JP4050238B2 - Kpvトリペプチドジアミド誘導体の改良された合成方法 - Google Patents

Kpvトリペプチドジアミド誘導体の改良された合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4050238B2
JP4050238B2 JP2004017359A JP2004017359A JP4050238B2 JP 4050238 B2 JP4050238 B2 JP 4050238B2 JP 2004017359 A JP2004017359 A JP 2004017359A JP 2004017359 A JP2004017359 A JP 2004017359A JP 4050238 B2 JP4050238 B2 JP 4050238B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
following formula
acid
protecting group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004017359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004231653A5 (ja
JP2004231653A (ja
Inventor
ジェナール シルヴィー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LOreal SA
Original Assignee
LOreal SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LOreal SA filed Critical LOreal SA
Publication of JP2004231653A publication Critical patent/JP2004231653A/ja
Publication of JP2004231653A5 publication Critical patent/JP2004231653A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4050238B2 publication Critical patent/JP4050238B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/64Proteins; Peptides; Derivatives or degradation products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/005Preparations for sensitive skin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/007Preparations for dry skin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/08Tripeptides
    • C07K5/0815Tripeptides with the first amino acid being basic
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

本発明は、リジン-プロリン-バリン(KPV)トリペプチドのジアミド誘導体の改良された合成方法に関する。
(従来技術)
ペプチドの合成では、2つの主たる合成経路、つまり固相合成法と溶液合成法が区別される。
固相合成は、自由度が高く、既にオートメーションが存在しているといった利点を有する。生成物は、多くの場合、数ミリグラムから100ミリグラムの範囲の研究室規模で一般的に合成される。その原理は、特に、収率を高めるために過剰の試薬での実施を可能にする精製の点で、利点が知られているサポートケミストリー(support chemistry)の原理をベースにしている。このような経路は、それらの活性をスクリーニングすることを視野に入れて、多数の化合物を合成するために一般に使用される。
溶液合成は、それが関与する限り、単一バッチで多量の生成物を調製することを可能にするという利点を有する。全ての反応が、前の場合のように樹脂に支持された如何なる試薬も使用しないで、溶液中で達成される。ペプチドの合成では、これが工業的合成のためには最も好ましい方法である。
天然のペプチドからの半合成(hemisynthesis)反応もまた挙げられる。それらは、天然に生じたペプチドを制限的に加水分解し(多くの場合は酵素経路を介する)、ペプチド性のペプチド断片混合物を生成し、これを分離した後、場合によっては誘導体化して、所望の化合物を得ることからなる。
(溶液合成)
本出願人の知る限りでは、一つの文献のみがKPVトリペプチドのジアミド化合物の溶液合成を開示しており、例証されている化合物はAc-Lys-Pro-Val-NHのみである(Eberleら, 1975)。
このような合成においては、リジン側鎖がBoc-Lys-OHに導入されたMSOC保護基により保護されて、Boc-Lys(MSOC)-OHを形成する。N(α),N(ε)二保護リジンは、一般的なDCC/HOBt法により、Boc-Pro-Val-NH,HClとカップリングされる。そして、Boc-Pro-Val-NH,HCl反応物は、Boc-Pro-OH及びBoc-Val-NHから2工程で得られる。全収率は、Boc-Lys(MSOC)-OHをベースにして算出して33%である。全体的な合成反応式を、以下のスキーム(I)に例示する:
Figure 0004050238
前記Ac-Lys-Pro-Val-NH化合物(未特定塩)とジアセチル化されたAc-Lys(Ac)-Pro-Val-NHのホモログの概略的かつ不完全な調製法は、欧州特許出願番号第0317573号(リプトン(Lipton))において述べられている。
他の文献、例えば国際公開第0056353号(リプトン)には、Ac-Lys-Pro-Val-NH化合物が記載されているが、それは合成方式を示しているのみである。「ペプチドを固相ペプチド合成法によって調製し、逆相高速液体クロマトグラフィーによって精製した」と述べられている。
固相
固相では、Ac-Lys-Pro-Val-NHの合成について、全体的な収率が56.1%でL系列のものが記載されている(Sawyer, 1981)。
今なお固相では、Staplesら(1985)の文献は、Ac-Lys-Pro-Val-NH化合物を得ることが可能なペプチド合成法を開示しているが、構造に幾ばくかの矛盾があり、アミノ酸分析はグリシンの存在を示している。Sawyerが自身の論文(Sawyer, 1981)において使用した固相方法は、Ac-ペプチド-NHペプチド(Sawyer, 1982)の合成に一般化されてたが、Ac-Lys-Pro-Val-NHトリペプチドは例証も記載もされていない。このような方法では(Sawyer, 1981;1982)、樹脂は、フッ化水素酸HFにより樹脂ペプチドを分裂させた後、カルボキサミド形態(CO-NH)のものを良好な収率で直接得ることが可能なp-メチルベンズヒドリルアミン型樹脂である。アミノ酸はBocによるそのN-保護形態で導入され、一般的なDCC/HOBt法によりカップリングされる。リジンの場合では、N(α)Boc、N(α)-2,4-Cl2-Z-Lys-OH形態で導入される。ペプチドを合成する場合、最後にカップリングされたアミノ酸のN(α)アミンの保護が脱保護され、末端アミノ酸が、樹脂の分裂前に、過剰のN-アセチルイミダゾールによりアセチル化される。このような方法により、以下のスキーム2:
Figure 0004050238
に従い、全収率56.1%で、Ac-Lys-Pro-Val-NHトリペプチドが合成される(Sawyer, 1981)。
従来技術に開示された合成法の一般的原理
スキーム1において、KPVトリペプチドジアミド類を得るのを可能にする鍵となる中間体化合物はBoc-Lys(MSOC)-Pro-Val-NHであり、双方の保護基は異なる操作条件で切り離される。(Boc)リジンのN(α)保護基の特異的な放出により、遊離のアミン官能基がアミド化され、ついでリジンのN(ε)アミン官能基が順に放出される。
より一般的には、(I)型誘導体の合成は、リジンのN(α)及びN(ε)アミン官能基の双方が、異なる操作条件で不安定な保護基により保護されている限りは、H-Lys-Pro-Val-OH(又はそれらの誘導体)トリペプチド合成の中間体化合物から意図されうる。
トリペプチドの二保護誘導体は従来技術に開示されている。
例えば、米国特許第5580855号(Ferreira)には、FMOCをαアミン官能基の保護基として、また3つの異なるモノマーから合成されるポリメタクリルアミドポリマーを固相として使用する、H-Lys-Pro-Val-OHトリペプチドの固相合成が開示されている。アミノ酸の導入が、対称的な無水形態下での活性化により生じる。リジンの場合では、N(ε)アミン官能基はBocにより保護される。合成完了時に、トリフルオロ酢酸を使用することにより、固体支持体からトリペプチドが放出され(Boc基も脱保護)、FMOCは、DMF中20%のピペリジンにより予め放出される。
H-Lys(Boc)-Pro-Val-NH中間体化合物(又はその塩)の調製は、特にSuli-Varghaら(1987)、Suli-Varghaら(1984)、Schwyzerら(1963)並びに欧州特許出願公開第78167号に開示されている。
他の保護された中間体化合物としては、例えば、H-Lys(トシル)-Pro-Val-NH(Hofmannら, 1960)、及びH-Lys(Z)-Pro-Val-NH(又はそれらの塩)(Yasutake及びPowers, 1981)、又はZ-Lys(ホルミル)-Pro-Val-NH(Suli-Varghaら, 1987)から調製されたH-Lys(ホルミル)-Pro-Val-NH、HClを挙げることができる。
先に記載したように、従来技術におけるKPVトリペプチドジアミド誘導体の合成方法には、次のような不具合がある:
(a)固相合成法により、満足のいく純度のKPVペプチドジアミド誘導体を得ることができるが、これは数ミリグラムから数百ミリグラムと、少量の最終生成物を製造する場合のみに適しており、工業的需要には不適合であり;
(b)溶液合成法は多量の最終生成物を調製することができるが、33%のオーダーの、満足できない収率である。このような溶液合成法は、連続的に長時間かつ費用のかかる、最終生成物の精製工程を必要とし、未精製形態のものを精製形態にする場合にかなりの量の生成物が損失する。
従って、如何なる特定の精製工程も必要がなく、高収率で多量の最終生成物を直接得るための、KPVトリペプチドジアミド誘導体の合成方法が、当該分野において必要とされている。
(本発明の要約)
KPVトリペプチドジアミド誘導体を合成するためのこのような方法が、本発明において提供される。本発明の合成方法は、リジン(K)、プロリン(P)又はバリン(V)アミノ酸残基のそれぞれの立体異性体のいずれか一つで達成され得る。
本発明の目的は、生成されるアミノ酸の立体化学とは無関係に、次の式(I):
Figure 0004050238
[上式中:
a)R、R'及びR''は互いに独立して、水素原子、又は
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C22アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分により置換されていてもよいアリール部分、
− アラルキル部分、
を表すか、又は
− R及びR'はC(R'')と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよく、及び/又はO、S又はN等のヘテロ原子を含有していてもよい、3〜7の原子を有する飽和環を形成可能であり、
但し、R(R')(R'')CO基はアミノ酸残基又はペプチド残基を表さず;
b)R及びRは互いに独立して、水素原子、又は
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C24アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分により置換されていてもよいアリール部分、
− アラルキル部分、
を表すか、又は
− R及びRは窒素原子と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよい、5又は6の原子を有する飽和環を形成可能であり、該飽和環はO、S等のヘテロ原子又は付加的な窒素原子を含有していてもよく、
但し、N(R)(R)基はアミノ酸残基又はペプチド残基を表さない]
で表されるKPVトリペプチドジアミド誘導体、又は該式(I)を有するその誘導体塩の溶液合成法を提供するものであり;
その方法は、次の工程:
a)次の式(II):
Figure 0004050238
[上式中、P及びPは互いに異なっており、互いに独立して、保護基を表す]
を有する、無機又は有機塩基で塩化されていてもよい二保護リジン残基を、次の式(III):
Figure 0004050238
[上式中、Pは任意のP及びP保護基とは異なる保護基を表すか、又はPは溶媒中、活性化試薬又はカップリング試薬の存在下、ヒドロキシル基を表す]
を有する、無機又は有機塩基で塩化されていてもよいプロリン残基と反応させて、次の式(IV):
Figure 0004050238
[上式中、P、P及びPは上述した意味を有する]
の化合物を得、
b)
1)PがOHを表す式(IV)の化合物のプロリン残基のC末端官能基に、次の式(V):
Figure 0004050238
[上式中、R及びRは上述した意味を有する]
を有するバリン化合物をカップリングさせて、P保護基を除去し、
2)次の式(VI-A)又は(VI-B):
Figure 0004050238
を有する化合物により、リジン残基のN末端位にNH(α)基をアミド化して、次の式(XII):
Figure 0004050238
[上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
を有する化合物を得、
ここで工程1)及び2)の順序はいずれであってもよく、
c)式(XII)を有する化合物からP保護基を除去し、無機又は有機塩の形態であってもよい、式(I)を有する化合物を得ることを含むことを特徴とする。
式(I)において、R、R'及びR''置換基は同一又は異なっている。それらは、次の:
− 水素、
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C22アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基により置換されていてもよいアリール、
− アラルキル部分、
であるか、
− R及びR'はC(R'')と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよく、及び/又はO、S又はN等のヘテロ原子を含有していてもよい、3〜7の原子を有する飽和環を形成可能である、
といった意味を有する。
これに対し、R(R')(R'')CO基は、アミノ酸残基又はペプチド鎖を表してはならない。
式(I)において、R及びR置換基は同一又は異なっている。それらは、次の:
− 水素原子、
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C24アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基により置換されていてもよいアリール、
− アラルキル部分、
であるか、
− R及びRは窒素原子と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよい、5又は6の原子を有する飽和環を形成可能であり、該飽和環はO、S等のヘテロ原子又は付加的な窒素原子を含有していてもよい、
といった意味を有する。
これに対し、N(R)(R)基はアミノ酸残基又はペプチド鎖を表してはならない。
「アルキル」なる用語は、一つのヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素基を意味し、アルキル基は非置換であるか、一又は複数の同一又は異なった置換基により炭素原子上において置換されているかのいずれかであり、該置換基はアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アラルキルオキシ部分から選択される。「分枝状の」アルキルなる用語は、アルキル直鎖と結合した低級アルキル、例えばメチル、エチル又はプロピル基を意味する。好ましいアルキル基は、1〜8の炭素原子を有する「低級アルキル」基を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、i-プロピル、t-ブチル、ヘプチル、デシル又はシクロヘキシルメチル基である。
「シクロアルキル」なる用語は、4〜10の炭素原子を有する非芳香環を意味し、環状アルキル基は部分的に不飽和であってもよい。好ましくは、シクロアルキル類には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、オクタヒドロナフチル及びペルヒドロナフチル基が含まれる。
「アリール」なる用語は、5〜10の炭素原子を有する芳香族炭素環式部分を意味する。アリール基はアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、カルボキシ、アロイル、ハロ、ニトロ、トリハロメチル、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル置換基を含む、同一でも異なっていてもよい一又は複数の置換基により置換されたフェニル又はナフチル、もしくは非置換のフェニル又はナフチルを含む。
「アルコキシ」なる用語は、アルキル基が先に定義したような、アルキル-O-基を意味する。アルコキシ基にはメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ及びヘプトキシ基が含まれる。
「アリールオキシ」なる用語は、アリール基が例えば上述したような、アリール-O-基を意味する。アリールオキシ基にはフェノキシ及びナフトキシ基が含まれる。
「アラルキル」なる用語は、一又は複数のアリール基で置換されたアルキル基を意味する。
「アラルキルオキシ」なる用語は、アラルキル基が例えば上述したような、アラルキル-O-基を意味する。アラルキルオキシ基にはベンジルオキシ基が含まれる。
「アルコキシカルボニル」なる用語は、-O-CO-、例えばメトキシ-及びエトキシカルボニル基を意味する。
「アリールオキシカルボニル」なる用語は、アリール-O-CO-基、例えばフェノキシ-及びナフトキシカルボニル基を意味する。
「ハロ」なる用語は、フッ素、塩素又は臭素原子を意味する。
本発明の方法により、特に塩化形態でそれらの誘導体を得ることができる。本発明の化合物の塩は、無機又は有機酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヒドロゲノリン酸塩(hydrogenophosphate)、プロピオン酸塩又はコハク酸塩から選択される。
本発明の方法は、使用されるアミノ酸の立体化学が何であれ、数キログラムの重量があるKPVトリペプチドジアミド誘導体を生産するといった、工業的規模での用途においてさらなる利点を有する。
また本発明は、R、R'、R''、R及びRが同時には水素原子を表さない(式IA)という付加的条件で、上述した式(I)により表されるKPVトリペプチドジアミド誘導体にも関する。
このような誘導体は、特に上述したもののような塩として存在し得る。
(発明の詳細な記載)
本発明においては、特に、合成工程の特定の組合せ、及び保護基の特定の組合せを使用することにより、溶液合成法において公知の従来技術の方法で得られた収率よりも高い最終的収率でKPVトリペプチドジアミド誘導体、又はこのような化合物の塩を得ることが可能であり、このような方法はイオン交換クロマトグラフィー等を介するといった、如何なる最終的な精製工程も必要としないことが分かる。
また、使用される保護基、試薬、及び反応順序を適切に選択することで、溶液合成においてAc-Lys-Pro-Val-NHの場合では、33%(Eberleら, 1975)から70%超まで、収率を増加させることができることも実証された。
試薬/保護基の組合せ及び反応工程順序は、式(I)の化合物の調製においては新規である。
さらに、本発明の合成方法は工業的規模で適用可能である。最終生成物の単離は容易で、如何なるクロマトグラフィーによる精製、又はイオン交換カラムを用いた精製をも必要としない。このような面倒な技術は合成のいずれの工程においても実施されない。本発明の方法の工程c)の完了時に、非常に高純度のKPVトリペプチドジアミド誘導体が直接得られる。合成の終了時、単離された結晶化生成物の純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定すれば、純度は95%より高くなる。
他方、化合物(I)が塩化された形態で得られる場合は、該塩化は、P保護基の除去を含む本方法の最終工程中の場で生じ、任意の付加的な工程又は任意の特定の実施を必要としない。
本発明の目的は、生成されるアミノ酸の立体化学とは関係なく、次の式(I):
Figure 0004050238
[上式中:
a)R、R'及びR''は互いに独立して、水素原子、又は
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C22アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分により置換されていてもよいアリール部分、
− アラルキル部分、
を表すか、又は
− R及びR'はC(R'')と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよく、及び/又はO、S又はN等のヘテロ原子を含有していてもよい、3〜7の原子を有する飽和環を形成可能であり、
但し、R(R')(R'')CO基はアミノ酸残基又はペプチド残基を表さず;
b)R及びRは互いに独立して、水素原子、又は
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C24アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分により置換されていてもよいアリール部分、
− アラルキル部分、
を表すか、又は
− R及びRは窒素原子と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよい、5又は6の原子を有する飽和環を形成可能であり、該飽和環はO、S等のヘテロ原子又は付加的な窒素原子を含有していてもよく、
但し、N(R)(R)基はアミノ酸残基又はペプチド残基を表さない]
を有するKPVトリペプチドジアミド誘導体、又は該式(I)を有するその誘導体塩の溶液合成法にあり;
該方法は、次の工程:
a)次の式(II):
Figure 0004050238
[上式中、P及びPは互いに異なっており、互いに独立して、保護基を表す]
を有する、無機又は有機塩基で塩化されていてもよい二保護リジン残基を、次の式(III):
Figure 0004050238
[上式中、Pは任意のP及びP保護基とは異なる保護基を表すか、又はPは溶媒中、活性化試薬又はカップリング試薬の存在下、ヒドロキシル基を表す]
を有する、無機又は有機で塩化されていてもよいプロリン残基と反応させて、次の式(IV):
Figure 0004050238
[上式中、P、P及びPは上述した意味を有する]
の化合物を得、
b)
1)PがOHを表す式(IV)の化合物のプロリン残基のC末端官能基に、次の式(V):
Figure 0004050238
[上式中、R及びRは上述した意味を有する]
を有するバリン化合物をカップリングさせて、P保護基を除去し、
2)次の式(VI-A)又は(VI-B):
Figure 0004050238
を有する化合物により、リジン残基のN末端位にNH(α)基をアミド化して、次の式(XII):
Figure 0004050238
[上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
を有する化合物を得、
ここで工程1)及び2)の順序はいずれであってもよく、
c)式(XII)を有する化合物からP保護基を除去し、無機又は有機塩の形態であってもよい、式(I)を有する化合物を得ることを含むことを特徴とする。
工程c)において、P保護基の除去は水素添加分解を介してなされる。水素添加分解が反応媒体中に含有される酸により実施される場合、該酸はそれにより放出されるリジンのアミン官能基の鉱化剤として作用する。最終的な塩は、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヒドロゲノリン酸塩、プロピオン酸塩及びコハク酸塩から選択される。
本発明において、上述したような方法は、各リジン、プロリン又はバリンアミノ酸残基の立体異性体のいずれか一つで実施可能である。
好ましくは、本発明の方法においては、塩は対応する酸を導入することで、工程c)中に得られる。
好ましくは、使用される酸は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、ヒドロゲノリン酸、プロピオン酸又はコハク酸から選択される。
最も好ましくは、酸は酢酸又は塩酸である。
好ましい実施態様において、本発明の方法は、P及びP保護基が互いに独立して、Adoc(=1-アダマンチルオキシカルボニル)、BOC(=t-ブチルオキシカルボニル)、2-ブロモ-Z(=2-ブロモ-ベンジルオキシカルボニル)、又は2-クロロ-Z(=2-クロロ-ベンジルオキシカルボニル)又はFmoc(=9-フルオレニル-メトキシカルボニル)又はホルミル又はニコチノイル又は4-ニトロ-Z(=4-ニトロ-ベンジルオキシカルボニル)又はTfa(=トリフルオロアセチル)又はTos(=p-トルエンスルホニル)又はZ(=ベンジルオキシカルボニル)又はadpoc(=1-(アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル)を表すことをさらに特徴としている。
溶液中で式(I)の化合物及び/又はその塩を調製するためには、ペプチド部分がN末端からC末端方向へ組み立てられるか、又はその逆でC末端からN末端方向へ組み立てられるかに応じていくつかの合成経路が考えられる。好ましくは、ペプチド鎖はN末端からC末端方向へ組み立てられる。
合成方法の出発物質は、次の構造:
Figure 0004050238
[上式中、P及びPは異なっており、以下の保護基を表し、但しPはPと異なっており、P及びPは異なる操作条件で不安定であり:P、P=Adoc=(1-アダマンチルオキシカルボニル)、Boc(=t-ブチルオキシカルボニル)、2-ブロモ-Z(=2-ブロモ-ベンジルオキシカルボニル)、又は2-クロロ-Z(=2-クロロ-ベンジルオキシカルボニル)又はFmoc(=9-フルオレニルメトキシカルボニル)又はホルミル又はニコチノイル又は4-ニトロ-Z(=4-ニトロ-ベンジルオキシカルボニル)又はTfa(=トリフルオロアセチル)又はTos(=p-トルエンスルホニル)又はZ(=ベンジルオキシカルボニル)又はAdpoc(=1-(アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル)であり、このリストは包括的なものではなく、単に具体例を付与するものである]
の、種々の操作条件で2つの不安定な保護基による二保護リジンである。
最も好ましくは、P及びP保護基は、異なる操作条件でそれぞれ除去されるように選択される。
ある場合には、式(II)の化合物は、塩基、好ましくは有機塩基、さらに好ましくは有機アミン、例えばジクロロヘキシルアミン又はエチルジイソプロピルアミンで塩化可能である。好ましくは、構造(II)を有する化合物は、Boc-Lys(Z)-OH(P及びPは、それぞれBoc及びZの意味を有する)である。
第2のアミノ酸の導入を可能にするペプチドカップリングは、構造(IIIA)(図1A)を有するプロリン、又は構造(IIIB)(図1B)を有するプロリンのC保護誘導体のいずれかで生じ、化合物(IIIA)及び(IIIB)は、双方とも次の式(III):
Figure 0004050238
を有する化合物である。
式(III)の化合物は、無機又は有機酸で塩化されていてもよい。式(III)の化合物は、H-Pro-AMC、H-Pro-p-ニトロベンジルエステル、H-Pro-OtBu、H-Pro-OBzl、H-Pro-OMe、H-Pro-OEt、好ましくはH-Pro-OBzl又はH-Pro-OMe又はH-Pro-OEtから選択される。
二保護リジン(II)とC保護プロリン(III)のペプチドカップリングは、ペプチド合成における伝統的な活性化試薬又はカップリング試薬、例えばカルボジイミド類、例えばDCC(=ジシクロヘキシルカルボジイミド)又はカルボジイミド類の水溶性形態のもの、例えばEDC(=N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド)、ホスホニウム塩、例えばBOP(=ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム-ヘキサフルオロホスファート)、PyBOP(=(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム-ヘキサフルオロホスファート)、PyBROP(=ブロモトリピロリジノホスホニウム-ヘキサフルオロホスファート)、PyCloP(=クロロトリピロリジノホスホニウム-ヘキサフルオロホスファート)、又はPyClU(=クロロ-N,N,N',N'-ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニウム-ヘキサフルオロホスファート)、N-ヒドロキシスクシンイミド、EEDQ(=1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン)、CDI(=カルボニルジイミダゾール)等の試薬、又はクロロホルマート類、例えばクロロギ酸エチル又はクロロギ酸イソブチルにより生じる。カップリング試薬、例えばカルボジイミド類によりカップリングが生じる場合、ラセミ化を制限するために、添加剤、例えばHOBt(=1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)又はN-ヒドロキシスクシンイミドを反応中に添加することができる。
図1Aのスキームによれば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールが添加されてもされなくても、カルボジイミド類によりペプチドカップリングが生じることが好ましい。
図1Bのスキームによれば、N-ヒドロキシスクシンイミドでカップリングが生じることが好ましい。双方の場合とも、好ましい溶媒は、非プロトン性の両性溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、又は非プロトン性溶媒、例えば1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンの純粋物又は混合物である。
最後のペプチドカップリングは、無機又は有機酸により塩化されていてもよいCアミド化バリン(V)(R及びRは既に記載した意味を有する)で生じ、例えば中間体化合物(V)はカルボン酸からのアミド合成法によりBOC-Val-OHから順に調製される。
Figure 0004050238
このように、中間体化合物(IV)は図2のスキーム、又は図3のスキームに従い、中間体化合物(V)とカップリングさせることができる。
同様に、中間体化合物(VII)は、図3のスキームに従い、(V)とカップリングさせることができ、ここで化合物(VII)は次の式:
Figure 0004050238
を有するものである。
(本方法の工程b)の第1の好ましい実施態様(図2))
KPVトリペプチドジアミド誘導体の合成方法の第1の好ましい実施態様では、KPジペプチド(IV)はプロリン残基を有しており、そのカルボキシル基はP保護基で保護され、KPジペプチド(IV)とバリン誘導体(IIIA)とのカップリングはP保護基が除去された後に生じ、続いて、このようにして放出されたリジン残基のNH(α)遊離アミン官能基がアミド化される。この第1の好ましい実施態様は図2に例証されている。
このような好ましい実施態様では、上述したようなKPVトリペプチドジアミド誘導体を合成する方法は、工程b)が、次の工程:
b1)Pが保護基を表す、式(IV)の化合物のP保護基を除去して、次の式(IX):
Figure 0004050238
[上式中、Pは上述したものと同じ意味を有し、Pは保護基を表す]
の化合物を得;
b2)次の式(VI-A)の化合物、又は次の式(VI-B)の化合物:
Figure 0004050238
[上式中、R、R'及びR''は上述したものと同じ意味を有する]
で、式(IX)の化合物のリジン残基のNH(α)基をアミド化して、次の式(X):
Figure 0004050238
[上式中、R、R'、R''、Pは上述したものと同じ意味を有し、Pは保護基を表す]
の化合物を得;
b3)式(X)の化合物からP保護基を除去して、次の式(XI):
Figure 0004050238
[上式中、R、R'、R''及びPは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得;
b4)無機又は有機酸で塩化されていてもよい、次の式(V):
Figure 0004050238
[上式中、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
のバリン化合物と、式(XI)の化合物とをカップリングさせ、次の式(XII):
Figure 0004050238
[上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得ることを含むことを特徴とする。
図2に例証される方法では、リジンのN(α)アミン官能基は、例えば使用されるP保護基の種類により決定されるような、所要の条件で放出される。例えば、PがBOC(=t-ブチルオキシカルボニル)基を表すならば、リジンのN(α)アミン官能基は、ジオキサン又はTHF等の非プロトン性溶媒、又はTHF-CHCl又はジオキサン-CHClなどの溶媒混合物で、塩酸水溶液等の無機酸で対応する化合物(IV)を処理することにより放出させることができる。ついで、−10℃〜40℃、好ましくは4℃〜30℃の間で反応が生じる。次に、化合物(IX)のリジンのN(α)アミン官能基を通常の条件、例えば構造(VI-A)を有する酸塩化物、又は構造(VI-B)を有する対称無水物、又は非対称無水物と反応させることによりアミド化するが、このようなリストは包括的なものではない。
好ましくは、反応は酸塩化物(VI-A)又は無水物(VI-B)で生じる。溶媒は、好ましくは非プロトン性の両性溶媒、例えばDMF又はNMP、又は非プロトン性溶媒、例えばTHF、ジオキサンであり、これらの溶媒は純粋物又は混合物が使用され、混合溶媒は、例えばCHCl/水である。
化合物(IX)が塩化形態であるならば、反応媒体には、十分な量の有機塩基、例えばトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ブチルアミン、又は無機塩基、例えばNaOH、KOH、NaCO、KCO、KHCO、NaHCOが添加される。
ついで、このようにして得られた化合物(X)のC末端酸官能基がP保護基の種類により決定されるような、所要の操作条件で放出される。例えば、PがOBzlベンジルエステルを表すならば、酸官能基は、無機又は有機塩基、好ましくは無機塩基、例えばNaOHを化合物(X)に添加することにより放出させることができる。後者のケースにおいて、このような脱保護はエタノール又はメタノール等のアルコール媒体、又はヒドロアルコール媒体中、還流点から−5℃の温度、好ましくは+4℃〜+40℃の温度で生じる。次いで、媒体を、好ましくは塩酸等の無機酸により酸性化した後、化合物(XI)が得られる。
次に、化合物(XI)と化合物(V)との間に最後のカップリングが生じ、ここで、後者は無機又は有機酸で塩化されていてもよい。
カップリング方法は、過去に開示されたものから選択される。好ましくは、カップリングはホスホニウム塩、例えばBOP又はPyBOP又はPyBROP又はPyCloP又はPyClUを使用して、又はウロニウム(uronium)塩、例えばHBPyU(=O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスファート)、又はHBTU(=O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)、又はHATU(=O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)を使用することにより生じる。より好ましくは、カップリングは、BOP又はHBTUにより生じる。このようなカップリングは非プロトン性の両性溶媒、例えばDMF又はNMP、又は非プロトン性溶媒、例えばTHF又はジオキサン中で生じる。反応は塩基性媒体で実施され、塩基は、好ましくは有機塩基、例えばトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン又はブチルアミンであり、温度は、好ましくは−10℃〜40℃に設定される。それにより化合物(XII)が得られる。
(本方法の工程b)の第2の好ましい実施態様(図3))
KPVトリペプチドジアミド誘導体の合成方法の第2の好ましい実施態様では、KPジペプチドは、P保護基で保護されたプロリン残基のカルボキシル官能基を有しており、該P保護基がバリン化合物(V)とプロリンとのカップリングの前に除去され、ついでP保護基が除去され、リジン残基の遊離のNH(α)官能基がアミド化される。本方法の第2の好ましい実施態様は図3に例証されている。
この第2の実施態様において、本明細書で一般的に定義されているKPVトリペプチドジアミド誘導体を合成する方法は、工程b)が、次の工程:
b5)Pが保護基を表す、式(IV)の化合物のP基を除去して、次の式(VII):
Figure 0004050238
[上式中、P及びPは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得;
b6)有機無機酸で鉱化されていてもよい次の式(V):
Figure 0004050238
[上式中、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
のバリン化合物と、式(VII)の化合物とをカップリングさせて、次の式(XIII):
Figure 0004050238
[上式中、P、P、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得;
b7)式(XIII)の化合物からP保護基を除去して、無機又は有機酸により塩化されていてもよい次の式(XIV):
Figure 0004050238
[上式中、P、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得;
b8)無機又は有機酸により塩化されていてもよい次の式(VI-A)の化合物、又は次の式(VI-B)の化合物:
Figure 0004050238
[上式中、R、R'及びR''は上述したものと同じ意味を有する]
で、式(XIV)の化合物のリジン残基のNH(α)基をアミド化して、次の式(XII):
Figure 0004050238
[上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得ることを含むことを特徴とする。
図3に例証される方法において、保護されたジペプチド(IV)は、炭酸ナトリウム等の無機塩基によりまず鹸化されて、誘導体(VII)を得る。(VII)とバリン誘導体(V)(又はその塩)とのペプチドカップリングは過去に開示された方法の一つ、好ましくはカルボジイミド類を使用する方法を用いることで生じる。より好ましくは、使用されるカルボジイミド類はEDCである。ついで、非プロトン性両性溶媒、例えばDMF又はNMP、又は非プロトン性溶媒、例えばTHF、ジオキサン中、塩基性媒体で、トリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミン等の有機塩基を添加することにより反応を実施する。次に、このようにして得られたトリペプチド(XIII)のN(α)アミン官能基は、塩酸等の酸性媒体に放出させることができる。このような脱保護は、例えばジオキサンジクロロメタンにHCl水溶液が入った混合物中で生じる。次いで、化合物(XIV)を塩酸塩形態下で得る。塩化されたN(α)アミン官能基を、非プロトン性両性溶媒、例えばDMF又はNMP、好ましくはDMF中、塩基性媒体、例えばエチルジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンの存在下、対称無水物(VI-B)と反応させることでアミド化し、トリペプチド(XII)に至らしめることができる。
(本方法の工程b)の第3の好ましい実施態様(図4))
方法の第3の好ましい実施態様では、KPジペプチドKP(XII)のプロリン残基のカルボキシル官能基は保護されず(P=OH)、P保護基は除去され、リジンのNH(α)基は、得られた化合物がバリン(III)残基とカップリングする前に、アミド化される。本発明の方法の前記第3の実施態様を図4に例証する。
この第3の好ましい実施態様では、本明細書で一般的に定義されているKPVトリペプチドジアミド誘導体を合成する方法は、工程b)が、次の工程:
b9)式(VII)の化合物からP保護基を除去して、有機又は無機塩基で塩化されていてもよい次の式(XV):
Figure 0004050238
[上式中、Pは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得;
b10)次の式(VI-A)の化合物、又は次の式(VI-B)の化合物:
Figure 0004050238
[上式中、R、R'及びR''は上述したものと同じ意味を有する]
で、式(XV)の化合物のリジン残基のNH(α)基をアミド化して、有機又は無機塩基で塩化されていてもよい次の式(XI):
Figure 0004050238
[上式中、P、R、R'及びR''は上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得;
b11)無機又は有機酸で塩化されていてもよい次の式(V):
Figure 0004050238
[上式中、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
のバリン化合物と、式(XI)の化合物とをカップリングさせて、次の式(XII):
Figure 0004050238
[上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
の化合物を得ることを含むことを特徴とする。
図4に例証する方法において、誘導体(VII)のN(α)アミン官能基は、酸性媒体、例えば塩酸中に放出される。このような脱保護は、ジオキサン-ジクロロメタンの混合物において、例えばHCl水溶液により実施され、塩化された化合物(XV)に至る。ついで、N(α)アミン官能基は図3のようにしてアミド化され、誘導体(XI)に至らしめることができる。
バリン誘導体(V)(又はその塩)と(XI)のペプチドカップリングは過去に開示された方法の一つ、好ましくホスホニウム塩を使用する方法を用いることで実施される。より好ましくは、選択されるホスホニウム塩はBOPである。非プロトン性両性溶媒、例えばDMF又はNMP、又は非プロトン性溶媒、例えばTHF又はジオキサン中、塩基性媒体で、例えばトリエチルアミン又はエチル-ジイソプロピルアミン等の有機塩基を添加することにより反応が実施される。
(本方法の工程c)の好ましい実施態様)
本方法の工程c)において、P2保護化合物を式(XII)の化合物から除去し、塩の形態であってよい式(I)のKPVから誘導されるジアミド誘導体が得られる。本方法の工程c)を図5に例証する。
図2、3又は4に例証された任意の実施態様に従って得られた化合物(XII)は、一つの工程で容易に変形させて、対応する式(I)の化合物に至らしめることが可能で、この工程は、図5に例証しているように、リジンのN(ε)アミン官能基の脱保護である。
好ましくは、N(ε)アミン官能基はベンジルオキシカルボニル(Z)基により保護され、脱保護は、パラジウム炭(palladium on coal)による水素化触媒を介して実施される。より好ましくは、反応は、1〜5当量の有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、ヒドロゲノリン酸、プロピオン酸又はコハク酸が存在するエタノール等のアルコール媒体中、1〜3バールの範囲の水素圧下で実施される。
水素化は、好ましくは5℃〜50℃、より好ましくは10℃〜30℃で生じる。ついで、化合物(I)が、塩化された形態で直接得られる。
(本方法の好ましい一般的な技術的特徴)
好ましくは、本発明の方法は、式(II)の化合物において、P保護基がt-ブチルオキシカルボニル(Boc)であり、P保護基がベンジルオキシカルボニル(Z)であることを特徴としている。
好ましくは、本発明の方法は、式(III)の化合物において、P保護基がベンジルエステルOBzl基であることを特徴としている。
好ましくは、本発明の方法は、式(I)の化合物において、R、R'及びR''基がそれぞれ水素原子を表すことを特徴としている。
好ましくは、本発明の方法は、式(I)の化合物において、R及びR基がそれぞれ水素原子を表すことを特徴としている。
好ましくは、本発明の方法は、P保護基がt-ブチルオキシカルボニル(Boc)であり、P保護基がベンジルオキシカルボニル(Z)であり、P保護基がベンジルエステルOBzlであることを特徴とする。
(本発明の方法の最も好ましい実施態様)
最も好ましくは、式(I)のKPVトリペプチドから誘導されるジアミド類は、Pがt-ブチルオキシカルボニル基(Boc)を表し、Pがベンジルオキシカルボニル基(Z)を表す化合物(II)、及び酸性官能基がベンジルエステルで保護されており、対応する化合物(III-A)が好ましくはp-トルエンスルホン酸で鉱化されている化合物(III-A)から得られるものであることが好ましい。
このような化合物は、式(I)のKPVトリペプチドジアミド誘導体を得るために、図1A、ついで図2(本方法の工程bの第1の好ましい実施態様)、ついで図5に例証した連続的な経路順序に応じて、好ましく実施される。
、R'、R''、R及びR置換基の種類に応じて、好ましい経路順序により、中間体化合物の単離及び/又は精製をする必要なく、実行することが可能になる。例えばR、R'、R''、R及びR=Hであると、最も好ましい方法は、図6に記載したような試薬及び操作条件で実施される。
図6に例証したKPVトリペプチドジアミド誘導体の合成方法の実施態様において、中間体化合物(III)、(IV)及び(IX)は精製されておらず、例えば次の工程を含む。このような方法では、任意のクロマトグラフィーよるカラム精製又はイオン交換は実施されない。それは、全ての特許請求の範囲に記載の塩に適用される。最終生成物の純度はHPLCにより測定される。
より有利には、操作条件はラセミ化を最小限にするようになされる。
(本発明の新規化合物及び新規組成物)
本発明の他の目的は、次の式(IA):
Figure 0004050238
[上式中:
a)R、R'及びR''は互いに独立して:
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C22アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキルにより置換されていてもよいアリール部分、
− アラルキル部分、
を表すか、又は
− R及びR'はC(R'')と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよく、及び/又はO、S又はN等のヘテロ原子を含有していてもよい、3〜7の原子を有する飽和環を形成可能であり、また
− 水素を表し、
但し、R(R')(R'')CO基はアミノ酸残基又はペプチド残基を表さず、、R'、R''の少なくとも一が水素とは異な
b)R及びRは互いに独立して、水素原子を表す、又は
− O又はN又はS又はSi等のヘテロ原子が挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-C24アルキル部分、
− C-C10シクロアルキル部分、
− 直鎖状又は分枝状のC-C22ポリフルオロアルキル又はペルフルオロアルキル部分、
− Cl、F、Br又はI等の一又は複数のハロゲン原子、又は一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基により置換されていてもよいアリール部分、
− アラルキル部分、
を表すか、又は
− R及びRは窒素原子と共に、一又は複数の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル部分で置換されていてもよい、5又は6の原子を有する飽和環を形成可能であり、該飽和環はO、S等のヘテロ原子又は付加的な窒素原子を含有していてもよく、
但し、R又はR残基の少なくとも一は水素とは異なり、N(R)(R)基はアミノ酸又はペプチド残基を表さない]
のKPVトリペプチドジアミド誘導体又は誘導体塩である。
好ましくは、上述したKPVトリペプチドジアミド誘導体の塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヒドロゲノリン酸塩、プロピオン酸塩及びコハク酸塩から選択される。
好ましくは、上述したKPVトリペプチドジアミド誘導体塩は、リジン、プロリン又はバリンアミノ酸残基が、このような残基のそれぞれにおける任意の立体異性体とすることができることを特徴とする。
また本発明は、生理学的に許容可能な媒体に、例えば上述したような式(IA)のKPVトリペプチドジアミド誘導体を含有せしめてなる組成物に関する。
第1の有利な実施態様では、上述した組成物は、媒体が化粧用媒体であり、誘導体(IA)が10−8〜10−3g/100gの範囲の含有量で存在していることを特徴とする。
第2の有利な実施態様では、上述した組成物は、媒体が製薬用媒体であり、誘導体(IA)が5x10−4g/100gより多い含有量で存在していることを特徴とする。
また本発明は、化粧用組成物中における、又は乾燥肌及び/又は敏感肌の処置のための又はこれを予定した製薬用組成物の製造のための、例えば上述したような誘導体(IA)の使用に関する。
本発明を次の実施例によりさらに例証するが、これは本発明を何ら制限するものではない。
実施例
種々の塩の形態でのKPVトリペプチドジアセチル誘導体の合成
I.TosOH、H-Pro-OBzl(III)の調製
Dean-Stark製の不活性で攪拌可能な熱安定反応器に、50.22gのp-トルエンスルホン酸一水和物(1.1当量)及び140mlのトルエンを20℃で導入する。媒体を溶解するまで攪拌し、74.5mlのベンジルアルコール(3当量)、続いて27.63gのH-D-Pro-OH(240mmol)を添加する。混合物を250-300ミリバールの真空下で16時間還流する。反応の完了をCCM制御する。媒体を、それ以上できなくなるまで真空濃縮する。
このようにして得られた生成物を何ら精製することなく使用する。
II.Boc-D-Lys(Z)-D-Pro-OBzl(IV)の調製
先の工程の残渣を、83mlのDMFにより回収し、87gのBoc-D-Lys(Z)-OH(1当量)、続いて35gのHOBt、1HO(1当量)を添加する。混合物を10℃で冷却し、この温度を維持し、54.77gのEDC(286mmol、1.25当量)、続いて59mlのエチルジイソプロピルアミン(342.96mmol、1.5当量)を添加する。ついで、温度を20℃に到達せしめ、溶液を2〜20時間攪拌する。反応の完了をCCM制御する。
反応媒体を110mlのジクロロメタン及び220mlの水に注いで15分間攪拌し、デカントして、再度有機相を、NaHCO飽和水溶液2x220mlで再度洗浄する。83mlのジクロロメタンを用い、水相を再度カスケード抽出する。有機相を集め、NaSO上で乾燥させ、460mlに調節する(濃縮又は希釈)。
このようなBoc-D-Lys(Z)-D-Pro-OBzl溶液を次の工程で使用する。
III.HCl、H-D-Lys(Z)-D-Pro-OBzl(IX)の調製
不活性雰囲気下、先の溶液を5℃まで冷却し、ジオキサン(1828mmol、8当量)に4NのHClが入ったもの460ml(17容量)を添加する。室温まで戻した後、2〜3時間、攪拌し続ける。
反応の完了をCCM制御する。
ついで、反応媒体を攪拌しつつ、270mlの水と270gの氷の混合物に注ぐ。混合物をデカントし、有機相を次の工程で使用する。
IV.Ac-D-Lys(Z)-D-Pro-OBzl(X)の調製
先に得られたHCl、H-D-Lys(Z)-D-Pro-OBzlのクロロメチレン溶液を5℃まで冷却し、135mlの水、ついで32.3mlの無水酢酸(1.5当量)を添加する。ついで、30分から1時間以内に、5NのNaOHをpH10になるように添加する(90〜130mlが必要とされる)。
媒体を室温で2時間30分から3時間攪拌し、反応の完了をCCM制御する。
媒体をデカントし、有機相を水、ついでNaCl飽和水溶液(各時、110ml、4容量)で洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥させ、真空濃縮する(最大40℃、最大50ミリバール)。
残渣を次の工程で使用する。
V.Ac-D-Lys(Z)-D-Pro-OH(XI)の調製
先の工程で得られたAc-D-Lys(Z)-D-Pro-OBzl化合物(理論値:230mmol)を、313mlのメタノールと混合し、1NのNaOH(313mmol、1.36当量)を313ml添加し、室温で一晩攪拌する。反応の完了をCCM制御する。
その後、ジイソプロピルエーテルを添加し(313ml、11容量)、媒体をデカントし、3x150mlのジイソプロピルエーテルを用い、水相を再度3回抽出する。ついで、水相を、ジクロロメタン540mlと、4NのHCl水溶液(1.2当量)70mlとの混合物に注ぐ。混合物を15分攪拌し、デカントする。分離した有機相を水、ついでNaCl飽和水溶液(各時、110ml、4容量)で洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥させ、真空濃縮する(最大40℃、最大50ミリバール)。このようにして得られた生成物94.25gは泡の形態である(関与したBoc-D-Lys(Z)-OHに基づき算出して、収率=98%)。
VI.Ac-D-Lys(Z)-D-Pro-D-Val-NH(XII)の調製
機械式攪拌機を具備する不活性な熱安定反応器に、94.25gのAc-D-Lys(Z)-D-Pro-OH(XI)(224.7mmol)、続いて470mlのDMFを導入し、32.58gのHCl、H-D-Val-NH(V)(213.5mmol、0.95当量)及び85.22gのHBTU(1当量)を添加する。媒体を5℃まで冷却し、96.6mlのエチルジイソプロピルアミン(2.5当量)を15分以内に滴下する。再度、0℃まで到達せしめたところ、1時間30分から2時間後、強い結晶化が観察される。反応の完了をCCM制御する。ついで、反応媒体を2350mlのAcOEtに注ぎ、15分攪拌し、濾過し、470mlのAcOEt及び470mlのジイソプロピルエーテルで連続的に洗浄する。誘導体(XII)を25℃で真空乾燥させる。このようにして、107.2g(92%)のAc-D-Lys(Z)-D-Pro-D-Val-NHが得られる。
VII.AcOH、Ac-D-Lys-D-Pro-D-Val-NH(I)の調製
最後の工程は、リジンのZベンジルオキシカルボニル保護基の水素添加分解を含む。反応媒体に使用される酸が原因で、放出されたアミン官能基が塩化される。
1)酢酸塩形態での単離
107gのAc-D-Lys(Z)-D-Pro-D-Val-NHを535mlのEtOHに溶解し、AcOHを214ml及びPd/Cの10%50%水を21.4g添加する。1バールの水素圧下、20℃で16時間水素化を行う。反応の完了をCCM制御する。触媒を濾過し、濾液を、それ以上できなくなるまで真空濃縮する。残査を107mlのEtOHで回収し、430mlのiPrOHを添加し、混合物を50℃で加熱し、ついで1500mlのジイソプロピルエーテルを50℃で滴下する。所望の生成物を結晶化する。媒体を20℃まで冷却し、1時間攪拌する。固形物を濾過し、真空下、25℃で乾燥させる前に、500mlのジイソプロピルエーテルで洗浄し、酢酸塩の形態で、78.3gのAc-D-Lys-D-Pro-D-Val-NHが得られる(収率85.4%)。このようにして得られた生成物の純度をHPLC制御する。
必要であるならば、生成物を0.5μ濾過で「再結晶」し、同様の条件で71gのAcOH、Ac-D-Lys-D-Pro-D-Val-NHが得られる(精製収率=91%;Boc-D-Lys(Z)-OHに基づく全体的な収率、74%)。
2)酒石酸形態での単離
酒石酸の存在下、Zベンジルオキシカルボニル基の水素添加分解を行い、酒石酸塩を得る。L酸及びD-酒石酸は双方とも、それに匹敵する塩(comparable salt)を得る。
5gのAc-D-Lys(Z)-D-Pro-D-Val-NHを25mlのEtOHに懸濁させ、L-(+)-酒石酸(1.02当量)を1.48g及びPd/Cの10%50%水を0.5g添加する。1バールの水素圧下、20℃で16時間水素化を行う。
反応の完了をCCM制御する。生成物を媒体中、部分的に結晶化する。ついで10mlの水を添加し、触媒を濾過し、濾液を、それ以上できなくなるまで真空濃縮する。残査を、50℃に加熱された40mlのiPrOHで回収し、50℃で40mlのエタノールを滴下する。生成物を結晶化する。媒体を20℃まで冷却し、40mlのiPrOH及び50mlのジイソプロピルエーテルを添加する前に1時間攪拌する。抽出された固形物を濾過し、真空下、25℃で乾燥させる前に、50mlのジイソプロピルエーテルで洗浄し、4.12gの酒石酸塩、Ac-D-Lys-D-Pro-D-Val-NHが得られる(収率80%)。このようにして得られた生成物をHPLC制御する。必要であれば、次のようにして精製することができる。
得られた生成物を2容量のエタノール及び1容量の水に溶解させ、濾過し、4容量のイソプロパノールを添加する。溶液を濾過し、ついで14容量の濾過されたジイソプロピルエーテルを添加する。形成された結晶をスピン乾燥させ、真空下、20℃で乾燥させた後、90%再結晶化され、濾過された生成物が得られる。
3)コハク酸塩又はクエン酸塩での単離
酒石酸で記載されたプロトコルが、コハク酸又はクエン酸でも再現することができる。
必要に応じて、生成物は、それぞれの塩を、1容量の水、続いて4容量の濾過されたイソプロパノール及び14容量の濾過されたジイソプロピルエーテルが添加された2容量のエタノールに溶解させて、0.5μ濾過で精製することができる。
参考文献
A. EBERLE, J.L. FAUCHERE, G.I. TESSER, R. SCHWYZER, Helvetica Chimica Acta, 1975, vol58, 2106。
SULI-VARGHA H., JENEY A., LAPIS K., MEDZIHRADSZKY K., J. Med. Chem., 1987, 30(3),583-6。
SULI-VARGHA H., MEDZIHRADSZKY K., Int. J. Pept. Protein Res., 1984, 23(6), 650-6。
YASUTAKE A., POWERS J., Biochemistry, 1981, 20(13), 3675-9。
R. SCHWYZER, A. COSTOPANAGIOTIS, P. SIEBER, Helv. Chim. Acta, 1963, 46, 870-889。
K. HOFMANN, M. WOOLNER, H YAJIMA, G. SPUHLER, T. THOMPSON, E. SCHWARTZ, J.Am. Chem. Soc., 1958, 80, 6458。
K. HOFFMANN, T. THOMPSON, M. WOOLNER, G. SPUHLER, H. YAJIMA, J. CIPERA, E. SCHWARTZ, J. Am. Chem. Soc., 1960, 3721。
STAPLES D., SAWYER T., MAC HADLEY E., ENGEL M., DEVAUX A., AFFHOLTER J., DARMAN P., CODY W., WILKES B., HRUBY, V., Pept.:Struct. Funct., Proc. Am. Pept. Symp., 9th(1985), 691-4。
T. SAWYER, V. HRUBY, B. WILKES, M. DRAELOS, E. Mac HADLEY, M. BERGSNEIDER, J. Med. Chem., 1982, 25, 1022-1027。
T. SAWYER, Thesis, University of Arizona, 1981。
リジン残基とプロリン残基とのカップリング方法の実施態様を例証するものであり、プロリン残基のカルボキシル官能基はP保護基により保護されている。 リジン残基とプロリン残基とのカップリング方法の実施態様を例証するものであり、プロリン残基のカルボキシル官能基は遊離である(P=OH)。 本発明の方法の工程b)の第1の好ましい実施態様を例証するものである。 本発明の方法の工程b)の第2の好ましい実施態様を例証するものである。 本発明の方法の工程b)の第3の好ましい実施態様を例証するものである。 本発明の方法の工程c)を例証するものである。 本発明のKPVトリペプチドジアミド誘導体の合成方法の最も好ましい実施態様の完全なスキームを表すものである。

Claims (25)

  1. 生成されるアミノ酸の立体化学とは無関係に、次の式(I):
    Figure 0004050238
    [上式中:
    a)R、R'及びR''は互いに独立して、水素原子、又は
    鎖状又は分枝状のC-C22アルキル部分、
    − C-C10シクロアルキル部分
    を表
    b)R及びRは互いに独立して、水素原子、又は
    鎖状又は分枝状のC-C24アルキル部分、
    − C-C10シクロアルキル部分表す]
    で表されるKPVトリペプチドジアミド誘導体、又は該式(I)を有する化合物の塩の溶液合成法において;
    次の工程:
    a)次の式(II):
    Figure 0004050238
    [上式中、P及びPは互いに異なっており、それぞれ互いに独立して、Adoc(=1-アダマンチルオキシカルボニル)、BOC(=t-ブチルオキシカルボニル)、2-ブロモ-Z(=2-ブロモ-ベンジルオキシカルボニル)、又は2-クロロ-Z(=2-クロロ-ベンジルオキシカルボニル)又はFmoc(=9-フルオレニルメトキシカルボニル)又はホルミル又はニコチノイル又は4-ニトロ-Z(=4-ニトロ-ベンジルオキシカルボニル)又はTfa(=トリフルオロアセチル)又はTos(=p-トルエンスルホニル)又はZ(=ベンジルオキシカルボニル)又はAdpoc(=1-(アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル)から選択される保護基を表す]
    を有する、無機又は有機塩基で塩化されていてもよい二保護リジン残基を、次の式(III):
    Figure 0004050238
    [上式中、PはP及びP保護基のいずれとも異なる保護基を表すか、又はPはヒドロキシル基を表す]
    を有する、無機又は有機で塩化されていてもよいプロリン残基と、溶媒中にて、活性化試薬又はカップリング試薬の存在下で、反応させて、次の式(IV):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、P及びPは上述した意味を有する]
    の化合物を得、
    b)
    1)PがOHを表す式(IV)の化合物のプロリン残基のC末端官能基に、次の式(V):
    Figure 0004050238
    [上式中、R及びRは上述した意味を有する]
    を有するバリン化合物をカップリングさせて、P保護基を除去し、
    2)次の式(VI-A)又は(VI-B):
    Figure 0004050238
    を有する化合物により、リジン残基のN末端位にNH(α)基をアミド化して、次の式(XII):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    を有する化合物を得、
    ここで工程1)及び2)の順序はいずれであってもよく、
    c)式(XII)を有する化合物からP保護基を除去し、無機又は有機塩の形態であってもよい、式(I)を有する化合物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヒドロゲノリン酸塩、プロピオン酸及びコハク酸塩から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. リジン、プロリン又はバリンアミノ酸残基が、該残基のそれぞれの立体異性体のいずれかとできることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 塩が、対応する酸を導入することで、工程c)中に得られることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 酸が、酢酸又は塩酸又は臭化水素酸又は硫酸又はクエン酸又は酒石酸又は乳酸又はリン酸又はヒドロゲノリン酸又はプロピオン酸又はコハク酸であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 酸が酢酸又は塩酸であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 及びP保護基が、異なる操作条件でそれぞれ除去されるように選択されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 式(II)の化合物が、有機塩基、好ましくは有機アミンで塩化されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。
  9. 式(III)の化合物が、無機又は有機酸で塩化されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程a)において、ペプチドカップリング反応が、ロロホルマート類、又は薬、又はスホニウム塩、ルボジイミド類の水溶性形態のもの、又はルボジイミド類から選択される活性化又はカップリング試薬の存在下で生じることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程b)が、次の工程:
    b1)Pが保護基を表す、式(IV)の化合物のP保護基を除去して、次の式(IX):
    Figure 0004050238
    [上式中、Pは請求項1と同じ意味を有し、Pは保護基を表す]
    の化合物を得;
    b2)次の式(VI-A)の化合物、又は次の式(VI-B)の化合物:
    Figure 0004050238
    [上式中、R、R'及びR''は請求項1と同じ意味を有する]
    で、式(IX)の化合物のリジン残基のNH(α)基をアミド化して、次の式(X):
    Figure 0004050238
    [上式中、R、R'、R''、Pは請求項1と同じ意味を有し、Pは保護基を表す]
    の化合物を得;
    b3)式(X)の化合物からP保護基を除去して、次の式(XI):
    Figure 0004050238
    [上式中、R、R'、R''及びPは請求項1と同じ意味を有する]
    の化合物を得;
    b4)無機又は有機酸で塩化されていてもよい、次の式(V):
    Figure 0004050238
    [上式中、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    のバリン化合物と、式(XI)の化合物とをカップリングさせ、次の式(XII):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    の化合物を得ることを含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程b)が、次の工程:
    b5)Pが保護基を表す、式(IV)の化合物のP基を除去して、次の式(VII):
    Figure 0004050238
    [上式中、P及びPは請求項2と同じ意味を有する]
    の化合物を得;
    b6)無機又は有機酸で塩化されていてもよい次の式(V):
    Figure 0004050238
    [上式中、R及びR請求項1と同じ意味を有する]
    のバリン化合物と、式(VII)の化合物とをカップリングさせて、次の式(XIII):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、P、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    の化合物を得;
    b7)式(XIII)の化合物からP保護基を除去して、無機又は有機酸により塩化されていてもよい次の式(XIV):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    の化合物を得;
    b8)無機又は有機酸により塩化されていてもよい次の式(VI-A)の化合物、又は次の式(VI-B)の化合物:
    Figure 0004050238
    [上式中、R、R'及びR''は請求項1と同じ意味を有する]
    で、式(XIV)の化合物のリジン残基のNH(α)基をアミド化して、次の式(XII):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    の化合物を得ることを含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程b)が次の工程:
    b9) 基がヒドロキシ基を示す式(VII)の化合物からP 保護基を除去して、次の式(XV):
    Figure 0004050238
    [上式中、Pは請求項2と同じ意味を有する]
    の化合物を得;
    b10)次の式(VI-A)の化合物、又は次の式(VI-B)の化合物:
    Figure 0004050238
    [上式中、R、R'及びR''は請求項1と同じ意味を有する]
    で、式(XV)の化合物のリジン残基のNH(α)基をアミド化して、有機又は無機塩基で塩化されていてもよい次の式(XI):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、R、R'及びR''は上述したものと同じ意味を有する]
    の化合物を得;
    b11)無機又は有機酸で塩化されていてもよい次の式(V):
    Figure 0004050238
    [上式中、R及びRは請求項1と同じ意味を有する]
    のバリン化合物と、式(XI)の化合物とをカップリングさせて、次の式(XII):
    Figure 0004050238
    [上式中、P、R、R'、R''、R及びRは上述したものと同じ意味を有する]
    の化合物を得ることを含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 式(II)の化合物において、P保護基がt-ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、P保護基がベンジルオキシカルボニル(Z)であることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 式(III)の化合物において、P保護基がOBzlベンジルエステル基であることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 式(I)の化合物において、R、R'及びR''基がそれぞれ水素原子を表すことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 式(I)の化合物において、R及びR基がそれぞれ水素原子を表すことを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  18. 保護基がt-ブチルオキシカルボニル(BOC)であり、P保護基がベンジルオキシカルボニル(Z)であり、P保護基がOBzlベンジルエステルであることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  19. 次の式(IA):
    Figure 0004050238
    [上式中:
    a)R、R'及びR''は互いに独立して、水素原子、あるいは、
    鎖状又は分枝状のC-C22アルキル部分、
    − C-C10シクロアルキル部分
    を表し、
    、R'、R''の少なくとも一が水素とは異な
    b)R及びRは互いに独立して、水素原子を表すか、又は
    鎖状又は分枝状のC-C24アルキル部分、
    − C-C10シクロアルキル部分
    を表し、
    又はR残基の少なくとも一は水素とは異な]
    により表されるKPVトリペプチドジアミド誘導体又は誘導体塩。
  20. 塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヒドロゲノリン酸塩、プロピオン酸塩及びコハク酸塩から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のKPVトリペプチドジアミド塩。
  21. リジン、プロリン又はバリンアミノ酸残基が、このような残基のそれぞれの立体異性体のいずれかとでることを特徴とする、請求項19又は20に記載のKPVトリペプチドジアミド誘導体又は誘導体塩。
  22. 生理学的に許容可能な媒体に、請求項19ないし21のいずれか1項に記載の誘導体(A)を含有せしめてなる化粧用又は製薬用組成物。
  23. 媒体が化粧用媒体であり、誘導体(IA)が10−8〜10−3g/100gの 基がヒドロキシ基を示す式(VII)の化合物からP 保護基を除去して範囲の含有量で存在していることを特徴とする請求項22に記載の化粧用又は製薬用組成物。
  24. 媒体が製薬用媒体であり、誘導体(IA)が5x10−4g/100gより多い含有量で存在していることを特徴とする請求項22に記載の化粧用又は製薬用組成物。
  25. 化粧用組成物中における、又は乾燥肌及び/又は敏感肌の処置のための又はこれを予定した製薬用組成物の製造のための、請求項19ないし21のいずれか1項に記載の誘導体(IA)の使用。
JP2004017359A 2003-01-24 2004-01-26 Kpvトリペプチドジアミド誘導体の改良された合成方法 Expired - Fee Related JP4050238B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0300808A FR2850383B1 (fr) 2003-01-24 2003-01-24 Procede de synthese ameliore de derives diamides du tripeptide kpv

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004231653A JP2004231653A (ja) 2004-08-19
JP2004231653A5 JP2004231653A5 (ja) 2007-10-04
JP4050238B2 true JP4050238B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=32525006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004017359A Expired - Fee Related JP4050238B2 (ja) 2003-01-24 2004-01-26 Kpvトリペプチドジアミド誘導体の改良された合成方法

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP1440977B1 (ja)
JP (1) JP4050238B2 (ja)
AT (1) ATE334142T1 (ja)
CY (1) CY1105713T1 (ja)
DE (1) DE602004001590T2 (ja)
DK (1) DK1440977T3 (ja)
ES (1) ES2270318T3 (ja)
FR (1) FR2850383B1 (ja)
PT (1) PT1440977E (ja)
SI (1) SI1440977T1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988000833A2 (en) * 1986-08-08 1988-02-11 Board Of Regents, The University Of Texas System Antipyretic and anti-inflammatory peptides
AU2001297591A1 (en) * 2000-11-01 2002-09-19 Zengen, Inc. A sunburn treatment and sunburn prevention method

Also Published As

Publication number Publication date
FR2850383A1 (fr) 2004-07-30
DE602004001590D1 (de) 2006-09-07
CY1105713T1 (el) 2010-12-22
ATE334142T1 (de) 2006-08-15
DK1440977T3 (da) 2006-11-20
PT1440977E (pt) 2006-12-29
SI1440977T1 (sl) 2006-12-31
FR2850383B1 (fr) 2005-04-15
EP1440977A1 (fr) 2004-07-28
ES2270318T3 (es) 2007-04-01
DE602004001590T2 (de) 2007-07-19
EP1440977B1 (fr) 2006-07-26
JP2004231653A (ja) 2004-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5317014A (en) Peptides and pseudopeptides derived from tachykinin
US5700827A (en) Amino acid derivatives, processes for the manufacture thereof and pharmaceutical compositions (II) containing these compounds
CA2515975C (en) Peptide derivatives having .beta.-secretase inhibitory activity
JP2540534B2 (ja) オリゴペプチジルニトリル誘導体
SE448461B (sv) Nya peptidyl-argininaldehydderivat jemte sett for deras framstellning och farmaceutiska beredningar innehallande dem
US20090259021A1 (en) Liquid Phase Peptide Synthesis of KL-4 Pulmonary Surfactant
US6235876B1 (en) Liquid phase process for the preparation of GNRH peptides
US4242256A (en) Synthesis of peptide analogues
US4298523A (en) Methods and compositions for preparation of H-ARG-X-Z-Y-TYR-R
Mhidia et al. Exploration of an imide capture/N, N-acyl shift sequence for asparagine native peptide bond formation
JPS58116443A (ja) 新規ペプチドおよびその製法
US6184345B1 (en) Branched building units for synthesizing cyclic peptides
JP2017523957A (ja) D−アルギニル−2,6−ジメチル−l−チロシル−l−リシル−l−フェニルアラニンアミドの製造方法
CS199708B2 (en) Method of producing polypeptides and derivatives thereof having effect similar morphine
SE452318B (sv) Aminosyror till anvendning som mellanprodukter vid framstellning av bestatiner
JP4580928B2 (ja) ソマトスタチンペプチドの製造
JP4050238B2 (ja) Kpvトリペプチドジアミド誘導体の改良された合成方法
US4369137A (en) N-Protected pentapeptides useful as intermediates in the preparation of thymopoietin pentapeptide
JPH05508859A (ja) ペプチド合成方法
US7683026B2 (en) Method for synthesizing KPV tripeptide diamide derivatives
AP1057A (en) Process for the preparation of azacycloalkylalkanoyl pseudotetrapeptides.
Tantry et al. Synthesis of N α-protected peptide acids by the N→ C chain extension employing O, N-bis-trimethylsilyl-amino acids using the mixed anhydride method
CZ24398A3 (cs) Způsob přípravy derivátu dolastatinu 15, meziprodukt pro tuto přípravu a použití tohoto derivátu
JPS58183657A (ja) 生物学的に活性なペプチド
GB2127831A (en) Intermediates in the preparation of caerulein

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070220

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070517

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070522

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20070820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4050238

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees