JP4049279B2 - 電子写真用現像剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、プリンター等の電子写真法を応用した機器において、静電潜像を現像するのに用いられる静電荷現像剤に係わるものであり、より詳しくは特定の粒度及び形状特性を持つキャリア粒子を含有してなる静電荷現像用二成分現像剤に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は米国特許2297691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報などに種々開示されているとおり、一般には光伝導物質を含む感光体上に種々の手段により静電荷の電気的潜像を形成し、ついで該潜像を予めキャリアーや現像槽の器壁との接触で帯電しているトナーで粉像として現像し、必要に応じて紙などに該粉像を転写した後、加熱、加圧或いは溶剤蒸気などにより定着するものである。
【0003】
感光体の潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤としては、キャリアーとトナーとから成る二成分系現像剤が知られている。そして、二成分系現像剤を使用した現像方式としては、カスケード方式と磁気ブラシ方式とがあるが、高速現像法としては、磁性キャリアーを使用し、磁石上に形成されたブラシ状のキャリアーを感光体に接触させる磁気ブラシ方式が広く採用されている。この方式は、トナーの供給能力が高く磁気ブラシの先端が感光体に極めて近接した現像電極として作用するため、線画のみならずベタ黒の画面でも画質が良好であるという特徴を有する。
【0004】
また、磁性キャリアーとして、磁性体コア粒子の表面を樹脂被覆して成るコートキャリアーが提案され実用に供されている。斯かるコートキャリアーは、現像時トナーのスペント化が起こり難く、その結果、帯電量が安定し、現像剤の長寿命化が図れるという特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
二成分現像剤において磁性粒子をキャリアとして使用する場合、本来キャリアは現像時には磁気力によって現像機のスリーブ上にとどまり、現像剤中のトナーのみが感光体へと現像される。しかし、現像の高速化に伴い、また画質の向上を目的としてキャリア粒子を細かめに設定したり、飽和磁化の低いフェライト粒子を使用した場合、本来現像時にはスリーブから離れてはいけないキャリア粒子が感光体表面へ引かれる現象が発生するようになる。感光体面へ引かれたキャリアの一部は感光体上から回収系に回収される際に感光体に傷をつけたり、一部は紙上に転写され、画像欠陥として画質に悪影響を与える。また、感光体のソリッド部やハーフトーン部へと引かれたキャリアは、その周辺のトナーの紙への転写を妨げ、白抜けの原因となる。これらキャリア引きはプロセス速度が速く(例えば400mm/秒以上の場合)、スリーブの回転速度が速い系や、粒径の小さいキャリアを用いた場合に目立ち、キャリアの粒度分布から見ても全体の細かい粒径の部分がより引かれやすくなっている。高い画像濃度を得るために現像電位を大きくとった場合や、連続実写時に帯電量が上昇したり、トナー濃度が低めに推移した場合にもキャリア引きは発生しやすくなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討の結果、使用するキャリア粒子の粒度特性及び形状特性を特定の範囲に調整することによりキャリア引きが大幅に減少することを見出した。すなわち、本発明の要旨は、少なくともキャリア粒子並びに樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子からなる電子写真用現像剤において、該キャリア粒子が下記の条件を満足するフェライト粒子であることを特徴とする電子写真用現像剤
B−A>20
(ただし、Aは全キャリア粒子における、(幅)/(最大長径)が0.1〜0.8であるキャリア粒子の割合(%)を表し、Bは粒径が全キャリア粒子の平均粒径の75%以下であるキャリア粒子群における、(幅)/(最大長径)が0.1〜0.8であるキャリア粒子の割合(%)を表す。)に存する。
【0007】
本発明により現像時のキャリア引きを著しく抑え、帯電量、トナー濃度の変化に対しても白抜け等のない良好な画質を安定して提供し、感光体の傷、削れの少ない現像剤を得ることが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明現像剤で使用するキャリア粒子としてはフェライト系が好適に用いられる。平均粒径は60〜140μmのもの、より好ましくは80〜120μmのものが使用できる。キャリア粒子の表面は樹脂によってコーティングされていても良く、コーティング樹脂としてはシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂など公知の樹脂、或いはこれら樹脂の混合物を使用でき、単層または多層にコーティングしたものも使用できるが、中でもシリコン系、アクリル系、フッ素系樹脂が好適に使用できる。本発明の特徴は全キャリア粒子(以下、キャリア本体ともいう)と、キャリア本体の平均粒径の75%以下の粒径を持つ粒子群で形状特性が異なることにある。
【0009】
本発明で言うキャリア本体の平均粒径の75%以下の粒径を持つ粒子群とは平均粒径の75%の目開きの篩にてふるい分けた際の篩下に来る粒子群のことである。具体的には篩は内径100mmで目開きはJIS規格(JIS8801)に沿ったものを用いる。キャリア本体の平均粒径の75%の目開きが存在しない場合には、その径よりも小さく、最も近い目開きの篩を用いる。この篩でキャリア5gをミクロ形電磁振動ふるい機(M−100型 筒井理化学機器製)で5分間篩った後に篩を通過した粒子群を平均粒径の75%以下の粒径を持つ粒子群とする。キャリア本体の平均粒径はレーザ回折方式の粒度分布測定装置を用いて測定する体積平均粒子径である。コーティングキャリアの場合にはコーティング後の平均粒径を測定する。測定装置はシンパテック社製のレーザ回折方式粒度分布測定装置HEROSシステムでRODOS乾式分散ユニットを用い、圧力2bar、焦点距離200mm、測定時間2秒で測定した値である。
【0010】
粒子の形状は走査電子顕微鏡を用いて得られた2次元(平面)画像(倍率1000倍程度)より無作為に粒子を選択し、その粒子で最も長くなるように取った径(フェレー径の最大値)とその径の方向と直交する方向のフェレー径を測定し、前者を最大長径、後者を幅とする。キャリア本体と篩い下キャリアについてそれぞれ200個以上(通常250〜500個程度)の粒子について測定し、幅/最大長径比の個数分布を作成する。
【0011】
キャリア本体の中から任意に選んだ粒子の幅/最大長径比を測定し、その比の累積を取った時、幅/最大長径比が0.1〜0.8である粒子の個数の、測定した粒子全体の個数に対する割合をA%とする。キャリア本体の平均粒径の75%の目開きの篩いを通過した粒子に対して同様に幅/最大長径比を測定し、その比が0.1〜0.8である粒子の個数の、測定した篩い下粒子全体の個数に対する割合をB%とした時に、B−A>20である様に粒度特性、形状特性を調整する。B−Aは25以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。
【0012】
粒度特性の調整は通常、篩いを用いて行われ、目的に合わせた目開きの篩いを選定し平均粒径と分布を調整する。形状はコア形状特性の異なるキャリア同士を篩いで目的の粒径に篩い分けたものをブレンドする方法や、キャリアを磁性ドラムに付着させ、回転させる磁気選別操作を行うことで弱磁性物の分離と併せて球形から外れた粒子の量を調整する等の方法を用いることが出来るが、粒度特性、形状特性の調整の方法には制約が無く、どのような方法を用いても良い。
【0013】
本発明現像剤に用いるトナー粒子としては公知の物が使用でき、組成や粒径等に制約はないが、たとえば、以下のような物が使用できる。スチレン系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂及びこれらの混合樹脂等に着色剤と必要に応じて正、負の帯電制御剤、離型剤、その他の添加剤を溶融混練等の手段で分散させ、粒径5〜15μm程度に粉砕分級した物を用いることができる。また、懸濁重合、乳化重合等の重合法により、作られたトナー粒子を用いることもできる。これらトナー粒子の流動性、帯電特性等の調節のためにシリカ微粉末やマグネタイト微粉末、その他金属酸化物等をトナー粒子表面に外添しても良い。
【0014】
本発明現像剤はトナー粒子とキャリア粒子からなる二成分現像剤であり、これらの混合はボールミル、Vブレンダー等の混合装置を用いて行い、トナー粒子とキャリア粒子の混合比率はそれぞれの粒径により最適領域が変化するが、一般には1〜10wt%、好ましくは2〜8wt%の範囲で用いるのがよい。
【0015】
【実施例】
キャリア粒子の試作
フェライト粒子をミキサーの中でゆるやかな撹拌を加えながら溶媒に溶かしたシリコン系樹脂を樹脂分で1.5wt%スプレーしてフェライト粒子表面にコーティングし、減圧条件で溶媒を除去、乾燥した後、280℃で30分間被覆樹脂を硬化し、ベースキャリアを得た。このキャリア粒子に対して篩別と磁気選別を行い、形状分布が異なるNo.1〜No.6迄の6つのキャリア粒子(平均粒径はいずれも約100μm)を試作した。
【0016】
トナー粒子の試作
スチレンアクリル樹脂(三井東圧化学製 CPR600B) 100重量部
カーボンブラック(三菱化学製 MA100S) 8重量部
帯電制御剤(オリエント化学製 ボントロンP−51) 2重量部
ワックス(三洋化成製 T−P32M) 2重量部
【0017】
上記原料を二軸押し出し機を用いて溶融混練し、ジェットミルと気流式分級機を用いて平均粒径10μmの粒子を得、その粒子に高速ミキサーを用いてシリカ微粉末(日本アエロジル製R972)を0.3wt%外添し、正帯電トナーを得た。
上記キャリアとトナーをVブレンダーを用いてキャリア:トナーが97:3(トナー濃度3%)の重量比となるように混合し、現像剤を得た。
【0018】
実写試験
上記6つの現像剤を有機感光体を有するプロセス速度450mm/秒の複写機で3万ページの連続実写後にトナーの補給を止めて実写を行い徐々にトナー濃度を低下させ、トナー濃度が2%になった時点でのキャリア引きを比較した結果を表1に示す。
B−Aが20より大きい値を持つ現像剤はトナー濃度を低めにした場合でもキャリア引きが少なく、良好な画像が得られた。一方、B−Aが20より小さい値を持つ現像剤はキャリア引きを起こしやすく、ソリッドベタ部やハーフトン部に多数の白抜け状の画像欠陥が発生した。
【0019】
【表1】
表1
○:キャリア引きが非常に少なく良好なレベル
△:ある程度のキャリア引きは認められるが、実用上問題ないレベル
×:ソリッド部、ハーフトーン部に多数のキャリアが飛散し、白抜けとなり許容できないレベル
【0020】
【発明の効果】
本発明の現像剤はキャリア引きの起こしやすい高速現像条件や連続実写時の環境変化等でトナー濃度が不安定になった場合でもキャリア引きによる画像欠陥のない良好な画像を安定して供給することができる。
Claims (4)
- 少なくともキャリア粒子並びに樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子からなる電子写真用現像剤において、該キャリア粒子が下記の条件を満足するフェライト粒子であることを特徴とする電子写真用現像剤
B−A>20
(ただし、Aは全キャリア粒子における、(幅)/(最大長径)が0.1〜0.8であるキャリア粒子の割合(%)を表し、Bは粒径が全キャリア粒子の平均粒径の75%以下であるキャリア粒子群における、(幅)/(最大長径)が0.1〜0.8であるキャリア粒子の割合(%)を表す。)。 - 全キャリア粒子の平均粒径が60μmから140μmである請求項1に記載の電子写真用現像剤。
- 該キャリア粒子が樹脂で被覆されている請求項1または2に記載の電子写真用現像剤。
- 400mm/秒以上のプロセス速度の現像装置で使用される請求項1乃至3に記載の電子写真用現像剤。
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1997
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