JP4047439B2 - 光遮断剤 - Google Patents

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    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光遮断作用を有するヒドロキシフェニルトリアジン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
日光は、皮膚の老化を促進し、皮膚がんを惹起することさえある。これらの望ましからぬ効果は、UV−Bの照射ばかりでなく、約320〜400nmの領域の波長のUV−Aの照射(これが、皮膚を直接日焼けさせる)によっても惹起される。
【0003】
対照な分子であるトリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンが、織物を保護するための非常に有効なUV−A/B光遮断剤であることは、スイス国特許第484695号により知られている。しかしながら、このクラスの物質には、ほとんどすべての溶媒に対して非常に低い溶解度しか有さないという重大な欠点があり、このためこれらを、例えば化粧品に使用することが可能ではなかった。
【0004】
紫外線を吸収するo−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンが、米国特許第3,896,125号に記載されているが、これらも、不溶性であるか、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエステル樹脂などの非極性ポリマーに対してのみわずかな溶解性を有するのみである。
【0005】
さらに、有機ポリマーを光に対して安定化するための、2−ヒドロキシフェニル基の4位にケイ素含有基を有する2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンが、ヨーロッパ特許公開第502821号により知られている。それによって安定化されたポリマーから製造された寸法的に安定な物品においては、その物品の外層に含まれる紫外線吸収剤が、ポリマーにとって特に有害である短波長光の透過、つまり主としてUV−Bの物品内部への透過を防ぐ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特にボディーケア製品の業者にとっては、その光遮断作用を考慮して、そのほかの目的にも利用可能であるヒドロキシフェニル−s−トリアジンクラスの化合物を製造することが求められてきた。そのため、少なくとも有機溶媒に対して、特に化粧品用溶媒に対して良好な溶解性を有すること、そして良好な光安定性を有することが求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、式(I):
【0008】
【化3】
Figure 0004047439
【0009】
〔式中、
全部のXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sであるか;あるいは2つのXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sであり、そして3番目のXは、Hであるか、またはOと結合しているケイ素基Sであり(好ましくは、全部のXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sである)、
ここで、スペーサー基Zは、3〜12個の炭素原子を有する飽和、またはモノ−もしくは多価不飽和アルキレン基であり、そして
ケイ素基Sは、1〜8個のケイ素原子を有し、アルキル、アルケニルもしくはアルコキシでトリ置換されたシリル基(いずれも、3〜15個の炭素原子を有する)、トリアリールオキシシリル基、特にトリフェノキシシリル基、またはオリゴシロキサン基である〕
で示される対照な化合物が、有機溶媒、特に化粧品用溶媒に良く溶け、皮膚に対する適合性および(光、熱、湿度に対する)安定性も優れており、皮膚に対するストレス作用を強力に低下させ、その結果、皮膚の老化を遅らせる、つまりこれらは、紅斑を惹起する、約320〜400nmの領域のUV−Aを吸収する物質であるため、優れたUV−Aフィルターであることが認められた。詳細には、これらのUV−Aフィルターは、優れた光安定性も有する。したがって、これらの化合物は、化粧品の乳剤に使用することができ、これらの化合物により、処理しやすく、皮膚用化粧品のサンスクリーン剤またはヘアケア製品における使用に特に適している調製物が得られる。
【0010】
好ましくは、スペーサー基Zのアルキレン基は、ケイ素基Sと、その2、3、4、5または6位で結合している。スペーサー基Zのアルキレン基が、2または3位でケイ素基Sと結合している化合物は、価格面で優れ、スペーサー基Zのアルキレン基が、4、5または6位でケイ素基Sと結合している化合物は、高純度で製造することができるからである。
【0011】
スペーサー基Zの例としては、3−プロピル、2−プロピル、3−プロペニル、2−プロペン−3−イル、2−プロペン−2−イル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−3−プロペニル、4−ブチル、3−ブチル、2−ブチル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブチル、2,4−ペンタジエン−5−イル、4−ペンチル、5−ペンチル、5−ヘキシル、6−ヘキシル、または2−ドデセン−12−イルから誘導されるアルキレン基が挙げられ、好ましくは3−プロピル、4−ブチルまたは5−ペンチルから誘導されるアルキレン基が、挙げられる。
【0012】
ケイ素基Sの例としては、SiMe3 、SiEt3 、Si(イソプロペニル)3 、Si(tert−ブチル)3、Si(sec−ブチル)3、SiMe2(tert−ブチル)、SiMe2(テキシル)(テキシルは、1,1,2−トリメチルプロピルである)、Si(OMe)3、Si(OEt)3、Si(OPh)3、またはオリゴシロキサンが挙げられ、好ましくはSiEt3 またはSi(OEt)3が挙げられる。
【0013】
適当なオリゴシロキサンは、例えば−SiMem(OSiMe3)n (ここでm=0、1または2、n=3、2または1、そしてm+n=3である)であり、好ましくは−SiMe2(OSiMe3)であるか、あるいは式:
【0014】
【化4】
Figure 0004047439
【0015】
〔式中、rは、0〜6である〕で示される基である。
【0016】
トリアジンにとってオルト位に3個のヒドロキシル基が存在することは、UV−Aフィルター効果にとっては、必須の特性であると考えられる。
【0017】
本発明による化合物の例のいくつかを、以下の表に記載する(表I)。
【0018】
【表1】
Figure 0004047439
【0019】
本発明による化合物は、無色または明帯黄色の、液状、結晶性または半液状の物質である。これらは、高い光安定性、有機溶媒、特に化粧品用溶媒における良好な溶解性、そして簡単で廉価な製造方法を特徴とする。
【0020】
本発明による化合物は、UV−A領域において、優れた最大吸収を示す。さらに、UV−B領域においても、小さいが第二の紫外線最大吸収を示すため、これらの物質は、両方の有害な紫外線領域から同時に保護するために使用することができる。
【0021】
しかし、早い時期の老化から皮膚を保護し、そして多くの場合に光による皮膚疾患から皮膚を保護する、いわゆるA+Bのトータルブロックを得るためには、同一処方に、そのほかのUVフィルター、特にそのほかのUV−Bフィルターをも配合するのが、好都合であり、有用である。
【0022】
新規な光遮断剤、特に皮膚保護用製剤、そして毎日使用するための化粧品用のサンスクリーン製剤の製造には、式(I)の化合物を、光遮断剤に有用な化粧品用基材に配合することが含まれる。好都合であれば、そのほかの通常のUV−AおよびUV−Bフィルターを配合の際に併用することもできる。特に高い光遮断効果を得るためには、数種類の異なるUVフィルターを同時に使用するのが好都合であることが多い。
【0023】
このようなUV−フィルターとしては、例えば以下の化合物が挙げられる:
1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパン−1,3−ジオン(=ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、商品名:パルソル1789(Parsol、登録商標);
4−イソプロピル−ジベンゾイルメタン;
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(=ジオキシベンゾンまたはベンゾフェノン−δ);
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(=スリソベンゾン、ベンゾフェノン−4);
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(=オキシベンゾン、ベンゾフェノン−3);
3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル N−アセチル−アントラニラート(=ホモメンチル N−アセチル−アントラニラート);および
2−メチルアントラニラート。
【0024】
UV−Bフィルター、つまり約290〜320nmの間に最大吸収を示す物質としては、例えば以下に示すような、非常にまちまちの種類の有機化合物である通常のUV−Bフィルターを挙げることができる:
1)p−アミノ安息香酸誘導体(例えば、p−アミノ安息香酸エチル、ならびにp−アミノ安息香酸プロピル、ブチル、イソブチルなどそのほかのエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、およびpーアミノ安息香酸アミルなど);
2)ケイ皮酸誘導体(例えば、p−メトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、p−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸エステル混合物、およびケイ皮酸エステル混合物など);
3)ジベンザラジン;
4)複素環式窒素化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体、例えば2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸など);
5)サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸メンチル、サリチル酸ホモメンチル、およびサリチル酸フェニル);
6)ベンゾフェノン誘導体(例えば、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン−2−カルボン酸イソオクチル、および2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸);
7)クマリン誘導体(例えば、7−オキシクマリン、β−ウンベリフェロン酢酸、および6,7−ジオキシクマリン);
8)没食子酸誘導体(例えば、ジガロイル トリオレアート);
9)アリーリデンシクロアルカノン(例えば、ベンジリデンカンファー);
10)アントラニル酸誘導体(例えば、アントラニル酸メンチル);ならびに
11)ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール。
【0025】
金属酸化物顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、およびその混合物もまた、有効な紫外線吸収に特に適しており、これらは約≦100nmの平均直径を有し、フィルターとして有効な本発明の式(I)の化合物と非常に良く混合することができ、そしてこれらも同様に上述のフィルターと共に非常に有効である。
【0026】
本発明の範囲内である光遮断剤に有用である化粧品用基材としては、化粧品要件に対応する通常のどのような処方物も使用することができ、例えばクリーム剤、ローション剤、乳剤、軟膏剤、ゲル剤、噴霧剤、スティック状物、ミルク状物などを使用することができる。光遮断効果は、用いる基材次第であることはもちろんである。さらに、同一の基材の場合、光遮断効果の強さは、活性物質の濃度次第である。化粧品調製物における式(I)の化合物の適当な濃度は、例えば1〜6%、好ましくは1.5〜4%の間である。UV−Bフィルターに対する式(I)の化合物の比率もまた記載することもできるが、必須ではない。
【0027】
その良好な親油性を考慮すると、式(I)の化合物は、油脂含有化粧品調製物に良好に配合することができる。
【0028】
親油性に関しては、本発明による式(I)の化合物は、上記の置換トリアジンよりも優れている。式(I)の化合物はいずれもこの場合に要求されている要件、つまり化粧品用溶媒(例えば、デルチルエクストラ(Deltyl extra、ミリスチン酸イソプロピル)、アルラノールE(Arlanol E 、PPG 15−ステアリルエーテル)、セチオールLC(Cetiol LC 、ココイル カプリラート/カプラート)、またはクロダモールDA(Crodamol DA 、アジピン酸ジイソプロピル))に高い溶解性を有するとの要件を満たすからである。これは、以降に記載するように、実施例や式(I)の化合物のセチオールLCおよび/またはクロダモールDAにおける溶解性において示されている(表II)。
【0029】
【表2】
Figure 0004047439
【0030】
【表3】
Figure 0004047439
【0031】
【表4】
Figure 0004047439
【0032】
一方、従来技術の構造の化合物の場合、これらの2つの溶媒に対する溶解度は、わずか0.5%以下である。上記の化合物の前駆体も、セチオールLCに0.05%未満しか溶解しない。
【0033】
したがって式(I)の化合物は、化粧品における使用に特に適している。式(I)の化合物は、化粧品用溶媒に高い溶解性を有するばかりでなく、優れたUV−Aフィルター効果を有するからである。
【0034】
同一のスペーサー基Zの場合、化粧品用溶媒に対する溶解度は、ケイ素基Sに決定的に依存しており、1つ以上のOSiMe3 、または3つのOEt、またはメチルより大きい3つのアルキルがSiに置換している式(I)の化合物は、特に高い溶解性を有することが表IIより明らかであり、このような式(I)の化合物は、光遮断剤における使用に特に好ましい。
【0035】
したがって本発明は、新規な式(I)の化合物、その製造方法、光遮断剤(つまり、式(I)の化合物を含有する化粧品用を目的とした光遮断製剤、好ましくはUV−Bフィルターと併用したもの)、および光遮断剤、特に化粧品用を目的としての式(I)の化合物の用途に関する。
【0036】
式(I)の化合物は、対照なトリス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンから出発し、
a)第1の工程では、脱離基を有するZ′(ここで、Z′は、Zよりも不飽和度が1高い、3〜12個の炭素原子を有するモノ−もしくは多価不飽和アルキル基である)、特にハロゲン化物であるHal−Z′と、塩基の存在下で反応させて、ヒドロキシフェニル基をその4位でスペーサー基Z′で置換し、これに第2の工程でケイ素基Sを、Si−H結合のヒドロシリル化によって結合させるか、あるいは
b)1つの工程で、脱離基を有する−Z−S、特にハロゲン化物であるHal−Z−Sと、塩基の存在下で反応させて、ヒドロキシフェニル基をその4位でスペーサー基とケイ素基Sで置換する
ことを含む方法によって製造することができる。
【0037】
つまり、本発明による式(I)の化合物の製造は、単純かつ経済的な方法で可能であり、以下に説明するように行うことができる。
【0038】
【化5】
Figure 0004047439
【0039】
第1の工程では、上記の反応Aに示すように、対照なトリス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンから出発して、脱離基を有するZ′、例えばハロゲン化物であるHal−Z′と塩基の存在下で反応させて、ヒドロキシフェニル基をその4位でスペーサー基Z′で置換し、次に第2の工程でSi−H結合のヒドロシリル化によって本発明の式(I)の化合物を生成する。この場合、Z′は、Zよりも不飽和度が1高いという点で、Zと異なる。つまり、例えばZが1つの二重結合を有する場合、Z′は、1つの三重結合または2つの二重結合を有する。
【0040】
しかしこの反応は、脱離基を有する化合物がすでにケイ素基Sを有している場合、つまり例えば、反応Bに示すようにHal−Z−SをHal−Z′の替わりに使用する場合、1工程のみで行うことができる。
【0041】
【化6】
Figure 0004047439
【0042】
式(I)の化合物の1工程による製造は、より経済的であり、したがって好ましい。しかし、反応Aおよび反応Bのいずれも、完全には進行しないことが多く、あるいはスペーサー基Zが、反応の途中で失われてしまうことがあるため、反応後に式:
【0043】
【化7】
Figure 0004047439
【0044】
で示すような化合物が存在することもある。
【0045】
塩基としては、無機塩基(例えば、KOH、NaOH、もしくはNaHなど)またはアルコラート(例えば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、もしくはカリウムtert−ブチラートなど)またはアミン(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジアゾビシクロノナン、もしくはp−ジメチルアミノピリジンなど)、またはアミド(例えば、リチウム ジイソプロピルアミドなど)を使用することができる。
【0046】
反応Aの第1の工程、および1工程による方法(反応B)のための適当な溶媒は、通常の溶媒、特に極性溶媒であるアルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、メトキシエタノール、もしくはプロピレングリコールなど)、THF、水、ピリジン、DMSO、またはDMFなどである。
【0047】
適当な触媒は、均一系プラチナ触媒、例えばPt−ジビニル−テトラメチル−ジシロキサンもしくはクロロ白金酸、または金属プラチナ、例えばPt/Cである。Ptの替わりに不均一系の形、もしくは均一系の形(錯体のような)のそのほかの遷移金属触媒、例えばMo、Ru、Rh、Pd、Cr、Fe、Co、Ni、もしくはCuなどもまた用いることができる。ロジウム塩または錯体(例えば、ロジウム(II)アセタート二量体、ビス−(1,5−シクロオクタジエン)−ジロジウム(I)ジクロリド、トリス−(トリフェニルホスフィン)−ロジウム(I)ジクロリド、およびポリマー結合トリス(トリフェニルホスフィン)−ロジウム(I)ジクロリドが特に適している。ここで、本反応は、溶媒を使用せずに、または溶媒中(例えば、トルエン、キシレン、ピリジン、THF、ジオキサン、ジクロロエタン、または塩化メチレンなど)のいずれかで行う。
【0048】
そのほかの利点、特性、および詳細は、以下の実施例より明らかであろう。
【0049】
【実施例】
実施例1
トリエチルシランを5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールに導入することによる、5,5′,5″−トリス−(3−トリエチルシリル)プロピルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールの調製
トリエチル−シラン(Fluka)1.74g(3当量)を、5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール(スイス特許第484695号にしたがって調製)2.63gをトルエン35mlに含む懸濁液に、Ar保護ガス下、滴下により加え、プラチナ−ジビニル−テトラメチル−ジシロキサン溶液(ABCR GmbH)数滴で処理し、80℃まで100時間加熱した。冷却した溶液を湿潤メタノールで洗浄し、濃縮して、蜂蜜状粗生成物3.7gを得、同定のためこれをヘキサン中のシリカゲルによるクロマトグラフィーに付した。理論値の40%の収率で、黄色の粘着性のある物質が得られた。UV 362nm(76,090/E=870)。
【0050】
【化8】
Figure 0004047439
【0051】
実施例2
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−トリシロキサンの5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−トリシロキサン(Fluka)3.3g(3当量)を、5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール(スイス特許第484695号にしたがって調製)2.6gをトルエン40mlに含む懸濁液に、Ar保護ガス下、滴下により加え、プラチナ−ジビニル−テトラメチル−ジシロキサン溶液(ABCR GmbH)数滴で処理し、90℃まで20時間加熱した。冷却した溶液を湿潤メタノールで洗浄し、濃縮して、粘性の粗生成物4.2gを得、同定のためこれをヘキサン/酢酸エチル(19:1の比率)中のシリカゲルによるクロマトグラフィーに付した。理論値の54%の収率で、帯黄色の油状物が得られた。UV 362nm(E=630)。
【0052】
【化9】
Figure 0004047439
【0053】
実施例3
1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
実施例1と同様に、5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール2.6gを、ヘプタメチル−トリシロキサンの替わりに1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン(Fluka)3当量と、70℃で3時間反応させ、以降の処理を行った。粗生成物を塩化メチレンにとり、シリカゲルのワッドにより濾過し、濃縮した。粘性のある透明な油状物2.8gが得られた。UV 362nm(E=808)。溶媒としてトルエンを用いなかった同一の反応混合物を80℃で7.5時間処理し、同一の方法で処理し、次に同一の生成物を85%の収率で得た。生成物は、平均して2.55当量のスペーサー基を含有していた。
【0054】
【化10】
Figure 0004047439
【0055】
実施例4
トリス−トリメチル−シリルオキシ−シランの5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
実施例2と同様に、5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール2.6gを、ヘプタメチル−トリシロキサンの替わりにトリス−トリメチル−シリルオキシ−シラン(Wacker)3当量と、還流温度下で6日間反応させ、以降の処理を行った。得られた粗生成物4.8gをヘキサン/酢酸エチル(19:1の比率)を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーに付した。粘性のある物質1.9gが得られ(UV 360nm(E=466))、これはスペーサー基1.9当量を含んでいた。
5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール0.53gと、トリス−トリメチル−シリルオキシ−シラン0.98gを、キシレン9ml中、活性炭上、Pt(10%)0.02gで処理し、6日間灌流し、同様の方法で処理した。
【0056】
【化11】
Figure 0004047439
【0057】
実施例5
トリエトキシシランの5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
実施例2と同様に、5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール2.6gを、ヘプタメチル−トリシロキサンの替わりにトリエトキシシラン3当量と80℃で3時間反応させ、処理した。粗生成物が、収率92%で得られた。
生成物をヘキサン/酢酸エチル(9:1の比率)によるクロマトグラフィーに付した。3置換トリアジン(A)(UV 362nm(E=779、融点71〜73℃))が理論値の50%の収率で、2置換トリアジン(B)(UV 360nm(E8 24)、融点153〜155℃)が理論値の17%の収率で得られた。
【0058】
【化12】
Figure 0004047439
【0059】
実施例6
トリエチルシランの5,5′,5″−トリス−プロパルギルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
a)5,5′,5″−トリス−プロパルギルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールの調製
2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(スイス特許第484695号にしたがって調製)50g、およびカリウムtert−ブチラート41.4gを、メトキシエタノール500mlに懸濁し、プロパルギルブロミド44.3gにより55℃で処理した。反応混合物をこの温度で2日間撹拌し、冷却し、吸引濾過し、フィルター残渣をエーテルですすいだ。所望の生成物(UV=348nm(E=1123)、融点>240℃、48.6g(76%))が得られた。
b)5,5′,5″−トリス−プロパルギルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール 0.51gをジメチルホルムアミド18mlに含む懸濁液に、トリエチルシラン(Fluka)0.7gを、Ar保護ガス下で加え、プラチナ−ジビニル−テトラメチル−ジシロキサン溶液(ABCR GmbH)数滴で処理し、85℃まで7時間加熱した。冷却した溶液を酢酸エチルおよび水に分配した。有機相を、シリカゲルのワッドを用いて濾過し、濃縮して、樹脂状の塊の生成物を得た。UV 352nm(E=627)。
【0060】
【化13】
Figure 0004047439
【0061】
実施例7
1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの5,5′,5″−トリス−(ブタ−2−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
a)5,5′,5″−トリス−(ブタ−2−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールの調製
2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(スイス特許第484695号にしたがって調製)6g、およびカリウムtert−ブチラート5gを、メトキシエタノール150mlに懸濁し、trans −クロチル ブロミド5.4gにより55℃で処理し、65℃まで約12時間加熱し、冷却し、濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(19:1の比率)を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーに付した。生成物を単離した。黄色の粉末(UV 362nm(E=1080)、融点133〜137℃)2.1g(25%)が得られた。
b)5,5′,5″−トリス−(ブタ−2−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール0.57gをトルエン15mlに含む懸濁液に、1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン(Fluka)0.45g(3当量)を、Ar保護ガス下で加え、プラチナ−ジビニル−テトラメチル−ジシロキサン溶液(ABCR GmbH)数滴で処理し、80℃まで約12時間加熱した。冷却した溶液を湿潤メタノールで洗浄し、濃縮し、高真空下で乾燥した。粘性のある粗生成物0.85gが得られた。これは、各種位置で置換されたシリル基を有する化合物の混合物であった。
【0062】
【化14】
Figure 0004047439
【0063】
実施例8
tert−ブチル−ジメチルシランの5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
実施例2と同様の方法で、5,5′,5″−トリス−アリルオキシ−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール3.9gを、ヘプタメチル−トリシロキサンの替わりに、tert−ブチル−ジメチルシラン3当量と、そしてトルエンの替わりにジクロロエタン中、75℃で3日間反応させ、以降の処理を行った。粗生物が80%の収率で得られた。
この粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(9:1の比率)を用いてクロマトグラフィーに付した。3置換トリアジン(C)(UV 362nm(E=801)/融点154〜157℃)が、理論値の21%の収率で、そして2置換トリアジン(D)(UV 362nm(E=885)、融点143〜148℃)が、理論値の46%の収率で得られた。
【0064】
【化15】
Figure 0004047439
【0065】
実施例9−1
1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの5,5′,5″−トリス(ペンタ−4−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
a)5,5′,5″−トリス(ペンタ−4−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールの調製:2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(スイス特許第484,695号にしたがって調製)6gを、カリウム tert−ブチラート2.5gをエタノール60mlに含む溶液に懸濁し、5−ブロモ−1−ペンテン5.3gで処理した。透明な、橙赤色の溶液を70℃で72時間撹拌し、0℃まで冷却し、吸引フィルターにより濾過し、水150ml、そして冷エタノール100mlですすいだ。フィルターの残渣を高真空下で乾燥した。黄色の粉末75g(82%)が得られた。UV 361nm(E=1080)、融点140〜143℃。
b)1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン(Fluka)2.2g(3当量)を、5,5′,5″−トリス(ペンタ−4−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール3gを1,2−ジクロロエタン40mlに含む懸濁液にAr保護ガス下で加え、プラチナ−ジビニル−テトラメチルジシロキサン溶液(ABCR GmbH)数滴で処理し、70℃で一晩撹拌した。冷却した溶液を水100mlにそそぎ、ジクロロメタン50mlで2回逆洗浄し、合わせた有機相を濃縮し、高真空下で乾燥した。粘性のある黄褐色の粗生成物4.9gが得られた。ヘキサン/酢酸エチル(95:5の比率)を用いたクロマトグラフィーにより、セチオールLCに対する溶解度が>35%であるろう状の物質2.65gが得られた。UV 362nm(E=736)、融点61〜63℃。
【0066】
【化16】
Figure 0004047439
【0067】
5,5′,5″−トリス−〔5−(1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン−オキシ)−ペンチル−1−オキシ〕−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール
【0068】
実施例9−2
1−(5−ブロモ−ペンチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンへの導入
1工程反応
a)1−(5−ブロモ−ペンチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの調製
5−ブロモ−1−ペンテン2.4mlを、ペンタメチル−ジシロキサン3.9ml、およびプラチナ−ジビニル−テトラメチルシロキサン錯体0.01mlを1,2−ジクロロエタン10mlに含む溶液に、不活性ガス下で加え、混合物を60℃で一夜撹拌した。次に反応混合物を水およびジクロロメタンに分配し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、110℃/0.06mbarで蒸留した。無色の液体3.8gが得られ、これをGC、NMRおよびMSで同定した。
b)エーテル化
2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン0.81gを、KOH0.34gをエタノール10mlに含む溶液に60℃で加え、アルゴン下、1−(5−ブロモ−ペンチル)−1,1,3,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン1.78gで処理した。反応混合物を70℃で一晩撹拌し、テトラヒドロフラン18mlで処理し、70℃で更に48時間撹拌した。次に溶液を水およびジクロロメタンに分配し、濃縮した有機相を、ヘキサン/酢酸エチル(97:3〜93:7)を用いたシリカゲルのクロマトグラフィーに付し、フロント画分を濃縮した。所望の生成物0.75gが、帯黄色の粉末として得られ、これは実施例9−1で得られた生成物と同一であった。
【0069】
実施例10
1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの5,5′,5″−トリス−(ブタ−3−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
a)5,5′,5″−トリス−(ブタ−3−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールの調製:2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを、実施例9−1aに記載の方法と同様の方法で、5−ブロモ−1−ペンテンの替わりに4−ブロモ−1−ブテンと反応させた。薄黄色の粉末が、60%の収率で得られた。UV 361nm(E=1258)、融点166〜169℃。
b)上記で得られた物質を、実施例9−1bに記載の方法と同様の方法で、1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン(Fluka)と反応させた。黄緑色の、半固形状の粗生成物が得られた。ヘキサン/酢酸エチル(95:5の比率)を用いたクロマトグラフィーにより、セチノールLCに対する溶解度が8%の薄黄色の固体が得られた。UV 362nm(E=933)、融点72〜75℃。
【0070】
【化17】
Figure 0004047439
【0071】
(5,5′,5″−トリス−〔4−(1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサノキシ)−ブチル−1−オキシ〕−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール)
【0072】
実施例11
1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサンの5,5′,5″−トリス−(ヘキサ−5−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールへの導入
a)5,5′,5″−トリス−(ヘキサ−5−エニル−1−オキシ)−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノールの調製:2,4,6−トリス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを、実施例9−1aに記載の方法と同様の方法で、5−ブロモ−1−ペンテンの替わりに6−ブロモ−1−ヘキセンと反応させた。薄黄色の粉末が、79%の収率で得られた。UV 361nm(E=1032)、融点155〜158℃。
b)上記で得られた物質を、実施例9−1bに記載の方法と同様の方法で、1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサン(Fluka)と反応させた。褐色の、粘性のある粗生成物が得られた。ヘキサン/酢酸エチル(95:5の比率)を用いたクロマトグラフィーにより、薄黄色の固体が得られた。UV 360nm(E=725)。
【0073】
【化18】
Figure 0004047439
【0074】
(5,5′,5″−トリス−〔6−(1,1,1,3,3−ペンタメチル−ジシロキサノキシ)−ヘキシル−1−オキシ〕−2,2′,2″−〔1,3,5〕−トリアジン−2,4,6−トリイル−トリス−フェノール)
【0075】
実施例12
O/WサンスクリーンローションUV−AおよびUV−Bの調製:実施例1の3%UVフィルターを含有する広域スペクトルサンスクリーンローション
【0076】
【表5】
Figure 0004047439
【0077】
製造方法:Aを反応器中約85℃まで加熱し、Bを、以下の詳細にしたがってホットプレート上で約85℃まで加熱した。
【0078】
【表6】
Figure 0004047439

Claims (4)

  1. 式(I):
    Figure 0004047439
    〔式中、
    全部のXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sであるか;あるいは2つのXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sであり、そして3番目のXは、Hであるか、またはOと結合しているケイ素基Sであり、
    ここで、スペーサー基Zは、3〜12個の炭素原子を有する飽和、またはモノ−もしくは多価不飽和アルキレン基であり、そして
    ケイ素基Sは、1〜8個のケイ素原子を有し、アルキル、アルケニルもしくはアルコキシでトリ置換されたシリル基(いずれも、3〜15個の炭素原子を有する)、トリフェノキシシリル基、またはオリゴシロキサン基である〕
    で示される化合物。
  2. 請求項1記載の式(I)の化合物の少なくとも1つと、場合により少なくとも1つの紫外線フィルターを更に含む光遮断剤。
  3. 請求項1記載の式(I)の化合物の少なくとも1つの、光遮断剤としての使用
  4. 式(I):
    Figure 0004047439
    〔式中、
    全部のXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sであるか;あるいは2つのXは、スペーサー基Zを介してOと結合しているケイ素基Sであり、そして3番目のXは、Hであるか、またはOと結合しているケイ素基Sであり、
    ここで、スペーサー基Zは、3〜12個の炭素原子を有する飽和、またはモノ−もしくは多価不飽和アルキレン基であり、そして
    ケイ素基Sは、1〜8個のケイ素原子を有し、アルキル、アルケニルもしくはアルコキシでトリ置換されたシリル基(いずれも、3〜15個の炭素原子を有する)、トリフェノキシシリル基、またはオリゴシロキサン基である〕
    で示される化合物の製造方法であって、
    対照なトリス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンから出発し、
    a)第1の工程では、脱離基を有するZ′(ここで、Z′は、Zよりも不飽和度が1高い、3〜12個の炭素原子を有するモノ−もしくは多価不飽和アルキル基である)と、塩基の存在下で反応させて、ヒドロキシフェニル基をその4位でスペーサー基Z′で置換し、これに第2の工程でケイ素基Sを、Si−H結合のヒドロシリル化によって結合させるか、あるいは
    b)1つの工程で、脱離基を有する−Z−Sと、塩基の存在下で反応させて、ヒドロキシフェニル基をその4位でスペーサー基とケイ素基Sで置換する
    ことを含む方法。
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