JP4050380B2 - 連続噴出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内容物を長時間に亘って定量、定圧で噴出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアゾル容器などによって、各種の殺虫剤、殺菌剤、肥料、動物用忌避剤、芳香剤、消臭剤等の内容物を噴出させることは普通に行なわれているが、長時間に亘って、定量、定圧で、例えば1ヶ月間に50mlというように長期間に微量を低圧で噴出させようとすれば適当な手段がないのが現状である。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は従来から業界の要望であった内容物の定量、定圧での長時間に亘る噴出の実現のために、一定圧力調整装置、連続定量噴出装置等からなる連続噴出装置を得たものである。
さらにこの連続噴出装置を利用して薬液をシャボン玉として放散させて長時間連続して噴出させる装置を得たものである。
【0004】
【実施例】
図1はこの発明の連続噴出装置の全体構成の概念図であって、例えばエアゾル容器のような圧力容器1の上端に噴出装置固定カバー2を嵌合固定し、カバー2内に噴出装置10が嵌合固定されている。
図2は特に微量、低圧で連続噴出させるのに適する実施例である噴出装置10の断面図を示し、本体部20の上方にヘッドカバー30が係止部32によって固定され、本体部20の内部にピストン40が挿入され、ピストン40の上方に噴出量調整レバー50がねじこまれていて、ピストン40とレバー50との間に微量調整機構が設けられている。
【0005】
ピストン40はヘッドカバー30との間に介挿されたスプリング42によって下方に付勢されている。ピストン40の下方には先端が閉鎖部44として形成されているプランジャー43を挿入する。なお41はシールパッキン、45は弾性密封部材である。
図3は図2のA部の拡大図であって、微量の噴出量を調整する機構の一実施例を示し、50は噴出量調整レバー、51はピストン40との間のネジ込部、52は通路、54は噴出量調整手段としてのスポンジ等の連続発泡体、55はフィルタ、56はワッシャー、57は0.5φ以下の微小径孔、58はメッシュであって、ネジ込部51により噴出量調整レバー50を上下させて連続発泡体54の密度を変え、微量の噴出量を調整できる。図4は図2をF方向からみた平面図、図5は図1をR方向からみた平面図であって、図2、図4、図5から判るように噴出量調整レバー50の周辺は垂下部59に形成され、ヘッドカバー30の上面の円弧状調整用スリット31の中に嵌入している。
【0006】
レバー50を廻せばネジ込部51により上下し、その先端による連続発泡体54への押圧度が変化し、連続発泡体54の密度を変化させ、微量噴出量を調整する。噴出量の調整はこのように押圧で発泡体の密度を変化させる外、調整体自体を密度の異なる材質のもの同志で取り換えることによって行なうこともできる。53はレバー50の上面の通路52の出口に介挿した分散体であって、通路52を上昇した内容物は分散体53から外気へ蒸散される。21は本体部20の内部にあるピストン廻り止めリブであって、ピストン40の下端のフォーク部46と係合している。22は本体部20から突出している固定用リブであって、図1、図5、及び図1をD方向からみた側面図である図6から判るように、リブ22は噴出装置固定カバー2の嵌合孔4に嵌合して固定される。
【0007】
3はカバー2に設けられたスリットであって、噴出装置10をカバー2に挿し込むとき弾性をもたせるようになっている。5は容器1の上端のノズルステムであって、噴出装置10の本体部20の下端のノズルステム嵌合部23と嵌合している。
図1の中心線A−Aの左側は噴出前の状態であり、中心線A−Aの右側に示すように噴出装置10を押し込んでカバー2に固定すると、ノズルステム5も下降して噴出状態となる。ノズルステム5から噴出された内容物はプランジャー43の周囲からピストン40の下方に入り、圧力でピストン40をスプリング42に抗して押し上げながら、プランジャーの上方から前記の微量調整機構を経て通路52より分散体53に入り、そこから外気に蒸散する。
【0008】
スプリング42に抗してピストン40が上昇するとプランジャー43も上昇し、その閉鎖部44が通路を閉鎖すると、内容物はそれ以上ピストン40の下方に入らず、内容物が次第に蒸散してピストン下面の圧がスプリング42の付勢力よりも低くなる。そうなればピストン40とプランジャー43がスプリング42に押されて下降し、閉鎖部44も下降して閉鎖が開放され、再び内容物が流入し、ピストン下面の圧が高まり、スプリングの付勢力に抗してピストンとプランジャーが上昇し再び流入を閉鎖する。このようにしてスプリング42の強さに相応する一定圧力にピストン40の下面の圧力は維持される。
【0009】
なお、噴出量調整装置としては、実施例として挙げたスポンジ等の連続発泡体以外に、人工皮革、不織布、焼結体等、任意の微空隙体が使用されうる。
図7では、エアゾル容器1の内部に内容物を吸上げるディップチューブ6を入れ、その先端に定圧部60を取り付け、その上方にバルブ7、ノズル8が設けられている。ノズル8には連続発泡体等の蒸散体があり、前記の如く噴出して来た液は一旦蒸散体9に入り、そこから大気中に蒸散してゆく。25は定圧部への流入口、26は定圧部からの流出口である。
【0010】
図8は定圧部60がディップチューブ6の先端に取り付けられている別な実施態様を示している。
図9は定圧部60の構成を示し、これは図2に示す構成と基本的には同じであって、図2と同じ符号は同じ部分を表している。薬液は流入口25から入って、圧力を調整され、微量で流出口26から出てゆく。内容物が流入すればピストン40をスプリング42に抗して図の右側に押し、プランジャー43の先端の閉鎖部44が流入口を閉鎖し、それ以上の内容物の流入を遮断し、内容物の流出でピストンの左側の圧力が下がれば、スプリング42の付勢力でピストンは左側に動き、閉鎖部44が開放され、再び内容物が流入する。このようにピストン40の左側の圧力はスプリング42との関連で一定圧に維持され、内容物は定圧でメッシュ58、微小径(0.5φ以下)の小孔57、フィルタ55、連続発泡体54を経て流出口26を出て、バルブ7の方に送られる。なお図で41はシールパッキン、45は弾性密封体である。
【0011】
図10は連続噴出装置の第1参考例であって、この発明の定量噴出装置を利用したシャボン玉による薬液拡散を行うような連続噴出装置60を示している。図11は図10の平面図を示している。61は空気より軽いガス(例えばヘリウム)を入れた高圧ガスボンベ、10はそれに取り付けた、図2と同様な連続噴出装置、62はガスボンベの上方に取り付けた容器で、所望の薬液、界面活性剤等を含む溶液を入れる。63は容器62からの溶液誘導部で毛管現象等を利用する。64はシャボン玉形成部であって、連続噴出装置10から噴出されてくるヘリウムなどのガスで容器62から誘導されてくる溶液をゆっくり膨ましてシャボン玉70を作り、空中に放出させる。
【0012】
シャボン玉が天井等の上部ではじければ、薬液を広範囲に拡散させることができる。又拡散状況を目でみることもできる。
さらにこの装置は玩具などにも利用が可能である。
【0013】
【発明の効果】
この発明は、一旦セットすれば、各種の殺虫剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤等の内容物を一定圧で長期間定量で噴出させ(例えば薬液を低圧、微量で噴出させるような場合において1ヵ月間で50mlを噴出させる)ことのできるエアゾル装置を得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の全体概念図
【図2】噴出装置の断面図
【図3】図2のA部の拡大図
【図4】図2をF方向からみた平面図
【図5】図1をR方向からみた平面図
【図6】図1をD方向からみた側面図
【図7】別な実施態様を示す図
【図8】さらに別な実施態様を示す図
【図9】定圧機構を示す図
【図10】 連続噴出装置の第1参考例を示す図
【図11】図10の平面図
【符号の説明】
1 エアゾル容器
2 噴出装置固定カバー
3 スリット
4 孔
5 ノズルステム
6 ディップチューブ
7 バルブ
8 ノズル
9 蒸散体
10 噴出装置
20 本体部
21 ピストン廻り止リブ
22 固定用リブ
23 ノズルステム嵌合部
25 流入口
26 流出口
30 ヘッドカバー
31 円弧状調節用スリット
32 係止部
40 ピストン
41 シールパッキン
42 スプリング
43 プランジャー
44 閉鎖部
45 弾性密封部材
46 フォーク部
50 噴出量調整レバー
51 ネジ部
52 通路
53 分散体
54 連続発泡体
55 フィルター
56 ワッシャー
57 微小径部
58 メッシュ
59 垂下部
60 シャボン玉による拡散装置
61 ガスボンベ
62 容器
63 溶液誘導部
64 シャボン玉形成部
70 シャボン玉
Claims (2)
- エアゾル容器と、
前記エアゾル容器の上端部に配設される噴出装置固定カバーと、
前記噴出装置固定カバー内に配設される噴出装置と、を備える連続噴出装置であって、
前記噴出装置は、
前記エアゾル容器に収納される内容物の圧力を一定に調整する一定圧力調整装置と、
前記内容物の噴出量を調整する噴出量調整装置と、
前記内容物を一定量で連続して噴出させる連続定量噴出装置と、を備え、
前記一定圧力調整装置は、
前記噴出装置の本体部及びヘッドカバー内に挿入されるピストンと、
前記ピストンの下方に挿入されるプランジャと、
前記ヘッドカバーと前記ピストンとの間に介挿され、前記ピストンを下方に付勢するスプリングと、を有し、
前記噴出量調整装置は、
前記ピストンのネジ込部に螺合される噴出量調整レバーと、
前記ピストンと前記噴出量調整レバーとの間に配設される微空隙体及び微小径孔と、を有し、
前記噴出量調整レバーを廻して上下動させることによる押圧度の変化で前記微空隙体の密度を変化させて、あるいは、前記微空隙体を密度の異なる材質のもの同士で取り換えることによって、前記内容物の噴出量を微量で調整し、
前記連続定量噴出装置は、
前記噴出装置に形成される固定用リブと、
前記噴出装置固定カバーに形成される嵌合孔と、を有し、
前記固定用リブを前記嵌合孔に嵌合させることにより、前記エアゾル容器のノズルステムを押圧して連続噴出状態とすることを特徴とする連続噴出装置。 - エアゾル容器と、
前記エアゾル容器の上端部に配設されるバルブと、
前記バルブの上端部に嵌合されるノズルと、を備える連続噴出装置であって、
前記連続噴出装置は、
前記エアゾル容器に収納される内容物の圧力を一定に調整する一定圧力調整装置と、
前記内容物の噴出量を調整する噴出量調整装置と、
前記内容物を一定量で連続して噴出させる連続定量噴出装置と、を備え、
前記一定圧力調整装置は、
前記バルブの下方、且つ前記エアゾル容器内に定圧部が設けられ、
前記定圧部は、
前記定圧部のボディ及びヘッドカバー内に挿入されるピストンと、
前記ピストンに挿入されるプランジャと、
前記ヘッドカバーと前記ピストンとの間に介挿され、前記ピストンを付勢するスプリングと、を有し、
前記噴出量調整装置は、
前記定圧部の流出口に配設される微空隙体及び微小径孔を有し、
前記微空隙体を密度の異なる材質のもの同士で取り換えることによって、前記内容物の噴出量を微量で調整し、
前記連続定量噴出装置は、
前記ノズルに前記内容物を外気に蒸散させる蒸散体を備え、
前記ノズルの下端部を前記エアゾル容器の上端部に嵌合させることにより、前記バルブを押圧して連続噴出状態とすることを特徴とする連続噴出装置。
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