JP4047881B2 - 単軸手動締付装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主に自動車整備業における補修業務用として、車輪取付け時のネジ締付けに用いる単軸手動締付装置に関し、特に、ネジ山の保護に配慮して、手動の持ち味である低トルクを使い、入力側に回転力を与えることにより出力側に多くの回転数を出力させることが可能で、ネジの噛み合せ工程から仮締め工程までの各作業工程に合わせた複数の使用方法が選択可能となる単軸手動締付装置に関するものである。
従来のネジ締付用手動工具及び手動装置は、一般的に認知されている十字レンチ(クロスレンチ)やT字型レンチ、L字型レンチ、ドライバーレンチを始め、ネジ回し用ソケットが脱着可能なソケット挿入部を備えた各種レンチがある。さらに、ラチェット機構を用いたラチェットギヤレンチ等が知られている。これらの手動工具や手動装置を操作上の回転力の入力位置(力点)に注目して種別すると、下記(1)、(2)のようになる。
(1)締付や緩め作業を行う回転中心軸から回転半径方向にある一定距離離れた位置に入力位置を有するもの。
(2)締付や緩め作業を行う回転中心軸からわずかに離れた位置に回転半径を有してはいるが、ほぼ回転中心軸を直接回転させるもの。
そして、通常はこれら手動工具や手動装置を単独で使用したり、補助部品や補助装置を組合せた形で使用している。
その一方で、ネジ回し用ソケットに改良を加えたものとしては、ネジ締付軸延長上で分銅(はずみ車)の回転運動により慣性力を有効に利用し、ネジ送りを早める対策を施したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、十字レンチ(クロスレンチ)において、ネジ締付軸延長上を手で握ることの可能な支持部に、摩擦力による影響を少なくするため、支点部分となる丸棒等の外周に筒状のパイプ等を設け、両端を可動として支持させたものや、更に摩擦を減少させるためにパイプの両端支持部に軸受け等を用いて摩擦力を低減し、滑りを向上させたものが知られている(例えば、特許文献2 特許文献3 特許文献4参照)。さらに、上記特許文献2、特許文献3、特許文献4の十字レンチ(クロスレンチ)に改良を加え、仮締めから本締め工程において、トルク値の検知が可能なよう回転支軸を二分割にし、その中心軸部にトーションメンバーを備えた装置が知られている。
実開昭50−50193号公報 実開昭51−74299号公報 実開昭56−62859号公報 実開昭59−112567号公報 特開2004−1189号公報
ネジ締付において、自動車用車輪の取付に関すれば、かつては手動工具を用いての作業が主流であった。我が国の高度経済成長期に自動車保有台数の増加と共に整備機材も変貌を遂げ、手動工具に変わって動力を利用した動力装置が主流となった。しかし近年では、下記の理由により動力装置が必ずしも受け入れられない状況もみられるようになっている。
それは、自動車用車輪を構成するディスクホイールの材質が、鋼鉄製からアルミニュウム合金等の軽金属製に移り代わり、一般車両にも多く採用されるようになっていたためである。軽合金製ディスクホイールの取扱説明書や注意書き等には、下記(1)乃至(3)のような内容の記載がある。
(1).インパクトレンチによる締付は、締め過ぎや傷または変形の原因になりますので避けて下さい。
(2).ナットやボルトの最終締付に、インパクトレンチを使用しないで下さい。締め過ぎにより、ボルトやナットまたはディスクホイールの傷や変形を起こしたりすることがあります。
(3).インパクトレンチを使用する場合は、低いトルクで仮締めして、その後トルクレンチ等を用いて推奨トルクで締付けてください。
なお、インパクトレンチとは、圧縮空気や電力を動力源として、ネジ締付けまたは緩め作業を行う装置を意味し、高トルク高回転の性質は全てではなく調整も行えるが、一般に高トルクかつ高回転で使用されている傾向がある。上記のような取り扱い上の説明からもうかがえるように、インパクトレンチでの締付は、必ずしも好ましい方法ではないことがわかる。
整備作業もこの取り扱い方法に沿って行われることが求められる。また、丁寧に取り扱って欲しいというユーザー側の要望を取り入れる必要があることから、手動工具や手動装置が、見直されるようになってきた。しかし、その条件下でも作業者は、手動による作業効率を向上させることが必要になっている。
近年は自動車の車輪に用いられるディスクホイールが鋼鉄製に代わり、アルミニュウム合金製などの軽金属製のものが、ばね下質量軽減や装飾性の面から盛んに採用されるようになった。一部の特殊製法等を除くと、強度確保の面から、一般に鋼鉄製に比べてその断面肉厚が厚く製造されている。
図1に示すように、ネジ結合により取付けされるアルミニュウム合金製のディスクホイールAW1の取付け面周辺は、車両側ハブフランジFと接合して締付けが行われる。この部分は、特に肉厚をもたせて製作されることから、その多くはナットやボルトの取り付け穴に施された締付けのための座面位置S1が、図示するようにディスクホイールAW1の表面より凹んだ位置にある。
また、図1に示すように、前記座面位置S1の周辺は種類により大小様々ではあるが、円筒状の穴を形成している。その円筒状穴の中でナットまたはボルトによりネジ結合されるものが多くなっている。車輪が取付けされた状態では、ディスクホイールAW1の表面(デザイン面)DとナットN1の頭部との位置関係が下記(1)乃至(3)のようになる形状をしているものが多くなっていた。
(1).ナットN1の頭部が、ディスクホイールAW1の表面とほぼ同じ位置となる。
(2).ナットN1の頭部が、ディスクホイールAW1の表面より少し突出しているもの。
(3).ナットN1の頭部が、ディスクホイールAW1の表面より少し凹んでいるもの。
また、図2、図3、図4に示すようにアルミニュウム合金などの軽金属製ディスクホイールAW1、AW2、AW3は、ナットやボルトで締付けを行う締付座面の種類に、下記(1)乃至(3)のようなものがある。
(1).図2に示すように、ブッシュを有していないブッシュレスタイプと呼ばれるもの。ブッシュレスタイプのネジ締付座面S1では、図2に示すように、ディスクホイールを構成する軽金属に切削加工を施し形成されているものが多い。
(2).図3に示すように、ネジ締付座面S2が鋼鉄製のブッシュBで形成されており、ブッシュ付きタイプと呼ばれるもの。
(3).図4に示すように、ブッシュは有していないが、ネジ取付座面S3が平滑な形をしている平座形状(ワッシャー付きナットN3を用いて締付を行うタイプ)のもの。平座形状の締付座面S3は、ディスクホイールAW3を構成する軽金属に切削加工を施し形成されているものが多い。
上記ディスクホイール等のネジ締付座面に対する取り扱いについて、下記(1)(2)のような注意が必要である。
(1).図2に示すようにブッシュレスタイプは、締付座面S1に対しナットN1を着座させる際、ディスクホイール取付穴の中心と、クリップボルトCBの中心をしっかりと位置合わせを行いながら、丁寧に着座させて作業を行わないと座面崩れを起こしやすい傾向にある。その理由は、締付座面S1が軽金属で形成されているからである。
(2).図4に示すように前記平座形状は、平座ナットN3の一部がスリーブ部NSLを形成しており、ディスクホイールAW3側の円筒状穴WSLに係合する構造である。この構造では、スリーブ部NSLと円筒状穴WSLとの隙間(クリアランス)は微小である。よって、車輪の質量がクリップボルトCBやスリーブ部NSLに掛かったままの締付や、動力締付装置を用いた高トルク締付の場合、クリップボルトCBのネジ山を傷めやすい傾向がある。そのため、スリーブ部NSLが正常に円筒状穴WSLに挿入されるよう、締付座面S3へ丁寧に着座させる必要がある。
ここで、スリーブ部NSLとは、例えば軸などの外周にはめ込んで用いられる比較的細長い筒型の部品のことを意味する。また、自動車用車輪の質量は、一般に乗用の用途で用いられるものである場合、ディスクホイールとタイヤを組合わせた状態で、概ね15〜25kg程度である。
そこで、これら構造に対し、補修整備作業を行う現場においては、適正な締付トルクで整備を行うために、下記(1)乃至(4)のような内容が望まれていた。
(1).本締め工程の事前準備である仮締め工程の段階から均一な仮締めが必要である。
(2).締付座面の崩れを起こさないようにすることが必要である。
(3).ナットとボルトのネジ山を傷めないことが必要である。
(4).作業による締付座面周辺等に作業傷が付かないようにする配慮が必要である。
よって、軽金属製ディスクホイールの場合、締付工程における動力締付装置の使用を控え、手作業による取付けが一般化しつつあった。しかし、従来の手動工具または手動装置を用いて行う作業は、下記(1)乃至(4)のような問題があった。
(1).作業時間が長くかかり効率が悪いこと。
(2).連続作業の場合、作業者の手首の負担や疲労が多いこと。
(3).両手を用いる手動工具の場合、車輪を支えながら作業を行うことが難しいこと。
(4).片手での作業が可能な手動工具の場合、車輪を支えながら作業を行うことは可能であるが、一回の手首の動きで移動させられる回転角度が限られているため、ネジをすすめることに時間を費やすこと。
これらの事情をふまえ、手動による低トルクを利用した締付けで、かつ、作業者に係る作業負担が少ない効率のよい方法または締付装置が望まれていた。そこで、従来のネジ締付用手動工具および手動装置と作業者が行う作業内容を考察してみると、その多くは最終工程である仮締めや本締めに主眼を置き、機能性もその工程に特に利便性を持たせたものが多かった。そのため、仮締めや本締めの前工程では必ずしも使い勝手がよいものばかりではなかった。逆にその他の部分的な工程を得意とする手動工具および手動装置もまた存在はするが、複数の工程で使い勝手がよいものがなかった。
また、人間の力には限界があり個人差もあるが、一般的には、人間の腕、手首、指はネジに対してある程度のトルクを与えることは可能である。また、締め付け軸から半径方向に距離を持つ道具を使用すれば、締め付けトルクを増大させることも可能である。しかし、ナットまたはボルトを手で直接握ったまま、回転数を多く得ることは、人間の体の構造上、不可能であり一回に移動させられる回転数は1回転以下で、角度にすると多くて約270度(3π/2ラジアン)程度が限界である。
ただし、例外がある。ナットまたはボルトが互いに滑らかなネジピッチであり、握った手を途中で離す場合には、下記の方法で一回転以上回すことが可能である。それは、従来からおこなわれている方法であるが、ナットまたはボルトの外周面に指や手の一部をあてがい、締め付け方向にはずみを付け、力を与えた後、手を離すとある程度のネジ送りが可能となる。
しかしながら、上記方法はディスクホイールの形状により限定され、全てがこの方法を行うことは不可能である。例えば、図5に示すものは、自動車用車輪を構成する鋼鉄製ディスクホイールに多く用いられている形状である。この形状等では、ディスクホイールSW外側面から締付作業を行うナットN2やクリップボルトCBに対し、その周辺に手や指をあてがう空間(作業スペース)が広く存在するため上記方法が可能となる。
通常、ボルト・ナットの締付けを行う作業の流れとしては、下記のような手順で行われる。
・ネジ山を正常に噛み合せる段階。
・ボルトとナットのネジピッチに異常がないか確認しながらネジ送りを行う段階。
・取付面に対しネジを正常に着座させる段階。
・締付トルクを除々に増大させて仮締めを行う段階。
しかしながら、一種類の手動工具および手動装置(補助装置を含む)を使用して、上記作業の流れを効率良く連鎖的に行う事は難しいことであった。よって、一般的には、下記(1)、(2)のような方法で工夫しながら多少の時間短縮を行うのが主流であった。
(1).ネジ送り工程または着座工程までを指と手首を使い、直接ナットまたはボルトをつかんで回し、その後に工具および装置を用いて締め付ける方法。
(2).複数の工具および装置を各々の工程に合わせて使い分け、作業を進める方法。
しかしながら、上記(1)の方法は、ネジ送り工程が非常に手間のかかる作業であり締付本数の多い場合に、指先および手首等の負担が大きいという問題があった。また、上記(2)の方法は、締付箇所の移動の都度、複数の工具および装置を持ち歩かねばならないという不便さがあった。手動締付は、低トルクかつ、手や指先でネジの状態を感じ取り、ネジを傷める心配がない確実な方法である利点を有するため、主に、補修整備作業の現場では、ユーザーからの評価が高いこともあって、主流となりつつある。その一方で作業時間が長くなり作業効率が低いという問題があり、改善が望まれていた。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、従来の問題を解決し、手動の持ち味である低トルクの利点を活かしながら、回転支軸に与えた回転力を慣性力に変換し、該慣性力を利用して出力側から回転数の多い回転を取り出し、ネジ送り(固定したボルトにナットを回転させて送る場合と、固定したナット又はフランジ等に設けられたネジ穴にボルトを回転させて送る場合とを含む)を実施できる単軸手動締付装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、輪状体、ラチェットギヤ内周部材とラチェットギヤ外周部材を具備するラチェットギヤ、及び回転支軸を備え、前記輪状体の片側側面に形成した凹部に前記ラチェットギヤのラチェットギヤ外周部材又はラチェットギヤ内周部材を固定し、前記輪状体の反対側面の外周近傍から該輪状体の中心軸上を通る位置に継ぎ手の片側を固定し、該継ぎ手の反対側面に前記輪状体の中心軸延長上である位置に回転力出力部を設け、前記ラチェットギヤのラチェットギヤ内周部材又はラチェットギヤ外周部材を前記回転支軸に固定し、前記回転支軸に回転力を与えることにより前記ラチェットギヤと、前記輪状体と、前記継ぎ手を介して、前記回転力出力部を回転駆動させ、その後前記回転支軸に回転力が加えられない限り、前記ラチェットギヤ外周部材又はラチェットギヤ内周部材と、前記輪状体と、前記継ぎ手からなる質量体の慣性力が消滅するまで、前記回転力出力部を回転駆動させる構成としたことを特徴とする単軸手動締付装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の単軸手動締付装置において、前記輪状体の外周面上には放射方向に複数個の多目的用部材を固定し、該多目的用部材により前記輪状体と前記継ぎ手を介して、前記回転力出力部を回転駆動させる構成としたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の単軸手動締付装置において、前記ラチェットギヤは前記回転支軸の時計回り又は反時計回りのいずれか一方の回転力しか前記回転力出力部に伝達できない構成としたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、前記回転支軸は、前記輪状体とラチェットギヤとにより形成される隙間に、巻き込み防止用の保護カバーを備え、該保護カバーの外側に位置する中心軸ハンドルと、該中心軸ハンドルの外側端部に位置する中心軸大ハンドルと、該中心軸大ハンドルの内周側で前記中心軸ハンドル外側端部に位置する中心軸小ハンドルをそれぞれ備え、更に回転支軸の内部かつ中央部近傍に空洞を備え、更に前記中心軸小ハンドルの端部には、ソケット挿入部を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項乃至4のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、前記多目的用部材はその放射方向端部に同放射方向に分銅を取付け可能に構成し、該分銅はその放射方向端部に同放射方向に補助具を取付け可能に構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項乃至5のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、前記回転支軸と前記ラチェットギヤと前記輪状体と前記多目的用部材とで構成される回転半径は、ネジを回転させるに充分な慣性質量を備える範囲内で可能な限り小さくしたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、前記ラチェットギヤのラチェットギヤ内周部材とラチェットギヤ外周部材の間に多数の鋼球を具備するボールベアリングを介在させたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、輪状体の片側側面に形成した凹部にラチェットギヤのラチェットギヤ外周部材又はラチェットギヤ内周部材を固定し、輪状体の反対側面の外周近傍から輪状体の中心軸上を通る位置に継ぎ手の片側を固定し、該継ぎ手の反対側面に輪状体の中心軸延長上である位置に回転力出力部を設け、ラチェットギヤのラチェットギヤ内周部材又はラチェットギヤ外周部材を回転支軸に固定し、回転支軸に回転力を与えることによりラチェットギヤと、輪状体と、継ぎ手を介して、回転力出力部を回転駆動させ、その後回転支軸に回転力が加えられない限り、ラチェットギヤ外周部材又はラチェットギヤ内周部材と、輪状体と、継ぎ手からなる質量体の慣性力が消滅するまで、前記回転力出力部を回転駆動させる構成としたので、回転支軸に手動で与えた回転力は前記質量体の慣性力に変換され、該慣性力が消滅するまで回転力出力部を多数回回転させるから、この回転力出力部の回転をボルト・ナットのネジ送りに利用することにより、手動によるネジ締付作業の時間を短縮できる。また、ラチェットギヤを備えており、円滑な滑りを有していて、かつ回転力を手動で入力するため、作業場から騒音・振動が発生しない。
請求項2に記載の発明によれば、輪状体の外周面上には放射方向に複数個の多目的用部材を固定し、多目的用部材により輪状体と継ぎ手を介して、回転力出力部を回転駆動させることが可能な構成としたので、片手のみの操作により、ネジ送り工程から着座工程までを短時間で実行することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ラチェットギヤは回転支軸の時計回り又は反時計回りのいずれか一方の回転力しか回転力出力部に伝達できない構成としたので、締付方向が一定している作業の場合、作業者が締付方向を迷う等の問題が無くなり作業効率の向上が図れる。また、片方向にのみ回転力を伝達する構成のラチェットギヤを使用するので、装置全体を軽量化することができる。更に、正ネジ用および逆ネジ用に組み立て直すことが可能なため、生産ラインの変更等にも対応できコスト削減にも役立つ。また、自動車補修作業において、右側車輪が右ネジ、左側車輪が左ネジという特殊車両に対応するため締め付け方向を変更することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、回転支軸は、輪状体とラチェットギヤとにより形成される隙間に、巻き込み防止用の保護カバーを備えたので、作業者の手や指を巻き込む等のけがを防止することができる。また、中心軸ハンドルを備えることで、入力を行う際、手で握り易く、かつ、滑りにくいことで滑りを防止することができる。さらに、中心軸ハンドルと中心軸大ハンドルと中心軸小ハンドルの三箇所を作業状況により使い分けることが可能となる。また、中心軸小ハンドルの端部には、ソケット挿入部を備えることで、必要に応じて、逆回転用の補助装置を連結させることができる、さらに、ソケット挿入部を備えた各種工具類を本装置に連結させて使用することができる。
請求項5に記載の発明によれば、多目的用部材はその放射方向端部に同放射方向に分銅を取付け可能に構成したので、慣性質量の調整が可能となり、作業者の個人差や作業の内容により選択や調整ができる。分銅はその放射方向端部に同放射方向に補助具を取付け可能に構成したので、仮締めを行う際、ネジの噛み合せ工程から座面に着座させる工程までは作業上、効率的に半径を小さいまま使用することが可能で、仮締め工程において必要なトルクを得るため回転半径を大きくすることができる。
請求項6に係る発明によれば、回転支軸とラチェットギヤと輪状体と多目的用部材とで構成される回転半径の距離は、ネジを回転させるに充分な慣性質量を備える範囲内で可能な限り小さくしたので、締め付け初期から中期にかけて回転中心軸からの回転半径を短くすることで作業者の手首等に対する負担を少なくできる効果がある。また、作業時に回転中の回転半径部分が作業者に接触するなど、作業中のけが防止に効果がえられ、作業時間や生産性の向上を図ることができる。
請求項7に係る発明によれば、ラチェットギヤのラチェットギヤ内周部材とラチェットギヤ外周部材の間に多数の鋼球を具備するボールベアリングを介在させたので、ラチェットギヤ外周部材や輪状体等の質量体が円滑な滑り回りとなり騒音・振動が発生しない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図6乃至図12は、本発明の第1実施形態に係るネジ締付用手動装置としての単軸手動締付装置の構成を示す図であり、図6は本単軸手動締付装置の断面図、図7は図6のA−A矢視正面図、図8は図6のB−B矢視断面図、図9は図6のC−C矢視断面図、図10は図6のD−D矢視断面、図11は図6のE−E矢視背面図、図12は本単軸手動締付装置の分解斜視図である。図示するように、本単軸手動締付装置Mは、輪状体1、ラチェットギヤ内周部材31とラチェットギヤ外周部材32を具備するラチェットギヤ3、及び回転支軸4を備えている。
輪状体1の片側側面には凹部が形成され、該凹部にラチェットギヤ3のラチェットギヤ外周部材32のフランジ部がボルト6で固定されている。輪状体1の反対側面の外周近傍から該輪状体1の中心軸上を通る位置に継ぎ手5の片側端部を溶接等で固定され、該継ぎ手5の反対側面に輪状体1の中心軸延長上である位置に回転出力部となるソケット挿入部2を設けている。ラチェットギヤ3のラチェットギヤ内周部材31は回転支軸4の外周に固定されている。ここでラチェットギヤ内周部材31と回転支軸4の結合をネジ結合とし、更にラチェットギヤ内周部材31を輪状ナット41で締め付けて固定している。回転支軸4に回転力を加えるとラチェットギヤ3を介して輪状体1及び継ぎ手5が回転し慣性力が発生する。そしてこの回転は慣性力が摩擦抵抗により消滅するまで継続し、ソケット挿入部2を回転駆動させる。また、輪状体1の外周面上には色々な目的に使用する多目的用部材7が放射状に取付け固定されている。
上記輪状体1は慣性質量としての役目と回転支軸4に与えられた回転力(入力トルク)を継ぎ手5を介してソケット挿入部2に伝える作用を有している。ソケット挿入部2はナットN1を回転させるためのネジ回し用ソケットSKIを端部を挿入固定するためのものである。ラチェットギヤ3は回転支軸4に加えられた回転力(入力トルク)を伝達すると共に、ラチェットギヤ外周部材32を含む輪状体1や多目的用部材7や継ぎ手5の組合体からなる質量体に発生する慣性力を有効に作用させ回転力の入力系統を二系統とするためのである。回転支軸4は回転中心を支える支軸及び回転力を入力する入力軸として作用を奏する。継ぎ手5は輪状体1からソケット挿入部2に回転力を伝達する作用を奏する。多目的用部材7は慣性質量としての役目と慣性質量を付加するための分銅8を連結させる役目と輪状体1に半径方向から回転力を入力する入力位置の役目と分銅8を介して補助具9を連結するため役目を有している。
ラチェットギヤ3は上記のように、ラチェットギヤ外周部材32とラチェットギヤ内周部材31とを備えており、下記の機能及び構成部品を備えている。
・片側一方向(時計方向又は反時計方向)に力を伝達し、その反対方向には力を伝えず、特に円滑な滑り特性を有する。
・所定の回転半径を備え、かつ、ラチェットギヤ爪12(図9参照)が係合する多数の歯をラチェットギヤ外周部材32の内周面に備えている。
・ラチェットギヤ外周部材32の内周面とラチェットギヤ内周部材31の外周面の間の両端に円周方向の摩擦抵抗を低減するため、多数の鋼球からなるボールベアリング11(図8参照)を備えている。
輪状体1と回転支軸4の間に、上記機能及び構成部品を備えたラチェットギヤ3を備えることにより、公転時には円滑な滑りを有し、駆動時には、適切に回転力をソケット挿入部2に伝達を行うことができる。なお、ラチェットギヤ3に代えてワンウェイクラッチ等を用いてもよい。
また、本単軸手動締付装置Mにおいて、上記ラチェットギヤ3は、ここではラチェットギヤ外周部材32を出力側、ラチェットギヤ内周部材31を入力側としているが、反対にラチェットギヤ外周部材32を入力側、ラチェットギヤ内周部材31を出力側としてもよい。但し、装置全体の構成を小型化かつ軽量化するためには、図示するように、ラチェットギヤ外周部材32を出力側とすることが好ましい。
また、回転支軸4は、図6に示すように、円筒状の中心軸ハンドル4Aと、その端部に形成された中心軸大ハンドル4Bと、該中心軸大ハンドル4Bの中央部に位置し中心軸ハンドル4Aの端部に形成された中心軸小ハンドル4Cからなる。なお、回転支軸4はその断面形状を円形、又は多角形等にしてもよい。さらに、中心軸近傍は中空でもよいし、棒状のむくでもよい。
回転支軸4の中心軸ハンドル4Aの外周に保護カバー42が設けられており、該保護カバー42は、動作中の回転部分に作業者の指や手などが巻き込まれないようにするためのものである。材質・形状については、作業者が回転支軸4を手で支え、指先が回転部分に近い配置となるため軽量で、かつ作業中の安全を確保することが求められる。従って、樹脂製等で複雑な突起等を持たない形状とすることが好ましい。また、回転支軸4への取り付け及び固定は、ここでは図12に示すように複数(図では2個)の分割された部品とし、該部品で回転支軸4を挟持して固定しているが、これに限定されるものではなく、一つの部品として固定してもよい。
輪状体1は、その正面形状が図7に示すように円形であるが、多角形などにしてもよい。また、その断面は図のような片側に凹部が形成された形状であるが、この形状以外にも様々な形状が考えられる。また、輪状体1は回転中心軸に対して、対称であることが好ましい。また、慣性質量としての役目も担うことから、金属製でかつ密度が大きく十分な強度を有する鋼鉄製とすることが好ましい。
ソケット挿入部2は、各種サイズのネジ回し用ソケットを作業内容に合わせて交換可能なように係合する構造としてもよい。その場合の係合方法は、作業中に安易に離脱せず確実に保持ができ、交換時や装着時には容易に取外や取付けが可能な構造にすることが好ましい。例えば、図15に示すようなネジ回し用ソケットSK1、SK2のように外れ止め接合部13等を設けることが好ましい。
さらに、多目的用部材7は、輪状体1の外周面上の放射方向に固定し、その数は2乃至8個の複数個(図では4個)とすることが好ましい。また、質量の釣合いを考えて輪状体1の外周面上に等間隔で配置することが好ましい。更に、その放射方向には、慣性質量部材等が係合できる構造としてもよい。
また、継ぎ手5は、輪状体1の慣性力又はトルクを回転中心軸上のソケット挿入部2へ伝達するにふさわしい強度が必要である。従って、慣性力が小さい回転中心軸近傍では、単に装置全体の質量を増加させてしまうため、強度を確保しつつ最小限に無駄な部分を取り除いた形状とすることが好ましい。さらに、回転中心軸から半径上で輪状体1と固定する近傍では、継ぎ手5の一部分も慣性力を有するため、力の伝達を確実に行う形状であればよい。従って、継ぎ手5の形状は図7、図12に示す形状以外にも設計変更は可能である。例えば、輪状体1とソケット挿入部2を固定するための継ぎ手5の足の数は、前面を覆う1個〜複数個が考えられる。
さらに、継ぎ手5は、本単軸手動締付装置Mを用いて、ソケット挿入部2に挿入するネジ回し用ソケットの回転中心軸方向の距離よりも長い距離を有するボルトやナットを締付ける場合に、ネジ回し用ソケットSK1の挿入部と、ソケット挿入部2と、継ぎ手5と、回転支軸4の中心軸小ハンドル4Cの形状に設計変更を加えることで、下記のような作業も可能となる。
・長いボルトに貫通ナットをネジ送りし、締付けを行う作業。
・両端部以外に締付のための凸部がある長いボルトを、基礎部分にネジ送りし、締付けを行う作業。
上記作業を行う際、継ぎ手5の形状は、例えば、下記のようにしてもよい。
・回転中心近傍に空間を設け、それを取り囲むように円環状または多角形状等の環へ、輪状体1の外周近傍もしくはその一部から継ぎ手を形成すればよい。
・回転中心近傍の空間を除き、他の部分を全て覆い輪状体1の外周近傍もしくはその一部に固定してもよい。また、装置全体の総質量や装置中央部のラチェットギヤ3への注油メンテナンス等を考慮し、丸穴等を複数設けてもよい。
更に、分銅8は、図13(A)、(B)に示すように慣性質量の調整のため、多目的用部材7にネジ結合により組み合わせことができるように一端部にネジ溝8Bを設けている。また、他端を図13(A)に示すように手で把持する把持部8Aとするか、又は図14に示すような補助具9を結合できるよう断面多角形(図では6角形)としている。また、本単軸手動締付装置Mを用いて仮締めを行う際、図14(A)、(B)、(C)に示すような、円筒状の補助具9を用い、該補助具9を多目的用部材7若しくは多目的用部材7と分銅8の結合体に係合できる構造としてもよい。なお、図14(A)は補助具9の側面及び断面構成を示す図で、図14(B)はa−a断面図、14(C)はb−b断面図である。補助具9は図示するように、一端部内周が6角形状に形成された多目的用部材7又は分銅8に結合する結合部9Aが形成され、他端部外周に把持部9Bが形成されている。
また、回転支軸4の中心軸ハンドル4Aと中心軸大ハンドル4Bは、回転に必要な回転力を入力する目的と、支点として支える目的のため、その形状は手で握り易く、かつ、滑りにくいことが求められる。よって、握り部分の表面には握り易さと滑りを防止するための表面処理や不規則な凹凸等を設けてもよいし、握り部分の円筒形状を円でなく楕円や多角形等にしてもよい。
更に、中心軸小ハンドル4Cの近傍に形成される空間、即ち中心軸大ハンドル4Bの内周面と中心軸小ハンドル4Cの外周面との間隙は、指先を入れて中心軸小ハンドル4Cをつかむための空間である。回転支軸4の中心軸ハンドル4Aや中心軸大ハンドル4Bから回転力入力中に、中心軸小ハンドル4Cへ入力位置を変更することが可能である。これは、中心軸ハンドル4Aからの入力トルクよりは多少大きめな入力トルクが必要であるが、出力側が慣性力を得て回転中には入力トルクがさらに小さくてもよいため、下記のような操作方法を行うとより出力側、即ちソケット挿入部2を多い回転数で回転させることができる。
操作手順は、始めに中心軸ハンドル4Aや中心軸大ハンドル4Bから回転力(回転トルク)を入力し、慣性質量である輪状体1と多目的用部材7を回転させる。その後、使用方法により適宜な段階で中心軸小ハンドル4Cを複数の指で掴んで回転力(回転トルク)を与える。このように、輪状体1と多目的用部材7が慣性力により回転している間は小さな回転力の入力で回転を持続させることができる。また、回転が止まらぬように小刻みに入力を継ぎ足すように回転力を与えると、指先だけの動作で出力側の大きな回転角度を与えることができるため効果的である。
さらに、ソケット挿入部4Dには、必要に応じて逆回転用の補助装置などを連結させることができる。また、ソケット挿入部4Dを備えた各種工具類を本単軸手動締付装置Mに連結させて使用する場合等に利用することができる。
ここで、本単軸手動締付装置Mの構成について、回転力の伝達を交えて詳細に説明する。回転支軸4を片方の手で軸支しつつ、該回転軸に回転力を与えると回転力は、ラチェットギヤ3と、輪状体1と、継ぎ手5とを介してソケット挿入部2に伝達される。この場合、ラチェットギヤ3の構成部材であるラチェットギヤ内周部材31は、ラチェットギヤ外周部材32へ、ギヤにより締付方向に対し回転力を伝え、該回転力の伝達を終えるとラチェット効果により、ラチェットギヤ外周部材32はラチェットギヤ内周部材31に対し公転状態となる。そして、回転支軸4を片手で軸支したまま、慣性力が摩擦抵抗により消滅するまで(回転運動エネルギーが摩擦抵抗により消滅するまで)回転を続ける。
よって、入力側に回転力を入力することにより、出力側を適当な回転数で回転させると共に、ネジ山に配慮した低トルクのネジ送り作業(ナットの回転送り作業)が、片手のみの操作で行うことが可能となる。また、回転支軸4を軸支し、輪状体1に固定されている多目的用部材7又は多目的用部材7と分銅8との結合体から回転力を入力すると、該回転力は輪状体1と継ぎ手5を介してソケット挿入部2に伝達される。そして、慣性力が摩擦抵抗により消滅するまで回転を続ける。
この場合、ラチェットギヤ3のラチェットギヤ外周部材32のフランジ部は輪状体1に固定され、回転支軸4はラチェットギヤ内周部材31と固定されており、回転支軸4を軸支している限りは、ラチェットギヤ3を構成するラチェットギヤ外周部材32はラチェット効果により、ラチェットギヤ内周部材31に対してネジ締付方向に対し公転状態となり、回転支軸4は作業上の支点として作用する。従って、上記のように回転力を入力することにより、大きい慣性力が得られ、出力側にネジ送りに必要とするに充分な回転数が得られる。
また、上記ラチェットギヤ3が、回転力を伝達するタイミングについては、回転支軸4に回転力を与えた場合、ラチェットギヤ3のラチェットギヤ内周部材31が入力側、ラチェットギヤ外周部材32が出力側となる。そして、ラチェットギヤ内周部材31に対するラチェットギヤ外周部材32の相対角速度が0(rad/sec)になる場合に回転力を伝達する。従って、その相対角速度が0(rad/sec)より大きい場合には公転状態となる。
その後、ラチェットギヤ外周部材32にはたらく慣性力が摩擦抵抗により消滅するまでの間(慣性力による回転運動エネルギーが、摩擦抵抗により消滅するまでの間)、ラチェットギヤ外周部材32は回転を続けるが、慣性力がある程度衰えた段階で、再度回転力の入力を行う場合には、回転支軸4の角速度すなわち、ラチェットギヤ内周部材31の角速度が、ラチェットギヤ外周部材32の角速度に追いつくと駆動(回転力の伝達)を始め、ラチェットギヤ外周部材32に回転力が伝わる。
さらに、回転支軸4に回転力を与え、それ以上の角速度にさせると、つまり、ラチェットギヤ内周部材31に対するラチェットギヤ外周部材32の相対角速度が0となる短時間、ラチェットギヤ外周部材32とラチェットギヤ内周部材31とは同速で回転する。その後、ラチェットギヤ外周部材32は慣性力によるある程度の角速度維持と、ラチェットギヤ内周部材31の回転力減少に伴う減速によりラチェットギヤ外周部材32が公転状態となり、ネジ締付に係る回転運動を、摩擦抵抗により僅かづつ減少しながら一定時間回転力を伝達する。
以下に、第1実施形態に係る本単軸手動締付装置Mを用いて自動車用車輪を車体へ取り付ける際、ネジ締付に係る作業工程の一例を詳細に説明する。主に乗用を目的とした自動車の場合、つまりハブフランジにタイヤとディスクホイールが組み合わされた自動車用車輪を取り付ける構造の場合は、大別すると下記(1)、(2)のような二種類が存在する。
(1).一種類は、図2に示すように車両側フランジ面Fにあらかじめ植設されたクリップボルトCBに、ディスクホイールAW1の中央部近傍に開けられた締付用の取り付け座面S1を有する穴に貫通させ、その外側からナットN1で車輪を固定する種類である。日本製の車ではこの種が多く一般によく知られている。なお、この車輪の取り付け座面S1に設けた穴数及び締付けに係るボルト・ナットの数は、一般に複数個であり、特殊用途で用いられる場合、一つであることもある。
(2).もう一種類は、車両のハブフランジにネジ締付け用の穴が開けられ、雌ネジが作られている。そこへ車輪をあてがい、ディスクホイールの中央部近傍に設けた締付用の取り付け座面を有する穴と位置合わせした後、その外側からボルトで車輪を固定する種類であり、欧州車に多くみられる。なお、上記種類と同様に、この車輪の取り付け座面にある穴数および締付けに係るボルトおよびハブフランジに開けられた雌ネジ穴の数は、一般に複数個であり、特殊用途で用いられる場合、一つであることもある。
ここでは、一般に自動車のうち主に日本国で製作及び販売された乗用自動車、即ち上記(1)に記載した種類を用いて説明する。始めに、本単軸手動締付装置Mのソケット挿入部2には、締付けを行うナット外周面の形状および寸法(例えば、六角ナットであればそのナットの二面幅寸法)に合致したネジ回し用ソケットを選定して挿入する。続いて、下記手順のいずれかによりナットの締付け準備を行う。
・ネジ回し用ソケットSK1にナットN1を、あらかじめ挿入しておく。
・車両側フランジFに植設されたクリップボルトCBに、ナットN1のネジ山を正常に噛み合せ、仮止めしておく。
続いて、本単軸手動締付装置Mの回転支軸4の中心軸ハンドル4Aの近傍を片手で握り、あらかじめ本単軸手動締付装置Mに挿入された上記ネジ回し用ソケットSK1の先端中心部をクリップボルトCB先端中心部と合わせる。必要であれば、他方の手で車輪の外周近傍を支え、車両側フランジ面Fにディスクホイール取付面WFを合わせる。この際、面合わせや位置合わせをしっかりと行う。
続いて、回転支軸4を締付方向(この場合は右ネジを想定しているため、時計方向である)にゆっくりと手首でねじるように回転させる。すると、出力側であるネジ回し用ソケットSK1が、回転支軸4の動きに伴い回転する。その後、入力側は静止させているが、出力側はしばらく回転し続ける。これは円滑に作動するラチェットギヤ3と輪状体1等の慣性質量に働く慣性力によるものである。これにより、回転支軸4に与えた回転角度より出力側に回転角度の大きい角度の回転が得られ、ここでネジ山を数山送ることができる。
上記の工程において、低トルクかつ低回転状態を利用し、ネジ山の初期噛み合せが順調になされているかどうか判断ができる。また、ネジ山に異常がないかを回転支軸4を握る手の感覚で感じ取り確認を行うことが容易にできる。
続いて、ネジが正常かつ順調に噛み合った状態から、下記のいずれかの手順で回転力を入力し、ネジ送り工程をすすめる。
・回転支軸4を手首でねじるようにして回転力を入力する動作を除々に大きくしていく方法。
・回転支軸4を手首でねじるように回転力を入力する動作のねじる角度を小さくして、角加速度をつけるように小刻み回転力を入力する方法。
これらの方法により、ネジ送り工程を効率よく行うことができる。
また、ネジ送り工程中、さらに回転をスムーズにするための手順がある。それは、ある程度の慣性力を得て出力側が回転中に、回転支軸4の中心軸小ハンドル4Cを指先で掴むように握り回転力を入力する。即ち、回転支軸4の軸半径の小さい部分を利用して回転力を入力すると、一回で入力する回転角度が大きくなり、対する出力側回転角度もそれに応じて大きくなる。従って、出力側の回転数を多くすることが容易となる。単軸手動締付装置Mの使用状況で回転数を変化させるしくみは、作業者の回転力を入力する力加減(回転支軸4に与える回転力の加減)、回転支軸4に設けた中心軸ハンドル4Aの握る位置により軸半径を変化させて行っている。
続いて、ネジ送り工程からナットN1をディスクホイールAW1の締付座面S1に着座させる工程では、上記に記載した他方の手で車輪の外周近傍等を支え、車両側フランジ面Fとディスクホイール取付面WFとを面合わせや位置合わせを行いながら、回転支軸4の中心軸ハンドル4A、中心軸大ハンドル4B、中心軸小ハンドル4Cのいずれかから回転力を入力することで行う。これによりナットN1を締付座面S1の適正な位置へ着座させることができる。この場合には、ネジ締付に係る手が片手のみで行うことが可能であり、他方の手は車輪の面合わせや位置合わせに専念させることができる。即ち、一方の手で車輪面合わせや位置合わせした状態を維持しながら、他方の手でネジ送りからナットの着座までの作業を行うことができる。
なお、通常は上記に示したように、締付けに係るナットやボルトの数量が複数であることが多い。そこで、まず複数のうち約半数程度のネジを、上記の方法によって、軽く着座させるまでの工程を繰り返して行う。そして、ディスクホイールAW1の面合わせや位置合わせがほぼ完了した段階からは、残る他のネジについて上記で示したように、ネジが正常に噛み合ったところから、除々に回転支軸4をねじるようにして回転力を入力する動作を大きくまたは小刻みに行う。ここで更に両手を用いた作業へ移行することが可能となる。
その手順は、前段階から軸支している回転支軸4の回転動作を止めて固定軸として支え、好ましくは中心軸ハンドル4Aの近傍をそのまま支えながら、他方の手で多目的用部材7又は多目的用部材7と分銅8の結合体から時計方向に回転力を入力する。即ち、輪状体1等の慣性質量部に直接、手動で回転力を与える。
これにより、前段階よりも大きい出力側の回転力を得ることができ、ネジ送り工程から着座工程までの作業効率を向上させることができる。ここでは、回転速度を上げているが、ネジに対しても確実な方法を用いているため、ネジ山を傷めてしまうような作業上のエラーを起こしにくい利点がある。この手順により残るナットを同様に着座させる。
続いて、次に示す工程は、必要に応じて行うが、自動車の車輪の場合は、特にネジ結合させる取付け面が地面に対し垂直方向であり、重力の影響を少なからずとも受けているため、締付時には、取付けに係るボルト・ナットに対し被締付体であるディスクホイールAW1の取付座面S1がずれる要因となる。そこで、次のような工程で行うことが好ましい。
複数のナット全てを軽く着座させるまでの段階が完了したところで、本単軸手動締付装置Mに挿入されているネジ回し用ソケットSK1の先端部を、再度ナットN1にあてがい(ナットを挿入)、片手で回転支軸4の中心軸ハンドル4Aを握り、他方の手で車輪の外周近傍を支え、ハブフランジ面にディスクホイール取付面の位置合わせの確認及び微調整を行いながら、中心軸大ハンドル4Bにある程度の力をかけてゆっくりとねじるように対角締め等の方法により順序良く、複数のナットを同じ力で締付けることで、仮締めを行う前の準備段階を完了させる。なお、締め付けに係る手が握る位置は他に輪状体1の外周部近傍を手のひら全体で包むように握り、締め付けを行う手法もある。
続いて、本単軸手動締付装置Mを用いての最終工程である仮締めを行う。方法としては、小さい力でも適度な締付トルクを得られるよう、本単軸手動締付装置Mを構成する多目的用部材7または、多目的用部材7と分銅8の結合体に、図14に示す補助具9の補助具連結部9Aを連結させ、締め付け中心軸から入力位置までの距離を長く延長する。そして、締め付けに係る方の手で補助具9の補助具握り部9Bを握って仮締めを行う。
その一方で、中心軸には、ねじりモーメントがはたらくため、中心軸の支点として、回転支軸4の中心軸ハンドル4Aの近傍を他方の手で握って支えながら、補助具握り部9Bにゆっくり力を与え、対角締め等の方法により順序良く複数のナットを適切な締付トルクまで均一に締付け、仮締め工程の完了となる。なお、この仮締めを行う際は、複数のナット締め付けを数回に分けて除々に締め付けトルクを強める方法で行うことが好ましい。
本単軸手動締付装置Mを用いての作業は前記仮締め工程をもって最終工程となるが、この後の工程では、計測器(トルクレンチ等)を用いてトルク管理された本締め工程が行われる。その後に、完成検査が行われ、ネジ締付作業が終了する。また、上記に示したネジ締付作業の各工程中、作業内容等により必要に応じて、また、取り決めに応じて中間点検やできばえ点検を行ない、作業を進めることが好ましい。
本単軸手動締付装置Mを用いて自動車用車輪の取付けに係るネジ締付作業を行うことで、上記に示すように同様の作業工程を行うとして、従来の十字レンチ(クロスレンチ)を用いる方法と比較すると、個人差も多少勘案せねばならないが、概ね約半分程度の時間で行うことが可能となり、作業者の疲労感も少なくすることができ、作業効率が大幅に向上する。
本単軸手動締付装置Mにおいて、ラチェットギヤ3のラチェットギヤ外周部材32のフランジ部を輪状体1に固定しているボルト6を外し、ラチェットギヤ3と回転支軸4の組立体を輪状体1から外し、更に輪状ナット41及びラチェットギヤ3を外し、該ラチェットギヤ3を反転させて再び回転支軸4に取付け、輪状ナット41で締め付け固定し、ラチェットギヤ3と回転支軸4を上記と同様、ボルト6でラチェットギヤ外周部材32のフランジ部を輪状体1に固定することにより、該ラチェットギヤ外周部材32を含む輪状体1等からなる質量体(出力側)を前とは反対方向に回転するよう変更することができる。
〔第2実施形態〕
図16は本発明に係る単軸手動締付装置Mの要部(輪状体部、ラチェットギヤ部、回転支軸部)構成例を示す分解斜視図である。図16に示すように、回転支軸4がラチェットギヤ3のラチェットギヤ内周部材31に係合する部分を四角柱状部4aに形成しており、対応するラチェットギヤ内周部材31の中央部内周部を該四角柱状部4aが挿入できる四角状穴部31aに形成されている。回転支軸4の四角柱状部4aをラチェットギヤ内周部材31の四角状穴部31aに挿入して、ラチェットギヤ内周部材31を回転支軸4の外周に固定する。そしてラチェットギヤ外周部材32のフランジをその側面に止リング14を配置し、ボルト6で輪状体1に締め付け固定している。また、保護カバー42は回転支軸4の外周所定位置に形成されたネジ溝4cに該保護カバー42の内周面に形成されたネジ溝42aを螺合させることにより固定している。
単軸手動締付装置Mの要部を上記のように構成することにより、ラチェットギヤ3と回転支軸4の組み立て、及びラチェットギヤ3と回転支軸4の組立体と輪状体1との組み立てが容易となる。また、単軸手動締付装置Mの輪状体1が例えば時計方向に回転する場合、即ちこの状態でラチェットギヤ3が例えば時計方向にのみ回転力を伝達するラチェットギヤ3であった場合、ラチェットギヤ3を回転支軸4から取り外し、反転させて回転支軸4に組み込むという簡単な作業工程を加えるだけで、ラチェットギヤ外周部材32を含む輪状体1等からなる質量体(出力側)が反時計方向に回転する単軸手動締付装置Mに変更できる。
〔第3実施形態〕
図17は本発明に係る単軸手動締付装置の要部(輪状体部、ラチェットギヤ部、回転支軸部)構成例を示す分解斜視図である。図17に示すように、回転支軸4を円筒状とし、その端部に一対の凸部4b、4bを設けると共に、ラチェットギヤ3のラチェットギヤ内周部材31の端部に該凸部4b、4bが係合する凹部31b、31bを設け(なお、この凹部31b、31bは反対側端部にも設けられている)、回転支軸4の凸部4b、4bを該凹部31b、31bに係合(嵌合)させることにより、回転支軸4にラチェットギヤ内周部材31を固定する。そしてラチェットギヤ外周部材32のフランジをその側面に止リング14を配置し、ボルト6で輪状体1に締め付け固定している。また、保護カバー42は回転支軸4の外周所定位置に形成されたネジ溝4cに該保護カバー42の内周面に形成されたネジ溝42aを螺合させることにより固定している。
単軸手動締付装置Mの要部を上記のように構成することにより、ラチェットギヤ3と回転支軸4の組み立て、及びラチェットギヤ3と回転支軸4の組立体と輪状体1との組み立てが容易となる。また、単軸手動締付装置Mの輪状体1が例えば時計方向に回転する場合、即ちこの状態でラチェットギヤ3が例えば時計方向にのみ回転力を伝達するラチェットギヤ3であった場合、回転支軸4をラチェットギヤ3から抜き出し、該ラチェットギヤ3を反転させて再びラチェットギヤ内周部材31の反対側端部に設けた凹部31b、31b(図示せず)に回転支軸4の凸部4b、4bを係合(嵌合)させ固定するという簡単な作業工程を加えるだけで、ラチェットギヤ外周部材32を含む輪状体1が反時計方向に回転する単軸手動締付装置Mに変更できる。
〔第4実施形態〕
図18(A)、(B)、(C)はそれぞれ本発明に係る単軸手動締付装置の輪状体及び継ぎ手部分の構成例を示す分解斜視図である。図18(A)では、継ぎ手5は直線状に配置した2本の脚部51を備え、該脚部51の端部側面(輪状体1に対向する面)四角柱状の凸部51aを設け、この凸部51aを輪状体1の側面に設けた四角筒状の穴部1a(図16、図17を参照)に挿入することにより、継ぎ手5を輪状体1に固定している。また、継ぎ手5の軸中心部には四角柱状のソケット挿入部2を設け、該ソケット挿入部2にネジ回し用ソケットSK1の端部を挿入して該ネジ回し用ソケットSK1を継ぎ手5に固定するようになっている。このような構成を採用することにより、輪状体1への継ぎ手5の取付け、及び継ぎ手5へのネジ回し用ソケットSK1の取付けが容易となると共に、継ぎ手5の変更交換が容易となる。
また、図18(B)では、継ぎ手5は十字状に配置した4本の脚部51を備え、該脚部51の端部側面(輪状体1に対向する面)四角柱状の凸部51aを設け、この凸部51aを輪状体1の側面に設けた四角筒状の穴部1a(図16、図17を参照)に挿入することにより、継ぎ手5を輪状体1に固定している。また、継ぎ手5の軸中心部には四角柱状のソケット挿入部2を設け、該ソケット挿入部2にネジ回し用ソケットSK1の端部を挿入して該ネジ回し用ソケットSK1を継ぎ手5に固定するようになっている。このような構成を採用することにより、輪状体1への継ぎ手5の取付け、及び継ぎ手5へのネジ回し用ソケットSK1の取付けが容易となると共に、継ぎ手5の変更交換が容易となる。
また、図18(C)では、継ぎ手5は直線状に配置した2本の脚部51を備え、該脚部51の端部側面(輪状体1に対向する面)四角柱状の凸部51aを設け、この凸部51aを輪状体1の側面に設けた四角筒状の穴部1aに挿入することにより、継ぎ手5を輪状体1に固定している。また、継ぎ手5の軸中心部には円筒状のソケット挿入部2を設けている。ソケット挿入部2の外周部には軸方向に多数の係合溝2aを設け、該係合溝2aにネジ回し用ソケットSK3の内周に形成された溝SK3aを係合(嵌合)させて、該ネジ回し用ソケットSK3を継ぎ手5に固定するようになっている。このような構成を採用することにより、輪状体1への継ぎ手5の取付け、及び継ぎ手5へのネジ回し用ソケットSK3の取付けが容易となる。
〔第5実施形態〕
図19は本発明に係る単軸手動締付装置の構成例を示す断面図である。単軸手動締付装置の回転支軸4とラチェットギヤ3の組立体は、図示するように、円筒状の回転支軸4の端部外周にキー溝を設けると共に、ラチェットギヤ3のラチェットギヤ内周部材31の内周面の対応する部分にもキー溝を設け、回転支軸4の端部をラチェットギヤ内周部材31の中央部に形成された穴に挿入し、回転支軸4の外周面に設けたキー溝とラチェットギヤ内周部材31の内周面に設けたキー溝にキー15を挿入し、更に回転支軸4の端部にナット16を螺合させラチェットギヤ内周部材31の端面を締め付けて固定した構成である。
輪状体1の片側側面に形成された凹部に、上記回転支軸4の端部に固定されたラチェットギヤ3のラチェットギヤ外周部材32のフランジ部をボルト6で反対側から固定している。輪状体1の反対側面の中央部には円筒状のソケット挿入部2が一体に形成されている。該円筒状のソケット挿入部2の軸中心と輪状体1の軸中心は一致している。該ソケット挿入部2の外周には図18(C)ソケット挿入部2と同様、外周部軸方向に多数の係合溝2aが形成され、該係合溝2aにネジ回し用ソケットSK3の内周に形成された溝SK3aを係合(嵌合)させるようになっている。また、回転支軸4の中央貫通穴とソケット挿入部2の中央貫通穴は連通している。
上記構成とすることにより、比較的長いボルトに対しナットを締め付ける場合、例えば、本単軸手動締付装置よりも長いボルトにナットを締付ける場合、ボルトの長い部分が回転支軸4の中央貫通穴とソケット挿入部2の中央貫通穴を通って進むから、輪状体1や回転軸4がボルトの進行の障害となることなく、ナットを速い回転速度で回転させて長いボルトにネジ送りすることができ、ナットの締付けが可能となる。なお、単軸手動締付装置において、ラチェットギヤ3と回転支軸4の組立体を輪状体1から外し、ラチェットギヤ3を反転させて回転支軸4に再び固定し、該組立体のラチェットギヤ3のラチェットギヤ外周部材32のフランジ部をボルト6で輪状体1に固定することにより、ラチェットギヤ外周部材32を含む輪状体1等からなる質量体(出力側)が反対側に回転する単軸手動締付装置に変更することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、以上述べた実施形態に対し、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、大きさ、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
例えば、第1乃至第5実施形態に限らず、本装置を構成する多目的用部材7を取り去ることで、さらに装置全体の質量軽減が図られるため、主に、ネジ送り工程のみを連続して行うような作業内容や、ネジ山どうしを仮に数山かみ合わせておく連続作業などに適した形状も考えられる。
また、本装置では、本装置を使用するにあたり付随する補助具、ネジ回し用ソケット等を本装置と共に図示しているが、自動車用車輪の車体への取付作業に係るネジ締付作業を主体に説明するための大きさであり、他産業分野においては、装置の小型化、大型化にも変更が可能である。
軽金属製ディスクホイールとハブフランジの組み立てを示す断面図である。 車輪取付におけるネジ部分の構成例を示す拡大側面図である。 車輪取付におけるネジ部分の構成例を示す拡大側面図である。 車輪取付におけるネジ部分の構成例を示す拡大側面図である。 鋼鉄製ディスクホイールとハブフランジの組み立てを示す断面図である。 本発明に係る単軸手動締付装置の構成例を示す断面図である。(第1実施例) 図6のA−A矢視正面図である。 図6のB−B矢視断面図である。 図6のC−C矢視断面図である。 図6のD−D矢視断面図である。 図6のE−E矢視断面図である。 本発明に係る単軸手動締付装置の分解斜視図である。 分銅の形状を示す側面図である。 補助具の側面図および断面図である。 ネジ回し用ソケットの構成を示す側面図および正断面図である。 本発明に係る単軸手動締付装置の要部構成例を示す分解斜視図である。(第2実施例) 本発明に係る単軸手動締付装置の要部構成例を示す分解斜視図である。(第3実施例) 本発明に係る単軸手動締付装置の要部構成例を示す分解斜視図である。(第4実施例) 本発明に係る単軸手動締付装置の要部構成例を示す断面図である。(第5実施例)
符号の説明
1 輪状体
2 ソケット挿入部
3 ラチェットギヤ
4 回転支軸
4A 中心軸ハンドル
4B 中心軸大ハンドル
4C 中心軸小ハンドル
4D ソケット挿入部
5 継ぎ手
6 ボルト
7 多目的用部材
8 分銅
9 補助具
11 ボールベアリング
12 ラチェットギヤ爪
13 外れ止め接合部
14 止リング
15 キー
16 ナット
31 ラチェットギヤ内周部材
32 ラチェットギヤ外周部材
41 輪状ナット
42 保護カバー
51 脚部
SK1 ネジ回し用ソケット
SK2 ネジ回し用ソケット
SK3 ネジ回し用ソケット

Claims (7)

  1. 輪状体、ラチェットギヤ内周部材とラチェットギヤ外周部材を具備するラチェットギヤ、及び回転支軸を備え、
    前記輪状体の片側側面に形成した凹部に前記ラチェットギヤのラチェットギヤ外周部材又はラチェットギヤ内周部材を固定し、前記輪状体の反対側面の外周近傍から該輪状体の中心軸上を通る位置に継ぎ手の片側を固定し、該継ぎ手の反対側面に前記輪状体の中心軸延長上である位置に回転力出力部を設け、前記ラチェットギヤのラチェットギヤ内周部材又はラチェットギヤ外周部材を前記回転支軸に固定し、
    前記回転支軸に回転力を与えることにより前記ラチェットギヤと、前記輪状体と、前記継ぎ手を介して、前記回転力出力部を回転駆動させ、その後前記回転支軸に回転力が加えられない限り、前記ラチェットギヤ外周部材又はラチェットギヤ内周部材と、前記輪状体と、前記継ぎ手からなる質量体の慣性力が消滅するまで、前記回転力出力部を回転駆動させる構成としたことを特徴とする単軸手動締付装置。
  2. 請求項1に記載の単軸手動締付装置において、
    前記輪状体の外周面上には放射方向に複数個の多目的用部材を固定し、該多目的用部材により前記輪状体と前記継ぎ手を介して、前記回転力出力部を回転駆動させる構成としたことを特徴とする単軸手動締付装置。
  3. 請求項1又は2に記載の単軸手動締付装置において、
    前記ラチェットギヤは前記回転支軸の時計回り又は反時計回りのいずれか一方の回転力しか前記回転力出力部に伝達できない構成としたことを特徴とする単軸手動締付装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、
    前記回転支軸は、前記輪状体とラチェットギヤとにより形成される隙間に、巻き込み防止用の保護カバーを備え、該保護カバーの外側に位置する中心軸ハンドルと、該中心軸ハンドルの外側端部に位置する中心軸大ハンドルと、該中心軸大ハンドルの内周側で前記中心軸ハンドル外側端部に位置する中心軸小ハンドルをそれぞれ備え、更に回転支軸の内部かつ中央部近傍に空洞を備え、更に前記中心軸小ハンドルの端部には、ソケット挿入部を備えたことを特徴とする単軸手動締付装置。
  5. 請求項乃至4のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、
    前記多目的用部材はその放射方向端部に同放射方向に分銅を取付け可能に構成し、該分銅はその放射方向端部に同放射方向に補助具を取付け可能に構成したことを特徴とする単軸手動締付装置。
  6. 請求項乃至5のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、
    前記回転支軸と前記ラチェットギヤと前記輪状体と前記多目的用部材とで構成される回転半径は、ネジを回転させるに充分な慣性質量を備える範囲内で可能な限り小さくしたことを特徴とする単軸手動締付装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の単軸手動締付装置において、
    前記ラチェットギヤのラチェットギヤ内周部材とラチェットギヤ外周部の間に多数の鋼球を具備するボールベアリングを介在させたことを特徴とする単軸手動締付装置。
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