JP4050561B2 - 偏光子用保護フィルムおよびそれを用いた偏光板 - Google Patents

偏光子用保護フィルムおよびそれを用いた偏光板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などの偏光板に用いられる偏光子用保護フィルムおよびそれを用いた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示装置などに装着して使用される偏光板としては、例えば図5に示す構成の偏光板20が知られている。すなわち、偏光子4の両面を接着剤7を介して保護層となる偏光子用保護フィルム3によって挟着して偏光フィルム10が構成されている。偏光フィルム10の片側(図5の上側)には粘着剤6を介して偏光フィルム用保護フィルム1が貼付されている。偏光フィルム10の他の片側には位相差フィルム5を接着し、その上に粘着剤6を介して、偏光フィルム用保護フィルム1と同一構成のフィルムの片面に離型剤8を塗布した偏光フィルム用離型保護フィルム2が貼付されている。
【0003】
偏光子4はポリビニルアルコールなどの親水性高分子からなるフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸配向させたものが使用されている。偏光子4の耐久性や機械的特性を保持する偏光子用保護フィルム3は、光学的に透明であること、すなわち複屈折が発現し難いこと、耐熱性を有していること、機械的強度が高いこと、表面が平滑であること、接着剤7や粘着剤6との良好な密着性を有していることが必要とされ、トリアセチルセルロースなどの無配向フィルムが用いられている。位相差フィルム5は鮮明な色彩と精細な画像を得るために、全面において均一な複屈折が得られ、高温高湿の厳しい環境下においても光学的性質が変化しないことが要求され、ポリカーボネートの1軸延伸フィルムなどが用いられている。
【0004】
偏光フィルム用保護フィルム1および偏光フィルム用離型保護フィルム2は、偏光フィルム10の流通過程や液晶表示装置への取付工程などにおいて、偏光フィルム10や位相差フィルム5の表面を汚染したり損傷したりすることを防止する目的で用いられるものであり、粘着剤6を介して偏光フィルム10または位相差フィルム5に粘着され、液晶表示装置へ取付ける際に容易に剥離可能であることが望ましい。特に、偏光フィルム用離型保護フィルム2においては、粘着剤6との粘着面に離型剤8を塗布しておき、剥離性を付勢することが好ましい。
【0005】
偏光子用保護フィルム3としては、前記の必要特性に基づいて、トリアセチルセルロースなどのセルロース系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルムなどが用いられる。これらの偏光子用保護フィルム3は、偏光子4の両面を保護するように、接着剤7を介して挟着して偏光フィルム10が構成される。偏光フィルム10にはガラス基板への接着を目的として、その一方の片面に粘着剤が塗布される。また、他の片面には疵付きを防止するためのハードコート層が塗布されたり、接着剤を介して位相差フィルムが接着されることもある。ポリカーボネートフィルムやポリアクリルフィルムなどの樹脂フィルムは、有機溶媒と接触すると収縮したり白化するなど、耐有機溶媒性に劣っている。そのため、これらの耐有機溶媒性に劣る樹脂フィルムを単独で偏光子保護フィルムとして用いる場合、前記の粘着剤の塗布、ハードコート層の塗布、位相差フィルムの接着などに用いる粘着剤、ハードコート処理剤、接着剤は有機溶媒系の処理液を使用できず、水系の処理を用なくてはならないが、水系の処理液は有機溶媒系の処理液に比べて樹脂フィルムに対する濡れ性に劣り、均一に塗布しにくく、また乾燥に長時間を要するなどの問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複屈折が極めて小さく、有機溶媒系の処理液を用いることが可能な偏光子用保護フィルム、およびそれを用いた偏光板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏光子用保護フィルムは、ポリカーボネートフィルムの両面にポリエステルフィルムを積層してなる3層フィルムからなる偏光子用保護フィルム、またはポリカーボネートフィルムの片面にポリエステルフィルムを積層してなる2層フィルムからなる偏光子用保護フィルムであり、3層フィルムまたは2層フィルムが無配向フィルムであることを特徴とする。
【0008】
上記の2層フィルムまたは3層フィルムにおいては、ポリカーボネートのガラス転移温度が100℃以上であること、ポリエステルフィルムがブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体、またはポリエチレンテレフタレートのいずれかであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の偏光子用保護フィルムは、特にポリカーボネートフィルムの片面に前記ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体もしくはポリブチレンテレフタレートからなるフィルム、他の片面に前記エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体、またはポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを積層してなる3層フィルムからなることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明の偏光板は、上記のいずれかの偏光子用保護フィルムを接着剤を介して偏光子に接着してなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、ガラス転移温度が100℃以上であるポリカーボネートフィルムの片面に耐有機溶媒性に優れるポリエステルフィルムを積層してなる無配向の2層フィルム、またはガラス転移温度が100℃以上であるポリカーボネートフィルムの両面に耐有機溶媒性に優れるポリエステルフィルムを積層してなる無配向の3層フィルムを偏光子用保護フィルムとすることにより、有機溶媒系の粘着剤や接着剤を用いて偏光子用保護フィルムをガラス基板に粘着させたり、偏光子用保護フィルムにハードコート層を塗布したり、偏光子用保護フィルムに位相差フィルムを接着したりすることが可能となった。そのため、この偏光子用保護フィルムを用いることにより、偏光子保護フィルムが上記の有機溶媒系処理液により収縮したり白化することがなくなり、また処理液が均一に塗布され、かつ溶媒の乾燥時間を短縮することが可能となり、生産性が向上し低コストで偏光板が得られることが判明した。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の偏光子用保護フィルム3としては、図3に示すように、基材となるポリカーボネートフィルム30の片面に薄層のポリエステルフィルム40を積層してなる2層の無配向フィルム、または図4に示すように、基材となるポリカーボネートフィルム30の両面に薄層のポリエステルフィルム40、41を積層してなる3層の無配向フィルムを用いる。ポリカーボネートフィルム30、ポリエステルフィルム40、41は肉眼で無色透明であり、また無配向とすることにより複屈折が殆どなく光学的にも無色となり、偏光板20の光学的欠陥の検出に悪影響を与えることがない。
【0014】
偏光子4としてはポリビニルアルコールなどの親水性高分子からなるフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させた後、延伸配向させたものが使用されるが、延伸配向後に熱固定するとヨウ素が揮散してしまうため、熱固定を施さずに使用される。そのため周囲の温度変化や湿度変化によって大きく伸縮する。このため、偏光子4を挟着して温度変化や湿度変化による変形を拘束する偏光子用保護フィルム3は、光学的に透明であることに加えて耐熱性を有していることが必要とされる。さらにその外側に粘着される偏光フィルム用保護フィルム1や偏光フィルム用離型保護フィルム2においても、同様に耐熱性および吸湿性が必要とされる。ポリカーボネートフィルム30は優れた耐熱性を有しており、吸湿性が小さく、機械的強度も高いが、ガラス転移温度は100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が100℃未満であると、偏光子4に対する拘束力が不足し、ポリカーボネートフィルム30自体が収縮して偏光板20に反りが生じる場合も生じる。
【0015】
ポリカーボネートは、二環二価フェノール類とホスゲンとから誘導される炭酸エステル樹脂であり、高いガラス転移温度と耐熱性を有することを特徴とする。ポリカーボネートとしては、ビスフェノール類、例えば表1に示すものから誘導されるポリカーボネートが用いられる。
【0016】
【表1】
Figure 0004050561
【0017】
これらのポリカーボネートは、前記条件を満足する限り、ホモポリマー、または共重合体、あるいはこれらの2種以上をブレンドしてなる樹脂であってもよい。
【0018】
図3に示す偏光子用保護フィルム3としては、基材となるポリカーボネートフィルム30の片面に薄層のポリエステルフィルム40を積層したものが用いられる。ポリエステルフィルム40と偏光子4の接着には接着剤が用いられる。この接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリウレタン系接着剤等が用いられる。
【0019】
また偏光子用保護フィルム3には、図1に示すように粘着剤6を介して保護フィルム1を被覆することなく、図2に示すように単にハードコート膜42を形成する場合もある。また、偏光子用保護フィルム3に接着剤43を介して位相差フィルム5を接着する場合もある。これらのハードコート塗布、位相差フィルム接着を有機溶媒系処理液を用いて行う場合、基材となる無配向のポリカーボネートフィルム30は耐有機溶媒性に乏しいため、溶剤を付着させると収縮したり、白濁して不透明となる。このような用途に適用する場合は、図4に示すように、ポリカーボネートフィルム30の両面にポリエステルフィルム40、41を積層した3層フィルムが用いられる。無配向のポリエステルフィルム40、41は短時間有機溶媒を付着させても収縮することがなく、ポリカーボネートフィルムの耐溶剤層として有効に作用する。
【0020】
ポリエステルフィルムとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸などのジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジオールを、それぞれ1種を重縮合してなるホモポリマー、またはジカルボン酸1種以上とジオール2種以上を重縮合してなる共重合体、あるいはジカルボン酸2種以上とジオールを1種以上を重縮合してなる共重合体、およびこれらのホモポリマーや共重合体を2種以上ブレンドしてなるブレンド樹脂のいずれかのポリエステル樹脂からなるフィルムを用いることができる。
【0021】
ポリエステルフィルムは、粘着剤、ハードコート剤、接着剤を溶解させるための有機溶媒が付着しても収縮したりすることがないように結晶化速度が大であることが好ましい一方で、これらの有機溶媒系処理液を塗布した後に乾燥かつ硬化させるために、搬送に必要な軽度の張力をフィルムに負荷して加熱オーブンを通過させる際に、張力によって搬送方向に1軸配向して熱固定され配向結晶が生じてフィルムに不均一な複屈折が生じることのないように結晶化速度が小である必要もある。この相反する特性を満足するポリエステルフィルムとしては、ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを挙げることができる。また、3層フィルムの場合は、有機溶媒系処理液が塗布される側のポリエステルフィルムをブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体またはポリブチレンテレフタレートからなるフィルムとし、有機溶媒系処理液が塗布されない側のポリエステルフィルムをエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体、またはポリエチレンテレフタレートからなるフィルムとすることがより好ましい。
【0022】
上記の2層フィルムの厚さは、ポリエステル(1〜10μm)/ポリカーボネート(10〜80μm)であることが好ましい。また3層フィルムの厚さは、ポリエステル(1〜10μm)/ポリカーボネート(10〜80μm)/ポリエステル(1〜10μm)であることが好ましい。ポリカーボネートフィルム30の厚さが10μm未満であると2層フィルムもしくは3層フィルムで偏光子を挟着しても、温度変化や湿度変化による偏光子の変形を十分に拘束することができない。80μmを超えると拘束の効果が飽和して経済的でなくなる。このポリカーボネートフィルム30の厚さに対して、ポリエステルフィルム40、41の厚さは、それぞれ1/50〜1/5であることが好ましい。ポリエステルフィルム40、41の厚さが1/50未満ではポリカーボネートに耐有機溶媒性を十分に付与することができない。ポリエステルフィルムはガラス転移温度がポリカーボネートよりかなり低いために、温度変化や湿度変化により変形しやすく、ポリカーボネートフィルム30に対する厚さが増加すると、偏光子4およびポリエステルフィルム40、41の両方の変形により、2層フィルムまたは3層フィルム全体が変形する恐れがある。そのため、ポリエステルフィルム40、41の厚さがそれぞれ1/5を超えるとポリカーボネートフィルムによる拘束の効果が不十分となり、温度変化や湿度変化などの外的要因により変形する恐れがある。
【0023】
上記の2層フィルムおよび3層フィルムは、共押出法などの公知のフィルム製造方法を用いて作成することができる。また2層フィルムおよび3層フィルムは長尺帯状の形状で製造され、コイラーに巻き取ったり、コイラーに巻き取られた状態から巻き戻しながら偏光子4や位相差フィルム5と粘着されるが、ポリエステルフィルム40、41のいずれか一方、または両方に粒径が0.1〜3.0μmのシリカ粉末などの滑剤を0.05〜3重量%含有させておくと、巻き取り作業や巻き戻し作業を円滑に行うことができる。滑剤を含有していないと、特にコイラーに巻き取る作業が極めて困難になる。滑剤の粒径および含有量が上記の範囲内であれば、偏光板20の光学的欠陥の検出に悪影響を与えることはない。
【0024】
以上のようにして作成される、無配向の2層フィルムまたは3層フィルムを用いた偏光子用保護フィルム3を用いて、偏光板20を構成する。すなわち、2層の偏光子用保護フィルムを用いる場合は、図5に示すように、偏光子4の両面にポリエステルフィルム層が接するようにして偏光子4を接着剤7を介して偏光子用保護フィルム3で挟み着け、接着し、偏光フィルム10を形成させる。この際に、接着力を向上させるために偏光子用保護フィルムのポリエステルフィルム層にコロナ処理を施したものを用いてもよい。次いで偏光フィルム10の片側に、粘着剤6を介して偏光フィルム用保護フィルム1を貼付し、偏光フィルム10の他の片側に位相差フィルム5を接着し、その上に粘着剤6を介して、離型剤8を塗布した偏光フィルム用離型保護フィルム2を、離型剤8が粘着剤6と接するようにして貼付する。
【0025】
3層の偏光子用保護フィルム3を用いる場合の他の態様として、図6に示すように、偏光子用保護フィルム3の片面に透明アクリル樹脂などを酢酸エチルやメチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解して塗布しハードコート膜42を形成させたものを偏光子4の片面に、3層の偏光子用保護フィルムの片面に接着剤43を酢酸エチルやメチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解して塗布したものを偏光子4の他の面に、それぞれ接着剤7を介して挟み着け、接着し、偏光フィルム10を形成させる。次いで偏光フィルム10のハードコート膜42を形成させない側に位相差フィルム5を接着し、その上に粘着剤6を介して、離型剤8を塗布した偏光フィルム用離型保護フィルム2を、離型剤8が粘着剤6と接するようにして貼付し、偏光板20を構成する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置などの偏光板に用いられる偏光子用保護フィルムは、ガラス転移温度が100℃以上であるポリカーボネートフィルムの片面にポリエステルフィルムを積層してなる無配向の2層フィルム、またはガラス転移温度が100℃以上であるポリカーボネートフィルムの両面にポリエステルフィルムを積層してなる無配向の3層フィルムからなる。これらの2層フィルムまたは3層フィルムは肉眼で無色透明であり、かつ耐有機溶媒性を有することから、有機溶媒系の粘着剤、ハードコート剤、接着剤の使用が可能であり、これらの有機溶媒系処理液を均一に塗布することが可能で、かつ溶媒の乾燥時間を短縮可能であることから、生産性を向上させ、偏光板を低コストで製造することができる。
【0027】
2層フィルムは、基材となるポリカーボネートフィルムの片面に、ポリカーボネートフィルムの1/50〜1/5の厚さの薄層のポリエステルフィルムを積層してなる。3層フィルムは、基材となるポリカーボネートフィルムの両面にポリエステルフィルムを、それぞれポリカーボネートフィルムの1/50〜1/5の厚さの薄層で積層してなる。ポリカーボネートは100℃以上の高いガラス転移温度を有しており、温度変化や湿度変化により変形しにくく、これらの外的要因によって変形しやすい偏光子を、偏光子用保護フィルムとして挟着することにより、偏光子を含む偏光フィルムの外的要因による変形を防止することができる。しかし、無配向のポリカーボネートは耐有機溶媒性に乏しく、有機溶媒を付着させると収縮したり、白化して不透明となるので、2層フィルムにおいてはポリカーボネートフィルムの有機溶媒系の粘着剤、ハードコート、接着剤の塗布面、3層フィルムにおいてはポリカーボネートフィルムの両面に耐有機溶媒層として薄層のポリエステルフィルムを積層する。このようにポリカーボネートの表面に薄層のポリエステルフィルムを積層することにより、ポリカーボネートフィルムは有機溶媒と直接接することがないので、偏光子用保護フィルムが収縮したり白化したりすることがない。
【0028】
また、本発明の偏光板は、偏光子の両面を接着剤を介して偏光子用保護フィルムで挟み着けて接着してなる偏光フィルムの片側に粘着剤を介して偏光フィルム用保護フィルムを貼付し、偏光フィルムの他の片側に位相差フィルムを接着しその上に粘着剤を介して離型剤を塗布した偏光フィルム用離型保護フィルムを離型剤が粘着剤と接するようにして貼付して構成されている。本発明の偏光板は、本発明の偏光子用保護フィルムを用いて有機溶媒系処理液を用いて接着剤層、ハードコート膜、位相差フィルム等が形成されるため、処理層が均一に塗布され、溶媒の乾燥時間を短縮でき、生産性が向上することから、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の偏光子用保護フィルムの構成の一例を示す概略断面図。
【図2】 本発明の偏光子用保護フィルムの構成の他の一例を示す概略断面図。
【図3】 本発明の2層の偏光子用保護フィルムの構成の一例を示す概略断面
図。
【図4】 本発明の3層の偏光子用保護フィルムの構成の一例を示す概略断面
図。
【図5】 本発明の偏光板の構成の一例を示す概略断面図。
【図6】 本発明の偏光板の構成の他の態様を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 : 偏光フィルム用保護フィルム
2 : 偏光フィルム用離型保護フィルム
3 : 偏光子用保護フィルム
4 : 偏光子
5 : 位相差フィルム
6 : 粘着剤
7 : 接着剤
8 : 離型剤
10 : 偏光フィルム
20 : 偏光板
30 : ポリカーボネートフィルム
40 : ポリエステルフィルム
41 : ポリエステルフィルム
42 : ハードコート膜
43 : 接着剤

Claims (9)

  1. ポリカーボネートフィルムの両面にポリエステルフィルムを積層してなる3層フィルムからなることを特徴とする偏光子用保護フィルム。
  2. 前記3層フィルムが無配向フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の偏光子用保護フィルム。
  3. ポリカーボネートフィルムの片面にポリエステルフィルムを積層してなる2層フィルムからなることを特徴とする偏光子用保護フィルム。
  4. 前記2層フィルムが無配向フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の偏光子用保護フィルム。
  5. 前記ポリエステルフィルムがブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体、またはポリエチレンテレフタレートのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光子用保護フィルム。
  6. ポリカーボネートフィルムの片面に前記ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体もしくはポリブチレンテレフタレートからなるフィルム、他の片面に前記エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体からなるフィルムを積層してなる3層フィルムからなることを特徴とする請求項1、2および5のいずれかに記載の偏光子用保護フィルム。
  7. ポリカーボネートフィルムの片面に前記ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート共重合体もしくはポリブチレンテレフタレートからなるフィルム、他の片面に前記ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを積層してなる3層フィルムからなることを特徴とする請求項1、2および5のいずれかに記載の偏光子用保護フィルム。
  8. ポリカーボネートのガラス転移温度が100℃以上である、請求項1、3、6および7のいずれかに記載の偏光子用保護フィルム。
  9. 請求項1〜8の偏光子用保護フィルムを接着剤を介して偏光子に接着してなることを特徴とする偏光板。
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