JP4046550B2 - 反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力を直接的な駆動源とする自動車、小規模の発電システムなどに用いられる固体高分子型燃料電池部材用材及びその製造方法に関わる。更に詳しくは、ステンレス鋼板やチタンなどの金属板をプレス加工して製造された後に積層される前記構成部材の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
環境保全に対する意識の高まりから、化石燃料を利用した現行の内燃機関から水素を利用した燃料電池による電気駆動型の自動車や、分散型コジェネシステムへの移行が世界的に検討されている。特に、電気自動車用燃料電池の開発が固体高分子材料の開発を契機に急速に進展し始めている。
【0003】
固体高分子型燃料電池とは、従来のアルカリ型燃料電池、燐酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体電解質型燃料電池などと異なり、水素イオン選択透過型の有機物膜を電解質として用いることを特徴とする燃料電池であり、燃料には純水素のほか、アルコール類の改質によって得た水素ガスなどを用い、空気中の酸素との反応を電気化学的に制御することによって電力を取り出すシステムである。
【0004】
固体高分子膜は薄くても十分に機能し、電解質が膜中に固定されていることから、電池内の露点を制御してやれば電解質として機能するため、水溶液系電解質や溶融塩系電解質など流動性のある媒体を使う必要がなく、電池自体をコンパクトに単純化して設計できることも特徴である。
【0005】
固体高分子型燃料電池は、水素の流路を持つセパレータ、燃料極、固体高分子膜、空気(酸素)極、空気(酸素)の流路を持つセパレータよりなるサンドイッチ構造を単セルとして、実際には、この単セルを積層したスタックで構成されている。したがって、セパレータの両面は独立した流路を持ち、片面が水素の流路、もう一方の片面が空気及び生成した水の流路となる。
【0006】
冷却用水溶液の沸点以下の領域で稼働する固体高分子型燃料電池の構成材料としては、稼動温度がさほど高くないこと、その環境下で耐食性・耐久性を十分に発揮させることが可能であること、さらに、切削加工などにより任意の流路形状を形成することが可能であることから、炭素系の材料が使用されてきている。更に、より低コスト化や小型化、すなわち、セパレータの薄肉化を目指して、ステンレス鋼やチタンが固体高分子型燃料電池の構成材料として使用され始め、これら構成材料の適用に関する技術開発が進んでいる。
【0007】
上記メタルセパレータにおいては、例えば、特開平10−228914号公報に開示されているとおり、金属板、例えば、ステンレス鋼SUS304をプレス成形して、中央部に多数個の凹凸からなる膨出成形部を形成することにより、任意の流路形状が得られている。
【0008】
このため、前述した切削加工により流路を得る炭素系の材料に比べてセパレータ一枚あたりの板厚を薄肉化でき、また、加工自体も大量生産可能なプレス加工で行えることから、上記公報開示の技術は、固体高分子型燃料電池の量産化に大きく寄与する技術である。
【0009】
かかる特徴を有するメタルセパレータを具現化する技術として、本発明者らも、特開2000−260439号公報や特開2000−256808号公報などにより、ステンレス鋼をセパレータなどの固体高分子型燃料電池用部材として使用するための具体的成分や形状などを開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電気自動車用燃料電池に使用される程度の発電能力を得るためには、セパレータの表面積を大型化する必要があるが、その表面積の大型化に従い、以下のような技術的課題があることがわかった。
【0011】
プレス加工により得られるセパレータの例を図1に示す。セパレータは、長さL、幅Wのハッチング領域で示す素材の中央部に、プレスによる張り出し成形によって形成された流路パターンと呼ばれる、酸素あるいは水素の流路となる凹凸部、W方向に平行する多数の筋状の平行溝を有する。
【0012】
この流路パターンの周囲を平坦部と定義するが、この平坦部は、厳密に言えば、セパレータを単セルに構成する上で、また、この単セルを積層する上で、さらには、この積層したスタックを燃料電池として組み付け作動させる上で必要な、流路とは異なる浅い凹凸のプレス加工や、穴の打ち抜き加工等、部分的に軽度の加工を受けているのが普通である。
【0013】
プレスによる流路パターンの張り出し加工は、素材板面の中央部のみを強加工する結果、金型を開放するとセパレータには不均一な歪みが発生する。この歪みは、図1において、平行溝がW方向の場合、このW方向に直角なL方向への反りLdとなって現れることが多いが、このセパレータの反りLdは、加工部、即ち、長さL及び幅Wが大きくなるほどに顕在化することが判明し、セパレータの大型化技術の進展に伴い無視できない問題となってきている。
【0014】
セパレータの反りは、これを積層しスタックとする工程のみならず、例えば、電池性能を高めるため、セパレータの表面における接触抵抗を低減する目的で行なうメッキなどの表面改質工程など、セパレータの製造工程の作業性や材料の搬送性を著しく損ねることから、その低減が強く要望されていた。
【0015】
本発明は、前記の問題に鑑み、低コスト・高耐久型の固体高分子型燃料電池に適用できる、プレス後の反りが少ないメタルセパレータを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明者らは、種々のステンレス鋼板を用いて、まずその材質である加工特性や原板平坦度を種々変更して、プレス加工後のセパレータの平坦度改善に対して素材特性を中心に検討を試みた。しかしながら、原板平坦度は、プレス条件によっては多少のセパレータ平坦度の改善効果があったものの、抜本的な変形防止には至らなかった。
【0017】
本発明者らは、さらなる検討を通じて、問題のセパレータに発生している平行溝に直角なL方向への反りは、素材原板やプレス条件では防止することが困難であり、メタルセパレータの部材そのものに何らかの形でL方向への変形を防止するような剛性を構造的に付与することが、反り抑制に極めて効果的であることを見出した。
【0018】
本発明は、このような観点から、プレス成型後の材料剛性に及ぼすセパレータ構造を種々検討した結果、完成させたもので、その要旨とするところは、以下のとおりである。
【0019】
(1) 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向に平行な曲げ部を有し、かつ平坦部のW方向の二辺に、該曲げ部を有さない領域を備えることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
【0020】
(2) 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向長さaがa≧Lを満たすL方向に平行で、かつ長手方向に端部のある直線状の凹部及び/又は凸部を有し、かつ平坦部のW方向の二辺に、該凹部及び/又は該凸部を有さない領域を備えることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
【0021】
(3) 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向長さaがa≧L/10を満たすL方向に平行で、かつ長手方向に端部のある直線状の複数の凹部及び/又は凸部を有し、かつ、平坦部のW方向の二辺に、該凹部及び/又は該凸部を有さない領域を備え、さらに各辺毎の該凹部及び/又は該凸部のL方向合計長さAがA≧Lを満たし、該凹部及び/又は該凸部が、各辺毎にL方向に投影した場合に、1つの連続した投影像となることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
【0022】
(4) 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向に対して斜めに配列した平行で、かつ長手方向に端部のある直線状の複数の凹部及び/又は凸部を有し、かつ、平坦部のW方向の二辺に、該凹部及び/又は該凸部を有さない領域を備え、さらにL方向に投影した該凹部及び/又は該凸部のL方向長さbがb≧L/10を満たすとともに、長さbの合計BがB≧Lを満たし、該凹部及び/又は該凸部が、各辺毎にL方向に投影した場合に、1つの連続した投影像となることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
【0024】
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータにおいて、該セパレータが厚さ0.2mm以下の金属板を素材として成形されたものであることを特徴とする反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
【0025】
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池セパレータを製造する方法において、平坦部に、曲げ部、又は、凹部及び/又は凸部を成形することを特徴とする反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータの製造方法。
【0026】
(7) 前記平坦部が、成形した曲げ部、又は、凹部及び/又は凸部を、成形後少なくともセパレータ積層工程前まで有することを特徴とする前記(6)に記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータの製造方法。
【0027】
(8) 前記成形が、ロールフォーミング、プレス又は曲げによる成形であることを特徴とする前記(6)又は(7)に記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータの製造方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて詳細を説明する。
【0029】
まず、図2は、図1のメタルセパレータ平坦部の内、L方向に平行な二辺の端を各々曲げてL方向への剛性を高めたものであり、これだけで格段にL方向への反り変形に対する剛性が向上し、面内の平坦度が安定的に確保される。
【0030】
例えば、メタルセパレータの製造に切り板素材を用いる場合には、中央部のガス流路となる凹凸をプレス成形した後に、さらなるプレスによって平坦部端をフランジアップすることで容易に曲げ部を形成することができる。
【0031】
また、素材がコイル状で連続的に供給される場合では、中央部をプレス成形した後、コイル状態のままロールフォーミングなどでコイル端部に曲げ加工を施すこともできる。
【0032】
次に、図3〜5は、この中央部のガス流路の周囲の二辺の平坦部内に、凹部及び/又は凸部状の張り出し部を付与することにより、L方向への剛性を確保するものである。この平坦部内の凹部及び/又は凸部は、例えば、プレス成形によって加工することが可能であり、中央部のガス流路のプレス成形と同時に加工してもよく、あるいは、メタルパレータの製造工程において、例えば、穴あけ加工等と同時にプレス成形により付与してもよい。
【0033】
図3は、最も単純な場合で、中央部の長さL以上の長さaを有する凹部及び/又は凸部を付与したものである。ここで、付与する凹部及び/又は凸部の長さaが中央部の長さLよりも短い場合には、従来問題となっていたL方向の反りが部分的に発生する可能性があるため、その長さaをL以上とした。
【0034】
一方、この剛性付与のための凹部及び/又は凸部は、一本の筋状の連続体である必要はなく、L方向に平行な二辺の各々の平坦部内に、図4に示すように、不連続に配列されていても機能は同様である。但し、図3の連続状の凹部及び/又は凸部と等価なL方向の剛性を確保する必要があるため、合計長さAはL以上とした。
【0035】
なお、個々の長さaは、必ずしも全て同一である必要はないが、L/10よりも短いとL方向の反りを助長したり、全体としての剛性が低下することから、その個々長さはL/10以上とした。
【0036】
図5は、図4の発展型として個々の凹部及び/又は凸部の形状内で、L方向に投影した長さbが、図4における各条件を満たしている場合である。即ち、L方向への剛性は、凹部及び/又は凸部の形状内におけるL方向成分の連続性と長さの総和によって担保されるものであり、例えば、個々の形状は、図5に示す棒状だけでなく、円型でも、不定形でも、この条件を満足していれば機能上何ら問題はない。
【0037】
但し、図3に示す連続状の凹部及び/又は凸部と等価なL方向の剛性を確保する必要があるため、L方向の投影長さの合計BはL以上とした。なお、個々のL方向の投影長さbは、必ずしも全て同一である必要はないが、L/10よりも短いとL方向の反りを助長したり、全体としての剛性が低下することから、その個々長さはL/10以上とした。
【0038】
なお、図2〜5に示す剛性確保のための曲げ部又は凹部及び/又は凸部の付与は、平坦部の内、L方向に平行な二辺にのみ形成されたものである。
【0041】
ところで、本発明は、ガス流路となる凹凸をプレス成形によって得ることを前提としており、その対象素材はプレス加工が可能な金属冷延板であるが、この板厚が厚ければ、それ自体でセパレータ部材としての剛性を確保できることから、板厚を0.2mm以下とした。
【0042】
板厚の下限は規定しないが、実際のメタルセパレータとしての剛性を確保するためには0.05mm以上であることが好ましい。なお、金属板は、特に、材料として限定するものではないが、セパレータ作動時の腐食環境から実際にはステンレス鋼やチタンが好ましい。
【0043】
なお、この剛性確保のための平坦部への凹部及び/又は凸部の付与は、前述したとおり、プレス成形で容易に可能であるが、セパレータ積層時に、この各セパレータに付与された凹部及び/又は凸部がぶつかり合うなどの干渉によって、積層の障害とならないようにしなければならない。
【0044】
そして、この問題は、ガス流路成形時の金型自体に、セパレータ平坦部の凹部及び/又は凸部に相当する凹部及び/又は凸部を設け、メタルセパレータの製造工程において、プレス付与することで容易に解決することができる。
【0045】
こうすることで、剛性確保のための平坦部への凹部及び/又は凸部は、ガス流路と同様に各々のセパレータの同一位置に同一形状で配置されたものとなり、積層時の干渉は避けられる。なお、同一位置への同一形状の凹部及び/又は凸部は、本発明の目的である剛性確保のみならず、積層時の各セパレータの位置合わせとして活用することも可能である。
【0046】
また、平坦部への凹部及び/又は凸部の加工は、メタルセパレータの製造工程のいずれにおいても可能であるが、ガス流路成形より前か又は同時に行うことが好ましい。
【0047】
なお、本発明が課題とするセパレータの平坦度は、単セルに製造後積層する段階において、スタック製作時に締め付けされた後の平坦度が別の部材や構造体として確保される場合には、必ずしも反り防止のための前記曲げ部又は凹部及び/又は凸部が最終製品に付帯している必要はなく、この場合には、プレス成形後から積層工程までの製造工程中の平坦度を確保する手段として付与するものと定義されるものである。
【0048】
したがって、このような場合では、曲げ部又は凹部及び/又は凸部は積層時に、もしくは、積層工程自体にセパレータの反りが特に障害にならなければ、積層前でも、切断除去されることとなる。
【0049】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例で用いる条件に限定されるものではない。
【0050】
(実施例)
板厚0.05〜0.2mm、各辺100〜500mmの種々のステンレス鋼板の中央部に、図1に示すL方向の長さがL、W方向の長さがWである領域に、W方向に0.1〜1mmの深さの凹凸を張り出し成型する際、L方向に平行な周辺二辺に曲げ部又は凸部を表1に示す状態で付与し、プレス成形後、定盤の上に置いて、L方向の反り高さをすきまゲージを用いて測定し、反り高さがLの3%以下であるものを○、3%を超えるものを×とした。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
発明例であるNo.1〜4においては、反り高さが良好である。一方、比較例のNo.6においては、平坦部の凹凸の長さが本発明の範囲よりも短いため、効果が不十分であり、反り高さが大きい。また、同No.7においては、凹凸部のL方向の合計長さが本発明の範囲よりも短いため、部分的にL方向への剛性の弱い部分が存在し、そこに歪みが集中して反り高さが大きくなっている。
【0053】
また、同No.8においては、凹凸部の個々の長さが本発明の範囲よりも短いため、L方向の合計長さは十分なものの、L方向の強化に十分寄与せず、セパレータの剛性が担保されていないため、反り高さが大きくなっている。更に、同No.9においては、L方向の投影長さの合計が本発明の範囲よりも短いため、L方向の剛性が不十分であり、反り高さが大きくなっている。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、固体高分子型燃料電池用メタルセパレータにおいて、プレス成形後の平坦度を確保し、成形後からセパレータ積層までの種々の製造工程において、製造性の障害となるセパレータの反りを抜本的に低減可能にする技術であり、低コスト固体高分子型燃料電池を実現する技術として極めて有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とするセパレータと、そのプレス加工後の状態を示す図である。
【図2】本発明の請求項1に記載のセパレータの外観の例を示す図である。
【図3】本発明の請求項2に記載のセパレータの外観の例を示す図である。
【図4】本発明の請求項3に記載のセパレータの外観の例を示す図である。
【図5】本発明の請求項4に記載のセパレータの外観の例を示す図である。
【符号の説明】
Ld…L方向の反り
L…中央部のガス流路を有する領域の長さ
W…中央部のガス流路を有する領域の幅
a…L又はW方向に平行な凹部及び/又は凸部の1個当たりの長さ
A…L又はW方向に平行な凹部及び/又は凸部の長さの合計
b…凹部及び/又は凸部の1個当たりのL又はW方向の投影長さ
B…凹部及び/又は凸部のL又はW方向の投影長さの合計
Claims (8)
- 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向に平行な曲げ部を有し、かつ平坦部のW方向の二辺に、該曲げ部を有さない領域を備えることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
- 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向長さaがa≧Lを満たすL方向に平行で、かつ長手方向に端部のある直線状の凹部及び/又は凸部を有し、かつ平坦部のW方向の二辺に、該凹部及び/又は該凸部を有さない領域を備えることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
- 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向長さaがa≧L/10を満たすL方向に平行で、かつ長手方向に端部のある直線状の複数の凹部及び/又は凸部を有し、かつ、平坦部のW方向の二辺に、該凹部及び/又は該凸部を有さない領域を備え、さらに各辺毎の該凹部及び/又は該凸部のL方向合計長さAがA≧Lを満たし、該凹部及び/又は該凸部が、各辺毎にL方向に投影した場合に、1つの連続した投影像となることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
- 中央部の長さL、幅Wの領域にW方向に平行な多数の凹凸部からなるガス流路があり、かつ、その周辺部に平坦部を有する固体高分子型燃料電池セパレータにおいて、L方向に平行な平坦部の二辺に、各辺毎に、ガス流路とは別に、L方向に対して斜めに配列した平行で、かつ長手方向に端部のある直線状の複数の凹部及び/又は凸部を有し、かつ、平坦部のW方向の二辺に、該凹部及び/又は該凸部を有さない領域を備え、さらにL方向に投影した該凹部及び/又は該凸部のL方向長さbがb≧L/10を満たすとともに、長さbの合計BがB≧Lを満たし、該凹部及び/又は該凸部が、各辺毎にL方向に投影した場合に、1つの連続した投影像となることを特徴とする反りが少ない板厚0.2mm以下の固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータにおいて、該セパレータが厚さ0.2mm以下の金属板を素材として成形されたものであることを特徴とする反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池セパレータを製造する方法において、平坦部に、曲げ部、又は、凹部及び/又は凸部を成形することを特徴とする反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータの製造方法。
- 前記平坦部が、成形した曲げ部、又は、凹部及び/又は凸部を、成形後少なくともセパレータ積層工程前まで有することを特徴とする請求項6に記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータの製造方法。
- 前記成形が、ロールフォーミング、プレス又は曲げによる成形であることを特徴とする請求項6又は7に記載の反りが少ない固体高分子型燃料電池メタルセパレータの製造方法。
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