JP4047795B2 - 量子計算方法および量子計算機 - Google Patents

量子計算方法および量子計算機 Download PDF

Info

Publication number
JP4047795B2
JP4047795B2 JP2003372640A JP2003372640A JP4047795B2 JP 4047795 B2 JP4047795 B2 JP 4047795B2 JP 2003372640 A JP2003372640 A JP 2003372640A JP 2003372640 A JP2003372640 A JP 2003372640A JP 4047795 B2 JP4047795 B2 JP 4047795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
levels
control
resonates
gate
unitary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003372640A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005134761A (ja
Inventor
隼人 後藤
厚一 市村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2003372640A priority Critical patent/JP4047795B2/ja
Priority to US10/975,445 priority patent/US7447719B2/en
Publication of JP2005134761A publication Critical patent/JP2005134761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4047795B2 publication Critical patent/JP4047795B2/ja
Priority to US12/236,005 priority patent/US7826115B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
    • G06N10/00Quantum computing, i.e. information processing based on quantum-mechanical phenomena

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Computational Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

本発明は、光を用いた多制御ユニタリーゲートの操作方法および多制御ユニタリーゲートに関する。
近年、量子力学の原理を使って計算を行う量子計算機の研究が盛んに行われている。量子計算機では、2つの量子状態|0>、|1>が情報の基本となる。これらは現在の計算機において情報の基本となるビットの0と1に相当しているが、量子計算機では計算過程においてα|0>+β|1>(α、β:複素数)のような重ね合わせの状態が使われるので、現在の計算機のビットと区別してこれを量子ビットと呼ぶ。
量子計算における任意の演算は、1つの量子ビットを変換する1量子ビットゲートと、2つの量子ビットのうち一方の状態に依存して他方の状態を変換する2量子ビットゲートの組み合わせで実行できることが知られている。特に、2量子ビットゲートとしては、一方が|0>のときに他方をそのままとし|1>のときに他方の|0>と|1>を交換するCNOTゲートがあれば十分であることが知られている(非特許文献1参照)。これらの基本的なゲートをユニバーサルゲートと呼ぶ。ユニバーサルゲートを用いれば任意の演算を行うことが可能ではあるが、3量子ビット以上に作用するゲート(2つの量子ビットが|1>のときにのみ他の1つの量子ビットの|0>と|1>を交換する量子トフォリゲートなど)をユニバーサルゲートの組み合わせで行おうとすると多数のゲートが必要になり、操作も複雑になる。よって、Shorの素因数分解のアルゴリズムやGroverのデータベース検索のアルゴリズムなど、3量子ビット以上に作用するゲートを多用する実際の量子アルゴリズムを実現するには、ユニバーサルゲートだけでなく3量子ビット以上に作用するゲートもユニバーサルゲートに分解せずに実行できたほうがよい。
現在までに、いくつかの2量子ビットゲートの実現方法が発表されている。光共振器を用いて、離れた物理系を結合して2量子ビットゲートを行う方法の最初のものとして、Pellizzariの方法が知られている(非特許文献2参照)。この方法で用いられる物理系は1つ1つがそれぞれ2重に縮退した3つのエネルギー準位を持つ3準位系であり、下2準位のうち一方の縮退した2状態で量子ビットを表現し、下2準位の残りの準位と上準位が共振器モードに共鳴している。この方法では縮退した準位を使うので、縮退した2状態に個別の操作をしたい場合には、磁場または電場をかけて縮退を解いてエネルギーで区別するか、物理系として用いる材料固有の光学的選択則を利用するか、いずれかをしなければならないという問題があった。このような問題を持たない共振器を用いた提案もある(非特許文献3参照)。しかし、Pellizzariの方法も含めて従来の方法はすべて2量子ビットゲートの提案であり、3量子ビット以上に作用するゲートを行う共振器を用いた量子計算方法の提案は今のところない。
M. A. Nielsen and I. L. Chuang, Quantum Information and Computation, Cambridge Univ. Press (2000) T. Pellizzari, S. A. Gardiner, J. I. Cirac, and P. Zoller, Phys. Rev. Lett. 75, 3788 (1995) L. You, X. Y. Yi, and X. H. Su, Phys. Rev. A 67, 032308 (2003)
本発明の目的は、2量子ビットゲートを含む多量子ビットゲートを実行できる、光共振器を用いた多制御ユニタリーゲートの操作方法およびそれを実現する多制御ユニタリーゲートを提供することにある。
本発明の一態様に係る多制御ユニタリーゲートの操作方法は、N個(Nは自然数)の制御ビットに依存して他の1個の標的系量子ビットにユニタリー変換Uを施す多制御ユニタリーゲートを操作する方法であって、
(N+1)個の物理系(ここで、各々の物理系は、5つのエネルギー準位|0>、|1>、|2>、|3>、|4>を有し、量子ビットが下3準位のうち2つの準位|0>、|1>で表現され、下3準位|0>、|1>、|2>のそれぞれと上2準位|3>、|4>のそれぞれとの間の遷移が光学的に可能であり、それぞれの物理系の|2>と|3>の2準位間の遷移周波数が実質的に等しい)を、前記|2>と|3>の2準位間の遷移周波数に共鳴する共振器モードを有する光共振器内に配置し、前記(N+1)個の物理系のうちN個の物理系をN個の制御系として用い、他の1個の物理系を標的系として用いるように準備し、
前記標的系に、|0>と|4>、|1>と|4>、および|2>と|4>に共鳴する光パルスを照射し、ユニタリー変換Uに依存する前記標的系の|0>と|1>との重ね合わせの状態|c>を|2>へ変化させ、
(N+1)個の全ての制御系および標的系に|0>と|3>、および|1>と|3>に共鳴する光パルスを照射して、前記制御系に共鳴する光パルスが照射されている間に前記標的系に共鳴する光パルスの位相をユニタリー変換Uに依存した特定の値だけシフトさせ、
前記標的系に、|0>と|4>、|1>と|4>、および|2>と|4>に共鳴し、互いの位相差がユニタリー変換Uに依存した特定の値に設定された光パルスを照射して、|2>を|c>へ戻すことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る多制御ユニタリーゲートは、
(N+1)個の物理系(ここで、各々の物理系は、5つのエネルギー準位|0>、|1>、|2>、|3>、|4>を有し、量子ビットが下3準位のうち2つの準位|0>、|1>で表現され、下3準位|0>、|1>、|2>のそれぞれと上2準位|3>、|4>のそれぞれとの間の遷移が光学的に可能であり、それぞれの物理系の|2>と|3>の2準位間の遷移周波数が実質的に等しい)と、
その内部に前記物理系を配置させ、前記|2>と|3>の2準位間の遷移周波数に共鳴する光共振器と、
各物理系に対し、下3準位|0>、|1>、|2>のそれぞれと上2準位|3>、|4>のそれぞれとの間の遷移に共鳴する光パルスを生成する光源および周波数・振幅変調器と、
前記光パルスの位相を制御する位相変調器と、
前記周波数・振幅変調器および位相変調器を同期して動作させる制御装置と
を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、制御ビットの条件を表す基底を自由に選択して、単一制御ユニタリーゲートだけでなく、多制御ユニタリーゲートも実行することができる。この結果、基本的なユニバーサルゲートのみを使った場合に比べて、実際の量子アルゴリズムの実現で必要なゲートの数が格段に減り、操作も簡略化されるという効果が得られる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本明細書において、制御系とは制御ビットを保持するために用いる物理系のことを呼び、標的系とは標的ビットを保持するために用いる物理系のことを呼ぶ。簡単のため、2つの物理系を制御系として用い、他の1つの物理系を標的系として用い、各制御ビットに依存して標的ビットにユニタリー変換Uを施す多制御ユニタリーゲート(以下、M-C-Uゲートという)をどのように実現するかについて説明する。なお、後述するように、制御ビットがN個(N:2以外の自然数)の場合も同様にして実現できる。
以下、「量子ビットが|d>の場合〜をする」というのは、「量子ビットを表す状態を|d>とそれと直交する状態|c>の重ね合わせで表したとき、その重なり合った状態のうち|d>を含む状態に対して〜を行う」、という意味である。
図1に、ここで説明するM-C-Uゲートの量子回路図を示す。図1に示すように、2つの制御系を物理系1と2、標的系を物理系3とし、2つの制御ビットを量子ビット1と2、標的ビットを量子ビット3とする。このゲートは、各制御ビットがそれぞれ|d>1=U1 -1|1>1と|d>2=U2 -1|1>2の場合にのみ、標的ビットにユニタリー変換U3を施す(図1では、量子ビット3を標的ビットとしているので、上記のユニタリー変換UをU3と表している)。この場合、このM-C-Uゲートにおける「制御ビットkの条件を表す基底」とは、|d>kとそれと直交する状態|c>kの組{|d>k ,|c>k }のことを意味する。
この特別な場合として、各制御ビットがそれぞれ|1>1と|1>2の場合にのみ標的ビットの|0>3と|1>3を交換する量子トフォリゲートがある。量子トフォリゲートはショアが発見した素因数分解の量子アルゴリズムにおいて多用される非常に重要なゲートである(V. Vedral, A. Barenco, and A. Ekert, Phys. Rev. A 54, 147 (1996))。
3つのユニタリー変換は一般に次のように表せる(任意のユニタリー変換は以下の形で表すことができる)。
Figure 0004047795
ここで、I(3), σx (3), σy (3), σz (3)は量子ビット3に対する恒等演算子およびパウリ演算子であり、次式で定義される。
Figure 0004047795
また、Uk(k=1,2)の位相因子は、後に元に戻すユニタリー変換Uk -1を行うことから無視できるので、Θkk=0(k=1,2)とする。
図2に、3つの物理系のエネルギー準位とそれらを含む光共振器および共振器モードを示す。物理系k(k=1,2,3)の状態をエネルギーの低いほうから順に|0>k、|1>k、|2>k、|3>k、|4>kとする。|0>kと|1>kによって量子ビットを表す。ゲート操作前は、全ての物理系の状態は|0>kと|1>kで表される状態であるとする。|2>kと|3>kが共振器モードと共鳴している。上記のM-C-Uゲートは以下に説明する3つのステップにより実現される。図3に各ステップにおいて照射する光を示す。
始状態|Ψ0>kを、|d>k、|c>k(k=1,2,3)と共振器モードの光子状態を用いて下記のように表す。
Figure 0004047795
ここで、|lmn>≡|l>1|m>2|n>3であり、|0>は共振器モードの光子数がゼロの状態(真空)を表す。
(ステップ1)
図3(ステップ1)に示すように、初めに、標的系に|0>3と|4>3、|1>3と|4>3、|2>3と|4>3に共鳴する光パルス列を照射する。量子ビットは位置または周波数で区別する。それぞれの光パルス列の周波数をω04 (3)、ω14 (3)、ω24 (3)とする。物理系3(標的系)に作用する光パルス列の電場は次式で表される。
Figure 0004047795
エンベロープは次式で与えられる。
Figure 0004047795
ここで、A(3)は定数であり、fc(t), f2(t)はパルス波形を表し、次式で与えられる。
Figure 0004047795
上式において2τはパルス幅、t0は時刻0において電場がゼロとなるようにするための正定数である。パルスの間隔を幅の半分に等しくしたのは、以下で説明するアディアバティック・パッセッジという物理過程が効率よく行われることを考慮しているためである。光パルスの具体例については後述する(実施例1、図8参照)。
相互作用表示における相互作用ハミルトニアンは、回転波近似のもとで次式のように表される。
Figure 0004047795
ハミルトニアンのゼロ固有値に対する固有状態をダークステート(dark state)と呼ぶ。上記のハミルトニアンに対するダークステートで始状態と関係のあるものは、
|l>1|m>2|d>3|0>, |l>1|m>22 (3)(t)|c>3c (3)(t)|2>3)|0> (l,m=0,1)
である。ラビ周波数の時間変化が十分遅いとき、始状態のうち|c>3は上記の光パルス列によってダークステートの変化とともに変化する。それ以外は変化しない。|2>3に共鳴する光パルスが照射され始めたときは、ダークステートは|c>3なので|c>3は変化しない。その後、|c>3に共鳴する光パルスが照射され始めるとダークステートは|c>3と|2>3の重ね合わせとなるので、始状態のうち|c>3も同じ重ね合わせの状態へと変化する。光パルス列の照射が終了したとき、ダークステートの変化に伴い|c>3は最終的に-|2>3となる。このようにダークステートを通して状態が変化する現象を「アディアバティック・パッセッジ(adiabatic passage)」と呼ぶ(K. Bergmann, H. Theuer, and B. W. Shore, Rev. Mod. Phys. 70, 1003 (1998))。上記のアディアバティック・パッセッジの後の状態は、
1>=(αddd|ddd>-αddc|dd2>+αdcd|dcd>-αdcc|dc2>
cdd|cdd>-αcdc|cd2>+αccd|ccd>-αccc|cc2>)|0>
となる。
(ステップ2)
次に、共振器効果を用いたアディアバティック・パッセッジを行う。図3(ステップ2)に示すように、|0>1と|3>1、|1>1と|3>1、|0>2と|3>2、|1>2と|3>2、|0>3と|3>3、|1>3と|3>3に共鳴する光パルス列を照射する。それぞれの光パルス列の周波数をω03 (1)、ω13 (1)、ω03 (2)、ω13 (2)、ω03 (3)、ω13 (3)とする。物理系k(k=1,2,3)に作用するパルス列の電場E'(k)(t)は次式で与えられる。
Figure 0004047795
エンベロープは次式で与えられる。
Figure 0004047795
ここで、A'(k)(1,2,3)は定数であり、パルス波形は次式で与えられる。
Figure 0004047795
ステップ1のパルスと重ならないように、ステップ1とステップ2の隣接するパルスはたとえば6τ離すように設定する。また、f1 (3)(t)とf2 (3)(t)も、重ならないように6τ離すように設定する。以下においても、離すべきパルスは6τ離すように設定する。相互作用ハミルトニアンは次式のように表される。
Figure 0004047795
状態の変化に関係のあるダークステートは次のようになる。
Figure 0004047795
上記の光パルス列によるアディアバティック・パッセッジにおいて、Ω'c (3)の位相がφ3だけシフトするために、状態は次式のように変わる。
Figure 0004047795
(ステップ3)
図3(ステップ3)に示すように、ステップ1のアディアバティック・パッセッジの逆を行うことによって-|2>3→e-iφ3|c>3と戻す。ステップ1との違いは、エンベロープおよび光パルス波形を次のようにすることである。なお、定数A(3)はステップ1と同じでなくてもよい。
Figure 0004047795
状態は、
3>=(αddd|ddd>+αddce-iφ3|ddc>+αdcd|dcd>+αdcc|dcc>
cdd|cdd>+αcdc|cdc>+αccd|ccd>+αccc|ccc>)|0>
となる。
これを演算子Pで始状態を変換する形で表すと、次のようになる。
Figure 0004047795
関係式:|d>33<d|+e-iφ3|c>33<c|=e-i(Θ3+φ3/2)U3を用いれば、演算子Pは次のように表される。
Figure 0004047795
これは2つの制御ビットがそれぞれ|d>1=U1 -1|1>1、|d>2=U2 -1|1>2のときにのみ標的ビットにe-i(Θ3+φ3/2)U3をかけることを意味しているので、位相を除いて実現したかったM-C-Uゲートになっている。Θ33/2=0の場合は位相まで含めて正しく実行できる。最も重要なM-C-Uゲートの1つである量子トフォリゲートは、パラメータの値を
φ3=π, ψ123=π, θ12=0, θ3=π/2, Θ3=-π/2
とすることで、位相を含めて正しく実行できる(Θ33/2=0を満たしている)。
次に、制御ビットが1つであるC-Uゲートを実行する場合について説明する。ここでは、制御ビット1と標的ビットのみを考え、制御ビット2はないものとする。この場合、ステップ3で-|2>3→e-iφ3|c>3を行っている間に、制御ビット1に|d>1→ei[Θ3+φ3/2]|d>1(|c>1はそのまま)という1量子ビットゲートを行えば位相まで含めて常に正しく実行できる。1量子ビットを変換する1量子ビットゲートは、下3準位|0>k、|1>k、|2>kと上準位|4>kに共鳴する光を使ったアディアバティック・パッセッジによって実現できることが知られている(Z. Kis and F. Renzoni, Phys. Rev. A 65, 032318 (2002))。この方法を使って、アディアバティック・パッセッジによって|d>1→ei[Θ3+φ3/2]|d>1を行う。同様にして、任意の1量子ビットゲートは下3準位|0>k、|1>k、|2>kと上準位|4>kに共鳴する光を使ったアディアバティック・パッセッジによって実現できる。このようにした場合、本発明に係る多制御ユニタリーゲートの操作方法において、演算に用いられる物理的な過程は全てアディアバティック・パッセッジとなる。アディアバティック・パッセッジは、励起状態からの緩和を無視でき、かつ制御すべき物理量の誤差に鈍感である、といったメリットがある。このため、演算が全てアディアバティック・パッセッジで行えることは本発明の利点の1つである。
|d>1→ei[Θ3+φ3/2]|d>1という制御ビット1に対する1量子ビットゲートを実行するには、図4に示すように、制御系1に|0>k、|1>k、|2>kと|4>kに共鳴する光パルス列を照射する。それぞれの光パルス列の周波数をω04 (1)、ω14 (1)、ω24 (1)とする。光パルス列の電場は次式で表される。
Figure 0004047795
エンベロープは次式で与えられる。
Figure 0004047795
ここで、A"(1)は定数であり、パルス波形は次式で与えられる。
Figure 0004047795
次いで、制御ビットがN個(N:自然数)の多制御ユニタリーゲートを実行する場合について説明する。ここでは、1〜N番目の量子ビットを制御ビット、(N+1)番目の量子ビットを標的ビットとする。ステップ1では上で説明したM-C-Uゲートの場合と同様に|c>N+1→-|2>N+1とする。今の場合、ステップ2におけるハミルトニアンは次式で与えられる。
Figure 0004047795
対応するダークステートのうち時間に依存するものは、次にように表される。
Figure 0004047795
ステップ1の後の状態に含まれる状態のうち、標的ビットが|2>で制御ビットの少なくとも1つが|c>である状態は、上記ダークステートに含まれ、アディアバティック・パッセッジにより変化する。上記の式より、それらの状態のダークステート内での係数はgkΩ'c (N+1)(k=1,…,N)になることがわかる。ステップ2のアディアバティック・パッセッジでは、ラビ周波数Ω'c (N+1)をeiφ(N+1)Ω'c (N+1)へ変換することを行うので、これらの状態の係数にはeiφ(N+1)がかかる。ステップ1の後の状態に含まれる状態のうち、制御ビットが全て|d>である状態は時間に依存しないダークステートとなっており、変化しない。残りの状態(標的ビットが|d>で制御ビットの少なくとも1つが|c>である状態)は上記ダークステートに含まれるが、その係数はgのみのべき乗であり、時間によらないので、ステップ2のアディアバティック・パッセッジにより変化しない。ステップ3において、上で説明したM-C-Uゲートの場合と同様に-|2>N+1→e-iφ(N+1)|c>N+1とすれば、最終的に得られる状態は制御ビットがすべて|d>の場合にのみ標的ビットにe-i(Θ(N+1)+φ(N+1)/2)U3を施したものとなるので、以上の3つのステップによりN制御ビットのM-C-Uゲートも(位相を除いて)実現できることがわかる。
制御ビットがN個(N:2以上の自然数)の場合でΘN+1N+1/2≠0であり位相まで正しく実行したい場合は、上で説明したM-C-Uゲートを実行した後、制御ビット1を標的ビット、それ以外の(N-1)個の制御ビットを制御ビットとしたM-C-Uゲートを同じように実行して|d>1|d>2…|d>N→ei[Θ(N+1)+φ(N+1)/2]|d>1|d>2…|d>N(その他はそのまま)とすればよい。
以上のように、N個の制御ビットと他の1つの標的ビットに対し、各制御ビットが|0>と|1>のある重ね合わせの状態|d>(|d>は各制御ビットで異なっていてもよい)の場合にのみ標的ビットにユニタリー変換Uを施すM-C-Uゲートはアディアバティック・パッセッジを3回行うことで(位相を除いて)実現できる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図5に、本実施例における多制御ユニタリーゲートの構成を示す。試料20としてPr3+をドープしたY2SiO5結晶(Pr3+:Y2SiO5結晶)を用意し、物理系としてPr3+の超微細準位を用いる。図6に、Pr3+の超微細準位を示す。これはPr3+の核スピンに起因する超微細構造分裂によるもので、低温において非常に長い緩和時間を実現できる。そのため、コヒーレントな重ね合わせの状態を、レーザーを用いて作れることが確認されている(K. Ichimura, K. Yamamoto, and N. Gemma, Phys. Rev. A 58, 4116 (1998))。このPr3+の超微細準位は、下3準位、上2準位を使う本発明の多制御ユニタリーゲートの操作方法に最適である。
なお、適切なエネルギー準位のイオンがない場合には、各準位が核スピンについて縮退しているので、後述するように(実施例3)磁場を印加してゼーマン分裂を起こし、分裂の大きさを調整したゼーマン準位を用いてもよい。また、使用する物理系によっては、電場を印加することにより所望のエネルギー準位を準備してもよい。
光源10としては周波数ジッターが数キロヘルツにまで周波数安定化したリング色素レーザーを用いる。本発明の多制御ユニタリーゲートの操作方法に必要な光パルス列は、周波数シフトと強度・位相変調によって実現できるので、これらを行うために音響光学効果素子(AOM)11と電気光学効果素子(EOM)12を使う。光パルスの振幅をAOM11で、その位相をEOM12で適切に設定できるように、AOM11とEOM12を同期させて動作させる制御系15を用いる。
試料20(Pr3+:Y2SiO5結晶)は比較的小さく(1×1×1mm)、ファブリ・ペロ共振器21の焦点に固定され、共振器21ごとクライオスタット13中に設置される。クライオスタット13内は液体ヘリウムを用いて絶対温度1.4Kに保つ。
量子計算終了後の計算結果の読み出しにおいて、読み出したい準位に共鳴する光を照射してその発光を検出するために、クライオスタット13の外部に感度のよい光検出器14を配置する。
図5の装置を用いた量子トフォリゲートの動作を説明する。量子トフォリゲートは、制御ビット1と2がともに|1>の場合のみ標的ビットの|0>と|1>を入れ換えるというゲートである。
まず、ゲート操作を行うのに適切なイオンを選び出す。Pr3+の濃度が十分薄い試料を使い、さらに不均一幅の中心から外れた周波数帯で動作させることで、共振器に共鳴するイオンが数個であるようにする。これらのイオンのうち、図7に示された準位を持つ3つのイオンを使う。共振器モードに共鳴する2準位を|2>k、|3>k(k=1,2,3)とし、それ以外の準位のうち、2つの下準位を|0>k、|1>k、1つの上準位を|4>kと表す。ここでは周波数で分けやすいように共振器に共鳴する下準位を図7のように異なる核スピンの超微細準位になるようにイオンを選んだが、同じ核スピンの超微細準位の不均一幅の中で選んでもよい。
次に、適切な初期状態を用意する作業を行う。|2>k(k=1,2,3)と|3>k、|4>k以外の残りの上準位に共鳴する光を照射し、共振器モードに共鳴する全てのイオンの下準位の状態を共振器モードに共鳴しない下準位に移す。その|2>k(k=1,2,3)に共鳴する光が照射されている状態で、|1>1と|3>1、|1>2と|4>2、|1>3と|4>3に共鳴する光も照射し、3つのイオンの状態を|0>1、|0>2、|0>3に移す。こうして初期化が行われる。同様にして、3つのイオンの状態を|1>1、|0>2、|0>3または|0>1、|1>2、|0>3または|1>1、|1>2、|0>3に移すこともできる。以下においては、初期状態が(|0>1、|0>2、|0>3)、(|1>1、|0>2、|0>3)、(|0>1、|1>2、|0>3)、(|1>1、|1>2、|0>3)の4通りの場合で量子トフォリゲートを行い、その後測定をすることで正しい動作をすることを確認する。初期状態が(|1>1、|1>2、|0>3)の場合だけ量子ビット3の状態が|1>3となり、その他の場合に|0>3のままであれば正しい動作をしたといえる。
量子トフォリゲートを実行する具体的な操作を説明する。量子トフォリゲートと上述した一般的なM-C-Uゲートを比較すると、M-C-Uゲートの場合に使われた状態|d>1、|c>1、|d>2、|c>2とユニタリー変換U3は、量子トフォリゲートではそれぞれ|1>1、|0>1、|1>2、|0>2とσx (3)であるから、照射するパルス列を決めるパラメータの値は以下のようになる。
φ3=π, ψ123=π, θ12=0, θ3=π/2, Θ3=-π/2。
これより、|d>3=(|0>+|1>)*2-1/2、|c>3=(|0>-|1>)*2-1/2となる。
以下、始状態が|Ψ0>=|000>|0>=(|00d>+|00c>)*2-1/2|0>の場合を詳しく説明する。トフォリゲートを行う過程は、上述した一般的なM-C-Uゲートの場合と同様に、3つのステップからなる。図8に、3つのステップで照射する光パルスのエンベロープを示す。図8では、以下の式中に現れる定数因子をすべて1とした。
(ステップ1)
初めに、標的ビットに|0>3と|4>3、|1>3と|4>3、|2>3と|4>3に共鳴する光パルス列を照射する。物理系3に作用するパルス列の電場は上で決めたパラメータにより決まり、次式のように表される。
Figure 0004047795
エンベロープは次式で与えられる(図8)。
Figure 0004047795
ここで、A(3)は定数であり、fc(t), f2(t)はパルス波形を表し、次式で与えられる。
Figure 0004047795
本実施例ではτ=10μs、t0=30μsとした。相互作用表示における相互作用ハミルトニアンは回転波近似のもとで次式のように表される。
Figure 0004047795
上記のハミルトニアンに対するダークステート(ハミルトニアンのゼロ固有値に対応する固有状態)で始状態と関係のあるものは
|l>1|m>2|d>3|0>, |l>1|m>22 (3)(t)|c>3c (3)(t)|2>3)|0> (l,m=0,1)
である。ラビ周波数の時間変化が十分遅いとき、始状態のうち|c>3は上記のパルス列によってダークステートの変化とともに変化する。それ以外は変化しない。|2>3に共鳴する光パルスが照射され始めたときは、ダークステートは|c>3なので|c>3は変化しない。その後、|c>3に共鳴する光パルスが照射され始めるとダークステートは|c>3と|2>3の重ね合わせとなるので、始状態のうち|c>3も同じ重ね合わせの状態へと変化する。光パルス列の照射が終了したとき、ダークステートの変化に伴い、|c>3は最終的に-|2>3となる(アディアバティック・パッセッジ)。上記のアディアバティック・パッセッジの後の状態は、|Ψ1>=(|00d>-|002>)*2-1/2|0>となる。
(ステップ2)
次に、共振器効果を用いたアディアバティック・パッセッジを行う。|0>1と|3>1、|0>2と|3>2、|0>3と|3>3、|1>3と|3>3に共鳴する光パルス列を照射する。それぞれの光パルス列の周波数をω03 (1)、ω03 (2)、ω03 (3)、ω13 (3)とする。物理系k(k=1,2,3)に作用するパルス列の電場E'(k)(t)は次式で与えられる。
Figure 0004047795
エンベロープは次式で与えられる。
Figure 0004047795
ここで、A'(k)(1,2,3)は定数であり、パルス波形f(k)(t)(k=1,2,3)は次式で与えられる。
Figure 0004047795
相互作用ハミルトニアンは次式のように表される。
Figure 0004047795
状態の変化に関係のあるダークステートは次のようになる。
Figure 0004047795
上記のパルス列によるアディアバティック・パッセッジにより、Ω'c (3)の符号が反転するので状態は、|Ψ2>=(|00d>+|002>)*2-1/2|0>に変わる。
(ステップ3)
ステップ1のアディアバティック・パッセッジの逆を行うことによって-|2>3→-|c>3と戻す。ステップ1との違いは、ステップ1との違いは、エンベロープおよび光パルス波形を次のようにすることである。なお、定数A(3)はステップ1と同じでなくてもよい。
Figure 0004047795
状態は、|Ψ3>=(|00d>+|00c>)*2-1/2|0>=|000>|0>=|Ψ0>となる。すなわち、始状態が|000>|0>の場合には、以上の3ステップで元に戻り変化しない。
始状態が|Ψ0>=|100>|0>=(|10d>+|10c>)*2-1/2|0>の場合に図8のパルス列を照射すると、各ステップで|Ψ1>=(|10d>-|102>)*2-1/2|0>、|Ψ2>=(|10d>+|102>)*2-1/2|0>、|Ψ3>=(|10d>+|10c>)*2-1/2|0>=|100>|0>=|Ψ0>となり、3ステップで元に戻り変化しない。
始状態が|Ψ0>=|110>|0>=(|11d>+|11c>)*2-1/2|0>の場合に図8のパルス列を照射すると、各ステップで|Ψ1>=(|11d>-|112>)*2-1/2|0>、|Ψ2>=(|11d>+|112>)*2-1/2|0>、|Ψ3>=(|11d>+|11c>)*2-1/2|0>=|111>|0>となり、3ステップで量子ビット3がフリップする。
以上の動作はトフォリゲートの動作と一致しているので、図8のパルス列でトフォリゲートが実現できる。
AOM11とEOM12を用いて図8のエンベロープを持つパルス列を生成し、初期化後の試料に照射した。光パルスの強度はラビ周波数がピーク値で数MHzになるように設定した。その直後に|1>3と|4>3に共鳴する光パルスを照射して発光を光検出器14で検出した。この測定を繰り返し行ったところ、初期状態が(|0>1、|0>2、|0>3)、(|1>1、|0>2、|0>3)、(|0>1、|1>2、|0>3)の場合には発光がほとんど観測されず、初期状態が(|1>1、|1>2、|0>3)の場合には発光が観測された。これはゲートが正しく動作したことを意味する。
(実施例2)
本実施例では、物理系に磁場を印加してエネルギー準位を設定する場合について説明する。図9に、本実施例における多制御ユニタリーゲートの構成を示す。図9の装置では、実施例1で用いた図5の装置に加え、試料20に対して磁場を印加するコイル22が設けられている。
試料20に磁場を印加することによって、適切なエネルギー準位が設定できることを示すために、実施例1で使用した周波数帯から共振器の自由スペクトル域(Free Spectral Range, FSR)だけ離れた周波数帯で実験を行った。この場合には、図7に示したような都合のよいエネルギー準位を持った3つのイオンが存在しなかった。そこで、印加する磁場の強度を変化させて調べたところ、磁場が数100Gのところで図7に示したような共振器の共振周波数に等しい遷移周波数のエネルギー準位を持った3つのイオンが見つかった。これらに対し、実施例2と同様にして量子トフォリゲートを実行したところ、正しい動作をすることが確認された。
本発明の実施形態に係る量子回路図。 3つの物理系のエネルギー準位とそれらを含む光共振器および共振器モードを示す図。 M-C-Uゲートを実行する3つのステップで照射する光を示す図。 C-Uゲートを実行する場合に位相を調整するために制御ビット1に対する1量子ビットゲートを行う際に照射する光を示す図。 本発明の実施例1において用いられた多制御ユニタリーゲートの構成を示す図。 Pr3+:Y2SiO5結晶中のPr3+イオンのエネルギー準位を示す図。 本発明の実施例1における量子トフォリゲートに用いられた3つのPr3+イオンのエネルギー準位を示す図。 本発明の実施例1における量子トフォリゲートを実現するのに用いられた光パルス列のエンベロープを示す図。 本発明の実施例2において用いられた多制御ユニタリーゲートの構成を示す図。
符号の説明
10…周波数安定化リング色素レーザー、11…音響光学効果素子(AOM)、12…電気光学効果素子(EOM)、13…クライオスタット、14…光検出器、15…制御装置、20…Pr3+:Y2SiO5結晶、21…光共振器、22…コイル。

Claims (6)

  1. N個(Nは自然数)の制御ビットに依存して他の1個の標的ビットにユニタリー変換Uを施す多制御ユニタリーゲートを操作する方法であって、
    (N+1)個の物理系(ここで、各々の物理系は、5つのエネルギー準位|0>、|1>、|2>、|3>、|4>を有し、量子ビットが下3準位のうち2つの準位|0>、|1>で表現され、下3準位|0>、|1>、|2>のそれぞれと上2準位|3>、|4>のそれぞれとの間の遷移が光学的に可能であり、それぞれの物理系の|2>と|3>の2準位間の遷移周波数が実質的に等しい)を、前記|2>と|3>の2準位間の遷移周波数に共鳴する共振器モードを有する光共振器内に配置し、前記(N+1)個の物理系のうちN個の物理系をN個の制御系として用い、他の1個の物理系を標的系として用いるように準備し、
    前記標的系に、|0>と|4>、|1>と|4>、および|2>と|4>に共鳴する光パルスを照射し、ユニタリー変換Uに依存する前記標的系の|0>と|1>との重ね合わせの状態|c>を|2>へ変化させ、
    (N+1)個の全ての制御系および標的系に|0>と|3>、および|1>と|3>に共鳴する光パルスを照射して、前記制御系に共鳴する光パルスが照射されている間に前記標的系に共鳴する光パルスの位相をユニタリー変換Uに依存した特定の値だけシフトさせ、
    前記標的系に、|0>と|4>、|1>と|4>、および|2>と|4>に共鳴し、互いの位相差がユニタリー変換Uに依存した特定の値に設定された光パルスを照射して、|2>を|c>へ戻す
    ことを特徴とする多制御ユニタリーゲートの操作方法
  2. 前記5つのエネルギー準位は原子またはイオンの核スピンに起因する超微細構造分裂によって生じる準位であることを特徴とする請求項1に記載の多制御ユニタリーゲートの操作方法
  3. 原子またはイオンに磁場または電場を印加してエネルギー準位の分裂を生じさせることによって、前記5つのエネルギー準位を設定することを特徴とする請求項1に記載の多制御ユニタリーゲートの操作方法
  4. |0>と|4>、|1>と|4>、および|2>と|4>に共鳴する光を、その強度および位相を制御して照射することによって1量子ビットゲートを実行することを特徴とする請求項1に記載の多制御ユニタリーゲートの操作方法
  5. (N+1)個の物理系(ここで、各々の物理系は、5つのエネルギー準位|0>、|1>、|2>、|3>、|4>を有し、量子ビットが下3準位のうち2つの準位|0>、|1>で表現され、下3準位|0>、|1>、|2>のそれぞれと上2準位|3>、|4>のそれぞれとの間の遷移が光学的に可能であり、それぞれの物理系の|2>と|3>の2準位間の遷移周波数が実質的に等しい)と、
    その内部に前記物理系を配置させ、前記|2>と|3>の2準位間の遷移周波数に共鳴する光共振器と、
    各物理系に対し、下3準位|0>、|1>、|2>のそれぞれと上2準位|3>、|4>のそれぞれとの間の遷移に共鳴する光パルスを生成する光源および周波数・振幅変調器と、
    前記光パルスの位相を制御する位相変調器と、
    前記周波数・振幅変調器および位相変調器を同期して動作させる制御装置と
    を具備したことを特徴とする多制御ユニタリーゲート
  6. 前記物理系のエネルギー準位間の遷移に共鳴する光が照射された物理系からの発光を検出する光検出器を有することを特徴とする請求項5記載の多制御ユニタリーゲート
JP2003372640A 2003-10-31 2003-10-31 量子計算方法および量子計算機 Expired - Fee Related JP4047795B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003372640A JP4047795B2 (ja) 2003-10-31 2003-10-31 量子計算方法および量子計算機
US10/975,445 US7447719B2 (en) 2003-10-31 2004-10-29 Quantum computing method and quantum computer
US12/236,005 US7826115B2 (en) 2003-10-31 2008-09-23 Quantum computing method and quantum computer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003372640A JP4047795B2 (ja) 2003-10-31 2003-10-31 量子計算方法および量子計算機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005134761A JP2005134761A (ja) 2005-05-26
JP4047795B2 true JP4047795B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=34587214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003372640A Expired - Fee Related JP4047795B2 (ja) 2003-10-31 2003-10-31 量子計算方法および量子計算機

Country Status (2)

Country Link
US (2) US7447719B2 (ja)
JP (1) JP4047795B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9311606B2 (en) 2009-09-28 2016-04-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Quantum computer and quantum memory

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4047795B2 (ja) 2003-10-31 2008-02-13 株式会社東芝 量子計算方法および量子計算機
JP3984248B2 (ja) 2004-08-30 2007-10-03 株式会社東芝 量子コンピューター
JP4316515B2 (ja) * 2005-02-02 2009-08-19 株式会社東芝 量子計算機及び量子計算方法
US7242599B2 (en) * 2005-04-22 2007-07-10 John Robert Burger Self-analyzing memory word
JP4599290B2 (ja) * 2005-12-27 2010-12-15 株式会社東芝 量子情報処理装置および方法
US7782077B2 (en) * 2007-01-18 2010-08-24 Northrop Grumman Systems Corporation Method and apparatus for ballistic single flux quantum logic
US7724020B2 (en) 2007-12-13 2010-05-25 Northrop Grumman Systems Corporation Single flux quantum circuits
JP5354861B2 (ja) 2007-02-14 2013-11-27 株式会社東芝 量子計算機および量子計算方法
JP4296203B2 (ja) * 2007-03-19 2009-07-15 株式会社東芝 量子ビット読出装置および方法
US7985965B2 (en) * 2007-03-29 2011-07-26 Raytheon Company Quantum computing device and method including qubit arrays of entangled states using negative refractive index lenses
US7498832B2 (en) * 2007-08-03 2009-03-03 Northrop Grumman Systems Corporation Arbitrary quantum operations with a common coupled resonator
US7893708B2 (en) * 2007-08-03 2011-02-22 Northrop Grumman Systems Corporation Quantum gate operations with a common coupled resonator
JP5268316B2 (ja) * 2007-09-26 2013-08-21 株式会社東芝 光共振器
JP2009080310A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Toshiba Corp 量子計算機および量子計算方法
JP4996407B2 (ja) * 2007-09-27 2012-08-08 株式会社東芝 単一光子発生装置、量子ビット読出装置および方法
JP5091717B2 (ja) * 2008-02-21 2012-12-05 株式会社東芝 量子計算方法および量子計算機
US7772871B2 (en) * 2008-04-28 2010-08-10 Northrop Grumman Corporation Method and apparatus for high density superconductor circuit
US7969178B2 (en) * 2008-05-29 2011-06-28 Northrop Grumman Systems Corporation Method and apparatus for controlling qubits with single flux quantum logic
US7982646B2 (en) 2008-07-31 2011-07-19 Northrop Grumman Systems Corporation Method and apparatus for matched quantum accurate feedback DACs
US7724083B2 (en) * 2008-08-05 2010-05-25 Northrop Grumman Systems Corporation Method and apparatus for Josephson distributed output amplifier
US7655850B1 (en) * 2008-08-26 2010-02-02 University Of Seoul Industry Cooperation Foundation Universal quantum gate
US7786748B1 (en) 2009-05-15 2010-08-31 Northrop Grumman Systems Corporation Method and apparatus for signal inversion in superconducting logic gates
US8671369B2 (en) 2009-12-08 2014-03-11 University Of Seoul Industry Cooperation Foundation Quantum Karnaugh map
US8022722B1 (en) 2010-06-04 2011-09-20 Northrop Grumman Systems Corporation Quantum logic gates utilizing resonator mediated coupling
JP5367663B2 (ja) * 2010-09-09 2013-12-11 株式会社東芝 量子情報処理方法及び量子情報処理装置
JP5367666B2 (ja) 2010-09-21 2013-12-11 株式会社東芝 誘導ラマン断熱通過の操作方法及び位相ゲート操作の方法
US20160293502A1 (en) * 2015-03-31 2016-10-06 Lam Research Corporation Method and apparatus for detecting defects on wafers
US9715950B2 (en) * 2015-04-14 2017-07-25 Honeywell International Inc. Single cell apparatus and method for single ion addressing
JP6495752B2 (ja) * 2015-06-11 2019-04-03 株式会社東芝 量子計算機及び量子計算方法
US10140404B2 (en) * 2015-11-06 2018-11-27 Rigetti & Co, Inc. Analyzing quantum information processing circuits
US10122350B2 (en) 2015-11-17 2018-11-06 Northrop Grumman Systems Corporation Josephson transmission line (JTL) system
US10754223B2 (en) 2016-11-03 2020-08-25 Harris Corporation Multi-channel laser system including an acoustic-optic modulator (AOM) with atom trap and related methods
US10509245B2 (en) 2016-11-03 2019-12-17 Harris Corporation Multi-channel laser system including an acousto-optic modulator (AOM) with beam stabilizer and related methods
US9958710B1 (en) * 2016-11-03 2018-05-01 Harris Corporation Multi-channel laser system including an acousto-optic modulator (AOM) and related methods
US10423887B2 (en) * 2016-11-23 2019-09-24 Microsoft Technology Licensing, Llc Compilation, memory management, and fault localization with ancillas in an unknown state
US11211722B2 (en) 2017-03-09 2021-12-28 Microsoft Technology Licensing, Llc Superconductor interconnect system
US10122351B1 (en) 2017-07-25 2018-11-06 Northrop Grumman Systems Corporation Superconducting bi-directional current driver
US10491178B2 (en) 2017-10-31 2019-11-26 Northrop Grumman Systems Corporation Parametric amplifier system
US10122352B1 (en) 2018-05-07 2018-11-06 Northrop Grumman Systems Corporation Current driver system
US11354589B2 (en) 2019-01-08 2022-06-07 IonQ, Inc. Quantum computer architecture based on multi-qubit gates
CN113097853B (zh) * 2021-03-26 2022-06-28 中国人民解放军国防科技大学 一种应用于绝热通道的拉曼光任意波形脉冲产生装置
JP2023168069A (ja) * 2022-05-13 2023-11-24 学校法人早稲田大学 量子演算ユニット、量子演算器

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3854059B2 (ja) * 1999-11-18 2006-12-06 株式会社東芝 量子情報処理方法および量子情報処理装置
US6671710B2 (en) * 2002-05-10 2003-12-30 Energy Conversion Devices, Inc. Methods of computing with digital multistate phase change materials
US7002133B2 (en) * 2003-04-11 2006-02-21 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Detecting one or more photons from their interactions with probe photons in a matter system
JP4047795B2 (ja) 2003-10-31 2008-02-13 株式会社東芝 量子計算方法および量子計算機
US7359101B2 (en) * 2004-09-13 2008-04-15 Hewleet-Packard Development Company, L.P. Tests of quantum information
JP4316515B2 (ja) 2005-02-02 2009-08-19 株式会社東芝 量子計算機及び量子計算方法
JP4599290B2 (ja) 2005-12-27 2010-12-15 株式会社東芝 量子情報処理装置および方法
JP5354861B2 (ja) 2007-02-14 2013-11-27 株式会社東芝 量子計算機および量子計算方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9311606B2 (en) 2009-09-28 2016-04-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Quantum computer and quantum memory

Also Published As

Publication number Publication date
US20050110106A1 (en) 2005-05-26
US7826115B2 (en) 2010-11-02
US20090030962A1 (en) 2009-01-29
JP2005134761A (ja) 2005-05-26
US7447719B2 (en) 2008-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4047795B2 (ja) 量子計算方法および量子計算機
He et al. Coherently driving a single quantum two-level system with dichromatic laser pulses
Schmidt-Kaler et al. The coherence of qubits based on single Ca+ ions
Kim et al. Ultrafast optical control of entanglement between two quantum-dot spins
US8049943B2 (en) Quantum computing method and quantum computer
Häffner et al. Quantum computing with trapped ions
Tan et al. Multi-element logic gates for trapped-ion qubits
Goto et al. Multiqubit controlled unitary gate by adiabatic passage with an optical cavity
JP4996407B2 (ja) 単一光子発生装置、量子ビット読出装置および方法
JP5091813B2 (ja) 量子ゲート方法および装置
JP5354861B2 (ja) 量子計算機および量子計算方法
Ben-Kish et al. Experimental demonstration of a technique to generate arbitrary quantum superposition states of a harmonically bound spin-1/2 particle
Torosov et al. High-fidelity error-resilient composite phase gates
Solano et al. Manipulating motional states by selective vibronic interaction in two trapped ions
JP2009080310A (ja) 量子計算機および量子計算方法
JP3984248B2 (ja) 量子コンピューター
Abdurakhimov et al. Identification of different types of high-frequency defects in superconducting qubits
WO2011036814A1 (ja) 量子計算機および量子メモリー
Zheng Quantum logic gates for hot ions without a speed limitation
Goswami Laser phase modulation approaches towards ensemble quantum computing
Campbell Certified quantum gates
Schmidt-Kaler et al. Quantized AC-Stark shifts and their use for multiparticle entanglement and quantum gates
Reina et al. Radiative corrections and quantum gates in molecular systems
Liu et al. Coherent control of cavity quantum electrodynamics for quantum nondemolition measurements and ultrafast cooling
Yang et al. Simple scheme for implementing the Deutsch–Jozsa algorithm in a thermal cavity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees