JP4049791B2 - 浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法、及び復号化方法と、その各装置、その各プログラム - Google Patents
浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法、及び復号化方法と、その各装置、その各プログラム Download PDFInfo
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Description
圧縮率の高い非可逆の符号化を行い、その再生信号と原信号の誤差を可逆に圧縮することを組み合わせることで高い圧縮率で可逆な圧縮が可能となる。この組み合わせ圧縮方法が日本国特許出願公開2001−44847号に提案されている。この方法は前記文献に詳細に示されているが、以下に簡単に説明する。
符号器では、ディジタル入力信号(以下、入力信号サンプル系列とも呼ぶ)が、フレーム分割部で、例えば1024個の入力信号サンプルからなるフレーム単位に、順次分割され、このフレーム単位ごとにディジタル信号が非可逆圧縮符号化される。この符号化は、復号化時に元のディジタル入力信号をある程度再現できる方式であれば、入力信号に適した如何なる方式でもよい。例えば、上記ディジタル入力信号が音声であればITU−TのG.729標準として勧告されている音声符号化などが利用でき、音楽であればMPEG−4で採用されているTwin VQ(Transform−Domain Weighted Interleaved Vector Quantization)符号化などが利用できる。この非可逆圧縮符号は局部復号され、この局部信号と元のディジタル信号との誤差信号が生成される。なお、実際的には、局部復号はする必要なく、非可逆圧縮符号を生成する際に得られる量子化信号と元のディジタル信号との誤差を求めればよい。この誤差信号の振幅は通常は元のディジタル信号の振幅よりもかなり小さい。よって、元のディジタル信号を可逆圧縮符号化するよりも、誤差信号を可逆圧縮符号化する方が情報量を小さくできる。
この可逆圧縮符号化の効率を上げるために、この誤差信号の符号絶対値表現(極性と絶対値の2進数)されたサンプル列のフレーム内の全サンプルに対しそれらの各ビット位置、つまりMSB,第2MSB,…,LSB毎に、サンプル系列方向(時間方向)にビットを連結したビット列を生成する。即ち、ビット配列の変換が行われる。この各連結した同じビット位置の1024個のビットからなるビット列をここでは便宜上「等位ビット列」と呼ぶことにする。これに対し、各サンプルの極性も含む振幅値を表す1ワードのビット列を便宜上「振幅ビット列」と呼ぶことにする。誤差信号は振幅が小さいので、各サンプルの最上位から1つ又は連続する複数のビットは全て″0″となることが多い。そこで、それらのビット位置で連結して生成した等位ビット列は全て″0″のビット列となるので、予め決めた短い符号で表すことができ、誤差信号の可逆圧縮符号化効率を上げることができる。
これら等位ビット列が可逆圧縮符号化される。可逆圧縮符号化としては、例えば、同一符号(1又は0)が連続する系列がある場合や頻繁に出現する系列がある場合を利用した、ハフマン符号化や算術符号化などのエントロピィ符号化などを用いることができる。
復号化側では、可逆圧縮符号が復号化され、その復号信号に対し、ビット配列の逆変換が行われ、即ち、フレーム毎に等位ビット列を振幅ビット列に変換し、得られた誤差信号が順次再生される。また、非可逆圧縮符号が復号化され、この復号信号と再生された誤差信号とが加算され、最後に、フレームごとの各加算信号が順次連結されて、元のディジタル信号系列が再生される。
音声、画像などの情報の歪を許さない可逆な符号化方法としてはその他にも各種のものが知られている。音楽情報については例えばMat Hans,Ronald W.Schafer等による″Lossless Compression of Digital Audio″,IEEE SIGNAL PROCESSING MAGAZINE,July 2001,pp.21−32に示されている。従来の方法は何れも波形をそのままPCM信号としたものについての圧縮符号化方法であった。
しかし音楽の収録スタジオでは浮動小数点形式で波形が記録されて保存されることがある。浮動小数点形式の値は極性、指数部、仮数部に分離されている。例えば図1に示すIEEE−754として標準化されている浮動小数点形式は32ビットであり、上位ビットから極性1ビット、指数部8ビット、仮数部23ビットで構成されている。極性をS、指数部の8ビットで表す値を10進数でE、仮数部の2進数をMとすると、この浮動小数点形式の数値は絶対値表現2進数で表わすと
IEEE−754によれば、E0=27−1=127と決められており、これにより、式(1)中のE−E0は
−127≦E−E0≦128
の範囲の任意の値を取ることができる。
音声、音楽、画像の情報が浮動小数点形式のディジタル信号系列とされている場合は、浮動小数点形式の性質上″0″と″1″からなるビット列が乱雑な場合が多くなるため、前述したビット配列変換を行っても、エントロピィ圧縮符号化などによって高い圧縮率は期待できない。また浮動小数点形式のサンプル列は原アナログ波形と著しく異なったものとなりサンプル間の相関による冗長性がなく、前述のMat Hans,Ronald W.Schafer等の文献に示されている可逆予測符号化方法を適用しても高い圧縮率は期待できない。
この発明の目的は浮動小数点形式のディジタル信号に対して圧縮率が高く、歪が生じない可逆符号化、復号化方法、それらの装置及びそれらのプログラムを提供することにある。
このように整数形式のディジタル信号サンプルに変換することにより、原アナログ波形信号に近いものとなり、信号サンプル間の相関による冗長性を除く圧縮方法により効率よく圧縮することができる。
この発明による符号小数点形式ディジタル信号復号化方法及び装置は、符号列を復号伸張して整数形式の第1ディジタル信号サンプルを生成し、差分情報に基づく差分信号を生成し、上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルを浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換し、上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルと上記差分信号を合成して浮動小数点形式の第3ディジタル信号サンプルを生成する。
図2はこの発明の第1実施形態の符号化装置の機能構成を示す図。
図3は図2中の整数化部12の動作を説明するための図。
図4は図2中の整数化部12における処理手順の例を示す流れ図。
図5はこの発明の第1実施形態の復号化装置の機能構成を示す図。
図6はこの発明の第2実施形態の符号化装置の機能構成を示す図。
図7は桁調整処理手順を示すフローチャート。
図8はこの発明の第2実施形態の復号化装置の機能構成を示す図。
図9はこの発明の第2実施形態の符号化装置の変形機能構成を示す図。
図10はこの発明の第2実施形態の復号化装置の変形機能構成を示す図。
図11は浮動小数点の加、減算を指数部、仮数部別々に行う構成を示す図。
図12はこの発明による符号化方法の他の実施形態を説明するための符号化装置の機能構成例を示す図。
図13はこの発明による復号化方法の他の実施形態を説明するための復号化装置の機能構成例を示す図。
図14はこの発明による符号化装置及び復号化装置を実施するコンピュータを説明するための図。
図2にこの発明による符号化装置の実施形態の機能構成を示す。この実施形態の符号化装置100は、整数化部12と、圧縮部13と、差分生成部14と、圧縮部17とから構成されている。また、整数化部12は桁数計算部12Aを有しており、差分生成部14は符号小数点化部15と、減算部16とから構成されている。信号源11から例えば音楽信号のサンプル列が32ビットの浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの系列として出力される。この各ディジタル信号サンプルXは24ビットの整数形式で録音された信号の素材を変形、振幅調整、効果付加、混合などの加工をした結果、小数点以下の端数を含むようになったものを浮動小数点形式に変換したもの、あるいは、もともと24ビットの整数形式で録音された信号を32ビット浮動小数点形式に変換後、前記加工をした信号である。このとき整数値をそのまま浮動小数点の数値とする場合や、整数値の32768が1.0となるように正規化して表現する場合などもある。以下の説明は前者を前提としているが、これらの違いは指数部の値だけであり、本発明は全てに適用可能である。
この浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXは整数化部12に入力され、各サンプルごとに整数形式のディジタル信号サンプルYに変換される。先に述べたように前記例ではもともと24ビットの整数形式の信号の素材を変形、振幅調整、効果付加などの加工をした場合が多く、振幅が大きく変化することがないのが一般的である。従って整数化部12においては小数点以下の端数を丸めて整数に変換すればよい。以下の説明では、丸めとして切捨てを行う場合について図3を参照して説明する。整数形式の桁数は16ビットあるいは20ビットなどでもよいが、以降の説明では24ビットを使用する。
小数点の次の上位側ビットは、指数部の値Eが例えばE=147であれば仮数部MのMSB側から147−127=20番目であり、図3Aに示すように23ビットの仮数部M中の上位側20ビット(M1)が絶対値2進表現をした場合の整数部であって、仮数部M中の下位側3ビット(M2)が絶対値2進表現をした場合の小数点以下の端数部である。従って、図3Bに示すように整数部(M1)中の最下位ビットが仮数部23ビット中の最下位ビットとなるように、仮数部Mを3ビット下位方向にシフトすることによりこの小数点以下3ビット(M2)が溢れて切り捨てられる。このシフトにより仮数部Mの空き(この例では″000″)となった最上位3ビット中の最下位ビット(即ち、23ビットの最下位から21ビット目)に式(1)における″1.M″の″1″に対応する″1″を設定することにより、切り捨てによる整数化された値が得られる(図3C参照)。あるいは、シフト前の23ビットのMSBの上位側に″1″を付加した24ビットを3ビットシフトしてもよい。
更に、このようにして得られた整数値を2の補数表現に変換する。つまり、浮動小数点形式の各ディジタル信号サンプルXの極性ビットSはそのまま最上位ビットとし、残りの23ビットについては図3Cに得られた23ビットを、極性Sが″0″(正)の場合は図3Cの23ビットをそのまま用い、Sが″1″(負)であれば、図3Dに示すように23ビットを全て論理反転、即ち″0″と″1″を交換した後に最下位ビットに″1″を加算する。なお最上位ビットは極性Sをそのまま用い、図3Eに示す24ビットの補数表現された整数が得られる。
上述においては、主として、仮数部Mに小数点以下の端数部と対応するビットが0ビット以上含まれている場合を想定し、1サンプルの浮動小数点形式の32ビットディジタル信号を1サンプル24ビットの整数形式のディジタル信号に変換した。しかし、例えば前記24ビット整数形式の信号の素材の複数を混合などして加工する場合には1サンプルの振幅値が24ビットで表わされる最大値より可成り大きくなっている場合もある。このような場合は例外処理として、指数部Eの値を前記例では127+23=150に制限し、仮数部Mの23ビットをそのまま2の補数表現に変換して24ビット整数形式のディジタル信号として用いる。
整数化部12では例えば図4に示す処理を行うことになる。まず指数部Eが150を超えるか、つまり整数部分が23ビット以上であるかを調べ(S1)、23ビットより少なければ、桁数計算部12Aで整数値の桁数E−E0=nを求めて出力し(S2)、また仮数部Mを下位に(23−n)ビットだけシフトして端数部を溢れ出し、得られた整数部nビットの最下位から(n+1)ビット目に″1″を付加し(S3)、更にその上位側に全体で23ビットとなるように″0″を補充したものを、極性Sを加味して2の補数表現の24ビット整数形式に変換して1サンプルの整数形式ディジタル値を得る(S5)。つまり、最上位ビットに極性Sをそのまま用い、残りの23ビットは、極性Sが″0″(正)であればステップS3でシフトした整数部分の最下位ビットから23ビットまでをそのまま用い、Sが″1″(負)であれば前記シフトした整数部の最下位ビットから23ビットまでを、最上位ビットはそのまま、他の22ビットはビット反転して用いる。ステップS1で指数部Eが150以上であれば、ステップS4でその指数部Eを150に制限してステップS5に移る。なお、上述では仮数部Mに対し(23−n)ビットシフトして1サンプル24ビットの絶対値表現2進数の整数値を求めたが、仮数部Mの上位からn=E−E0ビットを取り出し、その上位側に″1″を付加してn+1ビットとし、その上位側に(22−n)ビットの″0″を付加して23ビットとし、更にその上位側に極性ビットSを付加して全体で24ビットにしてもよい。
上述の整数化部12は図4のステップS3において小数点以下の端数に対し切り捨てによる丸めを行う場合について説明したが、切り上げを行ってもよいし、小数点第1位が″1″か″0″かにより切り上げか切捨てかを行ってもよい。それによって繰り上がりが生じた場合には、(23−n)ビットシフト後の整数部分の最下位に″1″を加算する。その加算結果、更に整数部分の最上位に繰り上がりが生じた場合は、図2に破線で示すようにその切り上げが生じたことを示す1ビットの情報を符号化して補助情報Cdとして送出する。
以上のようにして整数化部12で変換された整数形式のディジタル信号サンプルYの系列は圧縮部13で整数値として波形値の相関などを利用した効率のよい可逆圧縮法により圧縮符号化されて符号列Caとして出力される。圧縮部13における可逆圧縮は例えば前記Mat Hansらの論文に示すように各サンプルごとに予測値(整数値)との差分を求め、その差分の系列を、従来の技術の項で述べたようにビット配列変換を行った後、つまり等位ビット列についてエントロピィ符号化すればよい。つまり整数形式のディジタル信号サンプルYの系列は信号源11の浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの系列の原アナログ信号波形と近似したものとなっている。従ってこのディジタル信号サンプルXの系列は予測や変換を使って信号サンプル間の相関による冗長性を除くことにより効率の高い可逆圧縮符号化が可能となる。
また整数形式のディジタル信号サンプルYと信号源11よりの対応する浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXとの差分信号(誤差)ΔXが差分生成部14で生成される。この例では整数形式のディジタル信号サンプルYは浮動小数点化部15で浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′に再変換され、その再変換された浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′が原浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXから減算部16で減算されて浮動小数点形式の差分ディジタル信号ΔXが生成される。
浮動小数点化部15での変換は1サンプルの整数形式ディジタル信号が24ビットの場合、まったくあいまい性や例外なく32ビットの浮動小数点形式のディジタル信号に変換可能である。前述したように原浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの指数部Eは149以下の場合が多く、この場合はディジタル信号サンプルX′と原浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXとの差分ディジタル信号ΔXは、原ディジタル信号サンプルXの小数点以下の端数値と等しい。
差分生成部14からの差分信号ΔXは圧縮部17で可逆圧縮符号化され、差分情報Cbとして出力される。差分信号ΔXは前述したように、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルの小数点以下の端数値であり、差分信号の仮数部における小数点以下の桁数が小さければエントロピィ符号化などにより能率よく可逆圧縮符号化が可能である。この圧縮部17では圧縮効率を上げるために、指数部Eと仮数部Mの差分とを分離して、それぞれに適した可逆圧縮符号化して符号列Cb1とCb2として出力してもよい。その場合、その指数部EはX′の指数部と同じであり、受信側で符号Caを復号して得た信号サンプルYを浮動小数点形式の信号サンプルX′に変換することにより得られるので送信しなくてもよい。即ち、仮数部Mの差分だけ符号化して差分情報Cb2として送信すればよい。
差分信号ΔXは小数点以下の桁数が多いこともあり、その場合、符号化の効率が悪い場合がある。従って、差分信号ΔXを符号化せず差分情報としてそのまま出力してもよい。あるいは、この差分信号ΔXを符号化した場合としない場合の情報量を比較し、情報量が小さくなるほうを選択してもよい。
なお前述したように浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX自体の仮数部がE≧150の例外的な場合は、整数化部12で指数部Eが150に制限されたことを示す例外信号yが差分生成部14に与えられ、差分生成部14はその指数部Eの値150とディジタル信号サンプルXの指数部Eとの指数差分(E−150)と、仮数部Mの差分(全ビット″0″)を差分信号ΔXとして生成する。圧縮部17は差分信号ΔXを可逆圧縮符号化し、その符号を差分情報Cbとして出力する。この場合、仮数部差分は全ビット″0″なので送らず、指数差分のみを符号化して差分情報Cbとして出力してもよい。
図5に図2に示した符号化装置100と対応するこの発明による復号化装置200の実施形態を示す。
入力された符号列Caは伸張部21で可逆伸張復号化される。この可逆伸張復号化方法は、図2中の圧縮部13で行った可逆圧縮符号化方法と対応し、その処理と逆の処理を行う。よってこの可逆伸張復号化により1サンプル24ビットの整数形式のディジタル信号サンプルYの系列が生成される。
この整数形式のディジタル信号サンプルYは浮動小数点化部22で1サンプル32ビットの浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′に変換される。一方、入力された差分情報Cbは伸張部23で可逆伸張復号化される。この可逆伸張復号化方法は、図2中の圧縮部17で行う可逆圧縮方法と対応したものとする。よってこの可逆伸張復号化によって差分信号ΔXが生成される。
この差分信号ΔXは最下位側の端数値であるから、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′の仮数部の最下位側の対応ビット位置に合成部24で挿入され、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXが再生される。図2の符号化装置100において、差分信号ΔXを圧縮符号化せずに出力する場合は、復号化装置200において受信した差分信号ΔXはそのまま合成部24に与えられ、同様の合成が行われる。
第2実施形態
この第2実施形態の符号化装置100の機能構成例を図6に図2と対応する部分に同一参照番号を付けて示す。この第2実施形態では浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの系列を、サンプル列分割部31で複数の一定サンプル数ごとに、あるいはフレーム毎に分割し、この分割単位ごとに桁調整部32で、整数形式のディジタル信号サンプルYの桁数が適当な大きさ、つまり少なくとも整数形式に変換した際に24ビット以内に納まるように指数部Eに対して以下のように桁調整を行う。
(a)浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの振幅が大きく、各指数部Eがもともと150を超えている場合は、24ビットの整数形式のディジタル信号サンプルYに変換すると仮数部MのLSB側1又は複数ビットの情報が失われる。あるいは浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの振幅が大きく、各指数部Eが150に近い値の場合は整数形式のディジタル信号サンプルYに変換した際に、そのサンプルごとのディジタル値が頻繁に24ビット整数値を超えることがある。これらのことが生じないように、ディジタル信号サンプルXの指数部Eを、桁調整部32において、前記分割単位ごとに、調整情報ΔEだけ差し引いて150以下の値とする。
(b)浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの振幅が小さく、変換された整数形式のディジタル信号サンプルYの24ビット中の最上位ビットの極性Sを除き、MSBから21〜23ビットが常に全て″0″となるような場合、振幅がわずか2ビット程度で表されることになるので整数形式のディジタル信号サンプルYの系列の波形がアナログ波形に近いものとならず、整数形式のディジタル信号サンプルYに変換する効果、つまり高い圧縮率で可逆圧縮符号化することが得られなくなる。また整数形式のディジタル信号サンプルYの振幅値がLSB側2ビット程度で表される場合、信号サンプルYを浮動小数点形式のディジタル信号に変換すると、その仮数部Mは全ビット″0″またはMSBのみ″1″で他は全て″0″のように、ほとんどの桁のビットが″0″となってしまう。一方、符号小数点形式の入力ディジタル信号サンプルXの仮数部Mは、信号サンプルXの振幅が小さいときでも、大きな値をとり得るので、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXとの誤差(差分)と対応した浮動小数点形式の差分信号ΔXの仮数部Mは大きな振幅をとり、つまり全てのサンプルについて″0″となるビットの数が少なくなり、圧縮効率を上げることができない。
このような問題が生じないように桁調整部32では分割単位ごとに各指数部Eに調整情報ΔEだけ加算して、仮数部M中の多くの情報が整数形式のディジタル信号サンプルYに含まれるようにする。この場合、整数形式に変換した際に1サンプルのビット数が24を超えないようにする。
桁調整部32における調整情報ΔE(任意の極性の整数)は分割単位で変更が可能である。桁調整部32において分割単位ごとに指数部Eの最大を調べ、整数化した時に1サンプルが24ビットを超えない範囲で仮数部Mの情報をなるべく利用できるように調整情報ΔEを決めればよい。
図7は桁調整部32が実行する桁調整の処理手順を示す。ここではサンプル列分割部31により分割されたNF個のサンプル毎に桁調整を行う場合を示す。
ステップS1でNF個の入力サンプルを取り込み、ステップS2でi=1,ΔE0=0に初期設定する。
ステップS3でi番目のサンプルの指数部Eiから150を減算して差ΔEiを得る。
ステップS4でΔEiが1つ前のΔEi−1より大きいか判定し、大きくなければステップS6に移動する。
ステップS5でΔEiがΔEi−1より大きい場合は、ΔEiをΔEmaxとして一時保存する。
ステップS6でi=NFとなったか判定し、なっていなければステップS7でiを1歩進し、ステップS3に戻る。
ステップS6でi=NFとなっていれば、ステップS8でΔEmaxを読み出し、1以上か判定する。1以上であればステップS10に移る。
ステップS8でΔEmaxが1以上出なければ、ステップS9でΔEmaxが予め決めた−K(Kは1以上の整数)以下であるか判定し、そうであればステップS10に移る。
ステップS10では、ΔEmaxを補正情報ΔEとし、NF個の各サンプルについてEi’=Ei−ΔEにより桁調整を行い、整数化部12に桁調整されたNF個のサンプルを与え、ステップS1に戻る。ステップS9でΔEmaxが−Kより小でない場合はステップS1に戻る。
このようにステップS8においてΔEmaxが1以上となることはディジタル信号サンプルXの振幅が大きく指数部Eが150を超えている場合を検出している。ステップS9においてΔEmaxが−K以下となることは、Xの振幅が小さく、波形の近似が悪い場合であり、例えばKは20〜22程度の値に決めてもよい。
このようにして桁調整された浮動小数点形式のディジタル信号サンプルを整数化部12で整数形式のディジタル信号サンプルYに変換しこの信号サンプルYの系列を圧縮部13で可逆圧縮符号化して符号列Caを生成することは第1実施形態と同様である。
復号化の際に、符号化の際の浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXを可逆に得られるように調整情報ΔEは補助符号化部33でその極性、つまり加算か減算かを含めて符号化して補助符号列Ccを生成する。
図6に示した実施形態では、差分生成部14において逆桁調整部34で、整数形式のディジタル信号系列Yを、対応分割単位ごとの調整情報ΔEだけ逆に桁調整する。つまり桁調整部32で負の調整情報ΔEを加算した場合(ステップS10でΔEが負の場合)は逆桁調整部34において対応サンプルのディジタル信号の最上位ビットを除く23ビットをΔEビットだけ下位にシフトし、シフトで空いた各ビットに″0″を詰め、正の調整情報ΔEを減算した場合(ステップS10でΔEが正の場合)は、対応サンプルのディジタル信号の最上位ビットを除く23ビットをΔEビットだけ上位にシフトし、つまりΔEビットだけあふれさせ、下位ΔEビットに″1″を詰めて23+ΔEビットとする。
この桁を逆調整した整数形式のディジタル信号サンプルYを浮動小数点化部15で浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′に変換し、この浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′と原浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXとの差分ΔXを減算部16で求め、この浮動小数点形式の差分信号ΔXを圧縮部17で可逆圧縮符号化して符号列Cbを出力する。この場合は分割単位の符号列CaとCbと補助符号Ccが出力されることになる。この実施形態においても差分信号ΔXは圧縮符号化せず、端数部だけをそのまま差分情報として出力してもよい。サンプル列分割部31は図6中に破線で示すようにサンプル列分割した浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXが桁調整部32と減算部16に供給されるように設けてもよい。
図8に図6に示した符号化装置100と対応する復号化装置200の機能構成例を、図5の復号化装置200と対応する部分に同一参照番号を付けて示す。符号列Caは伸張部21で分割単位で可逆伸張復号化され、整数形式のディジタル信号サンプルYの系列が生成される。この実施形態では補助復号部41で補助符号Ccが復号されて調整情報ΔEが生成される。この調整情報ΔEにより整数形式のディジタル信号サンプルYに対する桁補正Ei+ΔEが桁補正部42で行われる。調整情報ΔEが正であれば各ディジタル信号サンプルYのビットを上位へΔEビットシフトし、ΔEが負であればディジタル信号サンプルYのビットを下位へΔEビットシフトする。この際、図6中の逆桁調整部34と同様に″1″又は″0″詰めを行う。
この桁補正部42より整数形式のディジタル信号サンプルを浮動小数点化部22で浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′に変換し、これと、差分情報Cbを伸張部23で可逆伸張復号化して得た浮動小数点形式の差分信号ΔXと合成部24で加算合成する。この加算合成したディジタル信号を必要に応じて連結部43により連続するサンプル列に連結して再生浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの系列を得る。
変形例
図9に図6と対応する部分に同一参照番号を付けて示すように、整数形式のディジタル信号サンプルYに対し、逆桁調整を行うことなく、浮動小数点化部15で浮動小数点形式のディジタル信号サンプルに変換し、この変換された浮動小数点形式のディジタル信号サンプルと桁調整部32で桁調整された浮動小数点形式のディジタル信号サンプルとの差分を減算部16で求め、浮動小数点形式の差分信号ΔXを求めてもよい。つまり差分生成部14は原浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXと整数形式のディジタル信号サンプルYとの差分信号を浮動小数点形式で求めればよく、図2、図6、図9に示す何れの構成によってもよい。
図9と対応して復号化装置200では図10に示すように伸張部21で可逆伸張復号化した整数形式のディジタル信号サンプルYを、まず浮動小数点化部22で浮動小数点形式のディジタル信号サンプルに変換し、これと、伸張部23で可逆伸張復号化した浮動小数点形式の差分信号ΔXを合成部24で加算合成し、その後、その合成ディジタル信号に対し、その指数部Eを、補助復号部41により復号された調整情報ΔEで桁補正部42において桁補正して、再生浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXを得るようにしてもよい。
上述においては符号化装置における減算部16の引き算は通常の浮動小数点の引き算、つまり2つの値の指数部Eが互いに異なる場合は、大きい指数部Eに桁を合わせて仮数部の引算を行うことを想定した。この場合指数部Eが小さい方の値の仮数部の下位の桁が失われて、復号化装置で正確に原浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXを再生できなくなることがある。このために特別の処理が必要となる。復号化装置における合成部24の加算についても同様のことが云える。
この問題を解消するため指数部Eと仮数部Mとを桁合せをすることなく別々に計算する。図11に示すように、ディジタル信号サンプルXの指数部Eとディジタル信号サンプルX′の指数部Eとの差分を指数減算部16Eで求め、ディジタル信号サンプルXの仮数部Mとディジタル信号サンプルX′の仮数部Mとの差分を仮数減算部16Mで求め、指数減算部16Eの減算結果を差分信号ΔXの指数部Eとし、仮数減算部16Mの減算結果を差分信号ΔXの仮数部Mとする。
同様に復号化装置における合成部24の加算を、図11中に括弧書きで示すように、差分信号ΔXの指数部Eと、ディジタル信号サンプルX′の指数部Eとを指数加算部24Eで加算し、差分信号ΔXの仮数部Mと、ディジタル信号サンプルX′の仮数部Mとを仮数加算部24Mで行い、指数加算部24Eの加算結果をディジタル信号サンプルXの指数部Eとし、仮数加算部24Mの加算結果をディジタル信号サンプルXの仮数部Mとする。
このようにすると浮動小数点数値の絶対値が整数表現の最大値より大きくなったときでも、整数に変換するときに整数の最大値に飽和させておけばよい。仮数部、指数部ごとに情報が保存されるので浮動小数点の値としてすべてのビットが再構成されるので例外扱いは不要になる。
従って、図2、図6、図9中の減算部16の減算は桁合せをして行う通常の浮動小数点の減算でも、指数部と仮数部とを別々に行う減算でもよい。同様に図5、図8、図10中の合成部24の加算は桁合せをして行う通常の浮動小数点の加算でも、指数部と仮数部とを別々に行う加算でもよい。
図12に示すように、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXのサンプリング周波数をダウンサンプル部36で低い周波数にダウンサンプリングし、この低いサンプリング周波数に変換された浮動小数点形式のディジタル信号サンプルを整数化部12で整数形式のディジタル信号サンプルYに変換し、このディジタル信号サンプルYを圧縮部13へ供給すると共にアップサンプル部37へ供給して、アップサンプリングを行って、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXと同一サンプリング周波数の整数形式のディジタル信号サンプルに変換し、このアップサンプリングされた整数形式のディジタル信号サンプルを浮動小数点化部15へ供給して、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′に変換してもよい。
このダウンサンプリングは整数化部12の入力に対してではなく、整数化部12から出力される整数形式のディジタル信号サンプルに対して行ってもよい。つまり図12中に破線枠36で示すように、整数化部12の出力側にダウンサンプル部36を挿入してもよい。いずれにしても復号側においては図13に示すように伸張部21で復号された整数形式のディジタル信号サンプルYはアップサンプル部45でアップサンプリングされて、そのサンプリング周波数が、図12中の符号化側におけるダウンサンプル部36の入力ディジタル信号サンプルと同一のサンプリング周波数に変換されて、浮動小数点化部22へ供給される。
このようにダウンサンプル部41を設けるのは、このようにすれば全体としての圧縮効率が向上する場合である。これは信号源11から出力されるディジタル信号サンプルYにより予め知られている場合は、ダウンサンプル部41でのダウンサンプリング率を固定しておけばよい。しかし、ディジタル信号サンプルXの系列において、区間に応じてダウンサンプリングした方がよかったり、また、そのダウンサンプリング率も変更した方がよい場合は、図12中に破線で示すようにサンプル列分割部31を設けて、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXを所定サンプル数毎に分割し、その分割区間毎に、ダウンサンプリング行わない場合と行った場合とで、その分割区間ごとの全体として圧縮効率、つまり圧縮部13の出力符号Caのビット数と圧縮部17の出力符号Cbのビット数との和が、いずれが小さいかを評価部38で評価し、圧縮効率が高い、つまり符号Caと符号Cbのビット数の和が小さくなるように、ダウンサンプル部36でダウンサンプリングを行うか否か、あるいは更にダウンサンプリングの率を高く、つまり更にサンプリング周波数を低くした方がよいかを判定して、その良い方又は最も良いものと対応する符号CaとCbを出力し、かつ、その出力する符号Caを対応するダウンサンプリングしたか否かを示す符号、又はダウンサンプリングの率を表す補助情報を補助符号化部39で、補助符号Cdとして出力する。
一方復号側では図13に示すように、補助復号部46により補助符号Cdを復号し、その復号された補助情報に基づきアップサンプル部45で予め決めた率でアップサンプリングを行うか否か、またはその復号結果が表すアップサンプリング率でアップサンプリングをアップサンプル部45で行わせる。
同様に、全体の圧縮効率を上げるために符号化側で浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXを整数形式のディジタル信号サンプルYに変換する際に、故意に精度を落として、例えば16ビットの整数のディジタル信号サンプルに変換してもよい。つまり図12中に括弧書きで示すように、移動小数点形式のディジタル信号サンプルXを精度調整部36で1サンプルの量子化精度(振幅を表わすビット数)を落とし(ビット数を減少し)、具体的には例えば指数部Eが150の場合に、極性Sが″0″(正を表す)なら指数部Eを142とし、極性Sが″1″(負)なら指数部Eを158とする。このように精度変換された浮動小数点形式のディジタル信号サンプルを整数化部12で整数形式のディジタル信号サンプルYに変換し、このディジタル信号サンプルYを圧縮部13へ供給すると共に逆精度調整部37へ供給して、移動小数点形式のディジタル信号サンプルXと同一量子化精度(振幅ビット数)の整数形式のディジタル信号サンプルに変換し、この精度変換された整数形式のディジタル信号サンプルを、浮動小数点化部15へ供給して、浮動小数点形式のディジタル信号サンプルX′に変換する。
復号側では伸張部21で伸張復号された整数形式のディジタル信号サンプルYを、精度調整部45で符号化側の逆精度調整部37で行った精度調整量と同一量の精度調整を行って浮動小数点化部22へ供給する。この精度調整も、固定的に行ってもよいが、サンプリング周波数の調整と同様に、評価部38で分割区間ごとに精度調整を行うか否か、あるいはどの程度行うかを評価し、圧縮効率が向上するようにしても良い。この場合はその精度調整についての補助符号Cdを出力する。復号化側では補助復号部46で復号した補助情報に基づき、精度調整部45で精度調整をするか否か、あるいはその精度情報に応じた量だけ量子化精度の調整を行う。
符号化側において、上述した桁調整、サンプリング周波数の調整、量子化精度の調整はこれらの2つ、または全部を併用してもよい。これに応じて、復号化側において桁調整、サンプリング周波数調整、量子化精度調整の2つまたは3つが併用されることになる。
コンピュータによる実施形態
図2、図6、図9、図12に示した符号化装置100は図14に示すような、バス68で互いに接続されたRAM61,CPU62,ハードディスク63、ROM64、送受信部65、CD/DVDドライブ66、オーディオ・ビデオ入出力部67などを有するコンピュータ600により機能させてもよい。
ROM64にはコンピュータの起動に関するプログラムが格納されており、ハードディスク63にはコンピュータの動作システムプログラムが格納されている。この発明の符号化装置100の機能構成を実行するプログラムは予めCD−ROM又はDVDなどの記録媒体71からCD/DVDドライブ66によりハードディスク63に読み込んでおくか、通信回線を通して送受信部65によりダウンロードしてハードディスク63に読み込んでおく。
符号化する浮動小数点形式のディジタル信号サンプルXの系列は例えばオーディオ・ビデオ入出力部67により外部から取り込んで、バッファとして動作させるハードディスク63に一時記憶する。符号化を開始するには、符号化を実行するプログラムをハードディスク63からRAM61に読み込んで、その実行プログラムをCPU62により実行する。符号化結果である符号Ca,Cb(又はZ),Cc,Cd等は送受信部65により通信回線を通して送信してもよいし、CD/DVDドライブ66によりCD又はDVDの記録媒体に記録保存してもよい。
図5、図8、図10、図13に示した復号化装置200を図14のコンピュータで実施する場合も同様に、復号化装置の機能構成を実行するプログラムをハードディスク63に格納しておき、送受信部65で通信回線から受信した符号Ca,Cb(又はZ),Cc,Cdに対し復号プログラムを実行する。復号結果は表示器73及びスピーカ74に再生出力する。
この発明は音楽信号のみならず、音声信号、画像信号などに対しても適用することができる。
Claims (24)
- (a)浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルを整数形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する過程と、
(b)上記整数形式の第2ディジタル信号サンプルの系列を可逆圧縮して第1符号列を生成する過程と、
(c)上記整数形式の第2ディジタル信号サンプルと上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号系列との差分に対応する差分信号を生成する過程と、
(d)上記第1符号列と、上記差分信号に対応する差分情報とを符号化結果として出力する過程、
とを含む浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法。 - 請求項1記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法において、上記過程(d)は、上記差分信号を可逆圧縮して第2符号列を生成する過程と、上記第2符号列を上記差分信号に対応する差分情報として出力する過程を含む。
- 請求項1または2記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法において、上記過程(c)は、上記第2ディジタル信号サンプルを浮動小数点形式の第3ディジタル信号サンプルに変換する過程と、上記第1ディジタル信号サンプルと上記第3ディジタル信号サンプルの差分を上記差分信号として生成する過程である。
- 請求項1記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法において、上記過程(a)は、
(a−1)上記第1ディジタル信号サンプルの複数サンプル区間毎にその区間内の上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルの指数部の最大値を検出する過程と、
(a−2)上記区間内の上記第1ディジタル信号サンプルの整数値に変換後の最大桁数が予め決めた値と成るように上記区間内の第1ディジタル信号サンプルの上記指数部の値をそれぞれ上記検出した最大値に基いて決めた調整値だけ調整する過程と、
(a−3)上記指数部が調整された浮動小数点形式の上記区間内の第1ディジタル信号サンプルを、上記整数形式に変換する過程と、
(a−4)上記調整値と対応した調整情報を符号化して補助符号を生成する過程、
とから構成され、上記過程(d)は上記補助符号も出力する。 - 請求項1又は4記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法において、
上記第1ディジタル信号サンプルまたは上記第2ディジタル信号サンプルをダウンサンプリングして、上記第1符号列を生成する際のディジタル信号サンプルのサンプリング周波数を、上記第1ディジタル信号サンプルのサンプリング周波数より低くする過程と、
上記第1符号列の生成に用いたディジタル信号サンプルをアップサンプリングして上記第1ディジタル信号サンプルのサンプリング周波数と同一のサンプリング周波数に変換して上記差分信号の生成に用いるディジタル信号サンプルとする過程、
とを含む。 - 請求項1又は4記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法において、
上記第1ディジタル信号サンプルまたは上記第2ディジタル信号サンプルを、その各サンプルの量子化精度を変換して上記第1符号列を生成する際のディジタル信号サンプルの量子化精度を、上記第1ディジタル信号サンプルの量子化精度より低くする過程と、
上記第1符号列の生成に用いたディジタル信号サンプルを、その量子化精度を高くして第1ディジタル信号サンプルの量子化精度と同一の量子化精度に変換して上記差分信号の生成に用いるディジタル信号サンプルとする過程、
とを含む。 - (a)第1符号列を復号伸張して整数形式の第1ディジタル信号サンプルを生成する過程と、
(b)差分情報に基づいて差分信号を生成する過程と、
(c)上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルを浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する過程と、
(d)上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルと上記差分信号を合成して浮動小数点形式の第3ディジタル信号サンプルを生成する過程、
とを含む浮動小数点形式ディジタル信号復号化方法。 - 請求項7記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化方法において、上記過程(b)は、上記差分情報を復号伸張して符号小数点形式の上記差分信号を生成する過程を含む。
- 請求項7又は8記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化方法において、補助符号を復号して調整情報を生成する過程と、
上記整数形式の第1ディジタル信号サンプル又は上記合成信号に対し、上記調整情報により桁調整する過程とを含む。 - 請求項7又は8記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化方法において、上記浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する前に、上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルをアップサンプリングして上記差分信号のサンプリング周波数と同一のサンプリング周波数に変換する過程を含む。
- 請求項7又は10記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化方法において、上記浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する前に、上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルを、各サンプルの量子化精度を変換して上記差分信号の量子化精度と同一の量子化精度にする過程を含む。
- 入力された浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルを整数形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する整数化部と、
上記整数形式の第2ディジタル信号サンプルの系列を可逆圧縮して第1符号列を生成する第1圧縮部と、
上記整数形式の第2ディジタル信号サンプルと上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルとの差分に対応する差分信号を生成する差分生成部、
とを含み、上記第1符号列と、上記差分信号に対応する差分情報とを符号化結果として出力する浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化装置。 - 請求項12記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化装置において、上記差分信号を可逆圧縮して第2符号列を生成し、上記差分信号に対応する上記差分情報として出力する第2圧縮部を含む。
- 請求項12記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化装置において、上記差分生成部は、上記第2ディジタル信号サンプルを浮動小数点形式の第3ディジタル信号サンプルに変換する浮動小数点化部と、上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルと上記第3ディジタル信号サンプルの差分を上記差分信号として生成する減算器とを含む。
- 請求項12記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化装置において、
上記第1ディジタル信号サンプルの複数サンプル区間毎にその区間内の上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルの指数部の最大値を検出し、上記区間内の上記第1ディジタル信号サンプルの整数値に変換後の最大桁数が予め決めた値となるように上記区間内の第1ディジタル信号サンプルの上記指数部の値をそれぞれ上記検出した最大値に基いて決めた調整値だけ調整する桁調整部と、
上記調整値と対応した調整情報を符号化して補助符号を生成出力する補助符号化部、
とを含む。 - 請求項12記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化装置において、
上記第1ディジタル信号サンプル又は上記第2ディジタル信号サンプルを、ダウンサンプリングして、上記第1符号列を生成する際のディジタル信号サンプルのサンプリング周波数と、上記第1ディジタル信号サンプルのサンプルリング周波数より低くするダウンサンプル部と、
上記第1符号列の生成に用いたディジタル信号サンプルをアップサンプリングして第1ディジタル信号サンプルのサンプリング周波数と同一のサンプリング周波数に変換して上記浮動小数点形式の差分信号の生成に用いるディジタル信号サンプルとするアップサンプル部、
とを含む。 - 請求項12記載の浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化装置において、
上記第1ディジタル信号サンプル又は第2ディジタル信号サンプルを、その各サンプルの量子化精度を変換して上記第1符号列を生成する際のディジタル信号サンプルの量子化精度と、上記第1ディジタル信号サンプルの量子化精度より低くする精度調整部と、
上記第1符号列の生成に用いたディジタル信号サンプルを、その量子化精度を高くして第1ディジタル信号サンプルの量子化制度と同一の量子化精度に変換して上記差分信号の生成に用いるディジタル信号サンプルとする逆精度調整部、
とを含む。 - 第1符号列が入力され、これを復号伸張して整数形式の第1ディジタル信号サンプルを生成する第1伸張部と、
上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルが入力され、これを浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する浮動小数点化部と、
差分情報に基く差分信号が与えられ、上記浮動小数点形式の第1ディジタル信号サンプルと合成して浮動小数点形式の第3ディジタル信号サンプルを生成する合成部、
とを含む浮動小数点形式ディジタル信号復号化装置。 - 請求項18記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化装置において、上記差分情報を復号伸張して上記差分信号を生成する第2伸張部を含む。
- 請求項18又は19記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化装置において、補助符合を復号して調整情報を生成する補助復号部と、上記整数形式の第1ディジタル信号サンプル又は上記合成信号に対し、上記調整情報により桁調整する桁補正部とを含む。
- 請求項18又は19記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化装置において、上記浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する前に、上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルをアップサンプリングして上記差分信号のサンプリング周波数と同一のサンプリング周波数に変換するアップサンプル部を含む。
- 請求項18又は19記載の浮動小数点形式ディジタル信号復号化装置において、上記浮動小数点形式の第2ディジタル信号サンプルに変換する前に、上記整数形式の第1ディジタル信号サンプルを、各サンプルの量子化精度を変換して上記差分信号の量子化精度と同一の量子化精度にする精度調整部を含む。
- 請求項1〜6のいずれかに記載した浮動小数点形式ディジタル信号可逆符号化方法の各過程をコンピュータに実行させるための符号化プログラム。
- 請求項7〜11のいずれかに記載した浮動小数点形式ディジタル信号復号化方法の各過程をコンピュータに実行させるための復号化プログラム。
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