JP4046468B2 - 光ディスク装置及び光ディスク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録可能な光ディスクに対するマークの形成をマルチパルス列で行い、そのマルチパルス列の一部を検出用パルスに置換する光ディスク装置及び記録可能な光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−Rの一般的な記録波形として、図11(c)に示す光ディスクに照射されるレーザの光源であるLDの発光波形のような単一パルス記録が用いられる。この記録方式は、記録パワーレベルを2値化し、あるいは、最短データ長の加熱パルスの後エッジを補正するなどして、マークエッジ(PWM)記録を実現している。このようなPWM記録では記録マークの両エッジに情報を持たせている。
【0003】
しかし、図11(c)のような単一パルス記録をDVD−Rなどの大容量記録での記録波形として用いると、図11(d)のマーク形状のように、蓄熱のため記録マークが涙状に歪を生じ、あるいは、データ長に応じたエッジシフトが顕著となるため、単パルス記録はジッタ特性を良好にすることが困難となる。
【0004】
このため、通常は、図12(c)に示す光ディスクに照射されるレーザの光源であるLD(Laser Diode)の発光波形のようなマルチパルス記録が用いられる。これにより加熱パルスのデューティ(Duty)を調整して、図12(d)のマーク形状のように、適正な記録パワーを用いることができ、畜熱の影響を簡易に防止できて、記録マークの両エッジシフトが低減できる。
【0005】
このようなデータ記録を行うとき、単パルス記録では、図11(e)に示す受光信号波形のように、記録中の単パルス区間における光ディスクからの反射光量を検出することで、記録中にマークの形成状態を知ることができる。よって、記録パワーが変動しながら記録されても、反射光量の変化を示す信号を得ることができ、この変化の状態により記録中でのLDパワー変動やチルトやメディア感度分布などによる記録パワーのずれを補正するように制御しながら、データ記録を行うことができる。このような制御方式を、一般にR−OPC(Running-Optimum Power Control)と呼んでいる。
【0006】
また、特公昭57-60696号公報には、光ディスクにデータの記録を行うとき、記録中の反射率の変化を検出し、その検出信号に基づいて光源の出力を制御する技術が開示されている。具体的には、試し書きにおける反射光量変化を示す検出信号を書き込んだ記録パワーと対応づけて保持しておき、試し書き後、再生信号の対称性などから最適パワーを算出すると同時に、それと対応づけられた反射光量変化を示す検出信号を制御目標値として逐次LD記録パワーを制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大容量記録に適したマルチパルス記録では、図12(e)の受光信号波形のように、記録パワーによる反射光量の変化を検出する前に、遮断パルスにより反射光量が急減し、再び加熱パルスで反射光量が急増するような変化を示すようになり、LDの発光状態が短時間に切り替わるため、マークの形成状態を認識するために必要な一定パワーでの光量変化を検出することができず、R−OPCにより適正なパワーに制御しながら記録することが困難であった。
【0008】
そこで、図12(f)のLDの発光波形のように、通常のマルチパルス列を単一パルスからなる検出用パルスに置換して配置するようにすると、記録中の光ディスクからの反射光としては図12(h)の受光信号波形のような反射光量信号(反射信号RF)が得られる。この検出用パルスは前記したようなCD−Rで用いられるR−OPCと同様に、マーク形成に伴う光量変化が現れる。
【0009】
しかし、DVD−Rに用いられるマルチパルス列による記録中に、マルチパルス列の場合と同一の加熱パワーの単一パルスに置換すると、マーク形成状態は過剰なパワーとなり、デフォーカスやチルトや加熱パワー変動などのドライブ装置の経時変化に対して感度が無くなってしまうという不具合がある。
【0010】
すなわち、一般的な色素系光ディスクは、マルチパルス列を用いても単一パルス列を用いてもマークの形成は可能であるが、それぞれに適正な記録パワーは異なっているため、マルチパルス列によるR−OPCの感度を良好に設定することは困難であった。
【0011】
この発明の目的は、検出用パルスを最適な加熱パワーで出力することである。
【0012】
この発明の目的は、マルチパルス列も最適な加熱パワーで出力することである。
【0013】
この発明の目的は、マルチパルス列の最適な加熱パワーと検出用パルスの最適な加熱パワーとを、小サイズの試し書きで高精度に求めることである。
【0014】
この発明の目的は、マルチパルス列による記録でR−OPCを行うための記録状態の目標値を、検出用パルスの最適な加熱パワーを用いて高精度に取得することである。
【0015】
この発明の目的は、検出用パルスの最適な加熱パワーと、マルチパルス列による記録でR−OPCを行うための記録状態の目標値を高精度に取得することである。
【0016】
この発明の目的は、1回の試し書きによって、マルチパルス列と検出用パルスの最適な加熱パワーとR−OPCを行うための記録状態の目標値を取得することである。
【0017】
この発明の目的は、マルチパルス列による記録でR−OPCのための記録状態情報の目標値を求めることである。
【0018】
この発明の目的は、試し書きによって得られたR−OPCのための情報を次回からも利用できるように光ディスクに記録することである。
【0019】
この発明の目的は、光ディスクに記録した、過去に試し書きによって得られたR−OPC動作のための情報によって、容易に高感度なR−OPCを実施することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、記録可能な光ディスクに光を照射する光源と、前記照射光をマルチパルス列にして前記光ディスクにマークを形成するマルチパルス列生成手段と、前記マルチパルス列の一部を検出用パルスに置換して当該検出用パルスで前記マークを形成する検出用パルス生成手段と、前記光ディスクの試し書き領域の所定領域である第2の試し書き領域に予め加熱パワーを段階的に複数回変えて前記検出用パルスの試し書きをする試書手段と、この試し書きの際の反射光を受光した受光信号に基づいて前記検出用パルスの加熱パワーを制御する制御手段と、を備えている光ディスク装置である。
【0021】
したがって、試し書きを行うことにより、検出用パルスを最適な加熱パワーで出力することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ディスク装置において、前記試書手段は、前記光ディスクの試し書き領域の所定領域である第1の試し書き領域に予め加熱パワーを段階的に複数回変えて前記マルチパルス列の試し書きも行い、前記制御手段は、この試し書きの際の反射光を受光した受光信号に基づいて前記マルチパルス列の加熱パワーも制御するものである。
【0023】
したがって、試し書きを行うことにより、マルチパルス列も最適な加熱パワーで出力することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光ディスク装置において、前記試書手段は、前記第1の試し書き領域を前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が連続するように形成し、前記第2の試し書き領域も前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が連続するように形成し、それぞれ複数の記録単位からなる前記第1と第2の試し書き領域が隣接するように形成するものである。
【0025】
したがって、マルチパルス列の最適な加熱パワーと検出用パルスの最適な加熱パワーとを、小サイズの試し書きで高精度に求めることができる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の光ディスク装置において、前記試書手段は、前記第1及び第2の試し書き領域とを形成する際には、この第1及び第2の試し書き領域を前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が交互に並ぶように形成し、前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が連続するようにするものである。
【0027】
したがって、マルチパルス列の最適な加熱パワーと検出用パルスの最適な加熱パワーとを、小サイズの試し書きで高精度に求めることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの一に記載の光ディスク装置において、前記試書手段は、前記第及び第1の試し書き領域のうち少なくとも前者に前記試し書きを行ったときの前記受光信号に基づいて前記加熱パワーを調節して前記検出用パルスを前記第2及び第1の試し書き領域に隣接する第3の試し書き領域に行うものである。
【0029】
したがって、マルチパルス列による記録でR−OPCを行うための記録状態の目標値を、検出用パルスの最適な加熱パワーを用いて高精度に取得することができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光ディスク装置において、前記試書手段は、前記第2及び第3の試し書き領域に記録する前記マルチパルス列は一部を所望の頻度で前記検出用パルスに置換するか又は全部を検出用パルスに置換するものである。
【0031】
したがって、検出用パルスの最適な加熱パワーと、マルチパルス列による記録でR−OPCを行うための記録状態の目標値を高精度に取得することができる。
【0032】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の光ディスク装置において、前記試書手段は、前記光ディスクに対する1回の試し書きで前記第1、第2及び第3の試し書き領域に対する試し書きを行うものである。
【0033】
したがって、1回の試し書きによって、マルチパルス列と検出用パルスの最適な加熱パワーとR−OPCを行うための記録状態の目標値を取得することができる。
【0034】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかの一に記載の光ディスク装置において、前記第3の試し書き領域に対する試し書きを行う際に前記受光信号に基づいて前記光ディスクに対する記録を行う際の前記受光信号の目標値を求める目標値取得手段を備えている。
【0035】
したがって、マルチパルス列による記録でR−OPCのための記録状態情報の目標値を求めることができる。
【0036】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかの一に記載の光ディスク装置において、前記第及び第1の試し書き領域のうち少なくとも前者に前記試し書きを行ったときの前記受光信号に基づいて求めた加熱パワー又は前記マルチパルス列の加熱パワーと前記検出用パルスの加熱パワーとの比とを前記光ディスクに記録管理情報として記録する記録管理情報記録手段を備えている。
【0037】
したがって、試し書きによって得られたR−OPCのための情報を次回からも利用できるように光ディスクに記録することができる。
【0038】
請求項10に記載の発明は、記録可能な光ディスクに光を照射する光源と、前記照射光をマルチパルス列にして前記光ディスクにマークを形成するマルチパルス列生成手段と、前記マルチパルス列の一部を検出用パルスに置換して当該検出用パルスで前記マークを形成する検出用パルス生成手段と、前記光ディスクの記録管理情報として記録されている前記検出用パルスの加熱パワーと前記マルチパルス列の加熱パワーとのうち少なくとも前者又は前記両加熱パワーの比とに基づいて前記検出用パルスの加熱パワー及び前記マルチパルス列の加熱パワーのうち少なくとも前者を制御する制御手段を備えている光ディスク装置である。
【0039】
したがって、光ディスクに記録した、過去に試し書きによって得られたR−OPC動作のための情報によって、容易に高感度なR−OPCを実施することができる。
【0040】
請求項11に記載の発明は、検出用パルスの加熱パワーとマルチパルス列の加熱パワーとのうち少なくとも前者又は前記両加熱パワーの比が記録管理情報として記録されている情報の記録が可能な光ディスクである。
【0041】
したがって、光ディスクに記録した、過去に試し書きによって得られたR−OPC動作のための情報によって、容易に高感度なR−OPCを実施することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態について説明する。
【0043】
まず、発明の一実施の形態である光ディスク装置で行う情報記録方式について説明する。
【0044】
この情報記録方式では、例えばDVD−ROMフォーマットのコードデータを、記録層に色素材料を用いたDVD−Rに対して記録する。データ変調方式として、図1(b)の記録データのようなEFM Plus(Eight to Fourteen Modulation Plus)変調コードを用いて、マークエッジ(PWM:Pulse Width Modulation)記録を行っており、形成されるマークとスペースのデータ長は3〜14Tとなる。この実施の形態1ではこのようなメディアと記録データを用いて、光源である半導体レーザ(LD:Laser Diode)をマルチパルス発光させて記録マークを形成することによりDVD−Rに情報の記録を行う。
【0045】
色素系の光メディアに記録を行う場合の基本的な記録動作は、従来の技術で前記したとおりである。このときのマルチパルス列の最適な加熱パワーは、CD−Rで用いられる単一パルス列による記録波形の最適な加熱パワーよりも約20〜30%高いパワーが必要となる(図1(f)参照)。また、図1(a)に示すように、記録チャネルクロック周期Tは約38nsec、記録線速度は3.5m/sである。
【0046】
より具体的には、代表的なDVD−Rにマルチパルス列を用いて、その最適加熱パワーで記録すると良好なジッタ特性が得られる。このような記録を行うときに所望の間隔でマルチパルス列の一部を単一の検出用パルスに置換して記録をすると、前記のように良好な記録状態の検出および加熱パワーの補正が可能となる。
【0047】
次に、R−OPC動作で用いる光ディスクの記録状態の情報は、前記の検出パルスの期間における先端から3T後以降の領域で反射信号RFの受光量が安定しているので、このレベルをサンプルホールド回路でサンプリングし、A/DコンバータによりRFsmp値(反射信号RFのサンプル値)を取得するようにする。この値は光ディスクからの反射光であるため、図2に示すように、出射光量である加熱パワーPw2で正規化して、光ディスクの記録状態を示す記録状態情報“RFopc=RFsmp/Pw2”を求めている。この記録状態情報RFopcは、検出用パルスでの最適な加熱パワーPw2o(optimum)の近傍で大きな負の傾きを示しており、各種のドライブ変動に対して高感度な変化を示すようになる。
【0048】
すなわち、図1(h)の受光信号波形や図2に示すように、記録パワーが適正から過大となるように変動すると、検出用加熱パルス部分のように反射光量の検出信号がより大きな勾配で変化をするため、マークの形成が進みすぎていると判断できる。逆に、記録パワーが適正から過小となるように変動すると、検出信号の変化は小さくなり、マークの形成が不十分であると判断できる。そこで、マルチパルス列による通常の記録での加熱パワーPw1と、単一パルスによる検出パルスによる加熱パワーPw2の最適値を用いることで、光ディスク全面に渡って良好な記録を行うことを可能となる。
【0049】
詳細には、通常の記録を開始する直前、すなわちR−OPC動作の前に、記録開始の準備として試し書き(OPC)を行う。図3(a)に示すように、光ディスクには略最内周部にPCA(Power Calibration Area)領域が設けられており、多くの回数の試し書きを実施することができる。図3(b)に示すように、例えば、記録データの単位である1ECC=16セクタに、1回分の試し書きを割り当てるようにする。したがって、1ステップを最小単位の領域として1セクタ領域に割り当てると、加熱パワーを段階的に変化させて最大で16ステップの試し書きを行うことが可能である。
【0050】
そこで、図5(a)に示すように、まず、マルチパルス列の加熱パワーを例えば合計で6段階に変化させて6セクタに試し書きの記録を行う(これを第1の試し書き領域とする)。引き続いて、R−OPC動作で用いている検出用パルスの加熱パワーも同様に合計で6段階に変化させて6セクタに試し書きの記録を行う(これを第2の試し書き領域とする)。ここまでの試し書きで12セクタの領域を使用している。
【0051】
次に、第1の試し書き領域の再生動作によって、図4(c)に示すように、第1の試し書き領域の再生信号から、最大レベルIpkと、最小レベルIbtmと、平均レベルIdcを検出し、図4(e)に示すように、最大振幅Imaxの変調度“m1=(Ipk−Ibtm)/Ipk”を算出して保持し、かつ、図3(d)のように、最大振幅Imaxと平均値Idcの非対称性(Asymmetry)“β=[(Ipk−Idc)−(Idc−Ibtm)]/(Ipk−Ibtm)”を算出して保持しておく。さらに、図3(d)に示すように、これらのプロット点から近似式を算出し、β=0となるマルチパルス列の最適な加熱パワーPw1o(optimum)を求める。さらに、この時の変調度m1も求めておく。
【0052】
そして、図4(e)に示すように、第2の試し書き領域の再生信号から、同様のレベル検出と演算手法を用いて、最大振幅Imaxの変調度m2を算出して保持しておく。そして、これらの変調度m1,m2から、最適な検出用パルスの加熱パワーPw2o(optimum)を算出するようにする(より詳細な算出の手段は後述する)。
【0053】
このような手段によれば、第1の試し書き領域と第2の試し書き領域は隣接してひとつの領域として扱うことができ、記録動作と再生動作もそれぞれ1回の動作で実施することができる。
【0054】
試し書きによってマルチパルス列と検出用パルスのそれぞれの最適な加熱パワーを求める手段をより詳細に説明する。
【0055】
まず、第1の手段として、DVD−Rについては、マルチパルス列を用いてその最適加熱パワーで記録すると、変調度は概ね0.6〜0.7の範囲になり、単一パルス列を用いてその最適加熱パワーで記録すると、変調度は概ね0.7〜0.8の範囲になることから、前記の検出用パルスの変調度m2が、マルチパルス列の最適加熱パワーから得られる変調度m1より0.1程度大きい値か同等値となるような加熱パワーを最適加熱パワーすることができる。すなわち、規格で定めた光ディスクでは、検出用パルスでの複数の変調度m2のうち、0.5〜0.8の範囲から、光ディスクの種類ごとや光ディスク装置の機種ごとに予め定められた所望の変調度となる加熱パワーを最適値として、予め設定しておく。
【0056】
次に、第2の手段として、通常のマルチパルス列で記録を行うときの最適な加熱パワーを、前記の試し書きによって得られる変調度m1及び非対称性(Asymmetry)βから、β=0となるマルチパルス列の最適加熱パワーPw1oを算出するとともに、その最適な加熱パワーでの変調度m1oも算出しておく。また、検出用パルスについても同様の試し書きによって得られる変調度m2から、前記のマルチパルス列の最適な加熱パワーにおける変調度m1oとほぼ一致する変調度m2での、検出用パルスの最適な加熱パワーPw2oを算出する。
【0057】
第3の手段として、図4(f)に示すように、光ディスクの面ぶれ等の影響による変調度m1,m2の変動を抑制するため、変調度そのものではなく、試し書きによって得られた変調度と加熱パワーの特性から導かれる、変調度の加熱パワーに対する変化“γ=(dm/dPw)×(Pw/m)”を用いることで、精度が向上する。すなわち、検出用パルスの試し書きから得られる変調度の変化γ2が適正範囲であれば検出感度がよく、目安としてはγ2<1.0では検出感度が小さくなり、逆にγ2>2.0では低い加熱パワーのためマークの形成が安定せず検出誤差が大きくなる。したがって、変調度の加熱パワーに対する変化γは1.0から2.0の範囲から所望のγ2値となる加熱パワーを最適な加熱パワーとすることができる。
【0058】
第4の手段として、通常のマルチパルス列で記録を行うための、前記の試し書きによって得られる変調度m1及び非対称性βから、β=0となるマルチパルス列の最適加熱パワーPw1oを算出し、さらに、それぞれの加熱パワーでの変調度m1から、変調度と加熱パワーの近似式を導き、変調度の加熱パワーに対する変化γ1の、最適な加熱パワーPw1oにおける変化γ1o(optimum)を算出しておく。また、検出用パルスについても同様の試し書きによって再生信号の変調度m2を算出して保持しておき、変調度と加熱パワーの近似式から求まる変調度の加熱パワーに対する変化γ2が、前記のマルチパルス列での変調度の加熱パワーに対する変化γ1oとほぼ一致する変調度の変化γ2oにおける、検出用パルスの最適な加熱パワーPw2oを算出する。この手段によれば、あらゆる色素系光ディスクに対して、記録時変動による検出誤差の小さい通常のマルチパルス列の記録とR−OPCの検出用パルスのそれぞれ最適な加熱パワーを得ることが可能である。
【0059】
次に、第3と第4の手段における、具体的な変調度の変化γおよび目的のPwの算出手段を説明する。まず、試し書きによって得られた変調度と加熱パワーの複数の特性データから、
m=a×Pw^2+b×Pw+c (a,b,cは定数)
なる2次近似式を算出する。近似方法は多項式近似などの一般的な近似手法を用いており、2次以上の近似式が測定値と良く一致する。
【0060】
そして、前記の“γ=dm/dPw×m/Pw”より、“dm/dPw=2×a×Pw+b”であるから、
Pw={−b×(γ−1)±SQRT[b^2×(γ-1)^2−4×a×(γ−2)×c×γ]}/[2×a×(γ−2)]
が得られる。
【0061】
これらの演算を行い、正の解Pw(+)を算出することで、目的のPwを求めることができる。
【0062】
なお、近似式については、それぞれのγ値を算出してγとPwの2次近似式を算出してもよいが、測定値とずれが生じ易いため、変調度mを近似することが望ましい。
【0063】
前記の説明では、図5に示すように、複数の段階的に増加させる加熱パワーの試し書きは、マルチパルス列も検出用パルスもそれぞれ6ステップで合計6セクタを使用して行っている。そして、第1と第2の試し書き領域は完全に分けている。しかし、図6に示すように、記録パルスの設定を切替えながら、1セクタごとに第1の試し書きと第2の試し書きとを交互に行い、合計12セクタの試し書き領域を使用する。この場合、第1と第2のそれぞれの試し書き領域は1セクタ毎に入れ代わるように認識することで、再生の動作でも第1と第2の試し書き領域を容易に検出することができる。このとき、第1と第2の試し書き領域の全体では、変調度が急激な変化を示さなくなり、ほぼ単調な増加傾向となる。したがって、それぞれの最小領域の繋ぎ部分での変動を抑えることが可能となり、それぞれの最適な加熱パワーの算出精度は良好となる。光ディスクPCA領域は16セクタあり、第1と第2の試し書き領域に試し書きを行っても4セクタ分残るが、図3(b),図5,図6に示すように、この4セクタには実際のR−OPC動作で用いる記録状態の情報の目標値RFopcoを設定するための第3の試し書きを行う。これは、第1と第2の試し書き領域から得られる反射信号RFから第2の検出用パルスの最適な加熱パワーPw2oを求め、この加熱パワーPw2oで第3の試し書き領域に記録を行うことで、目標値RFopcoを求める。
【0064】
すなわち、第3の試し書き領域では、第1と第2の試し書き領域を用いた試し書きによる結果を反映させるため、同時的に記録を行うことができない。しかしながら、1回の試し書き動作の一部として機能させるため、第1の試し書き領域と第2の試し書き領域との全体に隣接するように4セクタの領域に記録して、試し書き全体として16セクタを使用する。この第3の試し書きは記録中の検出用パルス部分の検出が目的であるため、マルチパルス列を基本としてその一部を検出する頻度にあわせて検出用パルスに置換して構成することができる。また、全ての記録パルスを検出用パルスだけで構成することもでき、後述するサンプリングによって多数回の検出を行った結果を保持して、その平均値を求めることで、検出レベルおよび記録状態情報の目標値の精度が向上する。
【0065】
また、実際の試し書き動作は、マルチパルス列を用いた第1の試し書き領域の記録に引き続いて、隣接するように検出用パルスでマルチパルス列の一部を置換した記録パルスを用いた第2の試し書き領域の記録を行うようにする。このあと、第1と第2の試し書き領域の再生動作を一度にまとめて行うことができる。したがって、1回の試し書きを短時間で、かつ、小サイズの領域によってマルチパルス列と検出用パルスの高精度な試し書きが可能となる。これらの再生信号から前記のようにマルチパルス列と検出用パルスの最適記録パワーを算出したのち、引き続いて検出用パルスを含む記録パルス列を用いて第3の試し書き領域に、第1と第2の試し書き領域に隣接するように記録を行う。
【0066】
以上説明した情報記録方式を実現する光ディスク装置について説明する。
【0067】
図7,図8は、この実施の形態1である光ディスク装置の回路構成を示すブロック図である。この光ディスク装置1は、光ディスク2への記録用の光源であるLD(図示せず)を備えたピックアップ3と、記録データを生成するEFM plusエンコーダ4と、記録データに基づきLDの出射光を変調するための記録パルス列制御部5と、その記録パルス列制御部5が出力する記録パルス列制御信号に基づいてLDを所望の発光波形に発光させるLD制御回路6とを備えている。
【0068】
記録パルス列制御部5はEFM plusエンコーダ4が出力する記録データからLDを駆動するためのLD制御信号を生成する。この記録パルス列制御部5は記録パルス列生成部7を備えており、記録パルス列生成部7はマルチパルス列を生成する。記録パルス列制御部5には、R−OPC動作のための単一パルスからなる検出用パルスを生成する検出用パルス生成部8も設けられ、記録パルス列に含める検出用パルスを生成する。このようにして検出用パルスを含んだマルチパルス列としてLD制御信号が生成され、そのLD制御信号はLD制御回路6に入力される。
【0069】
次に、LD制御回路6は、LDを駆動する電流源となるLD駆動電流源9,10,11を備えている。LD駆動電流源9はマルチパルス列のパルスがONのときの加熱パワーを出力し、LD駆動電流源10はR−OPC動作のための検出用パルスの加熱パワーを出力し、LD駆動電流源11はパルスがOFFのときのボトムパワーを設定するボトムパワーを出力する。LD制御回路6はLD制御信号に基づいてLD駆動電流源9又は10とLD駆動電流源11との出力をスイッチングするか又は加算してLDに出力し、検出用パルスを含むマルチパルス列のLD発光波形(図1(f))にしている。
【0070】
試し書きの動作は次のように行う。すなわち、光ディスク2のプリフォーマット情報として予め設定され、あるいは、マイコンなどで構成され光ディスク装置1の全体を制御するシステムコントローラ12のROMなどに予め記憶された試し書きのための加熱パワー値等の必要なデータを読み出し、記録パルス列生成部7、検出用パルス生成部8でLD制御信号を生成する。このLD制御信号によりLDから出射されたビームは光ディスク2に照射されて前記のように試し書きが行われる。この試し書きの際の光ディスク2での反射光はピックアップ3の受光素子(図示せず)で受光されて反射信号RFに変換され、サンプリング回路13に出力される。
【0071】
マルチパルス列で記録された第1の試し書き領域での反射信号RFは再生信号として、サンプリング回路13のピークホールド回路14によって最大レベルIpkがホールドされ、ボトムホールド回路15によって最小レベルIbtmがホールドされ、ローパスフィルタ16によって高域をカットした平均レベルIdcが検出される。これらの信号は、第1のサンプルホールド回路17においてサンプリング信号の検出位置にてそれぞれの信号をサンプルホールドし、得られたサンプルレベルを図示しないA/DコンバータでA/D変換する。
【0072】
また、検出用パルスによって記録された第2の試し書き領域での反射信号RFも、ピークホールド回路14、ボトムホールド回路15、ローパスフィルタ16により、最大レベルIpk、最小レベルIbtm、平均レベルIdcがサンプルホールドされ、第2のサンプルホールド回路18においてサンプリング信号の検出位置にてそれぞれの信号をサンプルホールドし、得られたサンプルレベルを図示しないA/DコンバータでA/D変換する。
【0073】
第1のパワー演算回路20、第2のパワー演算回路21は、前記したような算出手段を用いて、それぞれマルチパルス列、検出用パルスの最適な加熱パワーw1o,Pw2oを算出する。試し書きにおいては、第2のパワー演算回路21で算出した加熱パワーPw2oで第3の試し書き領域に試し書きを行う。そして、その記録の際の反射光を図示しない受光素子で検出して、検出信号をサンプリング回路13で前記のようにサンプルホールドする。
【0074】
この検出信号レベルはその時点でのLDの出射光量によって異なるため、このときの信号RFsmpは、記録状態情報演算回路23の除算回路25で、LDの出射光量レベルPw2で除算して正規化することにより、マークの形成状態が反映された記録状態情報値RFopcが算出される。この試し書きの際に得られた記録状態情報値RFopcは目標値RFopcoとして、例えばシステムコントローラ12のRAMなどに記憶される。
【0075】
比較器24は、この目標値RFopcoと所望の間隔で得られる記録状態情報値RFopcとの大小を比較する。第2のパワー演算回路21は、この比較の結果に応じて検出用パルスの最適な加熱パワーPw2oを算出する。
【0076】
加熱パワー補正回路22は、第1のパワー演算回路20、第2のパワー演算回路21で求めた最適な加熱パワーPw1o,Pw2oをLD駆動電流源9,10に出力して、LD駆動電流源9,10が最適な加熱パワーPw1o,Pw2oとなるように制御する。
【0077】
ドライブコントローラ26は、回転/サーボ機構27を駆動して、スピンドルモータ28及びピックアップ3を制御する。
【0078】
なお、サンプリング回路13、記録状態情報演算回路23及び加熱パワー演算・補正回路19の全部又は一部の機能をシステムコントローラ12などのマイコンが行う処理で実施してもよい。
【0079】
次に、図9のフローチャートを参照して、試し書き及びその後の通常の記録動作について整理して説明する。図9に示すように、まず、第1、第2の試し書き領域に前記のとおり試し書きを行う(ステップS1)。そして、その記録の際の反射信号RFをサンプリング回路13で前記のようにサンプルホールドする(ステップS2)。次に、このサンプルホールドした各値を用いて、第1、第2のパワー演算回路20,21で最適な加熱パワーPw1o,Pw2oを算出し(ステップS3)、ここで求めた加熱パワーPw2oで第3の試し書き領域に試し書きを行う(ステップS4)。そして、前記のように、この記録の際の記録状態情報値RFopcを目標値RFopcoとして設定し(ステップS5)、一連の試し書きを終了する。ステップS1〜S5により試書手段を、ステップS5により目標値取得手段を実現している。
【0080】
試し書き終了後に、光ディスク2に対する通常の記録を開始した直後からR−OPC動作をスタートさせ、所望の間隔で前記と同様に記録状態情報値RFopcを算出する(ステップS6)。そして、比較器24で、目標値RFopcoと現在の録状態情報値RFopcとを比較する(ステップS7)。
【0081】
ステップS7の判断で、現在の記録状態情報値RFopcが目標値RFopcoより大きい場合は(RFopc>RFopco)、記録マークが理想的な大きさより小さくなっているため、検出用パルスの加熱パワーを拡大するように補正する(ステップS8)。逆に、現在の記録状態情報値RFopcが目標値RFopcoより小さい場合は(RFopc<RFopco)、記録マークが理想的な大きさより大きくなっているため、検出用パルスの加熱パワーを小さくなるように補正する(ステップS9)。現在の記録状態情報値RFopcが目標値RFopcoと等しい場合は(RFopc=RFopco)、検出用パルスの加熱パワーを現在のものに維持する(ステップS10)。
【0082】
これだけでは、検出用パルスだけがマーク形成の状態に応じて適正に制御されてしまうので、第1のパワー演算回路20では、補正された検出用パルスの加熱パワーPw2'を予め設定された加熱パワー比αで除する演算を行うことで、通常のマルチパルス列の加熱パワーを補正する。すなわち、通常の記録中においては、検出用パルスによって記録状態の過不足を検出し、その結果から検出用パルスの加熱パワーをPw2'に補正すると共に、マルチパルス列の加熱パワーをPw1'に補正している(ステップS11)。この修正手段として前記のように“Pw1'=Pw2'/α”によって検出用パルスの加熱パワーを補正する度に、マルチパルス列の加熱パワーを算出し直すようにしている。
【0083】
以上のステップS6以下の処理は、記録データの終了アドレスに達するまで行う(ステップS12)。
【0084】
このように、R−OPC動作によって、マルチパルス列と検出パルスのそれぞれの加熱パワーを常に補正しながら光ディスク2に記録することで、記録中に各種変動があった場合でも常に最適な記録パワーに保つことができ、光ディスク2の全面に渡って均一で低ジッタな記録が可能となる。
【0085】
次に、試し書きによって得られたR−OPC動作の情報の利用手段について説明する。
【0086】
図10に示すように、DVD−Rなどの記録可能な光ディスク2は、試し書き領域領域(PCA)の他に、試し書きで得られた記録管理情報を記録しておく記録管理領域(RMA:Recording Management Area)を備えている。このRMAに記録される情報(RMD:Recording Management Data)は、ディスクID、ドライブID、記録ストラテジ設定、記録日時、試し書きのアドレス、最適加熱パワーなどの多様な記録に関する情報を書き込むことができる。
【0087】
一般的に、R−OPCは光ディスク装置1側で任意に設計し動作させるため、RMAにR−OPC動作の情報は記録されていない。したがって、前記のマルチパルス列と検出用パルスとの最適な加熱パワー及び記録状態情報を求めるための試し書きは、光ディスク2に対して毎回行う必要が生じる。
【0088】
そこで、前記のような試し書きによって得られた、マルチパルス列の最適な加熱パワーと検出用パルスの最適な加熱パワーをRMAの情報として書き込むようにする。書き込む位置は既に定められたドライブのシリアルNo.やモデルNo.などのドライブIDデータの一部を利用し、あるいは、リザーブされたデータを新たに割り当てることで利用することができる。
【0089】
このように試し書きを実施した光ディスク2と特定の光ディスク装置1を指定して、その固有の組み合わせを認識できるように前記のR−OPC動作の情報を書き込んでおけばよい。また、RMAに書き込むマルチパルス列と検出用パルスの最適な加熱パワーの代わりに、試し書きによって算出した検出用パルスの最適加熱パワーの、マルチパルス列の最適加熱パワーに対する比Pw2o/Pw1oを書き込んでおいてもよい。以上のような処理により記録管理情報記録手段を実現している。
【0090】
次に、前記のRMA領域に記録された情報を用いて行うR−OPCの動作例を説明する。
【0091】
すなわち、光ディスク装置1は光ディスク2を認識し、情報の記録の準備段階として過去に実施した試し書き領域であるRMA領域の最新の記録管理情報を読み取る。この記録管理情報の中から、あらかじめ割り当てられたデータ位置にあるR−OPC動作のための情報を選択する。次に、光ディスク装置1は光ディスク2が、過去にこのR−OPC動作の情報を書き込んでいるかどうかを判定する。書き込んでいない場合、新たに前記の試し書きを行って、マルチパルス列と検出用パルスの最適パワーと、記録状態情報値を取得することで、R−OPC動作を行うことができる。
【0092】
逆に、RMAにR−OPC動作の情報を書き込んでいる場合、読み出した検出用パルスの最適パワーとマルチパルス列の最適な加熱パワーの比Pw2o/Pw1oを算出するか、又は、読み出した最適な加熱パワーの比Pw2o/Pw1oをシステムコントローラ12にRAMなどに保持しておく。新たな試し書きは、マルチパルス列の最適な加熱パワーを求める動作を行い、RAMなどに保持しておいた最適な加熱パワーの比を乗算することで、新たな検出用パルスの最適な加熱パワーを算出することができ、この最適な加熱パワーを用いて記録状態情報値を取得する試し書きを行うことで、R−OPC動作のための情報がすべて取得される。すなわち、RMAからR−OPC動作の情報を読み出すことで、検出用パルスの試し書きを省略することができ、PCA領域の使用領域を小サイズにすることができる。以上のような処理により制御手段を実現している。
【0093】
また、RMAから読み出されたR−OPC動作の情報を用いて、記録状態情報値RFopcを取得する試し書きだけを行うことも可能となり、さらに試し書きを簡略化することもできる。
【0094】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、試し書きを行うことにより、検出用パルスを最適な加熱パワーで出力することができる。
【0095】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ディスク装置において、試し書きを行うことにより、マルチパルス列も最適な加熱パワーで出力することができる。
【0096】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光ディスク装置において、マルチパルス列の最適な加熱パワーと検出用パルスの最適な加熱パワーとを、小サイズの試し書きで高精度に求めることができる。
【0097】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の光ディスク装置において、マルチパルス列の最適な加熱パワーと検出用パルスの最適な加熱パワーとを、小サイズの試し書きで高精度に求めることができる。
【0098】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの一に記載の光ディスク装置において、マルチパルス列による記録でR−OPCを行うための記録状態の目標値を、検出用パルスの最適な加熱パワーを用いて高精度に取得することができる。
【0099】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光ディスク装置において、検出用パルスの最適な加熱パワーと、マルチパルス列による記録でR−OPCを行うための記録状態の目標値を高精度に取得することができる。
【0100】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の光ディスク装置において、1回の試し書きによって、マルチパルス列と検出用パルスの最適な加熱パワーとR−OPCを行うための記録状態の目標値を取得することができる。
【0101】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかの一に記載の光ディスク装置において、マルチパルス列による記録でR−OPCのための記録状態情報の目標値を求めることができる。
【0102】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかの一に記載の光ディスク装置において、試し書きによって得られたR−OPCのための情報を次回からも利用できるように光ディスクに記録することができる。
【0103】
請求項10に記載の発明は、光ディスクに記録した、過去に試し書きによって得られたR−OPC動作のための情報によって、容易に高感度なR−OPCを実施することができる。
【0104】
請求項11に記載の発明は、光ディスクに記録した、過去に試し書きによって得られたR−OPC動作のための情報によって、容易に高感度なR−OPCを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である光ディスク装置に関する各信号などのタイミングチャートである。
【図2】記録状態情報値と加熱パワーとの関係などを説明するグラフである。
【図3】光ディスクのPCA領域について説明する説明図である。
【図4】同説明図である。
【図5】前記光ディスクに対する試し書きについて説明する説明図である。
【図6】同説明図である。
【図7】前記光ディスク装置の回路構成を説明するブロック図である。
【図8】同ブロック図である。
【図9】前記光ディスク装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】光ディスクのRMA領域について説明する説明図である。
【図11】従来の単一パルス列による記録マークの形成を説明するタイミングチャートである。
【図12】従来のマルチパルス列と検出用パルスとを併用した記録マークの形成を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 光ディスク装置
2 光ディスク
7 マルチパルス列生成手段
8 検出用パルス生成手段
9 マルチパルス列生成手段
10 検出用パルス生成手段
13 制御手段
19 制御手段
23 制御手段

Claims (10)

  1. 記録可能な光ディスクに光を照射する光源と、
    前記照射光をマルチパルス列にして前記光ディスクにマークを形成するマルチパルス列生成手段と、
    前記マルチパルス列の一部を検出用パルスに置換して当該検出用パルスで前記マークを形成する検出用パルス生成手段と、
    前記光ディスクの試し書き領域の所定領域である第2の試し書き領域に予め加熱パワーを段階的に複数回変えて前記検出用パルスの試し書きをする試書手段と、
    この試し書きの際の反射光を受光した受光信号に基づいて前記検出用パルスの加熱パワーを制御する制御手段と、を備えている光ディスク装置。
  2. 前記試書手段は、前記光ディスクの試し書き領域の所定領域である第1の試し書き領域に予め加熱パワーを段階的に複数回変えて前記マルチパルス列の試し書きも行い、
    前記制御手段は、この試し書きの際の反射光を受光した受光信号に基づいて前記マルチパルス列の加熱パワーも制御するものである請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記試書手段は、前記第1の試し書き領域を前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が連続するように形成し、前記第2の試し書き領域も前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が連続するように形成し、それぞれ複数の記録単位からなる前記第1と第2の試し書き領域が隣接するように形成するものである請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記試書手段は、前記第1及び第2の試し書き領域とを形成する際には、この第1及び第2の試し書き領域を前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が交互に並ぶように形成し、前記加熱パワーが段階的に異なる各記録単位が連続するようにするものである請求項2に記載の光ディスク装置。
  5. 前記試書手段は、前記第2及び第1の試し書き領域のうち少なくとも前者に前記試し書きを行ったときの前記受光信号に基づいて前記加熱パワーを調節して前記検出用パルスを前記第2及び第1の試し書き領域に隣接する第3の試し書き領域に行うものである請求項1〜4のいずれかの一に記載の光ディスク装置。
  6. 前記試書手段は、前記第2及び第3の試し書き領域に記録する前記マルチパルス列は一部を所望の頻度で前記検出用パルスに置換するか又は全部を検出用パルスに置換するものである請求項5に記載の光ディスク装置。
  7. 前記試書手段は、前記光ディスクに対する1回の試し書きで前記第1、第2及び第3の試し書き領域に対する試し書きを行うものである請求項5又は6に記載の光ディスク装置。
  8. 前記第3の試し書き領域に対する試し書きを行う際に前記受光信号に基づいて前記光ディスクに対する記録を行う際の前記受光信号の目標値を求める目標値取得手段を備えている請求項5〜7のいずれかの一に記載の光ディスク装置。
  9. 前記第及び第1の試し書き領域のうち少なくとも前者に前記試し書きを行ったときの前記受光信号に基づいて求めた加熱パワー又は前記マルチパルス列の加熱パワーと前記検出用パルスの加熱パワーとの比とを前記光ディスクに記録管理情報として記録する記録管理情報記録手段を備えている請求項2〜4のいずれかの一に記載の光ディスク装置。
  10. 記録可能な光ディスクに光を照射する光源と、
    前記照射光をマルチパルス列にして前記光ディスクにマークを形成するマルチパルス列生成手段と、
    前記マルチパルス列の一部を検出用パルスに置換して当該検出用パルスで前記マークを形成する検出用パルス生成手段と、
    前記光ディスクの記録管理情報として記録されている前記検出用パルスの加熱パワーと前記マルチパルス列の加熱パワーとのうち少なくとも前者又は前記両加熱パワーの比とに基づいて前記検出用パルスの加熱パワー及び前記マルチパルス列の加熱パワーのうち少なくとも前者を制御する制御手段を備えている光ディスク装置。
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