JP4045108B2 - シート状化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過剰な皮脂によるべたつきやテカリを持続的に抑え、さらさらな肌感触が維持されるシート状化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の表皮表面には、薄い皮脂膜が形成され、これが外界からの異物の進入を防ぎ、様々な物質の刺激から皮膚を保護し、また、水分蒸散を抑制して皮膚表面を潤滑化する作用を有している。一方で、皮脂は過剰になると、べたつき、テカリ、化粧くずれ等の原因となり、またニキビ等の脂漏性疾患の原因にもなる。
このため、薬効剤を用いて皮脂の分泌を生理的に抑制する方法が検討されているが、有効な薬効剤は未だ見出されていない。
【0003】
また、過剰に分泌された皮脂を除く方法として、皮脂を物理的に吸着する吸油粉体を含有する種々の化粧料が提案されている。しかしながら、従来の化粧料では、皮脂によるべたつきやテカリを持続的に抑えることができず、さらさらな肌感触を十分に維持することが難しい。例えば、ローションタイプ(ミストタイプ)の化粧料は、流動性が高く、飛散しやすいため、衣服や周辺を汚すおそれがあり、また、粉体を均一分散・安定化することが困難であった。また、ジェル、クリームタイプの化粧料は、増粘剤等の含有量が多いため、べたつきがあるなど使用感の点で不充分であり、さらに、固形タイプのものでは、さっぱりとした使用感を付与することができなかった。
【0004】
一方、パルプ、コットン等をシート基材とし、そこに粉体を含む水性媒体を含浸させた化粧料含浸シートが提案されている。しかしこれらは、パルプ、コットン等の親水性繊維を使用しているため、水性媒体が吸収されてしまい、転写性に劣るものであった。
また、パルプを使用した湿式抄紙法による紙の場合、表面が密で粉体の転写効率は高いものの、シート基材の空隙率が小さく、水性媒体の含浸率を上げられない。さらに、シート基材の弾性が小さいため、水性媒体の転写効率が悪いという問題もあった。
更に、一般的な不織布に粉体を含む水性媒体を含浸させた化粧料含浸シートの場合には、粉体は不織布の内部に担持されやすいため、肌への転写効率が低く、清拭後に十分な快適感を与えることはできない。加えて、不織布に十分な弾性がないため、水性媒体の転写性が悪いという欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、過剰な皮脂によるべたつきやテカリを持続的に抑え、さらさらな肌感触が維持されるシート状化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のゲル状ローションを、疎水性繊維からなる疎水性シート状基材に含浸させたシート状化粧料が、適用後に肌にさっぱり感を与えるとともに、粉体が効率良く肌に残留し、過剰な皮脂によるべたつきやテカリが持続的に抑制され、さらさらな肌感触が維持されることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(a)から(d)を含有し、25℃における粘度が500〜10,000mPa・sであるゲル状ローションを、疎水性繊維からなる疎水性シート状基材に含浸させたシート状化粧料を提供するものである。
(a)スクワラン吸油量が1.0g/g以上の吸油粉体、
(b)(a)以外の球状粉体、
(c)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及び
(d)塩基性物質。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
本発明のゲル状ローションは、25℃における粘度が500〜10,000mPa・s、好ましくは1,000〜10,000mPa・sである。この範囲内であれば、シート基材への含浸性、使用感、粉体の均一分散性及び経時安定性が良好である。
なお、本発明において、粘度は以下の方法により測定したものである。
【0010】
(粘度の測定)
50mLの広口ガラス瓶にゲル状ローションを約45g入れ、25℃に保持した水浴に、瓶の蓋以外の全体が浸るように沈め、その状態で2時間保持した。2時間経過後、直ちにガラス瓶を水浴から引き上げ、No.3のローターを取り付けたB型粘度計(型式BM、東京計器社製)にセットし、6rpmで1分間の粘度測定を行った。表示された数値に、測定条件の乗数(200)を乗し、その温度における粘度(mPa・s)を求めた。
本発明のゲル状ローションに用いる(a)吸油粉体は、スクワランの吸油量が1.0g/g以上、好ましくは1.2〜10g/g、特に好ましくは1.4〜5.5g/gのものである。1.0g/g未満のものでは、皮脂を十分に吸収することができない。
ここで、スクワランの吸油量は、JIS K 5101(1978年)に規定される顔料の吸油量測定法に準拠して測定した値である。すなわち、粉体1gをガラス板上に取り、スクワランを少量ずつ滴下しながらヘラを用いて練り込み、粉体が全体的にペースト状になったときを終点とし、そのときのスクワラン量(g)を吸油量(g/g)とする。
【0011】
このような吸油粉体としては、例えば酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、ジビニルベンゼン等のモノマーの1種以上を重合して得られるビニル系ポリマーや、ナイロン、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0012】
具体例としては、オルガゾール2002(エルフ オートケム社製)等の多孔質ナイロンパウダー;トレフィルE−506C(東レ・ダウ・コーニング社製)等のジメチルシリコーン架橋エラストマー;マイクロスフェアM、マイクロスフェアM−100、マイクロスフェアM−300、マイクロスフェアM−400、マイクロスフェアR−109(松本油脂社製)等のポリメチルメタクリレート;ポリトラップ(ダウ・コーニング社製)等の次の一般式(1)及び(2)
【0013】
【化1】
Figure 0004045108
【0014】
(式中、R1は炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R2は炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)
で表わされる構成単位を有するメタクリレート共重合体;多孔質ビニル系ポリマーなどが挙げられる。
これらのうち、ビニル系ポリマー、ナイロン等の疎水性吸油粉体が、水や汗により吸油能が低下しないので好ましい。また、これらは、多孔質粉体であることが好ましく、通常の方法により多孔質化して、スクワランの吸収量を調整したものを使用できる。
【0015】
前記ビニル系ポリマーとしては、溶解度パラメーター7〜10のビニル系モノマーの1種又は2種以上を重合して得られる多孔質疎水性ポリマーであるのが好ましい。溶解度パラメーター7〜10のビニル系モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、炭素数4〜6のジオレフィン;スチレン又は炭素数1〜12の炭化水素置換基を有するスチレン誘導体;炭素数8〜20の飽和カルボン酸のビニルエステル;(メタ)アクリル酸と炭素数8〜24の高級アルコールとのエステル等が挙げられる。溶解度パラメーターが7〜10のモノマーを用いると、皮脂との相溶性に優れ、より高い皮脂吸収能が得られる。
【0016】
吸油粉体は、皮脂で膨潤するが溶解しないことが感触上好ましく、このため、架橋するのが好ましい。架橋は、多官能性モノマーを重合時に加える方法や、後架橋、自己架橋等により行なうことができる。多官能性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
上記ビニル系モノマーの重合及び多孔質化は、例えば特開昭63-316715号公報に記載の方法に従って行なうことができ、モノマーを非重合性の有機溶剤に溶解し、この溶液を水中に懸濁、分散又は乳化させた状態で重合し、重合終了後、該有機溶剤を除去することにより行なうのが好ましい。
【0018】
これら吸油粉体の平均粒径は1.0〜100μm、特に1.0〜50μmのものが好ましい。また、粒径0.5μm未満の粉体はきしみ感等の不快感を与える可能性があり、200μm以上の粉体はざらつき感があるので、このような粒径の粉体は、全粉体量の10重量%未満であるのが好ましい。なお、本発明において吸油粉体の平均粒径はレーザー回折/散乱法で測定した値である。
また、吸油粉体の形状は、使用感の点から、球状であるのが好ましい。
【0019】
更に上記吸油粉体は、2種以上を用いることもでき、ゲル状ローション中に0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%含有するのが、皮脂吸収能、粉体の分散安定性の点から好ましい。
【0020】
本発明で用いる(b)(a)以外の球状粉体は、合成高分子化合物又は天然鉱物である。ここで、球状とは、下記方法により測定される真球度で表わされ、真球度が70以上であるのが、肌の動摩擦抵抗を低減し、肌の滑り感が良好で好ましく、特に90以上のものが好ましい。
【0021】
(真球度の測定)
走査型電子顕微鏡にて固体粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、粒子同士が重なり合っていないものを無作為に100個選び出し、粒子の投影像が真円のもの、もしくは投影像の外接円を描かせ、外接円の半径の90%の半径を有する同心円と外接円との間に投影像の輪郭が全て含まれる形状を有しているものの数を持って粒子の真球度とする。
【0022】
合成高分子化合物としては、例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン、(KMP−590(信越化学社)、トスパール145、トスパール2000B(以上、東芝シリコーン社)等);シリコーンゴムパウダー(KMP−597、KMP−598、X−52−875(以上、信越化学社);シリコーン樹脂/ゴム複合パウダー(X−52−1139K、X−52−1139G(以上、信越化学社)等)、片末端にラジカル重合性基を有するポリシロキサン化合物を分散剤として、溶媒中でビニルモノマーの分散重合を行うことにより得られたポリマー微粒子(以下、ポリマービーズSという)等の有機シリコーン基含有ポリマーが挙げられる。
また、ナイロン樹脂(SP−500(東レ社製)等)、ポリスチレン系樹脂(ファインパール(住友化学工業社製)、テクポリマーSB(積水化成品工業社製)、ファインパウダーSGP(綜研化学社製)等)、ポリエチレン樹脂(フロービーズ(住友精化社製)等)、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(テクポリマーMB(積水化成品工業社製)、ファインパウダーMP(綜研化学社製)等)、ジビニルベンゼン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂等のほか、メチルハイドロジェンジメチルポリシロキサン、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩等のケイ素又はフッ素を含有する化合物で表面撥水化処理した粉体(SI−タルクJA46R(三好化成社製)、PF−3LL−5タルク(大東化成工業社製)等)などが挙げられる。
更に、合成シリカビーズ、疎水性シリカパウダー(KMP−110、KMP−105(信越化学社製)等)も含まれる。
これらのうち、ポリマービーズS、シリコーン樹脂等の有機シリコーン基含有ポリマーが、肌残留時の動摩擦低下、肌の滑り感触(さらさら感触)付与及び肌上での残留性の点で好ましい。
【0023】
また、天然鉱物としては、例えばタルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、雲母、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられ、特にタルクが肌の上での滑りが良いので好ましい。
【0024】
これらの球状粉体は、レーザー回折/散乱法で測定した平均粒径が1.0〜100μm、特に1.0〜50μmのものが、使用感の点から好ましい。また、粒径0.5μm未満及び粉体はきしみ感等の不快感を与える可能性があり、200μm以上の粉体はざらつき感があるので、このような粒径の粉体は、全粉体量の10重量%未満であるのが好ましい。
【0025】
(b)成分の球状粉体は、2種以上を用いることもでき、ゲル状ローション中に0.1〜20重量%、特に1〜10重量%含有するのが、さらさら感、粉体の分散安定性の点から好ましい。更に、前記(a)吸油粉体よりも含有量が多いのが好ましい。
【0026】
本発明で用いる(c)アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、特に制限されないが、水系の増粘剤で、水系の油を分散する能力を有することが必要である。具体的には、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましいものとして挙げられる。かかるアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体としては、次の一般式(3)
【0027】
【化2】
Figure 0004045108
【0028】
(式中、R3は炭素数10〜30のアルキル基を示し、X及びYはそれぞれ共重合体における各構成単位のモル%を示し、X=80.0〜99.9モル%、Y=0.1〜20.0モル%である)の構造を有するものが好ましい。
これらの市販品としては、カーボポール1342、カーボポールETD2020、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2(いずれもグッドリッチ社製)が挙げられる。
【0029】
アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、2種以上を用いることもでき、ゲル状ローション中に0.01〜1重量%、特に0.01〜0.5重量%含有するのが、粉体の分散能力及び使用感の点から好ましい。
【0030】
本発明で用いる(d)塩基性物質としては、特に制限されず、上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーを中和するものであれば良い。具体的には、L−アルギニン、L−リジン、ヒスチジン、オルニチン、カナバニン等の塩基性アミノ酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等の有機アミン、アンモニアなどが挙げられる。これらのうち、塩基性アミノ酸が、皮膚刺激が低いことから好ましい。
【0031】
塩基性物質は、2種以上を用いることもでき、配合量は、上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーを中和した後の組成物のpHが弱酸性、特にpH4〜6.5となるような量であるのが、粉体の分散性及び経時安定性の点で好ましい。
【0032】
また、ゲル状ローションは、上記必須成分以外に、通常化粧料に用いられる他の成分を含有できる。かかる成分としては、例えばアミノ酸等のNMF成分やポリオール類、多糖類、生体抽出物、植物抽出物等の保湿剤;エタノール等の低級アルコール;メントール等の清涼剤;その他、酸化防止剤、キレート剤、着色剤、香料、防腐剤、殺菌剤、前記以外の粉体などが挙げられる。液体油は、べとつきや吸油性能を低下させる可能性があるので、含有しなのが好ましいが、揮発性の高い油剤(例えば、環状シリコーン油;SH−245(信越化学社)、低粘度シリコーン油;1cs等)は、5重量%未満であれば含有させることができる。
【0033】
ゲル状ローションの調整方法としては、例えば、成分(a)、(b)の粉体をエタノール等の溶剤に予備分散させ、該分散液を、(c)アルキル変性カルボキシビニルポリマーを溶解した水溶液に添加し、更に(d)塩基性物質を加えて中和・攪拌することにより製造される。
【0034】
一方、本発明で用いるシート状基材は、疎水性繊維を含むものであり、好ましくは疎水性のものである。このようなシート状基材を用いることにより、水性媒体を吸液せず、肌への水性媒体の転写効率を向上させ、肌への感触が良好なシート状化粧料を得ることができる。
【0035】
かかるシート状基材としては、例えば不織布、布、織物等の繊維構造体、及び発泡体、ネット、立体成型フィルム等と前述の繊維構造体との複合体等を用いることができる。これらのうち、均一な転写性や肌感触の良さ、コストの点で不織布、及び不織布と発泡体、立体成型フィルムとの複合体が好ましく、特に不織布が好ましい。不織布と発泡体、立体成型フィルムとの複合体を用いる場合は、表面材として発泡体、立体成型フィルム面に液を含浸又は塗工し、使用感から裏面には不織布を用いることが可能である。
ここで用いる不織布は、公知の方法で形成できるが、特にエアースルー法、レジンボンド法、スパンレース法、湿式スパンレース法、エアレイド法、湿式抄紙法等により製造されるのが好ましい。特に、肌への粉体の均一転写性や肌感触の良さから、繊維が動きやすい構造のスパンレース法により製造されるのが好ましい。
【0036】
ここで用いる疎水性繊維としては、合成繊維(ポリエステル系(ポリエステル等)、ポリアクリルニトリル系(アクリル等)、ポリアミド系(ナイロン等)、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系、ポリフルオロエチレン系)、半合成繊維(アセテート等)などや、これらの変性物、共重合体等を用いることができる。また、これらの2種以上を組合わせた複合繊維を用いることもできる。
また、親水性繊維を混綿したシート状基材を用いることもでき、疎水性を損なわない範囲において親水性繊維を混綿したシート状基剤であることが好ましい。
使用できる親水性繊維としては、天然繊維(綿、麻、毛、絹等)、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ等)が挙げられる。さらに、親水性繊維を疎水化処理して疎水性としたものを使用することもできる。
【0037】
繊維の形態としては、異形の断面構造であってもよく、ゲル状ローションの表面張力と繊維の濡れ性、シート基材の毛管径を考慮して、上記繊維を複数組合わせて構成しても良い。
構成繊維の繊度は、0.11〜11.0デシテックス、特に0.55〜5.5デシテックスであるのが、ゲル状ローションの含浸性の点から好ましい。
【0038】
シート基材のバルクソフトネスは、0.01〜0.29N、特に0.03〜0.27Nであるのが、柔らかく風合いが良いので好ましい。ここで、バルクソフトネスは、流れ方向でも幅方向でも制限されない。流れ方向とは、シート製造時における機械方向を意味し、幅方向とは、流れ方向と直行する方向をいう。
バルクソフトネスは、次の方法により測定される。
試験サンプルは、ゲル状ローションをスプレーで用いてシートに吹き付け、所定量をシートに含浸させたシートを準備する。
【0039】
(バルクソフトネスの測定)
バルクソフトネスは、シートの流れ方向へ30mm、幅方向へ150mmの大きさにカットし矩形状の試験片を作成する。この試験片から、その短辺方向(30mmの方向)を高さ方向とする直径45mmの円筒を作る。円筒の円周方向の重なり幅は約10mmとする。重なった部分の上端及び下端を、MAX製ステープラHD−10D、針No.10−1Mで固定する。このようにして得られた円筒状の測定サンプルを円筒の高さ方向に圧縮したときの最大荷重を圧縮試験機によって測定し、その値を流れ方向におけるバルクソフトネスとする。圧縮試験機は、オリエンテック社製、RTA−100型を用い、圧縮速度は10mm/minとした。
【0040】
また、シート状基材の圧縮回復率は10〜100%、特に15〜90%であるのが、水性媒体、粉体の徐放性、転写性が向上するので好ましい。
圧縮回復率は、次の方法で測定される。前記と同じ方法で含浸させたシートを準備する。
【0041】
(圧縮回復率の測定)
シートを200mm×200mmの大きさにカットし、この大きさで3枚の試験片を作成する。この試験片を3枚重ね圧縮したときのKES圧縮回復性RC(%)を測定し、この値を圧縮回復率とする。KES圧縮試験機はカトーテック社製KESFB3−AUTO−Aを用いた。条件としては、SENS=2、SPEED=50sec/mm、STROKE=10mm/10V、ZONE=2cm2で測定した。
【0042】
さらに、シート基材の摩擦係数は、肌触りの点から、0.10〜0.29、特に0.15〜0.29であるのが好ましい。
摩擦係数は、次の方法で測定される。前記と同じ方法で含浸させたシートを準備する。
【0043】
(摩擦係数の測定)
シートを200mm×200mmの大きさにカットし、試験片とする。この試験片のKES摩擦係数を測定して、摩擦係数とする。KES摩擦係数は、カトーテック社製KESFB4−AUTO−Aを用い、接触力50gf、測定距離2cmで測定した。
【0044】
また、シート基材の坪量は、10〜200g/m2、特に15〜150g/m2であるのが、ゲル状ローションを十分な量含浸でき、肌に対する感触も良好で、更に製造経費の点からも好ましい。
シートの厚さは、3.7g/cm2の測定荷重で0.1〜5mm、特に0.3〜3mmであるのが、携帯性の点で好ましい。
【0045】
シート密度は、水性媒体、粉体の含浸性、徐放性、転写性の点で、0.01〜0.2g/cm3、特に0.04〜0.12g/cm3であるのが好ましい。
シートの形状は特に制限されず、過剰な皮脂によるべたつきやテカリを持続的に抑え、さらさらな肌感触が維持できればどのような形状でも良い。
【0046】
ゲル状ローションを疎水性シート基材に含浸させる方法としては、スプレー、ノズル、グラビアコーターによる含浸法等が挙げられる。
ゲル状ローションの含浸率は、シート基材重量の100〜800重量%、特に200〜700重量%であるのが、使用感の点で好ましい。
【0047】
本発明のシート状化粧料は、肌に押し付けるようにしてローションを塗布して使用される。
また、本発明のシート状化粧料は、所定の大きさに裁断され、所定の形状に折り畳まれ、所定枚数重ねられた状態で、ピロー包装体などの包装体に包装され、保存される。
【0048】
【実施例】
実施例1〜、比較例1〜
表1に示す組成のゲル状ローションを調製し、表2及び表3に示すシートに含浸させ、シート状化粧料を製造した。
得られたシート状化粧料について、シートからの粉体の転写性、含浸液の転写性、使用時の肌感触及びさっぱり感、さらさら感、テカリ抑制効果並びに保存安定性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
【0049】
(製法)
成分(c)を含む水溶液を調製した。別に、成分(a)及び成分(b)をエタノール等の分散媒に分散させた。成分(c)を含む水溶液にこの分散液を添加し、さらに成分(d)を加えて、ゲル状ローションを調製した。
表2及び表3に示すシート材料(150mm×100mm)に、得られたゲル状ローションをノズルから滴下することにより塗布又はスプレーし、その後放置してシート材料に十分に含浸させることにより、シート状化粧料を得た。
【0050】
(評価方法)
(1)粉体の転写性;
各シートを用い、20cm×20cmの黒紙台紙を拭き取り、液を風乾させた後、黒紙台紙を色彩色差計(CR−300、ミノルタ社製)にて測色し、L値を求めた。粉体の転写性が良いものほど、色差計で得られるパラメーターL値が大きいことを示している。
【0051】
(2)含浸液の転写性;
各シートの重量を測定した後、該シートを2枚のキムタオルの間に挟み、1kgの荷重を1分間かけ、その後のシート重量を測定し、次式により、含浸液の転写性を求めた。
【0052】
【数1】
Figure 0004045108
【0053】
(3)使用時の肌感触及びさっぱり感;
専門パネラー10名により、各シートを顔に適用し、ローションを塗布して使用したときの肌感触の良さ及びさっぱり感を評価し、以下の基準で判定した。
◎:肌感触が良い又はさっぱりすると評価したパネラーが9名以上。
○:肌感触が良い又はさっぱりすると評価したパネラーが6〜8名。
△:肌感触が良い又はさっぱりすると評価したパネラーが3〜5名。
×:肌感触が良い又はさっぱりすると評価したパネラーが2名以下。
【0054】
(4)さらさら感:
(3)の評価後、塗布後のさらさら感について評価し、以下の基準で判定した。
○:さらさらすると評価したパネラーが8名以上。
△:さらさらすると評価したパネラーが4〜7名。
×:さらさらすると評価したパネラーが3名以下。
【0055】
(5)テカリ抑制効果:
(3)の評価後、6時間経過後のテカリ状態について評価し、以下の基準で判定した。
○:テカリがないと評価したパネラーが8名以上。
△:テカリがないと評価したパネラーが4〜7名。
×:テカリがないと評価したパネラーが3名以下。
【0056】
(6)シートの保存安定性:
各シートを、10枚積層した状態でアルミ包装し、50℃で1ヶ月保存した。
保存後の状態を、以下の基準で評価した。
○:良好。
△:やや不良。
×:不良。
【0057】
【表1】
Figure 0004045108
【0058】
【表2】
Figure 0004045108
【0059】
【表3】
Figure 0004045108
【0060】
【発明の効果】
本発明のシート状化粧料は、適用後に肌にさっぱり感を与えるとともに、粉体が効率良く肌に残留し、過剰な皮脂によるべたつきやテカリが抑制され、さらさらな肌感触が維持される。

Claims (1)

  1. 次の成分(a)から(d)を含有し、25℃における粘度が500〜10,000mPa・sであるゲル状ローションを、ポリエステル繊維からなる疎水性シート状基材に含浸させたシート状化粧料:
    (a)スクワラン吸油量が1.0g/g以上の吸油粉体、
    (b)(a)以外の球状粉体、
    (c)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及び
    (d)塩基性物質。
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