JP4049513B2 - 多孔質シリコンの多孔度測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、多孔質シリコンの多孔度測定方法に関するものである。さらに詳しくは、多層構造を有する多孔質シリコンの各層における多孔度を非破壊で測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
多孔質シリコンが可視光を発光することが発見されて以来、そのメカニズムの解明や発光を応用した新機能光デバイスの開発を目的とした研究が盛んに行なわれてきている。多孔質シリコンの構造を把握することは、研究を進める上で非常に重要であると考えられており、特に、発光機能に強く関与すると考えられている多孔度に関しては、精度の高い測定方法が求められている。
【0003】
現在、多孔度の測定は重量法(Gravimetric Method)により行なわれている。この場合の重量法とは、多孔度の定義に則した測定方法であり、一定体積の多孔質シリコンを試料として質量を測定し密度を算出し、多孔質シリコンの密度と最密構造のシリコンの密度との差を、最密構造のシリコンの密度で除算することで、多孔度の値を算出する方法である。
【0004】
しかしながら、重量法においては破壊的方法であることから、試料に施される処理による多孔度の時間変化などを系統的に測定することが不可能であった。さらに、多孔度の異なる多孔質シリコン層を積層した多層多孔質シリコン構造においては、全体の平均的な多孔度を求めることはできても、個々の層についての多孔度を決定することは不可能であった。
【0005】
この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、多孔質シリコンの多孔度測定を非破壊で実現し、また、多層構造を持つ多孔質シリコンにおける場合であっても各層の多孔度の高い精度での測定を実現する多孔度測定方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、シリコン基板上の多層構造を有する多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定方法であって、
試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームのロッキングカーブを測定し、
このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、
さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を定める、
ことを特徴とする多孔度測定方法を提供する。
【0007】
また、この出願の第2の発明は、シリコン基板上の多層構造を有する多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定方法であって、
試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームのロッキングカーブを測定し、
このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、
さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を下記式(数3)により算定する、
ことを特徴とする多孔度測定方法を提供する。
【0008】
【数3】
【0010】
また、この出願の第3の発明においては、X線ロッキングカーブ測定手段と多孔度算出手段を備え、シリコン基板上に多層構造を有する多孔質シリコン層を有する試料の各多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定装置であって、
X線ロッキングカーブ測定手段は、試料へのX線入射角度を走査し、試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームの回折強度を測定してロッキングカーブを求め、
多孔度算出手段は、このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を算出する、
ことを特徴とする多孔度測定装置を提供する。
【0011】
さらにこの出願の第4の発明は、X線ロッキングカーブ測定手段と多孔度算出手段を備え、シリコン基板上に多層構造を有する多孔質シリコン層を有する試料の各多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定装置であって、
X線ロッキングカーブ測定手段は、試料へのX線入射角度を走査し、試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームの回折強度を測定してロッキングカーブを求め、
多孔度算出手段は、このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を下記式(数4)により算出する、
ことを特徴とする多孔度測定装置を提供する。
【0012】
【数4】
【0014】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について、この発明がなされた際の知見に基づき説明する。
【0015】
この出願の発明における多孔度は、多孔質シリコン全体積に占める微小孔の全体積の割合で定義されるもので、シリコン基板の密度をρSi、多孔質シリコンの密度をρPSとすると、次式で表される。
【0016】
【数5】
【0017】
一般に物質のX線に対する屈折率は1より僅かに小さいことから、屈折が起こるケースはまれであるが、X線を物質に対して低視射角で入射することで、屈折角が検知できる程度に大きくなることが知られている。ここで、図1に示すように、シリコン基板(11)上に積層された単層の多孔質シリコン層(21)から構成される試料に、低視射角度方向よりX線を入射する場合について考える。試料表面における入射方向に対する屈折波の屈折角をβ1、シリコン基板と多孔質シリコン層との界面における入射方向に対する屈折波の屈折角をβ2、シリコン基板と多孔質シリコン層との界面における界面の法線方向に対する入射波の入射角をθi、シリコン基板と多孔質シリコン層との界面における界面の法線方向に対する屈折波の屈折角をθr、シリコン基板の屈折率n Si 、多孔質シリコン層の屈折率をn PS とすると、β 2 =θr−θi<<1であることから、スネルの法則により、次式が成立する。
【0018】
【数6】
【0019】
物質の密度ρと屈折率nとの関係は、Aを定数として、
【0020】
【数7】
【0021】
で成り立つことから、多孔質シリコン層の多孔度pと屈折角との関係は次式で表される。
【0022】
【数8】
【0023】
式(IV)より、β0、β1、および、β2の内からいずれか2つの角度を知ることができれば、多孔質シリコン層の多孔度を算出することが可能である。
【0024】
図2に示したように、多孔度の異なる多孔質シリコン層が層数n層の水平多層構造を持つような場合においては、任意の第m層目の多孔質シリコン層における多孔度pmは、各層の界面での入射波進行方向に対する屈折波の屈折角をβ1、β2、…、βn+1としたとき(ただし、第0層は空気媒質層、第n+1層はシリコン基板層)、次式で表される。
【0025】
【数9】
【0026】
以上の通り、水平多層構造多孔質シリコンにおいて、X線の各層界面における入射方向に対する屈折角度を知ることで、それぞれの層の多孔度についての算出が可能となることが見出されている。
【0027】
この出願の発明においては、X線の各層界面における入射方向に対する屈折角度を知るために、X線ロッキングカーブを用いる。以下、X線ロッキングカーブよりX線の各層界面における入射方向に対する屈折角度を求める方法について示す。
【0028】
図3に示した通り、単層の多孔質シリコン層(31)とシリコン基板(32)とから構成される試料において、試料の表面に対して低視射角である平行X線ビームが、試料表面および試料側面の2面より入射される。このとき、試料表面から試料内部に進入するX線ビームは、試料内部において検知可能な程度での屈折を示す。一方、側面より入射されるX線ビームは、試料に対する入射角が大きいことからほとんど屈折することなく試料内部へと進入する。このため、試料内部での伝播経路によりX線ビームの回折角度に屈折角分の差異が生じることから、試料へのX線の入射角を走査し試料へのX線の入射角に対するX線の回折強度を測定することで作成されたロッキングカーブにおいては、図4に示すような複数のピークが見られる。
【0029】
例えば、図3において、シリコン基板にて回折されるX線ビームの経路は、3通り存在する。図4に示されたロッキングカーブにおけるピークSiに対応する図3のX線ビームの経路Siにおいては、X線ビームはシリコン基板側面より進入し、試料内部においては屈折することなく回折する。一方、図4に示されたロッキングカーブにおけるピークSiBに対応する図3のX線ビームの経路SiBにおいては、X線ビームは多孔質シリコン層側面より試料内部に進入し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で角度β2だけ屈折した後に回折する。また、図4に示されたロッキングカーブにおけるピークSiAに対応する図3のX線ビームの経路SiAにおいては、X線ビームは多孔質シリコン層表面より進入し、試料表面において角度β1だけ屈折し、次いでシリコン基板と多孔質シリコン層の界面で角度β2だけ屈折した後に回折する。図4においては、ピークSiBは屈折角β2の分、また、ピークSiAは屈折角β1+β2の分、ピークSiと比較して高角側にシフトした位置にあらわれる。
【0030】
さらに、多孔質シリコン層で回折するX線ビームのロッキングカーブにおけるピークは、多孔質シリコン層の格子がシリコン基板の格子より、界面の垂直方向に僅かに伸びていることから、回折面間隔差の角度Δθdと面方位角差Δαの和の分だけピークSiより低角側にあらわれる。
【0031】
以上のように、X線ビームを試料の表面および側面の2方向から入射することで測定されるロッキングカーブについて、ロッキングカーブを構成するピークの間隔から屈折角を求め、これを式(IV)に代入することで、多孔質シリコン層における多孔度を算出することが可能である。
【0032】
同様に、図5に示すように、試料が多層構造を持つ多孔質シリコン層(51)から構成される場合であっても、図6に示すように、測定されるロッキングカーブにおいては、多孔質シリコン層やシリコン基板でのX線ビームの屈折が反映されたピーク間隔をもつものである。原理的には、層数が大小に関わらず、ロッキングカーブにおけるピーク分離が可能な範囲であれば、求められた屈折角を式(V)に代入することで、各多孔質シリコン層における多孔度が算出される。
【0033】
この出願の発明の多孔度測定方法は、X線ロッキングカーブ測定機能を備えるX線測定装置に多孔度測定手段として組み込まれることで、多孔度測定装置として作用する。
【0034】
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
【0035】
【実施例】
実施例1
以上で説明したこの出願の発明に係る多孔度測定方法の精度を確認するために、水平単層構造を持つ多孔質シリコンを試料として、重量法により同定された多孔度との比較を行なった。試料は、3種類用意され、それぞれの重量法により求められた多孔度は25.2%(試料1)、43.6%(試料2)、53.5%(試料3)であった。
【0036】
図7は、各試料のX線ロッキングカーブである。いずれのロッキングカーブにも、図4におけるピークSi、SiA、SiBに対応するピークが現われており、このピークの間隔より屈折角β1およびβ2を求め、さらに、式(IV)より多孔度を算出した。その結果を表1に示した。表1より、この出願の発明により算出された多孔度と重量法により算出された多孔度とは、ほぼ一致していることがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】
以上より、この出願の発明に係る多孔度測定方法は、高い精度での多孔度測定を実施可能であることが確認された。
実施例2
さらに、水平多層構造を持つ多孔質シリコンを試料とした実施例について説明する。測定に使用した試料は、図8に示したように、多孔度25.2%、層厚0.1μmの多孔質シリコン層(A層)と多孔度53.5%、層厚0.1μmの多孔質シリコン層(B層)とが交互に25層ずつ繰り返して積層された超格子構造を持つ。X線を試料表面および試料側面の2方向から入射したとき、この構造は図5で示したような2層の多孔質シリコン層からなる構造と等価であると考えることができる。
【0039】
この試料のX線ロッキングカーブについて、図9に示す。図9に示したロッキングカーブには、図5に示したロッキングカーブに現われたピークの内、Si、SiA、SiC、PS1Aに対応するピークが見られた。ピークSi、SiA、SiCより屈折角β0、β3が求められ、式(V)よりB層の多孔度は49.5%と算出された。これは、B層の多孔度に関する作製条件である53.5%とほぼ等しい。
【0040】
一方、図5におけるピークSiBに対応するピークが現われなかったことから、高視射角入射による屈折効果の影響を受けていない回折X線ビームのロッキングカーブを測定しシリコン基板とA層との格子定数の差を求め、さらに、ピークSiAおよびPS1Aからβ2を求めた。したがって、式(V)より、A層の多孔度は24.7%と算出され、この結果はA層の多孔度に関する作製条件25.2%と極めて近い値であるといえる。
【0041】
以上で示した通り、この出願の発明の多孔度測定方法は、水平単層構造のみならず水平多層構造にも適用可能であることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
以上、詳しく説明した通り、この出願の発明により、多孔質シリコンの多孔度測定を非破壊で実現し、また、水平多層構造を持つ多孔質シリコンにおける各層の多孔度の高い精度での測定を実現する多孔度測定方法が提供される。この出願の発明は、多孔質シリコンが単層構造を持つ場合には従来の重量法と同程度の精度で多孔度測定が可能であり、また、重量法では不可能であった多層構造に対しても多孔度測定を実施可能である。さらに、この出願の発明は非破壊的であることから、試料に種々の処理を加えた際には、試料の多孔度の時系列変化を系統的に調べることも可能となり、今後の新機能材料開発に大きく貢献すると考えられることから、その実用化が強く期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質シリコン層が水平単層構造を持つ試料内部に入射されたX線ビームの屈折について示した概要図である。
【図2】多孔質シリコン層が水平多層構造を持つ試料内部に入射されたX線ビームの屈折について示した概要図である。
【図3】多孔質シリコン層が水平単層構造を持つ試料の表面および断面より入射されたX線ビームの進行経路について示した概要図である。
【図4】X線ビームが図3の試料の表面および断面より入射されたときのX線ロッキングカーブである。
【図5】多孔質シリコン層が水平多層構造を持つ試料の表面および断面より入射されたX線ビームの進行経路について示した概要図である。
【図6】X線ビームが図5の試料の表面および断面より入射されたときのX線ロッキングカーブである。
【図7】この出願の発明の実施例1において測定されたX線ロッキングカーブである。
【図8】この出願の発明の実施例2で用いられた試料の構造について示した概要図である。
【図9】この出願の発明の実施例2において測定されたX線ロッキングカーブである。
【符号の説明】
11 シリコン基板
21 多孔質シリコン層
31 多孔質シリコン層
32 シリコン基板
51 多孔質シリコン層
52 シリコン基板
Claims (4)
- シリコン基板上の多層構造を有する多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定方法であって、
試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームのロッキングカーブを測定し、
このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、
さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を定める、
ことを特徴とする多孔度測定方法。 - シリコン基板上の多層構造を有する多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定方法であって、
試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームのロッキングカーブを測定し、
このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、
さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を下記式(数1)により算定する、
ことを特徴とする多孔度測定方法。
- X線ロッキングカーブ測定手段と多孔度算出手段を備え、シリコン基板上に多層構造を有する多孔質シリコン層を有する試料の各多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定装置であって、
X線ロッキングカーブ測定手段は、試料へのX線入射角度を走査し、試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームの回折強度を測定してロッキングカーブを求め、
多孔度算出手段は、このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を算出する、
ことを特徴とする多孔度測定装置。 - X線ロッキングカーブ測定手段と多孔度算出手段を備え、シリコン基板上に多層構造を有する多孔質シリコン層を有する試料の各多孔質シリコン層の多孔度を測定する多孔度測定装置であって、
X線ロッキングカーブ測定手段は、試料へのX線入射角度を走査し、試料表面に対して低視射角である平行X線ビームを試料表面および試料側面の2面から入射し、試料内部で回折するX線ビームの内、シリコン基板の内部に側面から入射し、屈折することなく回折した第1のX線ビーム、各多孔質シリコン層の内部に側面から入射し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群または入射した多孔質シリコン層よりシリコン基板側の多孔質シリコン層または各多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第2のX線ビーム群、および多孔質シリコン層の内部に表面から入射し、多孔質シリコン層間で屈折し、シリコン基板と多孔質シリコン層の界面で屈折した後に回折した第3のX線ビームの回折強度を測定してロッキングカーブを求め、
多孔度算出手段は、このロッキングカーブからシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度を求め、さらに、求められたシリコン基板および各多孔質シリコン層におけるX線ビームの屈折角度より全多孔質シリコン層における多孔度を下記式(数2)により算出する、
ことを特徴とする多孔度測定装置。
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