JP4977498B2 - 薄膜積層体検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に1層以上積層された薄膜積層体、および積層体上に液体がある試料において、試料のX線反射率を測定し、得られた反射率プロファイルの解析により、積層体各層の膜厚を非破壊的に計測、検査する薄膜積層体検査方法に関する。
半導体デバイス、磁気デバイスの分野では、素子の高機能化、高性能化のため、形成される膜は極薄膜化されるとともに、積層数も増加している。また、現在の半導体や磁気デバイスのような電子デバイスでは、積層膜界面での電子散乱を制御するため、積層膜界面の制御も行われている。
従来、積層膜の膜厚を評価する方法として、エリプソメトリー法、蛍光X線法が用いられている。エリプソメトリー法は平らな表面の薄膜試料に偏光を入射させ、反射光の偏光状態の変化を測定し、試料薄膜の厚さと屈折率を知る方法である。しかし、この方法は光を用いるため、光に対して透明な試料でなければ測定できないことが問題となる。蛍光X線法は試料で発生した蛍光X線を測定し、その強度から膜厚を推定する方法である。この方法の場合、蛍光X線を発生した元素の総量が分かるだけで、膜厚を直接測定する方法でないこと、同じ元素が含まれる薄膜が複数積層されている場合に、膜厚を分離解析することができないことが問題となる。また、エリプソメトリー法、蛍光X線法とも積層膜界面の情報を得ることはできない。
デバイスの断面TEM観察は、非常に高い空間分解能で、積層膜の膜厚を測定することが可能である。また界面幅も推定できる。しかし、TEM観察のためには試料を100nm以下の薄片化する必要があり、破壊解析となる。このため、不良解析には用いることはできるが、検査装置として用いることは困難である。
非破壊で、積層薄膜の膜厚と界面幅を測定する方法として、X線反射率法がある。X線反射率法には2種類の方法があり、1つは単色のX線を試料表面すれすれに入射し、入射角を変えながら、反射率を測定する方法、他方は白色X線を試料に入射し、反射率の波長依存性を測定する方法である。どちらの方法も試料表面、界面で反射して来たX線の干渉から膜厚を解析する方法である。また表面や界面での反射には界面幅が影響するため、X線反射率プロファイルを詳細に解析することで積層膜の各界面の幅も得ることができる。反射率の解析に用いれる理論曲線は、Parratt [ Phys. Rev.、 95、 pp359 (1954) ]の漸化式に、Sinhaら [ Phys. Rev. B、 38、 pp2297 (1988) ] の界面凹凸の効果を入れた式が利用されている。また、フーリエ変換解析では、桜井ら[ Jpn. J. Appl. Phys. 31、 L113 (1992) ] の方法が良く用いられる。
Parratt、" Phys. Rev."、95、(1954)、 p.359 Sinhaら、"Phys. Rev. B"、38、(1988)、 p.2297 桜井ら、" Jpn. J. Appl. Phys. 31"、L113 (1992)
X線反射率法は積層体の各層の膜厚と界面幅を評価できる優れた方法であるが、非常に厚い膜を含んだ試料の膜厚や界面幅を解析するには、高強度でかつ、非常に高い平行性のX線が必要である。Si(440)の対称回折の++配置を用いた分光器での、計測可能な最大膜厚は約1μmである。
薄膜積層体の上に1μm膜厚の膜が積層された試料の場合、反射率プロファイルに含まれる振動構造のほとんどは、1μm膜厚に関連した短周期の振動であり、薄膜積層体各層からの長周期の振動構造は、短周期の振動構造の振幅変調として計測されるため、界面幅や入射X線の開き角との分離が難しく、解析は困難である。
特に工業製品では、デバイスである薄膜積層体上に厚い保護膜を形成する場合が良くある。このような試料の場合、保護膜が厚くなると、一般的に表面の凹凸が大きくなる。表面凹凸が大きいと散乱ベクトル(q=(4π/λ)sinθ)に対するX線反射率の減衰が大きくなるため、散乱ベクトルの大きな領域まで反射率を測定する事ができなくなる。薄膜積層体の膜厚を決定するには、散乱ベクトルの大きな領域までX線反射率を測定する必要があるため、このような厚い保護膜のある試料の場合、積層体の膜厚解析は更に困難である。
また、薄膜積層体上に液体がある試料の場合、液体の厚みを1μm以下にすることは表面張力の問題等から非常に困難であり、薄膜積層体上に厚い保護膜がある試料と同様の問題が生じる。また、X線反射率法は試料表面と入射X線の間の角度(入射角)を1/1000゜の精度で制御する必要があるが、液体表面は表面張力の影響で曲がる等の問題があるため、積層膜上に液体がある試料からのX線反射率測定は困難である。
そこで、本発明は、積層体上に厚い膜がある試料や、積層体上に液体がある試料に対し、積層体の膜厚を計測、検査することが可能なX線反射率法を提供する事にある。
上記目的を達成する本発明の特長は、薄膜積層体上に数μm〜数10μmの厚い保護膜が積層された試料の1辺を2mm以下に加工する。次に、前記保護膜の膜厚の1/3以下に集光したX線を、前記保護膜側面から入射させ、2mm以下に加工した短辺を透過させる。そのとき、保護膜内にある薄膜積層体上にX線が照射され、試料へのX線の入射角を変えることにより、保護膜内にある薄膜積層体のX線反射率を測定することにある。
得れたX線反射率曲線は、理論反射率曲線がと最小二乗法解析することで、積層体各層の膜厚が解析できる。理論反射率曲線の計算は、積層体への入射角をθ、入射X線の波長をλ、積層体のj番目の層の膜厚をdj、j番目の層の上の界面の幅をσj、屈折率をn = 1 - δj - iβj とし、Parratt [ Phys. Rev.、 95、 pp359 (1954) ]の漸化式に、Sinhaら [ Phys. Rev. B、 38、 pp2297 (1988) ] の界面凹凸の効果を入れた漸化式
Figure 0004977498
Figure 0004977498
Figure 0004977498
Figure 0004977498
を用いて計算できる。
また、桜井ら[ Jpn. J. Appl. Phys. 31、L113 (1992) ]が示すように、フーリエ変換を用いて、積層体の膜厚を解析することもできる。これは、入射角を屈折率補正した散乱ベクトル(= 4π・{(nj )2- (cosθ) 2}0.5 / λ)に変換し、反射率の振動構造をフーリエ変換し、得られた周波数ωjから、dj = ωj/4πとして、j番目の積層膜の膜厚djを解析する方法である。
X線反射率法は積層膜に対してX線の入射角θは0.1゜〜1゜程度であり、保護膜端面への入射角は89.9゜〜89゜となり、保護膜への入射、出射時の屈折、および反射の影響はほとんど無い条件となる。Parrattも、桜井も、第1層はn=1、空気(真空)としているが、本願発明に示す条件では、近似的に、第1層を保護膜とし、保護膜の屈折率を入れることで、保護膜内部の積層体からのX線反射率が解析可能となり、保護膜等の厚膜の影響の少ない薄膜積層体検査方法が可能となる。
さらに、保護膜の代わりに、積層体の上に溶液が有る場合も、液層の厚さの1/3以下に集光したX線を、前記保護膜側面から入射させ、2mm以下に加工した短辺を透過させることで、液層内部の積層体からの反射率が測定可能となる。解析に関しては、前述の理論計算式、およびフーリエ変換法を用いる事で、積層体各層の膜厚が解析できる、薄膜積層体検査方法が可能となる。
試料の透過方向の厚さが2mm以下である必要性は、厚い保護膜をX線が通過した際に吸収があるためである。試料面でのX線反射は80%程度あり、透過X線の強度が30%以下にならない程度にすることで、試料での反射と吸収で20%程度X線強度の損失で済むため、5〜6桁の反射率を測定可能とできる。SiO2保護膜の場合、8keV程度のX線エネルギーで、2mm以下にすれば良い。また、試料面すれすれにX線を入射すると試料面でX線が100倍程度まで広がる。このため、試料透過方向の下限はX線が試料からはみ出さない範囲となる。
集光ビームサイズと保護膜の厚さに関しては、試料にX線をすれすれに入射し、入射X線が厚い保護膜の上面に当たらない角度範囲とした。透過方向2mm、積層方向30μm厚の保護膜に10μmビームを入射した場合、試料面への入射角1°まで計測可能であり、通常の反射率測定では、十分な角度範囲が得られる。上限膜厚は、スリットで成形したX線ビームは50μm〜100μmであり、このサイズのビームでも本願発明と同じように実験可能となるため、その膜厚を上限とした。
本発明によれば、積層体上に数μm以上の膜厚の保護膜や、液層がある試料において、保護膜層や液層の影響を小さくして、内部の積層体からのX線反射率が測定可能となり、内部の積層体各層の膜厚を高い精度で検査することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を図にしたがって説明する。
図3に本発明の実施例を示す。高輝度光科学研究センタの放射光実験施設(SPring−8)のアンジュレータ放射光源をX線源6としたX線7は第1対称反射結晶8および第2対称反射結晶9により単色化される。単色X線はスリット(図示せず)でz方向100μm、y方向100μmに成形後、イオンチェンバー10と透過して、垂直集光鏡11に入射する。入射X線の強度はイオンチェンバー10の電流でモニターする。垂直集光鏡11および水平集光鏡12により、入射X線1は、試料位置(図中のシリコン基板2およびSiO膜4のある位置)で約1μm(Full Width Half Maximum:FWHM)に集光される。試料で鏡面反射された反射X線5の強度はX線検出器13で測定される。イオンチェンバー10の信号強度とX線検出器13の測定信号を計数装置14を用い、反射X線5との入射X線1の強度を得る。得られた強度を計算機16に入力し、反射率を計算し、出力装置17に表示する。入射X線1の試料への入射角と反射X線5の出射角は、精密ゴニオメータ(図示せず、駆動軸のみ矢印で表示)をドライバー/コントローラ15を計算機16で制御する事で調整している。本実施例では、入射角を変えながら、試料の反射率を測定する事で、図4の反射率曲線を得た。
図2に図3の試料付近の拡大図を示した。試料はシリコン基板2上にアルミニウム薄膜3を30nm積層し、その上にSiO膜4を5μm成膜したものである。アルミニウム薄膜3は500μmx50μmのパターンが切ってある。アルミニウム薄膜3のパターンが500μmの長さの方向をy軸、50μmの長さ方向をx軸、積層方向をz軸とし、y方向を5mm、x軸方向を400μmに切り出す。上流の光学系で集光された入射X線1は、SiO膜4を透過し、SiO/アルミニウム界面、およびアルミニウム/シリコン基板界面で反射し、再度、SiO膜4を透過して反射X線5となる。図1は図2をy軸方向から見た側面図の概念図である。集光された入射X線1はSiO膜に入射すると屈折する。図では、強調して描いてあるが、実際の角度変化は0.1μrad.程度であり、入射X線の開き角と比較して十分小さいため、近似的に入射角は変化しないと扱える。SiO膜4を透過して、アルミニウム薄膜3に入射したX線は、SiO/アルミニウム界面、およびアルミニウム/シリコン基板界面で反射する。この2つの反射波がSiO膜4を透過して反射X線5となり、2つの反射波の干渉が、反射X線5の強度に影響を与える。反射X線5の強度は、反射波の干渉以外にも、SiO膜4での吸収も影響する。しかし、入射角を変えても、SiO膜4を通過する距離はほとんど変化しないため、X線反射率解析時のスケール因子として補正することが可能である。本実施例で得た反射率プロファイルを図4に示した。図4の縦軸(Log(refelectivity))は、X線反射率の対数表示で、横軸は散乱ベクトル(q=(4π/λ)・sinθ)で表示してある。点線が実験値であり、実線がモデル計算の結果を示している。式1〜式4を用いた理論曲線と実験値の最小二乗法解析により、アルミニウム薄膜の膜厚が29.8nmであることが分かった。
別の解析方法であるフーリエ変換法についても示す。櫻井らが示す様に、入射角を屈折率補正した散乱ベクトル(=4π・{nj 2−(cosθ)2}0.5/λ)に変換する。アルミニウム薄膜の場合、n=1−8.46x10-6+i 1.57x10-7となり、この値を用いて、入射角を変換する。次に、q=0.3〜1.4(1/Å)の範囲をy= a・x-4でカーブフィットし、実験反射率から、カーブフィットした曲線の差分を計算し振動構造を抽出する。得られた振動構造をフーリエ変換し、フーリエピークを得る。フーリエピーク位置の示す周波数ωから、d=ω/4πとして、アルミニウム薄膜の膜厚dを解析した。得られたアルミニウム薄膜が29.6nmであった。
以上の結果より、本実施例の反射率曲線に、X線反射率の解析に一般的に利用されている、最小二乗法解析やフーリエ変換解析法を適用することで、薄膜の膜厚を検査可能であることが分かった。
この試料の場合、計算上、入射角が3゜を超えると入射X線1はSiO膜4の上面に当たるようになる。この入射角の限界は、入射X線の大きさと保護膜の膜厚(本実施例では、SiO膜4の膜厚)、切り出した試料のx方向の長さによって決まるが、図4の結果から見ると、6桁のX線反射率を測定するのに必要な入射角は1゜程度であり、この入射角の大きさの場合、入射X線の裾の広がりを考慮しても、集光サイズの3倍程度、保護膜の膜厚があれば十分である。なお、薄膜積層体上に形成された保護膜は、通常、数μm〜数10μmで、厚くとも100μmであることから、積層体を構成する薄膜の膜厚は、厚くとも集光サイズの15倍程度である。
また、試料のx方向の厚みは、保護膜での吸収があるため、薄い方が良い。しかし、加工の難易度を考えると、透過X線の強度が30%以下にならない程度にすると良い。実際のX線反射率測定の角度範囲から計算すると、SiO保護膜の場合、8keV程度のX線エネルギーで、2mm以下にすれば良い事が分かる。
従来のX線反射率法では、このような保護膜の中にパターンが切ってあるような試料の膜厚を測定する事は不可能である。その理由は、5μmのSiO膜の中に埋もれているアルミニウム薄膜を測定する場合、入射X線の開き角を5μrad以下にする必要があるが、この平行度では30μm以下のビームサイズを作ることは原理的に不可能である。30μmの超平行X線ができたとしても、入射角0.1゜で試料に入射すると、X線の照射領域は、試料表面で100倍に広がり、3mmとなり、50μmx500μmのパターンの反射率を測定することはできない。このため、本発明の実施例を用いなければ、保護膜中の積層体のX線反射率を測定し、膜厚を解析する事は困難である。
本発明の別の実施例を図5に示す。高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設(PF)の放射光源をX線源6としたX線7をスリット(図示せず)でz方向、y方向とも100μmに成形後、イオンチェンバー10を経て、垂直集光鏡11におよび水平集光鏡12に入射する。垂直集光鏡11におよび水平集光鏡12で反射された入射X線1は試料位置(図中のシリコン基板2及びカプトン膜19のある位置)で約10μm(FWHM)に集光される。試料で鏡面反射された反射X線5の強度は半導体X線検出器18でエネルギー分析しながら測定し、計数装置14に入力し反射X線5の強度を得る。得られた強度を計算機16に取り込みX線反射率を計算し、表示装置17に表示する。入射X線1の試料への入射角と反射X線5の出射角は、精密ゴニオメータ(図示せず、駆動軸のみ矢印で表示)をドライバー/コントローラ15を計算機16で制御する事で調整している。本実施例は、入射角を固定し、白色X線を試料に入射し、試料で反射した反射X線のエネルギーと強度からX線反射率を測定する装置である。
図6に図5の試料付近の拡大図を示した。試料はシリコン基板2をU字型に加工し、溝の内側にアルミニウム薄膜3を蒸着し、U字型溝を覆う様に厚さ10μmのカプトン膜19を貼ってある。溝の大きさはy方向に2mm、x方向に500μm、z方向2mmとした。測定直前に溝の中に溶液20をU字型溝上面から注射器を用いて注入した。上流の光学系で集光された入射X線1は、カプトン膜19と溶液20を透過し、溶液/AlOx界面、AlOx/アルミニウム塊面、アルミニウム/シリコン基板界面で反射し、再度、溶液20とカプトン膜19を透過して反射X線5となる。図7は図6をy方向から見た溝の部分の断面図である。集光された入射X線1はカプトン膜19と透過し溶液20に入射する。溶液20を透過してアルミニウム薄膜3に入射したX線は、溶液との反応で形成されたAlOx膜と溶液の界面、AlOx/アルミニウム塊面、アルミニウム/シリコン基板界面で反射する。反射X線の強度は、各界面で反射したX線の干渉が影響する。反射X線の強度はカプトン膜19と溶液の吸収、散乱の影響を受ける。これは、入射X線をU溝の底から離れた位置に移動して強度のエネルギー分布を測定することで補正できる。また、液面が試料位置より2mm程度高い位置にあるため、液面/空気の界面ので反射強度は測定されなかった。本実施例で得た反射X線プロファイルを図8に示した。横軸は散乱ベクトル(q)とし、反射X線のエネルギーをE(keV)とすると、q=(4π・E/12.4)sinθで変換した。点線が実験値、実線が理論計算値を示している。
フーリエ変換法により、アルミニウム薄膜が30.5nmあることが分かった。しかし、AlOx層は巧く解析できなかった。計測したエネルギー範囲が狭い事が原因と考えられる。そこで、式1〜式4を用いた理論曲線と実験値の最小二乗法解析を実施した。その結果、アルミニウム薄膜の膜厚は30.5nm、AlOxが、アルミニウム薄膜の上に2.8nm形成されている事が分かった。本実施例ではフーリエ変換解析法では、数nmの薄い層の膜厚は解析できなかったが、数10nmの膜厚の層は解析可能であり、本実施例とフーリエ変換解析法でも、薄膜の膜厚を検査可能であることが分かる。また、式1〜式4を用いた理論曲線と実験値の最小二乗法解析を用いれば、数nm膜厚まで解析可能となり、本実施例で測定したX線反射率が、通常のX線反射率測定と同様に解析できることが分かった。
図2をy方向から見た側面の概念図。 図3の試料付近の拡大図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例での測定例を示す図。 本発明の別の実施例を示す図。 図5の試料付近の拡大図。 図6をy方向から見た側面の概念図。 本発明の別の実施例での測定例を示す図。
符号の説明
1:入射X線源、
2:シリコン基板、
3:アルミニウム薄膜、
4:SiO膜、
5:反射X線、
6:X線源、
7:X線、
8:第一対称反射結晶、
9:第二対称反射結晶、
10:イオンチェンバー、
11:垂直集光鏡、
12:水平集光鏡、
13:X線検出器、
14:計数装置、
15:ドライバー/コントローラ、
16:計算機、
17:表示装置、
18:半導体X線検出器、
19:カプトン膜、
20:溶液。

Claims (8)

  1. 薄膜を複数積層した積層体であって、該積層体上に厚い保護膜、あるいは液体を有する積層体が設けられた基板を試料台に載置するステップと、
    前記薄膜が積層されている方向と交差するように、前記積層体側面からX線を入射するステップと、
    前記X線の前記積層体側面への入射角(θ)、または入射するX線の波長を変化させ、前記積層体から反射されるX線の反射率の入射角依存性、またはX線波長依存性を測定するステップと、
    前記入射角、または前記X線波長を散乱ベクトル;q=(4π/λ)sinθに変換し、前記X線反射率の散乱ベクトル依存性曲線を取得するステップと、
    前記X線反射率の散乱ベクトル依存性により求めた計測反射率曲線と、理論より導出された理論反射率曲線との最小二乗法解析により前記積層体の膜厚を得るステップとを有し、
    前記積層体に入射するX線のビーム形状は、その短辺、又は短径が前記試料台に載置された前記積層体の位置において、10μm以下であることを特徴とする薄膜積層体検査方法。
  2. 前記積層体に積層された薄膜の膜厚が、前記試料台に載置された前記積層体の位置における前記入射X線ビームの短辺、又は短径の3倍以上で、15倍以下であることを特徴とする請求項に記載の薄膜積層体検査方法。
  3. 前記積層体上に、前記試料台に載置された前記積層体の位置における前記入射X線ビームの短辺、又は短径の3倍以上で、15倍以下の膜厚を有する液層を設けることを特徴とする請求項に記載の薄膜積層体検査方法。
  4. 前記積層体のX線の透過方向の厚さが、前記積層体に入射する前記X線の短辺、又は短径の100倍以上で、2mm以下であることを特徴とする請求項に記載の薄膜積層体検査方法。
  5. 薄膜を複数積層した積層体であって、該積層体上に厚い保護膜、あるいは液体を有する積層体が設けられた基板を試料台に載置するステップと、
    前記薄膜が積層されている方向と交差するように、前記積層体側面からX線を入射するステップと、
    前記X線の前記積層体側面への入射角(θ)、または入射するX線の波長を変化させ、前記積層体から反射されるX線の反射率の入射角依存性、またはX線波長依存性を測定するステップと、
    前記入射角、または前記X線波長を散乱ベクトル;q=(4π/λ)sinθに変換し、前記X線反射率の散乱ベクトル依存性曲線を取得するステップと、
    前記X線反射率の散乱ベクトル依存性により求めた計測反射率曲線をフーリエ変換し、得られたフーリエピークから前記積層体の膜厚を得るステップとを有し、
    前記積層体に入射するX線のビーム形状は、その短辺、又は短径が前記試料台に載置された前記積層体の位置において、10μm以下であることを特徴とする薄膜積層体検査方法。
  6. 前記積層体に積層された薄膜の膜厚が、前記試料台に載置された前記積層体の位置における前記入射X線ビームの短辺、又は短径の3倍以上で、15倍以下であることを特徴とする請求項に記載の薄膜積層体検査方法。
  7. 前記積層体上に、前記試料台に載置された前記積層体の位置における前記入射X線ビームの短辺、又は短径の3倍以上で、15倍以下の膜厚を有する液層を設けることを特徴とする請求項に記載の薄膜積層体検査方法。
  8. 前記積層体のX線の透過方向の厚さが、前記積層体に入射する前記X線の短辺、又は短径の100倍以上で、2mm以下であることを特徴とする請求項に記載の薄膜積層体検査方法。
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