JP4047132B2 - 表示素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電泳動粒子集団の分布状態を表示状態に反映させる表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁性液体中で帯電している帯電泳動粒子に電界を印加すると、帯電泳動粒子は電気泳動により変位する。近年、この電気泳動現象を利用した電気泳動表示素子(以下、EPDと呼ぶ事にする)の開発が、盛んに行われている。このEPDには、液晶表示素子にない優れた特徴がある。例えば、表示コントラストが大きい、視野角依存がない、表示にメモリー性がある、素子のフレキシブル化が可能である、バックライトや偏光板がいらないなどの特徴をあげる事ができる。
【0003】
上述した様に前記帯電泳動粒子は、流体中に分散させている。このため、粒子は拡散等により、基板面内方向に変位しやすい。この変位は表示画像の劣化を誘起するので、微粒子の可動領域を制限する必要がある。微粒子の可動領域を制限する一つの方法は、素子基板上に複数個の微細な空洞を形成し、該空洞内に帯電泳動粒子と絶縁性液体を閉じ込める事である。この閉じ込めが完全ならば、粒子の変位領域は、粒子を閉じ込めている空洞内に限定する事ができる。
【0004】
この様な空洞内に帯電泳動粒子等を閉じ込めた状態を形成する方法が、先行技術文献に提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該先行技術による粒子閉じ込め方法を説明する。先ず、基板上に隔壁を形成する。次に、インクジェット方式により、前記隔壁により区分けされた各分割セルに、帯電泳動粒子と液体からなる混合物(分散系と呼んでいる)を充填する。この分散系上に封止材を塗布し、該封止材を硬化させる。これにより、前記分散系が閉じ込められた状態を形成する。この後、硬化させた封止材と隔壁形成基板に対する対向基板とを張り合わせて表示素子を完成する。なお、前記封止材は、前記分散系と混ざらない事が要求される。
【0005】
また、該先行技術では、隔壁形成後、分散系と封止材との混合物をインクジェット方式により前記分割セルに充填する方法も開示している。この場合、封止材が分散系よりも比重が小さく、且つ分散系と混ざらないならば、封止材と分散系は分離し、最終的に封止材が上側に配置した状態が形成されるとしている。この状態が形成されたならば、封止材を硬化させる。これにより、分散系が閉じ込められた状態を形成する。この後、硬化させた封止材と隔壁形成基板に対する対向基板とを張り合わせて表示素子を完成する。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−343672号公報(第18頁、図26)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−343672号に提案されている表示素子の作製方法には、次の様な問題点があった。
【0008】
第1に、(メタ)アクリレート系モノマーに代表される紫外線重合性材料の使用が困難であるという問題点があった。これらの材料は、表示素子のフレキシブル化に必要な柔らかい封止膜の原料として使用できる。また、上記材料は安価であるので、表示素子のコストを抑えることができる。一般的に、上記材料はラジカル重合により重合される。ラジカル重合は、酸素により重合が阻害される。このため、上記従来技術の様に封止材の重合処理を外気に剥き出しの状態で行う場合、上記紫外線重合性材料の使用が困難であった。もし、使用する場合には、重合環境中から酸素を除去する特殊な硬化装置が必要となっていた。
【0009】
第2に封止材には比重制限があり、封止材用の材料選択の幅が小さいという問題点があった。上記従来技術では、封止材の比重が分散系のそれよりも小さい事を要求している。例えば、分散液として多用されるイソパラフィン系の溶媒を使用した場合、封止材の比重は1未満である事が要求される。しかしながら、多くの硬化性を有する材料の比重は1よりも大きい。このため、封止材の材料選択の幅は小さくなる。
【0010】
第3に、封止材を広範囲にわたって均一に設置する事が難しいという問題点があった。これは、外気に剥き出しの封止材の層に不均一性が発生するためである。不均一性を発生させる原因の一つとして、封止材の液滴化現象をあげる事ができる。これらの不均一性発生を回避する事は、一般的に難しい。この状況は、素子サイズが大きくなる程顕著になる傾向にある。
【0011】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決し、ラジカル重合性の紫外線重合性化合物を封止膜原料として用いて、重合性化合物の比重に制限される事なく、安価で柔らかい封止膜を形成することが可能な表示素子の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、基板と、該基板上に設けられた隔壁と、該隔壁の上端部側に設けられた封止膜とにより閉じ込められた空間に、少なくとも分散媒と帯電泳動粒子からなる分散液を配置した電気表示素子の製造方法において、
前記分散液が前記隔壁間に充填された状態で、支持部材により支持された重合性化合物を含む液状の封止膜前駆体を前記分散液に接触させる工程
前記封止膜前駆体が前記分散液を押しのけて前記隔壁の上端部に接触し、かつ前記隔壁間で前記基板側に膨らんで前記隔壁側部にも接触することにより、前記分散液の露出面と前記支持部材との間および前記隔壁の少なくとも上端部と前記支持部材との間に前記封止膜前駆体の層が配置される工程、ならびに
前記重合性化合物の重合処理を施して封止膜を形成する工程を有することを特徴とする表示素子の製造方法である。
【0013】
次に、本発明の好ましい実施態様について説明する。
本発明の表示素子の製造方法は、基板と該基板上に設けられた隔壁と該隔壁の上端部側に設けられた封止膜とにより閉じ込められた空間に、少なくとも分散媒と帯電泳動粒子からなる分散液を配置した電気表示素子の製造方法において、前記封止膜は、前記分散液が前記隔壁間に充填された状態で、且つ、重合性化合物を含む封止膜前駆体を該隔壁間に充填された前記分散液の露出面と前記隔壁の少なくとも上端部の一部と接触した状態で前記重合性化合物の重合処理を施す事により形成するものであって、該重合は、平面状の支持部材により前記封止膜前駆体を支持した状態で行う事を特徴とする。
【0014】
前記支持部材の表面は、前記封止膜前駆体に対する親和性を有している事を特徴とする。
前記分散液と前記封止膜前駆体は互いに混ざらない事を特徴とする。
前記重合性化合物が、光重合性化合物である事を特徴とする。
前記光重合性化合物が、光重合性モノマーから構成されている事を特徴とする。
前記光重合性モノマーが、1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレートである事を特徴とする。
【0015】
前記光重合性モノマーが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール=ジ(2−マレイミドアセテート)である事を特徴とする。
前記光重合性モノマーが、フッ素含有アクリレートである事を特徴とする。
前記光重合性モノマーは、少なくとも2種類のモノマーから構成され、その1種がフッ素含有アクリレートである事を特徴とする。
前記光重合性モノマーは、少なくとも2種類のモノマーから構成され、その1種がポリテトラメチレンエーテルグリコール=ジ(2−マレイミドアセテート)である事を特徴とする。
【0016】
前記重合処理後、前記支持部材を前記封止膜から剥離する事を特徴とする。
前記支持部材および封止膜は透明である事を特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の方法を用いて作製される事を特徴とする表示素子である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に関する表示素子の1実施態様を模式的に示す断面図である。図1において、10は基板、20は画素の周囲に配置された隔壁、30は封止膜である。40は分散媒、50は帯電泳動粒子である。60は各画素に配置された第1電極、70は各画素に配置された第2電極である。80は各画素に対して配置された薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子である。図1では、この他の表示素子構成要素(例えば、電極間に電気信号を印加する電気信号印加手段)は省略した。
【0019】
本発明に関する表示素子は、帯電泳動粒子の分布状態を表示状態に反映させる。
図1でAと示した領域では、帯電泳動粒子が隔壁側に集合した分布状態を示している。このA領域を封止膜30側から素子を観察すれば、第1電極60面が白色ならば、白色に見える。一方、図1でBと示した領域では、帯電泳動粒子は基板面内方向に分散した分布状態を示している。このB領域を封止膜30側から観察すれば、帯電泳動粒子の色を呈している様に見える。
【0020】
表示状態を変化させるには、帯電泳動粒子を基板上で変位させ、帯電泳動粒子の分布状態を変化させればよい。例えば、第1電極と第2電極との間への電気信号を印加により、帯電泳動粒子を電気泳動力で駆動し、変位させる事ができる。なお、本発明では、表示状態の変化時に必要な帯電泳動粒子の基板上での変位させる方法に特に制限はない。例えば、誘電泳動力、分散媒の電気流体力学的な流動などを利用して、帯電泳動粒子を基板上で変位させても構わない。
【0021】
また、上記説明では、帯電泳動粒子は黒色で、第1電極面は白色としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1電極面を適宜赤・緑・青色等に着色するとカラー表示も可能である。
【0022】
図1では、基板10側に電極系を配置させた例を示した。この電極系により形成される電界は、帯電泳動粒子を封止膜の面内方向に大きく変位させる。しかし、本発明ではこの様な電極構成に限定されるものではなく、所望の表示状態を形成できれば構わない。例えば、帯電泳動粒子を封止膜の法線方向に大きく変位させる電極構成でも構わない。
【0023】
図1に示した封止膜30は、基板10側に膨らんだ断面形状を示している。しかし、本発明ではこの形状に限定されるものではなく、図7や図9に示す様な平面状、基板と反対側に弯曲して形状等の形状でも構わない。
【0024】
また、封止膜は隔壁の少なくとも上端部の一部と接着していれば構わないが、隔壁上端部全体と接着(例えば図6、図7、図9を参照)している事が好ましい。より好ましくは、封止膜が隔壁上端部全体と隔壁側面にも接着(例えば、図2、図8参照)している方がよい。封止膜の隔壁への接着面積が大きくなる程、両者の接着性は増大するからである。図2は、基板10側に膨らんだ断面形状を有する封止膜が、隔壁上端部90と隔壁側面100、110と接着している状況を模式的に示している。
【0025】
次に図1に示した表示素子の製造方法の1例を、図3〜図5に示す工程図を用いて説明する。
<工程1>
図3は工程1を示す説明図である。工程1は、隔壁20を形成するまでの工程である。
【0026】
先ず、基板10上にスイッチング素子80を形成する。そして、これらを絶縁層で被覆した後、絶縁層にコンタクトホール160を開ける。続いて絶縁層上に入射光を散乱させるためのレジストパターンを形成し、この上に第1電極60(電極材料として、高光反射率のアルミニウムをあげる事ができる)を形成してコンタクトホールを通して第1電極60を前記スィッチング素子80と接続する。なお、第1電極が高光反射能を有する場合、光反射散乱層を兼ねられる。
【0027】
第1電極上は、絶縁性光散乱層で被覆する。次に、該絶縁層上に第2電極70及び隔壁20を形成する。所望の隔壁を形成できれば、隔壁形成方法に制限はない。例えば、公知のフォトリソ工程で作製しても構わない。
なお隔壁形成後、透明な樹脂(例えば、ポリカーボネートをあげる事ができる)で前記第1電極上の絶縁性光散乱層と第2電極表面を被覆しても構わない。
【0028】
<工程2>
図4は工程2を示す説明図である。工程2は、重合性化合物を含む封止膜前駆体の前駆体層を所望の位置に配置し、該前駆体層の重合処理直前の状態を形成するまでの工程である。
【0029】
上記所望の配置状態とは、重合性化合物を含む封止膜前駆体からなる前駆体層120が、該前駆体層120を支持する支持部材130と、少なくとも帯電泳動粒子50と分散媒40を隔壁20間に充填させた基板10との間に配置している状態である。
【0030】
更に本発明では、前記封止膜前駆体の前駆体層120は、前記隔壁20間に充填された分散媒40の露出面140と、前記隔壁20の少なくとも隔壁上端部90の一部と接触している事を特徴としている。
【0031】
上述した様に本発明では、前記重合性化合物を含む封止膜前駆体からなる前駆体層120が、前記支持部材130により支持されているため、仮に封止膜前駆体の比重が分散媒の比重よりも大きくても、この前駆体が分散媒の底に沈む事はない。即ち、封止膜前駆体の比重に制限はない。また、封止膜前駆体からなる前駆体層120が支持部材130により支持されているため、前記重合性化合物を含む封止膜前駆体からなる前駆体層120が直接外気に接することがないので、ラジカル重合性の紫外線重合性材料が使用できる。更に、前記前駆体層120が前記支部部材130に支持されているので、前記封止膜前駆体の液滴化は発生しない。このため、封止膜の膜厚等を広面積にわたって均一にできる。
【0032】
上記所望の配置を形成できれば、前記封止膜前駆体の前駆体層や分散媒等の配置方法に制限はない。例えば、分散媒と帯電泳動粒子からなる混合物(以下、分散液と呼ぶ事にする)を隔壁間に充填後、前記封止膜前駆体の前駆体層を設置した前記支持部材を、隔壁形成基板上に配置しても構わない。あるいは、帯電泳動粒子を隔壁間に配置後、前記封止膜前駆体の前駆体層を設置した前記支持部材を前記隔壁形成基板に対して隙間をあけて対向配置させ、この隙間を通して分散媒を注入し、最後に支持部材を隔壁形成基板側に押し付けても構わない。
【0033】
<工程3>
図4、図5は工程3を示す説明図である。工程3は、封止膜前駆体からなる前駆体層120に対する重合処理を行い、封止膜を形成するまでの工程である。
【0034】
本発明に関する重合処理は、図4で示した様に、前記支持部材130により前記封止膜前駆体からなる前駆体層120を支持した状態で行う事を特徴とする。該状態で必要な重合処理を施す事により封止膜30が形成される(図5参照)。
本工程に関する重合処理は、前記封止膜前駆体を構成する重合性化合物の性質に依存する。例えば重合性化合物が紫外線で重合する性質の材料であれば、紫外線照射すればよい。
【0035】
必要ならば、前記支持部材130を剥離する事も可能である。剥離した場合には、図1に示す様な素子が形成される。また、支持部材の剥離後、封止膜上に第2の膜を設置しても構わない。
なお上記説明では、電気信号印加手段との接続や、他の工程は省略した。
【0036】
次に、本発明に関する材料等について説明する。
本発明に関する分散媒は、絶縁性流体である。イソパラフィン(例えば、商品名がアイソパーのエクソン社製の流体)、シリコーンオイル及びキシレン、トルエン等の有機溶媒をあげる事ができる。
【0037】
本発明に関する帯電泳動粒子は、所望の表示を行う事ができれば特に材料や粒子サイズや粒子の色等に制限はない。着色されていて絶縁性液体中で正極性又は負極性の良好な帯電特性を示す材料が好ましい。例えば、各種の無機顔料や有機顔料やカーボンブラック、或いは、それらを含有させた樹脂を使用すると良い。粒子の平均粒径は通常0.01〜50μm程度のものを使用できるが、好ましくは、0.1〜10μm程度のものを用いる。
【0038】
上述した絶縁性液体中や帯電泳動粒子中には、帯電泳動粒子の帯電を制御し安定化させるための荷電制御剤を添加しておくと良い。かかる荷電制御剤としては、コハク酸イミド、モノアゾ染料の金属錯塩やサリチル酸や有機四級アンモニウム塩やニグロシン系化合物などを用いると良い。
【0039】
次に本発明に関する封止膜前駆体について説明する。
本発明に関する前記封止膜前駆体の性状は、液状である事が好ましい。そして封止膜前駆体は、本発明に関する前記分散媒と混ざらない事を特徴とする。更には、帯電泳動粒子との親和性が小さく、且つ帯電泳動粒子を溶解しない事を特徴とする。
【0040】
この様な封止膜前駆体を構成する重合性化合物は、所望の封止膜を形成できれば特に制限はないが、例えば−O−、−CH2−O−、−OH、−CF2−のうち少なくとも一つを構成要素に含む化合物である事が好ましい。
【0041】
これらの構成要素を含むと、封止膜前駆体は分散媒に混ざらない。更に、得られる封止膜と前記帯電泳動粒子との間の物理化学的な相互作用を制御できる。この様に重合性化合物に上記ユニットが含まれると、封止膜の製造だけでなく、得られる封止膜の機能の制御にも有効である。前記物理的な相互作用として、前記帯電泳動粒子と前記封止膜との間の付着力をあげる事ができる。該付着力は、封止膜の表面エネルギーにより制御できる。例えば、封止膜の表面エネルギーが小さい程、前記付着力を小さくできる傾向にある。
【0042】
なお、上記−CH2−O−を構成要素とする化合物は、−CH2−CH2−O−や、−CH2−CH2−O−が繰り返し連結しているポリエチレングリコールユニットを含む化合物でも構わない。或は、−CH2−O−CH2−CH2−CH2−CH2−O−CH2−を含む化合物であっても構わない。
【0043】
また、上記−O−を構成要素に含む化合物は、−O−に−CH2−が隣接して配置している化合物(例えば上記ポリエチレングリコールタイプ)や、−CH2−が隣接していないユニット(例えば、カーボネート結合)を含む化合物であっても構わない。
−CF2−を構成要素とする化合物は、−CF2−が繰り返し連結しているユニットを含む化合物でも構わない。
【0044】
所望の封止膜を形成できれば、本発明に関する重合方法に制限はない。例えば、紫外線重合に代表される光重合法を用いる事ができる。
紫外線重合を用いる場合、上記−OH、−CH2 −O−、−O−、−CF2−の構造を含むラジカル重合性のアクリレート化合物あるいはメタクリレート化合物を重合性化合物として利用する事ができる。例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、日本油脂製のブレンマーPEシリーズ)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール=ジ(2−マレイミドアセテート(例えば、大日本インキ化学工業製のMIA200)、1H、1H、5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業製のV−8F)、1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業製のV−17F)を利用する事ができる。
【0045】
また、重合性化合物は、重合性モノマーや重合性オリゴマーであっても構わない。これらモノマーやオリゴマーが単官能性であっても多官能性であっても構わない。更に、モノマーとオリゴマーとの混合物あるいは単官能性化合物と多官能性化合物との混合物であっても構わない。
【0046】
上記の重合性化合物は、光重合開始剤の存在のもとに光を照射することにより重合することができる。光重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュアシリーズの光重合開始剤(例えば、イルガキュア184、イルガキュア651)や、大日本インキ化学工業(株)のMIA200を使用することができる。
【0047】
本発明に関する前記支持部材は、所望の封止膜が形成できれば、特に制限はない。しかし、前記支持部材の表面は、前記封止膜前駆体に対する親和性を有している事が好ましい。該親和性がある事により、上記工程2の段階において、封止膜前駆体からなる層を支持する事が可能となる。
【0048】
本発明に適用可能な支持部材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)等の柔らかい基板や、ガラス、石英等の硬い基板も使用できる。支持部材としては、透明なものが好ましい。また、上記光重合で用いる光の波長域が紫外線領域の場合、紫外線透過性を有している必要がある。
【0049】
これらの基板表面が、前記封止膜前駆体に対する所望の親和性がない場合、前記表面に対する親和性付与処理を施す必要がある。親和性付与処理としては、該基板表面上に前記封止膜前駆体を構成する重合性化合物の重合体膜を設置する方法をあげる事ができる。これ以外にも親和性を付与できるものであれば、その方法に制限はない。
【0050】
本発明に適用可能な隔壁としては、光感光性厚膜レジスト(例えば、3M社製のSU−8)の硬化物を使用できる。
【0051】
前記隔壁の上端部は、前記封止膜前駆体に対する親和性を有している事が好ましい。該親和性があると、次の様な利点がある。第1に、隔壁上端部及びその近傍と封止膜との間に接着性を付与する事ができる。第2に、前記工程2において、前記封止膜前駆体からなる前駆体層と前記隔壁との接触部に前記分散媒が浸入してくるのを防ぐ事ができる。この浸入を防ぐ事ができるのは、封止膜前駆体は分散媒と混じりあわず、且つ、前記隔壁上端部と親和性があるためである。つまり、封止膜前駆体と隔壁上端部との間にある分散媒は、押し出されるからである。
【0052】
隔壁上端部が、前記封止膜前駆体に対する所望の親和性がない場合、該上端部に対する親和性付与処理を施す必要がある。親和性付与処理としては、隔壁上端部及びその近傍に前記封止膜前駆体を構成する重合性化合物や重合性化合物の重合体を塗布する方法をあげる事ができる。これ以外にも親和性を付与できるものであれば、その方法に制限はない。
【0053】
本発明に関する隔壁を設置する基板の種類には、特に制限はない。例えば、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)等の柔らかい基板や、ガラス、石英等の硬い基板を使用できる。また、該基板の前記分散媒に対する接触面は、前記分散媒に対する親和性を有している事が好ましい。ただし、分散媒に溶解する性質を有していない事は言うまでもない。
【0054】
本発明に関する電極材料や電極配置も、所望の表示を実現できれば大きな制限はない。電極材料としてはAl電極やITO電極を挙げる事ができる。電極配置としては、表示状態の変化に必要な所望の帯電泳動粒子変位を誘起できるものであれば、特に制限はない。上記第1電極60を光反射層としても利用する場合は、銀(Ag)あるいはAl等の光反射率の高い材料を好適に使用する。この第1電極6を白色表示として使用する場合は、電極表面そのものに光が乱反射するように表面凹凸をつけるか、あるいは電極上に光散乱層を形成しておく。
【0055】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0056】
実施例1
本実施例では、図1に示す様な表示素子を作製した。
作製した表示素子は、200×600画素とし、1つの画素の大きさは240μm×80μmである。各画素は周囲を隔壁20によって囲まれている。隔壁20の構造は、幅8μm、高さ28μmである。第1電極60は、隔壁20に囲まれた部分の中央部に位置し、スイッチング素子80に接続している。第2電極70は、隔壁20と基板10の間に位置する。第2電極70は、全画素の共通電極としている。
【0057】
本実施例に関する表示素子の製造方法を、図3〜図5及び図10を用いて説明する。
基板10には、厚さ0.1mmのステンレス基板を使用し、この基板10上にはスイッチング素子80を形成する。そして、これらをアクリル樹脂からなる絶縁層で被覆した後、絶縁層にコンタクトホールを開ける。続いて絶縁層上に入射光を散乱させるためのレジストパターンを形成し、この上にアルミニウムからなる第1電極60を形成してコンタクトホールを通して第1電極60を基板10上のスィッチング素子80と接続する。第1電極上は、アクリル樹脂層によって被覆する。本実施例では、第1電極は光反射散乱層を兼ねている(図3参照)。次に、アクリル樹脂層上に暗黒色の炭化チタンからなる第2電極70及び光感光性厚膜レジスト(3M社製のSU−8)の硬化物からなる隔壁20を公知のフォトリソ法により形成する。形成後、ポリカーボネーで第1電極上のアクリル樹脂表面、第2電極表面を被覆した。
【0058】
該被覆処理を施した後、各画素に分散媒40及び帯電泳動粒子50を充填する(図10参照)。分散媒にはイソパラフィン(商品名:アイソパー、比重0.76、エクソン社製)を用い、帯電泳動粒子には平均粒径1〜2μm程度のカーボンブラックを含有したポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を使用した。イソパラフィンには、荷電制御剤としてコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)を含有させた。
【0059】
一方、支持部材130としてのPET基板上に封止膜前駆体の前駆体層120を形成した(図10参照)。本実施例では、封止膜前駆体として紫外線重合性モノマーである1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名:NKオリゴ EA−5520、比重1以上)を用いた。該アクリレートは分散媒であるアイソパーHと混ざり合わず、アイソパーHよりも比重が大きい。
【0060】
前記封止膜前駆体の前駆体層120は、光重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)の濃度が5wt%に調整した上記モノマーを、上記支持部材130上でスピンコートする事により形成した。得られた層の厚さは7μmであった。
【0061】
上記封止膜前駆体の前駆体層120が前記隔壁等に接触する様に、前記支持部材130を前記隔壁等の上に載せる(図10参照)。その後数秒間で、封止膜前駆体が分散液を押しのけて隔壁と接触し、最終的に前記封止膜前駆体の前駆体層120が、少なくとも隔壁上端部と分散液の上端部を被覆した状態が形成された(図4参照)。
【0062】
図4の状態が形成されたならば、室温下で強度0.3mW/cm2 の紫外線を5分間照射し、前記封止膜前駆体の前駆体層に対する重合処理を行った。その結果、封止膜が形成された(図5参照)。
重合処理後、封止膜30上から表示素子を観察したところ、隔壁上端部上及び封止膜中に帯電泳動粒子は確認されなかった。即ち、重合過程で、帯電泳動粒子が封止膜中に取り込まれる事はなかった。
【0063】
続いて本実施例の表示素子の駆動確認を行った。第1電極を接地し、第2電極の電位を1ヘルツ(Hz)にて、+15V、−15Vと交互に変調した。その結果、電位の変調に同期して、黒、白と交互に表示が変化した。
【0064】
このような駆動を連続して行っても、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。即ち、分散液が、封止膜、隔壁、基板により閉じ込められている事が確認できた。また、封止膜が隔壁側より剥がれる事がなく、接着している事が分かった。
【0065】
実施例2
本実施例では、実施例1の表示素子の支持部材を剥離して、封止膜が大気中に露出させた表示素子を作製した。
【0066】
実施例1と同様の駆動確認を行ったが、実施例1と同様の表示変化を示した。この駆動時に、帯電泳動粒子が隔壁を越えて変位していく事は観察されなかった。また、封止膜の隔壁側からの剥離や、分散媒の揮発も観察されず、封止膜と隔壁が接着している事が分かった。
【0067】
次に、得られた表示素子を前後に撓らせたが、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。また、表示素子を湾曲させ、実施例1と同様の駆動評価を行った。その結果、実施例1と同じ表示変化を示した。
【0068】
実施例3
本実施例では、封止膜前駆体としてポリエチレングリコールメタクリレート(日本油脂株式社製、製品名:PE200、比重1以上)を用いた以外、実施例1と同じである。該アクリレートはアイソパーHと混ざり合わず、アイソパーHよりも比重が大きい。
【0069】
得られた表示素子に対して、実施例1と同様の駆動確認を行った。その結果、実施例1と同様の表示変化が観察された。また、連続駆動を行っても、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。更に、封止膜が隔壁側から剥がれる事もなかった。
【0070】
実施例4
本実施例では、下記ブロック重合体を用いて隔壁を作製した以外、実施例1と同じである。
【0071】
本実施例では、化学式(I)で表されるロッド−コイルブロック共重合体(m=400、n=900 、Mw/Mn<1.05)を用いて、該基板上にハニカム構造を有する隔壁を形成した。隔壁の形成条件は、化学式(I)で表されるロッド−コイルブロック共重合体の二硫化炭素溶液(濃度3重量%)を、湿度95%の条件下で前記基板上にキャストすることによって形成した。隔壁の孔径と高さは、共に50μmであり、アスペクト比は40であった。
【0072】
【化1】
Figure 0004047132
【0073】
該隔壁を形成後、実施例1と同様の工程により封止膜の形成を行った。この封止膜を形成後、支持部材を剥離した。ここで得られた素子を表示素子とした。
【0074】
得られた表示素子に対して、実施例1と同様の駆動評価を行った。その結果、実施例1と同様の表示変化を示した。また、この駆動時に、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は発生しなかった。更に、封止膜が隔壁側から剥がれる事も無かった。
【0075】
実施例5
本実施例では、図11に示す様な表示素子を作製した。作製した表示素子は、200×600画素とし、1つの画素の大きさは240μm×80μmである。各画素は周囲を隔壁20によって囲まれている。隔壁20の構造は、幅8μm、高さ28μmである。第1電極60は、隔壁20に囲まれた部分の中央部に位置し、スイッチング素子80に接続している。本実施例の第2電極は150であり、封止膜30を有する支持部材130に設けられている。第2電極150は、全画素の共通電極としている。
【0076】
本実施例に関する表示素子の製造方法は、基本的には、実施例1と同じである。基板10には、厚さ0.1mmのステンレス基板を使用し、この基板10上にはスイッチング素子80を形成する。そして、これらをアクリル樹脂からなる絶縁層で被覆した後、絶縁層にコンタクトホールを開ける。続いて絶縁層上に入射光を散乱させるためのレジストパターンを形成し、この上にアルミニウムからなる第1電極60を形成してコンタクトホールを通して第1電極60を基板10上のスィッチング素子80と接続する。第1電極上は、アクリル樹脂層によって被覆する。本実施例では、第1電極は光反射散乱層を兼ねている。
【0077】
次に、光感光性厚膜レジスト(3M社製のSU−8)の硬化物からなる隔壁を公知のフォトリソ法により形成して各画素を設けた。
次に、各画素に分散媒40及び帯電泳動粒子50を充填する。分散媒にはイソパラフィン(商品名:アイソパー,エクソン社製)を用い、帯電泳動粒子には平均粒径1〜2μm程度の白色の酸化チタン微粒子を使用した。イソパラフィンには、荷電制御剤としてコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)と青色色素を含有させた。
【0078】
一方、支持部材130としてITO電極層が設けられたPET基板上に、封止膜前駆体の前駆体層120を形成した。本実施例では、封止膜前駆体として紫外線重合性モノマーである1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名:NKオリゴ EA−5520)を用いた。該アクリレートは分散媒であるアイソパーHと混ざり合わず、アイソパーHよりも比重が大きい。また、上記PET基板に設けられたITO電極が、本実施例における第2電極150である。
【0079】
前記封止膜前駆体の前駆体層120は、光重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)の濃度を5wt%に調整した上記モノマーを、上記支持部材130上でスピンコートする事により形成した。得られた層の厚さ7μmであった。
【0080】
上記封止膜前駆体の前駆体層120が前記隔壁等に接触する様に、前記支持部材130を前記隔壁等の上に載せる。その後数秒間で、封止膜前駆体が分散液を押しのけて隔壁と接触し、最終的に前記封止膜前駆体の前駆体層120が、少なくとも隔壁上端部と分散液の上端部を被覆した状態が形成された。
【0081】
この状態が形成されたならば、室温下で強度0.3mW/cm2 の紫外線を5分間照射し、前記封止膜前駆体の前駆体層に対する重合処理を行った。その結果、封止膜が形成された(図11参照)。
重合処理後、封止膜30上から表示素子を観察したところ、隔壁上端部上及び封止膜中に帯電泳動粒子は確認されなかった。即ち、重合過程で、帯電泳動粒子が封止膜中に取り込まれる事はなかった。
【0082】
続いて本実施例の表示素子の駆動確認を行った。第1電極を接地し、第2電極の電位を1ヘルツにて、+15V、−15Vと交互に変調した。その結果、電位の変調に同期して、黒、白と交互に表示が変化した。
【0083】
このような駆動を連続して行っても、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。即ち、分散液が、封止膜、隔壁、基板により閉じ込められている事が確認できた。また、封止膜が隔壁側より剥がれる事がなく、接着している事が分かった。
【0084】
実施例6
本実施例では、封止膜前駆体としてポリテトラメチレンエーテルグリコール=ジ(2−マレイミドアセテート)(大日本インキ化学工業株式社製、製品名:MIA200、比重1以上)を用い、イルガキュア184を封止膜前駆体に添加しなかった事以外は、実施例1と同じである。該化合物はアイソパーHと混ざり合わず、アイソパーHよりも比重が大きい。なお、イルガキュア184を添加していないのは、MIA200は開始剤なしで光重合する事が可能だからである。
【0085】
得られた表示素子に対して、実施例1と同様の駆動確認を行った。その結果、実施例1と同様の表示変化が観察された。また、連続駆動を行っても、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。更に、封止膜が隔壁側から剥がれる事もなかった。
【0086】
実施例7
本実施例では、封止膜前駆体としてポリテトラメチレンエーテルグリコール=ジ(2−マレイミドアセテート)(大日本インキ化学工業株式社製、製品名:MIA200、比重1以上)80部と1H、1H、5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業製のV−8F、比重1以上)20部との混合物を用い、イルガキュア184を封止膜前駆体に添加しなかった事以外は、実施例1と同じである。該化合物はアイソパーHと混ざり合わず、アイソパーHよりも比重が大きい。なお、イルガキュア184を添加していないのは、MIA200は開始剤なしで光重合する事が可能だからである。
【0087】
得られた表示素子に対して、実施例1と同様の駆動確認を行った。その結果、実施例1と同様の表示変化が観察された。また、連続駆動を行っても、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。更に、封止膜が隔壁側から剥がれる事もなかった。
【0088】
実施例8
本実施例では、封止膜前駆体として1H、1H、5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業製のV−8F)15部と1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業製のV−17F)85部との混合物を用いた以外、実施例1と同じである。該化合物はアイソパーHと混ざり合わず、アイソパーHよりも比重が大きい。なお、該混合物に関する光重合開始剤は、MIA200である。MIA200は開始剤としてだけでなく、重合後、封止膜を構成する高分子成分の一つである。
【0089】
得られた表示素子に対して、実施例1と同様の駆動確認を行った。その結果、実施例1と同様の表示変化が観察された。また、連続駆動を行っても、帯電泳動粒子が隔壁をのりこえて変位していく事は観察されなかった。更に、封止膜が隔壁側から剥がれる事もなかった。
【0090】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明は、ラジカル重合性の紫外線重合性化合物を封止膜原料として用いて、重合性化合物の比重に制限される事なく、安価で柔らかい封止膜を形成することが可能な表示素子を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示素子の一実施態様を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の表示素子の隔壁近傍の拡大模式図である。
【図3】本発明の表示素子の製造方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の表示素子の製造方法を説明する説明図である。
【図5】本発明の表示素子の製造方法を説明する説明図である。
【図6】本発明の表示素子の隔壁近傍の拡大模式図である。
【図7】本発明の表示素子の隔壁近傍の拡大模式図である。
【図8】本発明の表示素子の隔壁近傍の拡大模式図である。
【図9】本発明の表示素子の隔壁近傍の拡大模式図である。
【図10】本発明の表示素子の製造方法を説明する説明図である。
【図11】本発明の表示素子の他の実施態様を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 基板
20 隔壁
30 封止膜
40 分散媒
50 帯電泳動粒子
60 第1電極
70 第2電極
80 スイッチング素子
90 隔壁上端部
100、110 隔壁側面
120 前駆体層
130 支持部材
140 分散媒上端の露出面
150 第2電極
160 コンタクトホール

Claims (7)

  1. 基板と、該基板上に設けられた隔壁と、該隔壁の上端部側に設けられた封止膜とにより閉じ込められた空間に、少なくとも分散媒と帯電泳動粒子からなる分散液を配置した電気表示素子の製造方法において、
    前記分散液が前記隔壁間に充填された状態で、支持部材により支持された重合性化合物を含む液状の封止膜前駆体を前記分散液に接触させる工程
    前記封止膜前駆体が前記分散液を押しのけて前記隔壁の上端部に接触し、かつ前記隔壁間で前記基板側に膨らんで前記隔壁側部にも接触することにより、前記分散液の露出面と前記支持部材との間および前記隔壁の少なくとも上端部と前記支持部材との間に前記封止膜前駆体の層が配置される工程、ならびに
    前記重合性化合物の重合処理を施して封止膜を形成する工程を有することを特徴とする表示素子の製造方法。
  2. 前記支持部材の表面は、前記封止膜前駆体に対する親和性を有している事を特徴とする請求項に記載の表示素子の製造方法。
  3. 前記分散液と前記封止膜前駆体は互いに混ざらない事を特徴とする請求項1または2に記載の表示素子の製造方法。
  4. 前記重合性化合物が、光重合性化合物である事を特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の表示素子の製造方法。
  5. 前記光重合性化合物が、光重合性モノマーから構成されている事を特徴とする請求項に記載の表示素子の製造方法。
  6. 前記重合処理後、前記支持部材を前記封止膜から剥離する事を特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の表示素子の製造方法。
  7. 前記重合性化合物を含む液状の封止膜前駆体は、分散媒よりも比重が大きいことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の表示素子の製造方法。
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