JP4043984B2 - 吸音材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
この出願発明は、吸音材に関する。特に、防音壁、遮音壁などの防音用壁体に使用可能な吸音材で、熱可塑性繊維からなる吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防音壁、遮音壁、高架道路用吸音板などの防音用壁体に設置する吸音材として主にガラス繊維からなるグラスウール製吸音材が使用され、設置現場において使用サイズに合わせて切断して設置されていたが、前記グラスウール製吸音材は、ガラス繊維が脱落して飛散しやすく、作業者の皮膚、目、のどや鼻を刺激し痛みや痒みを生じる場合があり、手袋や長袖の着衣、保護メガネなどの保護具が必要であった。またグラスウール製吸音材を廃棄する際は産業廃棄物として埋め立て処理されていたが、環境保護の観点からは、焼却処理できるものが待ち望まれていた。
【0003】
グラスウール製吸音材に代わるものとして、ポリエステルなどの有機繊維からなる吸音材が提案されている(たとえば、特許文献1。)。有機繊維は、ガラス繊維のような皮膚刺激などがなく、保護具が不要で作業性が良好であったが、有機繊維の脱落、飛散の問題は解消されていなかった。特に、有機繊維をモールド(型)内で加熱して一体化したものや、ウエブを熱板上に形成しながら無荷重で加熱融着させたものは、有機繊維同士の結合が弱く、取り扱い時に吸音材の表面から繊維が脱落したり、内部の繊維結合が弱いために吸音材を切断して内部が露出した際に繊維が脱落しやすかった。そのため、有機繊維製吸音材の流通工程や、壁体への設置現場で切断加工する際や、廃棄する過程で、脱落し、飛散する有機繊維があり、作業者が吸いこんでしまったり、衣服に貼りついたり、空調機などの機械の作動部分にからみつくなどの問題があった。
【0004】
また、壁体に雨などが浸入し有機繊維性吸音材が濡れてしまうと、吸音性が低下したり、カビなどが発生することもあった。このような水の浸入を防止する目的で織物や不織布、フィルムなどからなる表面材により有機繊維製吸音材の一部や全体を被覆したものもあったが、長期の屋外使用により前記表面材が劣化したり、小石などの飛来物によって表面材が破れたりした場合には、中の有機繊維製吸音材が露出し、表面材がない場合と同様に、有機繊維が脱落・飛散したり、濡れによる性能低下、劣化の問題があった。
【特許文献1】
特開2000−267673号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機繊維製吸音材の内部の繊維が脱落しやすいことに起因する上記のような課題を解決する事を第一の目的として、さらには、吸音材が濡れた場合でも性能低下のないようにすることを第二の目的とするものであり、熱可塑性繊維からなる吸音材であり、繊維のケバ立ちや飛散が極めて少なく、作業者や環境に与える影響が少ない吸音材、さらには濡れた場合にも性能低下の少ない吸音材を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱可塑性繊維製吸音材(以下、単に吸音材ということがある。)は、繊維長が25mm〜120mmの熱可塑性繊維からなり、該熱可塑性繊維は繊維の表面に低融点成分が一部露出している複合繊維を含んでおり、該吸音材を厚さ10mmごとに表面に平行な方向にスライスしたものの内部繊維結合強度が、すべて2.5N/50mm以上である。このように本発明の吸音材は内部の繊維結合強度が高いため、使用時の繊維飛散が少なく、吸音材の切断時でも切断面からの繊維飛散が少ない。
【0006】
このような吸音材は、たとえば、熱可塑性繊維の集合体を加圧した状態で内部に熱風を通過させ、つづいて冷却することにより、前記熱可塑性繊維を融着させて得ることができる。本発明の吸音材は、表面だけでなく内部の熱可塑性繊維もしっかり融着しているので、内部の繊維結合強度が高い。また融着の際に加圧しているので、繊維結合強度が高く、繊維の見かけ密度が高く、吸音性能の優れる吸音材である。
【0007】
さらに熱可塑性繊維で形成されたウエブがクロス積層された積層体からなる吸音材や、また少なくとも片面に絡合手段を施された吸音材であれば、表面の毛羽立ちが少なく、表面からの繊維飛散が少ないので好ましい。なお、吸音性能を得るために、吸音材の厚さが、30mm〜120mmの範囲であることが望ましい。さらに、吸音材が撥水加工されていると、雨などの水分がかかった場合も速やかに吸音材外へ流出するので、吸音性能が低下せず、乾燥が早くなり、カビなどの発生が抑えられる。
【0008】
本発明の製造方法は、前記の吸音材を得る方法であり、繊維の表面に低融点成分が一部露出している複合繊維を熱接着繊維として含む熱可塑性繊維であり、且つ繊維長が25mm〜120mmの熱可塑性繊維でウエブを形成し積層する工程、得られた積層体を厚さ方向に加圧した状態で積層体内部に熱風を通過させて前記複合繊維の低融点成分を溶融する工程、低融点成分が溶融している積層体を厚さ方向に加圧した状態で冷却し熱可塑性繊維同士を融着する工程、とを含む。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性繊維製吸音材(以下、単に吸音材ということがある。)について詳細に説明する。なお、本明細書において、吸音材の縦とは、吸音材を連続的に生産した際の生産方向に平行な方向を指し、横とは前記生産方向に直交した、巾方向に平行な方向を指す。
【0010】
本発明の吸音材は、該吸音材を厚さ10mmごとに表面に平行な方向にスライスしたものの内部繊維結合強度が、すべて2.5N/50mm以上であり、好ましくは3.0N/50mm以上であり、さらにに好ましくは3.5N/50mm以上である。この内部繊維結合強度であれば吸音材を切断して内部が露出しても繊維の脱落、飛散が少ないものである。具体的には次の測定方法によって内部繊維結合強度を測定する。
(サンプルの調製)
吸音材の表面から厚さ10mmごとに、表面に平行な平面でスライスして各層のサンプルとし、縦200mm×横50mm(縦サンプル)と縦50mm×横200mm(横サンプル)のサイズにカットし、それぞれ長手方向の一端から50mmのところまで他端に向かって、表面に平行な平面で厚さを2分する(5mmずつにする)ような切れ目を入れたものを引張試験機で測定する。厚さ10mmに満たない余りの部分に関しては測定しない。
(引張試験機での測定)
切れ目を割るように開き、チャック間30mmに設定した引張試験機(オリエンテック社製 テンシロン)の上下のチャックにセットして、引張速度200mm/minで引張距離が100mmになるまで切れ目を引き裂いたときの応力の最大値を、縦横のサンプルについて測定して平均値を求め、内部の繊維結合強度(単位N/50mm)とする。
【0011】
本発明の吸音材において、該吸音材を厚さ10mmごとに表面に平行な方向にスライスしたものの内部繊維結合強度が、すべて2.5N/50mm以上になるようにするためには、繊維同士の融着が必要であり、熱可塑性繊維のみで吸音材を構成し、特に熱可塑性繊維のなかに低融点の繊維や、低融点成分を繊維の一部とする繊維などを配合することが望ましい。また、熱可塑性繊維で形成されたウエブがクロス積層された積層体(以下、クロス積層体ということがある)で吸音材を作成することで、内部繊維結合強度は高くなる。また製造方法において、熱可塑性繊維の集合体の内部に熱風が通過するような加熱方法によって内部の繊維を溶融させ、冷却固化させることで内部繊維結合強度は向上する。熱可塑性繊維からなる吸音材は、有効な吸音性能を示す厚さにした場合、嵩高くなって断熱効果が発生してしまい、加熱炉などを用いた一般的な加熱方法では、表面の熱可塑性繊維は溶融しても内部には熱が伝わらず、内部繊維結合強度の低い部分ができる。前記熱風通過方式によれば、厚さが30mm以上でも内部結合強度の高い吸音材を得ることができる。なお、熱可塑性繊維が加熱され溶融するときと冷却され固化するときの両方の場面で、繊維同士が密着するように、熱可塑性繊維集合体が加圧されていることがのぞましい。この加圧の圧力を高くすると繊維は強固に融着し吸音材の内部繊維結合強度は向上する。しかしあまりにも圧縮された吸音材は、吸音性能が低下する恐れがあるため、圧力は適宜調整する。
【0012】
本発明の吸音材を構成する繊維は、熱可塑性繊維であればよく、例えば、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維などを単独で、又は適宜組み合わせて用いることができる。なかでもポリエステル繊維は耐光性、コストの点で優れており、好適な熱可塑性繊維である。中空の繊維や、再生繊維も熱可塑性であれば用いることができる。
【0013】
熱可塑性繊維は単独でも融着可能であるが、2種類以上組み合わせて用いる際に、低融点の熱可塑性繊維を混合すれば、加熱時に低融点の熱可塑性繊維が溶融しても高融点の熱可塑性繊維により吸音材の構造を維持できるので、好適である。以下、熱可塑性繊維中の低融点の熱可塑性繊維について熱接着繊維と称し、それ以外の熱可塑性繊維を指す場合は高融点繊維と称する。
【0014】
熱接着繊維は、全溶融型の繊維であることもできるし、繊維の表面に低融点成分が一部露出している芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型などの複合繊維であることもできる。前記複合繊維を熱接着繊維として用いた場合は加熱によって低融点成分が軟化し溶融しても他方の成分によって繊維形態を維持することができるので好適である。熱接着繊維(複合繊維である場合はその低融点成分)の融点は、高融点繊維の融点に応じて適宜選定すればよいが、高融点繊維より15℃以上融点が低い繊維である事が好ましく、90〜150℃程度が後述する熱風接着の方法を適用する際に効率がよいので好適である。
【0015】
熱接着繊維の配合比率は吸音材全体の20〜50mass%程度で十分な繊維結合効果が得られ、好ましくは30〜40mass%の熱接着繊維を配合する。熱接着繊維が20mass%より少ない場合は、熱接着繊維の効果が発揮されにくく、吸音材内部の繊維結合強度が不十分となる可能性があり、50mass%より多い場合は、十分な繊維結合強度は得られるが、吸音材が硬くなって切断しにくくなる可能性があり、コストが高くなるので実用的ではない。
【0016】
本発明の吸音材に用いられる熱可塑性繊維の繊度は1dtex〜7dtexが好適であり、3dtex〜5dtexが更に好適である。熱可塑性繊維の繊度が7dtexより大きい場合、繊維同士の接着点が少なくなるので、十分な繊維結合強度を確保しようとすると熱接着繊維の配合比率が増加しコスト高となり好ましくない。また、1dtex未満の繊維は比較的高価であるうえ、絡みやすいためにウエブを作成する際に取り扱いにくいことがある。
【0017】
前記熱可塑性繊維の繊維長は25mm〜120mmであり、さらに35mm〜100mm、さらにまた40mm〜70mm程度であるとウエブを作成しやすいので望ましい。また、前記熱可塑性繊維は捲縮を有する物であれば、吸音性能が向上するうえ、軽量の吸音材を作成しやすいので好ましい。
【0018】
本発明の吸音材は前記熱可塑性繊維の集合体を加熱してから冷却し、繊維を融着させて得ることができる。熱可塑性繊維の集合体としては、熱可塑性繊維からウエブを形成し積層した積層体であることが望ましい。ウエブの形成方法は乾式、湿式、直接紡糸などの公知の方法でよいが、乾式法によればかさ高いウエブを形成することができ、軽量で吸音性の高い吸音材を得られるので特に好適である。乾式法のなかでもカード機を用いて繊維を平面的に配向させてウエブを形成することが望ましく、カードで形成した単層ウエブをクロス積層したクロス積層体から吸音材を作成すれば、表面の毛羽立ちや繊維の脱落が少なく、内部繊維結合強度が高い。その詳細な機構については不明であるが、クロス積層体は、単層ウエブを形成する繊維が吸音材の表面に平行な方向に配向しているので、表面が毛羽立ちにくくなると思われる。またこのような単層ウエブがクロスして積層されるので、ある単層ウエブの表面の繊維に、隣接する単層ウエブの表面の繊維が角度を持って接することになるため、繊維が交差して接触するものが多く、加圧した際に多数の繊維交点に圧力がかかり、十分に融着が行われて吸音材内部においても遊離する繊維が生じにくいため繊維が脱落しにくいと推測している。
【0019】
吸音材の製造方法は特に限定されないが、前記のような熱可塑性繊維の積層体望ましくはクロス積層体を厚さ方向に加圧した状態で積層体内部に熱風を通過させ、つづいて冷却することによって繊維同士を融着させて得ることが出来る。この方法によれば、かさ高い積層体の全体をほぼ均一に加熱することができ、積層体表面だけでなく内部の繊維も融着するうえ、加圧により隣接した繊維が密着して融着するので、内部の繊維結合強度が高まる。熱風を通過する前に積層体に予熱を施してもよい。予熱によって積層体内の繊維がやや軟化した状態となるので、加圧の圧力を低くすることができる。もしくは熱風通過と同時に加圧を行なえば、加圧の圧力を低くできる。加圧の際の圧力は、加圧前の積層体の嵩高さ、反発性にもよるが、最終的に得られる吸音材の見かけ密度が、25kg/m3〜50kg/m3の範囲になるように設定するのが好ましい。
【0020】
本願の吸音材は25kg/m3〜50kg/m3の見かけ密度がのぞましい。吸音材の見かけ密度が25kg/m3未満であると、吸音材内を通過する騒音の減衰が不十分となるおそれがあり、見かけ密度が50kg/m3より大きくなると経済的でないばかりか、設置時に重量が重すぎて取り扱いにくいおそれがある。見かけ密度は目付(kg/m2)÷厚さ(m)で求めることが出来る。
【0021】
また、吸音材の厚さは30mm〜120mmであれば好適な吸音性能が発揮され、40mm〜80mmであればさらに好適である。吸音材が30mmより薄いと、吸音材内を通過する騒音の減衰が不十分となるおそれがあり、120mmより厚くすると切断や設置の際に扱いにくいうえ、製造時に熱可塑性繊維をムラ無く加熱することができず、内部繊維結合強度が低い箇所ができる可能性がある。本発明の吸音材を2枚〜4枚重ねて使用することもでき、より騒音の減衰をはかることもできる。吸音材の厚さは、吸音材を水平な台上に置き、荷重しない状態で測定したときの厚さである。
【0022】
本発明の吸音材は少なくとも片面に絡合手段が施されていることもできる。絡合手段としてはニードルパンチなどの公知の方法を適用して、繊維ウエブや積層体に対して行なっても、熱可塑性繊維が融着した後に行なってもよいが、融着後に絡合処理をすると、繊維が切断したり、融着した繊維が再び剥離したりして繊維飛散を発生しやすくなるため、融着前に絡合することが好ましい。吸音材の嵩高さを維持するためには厚さ方向の全体を絡合する必要は無く、表面近い部分だけを絡合することが望ましい。ニードルパンチの場合針深さは1mm〜10mm程度程度であれば、表面の繊維脱落を十分に防ぐことができる。
【0023】
また、本発明の吸音材は撥水加工されていればより好適である。吸音材が雨などで濡れると吸音性能が低下するため、撥水加工によりこれを防ぐことができる。すなわち濡れた場合にも吸音材内部へ水が浸透しにくく、もし浸透したとしても、水分を保持しにくいので速やかに流出し、乾燥して吸音性能が回復する。また乾燥が速いことから、カビなどが発生する恐れがない。
【0024】
撥水加工とは、繊維の表面にシリコン系、フッ素系などの撥水剤を付着させて乾燥または熱処理して架橋する方法により行い、JIS L1092のはっ水度試験により3点以上であることが望ましい。撥水剤を付着させる方法としては、吸音材のかさ高さを維持するために、撥水剤をスプレーして乾燥する方式が好ましい。スプレー方式は繊維に対して行なってもよいし、ウエブの状態に対して、或いは繊維融着後の吸音材に対して行なっても良いが、繊維又はウエブ状態で撥水加工すると繊維結合の強さが低下するので、繊維融着後に行う方が好ましい。
【0025】
次に本発明の吸音材の製造方法について図1を用いて説明する。
【0026】
まず、前記のような熱可塑性繊維を用いて任意の方法でウエブを形成し、積層して積層体1を得る。特に乾式法によるウエブ形成および積層が望ましく、公知のクロス積層装置(図示しない)を用いてクロス積層してクロス積層体を得ることが好ましい。なお、積層体1の作成途中で、繊維が加熱されると、部分的に熱可塑性繊維が融着することがあり、吸音材内部の繊維密度が高い部分と低い部分ができて、繊維密度が低い部分の繊維結合強度が低下する恐れがあるので、これを防ぐために、積層体1は熱可塑性繊維が融着しないように常温で作成することが望ましい。
【0027】
次いで、必要であれば積層体1の片面又は両面にニードルパンチ装置2によってニードルパンチングを行なって絡合する。なお、図1では積層体1の片面のみに絡合を施しているが、両面を絡合する場合は積層体1を反転させて再度ニードルパンチングを行なう。絡合を行なうと、後述する加熱加圧工程での熱風6による繊維のズレを防ぐ効果もある。ニードルパンチの処理条件は適宜設定すればよいが、例えば針密度5本〜80本/cm2程度で繊維結合強度を向上する効果があり、針深さは1mm〜10mm程度で行なえば表面荒れを防止し、熱風6による繊維のズレを防ぐにも好適である。
【0028】
次いで、積層体1を厚さ方向に加圧した状態で積層体1内に熱風6を通過させて加熱する。熱風6としては、高温の空気を用いることが扱いやすいが、他の気体でもかまわない。加圧の圧力は適宜設定するが、加圧によって積層体1の見かけ密度が25kg/m3〜50kg/m3の範囲となるようにすることが望ましい。積層体1は加圧により隣接した繊維同士が密着して加熱されるので繊維同士が強固に融着できる。熱により繊維が軟化していると、加圧の圧力を低くできるので、加圧と熱風6を通過させることを同時に行なってもよい。熱風6の温度は熱可塑性繊維中の最も低融点の繊維(複合繊維の場合は低融点成分)の融点以上が望ましく、前記融点より10℃以上高い温度がさらに望ましく、上限は、高融点繊維の融点までとすることが望ましいが、風量や、吸音材の厚さ等により最適温度を調整する必要がある。この工程において熱可塑性繊維は少なくとも一部が溶融状態となる。
【0029】
加熱と加圧を同時に連続的に行う装置として、たとえば、図1に示したような、表面に多数の孔を有するコンベア3およびコンベア4で、積層体1を挟みかつ搬送しながら、孔部から熱風6を噴出することのできる装置10が好適に使用できる。コンベア3およびコンベア4は、表面に多数の孔を有するロールや、キャタピラー状に平板を並べたコンベアでもよく、キャタピラー状のコンベアの場合は、熱風6の噴出は平板の間隙から行なうか、コンベアに多数の孔をあけておいて行う。なお、熱風6は積層体1の上面、下面の両面に向けて噴出させてもよいが、上下面から同時に噴出すると熱風6の速度が減じて、積層体内部を通過しないおそれもあるため、片側ずつ交互に噴出したほうが良い。また片側の面だけに噴出させてもよいが、図1に示したように、片側の面に向けて噴出させつつ反対の面に接するコンベア4にサクションボックスなどの吸引装置8を設けて吸引すれば、積層体1の厚さが厚くとも熱風6が積層体1を通過できるので、最も好適である。
【0030】
なお、熱可塑性繊維が溶融した状態で除圧すると、積層体1の弾力により厚さが回復して、熱可塑性繊維の接点が離れてしまうので、熱可塑性繊維が溶融している積層体1を厚さ方向に加圧した状態で冷却し熱可塑性繊維同士を融着する。前記多孔やキャタピラー状のコンベア3、4を用いた装置の場合は、コンベア3、4間の間隙を保持したまま熱風を噴出させずに搬送するか、冷却を促進するために、熱風に代わって冷風7を噴出させて通過させても良い。なお冷風7を噴出させる場合も、上下両方から行なってもよいし、片方から行なってもよいし、吸引装置8を設けて吸引して冷風7が積層体1を通過することを促進しても良い。冷風7の温度は熱風6の温度に対して相対的に低ければよいが、常温の空気を用いることが合理的である。
【0031】
本発明の吸音材に撥水加工を施す場合は、積層体1作成前の繊維やウエブに行っても良いし、積層体1の作成後、熱風接着後のいずれの段階でもよい。撥水加工の方法としてはスプレー方式が望ましい。スプレー方式は吸音材のかさ高さを保って加工でき、乾燥のエネルギーコストが低く、設備を簡単にすることができるのでより好適である。
【0032】
【実施例】
以下、この出願発明の吸音材について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の条件にのみ限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で設計変更および変形を行ない得る。なお、実施例において内部繊維結合強度およびテープ方式による脱落繊維量は次の方法で測定した。
(内部繊維結合強度の測定法)
吸音材の表面から厚さ10mmごとに、表面に平行な平面でスライスして各層のサンプルとし、縦200mm×横50mm(縦サンプル)と縦50mm×横200mm(横サンプル)のサイズにカットし、それぞれ長手方向の一端から50mmのところまで他端に向かって、表面に平行な平面で厚さを2分する(5mmずつにする)ような切れ目を入れたものを引張試験機で測定した。切れ目を割るように開き、チャック間30mmに設定した引張試験機(オリエンテック社製 テンシロン)の上下のチャックにセットして、引張速度200mm/minで引張距離が100mmになるまで切れ目を引き裂いたときのその応力の最大値を、縦横3点ずつのサンプルについて測定して平均値を求め、内部の繊維結合強度とした。結果は表1に示した。
(テープ方式による脱落繊維量の測定法)
吸音材の片側の表面と、厚さの1/2の箇所で表面に平行な平面で切断した内部の面に、それぞれ、巾5cm、長さ10cmの布テープ(FORESTWAY 包装用布テープ)を貼りつけた。布テープを貼り付ける際は、重さ2kgの円筒形のおもりを、布テープ上に2回転がして吸音材に密着させた。チャック間30mmに設定した引張試験機(オリエンテック社製 テンシロン)の下のチャックに吸音材の端、上のチャックに布テープの端をセットして、引張速度200mm/minで布テープを長手方向に剥がしたときの応力の最大値を、テープ剥離強度として求めるとともに、剥がしたあとのテープに付着した脱落繊維の量を比較した。結果を表1および図2のグラフに示した。図2のグラフによれば、テープ剥離強度が低いことはすなわち繊維が容易に引きぬけてしまうことを意味し、脱落繊維量が多いことは内部の繊維結合強度が低いという関連性があることが分かった。
(実施例1)
熱可塑性繊維として、熱接着繊維(芯鞘型、芯鞘ともポリエステル、鞘部の融点110℃、繊度4.4dtex、繊維長51mm)、中空繊維(ポリエステル、繊度6.6dtex、繊維長51mm)、再生ポリエステル繊維(繊度4.4dtex、繊維長51mm)を準備し、表1に示した配合でブレンドし、常温においてカードおよびクロス積層装置により、クロス積層体1を作成した。このクロス積層体1を、図1に示したように、表面に多数の孔を有する上部コンベア3と、表面に多数の孔部を有する下部コンベア4との間隔を50mmに調節した装置に導入し、搬送しながら上部コンベア3の孔部から、熱風/冷風噴出装置5で120℃に熱した空気(熱風)6を噴出させつつ、下部コンベア4の孔部からは下コンベアの下部に設けた吸引装置8によって吸引し、約60秒の加熱により熱接着繊維を溶融させた。その後、引き続き上下コンベアの間隔を50mmに保ったまま冷風噴出部へと搬送し冷風7にて冷却して繊維を融着させた、見かけ密度35kg/m3、厚さ50mmの吸音材を作成した。この吸音材の内部繊維結合強度は最も低い層でも3.7N/50mmで、表面は毛羽立ちがなく、内部を切断する際にも繊維が抜けにくいしっかりとした吸音材であった。テープ方式によって測定した脱落繊維量は表面において1.0g/m2、内部の層において3.6g/m2という、少ないものであった。
(実施例2)
熱可塑性繊維の配合を表1に示した配合でブレンドし、カードおよびクロス積層装置によりクロス積層体1を作成した。この積層体1の片面に針密度50本/cm2で針深さ8mmでニードルパンチ加工を行い、ニードルパンチ後の積層体1を、実施例1と同じ装置を用い、上部コンベア3と下部コンベア4との間隔を100mmに調節した以外は実施例1と同じ条件で繊維を融着させ、見かけ密度25kg/m3、厚さ100mmの吸音材を作成した。この吸音材の内部繊維結合強度は最も低い層でも2.7N/50mmであり、表面の毛羽立ちがなく、内部を切断する際にも繊維が抜けにくいしっかりとした吸音材であった。特にニードルパンチを施した面を含む、10層目のサンプルは繊維結合強度が8.5N/50mmであり、手で擦っても表面が毛羽立たないほど、繊維同士が強固に結合していた。テープ方式によって測定した脱落繊維量は表面において0.6g/m2、内部の層において2.2g/m2という、非常に少ないものであった。
(比較例1)
熱可塑性繊維の配合を表1に示した配合でブレンドし、開繊した繊維を、ウエブを作成せずに130℃に熱せられた孔のないコンベア上に空気流により吹き付けて繊維集合体とし、135℃の熱風により加熱し、見かけ密度35kg/m3、厚さ100mmの吸音材を作成した。この吸音材の内部繊維結合強度は最も低い層で2.1N/50mmであり、表面には毛羽立ちが多く、その毛羽は手で簡単に抜ける程度であった。繊維結合強度の低い層ではスライスする際に繊維が容易に脱落した。テープ方式によって測定した脱落繊維量は表面において8.8g/m2、内部の層において27.6g/m2という、非常に多いものであった。
(比較例2)
熱可塑性繊維の配合を実施例1と同一配合とし、常温においてカード装置により開繊しモールド内に空気で繊維を搬送しした後、120℃の熱風を60秒通過させて繊維を接着繊維を融着し、さらに室温の空気を60秒通過して固着し、見かけ密度35kg/m3、厚さ50mmの吸音材を作成した。できあがった吸音材は均一に繊維が充填されたいなかったため硬さにムラがあった。また、表面もケバ立ち易くその毛羽は手で簡単に抜ける程度であった。テープ方式によって測定した脱落繊維量は、表面において7.5g/m2、内部の層において25.3g/m2という、非常に多いものであった。
【0033】
【表1】
繊維配合および繊維結合強度および脱落繊維量
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の吸音材は、熱可塑性繊維からなり、該吸音材を厚さ10mmごとに表面に平行な方向にスライスしたものの内部繊維結合強度が、すべて2.5N/50mm以上であるので、使用時の繊維飛散が少なく、吸音材の切断時でも切断面からの繊維飛散が少ないものである。また、熱可塑性繊維で形成されたウエブを積層し、厚さ方向に加圧した状態で積層体内部に熱風を通過させ、つづいて冷却することによって繊維同士を融着させて得られる吸音材は、内部の繊維が融着しているので内部の繊維結合強度が高く、繊維の見かけ密度が高く、吸音性能にもすぐれる。
【0035】
この積層体がクロス積層によるものであると、表面の毛羽立ちが少ない。また吸音材の少なくとも片面に絡合手段が施されていればさらに使用時の繊維飛散が少ない物である。また、吸音材が撥水加工されていると、雨などの水分がかかった場合も速やかに吸音材外へ流出するので乾燥が早く、吸音性能の低下がないうえ、カビなどの発生が抑えられる。
【0036】
また、本発明の吸音材の製造方法は、熱可塑性繊維でウエブを形成し積層する工程、得られた積層体を厚さ方向に加圧した状態で積層体内部に熱風を通過させて熱可塑性繊維を溶融する工程、熱可塑性繊維が溶融している積層体を厚さ方向に加圧した状態で冷却し熱可塑性繊維同士を融着する工程、とを含むので内部結合強度の高い吸音材を容易に得ることができ、連続的に生産させることも可能で、任意の長さの吸音材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音材の製造装置の一例を示す概略図
【図2】剥離強度と脱落繊維量の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 熱可塑性ウエブの積層体
2 ニードルパンチ装置
3 上部コンベア
4 下部コンベア
5 熱風/冷風 噴出装置
6 熱風
7 冷風
8 吸引装置
9 吸音材
10 加熱・加圧装置
Claims (6)
- 繊維長が25mm〜120mmの熱可塑性繊維からなる吸音材であり、該熱可塑性繊維は繊維の表面に低融点成分が一部露出している複合繊維を含んでおり、該吸音材を厚さ10mmごとに表面に平行な方向にスライスしたものの内部繊維結合強度が、すべて2.5N/50mm以上であることを特徴とする吸音材。
- 熱可塑性繊維で形成されたウエブがクロス積層された積層体からなる請求項1に記載の吸音材。
- 厚さが30mm〜120mmである請求項1〜請求項2のいずれかに記載の吸音材。
- 少なくとも片面に絡合手段が施されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の吸音材。
- 吸音材が撥水加工されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の吸音材。
- 繊維の表面に低融点成分が一部露出している複合繊維を熱接着繊維として含む熱可塑性繊維であり、且つ繊維長が25mm〜120mmの熱可塑性繊維でウエブを形成し積層する工程、得られた積層体を厚さ方向に加圧した状態で積層体内部に熱風を通過させて前記複合繊維の低融点成分を溶融する工程、低融点成分が溶融している積層体を厚さ方向に加圧した状態で冷却し熱可塑性繊維同士を融着する工程、とを含むことを特徴とする吸音材の製造方法。
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