JP4049302B2 - 角度検出装置用ボビン構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、角度検出装置用ボビン構造に関し、特に、輪状ヨーク板のコアに対して複数の輪状巻線用ボビンを、巻線用板状肉厚部を介して所定の間隔で設け、この巻線用板状肉厚部の外周に巻線を巻回することにより、巻線を容易化するための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の角度検出器としては、一般に、複数のスリットを有する積層型の鉄芯に、励磁巻線と出力巻線とを巻回していた。
また、最近提案された角度検出器の固定子としては、図8に示されるように、固定子1上に設けられた複数の筒状コア14に、巻線4(6、7)を巻回したボビン10を嵌入していた。
さらに、各筒状コア14には、L字型をなす磁極板3が取付けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の角度検出器は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の鉄芯を用いた構成の場合、巻線機による巻線動作が複雑となり、複雑なプログラムによるニードルの動作制御をしなければならず、生産性の向上が困難であった。
また、図8の構成の場合、各々巻線を巻回したボビンを筒状コアに取付けなければならず、巻線の作業性と組立ての作業性の効率を向上させることが困難であった。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、輪状ヨーク板のコアに対して複数の輪状巻線用基板を、巻線用板状肉厚部を介して所定の間隔で設け、この巻線用板状肉厚部の外周に巻線を巻回することにより、巻線を容易化するようにした角度検出装置用ボビン構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による角度検出装置用ボビン構造は、輪状の固定子に励磁巻線とn相の出力巻線を設け、前記固定子に対して回転自在に設けられ前記固定子との間のギャップパーミアンスが回転角度θに対して正弦波状に変化する非真円形を有すると共に鉄心のみで巻線を有しない構成の回転子を用いたバリアブルリラクタンス型レゾルバ方式の角度検出装置用ボビン構造において、前記固定子は、複数のコアを有する輪状ヨーク板と、前記輪状ヨーク板に対し前記各コアを介して軸方向に所定の間隔で設けられた複数の輪状巻線用ボビン板と、前記輪状巻線用ボビン板の一面に形成され軸方向に突出する巻線用板状肉厚部とを備え、前記巻線用板状肉厚部の外周面に前記励磁巻線又は出力巻線を巻回するようにした構成であり、また、前記巻線用板状肉厚部は、非真円形よりなり、前記外周面は前記コアの外側に位置している構成である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による角度検出装置用ボビン構造の好適な実施の形態について説明する。なお、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用いて説明する。
図1において符号1で示されるものは全体が筒状をなす固定子であり、この固定子1の輪状ヨーク板20の複数のコア(図示していないが、図1では8個である)に対して、この輪状ヨーク板20とほぼ同径の6個の輪状巻線用ボビン板10,10a,10b,10c,10d,10eが軸方向に積層され、各輪状巻線用ボビン板10〜10eの各案内孔30に前記コアが貫通している。
【0007】
前記各輪状巻線用ボビン板10〜10eの一面には、図2の斜視図で示されるように、軸方向に沿って突出する板状の四角形又は楕円形(他の四角形等の非真円形も可)の形状をなす巻線用板状肉厚部31が突出して形成され、この巻線用板状肉厚部31は図1のように各輪状巻線用ボビン板10〜10eの各間隔を所定間隔に設定している。
前記各巻線用板状肉厚部31の外周面32には、図示しない巻線が巻回され、この外周面32が案内孔30すなわちコア14の外側に位置しているため大巻きを達成することができるように構成されている。
【0008】
前記輪状巻線用ボビン板10、10aには、励磁巻線4,4’が巻回され、前記輪状巻線用ボビン板10b、10c、10d及び10eには、出力巻線6,6’,7,7’が巻回されており、その巻線状態は図3に示される通りである。
【0009】
前述の図1の固定子1は、輪状ヨーク板20に対して6枚の輪状巻線用ボビン板10〜10eを用いて積層させているが、この6層型に対し、図6及び図7で示される4層型の輪状巻線用ボビン板10〜10cと輪状ヨーク板20を用いて構成することもできる。
尚、図1では図示していないが、図6で示されるように、コア14には磁極板が共働するように設けられている。
【0010】
また、前記励磁巻線4,4’及び出力巻線6,6’と7,7’の2X(Xは周知の軸倍角)の場合の巻線状態は、図4で示されるように構成されている。
尚、巻線の構造については、前述の2Xに限らず、図示していないが、3X、4X・・・等とすることができる。
また、本発明によるボビン構造を用いたレゾルバ等の角度検出装置は、図3で示されるように、非真円形で鉄心のみからなり巻線を有しない回転子50を用い、固定子1とのギャップパーミアンスが回転角度θに対して正弦波状に変化するように構成されている。
【0011】
【発明の効果】
本発明による角度検出装置用ボビン構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、輪状ヨーク板に複数の輪状巻線用ボビン板を巻線用板状肉厚部を介して積層させ、この巻線用板状肉厚部の外周面に巻線を巻回しているため、巻線の巻回が極めて容易で巻線時間を大幅に短縮することができるため、従来よりも生産性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による角度検出装置用ボビン構造を示す分解説明図である。
【図2】図1の要部の斜視図である。
【図3】図1のボビン構造を用いた角度検出装置の構成図である。
【図4】図3の巻線構成図である。
【図5】図3の他の巻線構成図である。
【図6】図1の他の形態を示す分解説明図である。
【図7】図6の固定子を組立てた状態を示す正面図である。
【図8】従来の角度検出装置の固定子の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 固定子
4 励磁巻線
6,7 出力巻線
10〜10e 輪状巻線用ボビン板
20 輪状ヨーク板
14 コア
31 巻線用板状肉厚部
32 外周面
Claims (2)
- 輪状の固定子(1)に励磁巻線(4)とn相の出力巻線(6,7)を設け、前記固定子(1)に対して回転自在に設けられ前記固定子(1)との間のギャップパーミアンスが回転角度θに対して正弦波状に変化する非真円形を有すると共に鉄心のみで巻線を有しない構成の回転子(50)を用いたバリアブルリラクタンス型レゾルバ方式の角度検出装置用ボビン構造において、
前記固定子(50)は、複数のコア(14)を有する輪状ヨーク板(20)と、前記輪状ヨーク板(20)に対し前記各コア(14)を介して軸方向に所定の間隔で設けられた複数の輪状巻線用ボビン板(10〜10e)と、前記輪状巻線用ボビン板(10〜10e)の一面に形成され軸方向に突出する巻線用板状肉厚部(31)とを備え、前記巻線用板状肉厚部(31)の外周面(32)に前記励磁巻線(4)又は出力巻線(6,7)を巻回するように構成したことを特徴とする角度検出装置用ボビン構造。 - 前記巻線用板状肉厚部(31)は、非真円形よりなり、前記外周面(32)は前記コア(14)の外側に位置していることを特徴とする請求項1記載の角度検出装置用ボビン構造。
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