JP4045523B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動変速機の変速制御装置に係り、特にニュートラル状態又は略ニュートラル状態にするニュートラル制御を行うとともに、ニュートラル制御を行っている間に車両が後退することがないようにヒルホールド状態とするヒルホールド制御を行う自動変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前進レンジにおいて、アクセルペダル解放及びブレーキON、つまりブレーキペダルの踏み込み時、そして車両停止時にロークラッチ(以下、「Low Clutch」あるいは「Low/C」ともいう)へ供給する油圧を低減させ、ニュートラル状態またはニュートラル状態に近い状態にするとともに、坂道でのずり落ちを防止するために、ヒルホールド用ブレーキ(以下、「2−4Brake Band」あるいは「2rd B/B」、「2−4速ブレーキバンド」ともいう)を係合するヒルホールド制御を行う自動変速機のニュートラル制御装置が知られている。
【0003】
そして、このようなニュートラル制御を実施することにより、ドライブ(以下、「D」ともいう)レンジで停車中の燃料消費量を少なくすることができるが、発進時にロークラッチを係合するため、ショックが発生するものである。
【0004】
このショックを低減させる自動変速機の変速制御装置としては、特公平8−15854号公報に開示されるものがある。この公報に開示される内燃機関の運転制御方法は、マニュアルシフトレンジが前進走行レンジに設定されていて車両が実質的に停止しているアイドル運転時にはフォワードクラッチへ供給する油圧を低減することによりフォワードクラッチの係合圧を減少せしめてクリープの発生を防止するアンチクリープ制御が行われる車両用自動変速機と組合せせれて用いられる内燃機関の運転制御方法において、アンチクリープ制御の解除時に機関負荷が所定値以上の時には機関出力を一時的に低減せしめ、フォワードクラッチの係合圧を低減させてアンチクリープ制御が行われても、その解除の際にフォワードクラッチの耐久性の低下及び大きいショックが生じないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特公平8−15854号公報に開示されるものにおいては、ニュートラル制御の終了時のショックを低減することは可能であるが、アクセルペダルを踏み込むまでヒルホールド状態を保持するようにした場合のヒルホールド解除時に発生するショックに対しては必ずしも有効でないという不都合がある。
【0006】
また、上述の不都合を解消すべく、ニュートラル制御を解除する条件が成立しても、アクセルペダルを踏み込まない限り、ヒルホールド状態を保持する制御方法も開発されており、ロークラッチ係合時のショック低減や坂道発進でのずり落ちの防止が可能となっている。
【0007】
しかし、アクセルを踏み込んだ時点でヒルホールド状態を解除するため、ヒルホールド用ブレーキの解放により2速状態から1速状態に変速が実行され、この時、2速状態から1速状態になることによって駆動力が急増するため、ショックが発生するおそれがあり、改善が望まれていた。
【0008】
ここで、参考までに記載すると、従来のものにおいては、ニュートラル制御の解除条件が成立すると、図7に示す如く、略同時にヒルホールドフラグが消え、ヒルホールド状態が解除されている。
【0009】
なお、前記ニュートラル制御が解除されるためには、ニュートラル制御フラグの成立後、スロットル開度が2%以上、ブレーキスイッチがOFF、シフトレンジが「D」以外、又は車速が7km/h以上のいずれかの条件が成立する必要があり、上述した条件のいずれかが成立した際に、ニュートラル制御フラグが消え、ロックアップソレノイドがOFFし、ニュートラル制御が解除されるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、少なくとも前進走行レンジが選択され、アクセルペダルが解放され、ブレーキペダルが踏み込まれ、且つ車速が略零である車両状態において前進走行用クラッチの係合力を低減させることによってニュートラル状態又は略ニュートラル状態にするニュートラル制御を行うとともに、このニュートラル制御を行っている間に車両が後退することがないようにヒルホールド用ブレーキを係合させてヒルホールド状態とするヒルホールド制御を行い、前記ニュートラル制御を解除する条件が成立した時に、前記前進走行用クラッチの係合力を増大させるとともに、少なくともスロットル開度が所定値以下の場合にヒルホールド状態を保持し、スロットル開度が前記所定値を越える場合には前記ヒルホールド状態を解除する制御手段を設け、この制御手段に前記ヒルホールド制御の解除時に一時的に機関出力を低減させる機関出力低減部を設けた自動変速機の変速制御装置において、前記制御手段の機関出力低減部は、機関出力の低減量をヒルホールド制御の解除時から経過した時間に応じて設定し、機関出力をこの低減量に従い低減した後徐々に通常出力に復帰させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、ヒルホールド制御の解除時には、制御手段の機関出力低減部によって一時的に機関出力を低減させ、ヒルホールド解除時のショックを低減している。
【0012】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
図1〜図6はこの発明の実施例を示すものである。図2及び図3において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4は自動変速機、6はブレーキペダル(図示せず)を備えたブレーキボディである。
【0014】
エンジン2の吸気系には、スロットルバルブ(図示せず)を備えたスロットルボディ8が設けられている。
【0015】
自動変速機4には、トルクコンバータ10が設けられ、また、変速部12の構成要素として前進走行用クラッチであるロー(低側)クラッチ14とロー・リバースブレーキ16とハイ(高側)クラッチ18とリバース(後退)クラッチ20とヒルホールド(坂道保持)用ブレーキである2−4速ブレーキバンド22とローワンウェイクラッチ24とが設けられ、更に、この変速部12の各構成要素を作動する油圧制御部26が設けられている。この油圧制御部26には、油圧回路(図示せず)と、シフトソレノイド28としてソレノイドA28−1及びソレノイドB28−2が設けられているとともに、ライン圧ソレノイド30と、ロックアップソレノイド32とが設けられている。
【0016】
また、このシフトソレノイド28とライン圧ソレノイド30とロックアップソレノイド32とは、制御手段34に連絡している。この制御手段34は、ソレノイドA28−1及びソレノイドB28−2にシフトの電気信号を送り、このソレノイドA28−1及びソレノイドB28−2を所定に組み合わせて切り替え作動して油圧制御部26を作動してシフトを変更させ、また、ライン圧ソレノイド30にライン圧の電気信号を送ってオイルポンプ(図示せず)から油圧制御部26への油圧回路中のライン圧を変更させ、更に、ロックアップソレノイド32にロックアップの電気信号を送ってトルクコンバータ10をロックアップするものである。
【0017】
制御手段34には、ブレーキボディ6内のブレーキペダルの踏み込み又は解放状態を検出してオン・オフのブレーキ信号を発するブレーキスイッチ36と、スロットルボディ8内のスロットルバルブのスロットル開度状態を検出してスロットル信号を発するスロットルセンサ38と、自動変速機4に設けられて車速を検出して車速信号を発する車速センサ40と、自動変速機4に設けられてシフトレンジを検出してシフト信号を発するインヒビッタスイッチ42とが連絡している。上述のスロットル開度は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み状態によって変化するものである。
【0018】
制御手段34は、図3に示す如く、ニュートラル制御開始判定部44と、ニュートラル制御解除判定部46と、ヒルホールド制御解除判定部48と、ロークラッチ係合力低減制御部50と、ロークラッチ係合力増大制御部52と、ヒルホールド制御部54と、ロークラッチ制御部56と、2−4速ブレーキバンド(2nd B/B)制御部58と、機関出力低減部60とが設けられている。
【0019】
ブレーキスイッチ36とスロットルセンサ38と車速センサ40とインヒビッタスイッチ42とは、ニュートラル制御開始判定部44及びニュートラル制御解除判定部46に夫々連絡している。また、スロットルセンサ38は、ヒルホールド制御解除判定部48にも連絡している。ニュートラル制御開始判定部44は、ニュートラル制御解除判定部46に連絡している。このニュートラル制御解除判定部46は、ヒルホールド制御解除判定部48に連絡している。更に、ニュートラル制御開始判定部44は、ロークラッチ係合力低減制御部50及びヒルホールド制御部54に連絡している。ニュートラル制御解除判定部46は、ロークラッチ係合力増大制御部52に連絡している。ヒルホールド制御解除判定部48は、ヒルホールド制御部54に連絡している。
【0020】
ロークラッチ係合力低減制御部50及びロークラッチ係合力増大制御部52は、ロークラッチ制御部56に連絡している。このロークラッチ制御部56は、ロークラッチ14に連絡している。また、ヒルホールド制御部54は、2−4速ブレーキバンド制御部58に連絡している。この2−4速ブレーキバンド制御部58は、2−4速ブレーキバンド22に連絡している。
【0021】
そして、前記スロットルセンサ38及びヒルホールド制御部54は、機関出力低減部60に連絡している。この機関出力低減部60は、出力低減信号「点火リタード量」を出力する。
【0022】
変速部12の各構成要素であるロークラッチ14とロー・リバースブレーキ16とハイクラッチ18とリバースクラッチ20と2−4速ブレーキバンド22とローワンウェイクラッチ24とは、図5に示す如く、各シフトレンジ状態によって作動される。
【0023】
即ち、図5に示す如く、パーキングレンジ「P」時及びニュートラルレンジ「N」時においては、全ての構成要素が非作動となっている。リバースレンジ「R」時においては、ロー・リバースブレーキ16とリバースクラッチ20とが作動され、他が非作動となっている。ドライブレンジ「D」時においては、1速の場合に、ロークラッチ14が作動するとともに、ローワンウェイクラッチ24が加速時作動し、他が非作動となっており、2速の場合に、ロークラッチ14と2−4速ブレーキバンド22とが作動し、他が非作動となっており、3速の場合に、ロークラッチ14とハイクラッチ18とが作動し、他が非作動となっており、4速の場合に、ハイクラッチ18と2−4速ブレーキバンド22とが作動し、他が非作動となっている。2速レンジ「2」時においては、1速の場合に、ロークラッチ14が作動するとともに、ローワンウェイクラッチ22が加速時作動し、他が非作動となっており、2速の場合に、ロークラッチ14と2−4速ブレーキバンド16とが作動し、他が非作動となっている。1速レンジ「1」時においては、1速の場合に、ロークラッチ14とロー・リバースブレーキ16とが作動するとともに、ローワンウェイクラッチ24が加速時作動し、他が非作動となっており、2速の場合に、ロークラッチ14と2−4速ブレーキバンド22とが作動し、他が非作動となっている。
【0024】
また、シフトソレノイド28のソレノイドA28−1とソレノイドB28−2、ロックアップソレノイド32は、図6に示す如く、各変速段によって通電・非通電される。
【0025】
即ち、図6に示す如く、1速時には、ソレノイドA28−1とソレノイドB28−2とに通電があり、ロックアップソレノイド32が非通電となっている。2速時には、ソレノイドB28−2に通電があり、ソレノイドA28−1とロックアップソレノイド30とが非通電となっている。3速時には、全てのソレノイドが非通電となっている。4速時には、ソレノイドA28−1に通電があり、ソレノイドB28−2とロックアップソレノイド30とが非通電となっている。3速ロックアップ時には、ソレノイドA28−1とソレノイドB28−2とが非通電となり、ロックアップソレノイド30に通電がある。4速ロックアップ時には、ソレノイドA28−1とロックアップソレノイド30とに通電があり、ソレノイドB28−2が非通電となっている。
【0026】
制御手段34は、各種信号を入力し、少なくとも前進走行レンジ(ドライブレンジ)が選択され、アクセルペダルが解放され、ブレーキペダルが踏み込まれ、且つ、車速が略零である車両状態において、前進走行用クラッチであるロークラッチ14の係合力を低減させることによってニュートラル状態又は略ニュートラル状態にするニュートラル制御を行うとともに、このニュートラル制御を行っている間に車両が後退することがないようにヒルホールド用ブレーキである2−4速ブレーキバンド22を係合させてヒルホールド状態とするヒルホールド制御を行うものである。ニュートラル制御にあっては、図6に示す如く、ソレノイドA28−1が非通電であり、ソレノイドB28−2及びロックアップソレノイド30に通電がある。
【0027】
つまり、前記制御手段34は、スロット信号やブレーキ信号、シフト信号、車速信号を入力し、ニュートラル制御の開始判断あるいは解除判断を行い、各ソレノイドに電気的信号を出力して各クラッチを作動させるものである。
【0028】
そして、前記制御手段34によってニュートラル制御が開始されるには、スロットル開度が第1の所定値(例えば、1%)未満、ブレーキスイッチON、シフトレンジが「D」レンジ、且つ車速が略零の条件を全てクリアした際にニュートラル制御フラグが成立し、夫々のソレノイドに電気的信号が出力されてニュートラル制御が開始される。
【0029】
このとき、ニュートラル制御が開始されると同時にヒルホールド制御フラグも成立し、ロックアップソレノイド30がON、ソレノイドA28−1が非通電、ソレノイドB28−2が通電となり、2速ヒルホールド状態なる。
【0030】
前記制御手段34の内部においては、ニュートラル制御フラグが成立することにより、「D」レンジ1速のロークラッチ14の締結状態からライン圧ソレノイドによってロークラッチ14に加わる係合圧を低減し、2−4速ブレーキバンド22が締結し、ニュートラル状態に近い状態となる。
【0031】
また、制御手段34は、ニュートラル制御を解除する条件が成立した時に、ロークラッチ14の係合力を増大するとともに、少なくともスロットル開度が第1の所定値(例えば、1%)以下の場合に、ヒルホールド状態を保持し、スロットル開度が第1の所定値を越える、例えば第2の所定値(例えば、2%)以上の場合にはヒルホールド状態を解除するものである。上述の第1、第2の所定値は、スロットル開度の全閉近傍である。
【0032】
更に、前記制御手段34は、ヒルホールド制御の解除時に機関出力低減部60によって一時的に機関出力を低減させるものである。
【0033】
詳述すれば、前記制御手段34の機関出力低減部60は、機関負荷に応じて機関出力の低減量を設定する、あるいは機関出力の低減量をヒルホールド制御の解除時から経過した時間に応じて設定し、徐々に通常出力に復帰させるものである。
【0034】
すなわち、制御手段34は、ニュートラル制御を解除する条件が成立した時に、ロークラッチ14の係合力を徐々に増大させて締結するとともに、2−4速ブレーキバンド22を締結状態のままである2速に保持する。
【0035】
そして、運転者の意思によって再加速を行うためにアクセルペダルが踏み込まれた瞬間に、スロットル開度(「TVO」)が第2の所定値である2%以上の条件が成立し、ヒルホールド制御の解除条件が成立し、ソレノイドA28−1が通電されて2速から1速に変速される。
【0036】
このとき、上述の動作と同時に、点火時期制御装置62に点火リタード(点火時期遅角)信号が出力され、設定値通りに点火リタードが行われる。この点火リタードは、予め設定されたリタード量でタイマ(図示せず)にて行い、変速が終了した時点またはヒルホールド制御の解除時から所定の経過した時間T3を空け、急激に機関出力が復帰しないように、徐々に点火リタード量を減少させ、通常出力まで復帰させる(図4参照)。
【0037】
前記制御手段34の内部においては、ロークラッチ14の締結状態はそのままで、2−4速ブレーキバンド22が開放され、2速から1速へと移行する。
【0038】
次に、この実施例の作用を、図1のフローチャート及び図2のタイムチャートに基づいて説明する。
【0039】
制御手段34において、プログラムがスタートすると(ステップ102)、ブレーキスイッチ36からのブレーキ信号とスロットルセンサ38からのスロットル信号と車速センサ40からの車速信号とインヒビッタスイッチ42からのシフト信号とが入力され(ステップ104)、先ず、ニュートラル制御(N制御)開始判断又はニュートラル制御解除判断を行い、つまり、N制御フラグ=1か否かを判断する(ステップ106)。
【0040】
ステップ106がNOで、ニュートラル制御が開始される判断の場合には、ドライブレンジが選択され、ブレーキスイッチ36がオンであり、スロットル開度(TVO)が第1の所定値である1%未満であり、且つ車速(VSP)が略零近傍である各条件を全てクリアしたか否かを判断し(ステップ108)、このステップ108がYESで、これらの各条件を全てクリアすると、N制御フラグ=1となり(ステップ110)、ニュートラル制御フラグが成立する。これにより、制御手段34は、各ソレノイド28、30、32に電気信号を出力してニュートラル制御を開始する。このニュートラル制御の開始と同時に、ヒルホールドフラグ=1となり(ステップ112)ヒルホールドフラグが成立し、ロックアップソレノイド32に通電があり、ソレノイドA28−1が非通電となり、ソレノイドB28−2に通電があり、2速のヒルホールド状態となる。
【0041】
このとき、自動変速機4の内部の動きとしては、N制御フラグ=1となることにより、ドライブレンジの1速で、ロークラッチ14の係合状態から、ライン圧ソレノイド30の作動によってロークラッチ14に加わる係合圧を低減し、2−4速ブレーキバンド22が締結し、ニュートラル状態に近い状態となる。
【0042】
また、前記ステップ106がYESで、ニュートラル制御が解除されるためには、N制御フラグ=1となった後に、ドライブレンジ以外のシフトレンジが選択され、ブレーキスイッチ36がオフであり、スロットル開度が第2の所定値である2%以上であり、車速が零以上であるいずれかの一の条件が成立すると(ステップ114)、ニュートラル制御フラグが消え、つまり、N制御フラグ=0となり(ステップ116)、ロックアップソレノイド42がオフとなり、ニュートラル制御が解除される(図4の時間T1で示す)。
【0043】
そして、ステップ112の処理後、ステップ116の処理後、ステップ108でNOの場合、ステップ114でNOの場合には、N制御フラグ=0か否かを判断する(ステップ118)。このステップ118がYESの場合には、スロットル開度が第2の所定値である2%以上か否かを判断する(ステップ120)。このステップ120がYESの場合には、ヒルホールドフラグ=0とする(ステップ122)。
【0044】
一方、前記ステップ122の処理後、前記ステップ118がNOの場合、前記ステップ120がNOの場合には、N制御フラグ=1か否かを判断する(ステップ124)。
【0045】
このステップ124がYESの場合には、ロークラッチ14の係合力を低減する制御をする(ステップ126)。
【0046】
しかし、ステップ124がNOの場合には、ロークラッチ14の係合力を増大する制御をする(ステップ128)。従って、ニュートラル制御を解除する条件が成立しても、スロットル開度が第1の所定値の1%未満でヒルホールド状態が継続される。このとき、自動変速機4の内部の動きとしては、ニュートラル制御の解除条件が成立することにより、ロークラッチ14への係合力が徐徐に増加して締結し、2−4速ブレーキバンド22が締結状態のままであるので、2速のヒルホールド状態を維持することができる。
【0047】
そして、ヒルホールドフラグ=1か否かを判断し(ステップ130)、このステップ130がYESの場合に、2−4速ブレーキバンド22を係合し(ステップ132)、一方、ステップ130がNOの場合には、運転者の意思によって再加速をしようと、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間に、スロットル開度が第2の所定値の2%以上の条件が成立するために、2−4速ブレーキバンド22が解放し(ステップ134)、ヒルホールド状態が解除され(図4の時間T1からL時間を経た時間T2で示す)、このとき、ロークラッチ14の締結がそのままであり、よって、2速から1速に移行する。
【0048】
また、ステップ132及びステップ134の後に、ヒルホールド制御フラグが「1」から「0」に変化したか否かを判断し(ステップ136)、このステップ136がYESの場合に、タイマをプリセット(ステップ138)した後にタイマの値が「0」でないか否かの判断(ステップ140)に移行し、ステップ136がNOの場合には、そのままタイマの値が「0」でないか否かの判断(ステップ140)に移行する。
【0049】
このステップ140において、タイマの値が「0」の場合、つまり判断(ステップ140)がNOの場合に、リタード量が「0」であるか否かの判断(ステップ142)に移行し、このステップ142がNOの場合に、後述するタイマのデクリメント(ステップ148)にそのまま移行し、ステップ142がYESの場合には、点火リタード量を減少(ステップ144)させた後に、後述するタイマのデクリメント(ステップ148)に移行する。
【0050】
また、上述のステップ140において、タイマの値が「0」でない場合、つまり判断(ステップ140)がYESの場合に、テーブル検索値を点火リタード量とし(ステップ146)、タイマのデクリメント(ステップ148)に移行し、前記制御手段34から点火時期制御装置62に点火リタード(点火時期遅角)量信号を出力し(ステップ150)、プログラムをリターンする(ステップ152)。
【0051】
これにより、ヒルホールド制御の解除時に前記制御手段34の機関出力低減部60によって一時的に機関出力を低減させることができ、ヒルホールド解除時のショックを低減し得て、実用上有利である。
【0052】
また、前記制御手段34の機関出力低減部60において、機関負荷に応じて機関出力の低減量を設定する構成としたことにより、機関負荷に応じた適正な機関出力の低減量とすることができ、細かな制御が可能となり、制御の信頼性を向上し得る。
【0053】
更に、前記制御手段34の機関出力低減部60において、機関出力の低減量をヒルホールド制御の解除時から経過した時間に応じて設定し、徐々に通常出力に復帰させる構成としたことにより、滑らかに通常出力に復帰させることができ、ヒルホールド解除時のショックを効率良く低減し得るものである。
【0054】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0055】
例えば、この発明の実施例においては、ヒルホールド制御の解除時に一時的に機関出力を低減させる際に、点火リタードによって行う構成としたが、電子スロットル等を用いて吸入空気量を制限する方策や、直噴ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおいては、燃料噴射量を制限する方策等とすることも可能である。
【0056】
さすれば、制御手段のプログラムの設定変更によって対処することが可能となり、構成が複雑化するおそれが全くなく、実用上有利である。
【0057】
また、坂道の勾配を検出する勾配検出センサを設け、勾配状態に応じて、例えば、急な坂道で車両を停止した場合には、ヒルホールド制御の解除時の機関出力の低減を小とするとともに、一方、緩やかな坂道で車両を停止した場合には、ヒルホールド制御の解除時の機関出力の低減を大とすべく制御し、ショックの発生を効果的に防止することができる。
【0058】
更に、車両全体の重量を検出する重量検出センサを設け、車両の重量状態に応じて、例えば、重量が大きい場合には、機関出力の低減を小とするとともに、一方、重量が小さい場合には、ヒルホールド制御の解除時の機関出力の低減を大とすべく制御し、ショックの発生を効果的に防止することができる。
【0059】
更にまた、勾配検出センサと重量検出センサとを組み合わせて使用することも可能である。
【0060】
また、エンジンにおいては、外気温度や湿度、高度等の外的要因や寒冷地仕様等のエンジン仕様要因によって、制御状態が変動することは容易に理解でき、上述の如き各種要因に応じて機関出力の低減状態を変更すべく制御する特別構成とすることも可能である。
【0061】
さすれば、各種の要因に合致させて機関出力の低減状態を確実に制御することができ、制御の信頼性を向上し得るものである。
【0062】
更に、この発明の実施例においては、アクセルペダルが踏み込まれた瞬間に、運転者の再加速を行うための意思と判断し、ヒルホールド制御の解除条件としているが、アクセルペダルの踏み込み量には個人差があり、この個人差を考慮した特別構成とすることも可能である。
【0063】
すなわち、アクセルペダルの踏み込み状態を制御手段によって学習制御し、アクセルペダルの踏み込み動作を最良のタイミングに置き換えて制御信号を出力するものである。
【0064】
このとき、複数の運転者がいる場合には、各運転者毎に複数のパターンを学習制御によって作成し、この各パターンにより運転者に応じた制御信号を出力させることも可能である。
【0065】
さすれば、一般に、個人差の生ずるアクセルペダルの踏み込み状態から最良のタイミングを得ることができ、制御信号の信頼性が上がって制御の確実性を向上し得る。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、ヒルホールド制御の解除時に制御手段の機関出力低減部によって一時的に機関出力を低減させることができ、ヒルホールド解除時のショックを低減し得て、実用上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す変速制御のフローチャートである。
【図2】 変速制御装置のシステム構成図である。
【図3】 変速制御装置の制御ブロック図である。
【図4】 変速制御のタイムチャートである。
【図5】 各クラッチの作動状態を示す図である。
【図6】 各ソレノイドの通電状態を示す図である。
【図7】 この発明の従来技術を示す変速制御のタイムチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン
4 自動変速機
10 トルクコンバータ
12 変速部
14 ロークラッチ
22 2−4速ブレーキバンド
26 油圧制御部
28 シフトソレノイド
30 ライン圧ソレノイド
32 ロックアップソレノイド
34 制御手段
36 ブレーキスイッチ
38 スロットルセンサ
40 車速センサ
42 インヒビッタスイッチ
60 機関出力低減部
62 点火時期制御装置
Claims (1)
- 少なくとも前進走行レンジが選択され、アクセルペダルが解放され、ブレーキペダルが踏み込まれ、且つ車速が略零である車両状態において前進走行用クラッチの係合力を低減させることによってニュートラル状態又は略ニュートラル状態にするニュートラル制御を行うとともに、このニュートラル制御を行っている間に車両が後退することがないようにヒルホールド用ブレーキを係合させてヒルホールド状態とするヒルホールド制御を行い、前記ニュートラル制御を解除する条件が成立した時に、前記前進走行用クラッチの係合力を増大させるとともに、少なくともスロットル開度が所定値以下の場合にヒルホールド状態を保持し、スロットル開度が前記所定値を越える場合には前記ヒルホールド状態を解除する制御手段を設け、この制御手段に前記ヒルホールド制御の解除時に一時的に機関出力を低減させる機関出力低減部を設けた自動変速機の変速制御装置において、前記制御手段の機関出力低減部は、機関出力の低減量をヒルホールド制御の解除時から経過した時間に応じて設定し、機関出力をこの低減量に従い低減した後徐々に通常出力に復帰させることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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