JP4047509B2 - コネクタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多極形のものに好適するコネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気配線の接続に用いられるコネクタ装置においては、接触子の個数が多くなるに伴い、雌側コネクタと雄側コネクタとの結合時における接触子の接触摩擦抵抗が大きくなって、操作力が大きく必要となる事情を有している。
このため、接触子を多数有する多極形のコネクタ装置においては、結合操作に更に大きな力が必要であった。
【0003】
これに対して、従来、図14に示すように、例えば1つの雄側コネクタ1に対して、雌側コネクタ2を複数(この場合、2a,2b,2cの3個)に分け、この複数に分けた雌側コネクタ2a,2b,2cを、雄側コネクタ1のそれぞれ接続すべき箇所1a,1b,1cに個別に結合するようにしたものが供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとくしたものにおいては、雌側コネクタ2a,2b,2cの1つ1つが有する接触子(雄側コネクタ1の接触子3に対応してそれぞれ有するが、図示を省略している)の個数が少なくなるため、各雌側コネクタ2a,2b,2cと雄側コネクタ1との結合に要する操作力を小さくすることができる。
【0005】
しかしながら、複数に分けた雌側コネクタ2a,2b,2cの1つ1つを持って雄側コネクタ1の各部1a,1b,1cに1つ1つ結合する必要があり、操作が面倒になっていた。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、主として、結合の操作力を軽減できると共に、結合操作を簡単にもできるコネクタ装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のコネクタ装置は、雌側コネクタと雄側コネクタとを具備し、そのいずれか一方を、外側ハウジングと、この外側ハウジングに複数段に設けられ、それぞれ接触子を有した内側ハウジングと、複数の段差部を有して前記外側ハウジングに組込まれ、外部から操作されるごとに前記各内側ハウジングとの係合関係が変わる操作伝達部材とを具備する構成とし、前記外側ハウジングを前記操作伝達部材の各段差部が相手コネクタのハウジングの縁部に当たるまで相手コネクタ方向へ押込み操作することにより、前記内側ハウジングをこれとの前記係合関係の変わった前記操作伝達部材を介して相手コネクタ方向へ押込むことを特徴とする。
このものによれば、外側ハウジングと押込み操作伝達部材とを交互に押込み操作することによって、複数段ある内側ハウジングが順次相手コネクタに結合される。
【0008】
この場合、外側ハウジングと各内側ハウジングとの間には、外側ハウジングに加えられた相手コネクタ方向とは反対方向への引離し操作力を各内側ハウジングに順次伝える引離し操作伝達手段を有すると良い。
このものでは、相手コネクタからの内側ハウジングの引離しも、外側ハウジングの引離し操作によって順次行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図1ないし図13を参照して説明する。
まず図4には、雄側コネクタ11と雌側コネクタ12とを結合前の状態で示している。このうち、雄側コネクタ11は、ハウジング13を外殻とし、これの内部に多数の雄側接触子14を設けて構成している。
【0010】
ハウジング13は、詳細には、この場合、接続対象の導電部(図示省略)を有するベース部15に、プラスチック等の絶縁材により一体に形成したものであり、図中右側端の一面が開放する矩形ボックス状を成している。雄側接触子14は、このハウジング13内の奥部から開放部側へ突設しており、左右に複数個ずつ、上下に複数段(この場合、3段)存在している。又、この雄側接触子14は導電材製で、ピン状を成しており、その各基端部を前記ベース部15内の導電部に接続している。
【0011】
ハウジング13の上部には凹部16と、これの両側に位置する2つのガイド溝17とを、ともに上方へ膨出させて、開放部側から奥部側へ延ばし形成しており、更に凹部16の内上部には爪掛け部を形成している(図示省略)。
これに対して、雌側コネクタ12は、外側ハウジング18を外殻とし、これに複数個(この場合、3個)の内側ハウジング19と、押込み操作伝達部材20とを組込んで構成している。
【0012】
外側ハウジング18は、プラスチック等の絶縁材により単独に形成したもので、上記雄側コネクタ11のハウジング13とは対称的に、図中左側の一面が開放する矩形ボックス状を成しており、その大きさは雄側コネクタ11のハウジング13より一回り小さく、該ハウジング13内にほゞ隙間なく収納し得る大きさとしている。
【0013】
この外側ハウジング18の内部には、図5に示すように、それを上下複数段 (この場合、3段)の室21に仕切る仕切壁22を奥部側に形成している。又、この外側ハウジング18の左右の両側壁には、上述の各室21の位置に合わせて、矩形の孔23,24,25をそれぞれ奥部側から開放部側へ長さを異ならせて形成している。この場合、最上段の孔23が最も短く、次いで中段の孔24が長く、最下段の孔25が更に長くなっている。
【0014】
一方、外側ハウジング18の上部には、図6にも示すように、弾性舌片26とリブ27とを形成しており、そのうち、弾性舌片26は前記雄側コネクタ11の凹部16に収納されるもので、前記爪掛け部に係合される爪28を有している。リブ27は前記ガイド溝17に収納されるもので、弾性舌片26の両側に存在している。
又、この外側ハウジング18の上部には、奥部側から開放部側へ長い矩形の孔29を形成しており、これに対応して、前記仕切壁22にもそれぞれ同等の大きさの切欠部を形成している(図示省略)。
【0015】
内側ハウジング19は、プラスチック等の絶縁材により図7に示す矩形の偏平なブロック状に形成したものであり、その中央部付近の後部側には上記外側ハウジング18の孔29と対応する切欠部30を形成している。又、この内側ハウジング19の切欠部30の両側のうちの一方側(図7中、下側)には、図8にも示すように、前後に複数段(この場合、3段)の段差部31,32,33を係合部として形成する凹部34を下面側に設けており、他方側(図7図中、上側)には、図9にも示すように、段差部35と段差部36を同じく被係合部として前後に形成する凹部37を上面側に設け、下面側に段差部38を形成する凹部39を設けている。なお、この場合、段差部31〜33及び段差部35,38が後向きの直立面状を成すのに対して、段差部36は、前向きで、且つ後上がりの斜面状を成している。
【0016】
更に、内側ハウジング19の前面部から内部には、前記雄側コネクタ11の雄側接触子14と嵌合して接触する雌側接触子40を埋設している。加えて、内側ハウジング19の左右の両側面には、図10にも示すように、凸条部41を形成し、この凸条部41の後端部に突起42を形成している。なお、この凸条部41の突起42を形成した後端部に対して、内側ハウジング19の左右の両側面には穴43を形成しており、これによって、凸条部41の突起42の部分が内側ハウジング19の内外側方へ弾性変形し得るようにしている。
【0017】
そして、押込み操作伝達部材20は、上記外側ハウジング18の室21の全部に対して上下に直交する長さを有する板状を成すものであり、これには、図11及び図12に示すように、一側面の中間部と下端部とにそれぞれ係合部としての凸部44,45を、それぞれ後部側から前部側へ長さ及び上下方向の幅を異ならせて突設している。又、この押込み操作伝達部材20の他側面には、上端部の全長にわたり凸部46を、下端部付近の前部に係合部としての凸部47をそれぞれ形成している。
【0018】
そのうち、凸部46は、前後に複数段(この場合、3段)の段差部48,49,50を係合部として上面側に有し、下面側に1段の段差部51を有している。又、凸部47は後部の下面側に後上がりの斜面部52を有している。
更に、この押込み操作伝達部材20の後縁部の上部には、突起53と、これの部分を前後に弾性変形させるための透溝54とを形成している。
【0019】
この構成で、押込み操作伝達部材20を、前記外側ハウジング18の孔29から仕切壁22の図示しない切欠部を通して外側ハウジング18内に挿入し、凸部46だけを外側ハウジング18外の上方に突出させている。又、その状態で、外側ハウジング18の各室21には、それぞれ内側ハウジング19を前方より挿入して、該内側ハウジング19を上下複数段(この場合、3段)に設けている。
【0020】
図13の(a)、(b)、(c)、及び図4は、このように外側ハウジング18に押込み操作伝達部材20及び内側ハウジング19を組込んだ状態を示しており、そのうち、最下段の内側ハウジング19は、段差部31を押込み操作伝達部材20の凸部45に当接係合させて外側ハウジング18から最も突出する位置に留められている。又、中段の内側ハウジング19は、段差部31を押込み操作伝達部材20の凸部44に当接係合させると共に、段差部38を押込み操作伝達部材20の凸部47に当接係合させて外側ハウジング18から少し突出する位置に留められ、最上段の内側ハウジング19は、段差部31が外側ハウジング18の奥面に当接係合するまで進められて該外側ハウジング18に全部収納された状態となっている。
【0021】
又、それにより、最下段の内側ハウジング19は、突起42を外側ハウジング18の最下段の孔25の最前部に嵌合させ、中段の内側ハウジング19は、突起42を中段の孔24の最前部に嵌合させ、最下段の内側ハウジング19は、突起42を最上段の孔23に前後の余裕なく嵌合させている。
なお、各内側ハウジング19からは、雌側接触子40にそれぞれ接続したリード線55を後方に導出させており、更に、そのリード線55は、外側ハウジング18の後壁部に形成した孔56(図4参照)から、外側ハウジング18外の後方に導出させている。
【0022】
次に、上記構成のものの作用を述べる。
まず、図1の(ア)の(a)、(b)、(c)、及び図2の(ア)は、上述の、図13の(a)、(b)、(c)、及び図4に示した状態から、雌側コネクタ12を雄側コネクタ11のハウジング13内に矢印Aで示すごとく押込んだ状態を表している。
【0023】
このとき、雌側コネクタ12は、押込み操作伝達部材20の凸部46の段差部48が雄側コネクタ11のハウジング13の開放部の上縁部に当たるまで、ハウジング13内に押込まれる。又、それによって、雌側コネクタ12の全部の内側ハウジング19も、雄側コネクタ11のハウジング13内に押込まれるが、その中でも、押込み操作伝達部材20の凸部45に段差部31を係合させた最下段の内側ハウジング19が、その係合構造を介し、押込み操作伝達部材20によって押圧される(後退を阻止される)ことにより、雄側コネクタ11の最下段の雄側接触子14に雌側接触子40を嵌合させて結合される。
【0024】
次いで、図1の(イ)の(a)、(b)、(c)、及び図2の(イ)は、上述の状態から、押込み操作伝達部材20を上方より矢印Bで示すごとく押込んだ状態を表している。
【0025】
このとき、押込み操作伝達部材20は、凸部47が最下段の内側ハウジング19の段差部36上の位置(上段部57)に当たるまで押込まれる。又、それによって、押込み操作伝達部材20は、凸部45を上記最下段の内側ハウジング19の段差部31から下方にずらしてそれとの係合を解き、凸部44を中段の内側ハウジング19の段差部31との当初の係合位置から下方へずらす。更に、凸部46を、段差部48が雄側コネクタ11のハウジング13内に臨む位置であって、且つ、段差部49がハウジング13の開放部の上縁部に臨む位置にずらす。
【0026】
次いで、図1の(ウ)の(a)、(b)、(c)、及び図2の(ウ)は、上述の状態から、更に雌側コネクタ12を雄側コネクタ11のハウジング13内に矢印Cで示すごとく押込んだ状態を表している。
【0027】
このとき、雌側コネクタ12は、押込み操作伝達部材20の凸部46の段差部49が雄側コネクタ11のハウジング13の開放部の上縁部に当たるまで、ハウジング13内に押込まれる。又、それによって、中段と最上段の両内側ハウジング19も、雄側コネクタ11のハウジング13内に更に押込まれるが、その中でも、押込み操作伝達部材20の凸部44に段差部31を係合させた中段の内側ハウジング19が、その係合構造を介し、押込み操作伝達部材20によって押圧されることにより、雄側コネクタ11の中段の雄側接触子14に雌側接触子40を嵌合させて結合される。
【0028】
なお、このとき、押込み操作伝達部材20の凸部45は、最下段の内側ハウジング19の凹部34内を段差部32に向かって進むのみであり、該最下段の内側ハウジング19に押込み力を与えることはない。
又、このとき、外側ハウジング18は、最下段の内側ハウジング19の突起42を最下段の孔25の中間部に位置させる位置に前進する。
【0029】
次いで、図1の(エ)の(a)、(b)、(c)、及び図2の(エ)は、上述の状態から、押込み操作伝達部材20を更に上方より矢印Dで示すごとく押込んだ状態を表している。
【0030】
このとき、押込み操作伝達部材20は、凸部47が最下段の内側ハウジング19の段差部36下の位置(下段部58)に当たるまで押込まれる。又、それによって、押込み操作伝達部材20は、凸部45を最下段の内側ハウジング19の段差部32から下方にずらし、凸部44を中段の内側ハウジング19の段差部31から下方にずらしてそれとの係合を解く。更に、凸部46を、段差部48が最上段の内側ハウジング19の段差部35に係合する位置であって、且つ、段差部49が雄側コネクタ11のハウジング13内に臨む位置であり、更に、段差部50がそのハウジング13の開放部の上縁部に臨む位置にずらす。
【0031】
次いで、図1の(オ)の(a)、(b)、(c)、及び図2の(オ)は、上述の状態から、更に雌側コネクタ12を雄側コネクタ11のハウジング13内に矢印Eで示すごとく押込んだ状態を表している。
【0032】
このとき、雌側コネクタ12は、押込み操作伝達部材20の凸部46の段差部50が雄側コネクタ11のハウジング13の開放部の上縁部に当たるまで、ハウジング13内に押込まれる。又、それによって、押込み操作伝達部材20の凸部46の段差部48に段差部35を係合されると共に、外側ハウジング18に段差部31を係合された最上段の内側ハウジング19が、それらの係合構造を介し、押込み操作伝達部材20によって押圧されることにより、雄側コネクタ11の最上段の雄側接触子14に雌側接触子40を嵌合させて結合されるものであり、かくして、雌側コネクタ12の全部の内側ハウジング19が雄側コネクタ11に結合される。
【0033】
なお、このとき、押込み操作伝達部材20の凸部45は、最下段の内側ハウジング19の凹部34内を段差部33に向かって進むのみであり、又、凸部44は、中段の内側ハウジング19の凹部34内を段差部32に向かって進むのみであって、更に、凸部47は最下段の内側ハウジング19の凹部37内を段部35に向かって進むのみであるから、それぞれ最下段の内側ハウジング19及び中段の内側ハウジング19に押込み力を与えることはない。
【0034】
又、このとき、外側ハウジング18は、最下段の内側ハウジング19の突起42を最下段の孔25の最後部に位置させ、中段の内側ハウジング19の突起42を中段の孔24の最後部に位置させる位置に更に前進する。
そして更に、これらのとき、雄側コネクタ11のガイド溝17には雌側コネクタ12のリブ27が進入して結合のガイドをし、凹部16には雌側コネクタ12の弾性舌片26が進入して、最終的に爪28を図示しない爪掛け部に係合させることによって結合状態の保持をする。
【0035】
これに対して一方、図3の(カ)の(a)、(b)は、上述の状態で、凹部16より外部に残った弾性舌片26の先端部を押込み操作して爪28を図示しない爪掛け部から外した上で、雌側コネクタ12を雄側コネクタ11より矢印Fで示すごとく引いた状態を表している。
このとき、突起42を外側ハウジング18の最上段の孔23に係合された最上段の内側ハウジング19が、その係合構造を介し、外側ハウジング18によって引かれることにより、雌側接触子40を雄側コネクタ11の最上段の雄側接触子14から離脱させて引離される。
【0036】
又、このとき、外側ハウジング18は、中段の内側ハウジング19の突起42を中段の孔24の最前部に位置させる位置であって、且つ、最下段の内側ハウジング19の突起42を最下段の孔25の中間部に位置させる位置に後退する。更に、このとき、押込み操作伝達部材20は、凸部46の段差部50を雄側コネクタ11のハウジング13の開放部の上縁部から離し、凸部47を最下段の内側ハウジング19の段部35から離す。
【0037】
次いで、図3の(キ)の(a)、(b)は、上述の状態から、更に雌側コネクタ12を雄側コネクタ11より矢印Gで示すごとく引いた状態を表している。 このとき、上述同様にして最上段の内側ハウジング19が引かれると共に、突起42を外側ハウジング18の中段の孔24の最前部に係合された中段の内側ハウジング19が、その係合構造を介し、外側ハウジング18によって引かれることにより、雌側接触子40を雄側コネクタ11の中段の雄側接触子14から離脱させて引離される。
【0038】
又、このとき、外側ハウジング18は、最下段の内側ハウジング19の突起42を最下段の孔25の最前部に位置させる位置に後退する。更に、このとき、押込み操作伝達部材20は、凸部47の斜面部52が段差部36の斜面に摺接することによって段差部36上の位置(上段部57)に上げられ、且つ、段差部49を雄側コネクタ11のハウジング13の開放部の上縁部から離す。
【0039】
次いで、図3の(ク)の(a)、(b)は、上述の状態から、更に雌側コネクタ12を雄側コネクタ11より矢印Hで示すごとく引いた状態を表している。 このとき、上述同様にして最上段及び中段の両内側ハウジング19が引かれると共に、突起42を外側ハウジング18の最下段の孔25の最前部に係合された最下段の内側ハウジング19が、その係合構造を介し、外側ハウジング18によって引かれることにより、雌側接触子40を雄側コネクタ11の最下段の雄側接触子14から離脱させて引離されるものであり、かくして、雌側コネクタ12の全部の内側ハウジング19が雄側コネクタ11から引離される。従って、この場合、雌側コネクタ12の外側ハウジング18の孔23〜24と、各内側ハウジング19の突起42は、外側ハウジング18に加えられた引離し操作力を各内側ハウジングに順次伝える引離し操作伝達手段として機能する。
【0040】
又、このとき、押込み操作伝達部材20は、段差部48を雄側コネクタ11のハウジング13の開放部の上縁部より下方に位置させたまま、その上縁部から離す。
【0041】
次いで、図3の(ケ)の(a)、(b)は、上述の状態から、押込み操作伝達部材20を矢印Iで示すごとく上方へ引き上げた状態を示しており、これによって、雌側コネクタ12が結合前の状態に戻される。
なお、上述のごとく上下した押込み操作伝達部材20の各位置は、各凸部44〜47が各内側ハウジング19に当接することによる摩擦力に加え、突起53が透溝54による弾力性で外側ハウジング18の奥面部に圧接することによるその摩擦力によって保持される。
【0042】
このように本構成のものでは、雌側コネクタ12の外側ハウジング18と押込み操作伝達部材20とを交互に押込み操作することによって、雌側コネクタ12の複数段ある内側ハウジング19を順次雄側コネクタ11に結合し得るもので、従来の、1つの雄側コネクタ1に対して複数に分けた雌側コネクタ2a,2b,2cの1つ1つを持って、これらを雄側コネクタ1の各部1a,1b,1cに1つ1つ結合するというような手間が必要なく、結合操作を簡単にすることができる。
【0043】
又、本構成のものの場合、雌側コネクタ12が有する雌側接触子40の総数は多いが、それを内側ハウジング19の1つ1つが分けて有するため、内側ハウジング19の1つ1つが有する雌側接触子40の個数は少なく、従って、各内側ハウジング19と雄側コネクタ11との結合に要する操作力を小さくすることができる。
【0044】
加えて、本構成のものの場合、雄側コネクタ11からの雌側コネクタ12の各内側ハウジング19の引離しも、外側ハウジング18の引離し操作によって、雌側コネクタ12の外側ハウジング18の孔23〜24と、各内側ハウジング19の突起42とから成る引離し操作伝達手段を介して、順次行うことができるものであり、従来のもののような、雌側コネクタ2a,2b,2cの1つ1つを持って雄側コネクタ1の各部1a,1b,1cから1つ1つ引離すというような手間が必要ないので、引離し操作も簡単にすることができる。
【0045】
なお、上記実施例では、複数段の内側ハウジング19を有する構成を雌側コネクタ12側で採用したが、それに代え、雄側コネクタ11側で採用するようにしても良い。又、全体の上下は上記実施例とは逆でも良く、それを左右に変えて実施するようにしても良い。更に、引離し操作伝達手段の孔23〜25で例示した凹部と、突起42で例示した凸部の関係は逆であっても良い。
そのほか、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0046】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおりのもので、下記の効果を奏する。
請求項1のコネクタ装置によれば、雌側コネクタの外側ハウジングと押込み操作伝達部材とを交互に押込み操作することによって、雌側コネクタの複数段ある内側ハウジングを順次雄側コネクタに結合し得るから、結合の操作力を軽減できると共に、結合操作を簡単にもすることができる。
【0047】
請求項2のコネクタ装置によれば、更に、雄側コネクタからの雌側コネクタの各内側ハウジングの引離しも、引離し操作伝達手段を介して順次行うことができるから、引離し操作をも簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を、異なる断面位置(a〜c)で結合操作順(ア〜オ)に示すそれぞれ雄側コネクタと雌側コネクタの縦断側面図
【図2】結合操作順(ア〜オ)に示すそれぞれ雄側コネクタと雌側コネクタの破断斜視図
【図3】異なる断面位置(a,b)で引離し操作順(カ〜ケ)に示すそれぞれ雄側コネクタと雌側コネクタの縦断側面図
【図4】雄側コネクタと雌側コネクタの結合前状態の斜視図
【図5】外側ハウジング単体の側面図
【図6】外側ハウジング単体の平面図
【図7】内側ハウジング単体の平面図
【図8】図7のX−X線に沿う内側ハウジング単体の縦断側面図
【図9】図7のY−Y線に沿う内側ハウジング単体の縦断側面図
【図10】内側ハウジング単体の側面図
【図11】押込み操作伝達部材の側面図
【図12】図11の矢印Z方向より見た押込み操作伝達部材の背面図
【図13】雄側コネクタと雌側コネクタの結合前状態の、異なる断面位置(a〜c)で示す縦断側面図
【図14】従来例を示す図4相当図
【符号の説明】
11は雄側コネクタ、12は雌側コネクタ、14は雄側接触子、18は外側ハウジング、19は内側ハウジング、20は押込み操作伝達部材、23〜25は孔(引離し操作伝達手段)、31〜33,35,36は段差部、40は雌側接触子、42は突起(引離し操作伝達手段)、44〜47は凸部、48〜50は段差部を示す。
Claims (2)
- 雌側コネクタと雄側コネクタとを具備し、そのいずれか一方を、
外側ハウジングと、
この外側ハウジングに複数段に設けられ、それぞれ接触子を有した内側ハウジングと、
複数の段差部を有して前記外側ハウジングに組込まれ、外部から操作されるごとに前記各内側ハウジングとの係合関係が変わる操作伝達部材とを具備する構成とし、
前記外側ハウジングを前記操作伝達部材の各段差部が相手コネクタのハウジングの縁部に当たるまで相手コネクタ方向へ押込み操作することにより、前記内側ハウジングをこれとの前記係合関係の変わった前記操作伝達部材を介して相手コネクタ方向へ押込むことを特徴とするコネクタ装置。 - 外側ハウジングと各内側ハウジングとの間に、外側ハウジングに加えられた相手コネクタ方向とは反対方向への引離し操作力を各内側ハウジングに順次伝える引離し操作伝達手段を有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
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