JP4046991B2 - 単結晶シリコンの製造に用いるロッド補充システム - Google Patents

単結晶シリコンの製造に用いるロッド補充システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー(CZ)法により単結晶シリコンを製造するシステムの効率の向上に関する。より詳細には、本発明は、CZ炉中への装入物補充ロッドの吊設に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気産業向けの単結晶シリコンインゴットを製造する方法の主たるものはCZ法である。CZ法では、多結晶シリコンの大きな塊を石英ルツボに入れる。このルツボを炉に入れ、炉を密封および真空にする。真空下で多結晶シリコンが溶融し、融液が安定すると、正確な方向の単結晶シリコン種晶を融液中に挿入する。正確な直径および方向のシリコン単結晶インゴットを融液から引上げる。このインゴットを用いて、電気産業の主たる出発材料であるシリコンウエハーを製造する。CZ法によるウエハーが、集積回路の製造に優勢に用いられる。
【0003】
石英ルツボを数回しか使うことができないという点が、CZ法の制限の一つである。これは、多結晶シリコンと石英との熱膨張率の差に起因するものであり、CZ法が終了し、熱を除去すると、石英ルツボにクラックが生じることが多い。
【0004】
この問題を解決するため、代替ルツボ材料の評価に多くの試みがなされてきた。これには、Siまたは他のセラミック材料で石英をコーティングすることが含まれる。単結晶シリコンの全体的純度が必要であるため、これらの試みは非常に限られた成功しか収められなかった。
【0005】
石英ルツボを使用することが可能な時間を延長することも試みられてきた。この試みには、半連続CZ結晶成長法の開発が含まれる。典型的には、半連続法は、小さな多結晶シリコン種石または流動床(粒状)多結晶シリコンを供給することのできる供給管を用いることを伴う。このような半連続法において、ルツボを種石または粒状多結晶シリコンで満たすことができる。または、インゴットを引上げ、次いで取り外し、さらに残った融液に多結晶シリコンを加えることができる。このようにして、ルツボを長期間にわたり使用することができる。残念ながら、種石および粒状多結晶シリコンに起きる表面コンタミネーションの可能性があるため、このような方法は工業的には広く受け入れられていない。
【0006】
もう一つの代替法は、多結晶シリコンのロッドをルツボに再装入する方法である。この方法は装入物補充(CR)と呼ばれる。典型的には、円形溝を多結晶シリコンロッドの円柱面上に作り、ホルダーを円形溝に固定する。このホルダーをCZ炉の種晶ホルダーに取り付け、炉内でアセンブリが上下できるようにする。したがって、ロッドを緩徐に下げてシリコン融液に入れ、溶融させることができる。このようにして、ルツボにクラックが生じる程度にまで温度を下げることなく、ルツボを溶融シリコンで満たすことができ、これにより別の単結晶インゴットを引上げることができる。この補充操作は繰り返すことができる。
【0007】
ロッドを再装入するこの方法は、手順的に制限がある。例えば、CZ炉に新しいロッドを装填するには、遮断弁を操作して炉の上部チャンバからシリコン融液を分離する必要がある。遮断弁を何回も開閉しなければならないので、この装填には時間がかかり、かつ遮断弁からのコンタミネーションの恐れがある。遮断弁を開閉する毎に、不純物がシリコン融液中に落ちる可能性がある。また、多結晶シリコンが溶融すると、上部チャンバを介して保持機構を取り外す必要がある。これには、遮断弁により融液を隔離し、かつ固定具および未溶融多結晶シリコン残分を取り外すことを必要とする。次いで、種晶を取り付けることができ、上部チャンバを真空にする。その後、種晶を融液に浸すことができるように遮断弁を開けなければならない。
【0008】
したがって、この手順には、溶融シリコンからの隔離、ロッドの取り付けおよびロッドホルダーの取り外しの必要性、ならびに遮断弁を開閉(これによりシリコン融液のコンタミネーションの可能性が増す)しなければならない回数のため結晶成長プロセスが遅れる等の、一つまたはそれ以上の問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、CRロッドを用いて融液量を増やして、製造可能な単結晶インゴットの長さを増大させることにより、CZ結晶成長の収量を増やす方法に対する必要性がある。さらに、すでにCRロッドを使用しているものに対して、CRロッドを完全に使用することが可能で、遮断弁を開ける回数を低減する方法に対する必要性がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
1.単結晶シリコンを成長させるための装置であって、
該装置が、
融液を収容するために取り付けられたルツボ、
ルツボ上に位置する引上げ機構、
引上げ機構に吊り下げられた支持体、および
回転部材を含み、
該回転部材が、
シリコンロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置に保持された単結晶種晶を含み、かつ
概ね水平な回転軸の周りを支持部材に関連して動くように支持体上に回転可能に設けられ、
回転部材の重心が、
少なくとも一つのシリコンロッドが回転部材に接続された場合には、ロッドホルダーが下向きに延びるような位置を回転部材が占め、回転部材にシリコンロッドが接続されていない場合には、種晶が下向きに延びるような位置を回転部材が占めるように配置された、単結晶シリコンを成長させる装置。
【0011】
2.ロッド補充機構であって、該機構が、
支持体、
ロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置に保持された単結晶種晶を含み、概ね水平な回転軸の周りを支持部材に関連して動くように支持体上に回転可能に設けられた回転部材、および
支持体をCZ炉の種晶ケーブルまたはシャフトに連結して、支持体がCZ炉の種晶ケーブルまたはシャフトに連結された際に、回転軸が概ね水平に延び、種晶ケーブルまたはシャフトを適当に操作することによりロッド補充機構を昇降することができるようにするための取り付け具を含む、ロッド補充機構。
【0012】
3.単結晶シリコンを成長させるための装置であって、
該装置が、
融液を収容するために取り付けられたルツボ、
ルツボ上に位置する引上げ機構、
引上げ機構に吊り下げられた支持体、および
回転部材を含み、
該回転部材が、
シリコンロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置にある単結晶種晶を含み、かつ
概ね水平な回転軸の周りを支持部材に関連して動くように支持体上に回転可能に設けられ、
回転部材の重心が、
少なくとも一つのシリコンロッドが回転部材に接続された場合には、ロッドホルダーが下向きに延びるような位置を回転部材が占め、回転部材にシリコンロッドが接続されていない場合には、種晶が下向きに延びるような位置を回転部材が占めるように配置された、単結晶シリコンを成長させる装置。
【0013】
4.シリコン製のロッドであって、該ロッドが、
概ね円柱形の側面、および側面の一方の端に上面を有し、
円柱形側面により囲まれ、概ね円柱形側面に平行に延びるロッド軸を有し、
ロッド表面からロッド軸に内向きに延びる、少なくとも一つの窪みを画定し、
上面の少なくとも一部を横切って延び、かつ少なくとも一つの窪みの上面に最も近い部分から離れた位置にある底面を有する横断的に延びる溝を画定する、シリコン製のロッド。
【0014】
5.単結晶シリコンを成長させる方法であって、該方法が、
融液を収容するために取り付けたルツボおよび炉内で物体を降下するに操作することのできる引上げ機構を有する炉を与え、
引上げ機構に吊り下げられた補充機構を与え、この際、該補充機構が支持体および回転部材を含み、該回転部材が、シリコンロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置にある単結晶種晶を含み、概ね水平な回転軸の周りを支持体に関連して動くように回転部材を支持体上に回転可能に設け、
ロッド補充機構から少なくとも一つのシリコン製のロッドを吊り下げて、ロッドがルツボの上に突き出るようにし、
引上げ機構を操作して前記少なくとも一つのロッドをルツボ内に降下し、および前記少なくとも一つのロッドが下げられている間加熱して、ロッドの少なくとも最下部を溶融させることを含む方法。
【0015】
6.シリコンロッドを溶融する方法であって、該方法が、
吊り下げ機構からシリコンロッドを吊り下げて、ロッドがルツボの上に突き出るようにし、この際、ロッドが概ね円柱形側面および炉の上部に最も近い上面を有し、ロッドが円柱形側面の少なくとも一つの窪みを画定し、少なくとも一つの窪みが吊り下げ機構を受け、ロッドが、上面において上方向に開きかつロッドを支持する吊り下げ機構よりも低い底面を有する、横断的に延びる溝を画定し、
ロッドをルツボ内に降下し、
ロッドを降下している間加熱して、ロッドの少なくとも最下部を溶融し、
未溶融の残留物が、溝と反対側のロッドの小片のみになるまでロッドを下げ続け、ロッドの小片を吊り下げ機構から落としてルツボ内に入れることを含む方法。
【0016】
7.概ね円柱形の側面および上面を含む表面を有し、炉内に吊り下げるためのシリコンロッドを調整する方法であって、該方法が、
上面の少なくとも一部を横切って延びる、横断的に延びる溝を形成し、
概ね円柱形の側面から内向きに延び、かつ概ね円柱形の側面の少なくとも一部を取り囲む円形溝を形成して、実質的にロッド軸に垂直に延びる下面を有する、半径方向に延びるフランジであって、フランジの下面が溝の底面に比べてより上面に接近するフランジを与えることを含む方法。
【0017】
8.単結晶シリコンを成長させる装置であって、
該装置が、
融液を収容するために取り付けられたルツボ、
ルツボ上に位置する引上げ機構、
引上げ機構に支持されたロッドホルダー、および
ルツボの上に突き出るようにロッドホルダーから吊り下げられたシリコンロッドを含み、
ロッドが、ルツボに最も近い自由端および吊り下げられたロッドの上部に取り付け端を有し、かつ
ロッドが、取り付け端において上向きに開いた、横断的に延びる溝を画定すると共に、ロッドホルダーが溝の底部よりも高い位置でのみロッドを係合する装置。
【0018】
9.シリコンロッドを溶融するシステムであって、
該システムが、
融液を収容するために取り付けられたルツボ、
ルツボ上に位置する引上げ機構、
引上げ機構に支持されたロッドホルダー、および
ルツボの上に突き出るようにロッドホルダーから吊り下げられたシリコンロッドを含み、
ロッドが、ルツボに最も近い自由端および吊り下げられたロッドの頂点に取り付け端を有し、かつ
ロッドが、取り付け端において上向きに開いた、横断的に延びる溝を画定すると共に、ロッドホルダーが溝の底部よりも高い位置でのみロッドを係合するシステム。
【0019】
10.シリコン製のロッドであって、
該ロッドが、
概ね円柱形の側面、および側面の一方の端に上面を有し、かつ
上面の少なくとも一部を横切って延びる、横向きに延びる溝を画定し、
溝の少なくとも一部が、上面から軸線方向内向きに延びる首部および首部から軸線方向内向きに位置する胴体部を有する鍵穴であり、横向きに計測すると、胴体部より首部の方が細い、シリコン製のロッド。
【0020】
11.単結晶シリコンを成長させる方法であって、該方法が、
融液を収容するために取り付けたルツボ、炉内で物体を降下するように操作することのできる引上げ機構および引上げ機構に支持されたロッドホルダーを有する炉を与え、
ロッドホルダーからシリコン製のロッドを吊り下げて、ロッドがルツボの上に突き出るようにし、この際、ロッドが概ね円柱形側面および炉の上部に最も近い上面を有し、ロッドが、上面で上方向に開きかつロッドホルダーよりも低い位置でロッド表面上の2点間に延びる底部を有する、横方向に延びる溝を画定し、
引上げ機構を操作して前記少なくとも一つのロッドを炉内に降下し、
ロッドが降下している間加熱して、ロッドの少なくとも最下部を溶融させ、
未溶融の残留物が、溝と反対側のロッドの小片のみになるまでロッドを降下し続け、ロッドの小片を吊り下げ機構から落としてルツボ内に入れ、
単結晶シリコン種晶を融液に浸け、
次いで、種晶を引上げて、融液から単結晶インゴットを引上げることを含む、方法。
【0021】
12.シリコンロッドを溶融させる方法であって、該方法が、
引上げ機構からシリコン製のロッドを吊り下げて、ロッドがルツボの上に突き出るようにし、この際、ロッドが概ね円柱形側面および炉の上部に最も近い上面を有し、ロッドが、上面で上方向に開きかつロッドを支持する吊り下げ機構よりも低い底部を有する、横断的に延びる溝を画定し、
ロッドをルツボ内に降下し、
ロッドが降下している間加熱して、ロッドの少なくとも最下部を溶融させ、
未溶融の残留物が、溝と反対側のロッドの小片のみになるまでロッドを降下し続け、ロッドの小片を吊り下げ機構から落としてルツボ内に入れることを含む、方法。
【0022】
13.概ね円柱形の側面および上面を有し、炉内に吊り下げるためのシリコンロッドを調整する方法であって、該方法が、
上面の少なくとも一部を横切って延びる、横断的に延びる溝において、溝の少なくとも一部が、上面から軸線方向内向きに延びる首部および首部から軸線方向内向きに位置する胴体部を有する鍵穴であり、横向きに計測すると、胴体部より首部の方が細い溝を形成することを含む、方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1Aおよび1Bに示す通り、典型的CZ引上げ機10は、上部チャンバ12および下部炉チャンバ14の二つの部品を有する。これら二つのチャンバは、遮断弁16により分けられている。引上げ機10は、上部チャンバ12内にケーブルまたはシャフト巻上げシステム18を含む引上げ機構を有する。巻上げシステム18は、引上げ機10内部でシリコンを昇降するために用いられるケーブルまたはシャフト20に連結されている。ケーブルまたはシャフトの末端には種晶ホルダー22がある。種晶ホルダー22は、CRロッドをケーブルまたはシャフトに取り付けるため、または単結晶シリコン種晶を保持するためのいずれかに用いることができる。
【0024】
遮断弁16により上部チャンバ12から分離することのできる下部炉チャンバ14は、石英ルツボ28内の多結晶シリコン塊26を溶融するために用いるヒーター24を収容する。サセプター30により、ヒーター内で石英ルツボ28を昇降することができる。成長させる単結晶シリコンの種類によっては、溶融させるシリコン塊で石英ルツボ28を満たした後、熱シールド32を設置してもよい。
【0025】
円形の溝を付けた、装入物補充(CR)ロッドを用いたCZ炉の通常の操作を図2A〜2Gに示す。図2Aは、下部炉チャンバ14内の石英ルツボ28内を多結晶シリコン塊26で満たしたCZ炉を示す。多結晶シリコンロッド34の円形溝38に延びる、クランプまたはワイヤ36を用いて、ロッドがルツボ上に突き出るように、多結晶シリコンロッド34を種晶ホルダー22に取り付ける。遮断弁16を開け、真空ポート40を介して、上部チャンバ12および下部チャンバ14の両方を真空にする。
【0026】
ヒーター24を用いて、多結晶シリコン塊26を溶融し、溶融シリコンの本体である融液42を形成する。多結晶シリコン塊26が溶融した後、多結晶シリコンロッド34を降下して下部炉チャンバ14に入れ、ヒーター24で予熱できるようにする。図2Bは、溶融シリコン42と接触する直前の、多結晶シリコンロッド34の位置を示している。ロッド34の溶融速度を下降速度よりも早くし、感知可能な量のロッドが融液42中に沈むことの無いような方法で、多結晶シリコンロッド34を緩徐に下げてシリコン融液42に入れる。
【0027】
図2Cに示す通り、多結晶シリコンロッド34を、底部から円形溝取り付け具36の直下の位置まで溶融する。円形溝取り付け具36とシリコン融液42との間の接触は、コンタミネーションの恐れがあるため、許容されない。したがって、円形溝取り付け具36の底部と融液42が接触する前に下降を止め、多結晶シリコンロッド34の僅かな部分44が未溶融で残るようにする。
【0028】
次いで、多結晶シリコンロッド34のこの未溶融部44を上部チャンバ12内に上昇させ、図2Dに示すように遮断弁16を閉じなければならない。上部チャンバ12の真空を開放し、上部チャンバを開いて、多結晶シリコンロッド34の残部44を取り出す。次に、図2Eに示す通り、単結晶種晶46を種晶ホルダー22に取り付ける。続いて、上部チャンバ12を真空にし、遮断弁16を開き、図2Fに示すように、単結晶種晶46をシリコン融液42まで下降させる。次に、単結晶種晶46を下降させてシリコン融液42に入れた後、図2Gに示す通り、引上げ機構を反転させて、単結晶シリコンインゴット48の引上げを開始する。
【0029】
この方法は、結晶成長サイクル中に2回遮断弁16を開閉する必要がある。この弁16を開閉する毎に、不純物がシリコン融液42中に落ちる恐れがある。これらの不純物により、欠陥の形成または単結晶シリコン構造の損失を招く場合があり、これにより収量が下がる。
【0030】
図3〜7は、一つ以上の多結晶ロッドを溶融させ、次いで、中間工程を経ずに単結晶種晶を融液に浸すことが有利にできるロッド補充機構(RRM)を示す。
【0031】
図3Aおよび3Bのシステムにおいて、RRMは、支持体160、支持体160から延びるロッドホルダー152、およびロッドホルダーに接続された単結晶種晶178を含む。RRMは引上げ機構120に吊り下げられており、かつ多結晶シリコンロッド134を支持し、ロッドがルツボの上に突き出るようにしている。図示した支持体160は、2つの下方向に延びる離間した足174を有するヨークである。支持体160を、石英、モリブデン、タングステンまたは鉄等のロッド134を支持するのに十分な強度を有する材料から作る。
【0032】
RRMはロッドハンガーを有する。このロッドハンガーは、支持体160から延び、多結晶シリコンロッド134に直接つながるハンガー152である。ロッドハンガー152を、石英、シリコンまたは他のコンタミネーションを起こさない材料から作ることができる。
【0033】
図3Aおよび3Bは、CRロッドをロッドホルダー152に取り付けるための鍵穴システムを示す。多結晶シリコンロッド134は、上面172、底面(図示せず)、および上面と底面との間を延びる、概ね円柱形の側面135を含む表面を有する。ロッド134は、側面135により囲まれ、かつ概ね側面135に平行に延びる中心軸A1を有する。吊り下げられた時に、上面172はロッドの取り付け端にある。底面はロッドの自由端にあり、自由端は、ロッドが吊り下げられた時にルツボに最も近い。
【0034】
ここで用いる「円柱形」、「円形」および「球形」という用語は、広義に捉えられるべきである。「円形」という用語がここで用いられるが、典型的な多結晶シリコンCRロッドは、端部から見ると完全な円形ではなく、このようなロッドを成長させた方法に起因して、横方向に若干楕円形である。また、横方向は、数学的に完全な楕円ではなく、ある程度不規則である。「円柱形」ロッドは、定直線に平行に動き、かつ定曲線と交差する直線により概ねトレースされる側面を有する細長いロッドのいずれかとすることができる。定曲線は、完全な円または完全な楕円である必要は無い。しかし、前記したとおり、一般に使用されているCRロッドに対しては、定曲線は、典型的には若干円から外れるか、または若干楕円の環状である。側面も、ロッドの一端から他端までの間である程度変動し得る。また、「平面」は、完全に平坦である必要はない。
【0035】
ロッド134を、横方向に延び、上方向に開いた溝を上面172に備えるよう加工する。図示した溝は、ロッドを吊り下げた時に、ロッドを貫いて概ね水平に延びるよう配置された鍵穴150である。図3Aにおいて、吊り下げたロッドの側面から見ると、鍵穴150は首部164および首部より下に位置する胴体部166を有する。吊り下げたロッドの首部164は、水平方向において胴体部166よりも狭い。図示した胴体部166の断面は概ね円形である。鍵穴150は、側面135の2点間でロッド134を貫通して延びる。しかし、鍵穴の最下部は、一部のみがロッドを貫通して延びる。
【0036】
ロッドハンガー152は、接合首部168および胴体部170を有し、首部が水平方向において胴体部より狭くなるよう形成される。ロッドハンガー152の首部168は、水平方向において吊り下げたロッドの鍵穴150の首部よりも狭い。また、ロッドハンガー152の胴体部170は、水平方向において鍵穴150の胴体部166より狭い。しかし、ロッドハンガー152の胴体部170は、水平方向において鍵穴150の首部164より狭い。図3Aのシステムにおいて、胴体部166の垂直断面は概ね円形である。胴体部170は部分的に球形であり、胴体部170の直径は胴体部166の直径よりも小さい。
【0037】
鍵穴150の首部164は、ロッド134を貫通して延び、ロッドの円柱形側面上で対向する2点に開口を画定する。したがって、吊り下げたロッドの上部から見た場合、首部164は、ロッドの上面172を横切り、上面の周上の2点間に延びるスロットまたはチャネルとして現れる。溝全体がロッド表面上の2点にある開口の間に延びることができるが、溝の下部が貫通して延びる必要は無い。ロッド調製を単純にするため、鍵穴150の胴体部166を加工して、ロッドの一部のみを貫通して延びるようにすることができる。
【0038】
鍵穴150の胴体部166が、ロッドの概ね円柱形の面135から内向きに十分な距離で延び、ロッドホルダー152がロッド134の中心軸Aの近くに位置することができる場合、最もよい結果が得られる。鍵穴150がロッドの中心軸Aを貫いて延びるように配置するのが最良である。なぜなら、これによってロッドが真下を向くようバランスを取るのが最も容易になるからである。しかし、ロッドの中心軸Aに位置するフィラメント(図示せず)により、中心軸を貫通する鍵穴を作ることが作ることが困難となる場合がある。この場合、例えば図8に示す中心を外れたスロットのように、鍵穴を中心から外して配置することができる。また、一つ以上の付加的鍵穴および/または他の形式のスロット(図示せず)を上面172に設けてもよいが、必要ではない。
【0039】
ロッドハンガー152が穴150に滑入し、ロッド134を支持するキーとして作用するように鍵穴150を作る。真下を向くようにロッドのバランスを取るために、ロッドハンガー152を、できるだけロッドの中心軸Aの近くに配置すべきである。胴体部170の表面が下向きに広がっていると有利であり、これにより、ロッドハンガー152がロッドの鍵穴150に受け入れられ、かつロッドが吊り下げられた際に、下向きの重力の力により胴体部170がロッドとくさび状に係合する。
【0040】
鍵穴150は、ロッド134をロッドハンガー152で支持した際に、ロッドハンガー152の底部が鍵穴150の底部より上に位置するような深さおよび形状である。したがって、ロッドハンガー152の底部と鍵穴150の底部との間にギャップが存在し、かつ溝の底部がRRM全体より下となる。ギャップの存在により、多結晶ロッド134を、ロッドハンガー152の底部よりも低い位置でロッド表面の2点間に延びる鍵穴の底面の位置まで溶解することができる。ロッドが十分に溶融し、鍵穴の横方向に延びる底面全体が溶融した場合、ロッド134の残留する未溶融部は、多結晶シリコンの2つ以上の分離した小片からなる。この小片はロッドハンガー152から重力により落下し、融液に入る。当業者であれば、溶融シリコンが溶融中に鍵穴に逃げないように、鍵穴150、ロッドハンガー152およびギャップの大きさおよび形状を決めることができる。溶融シリコンが逃げると、ロッド134の残留する未溶融部の小片の分離が妨げられる。
【0041】
応力集中部を生じ、かつロッド134の重量により鍵穴の破損を招く原因となる鋭利な角を作らないような方法で、鍵穴の加工を行うのが最もよい。当業者であれば、応力集中部を防ぐような加工技術、および応力集中部の形成を低減するのに必要な、全ての角部および鋭利な端部の曲率半径を決めることができる。
【0042】
鍵穴150を含むロッド頂部の溝は、最も一般的には、概ね直線であり、かつロッド軸Aを含む平面に垂直に延びる。このような溝の加工が最も簡単であるが、他の構成を用いることもできることを理解されたい。例えば、溝を傾斜させたり、および/または直線でなくしたりすることもできる。
【0043】
また、RRMは、単結晶シリコン種晶178を埋設する種晶ホルダー176を有する。ロッドホルダー152、種晶ホルダー176および種晶178を強固に接続して回転部材を与える。回転部材が概ね水平な回転軸Aの周りを回転できるように、回転システムを与える。図示したシステムにおいて、回転システムは、支持体160で支持されたシャフト180を含む。種晶ホルダーが支持部材160に関して回転できるような方法で、シャフト180が種晶ホルダー176を支持する。具体的には、種晶ホルダー176をシャフト180に固定して、種晶ホルダーがシャフトと一緒に回転するようにする。また、シャフト180は、支持部材160の脚174を貫通する穴を通って延在し、シャフトが支持部材160に関して回転できるようになっている。シャフトが、シャフトを支持する穴を画定する面をテフロン(登録商標)でコーティングしたもの等の低摩擦ベアリングで支持されていると好ましい。
【0044】
ロッドホルダー152を種晶ホルダー176に強固に取り付け、種晶178がロッドホルダー152に関して一定の位置を維持するようにする。種晶178は回転軸Aから遠ざかる方向に延び、ロッドホルダー152は回転軸から遠ざかる反対方向に延びる。種晶178の自由端179およびロッドホルダー152は、回転軸Aを含む平面内に存在する。ロッドホルダー152を種晶ホルダー176に取り付ける以外の方法でこの位置決めを行うことができる。例えば、ロッドホルダーをシャフトに直接固定して取り付けることができる(図示せず)。また、図示した構成はバランスを取る目的には有利であるが、種晶178の自由端179およびロッドホルダー152が共に回転軸Aを含む平面内に存在しないようなシステムを作ることもできる。
【0045】
多結晶シリコンロッドをロッドホルダー152に接続した場合、回転部材は図3Aに示した通り、ロッドホルダー152が下向きに延び、種晶ホルダー176が上向きに延びるような位置を占める。多結晶シリコンロッドが溶融することにより荷重が取り除かれると、回転部材が反転し、図3Bに示す、ロッドホルダー152が上向きに延び、種晶ホルダー176が下向きに延び、種晶178が種晶ケーブルまたはシャフト120の真下の位置で下向きに延びる位置になるように、図示した回転部材の重心が配置されている。種晶178が下向きに延びている場合、種晶の自由端179は、ルツボ内の溶融シリコンの本体内に浸るような位置を占める。
【0046】
取り付け具182は、支持体160とCZ炉の引上げ機構の既存の種晶ケーブルまたはシャフト120とを連結しており、種晶ケーブルまたはシャフトを適当に操作することにより支持体160を昇降することができる。
【0047】
図3Cは、図3Aに示すロッドハンガーシステムと同様のロッドハンガーシステムである。ただし、図3Cのシステムでは、胴体部166Cおよび170Cの垂直断面は、概ね円形である代わりに概ね三角形である。図3Aの実施態様と同様に、鍵穴150Cの深さDおよび形状を、ロッド134Cがロッドハンガー152Cで支持された場合に、ロッドハンガー152Cの底部が鍵穴150Cの底部よりも上に位置するようにする。図3Cに示すロッドの溝全体が、円柱形側面135C上の2点間において、ロッドを実質的に真直ぐ貫通して伸びる。したがって、鍵穴胴体部166Cの軸に平行に見た場合のロッド134Cの正面は、鍵穴胴体部166Cの軸に平行に見た場合のロッド134Cの背面の実質的な鏡像である。図3Cは、溝が、どのようにしてロッドの表面上の2点間に延びる胴体部166Cの下に設けられた延長スロット174Cを有するかを示す。このような付加的スロットを設けて、残留ロッド部品の分離を促進することができる。引上げ機構が融液の表面に近づくにつれて、ロッドは、ロッドの表面上の2点間の最も低い開口した水平路の高さまで溶融する。この水平路は図3Cの実施例の延長スロット174Cにより設けられる。溶融プロセスのこの時点で、ロッド134Cの残留した未溶融部は、2つ以上の分離した多結晶シリコン片からなる。この多結晶シリコン片は、重力によりロッドハンガー152から落ちて融液に入る。
【0048】
図3Aおよび図3Cに示した形状の他に、断面が概ね正方形または長方形の鍵穴等の他の形状を鍵穴システムに使用することができる。基本的な考え方は、ロッドがロッドハンガー152の中心となるように、ロッドハンガー152を多結晶ロッド134に接続することである。ロッド表面上の2点間で多結晶シリコンロッド134を横断するスロットまたは穴を少なくとも首部が備えて、これら2点間およびロッドの上面に延びる開空間を設け、これにより多結晶ロッド134の2つの領域158が、ロッドの上部を分割する溝により設けられた最も低い開いた水平路までロッドが溶融した際に、ロッドハンガーから分離できるように鍵穴150を加工する。さらに、鍵穴150の胴体部166の大きさをロッドハンガー152の胴体部170よりも大きくして、胴体部166を画定する面が胴体部170の表面を係合している上面の小領域を除いて、これらの間にギャップが設けられるようにすべきである。
【0049】
図4Aおよび4Bは、2つのロッドを保持することのできるRRMを示す。図4Aおよび4Bにおいて、図3Aおよび3Bに示す要素と類似の要素には同じ要素番号を付すが、図4Aおよび4Bの要素番号を100だけ大きくする。このシステムにおいて、支持体260は4本の脚、すなわち2本の外脚274および2本の内脚275を有する。2本の内脚275の間に種晶ホルダー276を配置する。また、ロッドホルダー252を各外脚274と最も近い内脚275との間に配置する。種晶ホルダー276および2つのロッドホルダー252をシャフト280にキーで固定して、種晶ホルダー276およびロッドホルダー252の全てが、軸Aの周りをシャフトと共に回転するようにする。
【0050】
シリコンロッドをロッドホルダー252に接続すると、図4Aに示すように、ロッドホルダー252が下向きに延びており、種晶ホルダー276が上向きに伸びている位置を回転部材が占める。図示した回転部材の重心は、シリコンロッドが溶融して荷重が取り除かれると、回転部材が反転して、図4Bに示す、ロッドホルダー252が上向きに延び、種晶ホルダー276が下向きに延び、種晶278が種晶ケーブルまたはシャフト220の真下となる位置を占めるように配置されている。
【0051】
図4Aおよび4Bに示したRRMに対して、多くの機械的変型があり得ることを理解されたい。例えば、付加的内脚を設け、その間にロッドホルダーを配置することができる。
【0052】
図5〜7は、2つのロッドを保持することのできる他のRRMを示す。図5〜7において、図3Aおよび3Bに示した要素と類似の要素には同じ要素番号を付すが、図5〜7の要素番号を200だけ大きくする。図5〜7に示したシステムの主たる相違は、ロッド334を支持する装置の相違である。
【0053】
図5〜7のシステムにおいて、環状溝ホルダー311は各ロッドハンガー352の遠心端である。各環状溝ホルダー311は、支持されたロッド334の軸Aに向かって内向きに延びる2つ以上の爪311を有する。爪313を、ロッド334の円柱形側面335に画定された一つ以上の凹部で受ける。一つ以上の凹部は、ロッド表面からロッド軸Aに向かって内向きに延びる。
【0054】
図示した実施態様をより詳細に説明すると、一つ以上の凹部は、吊り下げたロッド334の上面372より低い位置で、概ね円柱形の側面335を取り囲み、そこから内向きに延びて半径方向に延びるフランジ317を与える単一の輪状溝または環状溝315である。フランジ317は、軸Aに実質的に垂直に延び、爪313に掛かる下面323を有する。ケーブルまたはシャフト320を用いて、ロッド334を下降させてルツボ内の融液342(図示せず)に入れることができる。
【0055】
上向きに開いた溝319をロッド334に設ける。溝319は、少なくとも一つの窪みの上面372に最も近い部分よりも上面から離れた位置に底部321を有する。図示したシステムにおいて、窪みの上面に最も近い部分は、フランジ317の下面323である。上面372は概ね平面であるので、溝が上面の少なくとも一部を横断して延びる。上面が平面で無い場合、溝は上面の一部のみを横切って延びる。
【0056】
作動を最良にするため、溝319の幅は、溝に垂直な線に沿って水平に計測して、環状溝315の深さbの2倍より大きくすべきである。また、溝319の深さdは、ロッドの上面352から環状溝315の底部までの距離cより大きくすべきである。溝の深さdを、ロッド334をロッドハンガー352で支持した場合、ロッドハンガー352の最も低い部分が溝319の底部321よりも高い位置を占めるようにする。
【0057】
多結晶ロッド334を、溝319の底部321の高さまで溶融することができる。この位置において、ロッド334の残留する未溶融部は、多結晶シリコンの2つ以上の分子した小片358からなる。この小片は、重力によりロッドハンガー352から落ちて、融液342に入る。
【0058】
ロッドが溶融した後、ホルダー311、376は軸Aの周りを回転し、種晶378がケーブルまたはシャフト320の真下の位置で下を向くような反転位置(図示せず)を占める。図5に示す通り、ホルダー311および種晶378は、距離e以下で軸Aから伸びる。ホルダー311または種晶378とRRMの他の部分との間の好ましくない接触を防ぐために、図示した装置は、軸Aの上方に距離eよりも大きい距離fだけ延びる開放領域377を有する。
【0059】
図示した開放領域377の高さは全て同じであるが、各開放領域の高さが、内部に入れるホルダー311および種晶378を収容するのに十分であるならば、開放領域の高さが異なってもよいことを理解されたい。ホルダーおよび/または種晶を入れるのに適当な開放領域を無いRRMを構成することもできることを理解されたい。例えば、支持部材が、支持部材の上部から水平にオフセットして、ホルダーおよび/または種晶が脚の間を延びる代わりに上部に沿って垂直に延びることができるようにした軸Aを有することができる(図示せず)。または、ホルダーおよび種晶の自由端が軸Aを含む平面内に無いように回転部材を構成し(図示せず)、ホルダーおよび種晶の自由端の一方が支持部材から離れる方向を向き、他方が下向きに延びるようにすることができる。しかし、このような代替的配置は不利である。
【0060】
図6は、ロッドの中心軸Aを貫通して延びる溝319を示す。しかし、ロッドの中心軸Aに位置するフィラメント(図示せず)のため、中心軸を貫通して溝を作りことが困難となる。この場合、溝を中心から外して配置することができる。このような中心を外した溝を、例えば図8〜9に示す。図9は、ロッド334Aの軸Aに位置するフィラメント339Aを避けて溝を配置する方法を示す。
【0061】
図10A〜10Gは、RRMを用いたCZ法の種々の工程を示す。図示したRRMは図4A〜4Bに示したものである。他に説明したRRMおよびこの変型を同様に操作する。
【0062】
図10Aは、下部チャンバ214内の石英ルツボ228に多結晶シリコン塊226を積載したCZ炉210を示す。上部チャンバ212内に、鍵穴25−を介してロッド補充機構に取り付けられた2つの多結晶シリコンロッド234のそれぞれが示されている。各ロッド234の底面は、他の実施態様で示すような概ね平面である代わりに、円錐状であり、円錐面は吊り下げた各ロッドの最も低い部分となる頂点を有する。このような配置により、熱ショックによるロッドの破損の可能性が低減する。上部および下部チャンバ212、214の両方を真空ポート240を介して真空にし、遮断弁216を開く。
【0063】
ヒーター224を用いて多結晶シリコン塊226を溶融する。多結晶塊226が溶融するにつれて、RRMを下降させて下部チャンバ214に入れ、多結晶シリコンロッド234を余熱できるようにする。図10Bは、溶融シリコン242と接触する直前の多結晶シリコンロッド234の位置を示す。溶融速度を降下速度と同じかまたは速くして、多結晶シリコンロッド234をシリコン融液242中に降下する。
【0064】
RRMを下部炉チャンバ214内に降下して、図10Dに示す通り、多結晶シリコンロッド234を鍵穴250の底部にまで溶解させる。ロッドが鍵穴の最も低い部分まで溶融すると、多結晶シリコンロッド234の各々が、融液242中にゆっくりと落下する2つ以上の小片258に分かれる。これを図10Dに示す。
【0065】
多結晶シリコンがハンガー252より分離すると、RRMの回転部材が反転して、種晶ホルダー276および種晶278が図4Bに示すように下向きに延びる。これにより、図10Eに示すように、種晶278を融液242内に降下させることができる。次に、図10Fに示すように、単結晶シリコンインゴット248を引上げる工程を進めることができる。引上げ工程中に、種晶ケーブルまたはシャフト220を用いてRRMが回転できるように、RRMを構成する。
【0066】
概ね図10A〜10Fに示した工程に従った実施例において、100kgの多結晶塊を24インチのルツボに入れる。概ね図4Aに示す通り、それぞれ直径が120mmで、長さが900mmの2つの多結晶シリコンロッドを、鍵穴取り付け具を介してRRMに取り付ける。ロッドはそれぞれ23.7kgであり、補充総量は47.4kgである。多結晶シリコンロッドを溶融することにより、ルツボ内の溶融シリコンは100kgから147.4kgに増加する。単結晶シリコンインゴットに転換可能なシリコンの量は47%増加する。
【0067】
RRMを使用することにより、遮断弁を開閉する必要のある回数を低減すること、多結晶シリコンロッドをより完全に使用すること、および全体の操作時間を短縮することが可能となる。
【0068】
前記した実施態様に種々の変更を行うことができるのは明らかである。例えば、多結晶シリコン製の装入物補充ロッドが最も一般的であるが、このようなロッドを単結晶シリコンで作ることもできる。したがって、ウエハー製造に好適ではないと判明した単結晶シリコンインゴットを加工して、装入物補充ロッドとして用いることができる。また、上向きに開いた溝の底部が完全に平面である必要の無いことが理解されよう。より重要には、溝が十分に深く、ロッドが底部から溶融するにつれて、ロッドの上部が2つ以上の小片に分離して融液に落下するようにすべきである。また、図示した実施態様のほとんどは、概ね平面で、かつ概ねロッド軸Aに垂直な上面および下面を有するロッドを示すが、他の実施態様が他の配置を取ることができる。例えば、上面は、軸Aに対してある角度で延びており、表面に垂直に見たときの全体の外観で、上面の周が明らかに楕円である。また、角度が十分に大きい場合、溝の一端を、ロッドの側面の代わりに溝とロッドの上面の交点とすることができる。このような配置で、ロッドを鍵穴支持機構により取り付けた場合、角度をつけた上面を貫通する開口を介して鍵穴内にロッドホルダーを入れてもよい。また、前記のとおり、概ね平面である代わりに、ロッドの底面が円錐形であると有利である。上面および底面の他の構成も可能である。ロッドホルダーの全部または一部を、単結晶シリコン種晶材料から作ることができる。この場合、適当な向きにすれば、ロッドホルダーを融液に浸すための種晶として使うことができる。このような例において、ロッドホルダーの単結晶部が、浸漬時にRRMの最も低い部分となるように構成すべきである。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CZ炉の垂直断面の概略図である。
【図2】 CR多結晶シリコンロッドの使用の流れを表した垂直断面の概略図である。
【図3】 AおよびBは単一の多結晶シリコンロッドを保持するための鍵穴システムを含むCR機構の概略図であり、Cは多結晶シリコンロッドを吊り下げるための別の鍵穴システムの垂直断面図である。
【図4】 2つの多結晶シリコンロッドを保持するためのCR機構の概略図である。
【図5】 2つの多結晶シリコンロッドを保持するための別のCR機構の概略図である。
【図6】 図5の線6−6における部分断面図である。
【図7】 図6に図示した型のロッドがルツボ内に溶融していくところを示した断面図である。
【図8】 中心を外れた溝を有するロッドを示した部分断面図である。
【図9】 図8の線9−9における断面図である。
【図10】 図4Aおよび4Bに示した型のCR機構を用いた実施態様を表した垂直断面の概略図である。

Claims (4)

  1. 単結晶シリコンを成長させるための装置であって、
    該装置が、
    融液を収容するために取り付けられたルツボ、
    ルツボ上に位置する引上げ機構、
    引上げ機構に吊り下げられた支持体、および
    回転部材を含み、
    該回転部材が、
    シリコンロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置に保持された単結晶種晶を含み、かつ
    概ね水平な回転軸の周りを支持部材に関連して動くように支持体上に回転可能に設けられ、
    回転部材の重心が、
    少なくとも一つのシリコンロッドが回転部材に接続された場合には、ロッドホルダーが下向きに延びるような位置を回転部材が占め、回転部材にシリコンロッドが接続されていない場合には、種晶が下向きに延びるような位置を回転部材が占めるように配置された、単結晶シリコンを成長させる装置。
  2. ロッド補充機構であって、該機構が、
    支持体、
    ロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置に保持された単結晶種晶を含み、概ね水平な回転軸の周りを支持部材に関連して動くように支持体上に回転可能に設けられた回転部材、および
    支持体をCZ炉の種晶ケーブルまたはシャフトに連結して、支持体がCZ炉の種晶ケーブルまたはシャフトに連結された際に、回転軸が概ね水平に延び、種晶ケーブルまたはシャフトを適当に操作することによりロッド補充機構を昇降することができるようにするための取り付け具を含む、ロッド補充機構。
  3. 単結晶シリコンを成長させるための装置であって、
    該装置が、
    融液を収容するために取り付けられたルツボ、
    ルツボ上に位置する引上げ機構、
    引上げ機構に吊り下げられた支持体、および
    回転部材を含み、
    該回転部材が、
    シリコンロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置にある単結晶種晶を含み、かつ
    概ね水平な回転軸の周りを支持部材に関連して動くように支持体上に回転可能に設けられ、
    回転部材の重心が、
    少なくとも一つのシリコンロッドが回転部材に接続された場合には、ロッドホルダーが下向きに延びるような位置を回転部材が占め、回転部材にシリコンロッドが接続されていない場合には、種晶が下向きに延びるような位置を回転部材が占めるように配置された、単結晶シリコンを成長させる装置。
  4. 単結晶シリコンを成長させる方法であって、該方法が、
    融液を収容するために取り付けたルツボおよび炉内で物体を降下するために操作することのできる引上げ機構を有する炉を与え、
    引上げ機構に吊り下げられた補充機構を与え、この際、該補充機構が支持体および回転部材を含み、該回転部材が、シリコンロッドを保持するのに好適な少なくとも一つのロッドホルダーおよびロッドホルダーに関して一定の位置にある単結晶種晶を含み、概ね水平な回転軸の周りを支持体に関連して動くように回転部材を支持体上に回転可能に設けられ、
    ロッド補充機構から少なくとも一つのシリコン製のロッドを吊り下げて、ロッドがルツボの上に突き出るようにし、
    引上げ機構を操作して前記少なくとも一つのロッドをルツボ内に降下し、および
    前記少なくとも一つのロッドが下げられている間加熱して、ロッドの少なくとも最下部を溶融させることを含む方法。
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