JP4048609B2 - 複合容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カビや細菌などの微生物に汚染され易い環境下にて、使用される容器に関し、より詳細には、容器の底部等の汚染され易い箇所に発生するぬめり、黒ずみ等の汚染を容易に取り除くことができ、更に汚染防止が可能な複合容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、汚染され易い環境下にて使用される、容器の表面に、撥水性の素材、例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂等をコーティングするなどして、汚染物を付着させづらくさせるもの、或いは容易に取り除けるものが開発なされてきているが、長期間使用すると、コーティング面が剥がれたりするなど、それらの撥水効果が低下し、汚染物も付着し易くなったり、容易に取り除けることができなくなるという問題があった。
【0003】
また、これらの撥水性の素材を熱可塑性プラスチックに溶融混練する手法もとられるが、容器に十分な撥水性能を持たせるために、高濃度添加した場合、添加した撥水性素材が容器表面にブリードアウトしすぎて、この素材が膜状となって、印刷適性等の後加工適性が低下するという問題があった。
【0004】
一方、熱可塑性プラスチックに抗菌防黴材を溶融混練し、容器を製作することは従来より行われているが、容器に十分な抗菌防黴性能を持たせるための薬剤を高濃度添加した場合、撥水性素材と同様、添加した薬剤が容器表面にブリードアウトしすぎて、この薬剤が膜状となって、印刷適性等の後加工適性が低下するという問題があり、このような後加工を行う必要がある容器においては十分な抗菌性を付与することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の従来の問題点を解決したものであり、汚染されやすい容器の底部等に発生するぬめり、黒ずみ等の汚染物付着防止に優れ、汚染を容易に取り除くことを可能とし、更に優れた抗菌防黴効果の付与を可能とした複合容器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、プラスチック樹脂層からなる容器の外側に、加熱により収縮するプラスチックフィルムを一体に結合させた複合容器において、プラスチックフィルムが、撥水材として、ポリオレフィン樹脂とポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、添加したポリオレフィン樹脂を用いたプラスチックフィルムであることを特徴とする複合容器である。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記容器のプラスチック樹脂層にガスバリア性樹脂層を少なくとも1層設けたことを特徴とする複合容器である。
【0008】
第3の発明は、第1の発明において、前記プラスチック樹脂層からなる容器が、外側から内側に向けて、外層としてポリエチレン樹脂、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、ガスバリア層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度96%にケン化して得られる共重合体、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、内層としてポリエチレン樹脂を用いた5層構成の多層容器であることを特徴とする複合容器である。
【000
第4の発明は、請求項に記載の容器が、シートの真空成形品又は圧空成形品、又は、ダイレクトブロー成形品、又は、延伸ブロー成形品、又は、インジェクションブロー成形品のいずれかであることを特徴とする複合容器である。
【0010】
の発明は、ブロー成形法により作製されるプラスチック樹脂層からなる内側容器の外側に、プラスチック樹脂層からなる筒状容器を一体に結合させた複合容器において、筒状容器のプラスチック樹脂層が、撥水材として、ポリエチレンとポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、添加したプラスチック樹脂層であることを特徴とする複合容器である。
【0011】
第6の発明は、請求項5に記載の内側容器のプラスチック樹脂層にガスバリア性樹脂層を少なくとも1層設けたことを特徴とする複合容器である。
【0012】
第7の発明は、請求項5に記載の前記内側容器が、外側から内側に向けて、外層としてポリエチレン樹脂、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、ガスバリア層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、内層としてポリエチレン樹脂を用いた5層構成のブロー成形容器であることを特徴とする複合容器である。
【0013
の発明は、請求項に記載の筒状容器が、シートの真空成形品又は圧空成形品、又は、インジェクション成形品、のいずれかであることを特徴とする複合容器である。
【0014
の発明は、請求項5に記載の内側容器が、ダイレクトブロー成形品、又は延伸ブロー成形品、又はインジェクションブロー成形品のいずれかであることを特徴とする複合容器である。
【0015
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0016
本発明の複合容器は、プラスチックフィルムあるいは筒状容器のプラスチック樹脂層に、撥水材を添加したことにより、容器の印刷適性を損ねることなく、汚染されやすい環境下にて、長期間使用された場合に、特に底部付近に発生するぬめり、黒ずみ等の汚染を、付着させずらくし、付着したとしても容易に取り除くことを可能にしたことが重要な特徴である。
また、プラスチックフィルムあるいは筒状容器のプラスチック樹脂層に抗菌材を添加す
ることにより、抗菌性が付与され、微生物による汚染を著しく低下させることが可能となる容器にすることもできる。
さらに、プラスチックフィルムあるいは筒状容器のプラスチック樹脂層に、撥水材と抗菌材を併用して添加することにより、汚染物の難付着性、易除去性、及び抗菌性を付与することが可能となる。
【0017
汚染物の難付着性、易除去性を付与させる撥水材としては、ケイ素系化合物である有機シリコーン化合物、例えばシリコーン系のオイル、各種変性シリコーン化合物、各種変性シリコーン樹脂等、フッ素系化合物、各種フッ素樹脂、例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・プロピレン共重合体等である。
【0018
抗菌性を付与させる抗菌材としては、銀、銅、亜鉛、酸化チタン等、又はこれらを含むいわゆる無機系抗菌剤、チアベンダゾール(TBZ)等の有機物、または、例えば特開平5−124806号公報、特開平5−213609号公報等に開示されている有機物を無機物に担持させて、取扱性および耐熱性などを向上させた薬剤等既存の物が使用可能であり、経済性、使用樹脂への適合性、所望する抗菌性等を考慮し適宜選定される。
【0019
プラスチックフィルムあるいは筒状容器や内側容器には、ポリオレフィン樹脂が使用でき、ポリオレフィン樹脂としては、一般的なポリオレフィン樹脂、すなわちポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等にエチレン−αオレフィン共重合体または、プロピレン−αオレフィン共重合体を添加した樹脂、あるいはエチレン−αオレフィン共重合体または、プロピレン−αオレフィン共重合体の単体の樹脂等のポリオレフィン樹脂、または、これらの2種類以上の混合物を用いることができる。
【0020
さらに、プラスチックフィルムには、ポリスチレン樹脂が使用でき、ポリスチレン樹脂としては、スチレン重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体等の樹脂であり、または、これらの混合物等も用いることができる。
【0021
さらに、プラスチックフィルムあるいは筒状容器や内側容器には、ポリエステル樹脂が使用でき、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂であり、または、これらの混合物等も用いることができる。
【0022
プラスチックフィルムの形態としては、未延伸フィルム、延伸フィルムのいずれかを用いることができるが、大きな収縮性が望まれる場合、延伸されたフィルムが使用できる。
【0023
容器には、ポリオレフィン樹脂が使用でき、ポリオレフィン樹脂としては、一般的なポリオレフィン樹脂、すなわちポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等にエチレン−αオレフィン共重合体または、プロピレン−αオレフィン共重合体を添加した樹脂、あるいはエチレン−αオレフィン共重合体または、プロピレン−αオレフィン共重合体の単体の樹脂等のポリオレフィン樹脂、または、これらの2種類以上の混合物を用いることができる。
【0024
さらに、容器には、ポリエステル樹脂も使用でき、このポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂であり、または、これらの混合物等も用いることができる。
【0025
さらに、筒状容器に前記ポリオレフィン樹脂、内側容器に前記ポリエステル樹脂を使用することができる。
【0026
容器あるいは内側容器にガスバリア性樹脂層を積層させることにより、高酸素バリア性を付与できる。このガスバリア性樹脂としては、多塩基酸と多価アルコールからなる共重合体または、それぞれ多塩基酸と多価アルコールに、コモノマー成分として他の多塩基酸及び他の多価アルコール成分を含む共重合体や、エチレン含量が25〜60モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96%以上にケン化して得られる共重合体や、炭素数100個あたりのアミド基の数が3〜30個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミド、またはそのブレンド樹脂が好適に使用可能である。
【0027
また、層間の接着性が乏しい場合には、樹脂間に接着性樹脂を介在させることも可能であり、この場合の接着性樹脂としては、酸変性オレフィン樹脂、例えば無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、無水イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸または、無水物でグラフト変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体等の接着性樹脂を介在させることができる。
【0028
プラスチックフィルムと容器とを一体結合させる手法として、筒状に用意されたプラスチックフィルムと、シートの真空成型法又は圧空成形法、ダイレクトブロー成形法、延伸ブロー成形法、インジェクションブロー成形法等によって成形される容器とを、容器成形時に、同時に一体結合させるか、別々に成形されたものを、後で、外側のプラスチックフィルムを加熱収縮させ、一体結合させるかのいずれかの手法を用いて成形可能である。
【0029
筒状容器と内側容器とを一体に複合化させる手法として、あらかじめシート成形法、射出成形法等によって成形された外側の筒状容器と、ダイレクトブロー成形法、延伸ブロー成形法、インジェクションブロー成形法等によって成形される内側容器とを、内側容器成形時に、熱溶着、熱接着、筒状容器と内側容器に嵌合部を設けたような物理的嵌合等によって、同時に一体結合させるか、別々に成形されたものを、後で、熱溶着、熱接着、超音波融着、筒状容器と内側容器に嵌合部を設けたような物理的嵌合等の手法を用いて、一体結合させるかのいずれかの手法を用いて成形可能である。
【0030
【作用】
本発明によれば、プラスチック樹脂層からなる容器の外側に、加熱により収縮するフィルムを複合化し、外側のフィルムに撥水材を添加することにより、あるいは、プラスチック樹脂層からなる筒状容器とブロー成形されたプラスチック樹脂層からなる内側容器とを複合化し、筒状容器に撥水材を添加することにより、容器の印刷適性を損ねることなく、汚染されやすい環境下にて、長期間使用された場合に、容器に汚れが付着されやすい面、特に底部付近に発生するぬめり、黒ずみ等の汚染を、付着させずらくし、付着したとしても、容易に取り除くことができる容器が得られる。
【0031
また、外側のフィルムや筒状容器に抗菌材を添加することにより、抗菌性能を付与させ、微生物による汚染を著しく低下させることができる容器が得られる。 さらに、外側のフィルムや筒状容器に、撥水材及び抗菌材を併用して、添加することにより、汚染物の難付着性、易除去性、及び抗菌性を付与することができる容器が得られる。
【0032
【実施例】
以下に本発明の参考例、実施例とその比較例を示す。
参考例1>
参考例1の複合容器は、図1に示すような構成の内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの複合容器1である。延伸フィルム成形機を使用して、ポリプロピレン樹脂20重量%に、撥水材として、シリコーン含有量が50重量%であるポリプロピレンとポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物を、80重量%添加した樹脂を用い、延伸倍率5倍、平均肉厚50μmの一軸延伸したプラスチックフィルム2を得た。
そして、ダイレクトブロー成形機を使用して、ポリエチレン樹脂を用い、内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの容器を成形後、プラスチックフィルム2を容器外側に配置し、加熱し、外側のプラスチックフィルム2と容器3とが一体に結合された複合容器1を得た。
【0033
参考例2>
参考例1における複合容器において、外側のプラスチックフィルムの樹脂構成が、ポリプロピレン樹脂 98.8重量%に、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、ベンザルコニウムイオンとして1.0重量%、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとして0.2重量%添加した樹脂を用いたこと以外は、参考例1と同様の手法にて、内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの参考例2の複合容器を得た。
【0034
<実施例3>
実施例1における複合容器において、外側のプラスチックフィルムの樹脂構成が、ポリプロピレン樹脂 18.8重量%に、撥水材として、シリコーン含有量が50重量%であるポリプロピレンとポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物を、80重量%添加した樹脂、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、ベンザルコニウムイオンとして1.0重量%、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとして0.2重量%添加した樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの実施例3の複合容器を得た。
【0035
参考例4>
参考例4の複合容器は、図2に示すような構成の内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの複合容器4である。延伸フィルム成形機を使用して、ポリプロピレン樹脂 98.8重量%に、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、ベンザルコニウムイオンとして1.0重量%、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとして0.2重量%添加した樹脂を用い、延伸倍率5倍、平均肉厚50μmの一軸延伸されたプラスチックフィルム5を得た。
そして、多層押出ダイレクトブロー成形機を使用して、外層7としてポリエチレン樹脂、接着層8として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、ガスバリア層9として、エチレン含量が25モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度96%にケン化して得られる共重合体、接着層10として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、内層11としてポリエチレン樹脂を用い5層構成の、容器6をブロー成形し、内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの容器を成形後、前記フィルムを容器外側に配置し、加熱し、外側のプラスチックフィルム5と容器6とが一体に結合された複合容器4を得た。
【0036
参考例5>
参考例5の複合容器は、図3に示すような構成の内容量500ml、胴部平均肉厚400μmの複合容器21である。射出成形機を使用して、ポリエチレン樹脂20重量%に、撥水材として、シリコーン含有量が50重量%であるポリエチレンとポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物を、80重量%添加した樹脂を用い、筒状容器22を成形した。
そして、インジェクションブロー成形機を使用して、ポリエチレン樹脂を用い、筒状容器22を金型内に配置し、内側容器23をブロー成形し、筒状容器22と内側容器23とが一体に結合された複合容器21を得た。
【0037
参考例6>
参考例5の複合容器において、筒状容器の樹脂構成が、ポリエチレン樹脂 98.8重量%に、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、ベンザルコニウムイオンとして1.0重量%、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとして0.2重量%添加した樹脂を用いたこと以外は、参考例5と同様の手法にて、内容量500ml、胴部平均肉厚400μmの参考例6の複合容器を得た。
【0038
<実施例7>
参考例5における複合容器において、筒状容器の樹脂構成が、ポリエチレン樹脂 18.8重量%に、撥水材として、シリコーン含有量が50重量%であるポリエチレンとポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物を、80重量%添加した樹脂、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、ベンザルコニウムイオンとして1.0重量%、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとして0.2重量%添加した樹脂を用いたこと以外は、参考例5と同様の手法にて、内容量500ml、胴部平均肉厚400μmの実施例7の複合容器を得た。
【0039
参考例8>
参考例8の複合容器は、図4に示すような構成の内容量800ml、胴部平均肉厚500μmの複合容器24である。射出成形機を使用して、ポリエチレン樹脂 98.8重量%に、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、ベンザルコニウムイオンとして1.0重量%、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとして0.2重量%添加した樹脂を用い、筒状容器25を成形した。
そして、多層押出ダイレクトブロー成形機を使用して、筒状容器25を金型内に配置し、外層27としてポリエチレン樹脂、接着層28として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、ガスバリア層29として、エチレン含量が25モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度96%にケン化して得られる共重合体、接着層30として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、内層31としてポリエチレン樹脂を用い5層構成の、内側容器26をブロー成形し、外側容器25と内側容器26とが一体に結合された複合容器24を得た。
【0040
<比較例1>
ダイレクトブロー成形機を用いて、ポリプロピレン樹脂の1層構成、内容積800ml、胴部平均肉厚500μmの比較例1の容器を成形した。
【0041
<比較例2>
インジェクションブロー成形機を用いて、ポリエチレン樹脂の1層構成、内容積500ml、胴部平均肉厚400μmの比較例2の容器を成形した。
【0042
<比較例3>
押出ダイレクトブロー成形機を用いて、ポリエチレン樹脂の1層構成、内容積800ml、胴部平均肉厚500μmの比較例3の容器を成形した。
【0043
以上、作製した参考例、実施例及び比較例の複合容器について、汚染物の易洗浄性及び難付着性の指標となる接触角、難付着性、易洗浄性、抗菌性、防黴性について、容器成形6か月後、および12か月後に下記する方法により測定、評価した。また、複合容器の成形直後の酸素ガス透過度についても下記する測定方法により測定した。それらの結果を表1、2、3に示す。
【0044
接触角;FACE自動接触角計CA−Z型(協和界面科学(株)製)を使用し、純水を用い、液適法にて、外側のフィルム表面との接触角を測定。
易洗浄性、難付着性;実際の消費者にモニターテストとして、消費者の各家庭の風呂場等の汚染されやすい箇所に、6ヶ月及び12ヶ月保存し、汚染物が付着した複合容器の易洗浄性及び汚染物の付着状態を観察した。易洗浄性においては、25℃の水道水中にさらし、流水洗浄した。この時の判定で○は、良好に汚染物を洗い流せたとし、△は汚染物がわずかに残る、×は手によってこすっても、洗い流すことが不可能であるとした。付着状態については、付着箇所の付着状態において、まったく付着無しが○、付着がわずかが△、多量に付着が×とした。
【0045
抗菌性;滅菌シャーレに寒天培地を約20ml滴下し、固化後下記供試菌の菌液を含む寒天培地を約5ml重層する。外側フィルムを切断した試料を培地中央に突き刺し、蓋をして40℃90%RHの環境下で48時間培養し、発育阻止幅により抗菌性を判定した。
供試菌:Methylobacterium extorquens IF0
3708
防黴性は、滅菌シャーレに寒天培地を約25ml滴下し水分保持用とし、固化後外側フィルムを切断した試料を置き、下記供試黴の胞子懸濁液を1ml滴下し30℃80%RHの環境下で10日間培養し、試料上の黴発生の有無を観察した。なお、抗菌防黴評価は、成形6ヶ月後及び12ヶ月後について行った。また判定で○は抗菌性、防黴性有りとし、×は、抗菌性、防黴性無しとした。
供試黴:Penicillium citrium IF06352
【0046
酸素透過度;モコン法にて測定を行った。
【0047
【表1】
【0048
【表2】
【0049
【表3】
【0050
【発明の効果】
本発明の複合容器は、汚染されやすい環境下にて長期間使用しても、汚染されやすい容器の底部等に発生するぬめり、黒ずみ等の汚染物付着防止に優れ、汚染を容易に取り除くことを可能とし、更に優れた抗菌防黴効果の付与を可能にした容器になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1、2、実施例3の複合容器断面説明図である。
【図2】 本発明の参考例4の複合容器断面説明図である。
【図3】 本発明の参考例5、6、実施例7の複合容器断面説明図である。
【図4】 本発明の参考例8の複合容器断面説明図である。
【符号の説明】
1、4、21、24‥‥複合容器
2、5‥‥プラスチックフィルム
3、6‥‥容器
7‥‥容器の外層
8、10‥‥容器の接着層
9‥‥容器のガスバリア層
11‥‥容器の内層
22、25‥‥筒状容器
23、26‥‥内側容器
27‥‥内側容器の外層
28、30‥‥内側容器の接着層
29‥‥内側容器のガスバリア層
31‥‥内側容器の内層

Claims (9)

  1. プラスチック樹脂層からなる容器の外側に、加熱により収縮するプラスチックフィルムを一体に結合させた複合容器において、
    プラスチックフィルムが、撥水材として、ポリオレフィン樹脂とポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、添加したポリオレフィン樹脂を用いたプラスチックフィルムであることを特徴とする複合容器。
  2. 前記容器のプラスチック樹脂層にガスバリア性樹脂層を少なくとも1層設けたことを特徴とする請求項に記載の複合容器。
  3. 前記プラスチック樹脂層からなる容器が、外側から内側に向けて、外層としてポリエチレン樹脂、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、ガスバリア層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度96%にケン化して得られる共重合体、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、内層としてポリエチレン樹脂を用いた5層構成の多層容器であることを特徴とする請求項1に記載の複合容器。
  4. 請求項に記載の容器が、シートの真空成形品又は圧空成形品、又は、ダイレクトブロー成形品、又は、延伸ブロー成形品、又は、インジェクションブロー成形品のいずれかであることを特徴とする複合容器。
  5. ブロー成形法により作製されるプラスチック樹脂層からなる内側容器の外側に、プラスチック樹脂層からなる筒状容器を一体に結合させた複合容器において、筒状容器のプラスチック樹脂層が、撥水材としてポリエチレンとポリオルガノシロキサンとのグラフト化合物、塩化ベンザルコニウムをイオン交換によりトリポリリン酸アルミニウムに担持させた抗菌剤、および2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを酸化亜鉛に担持させた抗菌剤を、添加したプラスチック樹脂層であることを特徴とする複合容器。
  6. 前記内側容器のプラスチック樹脂層にガスバリア性樹脂層を少なくとも1層設けたことを特徴とする請求項に記載の複合容器。
  7. 前記内側容器が、外側から内側に向けて、外層としてポリエチレン樹脂、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、ガスバリア層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、接着層として、エチレンとα−オレフィン共重合体の無水マレイン酸変性物、内層としてポリエチレン樹脂を用いた5層構成のブロー成形容器であることを特徴とする請求項5に記載の複合容器。
  8. 請求項に記載の筒状容器が、シートの真空成形品又はは圧空成形品、又はインジェクション成形品のいずれかであることを特徴とする複合容器。
  9. 請求項に記載の内側容器が、ダイレクトブロー成形品、又は延伸ブロー成形品、又はインジェクションブロー成形品のいずれかであることを特徴とする複合容器。
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