JP4048719B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの制御装置に関し、詳細には、車両に搭載されるエンジンにおいて、大気圧及び気温の変化などに応じて変化する空気密度をスロットル制御に反映させることにより、目標エンジントルクを高精度に実現するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、運転条件に対応したエンジントルク指令値に基づいてスロットル開度目標値を設定し、電子制御式スロットル弁によりこの開度目標値を達成するものがある(特開平9−287507号公報参照)。
ここで、高地又は熱地走行時においては、吸入空気の密度が低下するため、一定のスロットル開度及びエンジン回転数で得られるエンジントルクは、低下する。上記従来技術は、その対策として、大気圧及び吸気温度を検出し、気圧及び気温に関する各種補正係数によりスロットル開度目標値(目標開口面積)を補正することにより、エンジントルクの低下を防止する方法を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、大気圧や吸気温度を検出するための特別なセンサを、各パラメータ毎に設置する必要があり、コストアップが避けられない。
また、気圧に関する補正係数マップと、気温に関する補正係数マップとの両方が必要となり(各パラメータ毎に個別の補正係数算出用マップが必要となり)、制御系の構成が複雑化する。
【0004】
さらに、エンジントルクの変化率とスロットル開度(開口面積)の変化率とは非線形な関係であるため、全運転領域に渡って一律な補正係数を用いた均一な補正ができない(運転領域により補正の効き具合が異なる)。
このような実情に鑑み、本発明は、コストの上昇を招くことなく、簡単な構成により空気密度の変化をスロットル制御に反映できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、空気密度の変化を、全運転領域に渡って普遍的に適用可能な補正係数により簡易に反映できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明に係るエンジンの制御装置は、請求項1に記載のように、
電子制御式スロットル弁と、
運転者の意思に基づいてエンジントルク指令値を算出するエンジントルク指令値算出手段と、
該エンジントルク指令値算出手段が算出したエンジントルク指令値に基づいてスロットル開度指令値を算出するスロットル開度指令値算出手段と、を含んで構成されるエンジンの制御装置において、
質量計量式エアフローセンサと、
該エアフローセンサが検出した吸入空気量に基づいてエンジントルク推定値を算出するエンジントルク推定値算出手段と、
該エンジントルク推定値算出手段が算出したエンジントルク推定値と、前記エンジントルク指令値との乖離量を算出し、該乖離量に基づいて前記エンジントルク指令値を補正することにより、前記スロットル開度指令値を調整するスロットル開度指令値調整手段と、
スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段と、を設け
前記スロットル開度指令値調整手段は、前記スロットル開度検出手段が検出したスロットル開度が所定開度よりも小さいか又は前記冷却水温度検出手段が検出した冷却水温度が所定温度よりも低い場合に、前記エンジントルク指令値の補正値の変化率を、0とすることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記スロットル開度指令値調整手段は、請求項に記載のように、前記乖離量として前記エンジントルク推定値と前記エンジントルク指令値との比を求め、該比に基づく補正率を前記エンジントルク指令値に乗ずるとよい。
【0008】
前記エンジントルク指令値の補正率は、請求項に記載のように、所定の上限値以下に制限するのが好ましい。
ここで、前記上限値は、請求項に記載のように、スロットル全開状態にあるときのエンジントルクの、スロットル半開状態にあるときのエンジントルクに対する比以下とするとよい。
【0009】
前記エンジントルクの補正率は、エンジンに求められる特性に応じて、請求項に記載のように1以上に制限するのが好ましい。
本発明の具体的な形態においては、請求項に記載のように、前記スロットル開度指令値調整手段が、エンジン回転数及びスロットル開度に応じてエンジントルクを割り付けた第1のマップに基づいて前記スロットル開度指令値を算出し、前記エンジントルク推定値算出手段が、前記第1のマップと同一気圧かつ同一気温の条件下でエンジン回転数及び吸入空気量に応じてエンジントルクを割り付けた第2のマップに基づいて前記エンジントルク推定値を算出する。
【0010】
前記スロットル開度指令値調整手段は、請求項に記載のように、前記乖離量に基づく積分演算を含んで前記エンジントルク指令値を補正するのが好ましい。
前記スロットル開度指令値調整手段においては、前記エンジントルク指令値の補正値の変化率を、請求項に記載のように所定範囲内に制限するのが好ましい。ここで、「エンジントルク指令値の補正値の変化率」とは、エンジントルク指令値の補正値の一制御周期当たりの変化量である。なお、本発明の特定の形態においては、ここでいう「補正値」は、「エンジントルク指令値の補正率」と同義である。
【0011】
前記スロットル開度指令値調整手段においては、前記エンジントルク指令値の補正値の変化率を、請求項9に記載のように定数としてもよい。
【0012】
本発明に係るエンジンの制御装置は、請求項10に記載のように、スロットル開度指令値調整手段が、前記エンジントルク指令値算出手段が算出したエンジントルク指令値に遅れ処理を施し、その結果算出された値と、前記エンジントルク推定値とに基づいて、前記スロットル開度指令値を調整してもよい。
本発明に係るエンジンの制御装置は、請求項11に記載のように、前記スロットル開度指令値調整手段を、イグニッションスイッチを切った後も記憶した情報を保持するバックアップメモリーを含んで構成されるのが好ましい。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、次の効果を得ることができる。
大気圧の低下や気温の上昇などにより空気密度が減少すると、それに伴って吸気密度が減少するため、同一体積流量当たりの吸入空気量(質量流量)は、減少する。逆に、空気密度が増加すると、上記吸入空気量は、増加する。
【0014】
ここで、本発明に係るエンジントルク推定値は、質量計量式エアフローセンサが検出した吸入空気量に基づいて算出されるものであり、空気密度の変化に応じて変化する実際のエンジントルクに対応する。
さらに、本発明に係るスロットル開度指令値の調整は、前述のように空気密度の変化に応じて変化するエンジントルク推定値と、運転条件に基づいて算出されるンジントルク指令値(目標エンジントルク)との乖離量に基づいてなされる。このため、スロットル開度指令値の調整には、運転条件に応じたエンジントルク指令値(目標エンジントルク)に対するエンジントルク推定値の、空気密度の変化に応じた不足(又は過剰)分が反映される。
【0015】
従って、本発明によれば、スロットル開度指令値について、空気密度の変化が補償される。このため、高地、熱地又は寒冷地などでの運転に際しても、標準条件(一般的には、低地相当の気圧及び標準気温)におけると同等な運転性(トルク出力特性)を得ることができる。
また、本発明は、エンジン制御において燃料噴射制御のために通常備わる質量計量式エアフローセンサを利用し、このエアフローセンサにより、気圧の変化による空気密度の変化にも、また、気温の変化による空気密度の変化にも対応可能なものである。
【0016】
従って、本発明によれば、大気圧センサや吸気温度センサなどの特別なセンサを追加する必要がなく、経済的である。さらに、スロットル開度指令値の補正係数を、気圧及び気温などのパラメータ毎に設定する必要もないので、構成の簡素化を図ることができる。
【0017】
また、本発明によれば、スロットル開度指令値の調整が、エンジントルク指令値に基づいて算出されたスロットル開度指令値の補正によるのではなく、エンジントルク指令値の補正により行われる。
ここで、空気密度の減少とエンジントルクの低下とは、線形な関係にある。一方、スロットル開度の変化率とエンジントルクの変化率とは、エンジントルクの変化率がスロットル開度の絶対値毎に変化するという非線形な関係にある。このため、スロットル開度指令値の補正による場合には、この非線形性を補償するために補正係数をスロットル開度毎に設定するなどの措置を講ずる必要がある。
【0018】
従って、本発明のように、スロットル開度指令値の調整に際してエンジントルク指令値を補正するという構成を採用すれば、このような煩わしさがなくなり、構成を簡単にすることができる。
さらに、本発明によれば、エアフローセンサの検出精度が低下し、エンジントルク推定値の誤差が大きくなる傾向がある低スロットル開度時において、上記変化率が0となる。また、エンジントルク推定値の誤差は、低温時においても、フリクション、冷機時噴射量補正及び不安定燃焼などの影響により大きくなる傾向があり、この場合にも上記変化率は0となる。
従って、大きな誤差を含むエンジントルク推定値に基づくスロットル開度指令値の不的確な調整を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、空気密度の減少とエンジントルクの低下との線形な関係に基づいて、スロットル開度指令値を、非常に簡単に調整することができる。すなわち、エンジントルクは、空気密度の変化(例えば、減少)に応じて、スロットル開度及びエンジン回転数に対応した領域の全域において同じ割合で低下する。このため、この領域のどの部分にあっても、空気密度が一定であれば、エンジントルク指令値に同じ補正率を乗じることにより、スロットル開度指令値を調整することができる。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、次の効果を得ることができる。
本発明は、同一運転条件下でも、高地又は熱地での運転に際してはスロットル開度を大きめにすることで、標準条件におけると同等のトルク出力特性を得ようとするものである。そして、エンジントルク指令値に対して、空気密度の全減少分を乗じることも可能であり、スロットル開度指令値を調整した結果、スロットル開度が全開に達してしまう可能性がある。このような場合には、たとえアクセルを更に踏み込んだとしてもエンジントルクがそれ以上は増加しないトルク不感帯ができる。このトルク不感帯が大きいと、運転者に違和感を与える。
【0020】
そこで、エンジントルク指令値の補正率に上限を設けることにより、エンジントルクの低下が大きい場合には、その低下分のすべてを補償することはできないものの、トルク不感帯の過度な拡大が抑えられ、運転者への違和感を軽減することができる。
請求項に記載の発明によれば、エンジントルク指令値の補正を最大限発揮させたとしても、トルク不感帯をスロットル弁可動域の半分程度に抑えることが可能である。このため、アクセルを約半分まで踏み込むまでの比較的広い範囲内でエンジントルクを調節可能とし、その間運転者に違和感を与えずに済む。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、寒冷地などにおいて空気密度が増加しても、エンジントルク指令値の補正が出力抑制側には働かないようになる。このため、動力性能を重視したい車両においては、そのエンジンの動力性能を最大限活用することができる。
請求項に記載の発明によれば、第1のマップを作成するための全性能トルク測定と、第2のマップを作成するための全性能トルク測定とを、並行して行うことができる。このため、スロットル開度指令値の調整制御系を構築するための作業工程数の増加を抑えることができる。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、エンジントルク推定値の乖離量に基づく積分演算を含んでエンジントルク指令値を補正することにより、エンジントルク推定値とエンジントルク指令値とを一致させ、空気密度の減少分をすべて補うことができる。
請求項に記載の発明によれば、エアフローセンサが故障して、その検出信号が急激に変化しても、本発明に係る調整によるスロットル開度指令値の過剰な変化を容易に防止し、エンジントルクの急激な変化を防止することができる。
【0023】
また、このための制御は、エンジントルク指令値の補正値の変化率を所定範囲内に制限するだけであり、容易に付加することができるので、エアフローセンサの故障に対して、極めて簡易かつ低廉にフェールセーフが補償される。
さらに、アクセル操作量が大きくが変更されると、エンジンの過渡的な応答により、エンジントルク推定値とエンジントルク指令値との間に大きなズレが生じる。また、エアフローセンサ信号のノイズを拾うなどして、調整の結果、スロットル開度指令値が細かく変動したりもする。そして、スロットル弁が本来の動き以外の動きをし、運転者に違和感を与える可能性がある。
【0024】
本発明によれば、エンジントルク指令値の補正値の変化率を所定範囲内に制限することにより、上記運転条件の変更又はノイズに対して、スロットル弁の不要な動きを容易に抑制し、運転者への違和感を軽減することができる。
請求項に記載の発明によれば、エアフローセンサの故障に対するフェールセーフ、及び運転条件の変更又はノイズに基づくスロットル弁の不要な動きの抑制を、極めて簡単な構成で実現することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、スロットル開度指令値の調整に際してエンジントルク指令値に遅れ処理が施され、吸気系の応答及びエアフローセンサの検出に要した遅れが反映される。これにより、スロットル開度指令値を正確に調整することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、イグニッション(IGN)スイッチを切るときにスロットル開度指令値の調整に関連する情報を、バックアップメモリーに記憶しておく。そして、次にIGNスイッチを入れるときには、記憶している情報を初期情報とする。これにより、上記関連情報を標準条件から現在の空気密度に対応させるための作業が不要となり、スロットル開度指令値の調整を直ちに開始することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエンジン1の制御装置のハードウェア的な構成の概略を示している。
図1に示すように、エンジン1の吸気通路2には、図示しないエアクリーナの下流に熱線式エアフロメータ31が取り付けられており、その更に下流に電子制御式スロットル弁3が配置されている。
【0029】
エアフロメータ31は、吸入空気の質量流量を測定する形式のもので、本発明に係る質量計量式エアフローセンサの一形態である。なお、エアフローセンサとしては、熱線式の他に、ホットフィルム式のものなどを採用することが可能である。
スロットル弁3は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)21からの指令信号により制御される。
【0030】
ECU21は、記憶装置として、IGN(イグニッション)スイッチ41を切った後も記憶した情報がクリアされることのないバックアップメモリー23を備えている。
ECU21へは、運転条件として、アクセル開度センサ32から、運転者の意思を表すアクセル操作量としてのアクセル開度APOが入力される。また、エンジン1の運転状態として、エアフローメータ31から吸入空気量Qaが、スロットル開度センサ33からスロットル開度TVOが、エンジン回転数センサ34からエンジン回転数Neが、水温センサ35から冷却水温度(以下「水温」という)Twが入力される。なお、スロットル開度センサ33は、本発明に係るストットル開度検出手段を、水温センサ35は、本発明に係る冷却水温度検出手段を構成する。
【0031】
そして、ECU21は、これらの各種制御情報に基づいてスロットル弁3を制御する。
次に、ECU21のソフトウェア的な構成及び機能について、図2を参照して説明する。
ECU21には、記憶装置に第1のマップm1と第2のマップm2とが格納されている。
【0032】
第1のマップm1は、本発明に係るエンジントルク指令値算出手段を構成するものであり、標準条件(低地相当の気圧及び標準気温)において実施した全性能トルク測定により得られたデータに基づいて作成されたものである。具体的には、図3に示すように、エンジン回転数Neとスロットル開度TVOとに応じてエンジントルクTeを割り付けてある。
【0033】
ECU21は、エンジン回転数Ne及び(スロットル開度TVOの代わりに)アクセル開度APOを読み込む。そして、これらの制御情報を基に第1のマップm1を参照し、現在のエンジン回転数Ne及びアクセル開度APOに対応するエンジントルクを基本エンジントルク指令値tTeとして算出する。基本エンジントルク指令値tTeは、フィルタ処理部101と、後述する乗算部102とに入力される。
【0034】
一方、第2のマップm2は、本発明に係るエンジントルク推定値算出手段を構成するものであり、第1のマップm1に対して、スロットル開度TVOの代わりに、標準条件における吸入空気量Qaをパラメータとしたものに相当する。また、第2のマップm2の作成のためのデータは、エンジン制御構築作業の過程において、第1のマップm1の作成のための測定作業と並行して測定したものである。具体的には、図4に示すように、エンジン回転数Neと吸入空気量Qaとに応じてエンジントルクTeを割り付けてある。
【0035】
ECU21は、エンジン回転数Ne及び吸入空気量Qaを読み込む。そして、これらの制御情報を基に第2のマップm2を参照し、現在のエンジン回転数Neと吸入空気量Qaとに対応するエンジントルクを算出する。算出されたトルク値は、エンジントルク推定値eTeとして後述する除算部103に入力される。
フィルタ処理部101は、公知の一次遅れ処理又は無駄時間処理により、基本エンジントルク指令値tTeに遅れを持たせるものである。ここで、基本エンジントルク指令値tTeについて、スロットル制御及びこれに伴う吸入空気量の変化における遅れ、及びエアフローメータ31の検出遅れが補償される。なお、後述するエンジントルク補正値(μ)の変化速度を充分に小さくした場合には、フィルタ処理部101を省略することも可能である。フィルタ処理後のエンジントルク指令値tTe’は、次の除算部103に入力される。
【0036】
除算部103には、フィルタ処理後のエンジントルク指令値tTe’と、第2のマップm2を参照して算出されたエンジントルク推定値eTeとが入力される。そして、エンジントルク推定値eTeをエンジントルク指令値tTe’で除して得られた値を、エンジントルク変化率dT(=eTe/tTe’)としてエンジントルク補正率演算部104に入力する。なお、エンジントルク変化率dTは、本発明に係る乖離量に相当する。
【0037】
エンジントルク補正率演算部104は、バックアップメモリー23と相互に通信可能である。エンジントルク補正率演算部104に対しては、エンジン1が所定の運転状態にあるときに補正値更新禁止指令が発生され、また、補正上限値L1及び補正下限値L2が設定される。
補正値更新禁止指令は、補正値更新禁止条件設定部105により、スロットル開度TVOが所定開度より小さいか又は水温Twが所定温度より低い場合に発生される。
【0038】
エンジントルク補正率演算部104は、後述するフローチャート(図5又は9)に従って、補正下限値L2から補正上限値L1までの範囲内に収まるエンジントルク補正率μを算出し、演算結果をバックアップメモリー23に随時記憶させる。ここで、エンジントルク補正率演算部104は、補正値更新禁止条件設定部105から補正値更新禁止指令が発生されている場合には、エンジントルク補正率μを更新せず、前回の演算において算出したものを出力する。エンジントルク補正率μは、次の乗算部102に入力される。なお、本実施形態において、エンジントルク補正率μは、「基本エンジントルク指令値tTeの補正値」と同義である。
【0039】
乗算部102には、基本エンジントルク指令値tTeとエンジントルク補正率μとが入力される。乗算部102は、これらの入力値を乗じて算出した値(=tTe×μ)を、補正後エンジントルク指令値aTeとして、第1のマップm1に入力する。
以上、バックアップメモリー23、フィルター処理部101、乗算部102、除算部103、エンジントルク補正率演算部104及び補正値更新禁止条件設定部105は、本発明に係るスロットル開度指令値調整手段を構成する。
【0040】
補正後エンジントルク指令値aTeは、この後に再び第1のマップm1に入力される。このとき、エンジン回転数Neも入力される。そして、これらの入力値に基づいて、逆変換によりスロットル開度指令値dTVOを算出する。この逆変換の際に参照される第1のマップm1は、本発明に係るスロットル開度指令値算出手段を構成する。
【0041】
そして、ECU21は、公知のフィードバック制御により、スロットル開度指令値dTVOと実スロットル開度(スロットル開度センサ出力)TVOとの偏差に基づく操作量を出力して、スロットル弁3を目標開度に制御する。
ここで、第1のマップm1及び第2のマップm2によるスロットル開度指令値dTVOの算出方法について、詳細に説明する。
【0042】
一般的に、エンジンの全性能トルクは、標準条件下で測定される。そして、この際に測定されるエンジントルク、エンジン回転数、スロットル開度及び吸入空気量(エアフローセンサの検出値)は、一義的な関係を有する。すなわち、標準条件下では、エンジントルク及びエンジン回転数が一定であれば、スロットル開度と吸入空気量とは、1対1の関係で対応する。
【0043】
ここに、上記全性能トルク測定データに基づいて第1のマップm1及び第2のマップm2を作成する。そして、基本エンジントルク指令値tTeに基づいて第1のマップm1を参照して求めたスロットル開度指令値dTVOにより、スロットル弁3を制御したとする。そうすると、このときのスロットル開度での吸入空気量に基づいて第2のマップm2を参照して求められるエンジントルク推定値eTeは、定常的には、上記基本エンジントルク指令値tTeと一致することとなる。
【0044】
ところが、高地などにおいて空気密度が減少すると、質量計量式エアフローセンサ31の同一体積流量当たりの検出値Qaは、標準条件におけるよりも減少する。そして、エンジントルク推定値eTeは、これに対応するように低下し、基本エンジントルク指令値tTeよりも低くなる。
本発明によれば、第2のマップm2を参照して求まるエンジントルク推定値eTeの基本エンジントルク指令値tTeに対する低下分(=dT)が、空気密度の減少分として基本エンジントルク指令値tTeの補正に反映される。そして、スロットル開度指令値dTVOは、第1のマップm1を参照して、補正後エンジントルク指令値aTeに基づいて求められる。このため、スロットル開度指令値dTVOにおいて、空気密度の減少分を補償することができるのである。
【0045】
このような構成を採用すれば、第1のマップm1を作成するための全性能トルク測定と、第2のマップm2を作成するための全性能トルク測定とを、並行して行うことができ、スロットル開度指令値の調整(エンジントルク指令値の補正)制御系を構築するための作業工程数の増加を抑えることができる。
次に、エンジントルク補正率演算ルーチンについて説明する。
【0046】
図5は、本実施形態に係るエンジントルク補正率演算ルーチンのフローチャートである。
S(ステップ)1では、補正値更新条件が成立しているか否かを判定する。ここで、補正値更新禁止条件設定部105により補正値更新禁止指令が発生されていなければ、更新条件が成立していると判定し、S2へ進む。一方、補正値更新禁止指令が発生されていれば、更新条件は不成立と判定し、本ルーチンをリターンする。従って、本ルーチンにおいてエンジントルク補正率μの変化量は0とされ、前回演算したエンジントルク補正率μn−1が維持される。
【0047】
S2では、エンジントルク変化率dTが100−α(%)よりも小さいか否かを判定する。ここで、αは、エンジントルク推定値の変動に対する不感帯を設定するためのものであり、2〜3%に設定しておくことにより、誤差に基づく変化率dTの変動による演算の実施を防止する。エンジントルク変化率dTが100−α(%)よりも小さい場合には、S3へ進み、一方、エンジントルク変化率dTが100−α(%)以上である場合には、S5へ進む。
【0048】
S3では、エンジントルク補正率μの更新幅βを算出する。ここで、更新幅βは、エンジントルク変化率dTを1から減じた値に、係数(ゲイン)Kを乗じて算出される(β=K×(1−dT))。但し、リミッタとして上限値βmaxを設定することにより、一制御周期当たりのエンジントルク補正率μの変化量(すなわち、更新幅β)を、上限値βmax以下に抑えている。上限値βmaxは、例えば、エンジントルク補正率μが1(100%:補正なし)から1.2(120%)に達するまでに5分程度かかる値に設定する。なお、更新幅βは、本発明に係るエンジントルク指令値の補正値の変化率に相当する。
【0049】
続くS4では、エンジントルク補正率の前回値μn−1に更新幅βを加えて、エンジントルク補正率μを更新する。
一方、S5では、エンジントルク変化率dTが100+α(%)よりも大きいか否かを判定する。ここで、αは、上記αを同値であり、エンジントルク推定値の変動に対する不感帯を形成する。エンジントルク変化率dTが100+α(%)よりも大きい場合には、S6へ進み、一方、エンジントルク変化率dTが100+α(%)以下である場合には、S8へ進む。
【0050】
S6では、エンジントルク補正率μの更新幅βを算出する。ここでの更新幅βも、前述同様にして算出される(β=K×(1−dT))。但し、リミッタとして下限値βmin(βmin<0)を設定することにより、一制御周期当たりのエンジントルク補正率μの変化量(すなわち、更新幅β)を、下限値βmin以上に制限している。これにより、寒冷地などに移動して、エンジントルク推定値eTeが相当に大きくなった場合でも、スロットル開度TVOが確実に減少される。下限値βminは、例えば、エンジントルク補正率μが1.2(120%)から1(100%:補正なし)に戻るまでに5分程度かかる値に設定する(βmax=−βmin)。
【0051】
続くS7では、エンジントルク補正率の前回値μn−1に更新幅βを加えて、エンジントルク補正率μを更新する。
このように、エンジントルク補正率演算ルーチンは、前回演算されたエンジントルク補正率μn−1に対して更新幅βを加算するという積分演算を含んで構成される。
【0052】
そして、算出したエンジントルク補正率μは、バックアップメモリー23に随時記憶される。記憶された補正率μは、前述の通り、IGNスイッチ41を切った後もクリアされない。そして、次にIGNスイッチ41を入れたときには、スイッチオフ直前に記憶した補正率μを初期値として利用し、基本エンジントルク指令値tTeの補正を直ちに開始する。
【0053】
仮に、このようなバックアップメモリーなしにECU21を構成したとすると、IGNスイッチ41を入れる度にエンジントルク補正率μを更新し、現状の空気密度に対応させる必要が生じる。そうすると、補正率μを積分演算を含んで算出したり、上記のように更新幅βを制限したりする場合には、現状との対応に相当の時間を要し、補正が有効に機能しない時間が長期化してしまう。また、補正値更新禁止条件を設定する場合には、更新が禁止される度に対応が遅れ、補正が有効に機能しない時間は、さらに長期化する。
【0054】
なお、空気密度に関連する高地や熱地などの地理的条件は、車両が移動しない限り補正すべき条件ではない。このため、IGNスイッチ41が切られてから次にスタートさせるまでに車両が地理的に移動しない限り、バックアップメモリー23に記憶したエンジントルク補正率μは、信頼性の高いものとして利用することができる。
【0055】
ところで、エンジントルク補正率μを制御目標値100%に対する比例演算のみで算出するという簡易な方法を採ったとする。この場合には、補正によりエンジントルク変化率dTが1に近づくに従ってエンジントルク補正率μは減少してしまうから、エンジントルク変化率dTを1に戻す(基本エンジントルク指令値tTeを達成する)ことができない。
【0056】
フローチャートの説明に戻ると、S8では、エンジントルク補正率μが補正上限値L1より大きいか否かを判定する。ここで、補正上限値L1は、エンジントルク補正率μについてのリミッタとして設けられるものである。エンジントルク補正率μが補正上限値L1より大きいと判定された場合には、S9へ進み、一方、エンジントルク補正率μが補正上限値L1以下と判定された場合には、S10へ進む。
【0057】
S9では、エンジントルク補正率μを補正上限値L1とする。
ここで、補正上限値L1によるエンジントルク補正率μの制限について、詳細に説明する。
仮に、エンジントルク補正率μに上限リミッタを設けず、無制限に増加され得るようにしておくと、これが大きくなり過ぎ、アクセルを少し踏み込んだだけであってもスロットル開度が全開に達してしまうという事態が発生する。この場合には、アクセルをそれ以上踏み込んでもスロットル開度が増大されないというトルク不感帯が広範囲に形成され、運転者に違和感を与えてしまう。
【0058】
図6を参照して、これを更に説明する。
図6(a)は、アクセルを全閉位置から全開位置まで踏み込んだ時のアクセル開度APOの時間に対する変化を示したものである。図6(b)は、それぞれのアクセル開度となる時刻におけるスロットル開度TVOを、基本エンジントルク指令値tTeの補正をしない場合(破線)、補正率μを小さく抑えた場合(一点鎖線)及び補正率μを大きく設定可能とした場合(実線)とで示している。
【0059】
まず、補正をしない場合には、スロットル弁3は、アクセル操作に追従して開く。
対して、補正を小さめに機能させたとする。ここでは、スロットル弁3は、アクセル操作に対して、少しだけ大きく駆動される。その結果、アクセルが全開位置に達する前の位置(B)で全開する。従って、アクセル開度APOがBから全開に至るまでの範囲で、トルク不感帯が形成される。
【0060】
一方、補正を大きく機能させたとする。ここでは、スロットル弁3は、アクセル操作に対して、非常に大きく駆動される。その結果、アクセル操作を開始して間もない位置(A)で全開してしまう。従って、アクセル開度APOがAから全開に至るまでの広い範囲がトルク不感帯となってしまう。
そこで、本実施形態では、補正上限値L1を設定し、その値を、スロットル弁3の全開状態におけるエンジントルクTAの、スロットル弁3の半開状態におけるエンジントルクTBに対する比TA/TB以下としている(図7参照)。具体的には、補正上限値L1を1.2(120%)とする。
【0061】
この効果を図8を参照して説明する。
図8は、図6と同様に、アクセル開度APO及びスロットル開度TVOの時間に対する変化を示している。
上記の設定によれば、補正を最大限に機能させ、アクセルを全開位置まで踏み込んだとしても、補正をしない状態でスロットル弁3が半開するアクセル開度以上のアクセル開度で、スロットル弁3を全開させることができる。つまり、トルク不感帯がアクセル可動域の半分以下に抑えられるので、運転者への違和感を軽減することができる。
【0062】
フローチャートの説明に戻ると、S10では、エンジントルク補正率μが補正下限値L2より小さいか否かを判定する。ここで、補正下限値L2は、上限値L1とともにエンジントルク補正率μについてのリミッタとして設けられるものであるが、特に、後述するような作用を奏する。補正下限値L2は、車両の特性に応じて1(100%)とするか、又は1未満の値とする。エンジントルク補正率μが補正下限値L2より小さいと判定された場合には、S11へ進み、一方、エンジントルク補正率μが補正下限値L2以上と判定された場合には、本ルーチンをリターンする。
【0063】
S11では、エンジントルク補正値μを補正下限値L2とする。
ここで、補正下限値L2によるエンジントルク補正値μの制限について、詳細に説明する。
高地などとは逆に寒冷地や冬季におけるなど気温が低下した場合には、空気密度が増加するため、一定のスロットル開度下であっても、エンジントルクは増大する。そして、このときの基本エンジントルク指令値tTeの補正は、トルク出力を抑制する側に働き、エンジントルク補正率μが減少し、ストッロル弁3が閉じられる。
【0064】
このような出力抑制側の補正は、トルク出力特性の安定化のためには好ましいものであるが、動力性能の観点から見ると、これを最大限に利用することができないことになる。そこで、動力性能を重視する車両においては、補正下限値L2を1とすることにより、出力抑制側の補正を機能しなくし、エンジン1の動力性能を最大限に利用することができる。
【0065】
一方、空気密度が増加すると、一定のスロットル開度下であっても、余計な燃料を噴射しがちとなり、燃費が悪化する(定常的には、アクセルを踏み込まないようになるので悪化しないが、過渡的には、悪化する)。
そこで、燃費を重視する車両においては、補正下限値を1未満の値とすることにより、空気密度が増加した場合に基本エンジントルク指令値tTeの補正が出力抑制側にまで働くようになるので、燃費の悪化を抑えることができる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係るエンジンの制御装置のハードウェア的な構成は、第1の実施形態のものと同様であってよい。従って、ここでは、ソフトウェア的な構成の相違点についてのみ説明する。
本実施形態に係るエンジンの制御装置のソフトウェア的な構成は、第1の実施形態のものと、エンジントルク補正率演算ルーチンの一部が相違している。本実施形態では、第1の実施形態と比べて、エンジントルク補正率演算ルーチンの構成が簡素化されている。そこで、これらの相違点について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
図9は、本実施形態に係るエンジントルク補正率演算ルーチンのフローチャートであり、第1の実施形態に係るエンジントルク補正率演算ルーチンと同じ処理内容を示すステップには、同じ符号を付してある。
本ルーチンでは、S2でエンジントルク変化率dTが100−α(%)より低いと判定した場合に、S21に進み、エンジントルク補正率の前回値μn−1に更新幅β(定数)を加えて、エンジントルク補正率μを更新する。更新幅βは、エンジントルク補正率μが1(100%:補正なし)から1.2(120%)に達するまでに5分程度かかる値に設定する。
【0068】
また、S5でエンジントルク変化率dTが100+α(%)より高いと判定した場合に、S22に進み、エンジントルク補正率の前回値μn−1から更新幅βを減じて、エンジントルク補正率μを更新する。
本実施形態によれば、このようにエンジントルク補正率演算ルーチンの構成が簡素化されるが、空気密度は車両走行中に急激に変化するものではないので、空気密度の変化に対して充分な速度で対応することができる。
【0069】
以上の説明では、第1のマップm1を用いて基本エンジントルク指令値tTeを求めた。本発明は、これに限らず、例えば、目標駆動力を設定し、目標駆動力と変速比とから目標エンジントルクを算出するなど、いずれの目標エンジントルク算出方法を採用することができる。
一例を挙げれば、本発明をアクセル開度に基づく油圧制御を行う自動変速機に適用することにより、高地や熱地にあっても標準条件におけると同等の性能を発揮させ、変速ショックの悪化を防止することができる。
【0070】
また、以上の説明では、第1のマップm1を用いて補正後エンジントルク指令値aTeからスロットル開度指令値dTVOを求めた。本発明は、これに限らず、まず目標開口面積を算出し、それから目標スロットル開度を求めるなど、いずれのスロットル開度指令値算出方法を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエンジンの制御装置のハードウェア的な構成図
【図2】同上制御装置のソフトウェア的な構成図
【図3】エンジン回転数、スロットル開度及びエンジントルクの標準条件における関係を示す図
【図4】エンジン回転数、吸入空気量及びエンジントルクの標準条件における関係を示す図
【図5】エンジントルク補正率演算ルーチンの一例のフローチャート
【図6】トルク不感帯の形成概念を示す図
【図7】スロットル開度に応じたエンジントルクの変化を示す図
【図8】補正上限値を設定することによる効果を示す図
【図9】エンジントルク補正率演算ルーチンの他の例のフローチャート
【符号の説明】
1…エンジン
2…吸気通路
3…電子制御式スロットル弁
21…電子制御ユニット
23…バックアップメモリー
31…熱線式エアフローメータ
32…アクセル開度センサ
33…スロットル開度センサ
34…エンジン回転数センサ
35…水温センサ
41…イグニッションスイッチ

Claims (11)

  1. 電子制御式スロットル弁と、
    運転者の意思に基づいてエンジントルク指令値を算出するエンジントルク指令値算出手段と、
    該エンジントルク指令値算出手段が算出したエンジントルク指令値に基づいてスロットル開度指令値を算出するスロットル開度指令値算出手段と、を含んで構成されるエンジンの制御装置において、
    質量計量式エアフローセンサと、
    該エアフローセンサが検出した吸入空気量に基づいてエンジントルク推定値を算出するエンジントルク推定値算出手段と、
    該エンジントルク推定値算出手段が算出したエンジントルク推定値と、前記エンジントルク指令値との乖離量を算出し、該乖離量に基づいて前記エンジントルク指令値を補正することにより、前記スロットル開度指令値を調整するスロットル開度指令値調整手段と、
    スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
    エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段と、を設け
    前記スロットル開度指令値調整手段は、前記スロットル開度検出手段が検出したスロットル開度が所定開度よりも小さいか又は前記冷却水温度検出手段が検出した冷却水温度が所定温度よりも低い場合に、前記エンジントルク指令値の補正値の変化率を、0とすることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記スロットル開度指令値調整手段は、前記乖離量として前記エンジントルク推定値と前記エンジントルク指令値との比を求め、該比に基づく補正率を前記エンジントルク指令値に乗ずることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記エンジントルク指令値の補正率を所定の上限値以下に制限することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記上限値は、スロットル全開状態にあるときのエンジントルクの、スロットル半開状態にあるときのエンジントルクに対する比以下であることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記エンジントルクの補正率を1以上に制限することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記スロットル開度指令値調整手段は、エンジン回転数及びスロットル開度に応じてエンジントルクを割り付けた第1のマップに基づいて、前記スロットル開度指令値を算出し、
    前記エンジントルク推定値算出手段は、前記第1のマップと同一気圧かつ同一気温の条件下でエンジン回転数及び吸入空気量に応じてエンジントルクを割り付けた第2のマップに基づいて、前記エンジントルク推定値を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記スロットル開度指令値調整手段は、前記乖離量に基づく積分演算を含んで前記エンジントルク指令値を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記スロットル開度指令値調整手段において、前記エンジントルク指令値の補正値の変化率を、所定範囲内に制限することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
  9. 前記スロットル開度指令値調整手段において、前記エンジントルク指令値の補正値の変化率を、定数としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記スロットル開度指令値調整手段は、前記エンジントルク指令値算出手段が算出したエンジントルク指令値に遅れ処理を施し、その結果算出された値と、前記エンジントルク推定値とに基づいて、前記スロットル開度指令値を調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記スロットル開度指令値調整手段を、イグニッションスイッチを切った後も記憶した情報を保持するバックアップメモリーを含んで構成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
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