JP4048919B2 - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、PDPは、視認性に優れた表示パネル(薄型表示デバイス)として注目されている。このPDPには大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主流を占めるようになってきている。
【0003】
その構造は、走査電極と維持電極とからなる表示電極を複数有する前面基板と、表示電極に対して直交する複数のデータ電極を有する背面基板とを、背面基板に形成した隔壁を挟んで対向させることで、表示電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成し、そしてその放電セル内に蛍光体層を備えたものである。
【0004】
また、放電セル内には放電ガスが封入されており、表示電極とデータ電極との間に印加する周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層に照射することで可視光が発せられ、画像表示が行われる(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」(株)工業調査会、1997年5月1日、例えばp79−p80
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような構成のPDPでは、駆動時にノイズが発生する場合がある。また、通常の環境下ではノイズが確認されないPDPであっても、標高が数千mの気圧の低い環境下で使用するとノイズを発生するようになるものもある。このようなノイズは、音圧が30dBを越えるとかなり耳障りになり、商品としての品質を著しく低下させるものである。
【0007】
このようなノイズが発生する原因は、以下のように考えられる。PDPは、前面基板と背面基板とが、背面基板上に形成した隔壁を挟んだ状態で、周辺部に形成された封着部材のみによって貼り合わされた構造であることから、隔壁と前面基板との間の当接状態が不十分となり隙間が生じる場合がある。ここで、PDPの表示電極とデータ電極とには、その駆動時において周期的な電圧が印加されるため、前面基板と背面基板との間には周期的な引力および/または斥力が作用することとなる。その結果、上述のような隙間が存在する場合、前面基板および/または背面基板は振動するようになり、それがノイズの原因になるというものである。
【0008】
ここで、上記のような隙間が発生する原因としては、前面基板と背面基板とは周辺部の封着部材によってのみで貼り合わされた構造であり、貼り合わせ時の封着部材の状態や、前面基板および/または背面基板の自身の平坦性によっては、隔壁との当接状態が不十分となることや、外気の気圧が低い地域、例えば標高の高い場所では、PDP内に封入した放電ガスの圧力によりPDPが膨れる方向に変形しようとすること、等が挙げられる。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、前面基板と背面基板とが隔壁で圧接する力を十分に確保することで、駆動時に発生するノイズを抑制するPDPを実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイパネルは、隔壁を挟んで対向する前面基板と背面基板とを有するプラズマディスプレイパネルであって、前面基板と背面基板とは画像表示領域外において封着部材により封着され、封着部部材は、第一封着部材と、第一封着部材の外側に位置し、第一封着部材より軟化点温度が高い材料によって、第一封着部材より高さが高く形成された第二封着部材とから構成され、前面基板の画像表示領域外の部分のみが、プラズマディスプレイパネルの内側に凹となる形状に弾性変形しており、前面基板の画像表示領域および背面基板は略平坦であるというものである
【0011】
また、上記目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、第一封着部材と、第一封着部材の外側に位置し、第一封着部材より軟化点温度が高い材料によって、第一封着部材より高さが高く形成された第二封着部材とから構成された封着部材を、画像表示領域外の部分に形成するステップと、前面基板と背面基板とを前記封着部材を介して重ね合わせて対向させるステップと、その状態から、背面基板を略平面に保ったまま、前面基板が第一封着部材と第二封着部材との両方に対して、密着性が良くなるように荷重を加えることで、前面基板の画像表示領域外の部分のみを、プラズマディスプレイパネルの内側に凹となる形状に弾性変形させるステップと、この状態を保ったまま、封着部材の封着材料を溶融させ前面基板と背面基板とを封着するステップと、を備えるものである
【0012】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、隔壁を挟んで対向する前面基板と背面基板とを有するプラズマディスプレイパネルであって、前面基板と背面基板とは画像表示領域外において封着部材により封着され、封着部部材は、第一封着部材と、第一封着部材の外側に位置し、第一封着部材より軟化点温度が高い材料によって、第一封着部材より高さ が高く形成された第二封着部材とから構成され、前面基板の画像表示領域外の部分のみが、プラズマディスプレイパネルの内側に凹となる形状に弾性変形しており、前面基板の画像表示領域および背面基板は略平坦であるプラズマディスプレイパネルである
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、第一封着部材と、第一封着部材の外側に位置し、第一封着部材より軟化点温度が高い材料によって、第一封着部材より高さが高く形成された第二封着部材とから構成された封着部材を、画像表示領域外の部分に形成するステップと、前面基板と背面基板とを前記封着部材を介して重ね合わせて対向させるステップと、その状態から、背面基板を略平面に保ったまま、前面基板が第一封着部材と第二封着部材との両方に対して、密着性が良くなるように荷重を加えることで、前面基板の画像表示領域外の部分のみを、プラズマディスプレイパネルの内側に凹となる形状に弾性変形させるステップと、この状態を保ったまま、封着部材の封着材料を溶融させ前面基板と背面基板とを封着するステップと、を備えるプラズマディスプレイパネルの製造方法である
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの概略構造を示す平面図である。また、図2は、本発明の一実施の形態のPDPの画像表示領域の一部の概略構成を示す断面斜視図である。また、図3は、本発明の一実施の形態によるPDPの概略構成を示す、図2におけるX方向の断面図である。また、図4は、本発明の一実施の形態によるPDPの、封着部材の概略構成を示す平面図である。
【0016】
PDP1は、一対の前面基板2と背面基板3とが、隔壁4を挟んで対向した構造である。
【0017】
前面基板2は、前面ガラス基板5の一主面上に形成したN本の走査電極6とN本の維持電極7とからなる表示電極8(N本目を示す場合はその数字を付す)と、その表示電極8を覆うように形成した誘電体層9と、さらにその誘電体層9を覆うように形成した、例えばMgOによる保護層10とを有する構造である。走査電極6と維持電極7は、透明電極6a、7aにバス電極6b、7bを積層した構造である。
【0018】
背面基板3は、背面ガラス基板11の一主面上に形成したM本のデータ電極12(M本目を示す場合はその数字を付す)と、そのデータ電極12を覆うように形成した誘電体層13と、誘電体層13上のデータ電極12の間に相当する位置に形成した隔壁4と、隔壁4間に形成した蛍光体層14R、14G、14Bとを有する構造である。
【0019】
そして、上述のように構成した前面基板2と背面基板3とを、表示電極8とデータ電極12とが直交するように隔壁4を挟んで対向し、周辺部、すなわち画像表示領域15外の部分の所定の箇所に形成した封着部材16により貼り合わせて封着することでPDP1を構成する。
【0020】
ここで封着部材16は、第一封着部材16aと、その外側に位置し、第一封着部材16aより軟化点温度の高い材料によって形成した第二封着部材16bとからなるものである。前面基板2と背面基板3とを、このような軟化点温度の違う第一封着部材16aと第二封着部材16bとを挟んで対向させ、封着する際には、図5(a)に示すように、前面基板2と背面基板3とが、その間に挟んだ第一封着部材16aと第二封着部材16bとに対して密着性が良くなるように、前面基板2と背面基板3とに挟み込むような荷重Fを加え、その状態で封着部材を溶融させるための加熱を行うのであるが、本発明の一実施の形態の場合、この加熱により、第一封着部材16aおよび第二封着部材16bが共に軟化した際、図5(b)に示すように、軟化の度合いは軟化点温度の高い第二封着部材16bの方が第一封着部材16aより小さく、その状態で前面基板2と背面基板3とを挟み込むような荷重が加えられていると、封着部において、封着部材の軟化の度合いに応じた前面基板2と背面基板3との間隔の差、すなわち、第一封着部材16aでの間隔が、第一封着部材16aの外側に位置する第二封着部材16bでの間隔より狭い状態、例えば図5(c)に示すような状態で封着されることとなる。その結果、例えば図3に示すように、前面基板2の画像表示領域15外の部分が、PDP1の内側に凹となる形状、すなわちPDP1の内側にへこんだ形状に弾性変形して貼り合わされた状態が得られる。
【0021】
そして、前面基板2と背面基板3と隔壁4により形成された放電空間17には、例えばNe−Xe5%の放電ガスが66.5kPa(500Torr)の圧力で封入されており、表示電極8とデータ電極12との交差する放電空間17が放電セル18(単位発光領域)として作用する。すなわち、点灯させようとする放電セル18において、表示電極8とデータ電極12の間、および表示電極8の走査電極6と維持電極7との間に、周期的な電圧を印加することで放電を発生させ、この放電による紫外線で蛍光体層14R、14G、14Bを励起して可視光を発生させる。そして各色の放電セル18の点灯、非点灯の組み合わせによって画像表示が行われる。
【0022】
以上のように、本発明の一実施の形態によるPDP1は、封着部材16は、第一封着部材16aと、第一封着部材16aより軟化点温度の高い材料からなる第二封着部材16bとからなり、且つ前面基板2および/または背面基板3の周辺部、すなわち画像表示領域15外の部分の所定の箇所に形成されており、第一封着部材16aと第二封着部材16bとの軟化点温度の違いによる軟化の度合いの違いに起因する封着部での前面基板2と背面基板3との間隔の差、すなわち、第一封着部材16aでの間隔が、第一封着部材16aの外側に位置する第二封着部材16bでの間隔より狭い状態で封着されることにより、前面基板2と背面基板3の少なくとも一方の基板の画像表示領域15外の部分を、PDP1の内側に凹となる形状に弾性変形させた状態に貼り合わせるというものである。
【0023】
このような構成のPDP1では、前面基板2と背面基板3の少なくとも一方の基板には、前面基板2と背面基板3とが隔壁4で圧接するような力が内在したものとなっている。また、上述のような内在する力は、画像表示領域15外の部分での弾性変形で生じていることから、PDP1の画像表示領域15の略平坦性は保たれたままである。すなわち、PDP1が元来有する、画像表示領域15が略平坦であることによる、外光等の移りこみが少ない、画像の歪みも少ない等の特長が維持されたままで、前面基板2と背面基板3とが隔壁4で圧接する力が増強されたものとなっている。
【0024】
ここで、上述のような封着後の、前面基板2と背面基板3との、第一封着部材16aでの間隔と第二封着部材16bでの間隔との差を、確実、且つ顕著にするという観点から、予め第二封着部材16bの厚みを第一封着部材16aより厚く、すなわち高く形成することが好ましい。
【0025】
また、第一封着部材16aと第二封着部材16bとのいずれか一方が、非晶質の低融点ガラス材料からなる、すなわち非晶質の低融点ガラス材料を主成分とする材料であることが好ましい。これは、封着部材として結晶質の低融点ガラス材料を用いた場合、結晶質の低融点ガラス材料は、軟化点以上の加熱によって結晶化が進み、一度結晶化すれば再度の加熱によっても軟化点温度では再軟化しないという特徴を有するが、その反面、結晶と結晶との界面が微少リークの原因となるという問題を有する場合があるため、そのような微少リークの問題を結晶粒界のない非晶質の低融点ガラス材料による封着層で抑制しようとするものである。ここで、非晶質ガラス材料としては、例えばPbO・B23が、また、結晶質ガラス材料としては、例えば、PbO・B23・ZnOが挙げられる。いずれも熱膨張係数の調整のために、Al23などの耐火物フィラーが混合される。
【0026】
以上説明したように、本発明の一実施の形態によるPDP1は、第一封着部材16aと、第一封着部材16aの外側に第一封着部材16aより軟化点温度の高い材料によって形成した第二封着部材16bとを挟んで対向させ、封着することで、軟化の度合いの違いに起因する封着部での前面基板2と背面基板3との間隔の差、すなわち、第一封着部材16aでの間隔が、第一封着部材16aの外側に位置する第二封着部材16bでの間隔より狭い状態で封着されることにより、前面基板2と背面基板3の少なくとも一方を、画像表示領域15外の部分をPDP1の内側に凹となる形状に弾性変形させた状態に構成したものであり、このことから、PDP1内外の気圧差とは別に、前面基板2と背面基板3とが隔壁4で圧接する力が、前面基板2、背面基板3の少なくとも一方に内在することとなる。したがって、PDP内外の気圧差が小さくなっても、前面基板2と隔壁4との間に隙間は生じ難く、その結果、隙間が原因と考えられるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0027】
なお、以上の説明においては、第一封着部材16aと、第一封着部材16aの外側に第一封着部材16aより軟化点温度の高い材料によって形成した第二封着部材16bとを挟んで対向させ、封着することで、図3に示すような、前面基板2の画像表示領域15外の部分をPDP1の内側に凹となる形状に弾性変形させた状態の構成を示したが、特にそのような構成に限るものではなく、例えば図6に示すような、背面基板3の画像表示領域15外の部分をPDP1の内側に凹となる形状に弾性変形させた状態で封着して構成することや、図7に示すような、前面基板2、背面基板3の両方の基板の画像表示領域15外の部分をPDP1の内側に凹となる形状に弾性変形させた状態で封着して構成しても、同様の効果を得ることができる。ここで、背面基板3における画像表示領域15外の部分とは、図6や図7に示すように、前面基板2における画像表示領域15に対応する背面基板3での領域15aより外の領域を指すものとする。
【0028】
また、上述の説明における、前面基板2と背面基板3の少なくとも一方の基板の画像表示領域15外の部分での弾性変形の形状は、前面基板2と背面基板3とが隔壁4で圧接するような力を、前面基板2、背面基板3の少なくとも一方の基板に内在させるものであれば、以上で説明したようなPDP1の内側に凹となる形状に限る必要はない。
【0029】
図8は、本発明の一実施の形態によるPDP1を用いて作製したプラズマ表示装置50の概略構成を示す斜視図であり、構成部品を分解した状態で示したものである。PDP1を収容する筐体は、前面枠51と金属製のバックカバー52とから構成され、前面枠51の開口部には光学フィルターおよびPDP1の保護を兼ねたガラス等からなる前面カバー53が配置されている。また、この前面カバー53には電磁波の不要輻射を抑制するために、例えば銀蒸着が施されている。さらに、バックカバー52には、PDP1等で発生した熱を外部に放出するための複数の通気孔52aが設けられている。
【0030】
PDP1は、アルミニウム等からなるシャーシ部材54の前面に熱伝導シート55を介して接着することにより保持され、そしてシャーシ部材54の後面側には、PDP1を表示駆動させるための複数の回路ブロック56が取り付けられている。前記熱伝導シート55は、PDP1で発生した熱をシャーシ部材54に効率よく伝え、放熱を行うためのものである。また、回路ブロック56はPDP1の表示駆動とその制御を行うための電気回路を備えており、PDP1の縁部に引き出された電極引出部に、シャーシ部材54の四辺の縁部を越えて延びる複数のフレキシブル配線板(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0031】
また、シャーシ部材54の後面には、回路ブロック56を取り付け、バックカバー52を固定するためのボス部54aがダイカスト等による一体成型により突設されている。なお、このシャーシ部材54は、アルミニウム平板に固定ピンを固定して構成してもよい。
【0032】
以上のように構成したプラズマ表示装置50は、本発明の一実施の形態のPDP1を用いたものであることから、標高の高い、気圧の低い環境下での使用時においても、ノイズを発生することがない。
【0033】
次に、本発明の効果を検証するために、上述の実施の形態に基づいてPDPを作製し、従来のPDPと比較した結果について述べる。なお、サイズは42”(インチ)である。
【0034】
本発明の一実施の形態によるPDPは、第一封着部材16aとして軟化点温度390℃の非晶質の低融点ガラス材料を、また第二封着部材16bとして軟化点温度410℃の非晶質の低融点ガラス材料を使用した(以降、このPDPをパネルAとする)。また比較対象として、封着部材として、従来のような軟化点温度390℃の非晶質の低融点ガラス材料を使用したものを作製した(以降、このPDPをパネルBとする)。
【0035】
封着はピーク温度を450℃に設定し、30分保持して行った。その後の排気工程では、パネル内を10-5Pa程度まで真空に引いた後、ピーク温度を370℃にまで昇温し、その状態で6時間保持した。放電ガスは、Ne(95%)−Xe(5%)を66.5kPa(500Torr)で封入した。
【0036】
以上により作製したパネルBは、高度2000m以上の高地においてノイズが大きく、またPDPが膨らんでいることを確認した。
【0037】
一方、パネルAは、高度2000m以上の高地においてもノイズが大きくなることがなく、また、PDPも膨らんでいないことを確認した。このことから、前面基板と隔壁との圧接状態は良好であると考えられる。
【0038】
上述の結果は、パネルAでは、前面基板と背面基板の少なくとも一方が、前面基板と背面基板とが隔壁で圧接するような力を内在することとなったため、例えばPDP内外の気圧差が小さくなるような場合であっても、前面基板と隔壁との間に隙間は生じ難くなっているためであると考えられる。
【0039】
以上述べたように、本発明のPDPは、第一封着部材16aと、第一封着部材16aの外側に第一封着部材16aより軟化点温度の高い材料によって形成した第二封着部材16bとを挟んで対向させ、封着することで、前面基板2と背面基板3の少なくとも一方が、画像表示領域15外の部分を弾性変形させた状態としたものであり、画像表示領域15の略平坦性を確保したまま、前面基板2と背面基板3とが隔壁4で圧接する力を前面基板と背面基板の少なくとも一方が内在した構成となっている。したがって、例えばPDP内外の気圧差が小さくなるような場合であっても、前面基板2と隔壁4との間に隙間は生じ難く、その結果、隙間が原因と考えられるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0040】
なお、以上の説明における画像表示領域15外の部分とは、厳密に画像表示領域15外の部分全てを指すものではなく、画像表示領域15外の部分の一部だけの場合であっても、画像表示領域15外の部分と表現するものである。例えば、「画像表示領域15外の部分を弾性変形させた」という表現は、画像表示領域15外の部分の全てを弾性変形させた場合のみを指すのではなく、画像表示領域15外の部分の一部のみを弾性変形させた場合も含むものである。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画像表示領域の略平坦性が保たれたまま、駆動時に発生するノイズを抑制することが可能なPDPを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構造を示す平面図
【図2】 本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの画像表示領域の一部の概略構成を示す断面斜視図
【図3】 本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面図
【図4】 本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルにおける封着部材の構成を示す平面図
【図5】 本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルにおける封着の工程の概略を説明する図
【図6】 本発明の他の実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面図
【図7】 同じく、本発明の他の実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面図
【図8】 本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルを用いたプラズマ表示装置の概略構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネル
2 前面基板
3 背面基板
4 隔壁
5 前面ガラス基板
9 誘電体層
11 背面ガラス基板
13 誘電体層
15 画像表示領域
16 封着部材
16a 第一封着部材
16b 第二封着部材

Claims (2)

  1. 隔壁を挟んで対向する前面基板と背面基板とを有するプラズマディスプレイパネルであって、
    前面基板と背面基板とは画像表示領域外において封着部材により封着され、
    封着部部材は、第一封着部材と、第一封着部材の外側に位置し、第一封着部材より軟化点温度が高い材料によって、第一封着部材より高さが高く形成された第二封着部材とから構成され、
    前面基板の画像表示領域外の部分のみが、プラズマディスプレイパネルの内側に凹となる形状に弾性変形しており、
    前面基板の画像表示領域および背面基板は略平坦である
    プラズマディスプレイパネル
  2. 第一封着部材と、第一封着部材の外側に位置し、第一封着部材より軟化点温度が高い材料によって、第一封着部材より高さが高く形成された第二封着部材とから構成された封着部材を、画像表示領域外の部分に形成するステップと、
    前面基板と背面基板とを前記封着部材を介して重ね合わせて対向させるステップと、
    その状態から、背面基板を略平面に保ったまま、前面基板が第一封着部材と第二封着部材との両方に対して、密着性が良くなるように荷重を加えることで、前面基板の画像表示領域外の部分のみを、プラズマディスプレイパネルの内側に凹となる形状に弾性変形させるステップと、
    この状態を保ったまま、封着部材の封着材料を溶融させ前面基板と背面基板とを封着するステップと、
    を備えるプラズマディスプレイパネルの製造方法
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