JP4049620B2 - ビットシーケンスを復号するための方法および装置 - Google Patents

ビットシーケンスを復号するための方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畳み込みエンコーダによって符号化され雑音のあるチャネルを経て受信されたビットシーケンスを、Log−MAPアルゴリズムに従って復号するための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
あらゆる通信システムに対する重要な要求は、システムが受信した情報が、システムに宛てて送信された元の情報と密接に(可能ならば正確に)対応することが保証されることである。ビット誤りなどの伝送誤りが、雑音のある伝送チャネルなどによって通信システムに持ち込まれることが避けられない場合がしばしばあり、その結果、順方向誤り修正(FEC)方式の開発に、非常な努力が費やされている。これら方式の目的は、信号自体に含まれる情報を使用して、受信信号の誤りを修正することである。
【0003】
FEC方式の目的は、一般に、受け入れ可能な程度に低い誤り修正したデータのビット誤り率を、実際に実施する際にあまり複雑でなく、コストをかけないで(データ伝送速度の低下の点で)提供できるよう、十分に進んだ技術とすることである。広く使用されているFECコーディング方式は、「ターボコーディング」方式であり、この方式はデータコーディング分野の関係者により、現在のところ使用可能な最も強力なFECコーディング方式と考えられている。
【0004】
ターボコードは、「連結コーディング」および「反復復号」のコンセプトから開発されたものであり、「ターボコード」という用語は、連結符号化ステップよりむしろ反復復号ステップを良く表現している。通常、ターボコードの符号化ステップは、直列(あるいはハイブリッド)連結も可能ではあるが、2つの畳み込みコードの並列連結を伴う。この装置では、2つの畳み込みエンコーダが並列に配置され、2つのエンコーダがともに入力として同じデータシーケンスを有するが、2つのエンコーダのうちの一方は、データがインターリーブされた後に初めてそのデータに作用する。次いでこれらエンコーダの出力は、伝送のために元の(符号化されていない)データシーケンスと組み合わされ、「システマティック」コードシーケンスを提供し、このシーケンスでは、入力データシーケンスからのデータシンボルが、その結果得られる出力コードシーケンスに変更されることなく出現する。
【0005】
したがって、出力コードシーケンスは、元の符号化されていないデータと関連するチェックビットとを含み、デコーダが受信したコードシーケンスの誤り修正に使用できる。このようにしてエンコーダを連結することによって、比較的複雑なコードを、比較的簡単な構成エンコーダを使用して作成できる。
【0006】
畳み込み符号化は、十分確立した符号化技術であり、入力データシーケンスは所定の長さの「ブロック」に分割され、各ブロックが個別に符号化されて、入力データ用のチェックビットの「コードブロック」が生成される。具体的には、畳み込み符号化は、現入力データビットと、1つまたは複数の先行入力データビットとの、2を法とする合計を計算して行われる。
【0007】
この符号化手法の実施は、図1の再帰システマティック畳み込み(RSC)エンコーダで例示するような、シフトレジスタおよび排他的論理和ゲートを用いて行うことができる。エンコーダが入力部1で入力ビットを受信すると、そのビットは直接「システマティック」出力2に、そして4つの排他的論理和ゲート4の1つを介して3つのシフトレジスタ3のうちの第1のものに移動し、その結果、対応するコードビット(すなわちチェックビット)が、出力2のシステマティックビットと同時に、出力5で出力されるようにする。第2および第3のシフトレジスタの出力も、「再帰」フィードバックループ6を介して第1のレジスタに(排他的論理輪ゲートを介して)入力されることに留意されたい。この例では、3つのシフトレジスタ3を置くことによって、畳み込みエンコーダに「拘束長」K=4を与える。言いかえれば、所与の時間におけるエンコーダ出力(チェックビット)は、4つのエンコーダ入力、つまり現在の入力および3つの先行入力(すなわち3つのシフトレジスタ3に格納されたもの)に依存する。
【0008】
エンコーダの挙動は、図2に示す「コードトレリス」によって好都合に表される。これは、図1のRSCエンコーダに対応する。コードトレリスの各欄は、K番目のタイムステップの新しいデータブロック(この場合は1ビット)のエンコーダへの入力に対応し、トレリスの2K−1=8(K=4)のノードは、この各タイムステップのエンコーダの可能な状態(すなわちKシフトレジスタ3の内容)に対応する。隣接ノード21に加わるブランチ20は、データ「1」ビット(実線)またはデータ「ゼロ」ビット(点線)の入力の結果として、エンコーダの状態がタイムステップのK−1とKとの間で変化可能な方法を表している。したがって、各ノード21は、所与のタイムステップK−1では、2つのブランチのソースであり、各ブランチは、タイムステップKで2つの可能な後続隣接ノードのそれぞれ1つにそのノードを接合する。同様に、第4のタイムステップ後は、各ノードは、2つのブランチの終点でもあり、各ブランチは2つの可能な先行隣接ノードのそれぞれ1つにそのノードを接合する。
【0009】
このようにして、エンコーダのすべての可能な遷移のトレリスが提供される。可能な遷移は、コード(この場合はRSCコード)の性質に依存し、トレリスを通るどの経路も、1つの可能な入力データシーケンスおよび対応する出力コードシーケンスを表する。デコーダで受信した時、エンコーダによって出力される所与のコードシーケンスを復号する際に使用するのはこのプロパティである。
【0010】
ビタビアルゴリズムは、畳み込みコードを復号するのにたびたび用いられる。その目的は、1度に1つのコードブロック(すなわちタイムステップ)を処理し、受信したコードシーケンスに最も良く似たコードトレリスを通る経路を見つけ出すことである。アルゴリズムの原理は、受信したコードシーケンスに最も近いコードシーケンスに対応するノードへの経路を、各ノードで(所与のタイムステップに)決定することによって、最も完全に近い経路を段階的に構築することである。次いで、このようにして決定された「サバイバ」経路のそれぞれが、経路がそれ以上拡張できないところまで、トレリスの連続する隣接ノードについてステップを繰り返すことによって、拡張される。次いで、残りの「サバイバ」経路の中で最良のものが、データを符号化する時にエンコーダが作成した実際の遷移状態を最も良く表すものとして選択される。したがって、エンコーダへのデータシーケンス入力の推定値が、エンコーダプロパティの知識によって得られる。
【0011】
トレリスの各ブランチは、受信したコードシーケンス、チャネルサイド情報およびエンコーダプロパティが与えられると、そのブランチによって表される遷移をエンコーダが作成した確率を表す「ブランチメトリック」を持つ。各サバイバ経路も、その経路の構成ブランチのメトリクスから導出された「経路メトリック」を持つ。したがって、各サバイバ経路が1つのブランチによって所与のノードから拡張されると、そのノードから可能な各ブランチについて関連するブランチメトリックが計算され、次いでそのノードの経路メトリックに各ブランチメトリックが加算され、その後その結果生じる2つの経路メトリックが比較され、次いで2つのうちサバイバ経路とするものの最終選択が行われる。コードシーケンスを復号する場合、加算−比較−選択(「ACS」)プロセスを、トレリス全体を通して何回も繰り返す必要がある。その結果、非常に多くの回数の動作を実行せざるを得なくなり、大きなデータ記憶装置が必要となる。したがって、ビタビ復号アルゴリズムにおいてACSプロセスをより効率的に実行することを目的とする、いくつかの「加速」方式が、当技術分野で提案されている。
【0012】
別の復号アルゴリズムに、対数最大アポステリオリ(Log−MAP)復号アルゴリズムがある。この復号アルゴリズムは、トレリスの各タイムステップに対して、ビタビアルゴリズムの動作に似たACS動作を実行する。これを実行することによって、Log−MAPアルゴリズムは、雑音または歪みのある恐れのある受信したコードシーケンスが与えられている場合に、送信された可能性の最も高い情報ビットを決定する。これは、送信された可能性の最も高いコードシーケンスを(すなわちサバイバ経路を介して)決定するビタビ復号アルゴリズムとは異なる。
【0013】
一般に、MAPデコーダは、条件付き確率を最大化するのと同様の方式で、受信シーケンスyが与えられている場合に、送信された可能性の最も高いコードシーケンスxを最終的に選択しなければならない。
【0014】
【数1】
Figure 0004049620
これが、「最大アポステリオリ」(MAP)基準である。数量p(y)およびp(x)を一定と仮定すると、MAP基準はp(y│x)を最大化することになる。
【0015】
「硬判定(hard decision)」符号化においては、ただ受信シーケンスyだけが変わらないとして、MAP基準が満たされる。「軟判定(soft decision)」符号化においては、yのビット値の信頼性または「尤度」に関する情報も生成される。
【0016】
Log−MAPアルゴリズムは、「Log尤度比」(LLR)を用いてこの軟情報を定量化し、対数定義域で、デコーダの出力における特定の復号されたビットの確実性の程度を表し、ターボコードの反復復号化に使用する。
【0017】
Log−MAPアルゴリズムは、遭遇した大きな範囲の数値を圧縮し、乗算を簡単な加算などに変えるために対数定義域で動作する。したがって、Log−MAPアルゴリズムは、必要な場合、信頼性のないビット判定を修正できるので、復号効率を上昇させるため、復号中に使用可能な情報をより多く利用する。さらに重要なことは、Log−MAP復号アルゴリズムは、本質的に、連結されたコードを復号する際に効率的に使用できる「軟」判定情報を提供する。
【0018】
ビタビ復号アルゴリズムは、この目的のために軟情報を提供できるよう構成されているが、このような情報は、Log−MAP復号アルゴリズムによって提供されるものより劣ると一般に見なされている。このような制限は、軟情報を用いる反復復号方式に依存するターボコードを用いる場合に、特に重要である。したがって、Log−MAP復号アルゴリズムによって提供される、より高品質の軟情報によって、Log−MAP復号アルゴリズムはターボコードに関るアプリケーションによく適合したものとなる。
【0019】
その結果、一般に、ターボコーディングへのアプリケーションにおいて、Log−MAPアルゴリズムの効率を増加させることは望ましい。しかし、ビタビアルゴリズムとは対照的に、現在のディジタル信号プロセッサは、Log−MAPアルゴリズムのためのいかなる特定の加速方式も提供していない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、少なくともLog−MAPエンコーダに関連するトレリスの構造を利用することによって、少なくとも従来の技術におけるこのような一般的な欠点を克服することにある。特に、バイナリ畳み込みエンコーダのトレリスにおいては、近接する状態間の遷移は、それぞれが、共存する状態の対から発し別の共存する対に終端する4つの互いに素な(disjoint)グループに分離できる。これら4つの状態によって生成される構造は、トレリス「バタフライ」という名で知られている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
最も一般的には、本発明は、少なくともトレリスバタフライの状態の1つの共存対の1つの状態について加算−比較−選択(ACS)動作の各ステップを、状態の1つの共存対の別の状態について加算−比較−選択動作の対応する各ステップと並行して実行することによって、Log−MAP復号アルゴリズムの動作を加速することを提案する。ACS動作は、経路メトリック更新の一部またはLog尤度比計算の一部を形成することができる。
【0022】
このような方式の並列処理においては、1対のバタフライ状態の2つの共存する状態で実行される2つのACS動作のそれぞれ1つが、同じデータ量、すなわちバタフライの状態の2つの共存対間の経路メトリック値の同じ集合および同じ2つの可能な遷移メトリック値を利用する。したがって、本発明によれば、Log−MAP復号アルゴリズムの動作は、少なくとも動作のデータ検索要求を約半分にすることによって加速できる。
【0023】
したがって、本発明の第1の態様によれば、畳み込みエンコーダによって符号化し、雑音のあるチャネルを経て受信したビットシーケンスを、Log−MAPアルゴリズムに従って復号する際に使用する畳み込みエンコーダの経路メトリック値を計算する方法が提供され、その方法は、
(i)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第1の遷移メトリック値を加算し、それによって前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、それによって前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
(iii)前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較し、2つのうちの最大を、その隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
(iv)前記第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、それによって前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
(v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、それによって前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
(vi)前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較し、2つのうちの最大を、第2の隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
を含み、
前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態がトレリスバタフライを定義し、ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実施される。
【0024】
前記方法は、修正項
ln(1+exp(−Δ))
を、所与の隣接エンコーダ状態に関連する選択する経路メトリック値に加算するステップを含むことが好ましい。上式で、Δは、前記所与の隣接エンコーダ状態の前記第1の経路メトリック値と前記所与の隣接エンコーダ状態の前記第2の経路メトリック値の差の絶対値である。
【0025】
したがって、加速されたLog−MAP加算−比較−選択動作(LM_ACS)が提供される。LM_ACS動作は、トレリスバタフライを処理するために、2つの経路メトリック値および2つのブランチメトリック値を必要とする。この動作の結果は、2つの更新された経路メトリック値を同時に生成する。修正項の使用によって、LM_ACS動作に従って得られた経路メトリック値の精度を向上することができる。この修正率は、Δを定義する2つの数量のうち選択された最大値に加算された場合、これら2つの数量のヤコビ対数となるが、選択された最大値は、近似に過ぎない(すなわち、ln(e+e)=max(a,b)+ln(l+e−Δ),Δ=│a−b│)。
【0026】
上記ステップ(i)から(vi)を、他の全ての共存するトレリスバタフライについて繰り返すことができる。したがって、所与のトレリスタイムステップにおけるそれぞれの完全な経路メトリックの更新を、タイムステップ毎にmバタフライを有するトレリスに対するLM_ACS動作のm回実行にマップすることができる。
【0027】
前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態のすべてに対する経路メトリック値は、順方向再帰によって計算された順方向経路メトリクスとすることができ、前記隣接エンコーダ状態のすべてが前記エンコーダ状態のすべてに後続する。また、前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態のすべてに対する経路メトリック値は、逆方向再帰によって計算された逆方向経路メトリクスとすることができ、前記隣接エンコーダ状態のすべてが前記エンコーダ状態のすべてに先行する。
【0028】
したがって、順方向および逆方向経路メトリックの更新の両方を、LM_ACS動作を使用して実行できる。これは特に、両方を必要とするLog尤度比(LLR)を計算する場合に有利である。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、畳み込みエンコーダによって符号化し、雑音のあるチャネルを経て受信したビットシーケンスを、Log−MAPアルゴリズムに従って、復号する際に使用する畳み込みエンコーダの状態遷移のためののLog尤度比値を計算する方法が提供され、その方法は第1の値のパリティビットに対応する遷移のみに関して実行されるステップ(i)から(iii)、および第2の値のパリティビットに対応する遷移のみに関して実行されるステップ(iv)から(vi)、すなわち、
(i)所与のトレリスバタフライの第1のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記バタフライの第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する第1の遷移メトリック値と、前記第1の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算し、第1の合計を与えるステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する前記トレリスバタフライの第2のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する前記バタフライの第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する前記第1の遷移メトリック値と、前記第2の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第2の合計を与えるステップと、
(iii)前記第1の合計と前記第2の合計とを比較し、2つのうちの最大値を第1の最大値として選択するステップと、
(iv)前記第2のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する第2の遷移メトリック値と、前記第1の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第3の合計を与えるステップと、
(v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第1のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値と、前記第2の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第4の合計を与えるステップと、
(vi)前記第3の合計と前記第4の合計とを比較し、2つのうちの最大値を第2の最大値として選択するステップとを含み、
ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実行され、ステップ(i)から(vi)をその他すべての共存するトレリスバタフライのエンコーダ状態について繰り返して、第1の最大値の集合および第2の最大値の集合を与え、第2の最大値の前記集合の最大の要素を第1の最大値の前記集合の最大の要素から減算し、Log尤度比を与える。
【0030】
したがって、本発明のこの第2の態様のステップ(i)から(vi)が、本発明の第1の態様によるLM_ACS動作の拡張を用いていることが理解されるであろう。具体的には、この場合は、LM_ACS動作の「加算」構成要素を、2つの数量の加算(たとえば、経路メトリック+同じ1つの状態への遷移メトリック)から3つの数量の加算(すなわち、順方向経路メトリック+異なる状態への遷移メトリック+逆方向経路メトリック)へ拡張している。したがって、この拡張されたLM_ACS動作は、トレリスバタフライを処理するために、2つの順方向経路メトリック値と、2つの遷移メトリック値と、2つの逆方向経路メトリック値とを必要とする。
【0031】
この態様の第2によれば、本発明は、LLR値を計算するための方法を提供することが好ましく、第2の最大値の前記集合の最大の要素を、第1の最大値の前記集合の最大の要素から、
(i)第1の最大値の前記集合から2つの要素を選択し、前記2つの要素を比較し、2つのうちの最大値を第1の最大値の連続する集合の要素として選択するステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、第2の最大値の前記集合から2つの要素を選択し、前記2つの要素を比較し、2つのうちの最大値を第2の最大値の連続する集合の要素として選択するステップと、
(iii)第1および第2の最大値の前記集合のうちこれまでに選択していない要素のすべてについて、それぞれの集合の全要素が上記のように選択されるまで、ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと、
(iv)第1および第2の最大値の各連続する集合について、前記連続する集合のそれぞれが最終的にだた1つの要素しか有さなくなるまで、ステップ(i)から(iii)を繰り返すステップと、
(v)第1の最大値の前記連続する最終的集合の1要素の値を第2の最大値の前記連続する最終集合の1要素の値から減算して、Log尤度比を与えるステップと、
に従って減算する。
【0032】
したがって、所与のエンコーダ遷移(エンコーダトレリスのタイムステップ)に対するLog尤度比(LLR)の計算は、さらに拡張LM_ACS動作によって生成されたデータの処理を並列で実行することによって加速でき、したがって、加速されたLLR(LLR_ACC)動作を提供する。
【0033】
好ましくは、本発明のこの第2の態様によれば、修正項、
ln(1+exp(−Δ))
が、この目的用に比較した2つの数量の最大であるとして選択した数量に加算され、上式で、Δは、比較した前記数量間の差の絶対値である。
【0034】
この修正率は、Δを定義する2つの数量のうちの選択した最大値に加算された場合、これら2つの数量のヤコビ対数となるが、選択された最大値はただの近似に過ぎない。
【0035】
本発明の第2の態様によるLLRの計算方法において、順方向経路メトリック値が、
(i)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第1の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
(iii)前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大をその隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
(iv)前記第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
(v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
(vi)前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大を第2の隣接エンコーダ状態に関連する第2の経路メトリック値として選択するステップと、
を含む方法によって計算され、
前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態のすべてに対する経路メトリック値が順方向再帰によって計算された順方向経路メトリクスであって、前記隣接エンコーダ状態のすべてが前記エンコーダ状態のすべてに後続し、ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実行される。
【0036】
したがって、LLR値の計算で使用される順方向経路メトリクスがLM_ACS動作で決定できることが理解されるであろう。
【0037】
同様に、本発明の第2の態様によるLLRの計算方法において、逆方向経路メトリック値が、
(i)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第1の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
(iii)前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大を第1の隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
(iv)前記第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
(v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第2ののエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を求めるステップと、
(vi)前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大を第2の隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
を含みむ方法によって計算され、
前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態のすべてに対する経路メトリック値が、逆方向再帰によって計算された逆方向経路メトリクスであり、前記隣接エンコーダ状態のすべてが前記エンコーダ状態のすべてに先行し、ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実行される。
【0038】
したがって、LLR値の計算で使用される逆方向経路メトリクスがLM_ACS動作で決定できることが理解されるであろう。
【0039】
好ましくは、本発明の第2の態様による方法によれば、前記エンコーダから出力されるパリティビットの第1の値は+1であり、前記エンコーダから出力されるパリティビットの前記第2の値は−1である。しかし第1および第2の値は、それぞれ+1および−1以外でもよいが、互いに異なる値でなければならない。
【0040】
本発明のいずれかの態様によって、復号する際に使用する遷移メトリック値(γ)を計算する方法が提供され、
(i)それぞれシステマティック値−1およびパリティビット値−1のエンコーダからの出力に関連するエンコーダ遷移が、
γ(−1,−1)=0
の第1の遷移メトリック値に割り当てられ、
(ii)それぞれシステマティック値−1およびパリティビット値+1のエンコーダからの出力に関連するエンコーダ遷移が、
γ(−1,+1)=s1
の第2の遷移メトリック値に割り当てられ、
(iii)それぞれシステマティック値+1およびパリティビット値−1のエンコーダからの出力に関連するエンコーダ遷移が、
γ(+1,−1)=s2
の第3の遷移メトリック値に割り当てられ、
(iv)そらぞれシステマティック値+1およびパリティビット値+1のエンコーダからの出力に関連するエンコーダ遷移が、前記第1および第2の遷移メトリック値の合計に等しい遷移メトリック値、γ(+1,+1)に割り当てられ、
項s1およびs2は、受信したビットシーケンスに関連する信号対雑音比、エンコーダから出力されたビットに対応する、受信したパリティビットおよびシステマティックビットと、少なくともエンコーダ遷移のアプリオリ確率の推定値に依存する。
【0041】
したがって、4つの可能な遷移メトリック値の計算は、2項を(すなわちs1およびs2)計算するだけで十分に簡略化されることが理解されよう。好ましくは、s1=4・SNR・y およびs2=4・SNR・y +zであり、上式で、SNRは、それぞれ、受信したビットシーケンスに関連する信号対雑音比であり、y およびy は受信したパリティビットおよびシステマティックビットであり、zは少なくとも、タイムステップkのエンコーダ遷移のアプリオリ確率の推定値である。
【0042】
本発明はまた、上記の方法のいずれかの方法に従って、トレリスバタフライの状態の1つの共存する対の一方の状態について加算−比較−選択(ACS)動作の各ステップを、状態の1つの共存する対の他方の状態について加算−比較−選択動作の対応する各ステップと並行して、少なくとも実行することにより、Log−MAP復号アルゴリズムの動作を加速するためのディジタル信号プロセッサ(DPS)を提案する。ACS動作は、経路メトリック更新の一部またはLog尤度比計算の一部を形成することができる。
【0043】
したがって、本発明は、畳み込みエンコーダによって符号化し、雑音のあるチャネルを経て受信したビットシーケンスを、Log−MAPアルゴリズムに従って、復号する際に使用する畳み込みエンコーダの経路メトリック値を計算するためのディジタル信号プロセッサを提供することができ、プロッセサは、
前記ビットシーケンスに関するデータをディジタル信号プロセッサの記憶装置から受信し、畳み込みエンコーダの状態間の遷移を表す遷移メトリック値を計算し、これら計算されたメトリック値を出力するための遷移メトリック計算ユニットと、
前記計算された遷移メトリック値を受信し、前記計算された遷移メトリック値から導出された経路メトリック値を受信し、前記経路メトリック値および前記遷移メトリック値から、更新された経路メトリック値を導出し、これら更新された経路メトリック値を出力するための加算−比較−選択ユニットとを備え、更新された経路メトリック値が本発明の第1の態様の方法に従って導出される。
【0044】
したがって、DPSは、ビットシーケンスを復号する際に使用する、順方向あるいは逆方向の、更新された経路メトリック値を提供する。DPSのACSユニットを、本発明の第1の態様に従って、経路メトリック値を連続する遷移メトリック値に加算することによって順方向あるいは逆方向の経路メトリック値を更新するために用いるだけではなく、またこのACSユニットを、本発明の第2の態様に従って、更新された経路メトリック値およびLLR値を計算する際にも用いることができることが理解されよう。
【0045】
好ましくは、遷移メトリック計算ユニットは、上述した遷移メトリック値(γ)を計算する方法を用いる。遷移メトリック計算ユニットは、計算された遷移メトリック値を、DPSからの遷移メトリック値を受信する目的でACSユニットも接続されるDPSの記憶装置に出力することができる。ACSユニットは、好ましくはDPSの記憶装置から経路メトリック値および遷移メトリック値を受信し、その記憶装置に格納するため、更新された経路メトリック値を記憶装置に出力する。
【0046】
遷移メトリックキャッシュがDSPに設けられ、DSPでメトリック計算ユニットが、エンコーダトレリスを復号する所与のタイムステップに関連する計算された遷移メトリクスを出力し、格納し、ACSユニットが、更新された経路メトリック値を導出する際に使用するために遷移メトリックキャッシュからこれらの遷移メトリック値を受信することができる。
【0047】
したがって、各トレリスタイムステップについて、一時キャッシュ記憶装置に4つの値を格納することにより、タイムステップの共存するバタフライのそれぞれを処理するために、ただ4つの遷移メトリック値しか必要としないため、DSPの主記憶装置から値を繰り返し検索する必要が回避される。このことは、信号プロセッサの効率の向上に役立つ。
【0048】
好ましくは、DSPのACSユニットは、
いくつかのデータ入力ポートと2つのデータ出力ポートを有し、
計算ユニットは、経路メトリック値を、データ入力ポートで同時に受信した遷移メトリックデータ値に加算して、更新された経路メトリック値の2つの共存する対を与え、各同時対内で前記更新された経路メトリック値を比較し、前記2つのデータ出力ポートで、それぞれ共存する対の最大経路メトリック値を出力するように動作可能である。
【0049】
したがって、ACSユニットは、本発明の第1の態様に従って、またLLRを計算する際には第2の態様に従って、順方向または逆方向の経路メトリクスのいずれかを更新できる。計算ユニットは、経路メトリックデータ値を受信するための第1のデータ入力ポートと、遷移メトリックデータ値を受信するための第2のデータ入力ポートと、経路メトリックデータ値を受信するための第3のデータ入力ポートと、遷移メトリックデータ値を受信するための第4のデータ入力ポートとを備えることができる。
【0050】
ACSユニットは、ACSの機能を、本発明の第1の態様に従って更新された順方向または逆方向経路メトリクスを生成する機能、あるいは本発明の第2の態様に従ってLLRを計算する際に使用する最大値の第1および第2の集合の要素を生成する機能とすることが可能な機能選択装置を備えることができる。
【0051】
機能選択装置は好ましくは、
ACSユニットの計算ユニットの2つのデータ出力ポートと2つのフィードバックデータ入力ポートの間に接続された第1のデータ入力ゲートと、
計算ユニットの第2、第4と、第5のデータ入力ポートとに接続された第2のデータ入力ゲートと、
計算ユニットの第2、第4と、第6のデータ入力ポートとに接続された第3のデータ入力ゲートとを備え、
計算ユニットのフィードバックデータ入力ポートと、第5および第6のデータ入力ポートに入力すべきデータ値を選択するように動作可能である。
【0052】
入力選択装置は、好ましくは2つの選択状態を有し、そのそれぞれがACSユニットの機能を決定する。
【0053】
好ましくは機能選択装置の第1の選択状態においては、第1のデータ入力ゲートは、計算ユニットから出力されたデータをブロックし、計算ユニットの2つのフィードバックデータ入力ポートに入力されたデータがゼロの値を有するようにし、一方、同時に第2のデータ入力ゲートは、計算ユニットの第4の入力ポートに入力された遷移メトリックデータを計算ユニットの第5のデータ入力部で同時に入力されるようにし、同時に第3のデータ入力ゲートは、計算ユニットの第2の入力ポートに入力された遷移メトリックデータを計算ユニットの第6のデータ入力ポートに同時に入力されるようにする。
【0054】
したがって、この第1の選択状態においては、各加算器手段について、加算器手段に同時に入力された2つの遷移メトリック値が異なる遷移メトリクスを表しているため、入力選択装置がACSユニットを、本発明の第1の態様に従って経路メトリック値を更新するよう機能させる。
【0055】
機能選択装置の第2の選択状態において、第1のデータ入力ゲートは好ましくはデータを計算ユニットの出力から計算ユニットの2つのフィードバックデータ入力ポートに通過させ、一方、同時に第2のデータ入力ゲートは計算ユニットの第2の入力ポートにおける遷移メトリックデータ入力を計算ユニットの第5のデータ入力部で同時に入力されるようにし、同時に第3のデータ入力ゲートは計算ユニットの第4の入力ポートに入力された遷移メトリックデータを計算ユニットの第6のデータ入力ポートに同時に入力されるようにする。
【0056】
したがって、第2の選択状態においては、入力選択装置はACSユニットを、本発明の第2の態様に従ってLLR計算に使用する第1および第2の最大値の集合の要素を計算するよう機能させる。つまり、いずれかの1つの加算器手段に同時に入力された2つの経路メトリック値が同じ経路メトリックとなり、逆方向経路メトリック値とともに同時に入力される。
【0057】
DSPは、好ましくは本発明の第2の態様に関係して上述のように導出されたLLR加速(LLR_ACC)方法に従って第1および第2の最大値の集合からLLR値を計算し、計算したLLRをDSPの記憶装置に出力するためのLog尤度比ユニットを備える。Log尤度比ユニットはキャッシュ装置に接続され、第1のおよび第2の最大値の集合のデータ要素を、キャッシュ装置に格納される場合に、検索できるように、またLog尤度比ユニットによって生成された第1および第2の最大値の連続する集合の要素をキャッシュ装置に格納できることが好ましい。
【0058】
好ましくは、Log尤度比ユニットが、
第1と、第2の最大値の前記集合と、その前記連続する集合とを格納するように動作可能なキャッシュ装置と、
それぞれが、前記キャッシュ装置のデータ出力ポートに接続された第1のデータ入力ポートと、前記キャッシュ装置のデータ出力ポートに接続された第2のデータ入力ポートと、前記キャッシュ装置のデータ入力ポートに接続されたデータ出力ポートとを有する2つの比較/選択ユニットを備え、
前記比較/選択ユニットの1方が、第1および第2のデータ入力ポートで、前記キャッシュ装置から出力された第1の最大値の前記集合の要素を受信するように動作可能であり、前記比較/選択ユニットの他方が、第1および第2のデータ入力ポートで前記キャッシュ装置から出力された第2の最大値の前記集合の要素を受信するように動作可能であり、各前記比較/選択ユニットが共存する第1および第2の入力を比較し、2つの最大の要素を前記出力ポートを介して出力するように動作可能である。
【0059】
好ましくは、上述のLog尤度比ユニットにおいて、両方の比較/選択ユニットから出力された要素が、最大値のそれぞれ連続する集合の要素として格納するために前記キャッシュ装置に入力される。2つの比較/選択ユニットのそれぞれのデータ出力ポートが、比較/選択ユニット一方の入力ポートにあるデータを比較/選択ユニットの他方の入力ポートにあるデータから減算し、結果を出力するように動作可能である減算ユニットの第1のおよび第2の入力ポートのそれぞれ1つに接続されることが好ましい。
【0060】
好ましくは、Log尤度比ユニットの各比較/選択ユニットが、2つの比較/選択手段の前記第1および第2の入力ポートに接続された減算ユニットを備え、減算ユニットが前記第2の入力ポートで同時に入力されたデータから、前記第1の入力ポートに入力されたデータを減算し、結果の符号および絶対値を出力するように動作可能である。
【0061】
好ましくは、各比較/選択ユニットが、比較/選択ユニットの前記第1および第2の入力ポートにそれぞれ接続された第1および第2の入力ポートを有する選択ユニットを備え、選択ユニットが前記減算ユニットから出力された符号を更なる入力として受信し、前記符号の値に従って第1および第2の入力ポートの1つを介して入力されたデータを出力するように動作可能である。
【0062】
各比較/選択ユニットが、実質的に
ln(1+exp(−Δ))
に等しい修正率を、前記選択ユニットの出力に加算するための修正装置を備え、
上式で、Δは前記減算ユニットから出力される結果の絶対値である。
【0063】
この修正率は、Δを定義する2つの数量のうち選択された最大値に加算された場合、これら2つの数量のヤコビ対数となるが、2つのうちの選択された最大値は近似にすぎない。
【0064】
好ましくは、前記修正装置が、
複数の修正値を含み、前記減算ユニットの出力ポートに接続された入力ポートと出力ポートとを有するルックアップテーブルと、
ルックアップテーブルの前記出力ポートに接続された第1の入力ポートを有し、前記選択ユニットの出力ポートに接続された第2の入力ポートを有する加算器手段を備え、
加算器手段が、前記選択ユニットの出力に前記ルックアップテーブルから出力される修正項を加算するように動作可能である。
【0065】
本発明は、複数のLog−MAPデコーダを備えるターボデコーダも提供でき、各Log−MAPデコーダが上記の方法に従って遷移メトリック値(γ)を計算するためのブランチメトリック計算装置を備える。
【0066】
本発明は、複数のLog−MAPデコーダを備えるターボデコーダを提供でき、各Log−MAPデコーダが本発明の第1の態様に従って前記エンコーダの経路メトリック値を計算するための経路メトリック計算装置を備える。
【0067】
本発明は、複数のLog−MAPデコーダを備えるターボデコーダも提供でき、各Log−MAPデコーダが本発明の第2の態様に従って前記エンコーダのLog尤度比値を計算するためのLog尤度比ユニットを備える。
【0068】
次に以下の図を参照して、本発明の非限定的な例を見ていく。
【0069】
【発明の実施の形態】
図3を参照すると、ターボコードエンコーダの構造が示されている。ターボコードエンコーダは、並列連結に接続された2つの同じ構成要素の再帰システマティック畳み込み(RSC)エンコーダ34および35のデータ入力に接続されたデータ入力31を備える。符号化されるブロックデータシーケンス、d ̄=(d1....,d)上式で、Nはブロックサイズである、を、ターボコードエンコーダのデータ入力31に入力し、続いて2つの同じ構成要素のコードエンコーダ34および35のそれぞれ1つに入力する。2つの構成要素のRSCエンコーダの第2、34が、インターリーバ32を介してブロックデータを受信する。インターリービングによって、ブロックシーケンス、d=(d1....,d)が異なる順序に配置し、その後順序を変えたデータブロックシーケンス33(x→s int)を第2のRSCエンコーダ34に入力する。このようにして、いずれか1つのデータブロックのバースト誤りの影響を減少することができる。
【0070】
各構成要素のRSCエンコーダは、データブロック入力部の順方向誤り修正で使用するパリティビットを生成する。第1のエンコーダ35はパリティビットシーケンス、x ̄lpを出力し、一方第2のエンコーダ34はインターリーブしたデータブロック入力に関連するパリティビットシーケンス、x→2p intを出力する。システマティック情報(x ̄)およびパリティ情報(x→1p,x→2p int)の並列連結により、3つの出力ビットが入力データシーケンス、d ̄=(d1....,d)の各ビットdに対して生成される。上記の3つの出力は、次いでマルチプレクサ39の各個別入力部、36、37、38に入力される。
【0071】
抜き取りユニット41は、あるビットがマルチプレクサ39に入力されたパリティビットストリームから取り除かれ、送信されないことを確認する。たとえば、パリティ情報の各第2ビットが抜き取られ、データシーケンス、x ̄=(x ,x 1p,x ,x2p int.2,...,x N−1,xlp N−1,x ,x2p int.N)が送信され、上式で、(x1pで示した)連続するパリティビットは、第1のエンコーダ35から取られ、(x2pで示した)パリティビットは、第2のエンコーダ34から抜き取られる。
【0072】
図4は、インターリーバ43を介して第2のMAPデコーダ42に直列に接続された第1の最大アポステリオリ確率(MAP)デコーダ41を備えるターボデコーダを示す。第1のMAPデコーダ41は、3つの入力を有する。すなわち、(y−sで示した)システマティックデータ入力47、第1のRSCエンコーダ35の出力に接続する(y−lpで示した)パリティデータ入力46および第2のMAPデコーダ42から出力し、中間インターリーバ44を介して受信する(z−2で示した)外部情報48である。外部情報はアプリオリ情報として働く。
【0073】
この情報およびチャネル状態情報56により、第1のMAPデコーダ41が入力データシーケンス、d=(d,...,d)の各ビットdに対しMAP Log尤度比値を計算する。
【0074】
【数2】
Figure 0004049620
上式で、R ̄=(R,...,R,...,R)およびR=(y ,y 1p,z )で、
Λ(d)=z +c・y +z
と記述することもでき、ここで
c=4×SNRであり、数量SNRは受信したデータ信号に関連する信号対雑音比である。システマティック項c・y およびアプリオリ項z は、ビットdに対するパリティ情報とは無関係であると見なされる。
【0075】
したがって、新しく生成された外部情報は、以下のように計算できる。
=Λ(d)−c・y −z
【0076】
これは、第1のMAPデコーダ41のデータ出力49に出力され、中間インターリーバ43によってインターリーブされた後、第2のMAPデコーダ42のデータ入力50の1つにおける入力に対するアプリオリ情報Z K,intとして働く。この情報は、別のデータ入力51でインターリーブされたシステマティックデータ、y→5 intと、さらにデータ入力52でインターリーブされたパリティデータy→2p int(第2のRSCエンコーダ34からの)と、チャネル状態情報57とともに、第2のMAPデコーダ42に入力される。第2のMAPデコーダ42は以下のように外部情報を計算する。
k,int=Λ(dk,int)−c・y k,int−z k,int
【0077】
これは、次いで第2のMAPデコーダ42の外部情報出力と第1のMAPデコーダ41のアプリオリ情報入力48の間で接続されたデインターリーバ44によってデインターリーブされる。この手順はMAP推定値Λ ̄1,2が安定するまで数回繰り返され、その後安定したMAP推定値Λ ̄ intが、第2のMAPデコーダ42の出力ポート53から第2のデインターリーバ45の入力へ、デインターリーブするために出力される。次いでLog尤度比、Λ ̄のデインターリーブしたMAP推定値が、受信したビットシーケンスyを復号する際に使用するために、第2のデインターリーバ45から判断回路55に出力される。
【0078】
復号性能を下げることなく数値問題を回避するために(自然)対数領域で、このMAP復号を実行することが好ましい。対数領域において、第1および第2のMAPデコーダ、41および42のそれぞれが、以下のようにLog尤度比を計算するLog−MAPデコーダとして動作する。
【0079】
【数3】
Figure 0004049620
上式で、max動作は、タイムステップk−1およびタイムステップkでトレリス状態間の遷移に関係するすべての状態、S(k,k−1)に関して行われる。
【0080】
γ ̄[(y ,y ),Sk−1,S]=2・SNR・y (i)+2・SNR・y (i,S,Sk−1)+ln(Pr{S|Sk−1})
は、対数領域で表されるブランチメトリクスγ(i=0,1)であり、ln(Pr{S|Sk−1})はアプリオリ情報である。i=0のブランチメトリクスは、「ゼロ」ビットのターボコードエンコーダによる出力に関連するエンコーダトレリスのブランチに対応し、一方i=1の方は「1」ビットの出力に対応する。
【0081】
送信の前に、ターボコードエンコーダから出力されるすべてのデータビットが変換されることに留意されたい。データビットx およびx は、「ゼロ」ビットが「−1」ビットとして送信されるように、関係式、x→2・x−1;y→2・y−1に従って変換される。
【0082】
上記のブランチメトリクスを使用して、対数領域の順方向経路メトリクスα ̄および逆方向経路メトリクスβ ̄が、以下の関係式を使用して再帰的に計算される。
【数4】
Figure 0004049620
【0083】
および
【数5】
Figure 0004049620
【0084】
演算子項maxは、操作される数量のヤコビ対数であり、選択された最大(max)値は近似に過ぎない(すなわち、max(a,b)=ln(e+e)=max(a,b)+ln(l+e−Δ),Δ=|a−b|)。本発明は、次善近似max(a,b)≒max(a,b)により動作し、対数修正項を省略するが、本実施形態ではこの項を省略していない。
【0085】
図4に示す2つのLog−MAPデコーダ41および42のそれぞれ1つの4主要タスクは、順方向および逆方向経路メトリクスの計算(すなわち経路メトクリック更新)に使用され、Log尤度比(すなわち「軟」出力データ)の計算でこれらの更新された経路メトリクスとともに使用されるブランチメトリクスの計算であることが理解されよう。本実施形態によれば、Log−MAPデコーダ41および42のそれぞれは、本発明に従って受信した情報を復号するためのディジタル信号プロセッサを備える。通常、2つのLog−MAPデコーダは1つの単一のDSPにマップされる。
【0086】
この実施形態によれば、ブランチメトリクスは、チャネル状態情報およびアプリオリ情報とともに、受信したシステマティックおよびパリティ情報ビットから計算される。送信されたシンボルをx∈{−1,1}と仮定すると、付加的白色ガウス雑音を受けるチャネルを経て受信するシステマティックおよびパリティビットyの確率は、対数領域で以下のように定義される。
γ ̄[(y ,y ),Sk−1,S]=2・SNR・y (i)+2・SNR・y (i,S,Sk−1)+ln(Pr{S|Sk−1})
【0087】
ターボコードデコーダの2つのLog−MAPデコーダ、41および42のいずれか一方によって必要とされるアプリオリ情報、ln(Pr{S|Sk−1})は,2つのデコーダのうちの他方によって計算される外部情報(Z1,2)から直接導出される。トレリスおよびdに従って、タイムk−1のトレリスノードmからタイムステップkのトレリスノードm’への遷移、S k−1→Sm’ が可能な場合、次式が成立する。
=1のとき、ln(Pr{S|Sk−1})=z
=0のとき、ln(Pr{S|Sk−1})=0
【0088】
したがって、ターボコードデコーダの2つのLog−MAPデコーダ、41および42のいずれか一方によって必要とされるアプリオリ情報、ln(Pr{S|Sk−1})は,2つのデコーダのうちの他方によって計算される外部情報(Z1,2)から直接導出される。
【0089】
4つの異なるブランチメトリック値の合計が、各トレリスタイムステップkで可能であり、それぞれが、2つの可能な受信したシステマティックデータビット、y ∈{−1,1}およびパリティビット、y ∈{−1,1}の4つの組み合わせのそれぞれを以下に示す。
γ ̄(x =−1,x =−1)=−2・SNR・(y +y
γ ̄(x =−1,x =+1)=−2・SNR・(−y +y
γ ̄(x =+1,x =−1)=−2・SNR・(y −y )+z
γ ̄(x =+1,x =+1)=−2・SNR・(y +y )+z
【0090】
ターボコードエンコーダの構造により、どの遷移メトリックを所与の遷移に割り当てるかを判定できる。これらブランチメトリクスの計算の簡略化は、上記の4つの方程式のそれぞれに、項(2・SNR・(y +y ))を加算することによって得られ、以下の通りとなる。
γ ̄0,0 =γ ̄(x =−1,x =−1)=0
γ ̄0,1 =γ ̄(x =−1,x =+1)=s1
γ ̄1,0 =γ ̄(x =+1,x =−1)=s2
γ ̄1,1 =γ ̄(x =+1,x =+1)=s1+s2
【0091】
上式で、s1=4・SNR・y であり、s2=4・SNR・y +zである。したがって、受信したデータビットから、Log−MAPデコーダ41および42のどちらかを使用して、ただ2つの項のみを計算すればよい。
【0092】
タイムステップk−1からkまでの図3に示すバイナリ畳み込みターボコードエンコーダのトレリスの一部において、トレリスの近接状態間の遷移が、4つの素のグループに分離でき、それぞれが状態の共存する対から発し、別の共存する対で終端する。これら4つの状態によって生成された構造は、トレリス「バタフライ」として知られている。図5は、状態の第1の共存する対、mおよびm+M/2、および状態の第2の共存する対2mおよび2m+1を備える、図3に示すターボコードエンコーダのLog−MAPバタフライを示している。ここで、Mはトレリスの可能な状態の総数(図2ではM=8)であり、mは所与の状態番号である。
【0093】
第1の対の状態(m,m+M/2)のそれぞれ1つが、別個のブランチメトリクス対γ(I)およびγ(II)のそれぞれ1つによって第2の状態対(2m,2m+1)のそれぞれ1つに結合される。これら2つのブランチメトリクスのそれぞれは、上で与えられた4つの可能な値の1つによって与えられる値を取る。対の第1のブランチメトリックは、第1のバイナリ値のパリティビットのエンコーダによる出力に関連し、対の第2のブランチメトリックは、第2のバイナリ値のパリティビットのエンコーダによる出力に関連する(たとえば、それぞれ、パリティビット0およびパリティビット1)。
【0094】
バタフライの第1の状態対(m,m+M/2)に関連する順方向ブランチメトリクスαは、以下の方程式に従って第2の状態対(2m,2m+1)の1つにその経路メトリックを拡張するよう関連遷移メトリックを加算することによって更新される。
α(2m)=max(αk−1(m)+γ(I),αk−1(m+M/2)+γ(II))
α(2m+1)=max(αk−1(m)+γ(II),αk−1(m+M/2)+γ(I))
【0095】
同様に、バタフライの第2の状態対(2m,2m+1)に関連する逆方向ブランチメトリクスβは、以下の方程式に従って第1の状態対(m,m+M/2)の1つにその経路メトリックを拡張するよう関連遷移メトリックを加算することによって更新される。
βk−1(m)=max(β(2m)+γ(I),β(2m+1)+γ(II))
βk−1(m+M/2)=max(β(2m)+γ(II),β(2m+1)+γ(I))
【0096】
上記の方程式に従ってLog−MAPバタフライのいずれかの共存する状態対を更新する際に、同じ4つのデータ項目を対の各状態に対して使用することがすぐ理解されるであろう。つまり、更新される状態への同じ2つの経路メトリクス、およびその更新を達成するための同じ2つの遷移メトリック値を、共存するバタフライ対の各状態を更新するために使用する。
【0097】
各状態の更新には連続する3つのステップが必要となる。すなわち、共存する対の2つのブランチメトリクスのそれぞれへの遷移メトリック値の加算、その結果得られた2つの更新されたブランチメトリクスの比較、2つのうちの最大値の選択である。したがって、上記の更新方程式のそれぞれの実行には、加算−比較−選択「ACS」動作が必要である。
【0098】
もっとも一般的に、本発明は、トレリスバタフライの1つの共存する状態対の1つの状態について加算−比較−選択「ACS」動作の各ステップを、1つの共存する状態対の別の状態について加算−比較−選択「ACS」動作の対応する各ステップと並行して少なくとも実行することにより、Log−MAP復号アルゴリズムの動作を加速することを提案する。ACS動作は、径路メトリック更新の一部またはLog尤度比の計算の一部を形成することができる。
【0099】
したがって、Log−MAP ACS動作「LM_ACS」が導入される。この動作はトレリスバタフライ上で実行され、
(i)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの遷移に関連する第1の遷移メトリック値を加算し、それによって、第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の更新された経路メトリック値を与えるステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、第1の状態と共存する第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、第2のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、それによって第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の更新された経路メトリック値を与えるステップと、
(iii)第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の更新された経路メトリック値を、第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の更新された経路メトリック値と比較し、2つのうちの最大を、その隣接エンコーダ状態に関連する更新された経路メトリック値として選択するステップと、
(iv)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態と共存する第2の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、それによって第2の隣接エンコーダ状態に対する第1の更新された経路メトリック値を与えるステップと、
(v)ステップ(iv)と実質的に同時に、第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、第2のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、それによって第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の更新された経路メトリック値を与えるステップと、
(vi)第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の更新された経路メトリック値を、第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の更新された経路メトリック値と比較し、2つのうちの最大を、第2の隣接エンコーダ状態に関連する更新された経路メトリック値として選択するステップと、
を含む。
【0100】
この動作においては、ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実施される。
【0101】
max動作は以下のように定義される。
【0102】
max(a,b)=max(a,b)+ln(l+exp(−|a−b|))
修正項ln(l+exp(−|a−b|))は、「max」動作に関連するACS動作の結果に加算され、全ヤコビ対数を与えるが、「max」演算子はただの近似にすぎない。これは、小型ルックアップテーブル(LUT)を用いて本実施形態のディジタル信号プロセッサで実施されるが、以下に詳細を論じることとする。
【0103】
図6は、LM_ACS動作のステップを示す概略図である。この動作の機能は、上記で定義した4つの経路メトリック更新方程式の構造に基づいている。LM_ACS動作の第1のステップ61には、ディジタル信号プロセッサによる、共存するLog−MAPバタフライ対の2つの経路メトリック値(PM1,PM2)、および2つの同時「max」動作でその対を更新する動作の第2のステップ62で使用する2つの別個の遷移メトリック値(TM1,TM2)の同時提供が必要である。更新した径路メトリクス(RM1,RM2)は、結果63と同時に生成される。
【0104】
タイムステップkのこのタイプの完全な経路メトリック更新のそれぞれが、8状態エンコーダトレリスに対する図7に示すディジタル信号プロセッサにより、以下のLM_ACS動作のm回実行にマップ可能である。
【0105】
(RM1,RM2)=LM_ACS(PM1,PM2,TM1,TM2)
図5に示すLog−MAPバタフライのパラメータ、γ(I)およびγ(II)は、遷移メトリック値、TM1およびTM2に対応している。この割当てによって、図7に示す第1の2つのLog−MAPバタフライが、破線および実線の割り当て(遷移メトリック値)に関して、図5に示すバタフライに対応していることが理解されるであろう。共通動作がすべてのバタフライについて定義されるため、ディジタル信号プロセッサ(DSP)が図7に示す最後の2つのバタフライ(右欄)を計算する場合、ブランチメトリクスの順序を交換する必要がある。
【0106】
図7に示すエンコーダトレリスセグメントの8つの状態(m=0,...,m=7)の順方向経路メトリクスを、タイムk−1からタイムkへ更新するためには、以下のように、DSPによりLM_ACS動作を4回実行する必要がある。
(α(0),α(1))=LM_ACS(αk−1(0),αk−1(4),γ0,0 ,γ1,1
(α(2),α(3))=LM_ACS(αk−1(1),αk−1(5),γ0,1 ,γ1,0
(α(4),α(5))=LM_ACS(αk−1(2),αk−1(6),γ1,0 ,γ0,1
(α(6),α(7))=LM_ACS(αk−1(3),αk−1(7),γ1,1 ,γ0,0
【0107】
上記の順方向経路メトリクスの更新中、すべての更新された経路メトリクス(α(0),...,α(7))は、後にLog尤度比の計算で使用するため、DSPの記憶装置にタイムステップk毎に格納される。2つのLM_ACS動作が同じブランチメトリクス対、(γ 0,0,γ 1,1)か(γ 0,1,γ 1,0)かのどちらかを使用する度に、遷移メトリックキャッシュのこれらのブランチメトリック値のバッファリングによって、DSPの主記憶装置の必要な帯域幅を減少し、効率を高めることができる。
【0108】
逆方向経路メトリクスの更新は、以下に従ってDSPによって得られる。
(βk−1(0),β−1k(4))=LM_ACS(β(0),β(1),γ0,0 ,γ1,1
(βk−1(1),βk−1(5))=LM_ACS(β(2),β(3),γ0,1 ,γ1,0
(βk−1(2),βk−1(6))=LM_ACS(β(4),β(5),γ1,0 ,γ0,1
(βk−1(3),βk−1(7))=LM_ACS(β(6),β(7),γ1,1 ,γ0,0
【0109】
逆方向経路メトリクスの更新をLog尤度比(LLR)の計算と組み合わせることにより、DSPは、後にLLR計算に使用するため、タイムステップkでこのようにして計算し(格納し)た逆方向経路メトリック値を直接使用することができる。2Mの逆方向経路メトリクック値のみをDSPで格納する必要があるが、この値はタイムステップkおよびk−1用である。
【0110】
タイムk−1からタイムkへの、図7に示す8状態エンコーダトレリスセクションのためのLLR値の計算は、以下のように記述できる。
【数6】
Figure 0004049620
【0111】
この方程式は、2つの拡張ACS動作からなり、方程式の以下に示す4つのバタフライへの分割から始まり3段階で実行される。
【0112】
段階1:
【数7】
Figure 0004049620
【0113】
従って、このプロセスのステージ1は拡張LM_ACS動作を4回、実行することとなることが理解されれよう。次いで、段階2となり、
【数8】
Figure 0004049620
【0114】
次いで段階3で終了する。
【数9】
Figure 0004049620
【0115】
したがって、このプロセスのステージ1が拡張LM_ACS動作を4回、すなわち1回の動作を(llr1_s1_1,llr0_s1_1)、(llr1_s1_2,llr0_s1_2)、(llr1_s1_3,llr0_s1_3)、(llr1_s1_4,llr0_s1_4)で定義された4つのバタフライのそれぞれに1回、実行することになることが理解されよう。
【0116】
上記の4つのバタフライのそれぞれ1つで実行される拡張LM_ACS動作は、第1の値のパリティビット(たとえば、ビット0)に対応するトレリス遷移のみに関して実行される、以下に記述するステップ(i)から(iii)と、第2の値のパリティビット(たとえば、ビット1)に対応するトレリス遷移のみに関して実行される、以下に記述するステップ(iv)から(vi)とを含む。
【0117】
(i)所与のトレリスバタフライの第1のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、第1のエンコーダ状態からバタフライの第1の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの順方向遷移に関連する第1の遷移メトリック値と、第1の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算し、第1の合計を与えるステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、第1の状態と共存するトレリスバタフライの第2のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、第2のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態と共存するバタフライの第2の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの順方向遷移に関連する前記第1の遷移メトリック値と、第2の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算し、第2の合計を与えるステップと、
(iii)第1の合計と第2の合計を比較し、2つのうちの最大値を第1の最大値として選択するステップと、
(iv)第2のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、第2のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの順方向遷移に関連する第2の遷移メトリック値と、第1の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算し、第3の合計を与えるステップと、
(v)ステップ(iv)と実質的に同時に、第1のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、第1のエンコーダ状態から第2の隣接エンコーダ状態へのエンコーダの順方向遷移に関連する第2の遷移メトリック値と、第2の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算し、第4の合計を与えるステップと、
(vi)前記第3の合計と前記第4の合計を比較し、2つのうちの最大値を第2の最大値として選択するステップとを含む。
【0118】
ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスを、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実施し、ステップ(i)から(vi)を他の3つの共存するトレリスバタフライのすべてのエンコーダ状態に対して繰り返し、第1の最大値の集合および第2の最大値の集合を与える。この例においては、第1の最大値の集合は、4つの要素、{llr1_s1_1,llr1_s1_2,llr1_sl_3,llr1_sl_4}を有し、第2の最大値の集合は、4つの要素、{llr0_s1_1,llr0_s1_2,llr0_sl_3,llr0_sl_4}を有する。
【0119】
トレリスセグメントのためのLLR値を決定するには、第2の最大値の集合の最大の要素を、第1の最大値の集合の最大の要素から減算し、上記で定義したステージ2および3に従ってLog尤度比を与える。これら2つのステージは、以下に記述する加速されたLLR動作(LLR_ACC)を定義する。
【0120】
LM_ACS動作の「加算」部分が、ここでは2つの数量の加算(たとえば、経路メトリック+同じ1つの状態への遷移メトリック)から3つの数量の加算(すなわち、順方向経路メトリック+異なる状態への遷移メトリック+逆方向経路メトリック)へ拡張されていることが理解されよう。したがって、この拡張LM_ACS動作は、トレリスバタフライを処理するためには、2つの順方向経路メトリック値と、2つの遷移メトリック値と、2つの逆方向経路メトリック値とを必要とする。
【0121】
拡張LM_ACS動作を、図8に概略で示してある。この拡張LM_ACS動作は、経路メトリック更新に使用する場合にはLM_ACS動作に必要な同じ4つのメトリック値81(すなわち、PM1、PM2、TM1、TM2)、および追加の2つのパラメータ82(すなわち、BT1およびBT2)を必要とする。これは、2つの共存するバタフライ状態に関連する逆方向経路メトリック値を表す。さらに、パラメータPAR1およびPAR2は、この2つのパラメータのそれぞれが、LM_ACS動作の機能によって、値TM1およびTM2のいずれかを取ることができるように、2つの遷移メトリック値TM1およびTM2を一般化する。
【0122】
簡単なメトリック更新を実行するために使用する場合、LM_ACS動作では、DSPがDSP記憶装置からメトリクス81を呼び出す必要がある。メトリクス82は上述のキャッシュから呼び出されないし、それらの値はDSPによってBT1=0およびBT2=0に設定される。同様に、DSPはPAR1=TM2およびPAR2=TM1を設定し、LM_ACS動作83を実行する。その結果、2つの更新された経路メトリクスRM1およびRM2が得られる。これらの2つの経路メトリクス84は、拡張LM_ACS動作を使用するLLR計算で後に使用するためにDSP記憶装置に戻される。
【0123】
上記のステージ1を実行するために使用する場合は、拡張LM_ACS動作では、DSPがDSP記憶装置からメトリクス81および82を呼び出す必要がある。DSPはPAR1=TM1およびPAR2=TM2を設定し、LM_ACS動作83を実行する。その結果、それぞれ第1および第2の最大値の集合の2つの要素、RM1およびRM2が得られる。これらの2つの要素84は、DSP記憶装置に戻される。このプロセスを、必要なすべてのバタフライを処理し、第1および第2の最大値の集合を完了するまで繰り返す。次いで上記のステージ2および3をこれら2つの集合に関して実行できる。
【0124】
LLR計算のステージ2および3の計算を加速するために、動作LLR_ACCを導入する。この動作を実行する際に、DSPはそのデータのすべてを、最大値の第1および第2の集合の要素を格納するキャッシュから取得する。
【0125】
DSPは、第2の最大値の集合の最大の要素を、第1の最大値の前記集合の最大の要素から、
(i)第1の最大値の集合から2つの要素を選択し、2つの要素を比較し、2つのうちの最大値を第1の最大値の連続する集合の要素として選択するステップと、
(ii)ステップ(i)と実質的に同時に、第2の最大値の集合から2つの要素を選択し、その2つの要素を比較し、2つのうちの最大値を第2の最大値の連続する集合の要素として選択するステップと、
(iii)第1および第2の最大値の集合のうちこれまでに選択していない要素のすべてについて、それぞれの全要素がこのように選択されるまで、ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと、
(iv)第1および第2の最大値の各連続する集合について、連続する集合のそれぞれが最終的にただ1つの要素しか有さなくなるまで、ステップ(i)から(iii)を繰り返すステップと、
(v)第1の最大値の最終的に連続する集合の1つの要素の値を、第2の最大値の最終的に連続する集合の1つの要素の値から減算して、Log尤度比を与えるステップと、
を有するLLR_ACC動作に従って減算することによってLLR値を計算する。
【0126】
このようにして、所与のエンコーダ遷移(エンコーダトレリスのタイムステップ)のためのLog尤度比(LLR)の計算は、拡張LM_ACS動作によって生成されたデータの処理を並列に実行することによって加速され、したがって、加速されたLLR(LLR_ACC)動作を提供する。
【0127】
LLR_ACC動作を、図9に概略で示す。この動作では、DSPが、DSPの拡張LM_ACS動作中にコピーされたキャッシュ記憶装置から(図8の85にRM1、RM2などで図示)4つの要素91(すなわち、BT1、BT2、BT3、BT4)を、検索する必要がある。次いでDSPは、4つの入力要素の2つの対に関して同時にLLR_ACC動作92を実行し、2つの結果94、RM1およびRM2を元の同じキャッシュに出力し、そのキャッシュで予め検索された要素の2つに上書きする。これら2つのキャッシュされた値は、それぞれ第1および第2の最大の要素の連続する集合の要素を表す。また、DSPは、異なる値、RM1−RM2を計算し、値を主DSP記憶装置に格納する。このプロセスを、第1および第2の最大値の集合のすべての要素を処理し、第1の最大値および第2の最大値の連続する集合が完了する(すなわち、この例においては、ステージ2が完了する)まで繰り返す。
【0128】
LLR_ACC動作の最後のステージ(ここではステージ3)を除いて、差の値、RM1−RM2は意味を持たない。最後のステージにおいては、差の値はLLRである。
【0129】
図10に、上述したメトリック計算、LM_ACS、拡張LM_ACSおよびLLR_ACC動作を提供するように拡張されたDSPコアの例を示す。DSPには、プログラム記憶装置100に接続されたアドレスバス106、第1のデータ記憶装置100に接続されたアドレスバス107、第2のデータ記憶装置102に接続されたアドレスバス108を有するアドレス生成ユニット(AGU)103などの従来の構成部品が含まれる。データバス109および110は、2つのデータ記憶装置101および102をDSPのデータALU105に接続する。制御バス111は、DSPのプログラム制御ユニット(PCU)104を、AGU103およびデータ演算論理ユニット(ALU)105に接続する。プログラム記憶装置データバス112は、プログラム記憶装置100を、DSPのデータALU105およびPCU104の両方に接続する。
【0130】
これらDSPの構成部品および接続は一般的なものであり、その機能および相互作用については、本明細書ではこれ以上論じないこととする。
【0131】
図10に示すDSPの一般的な部分の拡張は、DSPのメトリック計算ユニット153、LM_ACSユニット154、LLR_ACCユニット155、遷移メトリックキャッシュ156、デュアルポートキャッシュ157によって提供される。メトリック計算ユニット153、LM_ACSユニット154、LLR_ACCユニット155は、一般的なDSPの制御バス111に接続されている制御バス150を介して、DSPの汎用部分に接続され、その制御バスに接続されたその他のDSP構成部品に接続される。メトリック計算ユニット153、LM_ACSユニット154、LLR_ACCユニット155のそれぞれが、2つのデータインターフェイスを有し、それぞれがデータバス151および152を介してDSPの2つのデータ記憶装置101および102のそれぞれ1つに接続される。
【0132】
メトリック計算ユニット153は、上述の方法に従って遷移メトリック値を計算し、DSPのデータ記憶装置101、102およびDSPのメトリックキャッシュ156に格納するために遷移メトリック値を供給することができる。LM_ACSユニット154は、経路メトリック値を更新する際にLM_ACS動作を実行することができる。遷移メトリック値、経路メトリック値(順方向および逆方向)、その他のデータ値は、LM_ACSユニット154により、データ記憶装置101および102およびキャッシュ156から、この目的のために検索することが可能である。
【0133】
図11に示す入力ライン201および203は、図10に示すデータバス151および152に、それぞれ個別にマップすることができる。入力ライン202および204は、データバス151、152、または159に、それぞれ個別にマップすることができる。戻り値ライン217は、データバス151および160の両方にマップされ、一方ライン217’は、データバス152および161の両方にマップされる。更新された経路メトリック値は、LM_ACSユニット154からDSPデータ記憶装置101および102に戻される。
【0134】
加速されたLLR動作は、LLR_ACCユニット155によって実行される。このユニットはデータ値を、デュアルポートキャッシュ157からデュアルデータバス160および161を介して検索し、またデュアルポートキャッシュ157へデータ値を戻す。LLR_ACCユニットによって計算されたデータ値も、DSPのデータ記憶装置101および102に出力される。これらのデータ値には、第1および第2の最大値の集合およびLLR値が含まれる。
【0135】
図11には、拡張LM_ACS動作を実行するのに適したLM_ACSユニット154のアーキテクチャの例を示す。
【0136】
DSPのLM_ACSユニットは、計算ユニット209を備える。計算ユニットは、更新された経路メトリクスを出すため、データ入力ポートで同時に受取られた遷移メトリックデータ値に経路メトリック値を加算し、共存する更新された経路メトリクス対を比較し、各データ出力ポート217および217’の別個のそれぞれにおいて、上述したLM_ACS動作の「max」部分に従って、2つの比較後の更新された経路メトリック対の最大を同時に出力するように動作可能である。
【0137】
計算ユニットは、経路メトリックデータ値PM1を受取るための第1のデータ入力ポート201と、遷移メトリックデータ値(TM1)を受取るための第2のデータ入力ポート202と、経路メトリックデータ値(PM2)を受取るための第3のデータ入力ポート203と、遷移メトリックデータ値(TM2)を受取るための第4のデータ入力ポート204と、遷移メトリック値(PAR1)を受取るための第5の入力ポート205と、遷移メトリック値(PAR2)を受取るための第6の入力ポート206と、逆方向経路メトリック値(BT1)を受取るための第1のフィードバックデータ入力ポート207と、逆方向経路メトリック値(BT2)を受取るための第2のフィードバックデータ入力ポート208とを有する。
【0138】
計算ユニットでは、選択した機能によって、図6に示すLM_ACS動作および図8に示す拡張LM_ACS動作を実行することができる。LM_ACSユニットは、遷移メトリックセレクタゲート232および232’、および経路メトリックセレクタゲート227を有する機能選択装置を備える。
【0139】
遷移メトリックセレクタゲート232(232’)は、遷移メトリック値TM2およびTM1を同時に受取るための第1の入力部233(233’)および第2のデータ入力部234(234’)と、計算ユニットの第5のデータ入力部205へ、パラメータPAR1(PAR2)としてこれら2つの値のうちの1つを出力するためのデータ出力235(235’)とを備える。経路メトリックセレクタゲート227は、出力された逆方向経路メトリック値を受取るために計算ユニット209のそれぞれの出力ポート217(217’)に接続される、2つのデータ入力ポート228および229を備える。経路メトリックセレクタゲート227の第1のデータ出力ポート230は、計算ユニット209の第2のフィードバックデータ入力ポート208に接続される。同様に、経路メトリックセレクタゲート227の第2のデータ出力ポート231は、計算ユニットの第1のフィードバックデータ入力ポート207に接続される。
【0140】
したがって、データ値BT1およびBT2は、それぞれ経路メトリックセレクタゲート227の、第2および第1のフィードバックデータ出力ポート231および230を介して、計算ユニットに入力できる。経路メトリックセレクタゲートはまた、値BT1およびBT2をゼロに設定できる。
【0141】
その第1の選択状態においては、機能選択装置では、LM_ACSユニットが、経路メトリックセレクタゲート227をBT1=0およびBT2=0に設定することによって、一方同時に、遷移メトリックセレクタゲート232および232’をPAR1=TM2およびPAR2=TM1に、それぞれ、設定することによって、経路メトリック更新を実行するようにすることができる。計算ユニット209から出力される、更新された遷移メトリック値RM1およびRM2は、DSPの主記憶装置219内に格納され、また逆経路メトリック値については、デュアルポートキャッシュ記憶装置(図示せず)にコピーバックされる。
【0142】
その第2の選択状態においては、機能選択装置では、LM_ACSユニットが、LLR計算の一部として拡張LM_ACS動作を実行するようにすることができる(上記のステージ1参照)。これは、経路メトリックセレクタゲート227が、計算ユニットの出力ポート217(217’)から、計算ユニットの第1および第2のフィードバック入力ポートに、値BT1およびBT2をゼロに設定しないで、入力することによって得られる。同時に、遷移メトリックセレクタユニット232および232’が、それぞれPAR1=TM1およびPAR2=TM2を設定する。計算ユニット209から出力されたデータ要素RM1およびRM2は、DSPの主記憶装置219内に格納され、またLLR_ACC動作で後に使用するために、デュアルポートキャッシュ記憶装置(図示せず)にコピーバックされる。
【0143】
LLR_ACCユニット(図10の115)のためのアーキテクチャの例を、図12に示す。このユニットは、上述した「ステージ2」および「ステージ3」を実行するのに適している。LLR_ACCユニットは、第1の比較/選択ユニット300と、第2の同じ比較/選択ユニット300’とを備える。2つのユニット300および300’の同じ番号は同じ部品を示す(後者の参照番号にはダッシュ符号を付加してある)。
【0144】
LLR_ACCユニットの比較/選択ユニット300は、データインターフェイス319を介して、デュアルポートキャッシュ321(キャッシュデータアドレス[0...15])に格納された第1および第2の最大値の集合の1つからデータ要素を受取るための第1のデータ入力ポート301と、データインターフェイス320を介して、デュアルポートキャッシュ321(キャッシュデータアドレス[16...31])に格納された第1および第2の最大値の集合の別の1つからデータ要素を同時に受取るための第2のデータ入力ポート302とを備える。
【0145】
図12に示すキャッシュ321が、図10に示すキャッシュ157と同じキャッシュであることに留意されたい。したがって、図12に示すライン319および320も、図10に示すライン160および161に対応している。さらに、出力ライン318は、図10に示すデータバス151または152のいずれか1つにマップする。
【0146】
これら2つの入力ポートで同時に受取られたデータ値は、2つのデータ入力ポート303および305を介して比較ユニット307に、および2つのデータ入力ポート304および306を介して差分ユニット308に、同時に入力される。差分ユニット308は、2つのデータ入力ポートに同時に入力されるデータ値(すなわち、ポート304の値「b」およびポート306の値「a」)間の算術差の絶対値(すなわち、|b−a|)を決定し、差の符号も決定する。差の絶対値は、ルックアップテーブル(LUT)310に出力され、差の符号は、比較ユニット307の第3のデータ入力部309に出力される。
【0147】
ポート309で入力された符号値に基づいて、比較ユニット307が、データ入力ポート303および305で同時に入力された2つのデータ値の最大を選択し、出力ポート312で、選択された最大データ値を加算器ユニット315に出力する。この動作と同時に、修正項が、差分ユニット308から入力されたデータに基づいて、ルックアップテーブル310から検索され、出力ポート311を介して加算器ユニット315に出力される。次いで、加算器ユニットは、選択された最大値に修正値を加算し、結果を比較/選択ユニット300の出力ポート314で出力する。
【0148】
上記の説明は、同じ(ダッシュ符号付きの)参照番号の付いた同じ項目を有する、並列の比較/選択ユニット300’に適用される。
【0149】
したがって、比較/選択ユニット300(300’)は、以下で定義されるmax動作を実行する。
max(a,b)=max(a,b)+ln(l+exp(−|a−b|))
【0150】
修正項、ln(1+exp(−|a−b|))は、「max」動作に関連するACS動作の結果に加算され、全ヤコビ対数を与えるが、「max」計算子はただの近似にすぎない。これは、上述したように、ルックアップテーブル(LUT)310(310’)を用いて本実施形態のディジタル信号プロセッサ内で実行される。
【0151】
したがって、比較/選択ユニット300(300’)は、同時入力データ要素に対して「max」動作を実行し、出力ポート314(314’)で結果を、減算ユニット315の入力ポート316(316’)に、またLLR_ACC動作の後のステージ(たとえば、上記の「ステージ3」)で使用するため(データバス317(317’))を介して)デュアルポートキャッシュ321に出力する。
【0152】
減算ユニット315は、ポート316’で入力されたデータ値を、ポート316で同時に入力されたデータ値から減算し、結果318を出力する。LLR_ACC動作の最終段階を実行した後の、減算ユニット315の出力結果318がLLR値である。
【0153】
上述した本発明の実施形態の変形形態および修正形態は、当業者には容易に明らかになるように、本発明の範囲から逸脱することなく実施できることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】再帰システマティック畳み込み(RSC)エンコーダを示す図である。
【図2】図1に示すRSCエンコーダに関連するエンコーダトレリスを示す図である。
【図3】ターボコードの構成要素コードを提供する並列連結された2つのRSCエンコーダを備えるターボコードエンコーダを示す図である。
【図4】2つの最大アポステリオリ確率(MAP)デコーダを用いるターボデコーダを示す図である。
【図5】Log−MAPトレリスバタフライを示す図である。
【図6】加速されたLog−MAP復号アルゴリズム(LM_ACS)の動作を概略的に示す流れ図である。
【図7】トレリスのLog−MAPバタフライにマップされたLog−MAPトレリスタイムステップの更新の概略を表す図である。
【図8】加速されたLog−MAP復号アルゴリズム(LM_ACS)の拡張動作を概略的に示す流れ図である。
【図9】加速されたLog尤度比(LLR_ACC)計算の動作を概説する流れ図である。
【図10】拡張ディジタル信号プロセッサコアのブロック図である。
【図11】拡張ディジタル信号プロセッサのLM_ACSユニットのためのアーキテクチャの例を示す図である。
【図12】拡張ディジタル信号プロセッサのLLR_ACCユニットのためのアーキテクチャの例を示す図である。
【符号の説明】
2、5、235 出力
3 シフトレジスタ
4 排他的論理和ゲート
6 フィードバックループ
20 ブランチ
21 ノード
1、31、36、37、38、46、47、48、50、52、233、234、309 入力
32、43、44、45 インターリーバ
34、35 エンコーダ
39 マルチプレクサ
41、42 デコーダ
55 判断回路
56、57 チャネル状態情報
103 アドレス生成ユニット(AGU)
100、101、102 記憶装置
104 プログラム制御ユニット(PCU)
105 データ論理計算ユニット(ALU)
106、108 アドレスバス
109、110、317 データバス
111、150 制御バス
151、152、160、161 データバス
153 メトリック計算ユニット
154 LM_ACSユニット
155 LLR_ACCユニット
156 キャッシュ
157、321 デュアルポートキャッシュ
201、202、203、204、205、206、207、208、 228、229、301、302、303、304、305、306、 316 入力ポート
209 計算ユニット
217、311、312、314 出力ポート
219 主記憶装置
227 経路メトリックセレクタゲート
230、231 フィードバックデータ出力ポート
232 セレクタゲート
300 比較/選択ユニット
307 比較ユニット
308 差分ユニット
310 ルックアップテーブル(LUT)
315 加算器ユニット、減算ユニット
319、320 データインターフェイス

Claims (7)

  1. 畳み込みエンコーダによって符号化し、雑音のあるチャネルを経て受信したビットシーケンスをLog−MAPアルゴリズムに従って復号する際に使用する畳み込みエンコーダの状態遷移のためのLog尤度比の値を計算する方法であって、前記方法が、第1の値のパリティビットに対応する遷移のみに関して実行されるステップ(i)から(iii)、および第2の値のパリティビットに対応する遷移のみに関して実行されるステップ(iv)から(vi)、すなわち、
    (i)所与のトレリスバタフライの第1のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記バタフライの第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する第1の遷移メトリック値と、前記第1の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第1の合計を与えるステップと、
    (ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する前記トレリスバタフライの第2のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する前記バタフライの第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する前記第1の遷移メトリック値と、前記第2の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第2の合計を与えるステップと、
    (iii)前記第1の合計と前記第2の合計とを比較し、2つのうちの最大値を第1の最大値として選択するステップと、
    (iv)前記第2のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する第2の遷移メトリック値と、前記第1の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第3の合計を与えるステップと、
    (v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第1のエンコーダ状態に関連する順方向経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの順方向遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値と、前記第2の隣接エンコーダ状態に関連する逆方向経路メトリック値とを加算して、第4の合計を与えるステップと、
    (vi)前記第3の合計と前記第4の合計とを比較し、2つのうちの最大値を第2の最大値として選択するステップとを含み、
    ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実行され、ステップ(i)から(vi)を他のすべての共存するトレリスバタフライのエンコーダ状態について繰り返して、第1の最大値の集合および第2の最大値の集合を与え、第2の最大値の前記集合の最大の要素を第1の最大値の前記集合の最大の要素から減算して、Log尤度比を与える方法。
  2. 第2の最大値の前記集合の最大の要素を、第1の最大値の前記集合の最大の要素から、
    (i)第1の最大値の前記集合から2つの要素を選択し、前記2つの要素を比較し、2つのうちの最大値を第1の最大値の連続する集合の要素として選択するステップと、
    (ii)ステップ(i)と実質的に同時に、第2の最大値の前記集合から2つの要素を選択し、前記2つの要素を比較し、2つのうちの最大値を第2の最大値の連続する集合の要素として選択するステップと、
    (iii)第1および第2の最大値の前記集合のうちこれまでに選択していない要素のすべてについて、それぞれの集合の全要素が上記のように選択されるまで、ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと、
    (iv)第1および第2の最大値の連続する各集合について、前記連続する集合のそれぞれが最終的にただ1つの要素しか有さなくなるまで、ステップ(i)から(iii)を繰り返すステップと、
    (v)第1の最大値の前記連続する最終集合の1要素の値を第2の最大値の前記連続する最終集合の1要素の値から減算して、Log尤度比を与えるステップと、
    に従って減算する、請求項1に記載のLog−尤度比値を計算する方法。
  3. 修正項、
    ln(1+exp(−Δ))
    が、この目的で比較した2つの数量の最大であるとして選択した数量に加算され、上式で、Δは、比較した前記数量の差の絶対値である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記順方向経路メトリック値が、
    (i)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第1の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
    (ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
    (iii)前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大をその隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
    (iv)前記第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
    (v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
    (vi)前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大を第2の隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
    を含む方法によって計算され、
    前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態のすべてに対する経路メトリック値が順方向再帰によって計算された順方向経路メトリクスであり、前記隣接エンコーダ状態のすべてが前記エンコーダ状態のすべてに後続し、ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実行される、請求項1から3のいずれか一項に記載のLog−尤度比を計算する方法。
  5. 前記逆方向経路メトリック値が、
    (i)第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第1の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
    (ii)ステップ(i)と実質的に同時に、前記第1の状態と共存する第2のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する第2の遷移メトリック値を加算し、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を与えるステップと、
    (iii)前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第1の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大を第1の隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
    (iv)前記第1のエンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第1のエンコーダ状態から前記第1の隣接エンコーダ状態と共存する第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第1の経路メトリック値を与えるステップと、
    (v)ステップ(iv)と実質的に同時に、前記第2エンコーダ状態に関連する経路メトリック値に、前記第2のエンコーダ状態から前記第2の隣接エンコーダ状態への前記エンコーダの遷移に関連する前記第2の遷移メトリック値を加算し、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する第2の経路メトリック値を求めるステップと、
    (vi)前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第1の経路メトリック値を、前記第2の隣接エンコーダ状態に対する前記第2の経路メトリック値と比較して、2つのうちの最大を第2の隣接エンコーダ状態に関連する経路メトリック値として選択するステップと、
    を含む方法によって計算され、
    前記エンコーダ状態および前記隣接エンコーダ状態のすべてに対する経路メトリック値が、逆方向再帰によって計算された逆方向経路メトリクスであり、前記隣接エンコーダ状態のすべてが前記エンコーダ状態のすべてに先行し、ステップ(i)、(ii)、(iii)のシーケンスが、それぞれステップ(iv)、(v)、(vi)のシーケンスと実質的に同時に実行される、請求項1から3のいずれか一項に記載の、Log−尤度比を計算する方法。
  6. 前記エンコーダから出力されるパリティビットの前記第1の値が+1であり、前記エンコーダから出力されるパリティビットの前記第2の値が−1である、請求項1から5に記載の方法。
  7. 複数のLog−MAPデコーダを備えるターボコードデコーダであって、各Log−MAPデコーダが、請求項1から6のいずれかに記載の方法に従って前記エンコーダのLog尤度比値を計算するためのLog尤度比ユニットを備えるターボコードデコーダ。
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