サイクルにおける開始時と終了時の電圧をみるだけではなく、放電サイクルの過程及び充電サイクルの過程にあるバッテリーの電圧を測定して、それによって劣化を検出する手法である。
【0006】
従ってこの手法では充電電圧及び放電電圧の許容範囲を設定するためにまず放電開始、放電終了そして充電開始、充電終了という一連の動作を予め行って充電電圧の変化及び放電電圧の変化を測定しておく必要がある。そしてバッテリーの劣化を判定するために一定の時間毎に電圧を測定して許容範囲内にあるか否かを判定して許容範囲内にある限り放電開始、放電終了という放電サイクル、また充電開始、充電終了という充電サイクルを行うというように、測定された電圧が途中で許容範囲内にないと判定されない限り一連の放電サイクルと充電サイクルとを行われることになる。
【0007】
いずれにせよ、この手法では放電サイクルと充電サイクルという一連のサイクルを行う必要があり、放電と充電とをこまめに繰り返してバッテリーの劣化を判定することができない。
【0008】
そこで、本発明の目的とするところは、こまめに充電及び放電を繰り返して二次電池の劣化状態を判定することができる判定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
(1)二次電池の使用によって充放電が繰り返されて二次電池の劣化が進行するに伴って、二次電池の内部直流抵抗(IR)が増大し、また二次電池の分極による電圧(分極電圧)が増大することが知られている。この内部直流抵抗の増大については電解液の減少や電極の酸化等の理由によると考えられており、分極電圧の増大については、二次電池の電極板付近に非可逆的な生成物質の蓄積が増加して電流交換密度が小さくなるということや電解質の分解でイオン伝導率が低下するということ等の理由によると考えられる。
【0010】
本発明者らは、二次電池が劣化して分極が進行するに伴って分極電圧は増加することから、二次電池の放電時の電圧はより低下し、二次電池の充電時の電圧はより上昇することに着目した。そして本発明者らは、放電時の電圧と充電時の電圧との電圧差の変化は、二次電池の分極のあり方を反映していると考え、放電時の電圧と充電時の電圧の電圧差から分極電圧の増大のあり方を把握して、この電圧差が所定の設定値を超えたら二次電池が劣化したと判定すればよいという考えに到達した。
【0011】
(2)そこで、本発明者らは、更に鋭意研究の結果、二次電池に対して電流の放電、放電中止後の休止、電流の充電、充電中止後の休止をそれぞれ所定時間行う単位充放電サイクルを1回又は連続して複数回繰り返し、最後の単位充放電サイクルにおける放電の中止時の端子電圧と充電の中止時の端子電圧との電圧差を求め、予め設定した所定の設定値とこの電圧差とを比較して二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする二次電池の劣化判定方法を発明した。ここで「最後の単位充放電サイクル」とは、単位充放電サイクルが1回しか行われないときは、その1回の単位充放電サイクルをいう。そして例えば単位充放電サイクルが連続して3回繰り返されるときは、3回目の単位充放電サイクルをいう。
【0012】
このように所定の時間の単位充放電サイクルに従って、二次電池に放電と充電とを行わせて分極電圧を測定するので、上述の特開平2000−329834号公報において開示された手法と比較すると、短い時間で判定することが可能となる。即ち特開平2000−329834号の手法のように途中で許容範囲内にないとして劣化が検出されない限り放電サイクル、充電サイクルを最後まで行うという必要もなく、本発明の二次電池の劣化判定方法においては所定の時間の単位充放電サイクルを行うことで、二次電池の劣化を判定することができる。
【0013】
(3)ここで本発明の二次電池の劣化判定において二次電池に負荷される単位充放電サイクルと単位充放電サイクルを負荷されたときの二次電池の端子電圧について説明する。この単位充放電サイクルは、所定の大きさの電流を所定の時間放電し、そしてその放電を中止して所定の時間電流ゼロの状態で休止し、次に所定の大きさの電流を所定の時間充電し、そしてその充電を中止して所定の時間電流ゼロの状態で休止するというサイクルである。ここでこの単位充放電サイクルの一例を図1に示す。図1は単位充放電サイクルにおける同一時間における電流と端子電圧との関係を示している。図1の上半分に同一の時間軸上の電流の大きさを示し、下半分に端子電圧の大きさを示すものである。
【0014】
この図1で示した単位充放電サイクルでは、所定の大きさの電流で放電を開始すると、その放電開始の時点で二次電池の内部直流抵抗(IR)が発生して内部直流抵抗分だけ二次電池の端子電圧が低下する(<1>)。そして放電の継続に伴い二次電池の分極が進行して二次電池の端子電圧が低下し続ける(<2>)。このとき放電時間を長くすればそれだけ二次電池の分極が進行して二次電池の端子電圧がより低下することになる。次に放電を中止すると、その放電中止の時点で内部直流抵抗(IR)が消滅して内部直流抵抗分だけ二次電池の端子電圧が回復する(<3>)。その後電流ゼロの休止状態を所定の時間継続すると、分極が徐々に回復してそれに伴い二次電池の端子電圧は徐々に上昇する(<4>)。このとき休止状態をより長くすれば分極がそれだけ回復することができ、その分だけ端子電圧もより上昇する。
【0015】
次に所定の大きさの電流で充電を開始すると、その充電開始の時点で二次電池の内部直流抵抗(IR)が発生して内部直流抵抗分だけ二次電池の端子電圧が上昇する(<5>)。そして充電の継続に伴って二次電池の分極が進行して端子電圧が上昇し続けるが(<6>)、この場合も充電時間を長くすれば分極が進行する分だけ二次電池の端子電圧がより上昇することになる。次に充電を中止すると、その充電中止の時点で内部直流抵抗(IR)が消滅して内部直流抵抗分だけ二次電池の端子電圧が低下する(<7>)。その後電流ゼロの休止状態を所定の時間継続すると、分極が徐々に回復してそれに伴い二次電池の端子電圧は徐々に低下する(<8>)。この場合も休止状態をより長く継続すれば、分極の回復が進行してその分だけ二次電池の端子電圧は低下することになる。
【0016】
本発明の二次電池の劣化判定方法はこのような単位充放電サイクルを二次電池に負荷して、二次電池の放電を中止した時点での端子電圧と充電を中止した時点での端子電圧との電圧差(ΔV)(以下適宜「中止時電圧差」と略す)を求めるものである。この中止時電圧差においては、放電開始時及び中止時、また充電開始時及び充電中止時の内部直流抵抗(IR)による電圧変化が除かれている。この中止時電圧差を測定することで二次電池の使用に伴う分極の増大を把握することが可能となる。そしてこの中止時電圧差(ΔV)が所定の設定値を超えた場合に分極が増大した結果二次電池が劣化に達したと判定するものである。
【0017】
従って分極の増大による端子電圧の変化を把握するという観点からは、この単位充放電サイクルの電流の大きさの波形は、放電の中止及び充電の中止を急峻にあるいは瞬間的に行って分極電圧は残した状態で内部直流抵抗による電圧変化分を除くことができれば特に限定はない。この単位充放電サイクルは、二次電池の容量、劣化判定の精度等を考慮して、放電電流の大きさ及び放電時間、放電中止後の休止時間、充電電流の大きさ及び充電時間、充電中止後の休止時間を適切に設定することができる。一般に放電、充電の電流の大きさを大きくしたり、放電、充電の時間を長くすることで二次電池内部で生じる分極の増大による中止時電圧差が大きくなり、劣化判定の精度を向上させることができると言うことができる。
【0018】
また寿命に達したか否かを判定するための所定の設定値は、この単位充放電サイクルと二次電池の種類、容量等を考慮して適切な数値を設定することができる。即ち単位充放電サイクルのあり方、二次電池の種類、容量等が異なれば、所定の設定値もまた異なることになる。従って所定の設定値は二次電池に負荷される単位充放電サイクルのあり方例えば放電、充電の電気量、放電中止後、充電中止後の休止時間、また二次電池の種類、容量、更には劣化判定の精度等を考慮して適切に定めることができる。
【0019】
(4)なお単位充放電サイクルは少なくとも3回以上繰り返されることが好ましい。単位充放電サイクルは、1回でもよいし連続して複数回繰り返してもよいが、3回以上単位充放電サイクルを繰り返すことによってそれまでの二次電池の使用状況によって生じてきた分極の影響を解消することができる。
【0020】
また複数回繰り返される単位充放電サイクルは同一であることが好ましい。同一の単位充放電サイクルを繰り返すことで、放電と充電とを繰り返すことによる分極による電圧差を精度良く測定することができる。
【0021】
更に単位充放電サイクルにおける放電電流の電気量と充電電流の電気量は同一であることが好ましい。充電による分極の増大と放電による分極の増大とをバランス良く考慮することができる。
【0022】
また放電中止後の休止時間と前記充電中止後の休止時間とは同一時間であることが好ましい。充電後の分極の回復と放電後の分極の回復とをバランス良く回復することができる。
【0023】
単位充放電サイクルの電流の大きさの波形は矩形であることが好ましい。電気量が安定することにより、分極の大きさも安定するためである。
【0024】
また単位充放電サイクルにおける中止時電圧差を二次電池の温度によって補正をすることが好ましい。
【0025】
二次電池は温度が低下すると中止時電圧差は増加し、温度が上昇すると中止時電圧差は減少する傾向にある。これは温度が低い方が二次電池内部で生ずる分極電圧が増加しやすく、温度が上昇すると分極電圧の増加が少なくなるためである。そこで温度の低下によって分極電圧が増加すると放電時における二次電池の端子電圧はより一層減少し、充電時における二次電池の端子電圧はより一層増加することになる。逆に温度の上昇によって分極電圧が減少すると、放電時における二次電池の端子電圧の減少は少なくなり、充電時における二次電池の端子電圧の増加も少なくなる。従って一般に二次電池の温度が低下すると中止時電圧差が増大し、逆に二次電池の温度が上昇すると中止時電圧差が減少することになる。
【0026】
そこで基準となる温度を設定しておいて、測定した中止時電圧差をその基準となる温度のときの中止時電圧差に補正して所定の設定値と比較することで、二次電池の劣化判定の精度を向上することができる。
【0027】
更に単位充放電サイクルにおける中止時電圧差を二次電池の充電状態によって補正することが好ましい。充電状態の差によって中止時電圧差が変化する。そこでこの場合も基準となる充電状態を設定しておいて、測定した電圧差をその基準となる充電状態のときの中止時電圧差に補正して所定の設定値と比較することで、二次電池の劣化判定の精度を向上することができる。
【0028】
また所定の設定値は、二次電池の初期状態において測定された中止時電圧差から導出された数値であることが好ましい。所定の設定値は、二次電池の種類、容量、単位充放電サイクルのあり方また劣化の判定方法における必要とされる精度等を考慮して適切に設定することができるが、同一種類の二次電池であっても固体毎に個性があることを考慮すると、予め新品の二次電池に劣化判定のために負荷される単位充放電サイクルを負荷して、初期状態における中止時電圧差を求めておいて、この中止時電圧差を基に所定の設定値を定めることで、劣化判定の精度を向上することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の二次電池の劣化判定方法の実施の形態を説明する。本発明の二次電池の劣化判定方法は、本発明の二次電池に対して電流の放電、放電中止後の休止、電流の充電、充電中止後の休止をそれぞれ所定時間行う単位充放電サイクルを1回又は連続して複数回繰り返し、最後の単位充放電サイクルにおける中止時電圧差を求め、予め設定した所定の設定値と中止時電圧差とを比較して二次電池の劣化状態を判定する。判定の対象となる二次電池には特に限定はない。ハイブリッド車両に用いられる二次電池の他、コンピュータや電動工具等に用いられる二次電池に対しても本発明の二次電池の劣化判定方法を実施することができる。
【0030】
(1)二次電池に負荷される単位充放電サイクルについて説明する。この単位充放電サイクルのあり方つまり放電電流の大きさ、放電時間、放電中止後(電流ゼロ)の休止時間、充電電流の大きさ、充電時間、充電中止後(電流ゼロ)の休止時間等のあり方は、対象となる二次電池の種類、容量等また劣化判定の精度等を考慮して適切に定めることができる。
【0031】
例えば、二次電池の種類、容量等を考慮して、放電は電流の大きさを3C(20分率を示し、電池容量において20分間で放電する電流値)で5秒行い、放電中止後の休止は電流ゼロで20秒行い、充電は電流の大きさを3Cで5秒行い、充電中止後の休止は電流ゼロで20秒行うというように定めることができる。二次電池の容量また劣化判定の精度を考えて充放電の電流の大きさをより大きくすることも小さくすることもできるし、また充放電時間もより長くすることも短くすることもできる。また同様に放電後の休止時間、充電後の休止時間もより長くすることも短くすることもできる。
【0032】
所定の設定値については、負荷される単位充放電サイクルのあり方また劣化判定の精度等を考慮して定めることができる。放電時間、充電時間が異なっていても、放電の電気量、充電の電気量が異なっていても、それに対応した所定の設定値を定めることで二次電池の劣化を判定することができる。
【0033】
この単位充放電サイクルのあり方は、放電中止と充電中止が急峻に行われていれば、それ以外に特に限定はない。二次電池の分極による電圧変化が中止時電圧差に反映するように単位充放電サイクルを設定すればよい。単位充放電サイクルの電流の大きさの形状は、特に矩形でなくてもよく、放電中止と充電中止とが瞬間に行われるように設定されていれば、放電及び充電の電流の大きさが徐々に大きくなっていく形状であることもできる。
【0034】
ただ既に述べたように単位充放電サイクルにおける放電電流の電気量と充電電流の電気量は同一であることが好ましい。また放電中止後の休止の時間と充電中止後の休止の時間とは同一時間であることが好ましい。更に単位充放電サイクルの電流の大きさの波形は矩形であることが好ましい。
【0035】
(2)この単位充放電サイクルを判定の対象となる二次電池に1回負荷してその中止時電圧差を測定して、二次電池の劣化を判定することができるが、単位充放電サイクルを連続して複数回繰り返して、その最後の回の中止時電圧差を測定して二次電池の劣化を判定することもできる。繰り返しの回数には特に限定はなく、適切な回数を設定することができる。従って2回とすることもできるし、3回以上とすることもできる。既に述べたようにそれまでの二次電池の使用状況による影響を解消する観点からは、3回以上とすることが好ましい。
【0036】
また単位充放電サイクルを連続して繰り返す場合において、繰り返される単位充放電サイクルにおける放電及び充電の電気量や充電中止後及び充電中止後の休止時間が異なることも可能である。この場合は、連続して繰り返して負荷される単位充電サイクルの負荷パターンに対応するように、所定の設定値を適切に定めればよい。
【0037】
(3)また測定された中止時電圧差を二次電池の測定時における温度や充電状態に応じて補正して、その補正した中止時電圧差と所定の設定値とを比較して、二次電池の劣化状態を判定することができる。
【0038】
二次電池内部において生ずる分極電圧は、二次電池の充電状態(state of charge)や二次電池の温度により変化することが知られている。従って二次電池の劣化状態を判定するに際して、測定した単位充放電サイクルにおける中止時電圧差を補正して所定の設定値と比較することが好ましい。
【0039】
この場合には予め基準となる温度や充電状態のときの中止電圧差に対する測定時の温度や充電状態のときの中止時電圧差の増減割合を求めておいて、その増減割合を用いて測定された中止時電圧差を基準となる温度や充電状態における中止時電圧差に補正することができる。このように測定された中止時電圧差を基準となる温度や充電状態のときの中止時電圧差に補正することで、劣化判定の精度を向上させることができる。
【0040】
この場合基準となる温度や充電状態のときの中止時電圧差に対する測定時の温度や充電状態のときの中止時電圧差の増減割合は、測定の対象となる二次電池が新品のときに予め求めておいたり、同種の二次電池を用いて求めておくことができる。
【0041】
この場合基準となる温度や充電状態は、所定の設定値を定める際に前提として温度、充電状態とすることができる。
【0042】
(4)なお二次電池にばらつきがあること即ち同じ種類の二次電池であっても個性があることを考慮すると、二次電池の劣化を判定する基準となる所定の設定値を定めるに際して、同種の二次電池という理由で一律に同じ設定値を定めるよりも二次電池毎の個性に応じて所定の設定値を定める方が劣化判定の精度を向上させることができる。
【0043】
この場合においては、新品の二次電池の中止時電圧差即ち初期状態の中止時電圧差を測定しておいて、この初期状態の中止時電圧差から所定の割合を増加させた値を所定の設定値と定めることができる。例えば初期状態の中止時電圧差から50%増加した数値を所定の設定値と定めることができる。
【0044】
この場合増加の割合をどの程度とするかは、判定の精度や二次電池が用いられるシステムの目的、用途、安定性、特性等を考慮して定めることができる。
【0045】
【実施例】
以下本発明の二次電池の劣化判定方法の実施例を具体的に図面を参照しつつ説明する。
【0046】
図2は、本発明の二次電池の劣化判定方法をハイブリット車両に適用したシステム(以下適宜「劣化判定システム」という)の構成を示すブロック図である。
【0047】
(1)劣化判定システムの構成
劣化判定の対象となる二次電池10は、多数のセルからなるニッケル金属水素化物電池である。詳しく述べると6個のセルを一体化して1つのモジュールを形成し、このモジュールを2個まとめて1つのブロックとした。そしてこのブロックを19個直列に接続することによって300V程度の出力電圧を有するように構成した。
【0048】
この二次電池10には電圧検出器11が接続されており、この電圧検出器11がこの二次電池10の各モジュール毎の端子電圧及び二次電池10の全体の端子電圧を検出するように構成されている。またこの二次電池10には電流検出器14が接続されており、この電流検出器14が二次電池10の電流の大きさを検出するように構成されている。更にこの二次電池10には二次電池10の温度を検出する温度センサ13が接続されており、この温度センサ13が二次電池10の温度を検出するように構成されている。
【0049】
電圧検出器11は二次電池用電子制御装置(以下「電池ECU」と略す)12と接続され、この電圧検出器11によって検出された各端子電圧の大きさは電池ECUに入力されるように構成されている。また同様に電流検出器14及び温度センサ13も電池ECU12と接続され、これら電流検出器14及び温度センサ13によって検出された電流の大きさ及び温度も電池ECUに入力されるように構成されている。
【0050】
電池ECU12は、このように入力された端子電圧の大きさ、電流の大きさ等のデータに基いて、二次電池10の充電状態を検出することができるように構成されている。そしてこの電池ECU12はハイブリッド車両用電子制御装置(以下「HVECU」と略す)20と接続されており、検出した二次電池10の充電状態(SOC(state of charge))をHVECU20に供給するように構成されている。
【0051】
HVECU20は、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量、車速などの情報に基いて決定されたトルク指令に基いて、負荷システム30及び充電システム40を制御するように構成されている。
【0052】
負荷システム30はインバータ、モータなどから構成されている。インバータが二次電池10からの直流電力を交流電流に変換し、モータがインバータが変換した交流電流によって駆動されるようになっている。この場合HVECU20は制御信号によってインバータの動作を制御して、トルク指令に合致したトルクをモータが出力するように構成されている。
【0053】
また充電システム40は、インバータ、ジェネレータ、エンジンなどから構成されている。エンジンの出力を利用して、ジェネレータが交流電流を発電し、インバータがこの交流電流を直流電流に変換して、二次電池10に充電するようになっている。この場合HVECU20は二次電池ECU12から供給される二次電池10の充電状態(SOC)の値に基いてモータ出力、エンジン出力などを制御することにより、二次電池10の充電状態(SOC)が60%付近になるように制御するように構成されている。
【0054】
また電池ECU12は電池寿命警告表示器50に接続されている。HVECU20は負荷システム30及び充電システム40とを制御して、所定の矩形波形を有する放電、放電中止後の休止(電流ゼロ)、充電、充電中止後の休止(電流ゼロ)を単位充放電サイクルとする充放電を二次電池10に実行させることができるように構成されている。
【0055】
そしてHVECU20が単位充放電サイクルを二次電池10に実行させたとき、電池ECU12は電圧検出器11から入力されるモジュール毎の端子電圧の大きさと電流検出器14から入力される二次電池10の電流の大きさとに基いて、放電中止時(電流ゼロ)の端子電圧と充電中止時(電流ゼロ)の端子電圧との電圧差(以下適宜「中止時電圧差」という)を測定するように設定されている。そしてこの電圧差が予め設定しておいた数値を超えたときは、電池ECU12は二次電池10が劣化して寿命に達したと判定して、その旨を電池寿命警告表示器50に出力するように設定されている。
【0056】
その結果ハイブリッド車のドライバー等は二次電池10が既に劣化して寿命に達したことを認識することができる。
【0057】
(2)劣化判定システムの動作
この劣化判定システムを用いて、本発明の二次電池の劣化判定方法を実施することができる。
【0058】
▲1▼まず本発明の二次電池の劣化判定方法を劣化判定システムで実施した場合の基本的な動作を説明する。
【0059】
HVECU20は、ハイブリッド車の運転状況に応じて負荷システム30と充電システム40とを制御して、一定時間が経過する毎に単位充放電サイクルを連続して3回繰り返して二次電池10に実行させる。ここで本実施例で実行される単位充放電サイクルは、30Aの大きさの電流で5秒間放電し、放電中止後電流の大きさ0Aで20秒間休止し、30Aの大きさの電流で5秒間充電し、充電中止後電流の大きさ0Aで20秒間休止するというサイクルである。従って本実施例の単位充放電サイクルにおける電流の大きさの波形は矩形の波形形状を有している。
【0060】
この単位充放電サイクルを二次電池10が実行している間、二次電池10が放電する電流の大きさ及び二次電池が充電する電流の大きさが電流検出器14によって検出されて電池ECU12に入力され、また二次電池10の各モジュールの端子電圧の大きさが電圧検出器11によって検出されて、電池ECU12に入力される。このようにして電池ECU12は、二次電池が放充電する電流の大きさとその時の端子電圧の大きさとを共に検知することができる。
【0061】
ここでこの単位充放電サイクルを3回繰り返したときの二次電池10の電流と端子電圧の大きさとを同一の時間軸上で示したものを図3に示す。
【0062】
この図3に示された単位充放電サイクルのおける時間の経過と端子電圧の変化について説明する。単位充放電サイクルにおいて二次電池10から電流を所定の大きさの電流(30A)で放電させると、その放電開始時(図3中のt1)に二次電池10の内部直流抵抗分による電圧低下IR1が瞬間的に生じる。そしてその後所定の大きさの電流での放電の継続に伴い、分極の増大によって二次電池の端子電圧は徐々に低下する。
【0063】
そして放電を中止して電流の大きさを0Aとすると、その放電中止時(図3中のt2)において二次電池の内部抵抗分による電圧回復IR2が瞬間的に生じる。なおこの放電中止時の端子電圧の大きさをVf1とする。そして放電の中止の継続に伴い、分極による端子電圧の低下が回復していく。
【0064】
次に二次電池10に所定の大きさの電流(30A)で電流を充電させると、その充電開始時(図3中のt3)に二次電池10の内部直流抵抗分による電圧上昇IR3が瞬間的に生じる。その後所定の大きさの電流での充電の継続に伴い、分極の増大により二次電池の端子電圧が徐々に上昇する。そして充電を中止して電流の大きさを0Aとすると、その充電中止時(図3中のt4)において二次電池の内部抵抗分による電圧低下IR4が瞬間的に生じる。なおこの充電中止時の端子電圧の大きさをVj1とする。そしてこのような単位充放電サイクルは3回繰り返されるので、電流の放電及び充電に伴う上述の端子電圧の大きさの変化も3回繰り返されることになる。
【0065】
この場合第1回目の単位サイクルにおける放電中止時の端子電圧Vf1と充電中止時の端子電圧Vj1の電圧差ΔV1(=Vj1−Vf1)、第2回目の単位充放電サイクルにおける放電中止時の端子電圧Vf2と充電中止時の端子電圧Vj2の電圧差ΔV2(=Vj2−Vf2)、第3回目の単位充放電サイクルにおける放電中止時の端子電圧Vf3と充電中止時の端子電圧Vj3の電圧差ΔV3(=Vj3−Vf3)はいずれも二次電池10の内部で生じる分極の増大による二次電池10の劣化状態を反映している。
【0066】
本実施例においては、3回目の単位充放電サイクルの中止時電圧差ΔV3を二次電池10の劣化状態の判定に用いる。使用に供されてきた二次電池10は、これまで使用による負荷状態によって分極電圧の大きさが変化している。従って本実施例のように、単位充放電サイクルを連続して3回程度繰り返すことでこれまでの使用状態での分極の影響を解消することができる。そこで本実施例では3回目の単位充放電サイクルにおけるデータ即ちΔV3(=Vj3−Vf3)で二次電池10の劣化状態を判定することとした。
【0067】
本実施例においては、電池ECU12は、この3回目の電圧差ΔV3を算出して、それを予め設定しておいた所定の設定値と比較する。そして3回目の電圧差ΔV3が所定の設定値よりも大きい場合には、電池ECU12は、二次電池10が劣化して寿命に達したと判定して、その旨を電池寿命警告表示器50に出力して、ハイブリット者のドライバー等に二次電池10が既に劣化して寿命に達したことを認識させる。
【0068】
▲2▼このように本実施例では単位充放電サイクルは電流の大きさが30A、放電時間及び充電時間が5秒、放電中止後の休止時間(電流の大きさが0A)及び充電中止後の休止時間(電流の大きさが0A)が20秒と設定されている。そしてこの単位充放電サイクルを3回繰り返している。但し本発明の二次電池の劣化判定方法においては、これらを変更することも可能である。
【0069】
例えば本実施例では同一の単位充放電サイクルを連続して3回繰り返している。これを基本パターンということにする。この基本パターンに対して、単位充放電サイクルにおける放電電流及び充電電流の大きさを1回目、2回目、3回目と繰り返されるにつれて大きくして、他は基本パターンと同じ条件で単位充放電サイクルを3回繰り返すことができる。
【0070】
例えば単位充放電サイクルの放電電流及び充電電流の大きさを第1回の単位充放電サイクルにおいては10A、第2回目の単位充放電サイクルにおいては20A、第3回目の単位充放電サイクルにおいては30Aと変化させ、他は同じ条件で単位充放電サイクルを繰り返すというパターンで二次電池の単位充放電サイクルを負荷することができる。ここでこのパターンでの二次電池10に付加される電流と電圧との時間との関係を同一の時間軸上を用いて図4に示す。
【0071】
図4に示されるように、第1回目の単位充放電サイクルにおける放電中止時の電圧と充電中止時の電圧との電圧差即ち中止時電圧差ΔV1(=Vj1−Vf1)、第2回目の単位充放電サイクルにおける中止時電圧差ΔV2(=Vj2−Vf2)、第3回目の単位充放電サイクルにおける中止時電圧差ΔV3(=Vj3−Vf3)は徐々に増大している。従ってそれだけ劣化状態の判定精度が増加していると考えることができる。この場合においては、3回目の単位充放電サイクルに対応した値を所定の設定値として定めることができる。
【0072】
基本パターンのように同一の単位充放電サイクルを3回繰り返すのではなく、変形パターンのように電流の大きさを変化させることも本発明の二次電池の劣化判定方法においては可能である。
【0073】
▲3▼本実施例においては測定した単位充放電サイクルにおける中止時電圧差を二次電池10の温度によって補正することができる。ここで二次電池10の温度によって測定した中止時電圧差を補正する方法を説明する。
【0074】
まず図5に二次電池における温度の変化と中止時電圧差の変化との関係を示す。図5(a)は新品の二次電池における温度の変化と中止時電圧差の変化との関係を示し、図5(b)は劣化した二次電池における温度の変化と中止時電圧差の変化との関係を示す。
【0075】
図5(a)及び図5(b)が示すように、新品の二次電池と劣化した二次電池とを比較すると、中止時電圧差の増減量の増減割合は一般に劣化した二次電池の方が新品の二次電池よりも大きいことが知られている。
【0076】
そこで測定の対象となる二次電池の中止時電圧の補正については、新品の二次電池の増減割合を参照して補正することができる。例えば、図5(a)に示す25℃に対する測定時の温度での中止時電圧差の増減割合を利用して、測定された中止時電圧差を基準温度での中止時電圧差に補正することができる。
【0077】
このように補正された中止時電圧差を用いて、所定の設定値と比較して二次電池の劣化状態を判定することができる。
【0078】
なおこの場合新品の電池の増減割合を利用しているので、測定時の温度が基準温度から大きくずれるとそれだけ誤差が大きくなる。従って基準温度を中心して測定可能な温度の範囲を設定しておいて、二次電池の温度がこの範囲に入っている場合に劣化状態を判定するようにすることができる。
【0079】
本実施例における劣化判定システムにおいては、二次電池10の温度は温度センサ13によって測定される。そしてこの温度センサ13によって検出された二次電池10の温度は、電池ECU12に入力される。電池ECU12に温度が入力されると、電池ECU12は、中止時電圧差を予め設定したおいた基準温度での中止時電圧差に補正することができる。
【0080】
二次電池における充電状態によって測定した中止時電圧差を補正する方法を説明する。
【0081】
図6に二次電池における充電状態の変化と中止時電圧差との変化の関係を示す。図6(a)に新品の二次電池における充電状態の変化と中止時電圧差の変化との関係を示し、図6(b)に使用して劣化した二次電池における充電状態の変化と中止時電圧差の変化との関係を示す。
【0082】
充電状態の変化による中止時電圧差の増減量は、温度の変化による中止時電圧差の増減量と比較すると小さい。また新品の二次電池の場合の増減割合と劣化した二次電池の増減割合とは概ね近似している。この場合においても、新品の二次電池について、二次電池の充電状態の変化と中止時電圧差の変化との関係を把握しておいて、基準充電状態例えば図6中の二次電池においては60%に対する測定時の充電状態での中止時電圧差の増減割合を求め、測定された中止時電圧差を基準充電状態での中止時電圧差に補正することができる。
【0083】
このように補正された中止時電圧差を用いて、所定の設定値と比較して二次電池の劣化状態を判定することができる。
【0084】
上述したように、本実施例の劣化判定システムにおいては、電池ECU12に電圧検出器11及び電流検出器14が接続されており、電圧検出器11及び電流検出器13によって検出された端子電圧の大きさ及び電流の大きさが入力される。電池ECU12は、このように入力された端子電圧の大きさ、電流の大きさ等のデータに基いて、電池の充放電の積算量を算出して二次電池10の充電状態を検出することができる。
【0085】
上述したように本実施例の劣化判定システムが適用されるハイブリット車両においては、二次電池10の充電状態は概ね60%程度になるように制御されている。従って二次電池10の充放電の積算量から算出して二次電池10の充電状態が60%程度のときのみに中止時電圧差を測定して劣化状態を判定するようにするならば、特に充電状態によって中止時電圧差を補正する必要はなくなる。
【0086】
なおハイブリット車両に積載した二次電池10の充電状態を充放電の積層量から算出すると、実際の充電状態からずれる可能性がある。そこでより精度よく判定するためには、一度0%まで放電し、その後あらためて60%まで充電することもできる。
【0087】
▲4▼なお本実施例においても、初期状態の二次電池10の中止時電圧差を予め測定しておいて、この中止時電圧差から所定の割合を増加させた値を所定の設定値と定めることができる。例えば初期状態の中止時電圧差から50%増加した数値を所定の設定値と定めることができる。
【0088】
この場合には、劣化判定のために負荷するのと同様に新品の二次電池に対して単位充放電サイクルを連続して3回繰り返して負荷することで二次電池の初期状態の中止時電圧差を得ることができる。即ち初期状態の中止時電圧差を得る場合においても、その後の劣化判定において実行されるのと同じ単位充放電サイクルで中止時電圧差を得ることが必要である。初期状態の中止時電圧差を得るために二次電池に負荷する条件が二次電池を使用してから測定する時と初期状態の時と異なると初期状態の時の中止時電圧差が所定の設定値を定めるための基準とならなくなってしまう。
【0089】
▲5▼ここで本劣化判定システムを用いて本発明の二次電池の劣化判定方法を実施する場合の具体的な流れを図7のフローチャートで示す。
【0090】
第1ステップ(101)として、二次電池の劣化判定方法を実施して二次電池の中止時電圧差を測定するか時期か否かを判定する。前回の判定時から所定の期間経過していれば、第2ステップ(102)に移る。所定の期間経過していなければ、第2ステップ(102)には移行せず、元に戻る。
【0091】
この第1ステップは、電池ECU12が定期的に行うように設定しておくことができる。なお併せてユーザが要求した場合には第2ステップ(102)に移行するように設定しておくこともできる。
【0092】
第2ステップ(102)として、二次電池10の温度を温度センサ13によって測定する。またそれまでの放充電の電流の積算量から二次電池10の充電状態(SOC)を測定する。なおこの測定結果は、電池ECU12に入力される。
【0093】
第3ステップ(103)として、図3で示した基本パターンに従って即ち電流の大きさが矩形波形で、30Aで5秒放電、放電中止後20秒間休止(電流ゼロ)、30Aで5秒充電、充電中止後20秒間休止(電流ゼロ)の単位充放電サイクルを3回繰り返す。この際放電中止時(電流ゼロ)の端子電圧及び充電中止時(電流ゼロ)の端子電圧を電圧検出器11で測定する。即ち図3におけるVf1、Vj1、Vf2、Vj2、Vf3、Vj3を測定する。この測定結果は電池ECU12に入力される。
【0094】
第4ステップ(104)として、第3回目の単位充放電サイクルにおける中止時電圧差ΔV(Vj3−Vf3)を計算する。
【0095】
第5ステップ(105)として、第2ステップにおいて測定した二次電池10の温度、充電状態に基いて中止時電圧差ΔVを補正する。
【0096】
第6ステップ(106)として、第5ステップによって、補正した中止時電圧差ΔVと所定の設定値とを比較する。なおこの場合、所定の設定値は、予め上述の初期状態における中止時電圧差を求めておいて、この初期状態における中止時電圧差から適切な割合を増加させた数値とする。
【0097】
第7ステップ(107)として、比較の結果、電池寿命警告表示器に所定の設定値を超えた場合には寿命に達した旨を表示し、所定の設定値を超えていない場合には、寿命に達していない旨を表示する。
【0098】
このように本発明の二次電池の劣化判定方法を用いて、ハイブリッド車両に用いられた二次電池の劣化状態を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単位充放電サイクルにおける電流と端子電圧とを同一時間軸で示した図である。同一の時間軸で上に電流の大きさからなる波形を示し、下に端子電圧の大きさの波形を示すものである。
【図2】本発明の二次電池の劣化判定方法をハイブリット車両に適用したシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】実施例において二次電池に負荷される単位充放電サイクルの電流と端子電圧との関係を同一の時間軸上で示したものである。
【図4】二次電池に付加される異なるパターンの単位充放電サイクルの電流と端子電圧との時間とを同一の時間軸で示した図である。
【図5】二次電池における温度の変化と中止時電圧差の変化との関係を示した図である。
【図6】二次電池における充電状態の変化と中止時電圧差の変化との関係を示した図である。
【図7】実施例の劣化判定システムを用いて劣化判定方法を実施する場合の具体的な流れを示したフローチャートである。
【図8】特開2000−32984号公報に記載されたこの手法によるバッテリーの劣化を判定する処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
10:二次電池
11:電圧検出器
12:二次電池用電子制御装置(電池ECU)
13:温度センサ
14:電流検出器
20:ハイブリッド車両用電子制御装置(HVECU)
30:負荷システム
40:充電システム

Claims (9)

  1. 二次電池に対して電流の放電、放電中止後の休止、電流の充電、充電中止後の休止をそれぞれ所定時間行う単位充放電サイクルを1回又は連続して複数回繰り返し、最後の該単位充放電サイクルにおける該放電の中止時の端子電圧と該充電の中止時の端子電圧との電圧差を求め、
    予め設定した所定の設定値と該電圧差とを比較して二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする二次電池の劣化判定方法。
  2. 前記単位充放電サイクルは少なくとも3回以上繰り返される請求項1記載の二次電池の劣化判定方法。
  3. 複数回繰り返される前記単位充放電サイクルは、同一である請求項1又は2記載の二次電池の劣化判定方法。
  4. 前記単位充放電サイクルにおける放電電流の電気量と充電電流の電気量は同一である請求項1、2又は3記載の二次電池の劣化判定方法。
  5. 前記放電中止後の休止の時間と前記充電中止後の休止の時間とは同一時間である請求項1、2、3又は4記載の二次電池の劣化判定方法。
  6. 前記単位充放電サイクルの電流の大きさの波形は矩形である請求項1、2、3、4又は5記載の二次電池の劣化判定方法。
  7. 前記電圧差を前記二次電池の温度によって補正をする請求項1、2、3、4、5又は6記載の二次電池の劣化判定方法。
  8. 前記電圧差を前記二次電池の充電状態によって補正する請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の二次電池の劣化判定方法。
  9. 前記設定値は、前記二次電池の初期状態において測定された前記電圧差から導出された数値である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の二次電池の劣化判定方法。
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