JP4047419B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、絶縁層の上に形成された配線層を備えた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor − Field Effect Transistor)等を備えた半導体集積回路には、ボンディングワイヤを接続するためのパッドが設けられている。パッドに接続されたボンディングワイヤを介して、外部回路等との間で信号の授受等を行なう。
【0003】
図8Aに、従来のMOS−FETのパッド部2の断面構成を示す。パッド部2においては、シリコンにより構成された基体4の上にシリコン酸化物により構成されたフィールド酸化膜6と、BPSG(ホウ素−リン−ケイ酸ガラス)により構成された絶縁膜8が形成されている。絶縁膜8の上に、1層目の配線層10が形成されている。
【0004】
配線層10の上には層間膜12が形成されている。層間膜12に設けられたコンタクトホール12aを介して配線層10に接するように、2層目の配線層14が形成されている。配線層14の上にはパッシベーション膜16が形成されている。パッシベーション膜16の一部に開口16aが設けられ、露出した配線層14がパッド14aを構成している。パッド14aに、ボンディングワイヤ(図示せず)が接続される。
【0005】
しかしながら、上記のパッド部2には、次のような問題点がある。配線層10の下部は、ソース/ドレイン等のアクティブ領域(図示せず)とのコンタクトを確保するために、窒化チタン/チタン等のバリアメタル10aにより構成されている。しかし、このようなバリアメタル10aと絶縁膜8を構成するBPSGとの接続力は、それほど強くない。このため、ボンディングワイヤを介してパッド14aが上方に引っ張られると、配線層10と絶縁膜8とがはく離してしまうおそれがあった。
【0006】
このような問題点を解決するために、図8Bに示す構造のパッド部22を用いることができる。パッド部22においては、フィールド酸化膜6の上にポリシリコン層18を形成し、このポリシリコン層18と第1の配線層10とを接続するように構成している。
【0007】
このように構成すれば、フィールド酸化膜6を構成するシリコン酸化物とポリシリコン層18との接続力、およびポリシリコン層18とバリアメタル10aとの接続力はいずれも強いから、配線層10とフィールド酸化膜6とがはく離するおそれはあまりない。すなわち、はく離を起こしにくいパッド部を実現することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなパッド部22には、次のような問題点があった。図8Aのパッド部2においては、配線層10は平坦であるが、図8Bのパッド部22においては、絶縁膜8に開口8aを設けることによってポリシリコン層18と配線層10とを接続しているので、配線層10が凹状に形成されている。このため、図8Bのパッド部22における第2の配線層14の凹部の深さaは、図8Aのパッド部2における配線層14の場合よりも、かなり深くなっている。
【0009】
したがって、図9Aに示すように、パッド部22の製造工程において配線層14をパタニングするために塗布したレジスト24が、配線層14の凹部にたまり、レジスト24の膜厚が著しく異なることとなる。この結果、レジスト24をマスクとしてエッチングを行なった場合、配線層14のうち、膜厚の薄いレジスト24に覆われたエッジ部14bが、エッチングにより削り取られて薄くなってしまうという不具合があった。
【0010】
また、図9Bに示すように、層間膜12の上面を平坦化するために、後述するUSG層12bおよびSOG層12cを用いて構成する場合には、配線層10のエッジ部10bと中央部10cとでは、上にある層間膜12の厚さが異なるため、層間膜12に開口12aを設けるためのエッチングの際、配線層10の中央部10c上の層間膜12が一部取り残されてしまうという不具合があった。
【0011】
この発明は、このような問題点を解決し、できるだけ平坦な配線層を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の半導体装置は、基板に形成された第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に配置され、所定形状の外周部を有する第1の下地層と、第1の下地層および第1の絶縁層の上に配置された第2の下地層と、第2の下地層の上に中抜き状に配置され、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層と、第2の下地層および第2の絶縁層の上に形成された第1の配線層と、を備えたことを特徴とし、第1の配線層がパッシベーション膜の開口部分から露出した部分を有する。
【0013】
この発明の半導体装置は、前記第1の配線層の上に中抜き状に配置され、前記第1の下地層の外周部より内側に位置する内周部を有する第3の絶縁層と、第1の配線層および第3の絶縁層の上に配置された第2の配線層と、を備えたこと、を特徴とする。
【0014】
この発明の半導体装置は、前記第2の配線層の上に中抜き状に配置され、前記第3の絶縁層の内周部より外側に位置する内周部を有する第4の絶縁層と、第2の配線層および第4の絶縁層の上に配置された第3の配線層と、を備えたこと、を特徴とする。
【0015】
この発明の半導体装置は、前記第2の下地層の上にある前記第2の絶縁層の厚さが、前記第1の下地層の厚さと等しくなるよう構成したこと、を特徴とする。
【0016】
この発明の半導体装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかの半導体装置において、前記第2の下地層エッチングレートが、前記第2の絶縁層エッチングレートより低いこと、を特徴とする。
【0017】
この発明の半導体装置は、前記第1の配線層の少なくとも前記第2の下地層と接する部分は、当該第2の下地層との密着性が良好な材料により構成されていること、を特徴とする。
【0018】
この発明の半導体装置の製造方法は、基板に形成された第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に形成された第1の配線層とを備えた、配線層がパッシベーション膜の開口部分から露出した部分を有する半導体装置、を製造する方法であって、基板に、第1の絶縁層を形成し、第1の絶縁層の上に、所定形状の外周部を有する第1の下地層を形成し、第1の下地層および第1の絶縁層の上に、第2の下地層を形成し、第2の下地層の上に、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層を中抜き状に形成し、第2の下地層および第2の絶縁層の上に、前記第1の配線層を形成すること、を特徴とする。
【0019】
【発明の作用および効果】
この発明の半導体装置および半導体装置の製造方法は、第1の絶縁層の上に、所定形状の外周部を有する第1の下地層を形成し、第1の下地層および第1の絶縁層の上に第2の下地層を形成し、第2の下地層の上に、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層を中抜き状に形成し、第2の下地層および第2の絶縁層の上に第1の配線層を形成することを特徴とする。
【0020】
したがって、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層を中抜き状に形成したので、第1の下地層の膜厚と第2の絶縁層の膜厚とがある程度相殺される。このため、この上に形成された第1の配線層をある程度平坦化することができる。この結果、たとえば、第1の配線層をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0021】
この発明の半導体装置は、第1の配線層の上に中抜き状に配置され第1の下地層の外周部より内側に位置する内周部を有する第3の絶縁層と、第1の配線層および第3の絶縁層の上に配置された第2の配線層とを備えたことを特徴とする。
【0022】
したがって、ある程度平坦化された第1の配線層の上に第3の絶縁層を配置したので、たとえば、第3の絶縁層の上面を平坦化した場合でも、第3の絶縁層の膜厚が場所によって極端に異なることはない。このため、第3の絶縁層をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0023】
さらに、第3の絶縁層の内周部は、第1の下地層の外周部より内側に位置するので、第3の絶縁層のうち、中抜き部に該当する部分の膜厚はほぼ均一である。このため、たとえば、エッチングにより第3の絶縁層に中抜き部を設ける場合には、過不足なく正確にエッチングを行なうことができる。
【0024】
また、ある程度平坦化された第1の配線層の上に第3の絶縁層を形成し、その上に第2の配線層を形成したので、第2の配線層の凹凸を小さくすることができる。この結果、たとえば、第2の配線層をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0025】
この発明の半導体装置は、第2の配線層の上に中抜き状に配置され第3の絶縁層の内周部より外側に位置する内周部を有する第4の絶縁層と、第2の配線層および第4の絶縁層の上に配置された第3の配線層とを備えたことを特徴とする。
【0026】
したがって、凹凸の小さい第2の配線層の上に第4の絶縁層を配置したので、たとえば、第4の絶縁層の上面を平坦化した場合でも、第4の絶縁層の膜厚が場所によって極端に異なることはない。このため、第4の絶縁層をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0027】
また、凹凸の小さい第2の配線層の上に第4の絶縁層を形成し、その上に第3の配線層を形成したので、第3の配線層の凹凸を小さくすることができる。この結果、たとえば、第3の配線層をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0028】
この発明の半導体装置は、第2の下地層の上にある第2の絶縁層の厚さが、第1の下地層の厚さと等しくなるよう構成したことを特徴とする。したがって、第1の下地層の膜厚と第2の絶縁層の膜厚とがほとんど相殺される。このため、この上に形成された第1の配線層をさらに平坦化することができる。
【0029】
この発明の半導体装置は、第2の下地層エッチングレートが第2の絶縁層エッチングレートより低いことを特徴とする。したがって、第2の絶縁層をエッチングによってパタニングする場合、第2の下地層をエッチングのストッパとすることができる。このため、第2の絶縁層の膜厚が多少異なったとしても、オーバーエッチングを行なうことで、不要部分の第2の絶縁層を完全に除去することができる。この結果、この上に形成される第1の配線層を所期のように平坦化することができる。
【0030】
この発明の半導体装置は、第1の配線層の少なくとも第2の下地層と接する部分は、当該第2の下地層との密着性が良好な材料により構成されていることを特徴とする。したがって、第1の配線層と第2の下地層とがはく離するおそれはあまりない。このため、たとえば、第1の配線層をパッド部に用いた場合には、はく離を起こしにくいパッド部を実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図5に、この発明の一実施形態による半導体装置であるMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor − Field Effect Transistor)を備えた半導体集積回路のパッド部30の断面構成を示す。パッド部30においては、シリコンにより構成された基体34の上に、シリコン酸化物により構成された第1の絶縁層であるフィールド酸化膜36が配置されている。
【0032】
フィールド酸化膜36の上には、ポリシリコン層38とシリコン酸化物により構成されたサイドウォール40とが配置されている。ポリシリコン層38とサイドウォール40とにより、第1の下地層である下地層41を構成している。下地層41を覆うように、ONO膜42を介して、第2の下地層であるポリシリコン層44が配置されている。
【0033】
ポリシリコン層44の上には、第2の絶縁層である層間膜49が配置されている。層間膜49の開口端(内周部)49aは、下地層41の外周部41aよりも大きく、外側に位置している。層間膜49の上には、第1の配線層である配線層55が配置されている。配線層55は、層間膜49の開口部分において、ポリシリコン層44と接続されている。
【0034】
配線層55の上には、第3の絶縁層である層間膜61が配置されている。層間膜61の開口端(内周部)61aは、下地層41の外周部41aよりも小さく、内側に位置している。層間膜61の上には、第2の配線層である配線層62が配置されている。配線層62は、層間膜61の開口部分において、配線層55と接続されている。
【0035】
配線層62の上には、パッシベーション膜64が配置されている。パッシベーション膜64の開口端(内周部)64aは、層間膜61の開口端61aよりも大きく、外側に位置している。
【0036】
配線層62のうち、パッシベーション膜64の開口部分から露出した部分がパッド62aである。パッド62aには、ボンディングワイヤ(図示せず)が接続され、このボンディングワイヤを介して、外部回路等との間で信号の授受等が行なわれる。
【0037】
つぎに、図1A〜図5に基づいて、上述のMOS−FETを備えた半導体集積回路のパッド部30を製造する方法を説明する。まず、図1Aに示すように、シリコンにより構成された基体34を有する半導体基板を用意し、この上に、素子分離用のフィールド酸化膜36を形成する。フィールド酸化膜36は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法等により形成する。
【0038】
つぎに、図1Bに示すように、フィールド酸化膜36の上にポリシリコン層38を形成する。ポリシリコン層38は、CVD法(化学反応を伴う気相成長法)等によりポリシリコンを堆積させ、堆積したポリシリコンにリン(P)をドープし、その後、RIE(反応性イオンエッチング)により所定形状にパタニングすることにより形成する。なお、ポリシリコン層38は、MOS−FETのゲート(図示せず)を形成する際、同時に形成される。
【0039】
つぎに、図2Aに示すように、ポリシリコン層38の外周部38aに接するように、サイドウォール40を形成する。サイドウォール40は、CVD法等によりUSG(非ドープケイ酸ガラス)を堆積させ、これをエッチバックにより除去した残部として得られる。ポリシリコン層38とサイドウォール40とにより、上述の下地層41を構成している。
【0040】
つぎに、図2Bに示すように、下地層41および露出したフィールド酸化膜36の上面に、ONO膜42を形成する。ONO膜42は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜を、この順に重ねた3層構造の絶縁膜である。シリコン酸化膜は熱酸化により形成され、シリコン窒化膜は減圧CVD法等により形成される。
【0041】
つぎに、図3Aに示すように、ONO膜42の上にポリシリコン層44を形成する。ポリシリコン層44は、CVD法等によりポリシリコンを堆積させ、これを所定形状にパタニングすることにより形成する。ポリシリコン層44は、下地層41を覆い込むように形成する。なお、パッド部30における下地層41のポリシリコン層38、ONO膜42およびポリシリコン層44は、パッド部30以外の部分でキャパシタ(図示せず)を形成する際、同時に形成される。
【0042】
つぎに、図3Bに示すように、ポリシリコン層44等の上に層間膜49を形成する。層間膜49は、USG層46およびBPSG層48をこの順に積み上げた構成を有している。まず、CVD法等によりUSG(非ドープケイ酸ガラス)を堆積させることによりUSG層46を形成し、その上に、BPSG(ホウ素−リン−ケイ酸ガラス)を、CVD法等により堆積させることによりBPSG層48を形成する。その後、加熱リフローを行なうことにより、BPSG層48の表面48aをある程度平滑化する。
【0043】
つぎに、図4Aに示すように、層間膜49に開口(コンタクトホール)を設け、その上に、配線層55を形成する。すなわち、まず、エッチングにより層間膜49に、ポリシリコン層44に達する開口を設ける。
【0044】
この場合、ポリシリコン層44のエッチングレートは、層間膜49のエッチングレートよりかなり小さい(1/20〜1/30程度)ので、エッチングの際、ポリシリコン層44がエッチングストッパとなる。このため、層間膜49の膜厚が場所により多少異なっていても、オーバーエッチングを行なうことにより、開口部分の層間膜49を完全に除去することができる。この結果、配線層55とポリシリコン層44とを完全に接触させることができる。
【0045】
配線層55は、下部のバリヤメタル層50および上部の主配線層52の2層構造を有している。配線層55の上には、反射防止膜54が形成されている。バリヤメタル層50は、チタン(Ti)および窒化チタン(TiN)をこの順に積み上げた2層構造を有している。主配線層52は、アルミニウム−シリコン−銅(Al-Si-Cu)により構成されている。反射防止膜54は、窒化チタンにより構成されている。
【0046】
このように、配線層55を構成するバリヤメタル層50のうちポリシリコン層44と接する部分は、当該ポリシリコン層44との密着性が良好なチタンにより構成されている。したがって、配線層55とポリシリコン層44とがはく離するおそれはあまりない。このため、はく離を起こしにくいパッド部30を実現することができる。
【0047】
バリヤメタル層50、主配線層52および反射防止膜54は、いずれもスパッタリング法を用いて形成する。その後、反射防止膜54および配線層55を、エッチングにより所定形状にパタニングする。なお、反射防止膜54は、配線層55のエッチング工程に先立つレジスト露光工程において、配線層55の表面で光が反射するのを防止するための膜である。
【0048】
さて、上述のように、層間膜49の開口端(内周部)49aは、下地層41の外周部41aよりも大きく、外側に位置している。また、この実施形態においては、図4Aに示すように、下地層41のポリシリコン層38の膜厚t1と、ポリシリコン層44の上に残された層間膜49の膜厚t2とがほぼ等しくなるよう構成されている。このため、配線層55の凹凸が少なくほぼ平坦となっている。この結果、配線層55をエッチングによりパタニングする際に、極端な過不足なくエッチングを行なうことができる。
【0049】
なお、ポリシリコン層38の膜厚t1と、ポリシリコン層44の上に残された層間膜49の膜厚t2とがある程度異なる場合にも、この発明を適用することができる。ただし、上述のように、ポリシリコン層38の膜厚t1と、ポリシリコン層44の上に残された層間膜49の膜厚t2とがほぼ等しくなるよう構成すれば、配線層55の凹凸が少なくほぼ平坦となるため、好都合である。
【0050】
つぎに、図4Bに示すように、配線層55の上に層間膜61を形成する。層間膜61は、下部のUSG層56、SOG層58および上部のUSG層60をこの順に積み上げた構成を有している。
【0051】
まず、CVD法等によりUSGを堆積させることによりUSG層56を形成する。その上に、SOG(Spin On Glass)法を用いて、USG層56の上面の凹部を埋めるように、絶縁物で構成されたSOG層58を塗布により形成する。これにより、上面の平坦化を行なう。つぎに、加熱処理を行なった後、エッチバックによりSOG層58をある程度除去し、この上に、CVD法等によりUSGを堆積させることによりUSG層60を形成する。このようにして、層間膜61を形成する。
【0052】
つぎに、図5に示すように、層間膜61に開口(VIAコンタクト)を設け、その上に、配線層62を形成する。すなわち、まず、エッチングにより層間膜61に、配線層55に達する開口を設ける。層間膜61の開口端(内周部)61aは、下地層41の外周部41aよりも小さく、内側に位置するように設定する。なお、エッチングの際、配線層55の上に設けられた反射防止膜54も除去するようにしてもよい。このようにすれば、配線層62と配線層55とを直接、接触させることができる。
【0053】
配線層62は、アルミニウム−シリコン−銅(Al-Si-Cu)により構成されている。配線層62の上には、反射防止膜(図示せず)が形成されている。反射防止膜は窒化チタンにより構成されている。配線層62および反射防止膜は、いずれもスパッタリング法を用いて形成する。その後、反射防止膜および配線層62を、エッチングにより所定形状にパタニングする。
【0054】
上述のように、下層の配線層55は凹凸が少なくほぼ平坦となっている。さらに、層間膜61の開口端(内周部)61aは、下地層41の外周部41aよりも小さく、内側に位置するよう構成している。したがって、層間膜61の開口部分に該当する部分の膜厚は、ほぼ均一である。このため、層間膜61に開口を設ける際、過不足なく正確にエッチングを行なうことができる。
【0055】
また、ある程度平坦化された配線層55の上に層間膜61を形成し、その上に配線層62を形成したので、配線層62の凹凸を小さくすることができる。この結果、配線層62をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0056】
つぎに、配線層62および層間膜61を覆うように、パッシベーション膜64を形成し、配線層62の一部が露出するように開口(パッドコンタクト)を設ける。すなわち、まず、プラズマCVD法等によりシリコン窒化物(SiN)を堆積させることにより、パッシベーション膜64を形成する。その後、エッチングによりパッシベーション膜64に、配線層62に達する開口を設ける。なお、パッシベーション膜64の開口端(内周部)64aは、層間膜61の開口端(内周部)61aよりも大きく、外側に位置するように設定している。
【0057】
前述のように、配線層62のうち、パッシベーション膜64の開口部分から露出した部分がパッド62aである。このようにして、パッド部30を形成することができる。
【0058】
上述の実施形態においては、2層配線(配線層55、配線層62の2層)の場合を例に説明したが、この発明は2層配線の半導体装置に限定されるものではない。1層配線の半導体装置や3層以上の配線を備えた半導体装置にも適用することができる。
【0059】
図6は、この発明の他の実施形態による半導体装置であるMOS−FETを備えた3層配線の半導体集積回路のパッド部70の断面構成を示す図面である。第2層目の配線62より下の部分の構造は、上述の図5に示すパッド部30と同様である。
【0060】
ただし、パッド部30においては、配線層62の上にパッシベーション膜64を形成したが、パッド部70においては、配線62の上に層間膜77と3層目の配線層78とを形成し、その上にパッシベーション膜80を形成することになる。
【0061】
すなわち、図6に示すように、配線層62の上に層間膜77を形成する。層間膜77は、上述のパッド部30における層間膜61同様、下部のUSG層72、SOG層74および上部のUSG層76をこの順に積み上げた構成を有しており、形成方法も前述の層間膜61の場合と同様である。
【0062】
つぎに、層間膜77に開口(VIAコンタクト)を設け、その上に、配線層78を形成する。配線層78も、前述のパッド部30における配線層62と同様にして形成する。なお、層間膜77の開口端(内周部)77aは、層間膜61の開口端(内周部)61aよりも大きく、外側に位置するように設定している。
【0063】
上述のように、下層の配線層62は凹凸が比較的小さい。したがって、層間膜77の開口部分に該当する部分の膜厚が場所によって極端に異なることはない。このため、層間膜77に開口を設ける際、極端な過不足なくエッチングを行なうことができる。
【0064】
また、凹凸の少ない配線層62の上に層間膜77を形成し、その上に配線層78を形成したので、配線層78の凹凸を小さくすることができる。この結果、配線層78をエッチングによりパタニングする場合に、極端な過不足なくエッチングを行なうことが可能となる。
【0065】
つぎに、配線層78および層間膜77を覆うように、パッシベーション膜80を形成し、配線層78の一部が露出するように開口(パッドコンタクト)を設けるのは、上述のパッド部30におけるパッシベーション膜64の場合と同様である。
【0066】
なお、上述の各実施形態においては、第2の下地層であるポリシリコン層44を、第1の下地層である下地層41全体を覆うよう形成したが、図7に示すパッド部90のように、第2の下地層であるポリシリコン層94を、第1の下地層である下地層41の外周部41a近傍のみを覆うよう、中抜き状に形成することもできる。
【0067】
また、上述の各実施形態においては、第3の絶縁層、第4の絶縁層を、SOG(Spin On Glass)法を用いて上面を平滑化した場合を例に説明したが、第3の絶縁層または第4の絶縁層を、SOG法以外の方法、たとえば、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて研磨することにより平滑化してもよい。さらに、第3の絶縁層または第4の絶縁層を平滑化せずに用いてもよい。
【0068】
また、上述の各実施形態においては、第1の絶縁層、第2の絶縁層、第3の絶縁層および第4の絶縁層が、シリコン酸化物で構成されている場合を例に説明したが、第1の絶縁層、第2の絶縁層、第3の絶縁層または第4の絶縁層は、シリコン酸化物以外の材料、たとえば、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物等により構成することもできる。
【0069】
また、上述の各実施形態においては、第1の下地層および第2の下地層がポリシリコン層を含む場合を例に説明したが、第1の下地層または第2の下地層がポリシリコン層を含まないよう構成することもできる。この場合、これらの下地層は、導体であっても絶縁体であっても半導体であってもよい。
【0070】
また、上述の各実施形態においては、バリアメタル層として、チタン(Ti)および窒化チタン(TiN)をこの順に積み上げた2層構造のものを例に説明したが、バリアメタル層はこれに限定されるものではない。バリアメタル層として、たとえば、チタンタングステン(TiW)等を用いることもできる。また、バリアメタル層を持たない配線層に対しても、この発明を適用することができる。
【0071】
また、上述の各実施形態においては、第1の配線層、第2の配線層および第3の配線層が、アルミニウム−シリコン−銅(Al-Si-Cu)により構成されている場合を例に説明したが、第1の配線層、第2の配線層または第3の配線層はこれに限定されるものではない。第1の配線層、第2の配線層または第3の配線層として、たとえば、アルミニウム−シリコン、アルミニウム、銅等を用いることができる。
【0072】
また、上述の各実施形態においては、この発明を半導体装置のパッド部に適用した場合を例に説明したが、この発明は、半導体装置のパッド部以外の部分にも適用することができる。
【0073】
なお、上述の実施形態においては、MOS−FETを備えた半導体集積回路にこの発明を適用した場合を例に説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。この発明は、MOS−FET以外のトランジスタや、IC、LSI等の半導体装置一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aおよび図1Bは、この発明の一実施形態による半導体装置であるMOS−FETを備えた半導体集積回路のパッド部30の製造工程を説明するための断面図である。
【図2】図2Aおよび図2Bは、パッド部30の製造工程を説明するための断面図である。
【図3】図3Aおよび図3Bは、パッド部30の製造工程を説明するための断面図である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、パッド部30の製造工程を説明するための断面図である。
【図5】パッド部30の断面構成を示す図面である。
【図6】この発明の他の実施形態によるパッド部70の断面構成を示す図面である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態によるパッド部90の断面構成を示す図面である。
【図8】図8Aは、従来のMOS−FETのパッド部2の断面構成を示す図面である。図8Bは、従来の他のMOS−FETのパッド部22の断面構成を示す図面である。
【図9】図9Aおよび図9Bは、パッド部22の製造工程の一部を示す図面である。
【符号の説明】
36・・・・・フィールド酸化膜
38・・・・・ポリシリコン層
41・・・・・下地層
41a・・・・外周部
44・・・・・ポリシリコン層
49・・・・・層間膜
49a・・・・開口端(内周部)
55・・・・・配線層

Claims (7)

  1. 基板に形成された第1の絶縁層と、
    第1の絶縁層の上に配置され、所定形状の外周部を有する第1の下地層と、
    第1の下地層および第1の絶縁層の上に配置された第2の下地層と、
    第2の下地層の上に中抜き状に配置され、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層と、
    第2の下地層および第2の絶縁層の上に形成された第1の配線層と、
    を備えたことを特徴とする、第1の配線層がパッシベーション膜の開口部分から露出した部分を有する半導体装置。
  2. 基板に形成された第1の絶縁層と、
    第1の絶縁層の上に配置され、所定形状の外周部を有する第1の下地層と、
    第1の下地層および第1の絶縁層の上に配置された第2の下地層と、
    第2の下地層の上に中抜き状に配置され、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層と、
    第2の下地層および第2の絶縁層の上に形成された第1の配線層と、
    前記第1の配線層の上に中抜き状に配置され、前記第1の下地層の外周部より内側に位置する内周部を有する第3の絶縁層と、
    第1の配線層および第3の絶縁層の上に配置された第2の配線層と、
    を備えたことを特徴とする、第2の配線層がパッシベーション膜の開口部分から露出した部分を有する半導体装置。
  3. 基板に形成された第1の絶縁層と、
    第1の絶縁層の上に配置され、所定形状の外周部を有する第1の下地層と、
    第1の下地層および第1の絶縁層の上に配置された第2の下地層と、
    第2の下地層の上に中抜き状に配置され、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層と、
    第2の下地層および第2の絶縁層の上に形成された第1の配線層と、
    前記第1の配線層の上に中抜き状に配置され、前記第1の下地層の外周部より内側に位置する内周部を有する第3の絶縁層と、
    第1の配線層および第3の絶縁層の上に配置された第2の配線層と、
    前記第2の配線層の上に中抜き状に配置され、前記第3の絶縁層の内周部より外側に位置する内周部を有する第4の絶縁層と、
    第2の配線層および第4の絶縁層の上に配置された第3の配線層と、
    を備えたことを特徴とする、第3の配線層がパッシベーション膜の開口部分から露出した部分を有する半導体装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかの半導体装置において、
    前記第2の下地層の上にある前記第2の絶縁層の厚さが、前記第1の下地層の厚さと等しくなるよう構成したこと、
    を特徴とするもの。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかの半導体装置において、
    前記第2の下地層エッチングレートが、前記第2の絶縁層エッチングレートより低いこと、
    を特徴とするもの。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかの半導体装置において、
    前記第1の配線層の少なくとも前記第2の下地層と接する部分は、当該第2の下地層との密着性が良好な材料により構成されていること、
    を特徴とするもの。
  7. 基板に形成された第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に形成された第1の配線層とを備えた、配線層がパッシベーション膜の開口部分から露出した部分を有する半導体装置、を製造する方法であって、
    基板に、第1の絶縁層を形成し、
    第1の絶縁層の上に、所定形状の外周部を有する第1の下地層を形成し、
    第1の下地層および第1の絶縁層の上に、第2の下地層を形成し、
    第2の下地層の上に、第1の下地層の外周部より外側に位置する内周部を有する第2の絶縁層を中抜き状に形成し、
    第2の下地層および第2の絶縁層の上に、前記第1の配線層を形成すること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
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