JP4049341B2 - スパッタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、半導体、液晶表示装置、フォトマスクやカラーフィルタ等の製造に用いられるスパッタ装置に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カラーフィルタの製造工程は、ガラス等の透明矩形基板上に真空成膜法を用いてクロムを成膜する工程、フォトレジストを塗布しフォトマスクを配置して露光、現像、クロムエッチング、フォトレジスト剥離を行いストライプ状パターンあるいは格子状パターン等からなるブラック遮光層を形成する工程、ブラック遮光層の上から着色用感材を塗布した後、フォトマスクを配置し露光した後、現像を行い着色パターンを形成し、この着色パターンをR、G、B3色について繰り返して複数の着色層を形成する工程、これら着色層の上に酸化インジウム錫を成膜し、透明電極層(ITO)を形成する工程からなる。前記工程のうちクロム薄膜及び透明電極層を形成する工程では、スパッタ法が均一な膜厚で十分な密着性を有する薄膜が高速で得られるため広く普及されており、自動化ラインにおいては、基板とマスクを固定した治具を搬送装置により順次、真空槽内に送り込みスパッタを行っている。
【0003】
図3は、従来のスパッタ装置を示し、真空槽1を形成するハウジング2には開口部3が設けられ、ハウジング2の開口部3外側には、水冷機構、マグネット、電源回路等を有するスパッタ駆動装置4が装着されている。スパッタ駆動装置4にはバッキングプレート5が取り付けられ、バッキングプレート5上にはターゲット6が固着されている。ハウジング2の開口部3には絶縁材7が装着され、バッキングプレート5を開口部3の内側からシール材8を介してボルト9により絶縁材7に固定することにより、真空槽1内の真空を確保している。また、ハウジング2にはターゲット6の周辺を覆う防着板10がボルト11により取り付けられている。そして、真空槽1内に放電ガスを充満させ、ターゲット6と基板間に所定の電圧を印加すると、電離したガスがターゲット表面から原子をはじき飛ばして、対向する基板側に薄膜を形成させる。自動化ラインにおいては、ハウジング2は水平方向に相当の長さを有し、ハウジング2の両側には前記構成の装置が複数設けられ、搬送されてきた多数の基板を同時にスパッタ可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スパッタ装置においては、ターゲット6が消費されるとこれを交換する必要がある。その場合、上記従来のスパッタ装置においては、先ず、真空槽1内の真空を解除した後、ボルト11を緩めて防着板10を取り外すと共に、ボルト9を緩めてバッキングプレート5を取り外した後、新しいターゲット6を固着したバッキングプレート5をボルト9により絶縁材7に固定し、防着板10をボルト11により取り付け、最後に真空引きを行う作業が必要であり、ターゲットの交換作業に多大の時間と労力を要していた。特に、近年、基板の大型化に伴ってターゲットが大型化し、バッキングプレートの重量及びボルトの本数が増大し、ターゲットの交換効率が著しく低下するという問題を有している。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、真空槽の真空を利用してバッキングプレートを密着させることにより、ボルトによる着脱作業を不要としターゲットの交換効率を向上させることができるスパッタ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明のスパッタ装置は、真空槽22を形成するハウジング23と、該ハウジング23に開口された開口部24と、該開口部24に対向して配置され、該開口部24に接離可能にされた支持架台25と、該支持架台25に設置されたスパッタ駆動装置26と、該スパッタ駆動装置26に着脱可能に固定されたバッキングプレート27及びターゲット29とを備え、前記支持架台25には、移動するための車輪35と上下に伸縮可能とするための伸縮機構34が設けられ、前記バッキングプレート27とハウジング23間にシール材31を介して絶縁材30を配設し、前記絶縁材30上にターゲットの周辺を覆う防着板36を固定したことを特徴とする。
以上
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のスパッタ装置の1実施形態を示す断面図である。
【0008】
本発明のスパッタ装置21は、概略、真空槽22を形成するハウジング23と、ハウジング23の下部に開口された開口部24と、この開口部24に対向して配置され、開口部24に接離可能にされた支持架台25と、支持架台25上に設置されたスパッタ駆動装置26と、スパッタ駆動装置26に着脱可能に固定されたバッキングプレート27と、バッキングプレート27上に固着されたターゲット29と、バッキングプレート27とハウジング23間に配設された絶縁材30と、絶縁材30とハウジング23及びバッキングプレート27間に挟着されたシール材31とから構成されている。
【0009】
ハウジング23は支持脚32により支持されている。支持架台25は、支持台33と、支持台33とスパッタ駆動装置26間に設けられた伸縮機構34と、支持台33に設けられた車輪35を備え、図示しない油圧シリンダ等の伸縮装置により上下に伸縮可能にされている。スパッタ駆動装置26は、水冷機構、マグネット、電源回路等を備えている。また、絶縁材30上には、ターゲット29の周辺を覆う防着板36が固定され、電気的にはハウジング23に接続されている。この防着板36は、スパッタリングにおけるプラズマ放電の安定化を図ると共に成膜対象以外への膜付着を防止するために設けられている。
【0010】
上記構成からなるスパッタ装置において、バッキングプレート27及びターゲット29の交換作業について説明する。真空槽22内の真空を解除すると、ハウジング23側に吸着されたいたスパッタ駆動装置26及び支持架台25は下降可能な状態となり、支持架台25を下降させて、バッキングプレート27を取り外しターゲット29を新しいもの交換する。ターゲット交換後、支持架台25を上昇させてバッキングプレート27を絶縁材30及びシール材31を介して開口部24周縁に当接させ、最後に真空引きを行うと、スパッタ駆動装置26には大気圧がかかるためバッキングプレート27とハウジング23間のシールは完全となる。従って、従来のようにバッキングプレートの着脱のためのボルトが不要となり、ターゲットの交換効率を向上させることができる。また、防着板36を絶縁材30に取り付けることができるため、防着板36の着脱作業をも不要にすることができる。
【0011】
図2は、本発明のスパッタ装置の他の実施形態を示す断面図である。なお、図1と同一の構成には同一番号を付けて説明を省略する。本実施形態は、ターゲット29をハウジング23の側面に配置する例で、そのために支持架台25は水平方向に移動可能にされ、開口部24に接離可能にされている。なお、ターゲット29をハウジング23の上部に配置することも可能であり、その場合には、支持架台25を図1と同様に伸縮可能にすると共に、クレーン等を用いてハウジング23の上部に配置するようにすればよい。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、真空槽の真空を利用してバッキングプレートを装着可能にすることにより、ボルトによる着脱作業を不要としターゲットの交換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタ装置の1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明のスパッタ装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】従来のスパッタ装置の1例を示す断面図である。
【符号の説明】
21…スパッタ装置、22…真空槽、23…ハウジング、24…開口部
25…支持架台、27…バッキングプレート、29…ターゲット
30…絶縁材、31…シール材、36…防着板
Claims (1)
- 真空槽(22)を形成するハウジング(23)と、該ハウジング(23)に開口された開口部(24)と、該開口部(24)に対向して配置され、該開口部(24)に接離可能にされた支持架台(25)と、該支持架台(25)に設置されたスパッタ駆動装置(26)と、該スパッタ駆動装置(26)に着脱可能に固定されたバッキングプレート(27)及びターゲット(29)とを備え、前記支持架台(25)には、移動するための車輪(35)と上下に伸縮可能とするための伸縮機構(34)が設けられ、前記バッキングプレート(27)とハウジング(23)間にシール材(31)を介して絶縁材(30)を配設し、前記絶縁材(30)上にターゲットの周辺を覆う防着板 ( 36 ) を固定したことを特徴とするスパッタ装置。
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JP33814896A JP4049341B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | スパッタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33814896A JP4049341B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | スパッタ装置 |
Publications (2)
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JPH10176266A JPH10176266A (ja) | 1998-06-30 |
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1996
- 1996-12-18 JP JP33814896A patent/JP4049341B2/ja not_active Expired - Fee Related
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