JP4043966B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明はエンジンの気筒内に直接ガソリンを噴射する筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁(インジェクタ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料噴射弁には、霧化性能(燃料微粒化)やスワール性能を高めるために、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特開平8−296531号公報では、バルブボディ内の下部に筒状のスワラーを設け、このスワラーの内径にニードルバルブを摺動可能に貫通させ、ニードルバルブが当接する弁座部の下流側に内面がテーパ状で底面が球状凹面をなす燃料噴射室を形成し、この燃料噴射室の底面中心から噴射孔(燃料噴射口=オリフィス)を外部に貫通するように形成し、また、この噴射孔にはバルブボディ(燃料噴射弁本体)の軸線(中心線)に対して傾きを与えており、噴射孔の出口側に、該噴射孔に対して直角に平面部を形成している。
【0004】
特開平7−119584号公報では、スワールノズル(ノズルボディ)に弁座上流に位置するようにしてスワールカラー(燃料旋回手段)を設け、弁座下流に逆円錐形のサックホールを設け、このサックホールの延長線上に噴射孔(燃料噴射口=オリフィス)を設け、また、サックホールと噴射孔との中心線が一致して、この中心線がスワールノズル(燃料噴射弁本体)の軸線に対して傾きを与えてある。この従来例では、噴射孔に傾きを与えた場合であっても、スワール旋回中心線に対し直交する平面上で回転するスワールの回転中心が、噴射孔の中心線に沿う直線上の軌跡をほぼ描きながら、スワールが噴射孔に至る。このようにして、サックホール内でのスワール損失が小さくなって回転力の強いスワールが噴射孔に送られ、燃料の微粒化が促進されるとともに、噴霧角度が大きくなって燃焼室内の噴霧の広がりが良くなることで、燃焼効率が高められるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
気筒内(燃焼室内)に直接燃料を噴射する内燃機関においては、燃料噴射弁により噴射される噴霧の方向、形状、流量、流速(噴霧到達距離)が点火時における燃焼室内の混合気の濃度分布に大きな影響を与え、結果的にエンジン性能を左右する。
本発明の目的は、上記の要求に応えて、広範囲の回転域で安定したエンジン性能が得られる筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明になる燃料噴射弁は、一側の平面部に可動弁体を受ける逆円錐状の凹部を備え、他側の平面部に燃料噴射口を構成するオリフィスの出口が開口する突起部を備え、さらに前記逆円錐状の凹部の下流端と前記燃料噴射口の出口とをつなぐ前記オリフィスを有する弁座部材と、可動弁体の周囲で前記弁座部材の上流に設けられ、燃料を前記逆円錐状の凹部に向かって導く複数の燃料旋回溝を形成する部材と、を有する。前記突起部は、前記弁座部材の前記凹部のある平面部と反対側の平面部から半球状に突出する球面突起である。また、前記逆円錐状の凹部は、その中心線が前記可動弁体の軸線に一致するよう形成され、これらの線上に一致して前記逆円錐状の凹部の下流端に前記オリフィスの入口が設けられ、且つ前記オリフィスは、前記可動弁体の軸線及び前記逆円錐状の凹部の中心線に対して傾きを有する。前記オリフィスの長さは、前記球面突起の突出高さよりも長くした。
なお、上記構成をなす発明の実施例は、図16〜図17に示される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施例に係り、筒内噴射式エンジン(ガソリンエンジン)に使用する燃料噴射弁の縦断面図、図2はそのノズル部を拡大して燃料噴霧の噴射状態を示す説明図、図3(a)は図1の燃料噴射弁に用いるノズルボディの縦断面図、図3(b)はその下面図、図4は図3(a)の弁座部及び燃料噴射口付近を示す部分拡大図、図5はノズルボディに内装したスワールオリフィスを図2のX−X´線矢視方向からみた横断面図である。
【0009】
図1に示す燃料噴射弁1は、アクチュエータとして電磁コイルを用いた燃料噴射弁の一例である。アクチュエータの磁気回路要素として固定コア2,ヨーク(ケース)3,可動コア(プランジャ)4を備える。
【0010】
固定コア2は細長の中空筒体で軸方向にフランジ2Aを備え、このフランジ2Aよりも下半部がヨーク3に内装される。フランジ2Aはヨーク3の上部開口に嵌まり込み、ヨーク3の上部開口内周縁を加圧して符号50に示すように塑性流動させることで、固定コア2とヨーク3とを塑性結合している。なお、この結合はその他、加締めなどを用いても良い。フランジ2Aには、電磁コイル10のターミナル9が設けてある。
【0011】
固定コア2は、内部に燃料通路5が軸方向に貫通して形成され、燃料通路5の一端(燃料流入側と反対側の端部)には、可動コア4のリターンスプリング6が挿入され、このリターンスプリング6によって可動コア4が弁閉方向(弁座7方向)に付勢される。固定コア2の内部には、リターンスプリング6のばね力を調整するための中空のスプリングアジャスタ8が設けてあり、このアジャスタ8の内部が燃料通路5の一部を形成している。
【0012】
電磁コイル10は、モールド樹脂11で覆われ、そのコイルのボビン10A内に固定コア2の一部が挿入固定され、この固定コア2の一部と共に筒形のヨーク3内に内装されている。モールド樹脂11は、電磁コイル10を保護し及びリーク電流を防止する。18は燃料がコイル組立体側に流入するのを防止するシールリングである。
【0013】
電磁コイル10には、ターミナル9を介して駆動用の電気信号が印加される。ターミナル9は、ヨーク3の上方に配置したモールド樹脂成形体20内部に埋設され、その一端がコネクタ部20Aに位置してコネクタ端子を構成している。
【0014】
ヨーク3の下部には、有底筒状のノズル(ノズルボディ)15が固着してある。ノズル15の底部には、弁座7、燃料噴射口となるオリフィス17が設けられ、ノズル15内に該ノズル内底に支持される燃料旋回子(以下、スワラーと称することもある)16が配置される。スワラー16は弁座7の上流に位置する。
【0015】
スワラー16は、その中央に球弁(弁体)13のガイド孔(中央孔)16Aが設けられ、スワラー16の外周及び底部にノズル15内の燃料通路14とガイド孔16Aとを連通させる燃料通路16B,16B′が形成してある。
【0016】
図5にスワラー16を図2のX−X′線矢視図により底部側から見た図を示しており、スワラー16は、その外周が90°間隔で配置した4つ円弧部16Cと、円弧部間の溝部(燃料通路)16Bよりなり、円弧部16Cはノズル内周に密着し、溝部16Bはその開口側面がノズル15内周に被われて燃料通路を構成する。スワラー底部に形成された溝16B′は、ノズル内周に覆われて燃料通路を構成し、スワラー中心に対して通路方向が偏心することで、燃料通路溝16B,16B′を通過する過程で燃料に旋回力を付与する。このようにして、燃料通路16B´から流出して弁体13の周囲を通過する燃料に弁座部7上流で旋回力を与える。
【0017】
可動コア4は、先端に球弁13を固着した中空のプランジャロッド4Aと結合されている。プランジャロッド4Aの側壁に燃料通孔41が配設してある。21は可動コア4の開方向のストロークを規制するストッパである。
【0018】
固定コア2,ヨーク3,可動コア4は、磁性材で構成され、ロッド部4A,球弁13,ストッパ21,スプリングアジャスタ8は非磁性材で成形される。
【0019】
球弁13は、電磁コイル10の非通電時には、リターンスプリング6のばね力及び燃圧を受けて弁座7に接して閉弁状態を保持している。
【0020】
電磁コイル10に電気信号が印加され通電状態になると、固定コア2,ヨーク3,可動コア4で磁気回路が形成され、可動コア4が固定コア2側に磁気吸引される。また、球弁13も可動コア4と共にスワラー16内周にガイドされて移動し、弁座7から離れ、開弁する。
【0021】
開弁状態になると、燃料は、図示しない燃料ポンプ、燃圧レギュレータ及びアキュームレータ等の配管機器を経由して、固定コア2に設けた燃料通路5,フィルタ22,可動コア4内部,ロッド部4Aに設けた内部通路,燃料通孔41,ノズル(ノズルボディ)15内の通路14,スワラー16を通り、スワラー16で旋回力を付与されて弁座部7を有するテーパ状のホールで旋回しながらオリフィス17を介してエンジンの気筒内に直接噴射される。
【0022】
図2〜図4によりノズル15の構造について説明する。
有底筒状のノズル15の底壁15Aの中央部には、燃料の噴射口17となるオリフィスと、噴射口17の入口17Aの位置から上流に向けて径が拡がって球弁13の一部を受入れ且つ弁座部7を有する拡径ホール31とが形成される。本例では、拡径ホール31は逆円錐形で構成されるが、その一部を曲面としてもよい。
噴射口17を構成するオリフィスは、燃料噴射弁本体軸線Cに対して傾きを有し、この傾き角(偏向角)αは燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして5〜10°の範囲(ここでは、8.5°)で設定してある。
【0023】
噴射口17に偏向角αを与えることで、燃料噴射弁1から噴射される燃料噴霧47(換言すれば燃料噴霧中心線)は、燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして一方向(弁座部7側から噴射口17をみて噴射口17が偏向する方向)に偏向する。燃料噴霧17の中心線と噴射口軸線Eとは、燃料噴射弁本体Cを基準にして偏向角がほぼ一致し5〜10°である。
【0024】
ノズル15の噴射口17の出口周縁は、本例では後述する小突起30により形成されているが、この出口周縁30及び噴射口出口17Bは、燃料噴射弁本体軸線Cに非垂直な斜面をなす。ここでは、図4に示すように、出口周縁30のうち噴射口出口17B面より噴射側に出る斜面部30″を斜面上り側、噴射口出口17Bより反噴射側に後退する斜面部30´を斜面下り側と定義する。噴射口出口17Bを斜面にカットすることによって、少なくとも噴射口17の長さは非軸対称となる。なお、本例では、噴射口出口17Bの斜面と噴射口中心線Eとのなす角度を90°としているので、噴射口出口17Bの形状は真円となり、また。その出口17Bのエッジ角も軸対称である。噴射口出口17Bの斜面と噴射口中心線Eとのなす角度が非垂直(≠90°)であれば、出口17Bの形状及びエッジ角は非軸対称となり、その出口17Bの斜面角度を変えることにで、所望の噴射口出口形状が得られる。
【0025】
このように噴射口出口17Bを斜面にカットすると、旋回燃料の燃料噴霧は、図2に示すように、コーン形状を呈しつつ出口周縁30の斜面下り側30´の方の噴霧到達距離L1及び噴霧量が大きく、斜面上り側30″の方の噴霧到達距離L2が小さくなる噴霧パターンが得られた(L1>L2)。また燃料噴霧量も分布もL1側の多く、L2側が少ないことが確認された。
【0026】
その理由の一つとして次のようなことが考えられる。図4に示すように、噴射口17の出口17B及び出口周縁30端面を斜面にすることで、噴射口17の長さは非軸対称となり、その結果、噴射口17のオリフィス長lのうち出口周縁30の斜面上り側30″の方のオリフィス壁面長l2と斜面下り側30′の方のオリフィス壁面長l1とはl2>l1となり、弁座7の弁体31の接触位置から噴射口出口17Bまでの流路長Mも、出口周縁30の斜面上り側30″の方の長さM2と斜面下り側30′の方の長さM1とがM2>M1となり、旋回流の経路長Mが位置に応じて異なるため、圧力損失など流路壁面の影響に差が生じることである。この場合、経路長(流路長)Mの長い側(M2側)の損失が大きく、M2側の噴霧到達距離(貫通力,流速)も小さくなり(噴霧到達距離L2)、逆に経路長Mの短い側(M1側)の損失が小さく、M1側の噴霧到達距離が大きくなる(噴霧到達距離L1)。また、噴霧到達距離(噴霧速度)のほかに、燃料噴霧の流量分布に方向性をもたせることができる(M1側の燃料噴霧をM2側の燃料噴霧量よりも多い流量分布にすることができる)。なお、噴霧到達距離(流速分布)や噴霧流量分布に方向性を与える要素としては、そのほかに、噴射口17の出口周縁の斜面の傾き度合いにより噴霧出口形状を変えたり、噴射口出口エッジ角度を噴射口周方向の位置に応じて異ならせたり(出口エッジ角度の非軸対称)、噴射口に傾斜角度を与えたことによる噴射口入口17Aのエッジ角度や形状を変化させることが考えられる。
【0027】
すなわち本実施例の燃料噴射弁は、ノズル15の噴射口17から噴射される燃料噴霧47が、燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして一方向に偏向し、偏向する側の噴霧到達距離L1が大きく、偏向する側と反対側の噴霧到達距離L2が小さくなる噴霧形状(L1>L2)に設定されている。
【0028】
本実施例では、上記の出口周縁30を次のようにして確保している。
【0029】
噴射口17を有するノズル15の底部外面の中央に、高さが噴射口17のオリフィス長lよりも短い小突起30を形成し、噴射口17は、燃料噴射弁本体軸線Cに対して傾きを有し出口17Bを小突起30の位置に形成する。このようにすることで、小突起30が噴射口17の出口周縁の壁部となる。小突起(出口周縁)30の先端面は、弁座部7側から噴射口の出口17Bをみて、該噴射口の偏向方向側を低く、反偏向側を高くした斜面にしてある。
【0030】
球弁13、弁座径(弁体が接触する位置の径)、弁座角、オリフィス(噴射口)17、小突起30等の仕様は次の通りである。例えば、球弁の直径2mm、弁座径(弁体が接する位置のシート径)1.4mm、弁座角90°、オリフィス径0.6〜0.9mm、オリフィス長(オリフィス中心軸上のオリフィス長)はオリフィス径の0.3〜1.3倍、小突起30の直径2〜3mm、オリフィス出口周縁の斜面上り壁部の高さH2=0.43〜0.8mm、斜面下り壁部の高さH1=0.1〜0.46mmである。また、斜面の傾きγ=5〜10°(ここでは8.5°)である。
【0031】
本例の小突起30は、図3(b)のノズルボディ底面図に示すように、小突起の中心線Oに垂直な面が半円周よりも大きい円弧と該円弧の両端を結ぶ弦により囲まれる輪郭よりなる。小突起30の高さは、弦側の方を高く、弦側と反対側の方を低くして小突起先端面を斜面にしてある。噴射口17は小突起の中心線Oを基準にして噴射口入口17A側が弦側に偏り噴射口出口17B側が弦側と反対側に偏る傾斜にしてある。
【0032】
上記のように小突起30の輪郭を円弧と弦により構成し、この円弧と弦に噴射口17の傾き及び小突起先端面の斜面の方向性を合わせることで、円弧と弦を目印にして、燃料噴射弁の燃料噴霧の偏向方向を知ることができるようにしてある。
【0033】
図2,図4に示すように、本例の噴射口17(噴射口中心線E)は燃料噴射弁本体軸線Cに対して傾きを持って形成されているが、燃料噴射弁本体軸線Cと噴射口17の中心線Eとの交点Gが噴射口17を構成するオリフィス内に位置する。
【0034】
このように交点Gを噴射口17内に位置させると、図4に示すように、燃料噴射口17の入口17Aのエッジ角が弁座7径の中心線(弁座径中心線は燃料噴射弁本体軸線Cに一致する)対して非軸対称となる。この噴射口入口17Aの非軸対称も燃料噴霧形態に影響を及ぼすものと考えられる。
【0035】
弁座部7に閉弁時に接する弁体13は球形をなし、閉弁時に弁体13の球面先端が噴射口の入口17Aより下の位置にあって噴射口17内に入り込むよう設定してある。閉弁時の弁体先端は噴射口入口17Aと同レベル位置にあってもよい。
【0036】
このようにすれば、開弁時の弁体13先端面と噴射口入口17A間のデッドボリューム(遊び空間)を小さくし、旋回燃料の旋回力の減衰を極力なくして燃料を噴射することができる。燃料噴霧の旋回力を高める結果、燃料噴霧も旋回エネルギーの大きい外側が密で旋回エネルギーの小さい内側が粗な傾向のコーン形状の噴霧となり、このような形状にすることで、旋回エネルギーを有効に利用して燃料噴霧の微粒化を図ることができる。また閉弁時には残留燃料が付着しやすいデッドボリューム壁面を極力小さくすることで、残留燃料を溜りにくくし、その結果、空燃比精度を向上させる。
上記のデッドボリュームの低減による効果及び旋回エネルギーの向上は、球弁13の先端面を燃料噴射口入口17Aと同レベル或いは燃料噴射口に入り込ませなくとも、実験の結果、次の関係式を満足させることで得られることが判明した。
【0037】
すなわち、図9に示すように、弁座部7に閉弁時に接する弁体13の先端が弁座部7下流の噴射口17の入口17Aに臨み、弁体13が弁座部7に接する位置から噴射口入口17Aまでの距離をy、弁体13が弁座部7に接する位置から弁体先端までの距離をzとした場合、y≦2zである条件を満足すること。
【0038】
噴射口17の長さをl(この長さlは、噴射口中心軸上のオリフィス長である)、噴射口の直径をdとした場合、0.3<l/d<1.3に設定してある。ここで、l/dの下限値を0.3としたのは、これ以上小さくなると、燃料噴霧に意図する偏向角が得られず、また、1.3以上だと圧力損失が大きく噴霧粒径が大きくなり、要求噴霧粒径(100μm)を確保できなくなるためである。
【0039】
なお、本実施例のおける燃料の旋回方向は、図5の矢印に示すように、弁座下流側からみれば反時計方向であるが、弁座上流からみれば時計方向である。このようにしたのは、噴射口17の出口17B及び周縁30の先端面に斜面を設け、弁座中心軸Cを基準に噴射口17の入口17Aを出口周縁の斜面上り側30″に偏らせ、出口17Bを出口周縁の斜面下り側30´に偏るように噴射口17に傾きを設けた場合には、上記のように旋回燃料に方向づけした方がそれと逆回りの旋回方向よりも良好な偏向噴霧形態が得られたためである。
【0040】
既述したように、有底円筒形のノズル15は、図2に示すように、スワラー16となるチップを内装し、このチップ16は、中央に球弁(弁体)13のガイド孔16Aを有し外周及び下面に偏心した燃料通路16B,16B´を有するが、ノズル15の内周面のうちノズルの内底面15Bと交わるコーナー15Cからチップ16高さの中途位置でのチップ軸垂直面Qに交わる内周位置15Dにかけての内径を拡げ、この内径を拡げた内周部15Fのうちノズル15の内底面と交わるコーナ15Cをノズル内底のチップを受ける面15Bより下方に位置する窪み60にして設けた。
【0041】
このような構成によれば、ノズル15の内周面のうちチップ16を内装する箇所は、内径の異なる内周面により構成され、そのうち内径の小さい方の内周面15Gが内径の大きい方の内周面15Fの上流に位置してチップ16外側面の非燃料通路面(図5に示す円弧面16C)に密着し、一方、内径の大きい方の内周面15Fはノズルの内底面と交わるコーナー15Cからチップ高さの中途位置でのチップ軸垂直面Qに交わる内周位置15Dにかけて形成される。また、コーナー15Cが位置する窪み60は、内底面の周縁に形成したテーパ61がこの内径の大きい内周面15Fと交わることで形成される。径の異なる内周面15Gと15Fとの間の境界部15Dもテーパで形成される。なお、本例では、一例として、図3に示すように、内径の小さい方のノズル内周面15Gの内径DSをΦ5.9mm、内径の大きい方のノズル内周面15Fの内径DLをΦ6.2mm、内径差境界位置15Dのテーパ角Tθ1をノズル内周面を基準にして30°、窪み60を形成するテーパ角Tθ2をノズル内周面を基準にして60°、窪み60の深さHDをノズル内底面を基準にして0.26mm、拡径内周溝15Fの幅Wを3mmとした。スワラー16の燃料通路16B´の溝幅は0.4m、溝高さは0.19mmである。
【0042】
このような径を拡げた内周部(内周溝)15Fを形成し、かつコーナー15Cを窪み16に設けることで、次のような作用,効果が得られる。
【0043】
従来例の場合には、図19に示すように本願発明のような拡径内周面15Fを有さないために、スワラーの燃料通路が単純なエルボ形に曲がる形状であり、このような通路構造のコーナー部では強い燃料剥離が起きて流路の圧力損失を大きくしている。これに対して、本実施例品の場合には、図18に示すように拡径内周面15Fがコーナ部15C付近の燃料流路の拡張にもたらして流速を落して剥離による圧力損失を減らすことができる。なお、燃料はコーナー部15Cを通過した通路が再び絞られるので流速は回復する。また、ノズルの拡径内周部15Fの入口,出口にテーパ15D,61を設けることにより、流路の広がり損失と細まり損失の発生を極力抑えている。
【0044】
したがって、上記のノズル内周構造により、燃料噴霧の旋回エネルギーの向上、ひいては燃料微粒化を促進させることができる。
【0045】
ノズル15のうち底部外面は研磨加工し、また、燃料噴射弁本体軸線Cに対して非垂直面とすることで、煤付着及び燃料が付着しにくいように配慮してある。
【0046】
図6,7は上記した本発明に係る燃料噴射弁1を筒内噴射式ガソリンエンジンの燃焼システムに適用した例を、気筒の一部を縦断面して示す説明図である。
【0047】
図6において、40は気筒(シリンダ)、41は点火プラグ、42はピストン、43は吸気通路、44は排気通路、45は吸気弁、46は排気弁である。
【0048】
点火プラグ41は一般に気筒40の上部(シリンダヘッド)中心に気筒軸線Aと一致させて取り付けてあり、この軸線Aを挾んで、一方に吸気弁45が、他方に排気弁46が設けてある。
【0049】
燃料噴射弁1は、気筒40の上部位置で、吸気弁45寄りの気筒周縁近くに、気筒軸線Aに垂直な面Bに対して斜めになる適宜角度で取り付けられている。このようにして、燃料噴射弁1は燃料噴射弁本体軸線Cが気筒軸線Aに斜めに交差する角度で取り付けられる。
【0050】
燃料噴射弁1の気筒40への取り付けは、噴射口17のうち噴射方向に向いてみたときに偏向する側となる方(例えば、図2の図面では噴射口17における図面に向かって右側の側壁30a)を点火プラグ41側に向け(上向き)、反偏向側となる方(図2の図面では噴射口17における図面に向かって左側の側壁30b)を反点火プラグ側に向けて(下向き)設置される。
【0051】
このような燃料噴射弁取り付けにより、燃料噴射弁1は、気筒40内に臨む噴射口17が上記の噴射口傾き角αを利用して燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして角度αだけ点火プラグ側に偏向角を有するように設定される。噴射口17に偏向角αを与えることで、図7に示すように燃料噴射弁1から噴射される燃料噴霧47(換言すれば燃料噴霧中心線D)は、燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして点火プラグ41側に偏向する。燃料噴霧の中心線Dと噴射口軸線Eとは、燃料噴射弁本体Cにを基準にして偏向角がほぼ一致し5〜10°である。
【0052】
ここで、燃料噴射口17の燃料噴射弁本体軸線Cに対する偏向角αを5〜10°の範囲に設定する理由は、5°以下では燃料噴射弁1のエンジン取付角の制約から図7に示すような要求噴霧方向の角度β1(偏向噴霧の偏向角β3)を確保することができず、また、10°以上だと噴射弁の流路損失(圧力損失)が大きくなり、要求噴霧到達距離を確保し難くなるためである。
【0053】
本例によれば、燃料噴射口17を点火プラグ41側に偏向させることで、噴射される燃料噴霧47も、燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして点火プラグ41側に図7に示すようにβ3だけ偏向させることが可能になる。偏向角β3は燃料噴射弁本体軸線Cと燃料噴霧47の中心線Dとのなす角度である。
【0054】
図7おける、β1は要求される目標噴霧方向の角度で、気筒軸線Aに垂直な面Bと燃料噴霧中心線Dとのなす角度で表わされる。要求噴霧方向β1は、エンジンの形状,寸法等により決まり、必ずしも一様ではない。β2は燃料噴射弁1のエンジンへの取り付け角度であり、上記の基準面Bと燃料噴射弁本体軸線Cとのなす角度で表わされる。
【0055】
要求噴霧方向の角度β1と燃料噴射弁取付角度β2とに角度差がある場合には、燃料噴霧の偏向角β3をβ3=β2−β1になるように設定すれば、β1を確保することができる。
【0056】
また、本例の燃料噴射弁1によれば、燃料噴霧47はコーン形状を呈するが、噴霧中心線Dを基準にして軸対称にならず、点火プラグ41側に偏向する側の噴霧到達距離(貫通力)L1が大きく、偏向する側と反対側(ピストン42のキャビティ42a側)の噴霧到達距離L2が小さくなる噴霧形状を得ることができる。
【0057】
燃料噴霧を点火プラグ側に偏向させることによって、成層燃焼モード時に直接的に点火プラグ41周辺に燃料噴霧を集中させる度合いを高める。特に、図6に示すように、燃料噴射弁1の噴射口のある位置での点火プラグ軸線(点火プラグ軸線は気筒軸線に一致する)Aの垂直面Bを基準にして、燃料噴射弁1から噴射される燃料噴霧47のうち点火プラグ寄りの方の燃料噴霧側47´の方角が垂直面Bよりも点火プラグ41側に向くように設定すれば、燃料噴霧47のうち点火プラグ寄りの方の燃料噴霧側47´が直接点火プラグ41に指向して、点火プラグ41の周りの集中的な混合気形成を促進させ、燃費節約を図りつつ混合気の着火性を確保できる。
【0058】
また、成層燃焼モードによる燃料噴射は、エンジン燃焼室(気筒内)が高圧下の圧縮行程時に行われるため、燃料噴霧の広がりが小さくなる傾向にあるが、本実施例では燃料噴霧47の噴霧方向を点火プラグ41側に偏向させた分だけ燃料噴霧エリアを拡げて噴霧角θを拡げることが可能なので、燃料噴霧広がりが要求以上に小さくなるのを防いで、適度に燃料噴霧を点火プラグ周辺に集中させるためのコンパクトな噴霧が得られる。噴霧角θは、燃料噴霧47をその中心線Dを通るように断面したときの断面(平面)上の噴霧広がり角である。均質燃焼モード時には、圧力の低い吸入行程時に燃料噴射が行われ、広がりのある燃料噴霧を得られるが、本発明では、噴霧方向を点火プラグ側に偏向させた分だけ今まで以上に燃料噴霧エリア(燃料噴霧角θ)をより広げることが可能になり気筒内の燃料の均質化を高める。
【0059】
上記の点火プラグ側の偏向噴霧に加えて、図6に示すように点火プラグ側に偏向する噴霧到達距離L1を大きく、偏向する側と反対側の噴霧到達距離L2を小さくすると、到達距離の長いL1の方は着火性を確保する高速成分となり、また、到達距離の短いL2の方は、ピストンのキャビティ42a側に向かうが短い分だけピストン冠面に付着するのが防止されて、未燃成分を抑制し煤排出を低減する低速成分となる。
【0060】
この燃料噴霧形状は、燃焼サイクルにより圧力が大きく変化する気筒内(燃焼室内)での実測が困難であるために、種々の燃料噴霧形状のパターンと作り出し、この噴霧形状を大気圧下のもとであらかじめ測定して、これをエンジンに取り付け燃焼試験を行なったところ、燃圧5〜9MPa場合には、大気圧下で、噴霧偏向角(燃料噴射弁本体の中心線Cに対する偏向角)が点火プラグ側に5〜10°(最適値は7°)、燃料噴霧の偏向する側の噴霧到達距離L1と偏向する側と反対側の噴霧到達距離L2との比がL1/L2=1.1〜1.4、燃料噴霧角が70〜90°(最適値85°)である場合に、成層燃焼モード及び均質燃焼モードの性能安定性が高く、また、アイドリング時(550rpm)の成層燃焼モードにおいて、偏向噴霧なしでは平均A/F=40で燃焼が成立しなかったのが偏向させることにより平均A/F=40でも燃焼可能で、目標であるCPi(燃焼圧変動率)<5%、スモーク(BSU)<0.3の両立も可能になった。ここで、成層燃焼モード時の平均A/Fとは、図8に示すように、点火プラグ周辺に集中する混合気層イとその周辺の空気層ロの双方のA/Fを平均したもので、本例では混合気層イはA/F=15、空気層=50、平均A/F=40といった超希薄空燃比でも良好な燃焼を実現することができた。
【0061】
均質燃焼モードにおいても出力向上を保持しつつ、スモークを従来の1/2〜1/4と大幅に低減させることができた。
【0062】
従って、従来に比べてより広範囲の回転域で安定したエンジン性能を得られる結果となった。
【0063】
なお、燃料噴射弁の要求噴霧方向と取付角度が燃料噴霧の偏向なしに適合する場合には、偏向噴霧を必要とせず、この場合には、上記燃料噴霧の到達距離L1,L2の関係(L1>L2)に重点をおいて設定すればよい。すなわち、この場合には、要求噴霧方向の角度β1と噴射弁取付角度β2とがβ1=β2であるので、燃料噴霧の偏向設定を行わず、燃料噴霧形状は、コーン形状であるが点火プラグ寄りの方の噴霧到達距離L1が大きく、反点火プラグ寄りの噴霧到達距離L2が小さくなるよう設定する。
【0064】
図10に上記した燃料噴射弁1におけるノズル15の他の態様例を示す。
【0065】
本例では、ノズル15の噴射口17の出口17B平面が噴射口の中心線Eの垂直面Rに対して傾斜している。例えば、垂直面Rに対する噴射口出口17B平面のなす角度は1.5°である(すなわち、噴射口の中心線Eと噴射口出口平面17Bのなす角度は例えば88.5°であり、噴射口の中心線Eと垂直面Rとのなす角度より1.5°小さくしてある)。このような角度差1.5°を確保するため、噴射口軸線Eと噴射弁本体軸線Cとのなす角度αが8.5°にしてある場合には、噴射口出口平面17B平面と噴射弁本体軸線Cの垂直面とのなす角度γは10°である。
【0066】
また、突起30の斜面上り側30″の高さH2は、例えば、0.43mm、斜面下り側30′の高さH1は0.1mmである。
本例によれば、第1実施例よりも噴射口17の経路長M1,M2の長さの差を大きくすることができ(M2>M1)、また、噴射口17の出口形状の任意の楕円形状及び出口エッジ角度を非軸対称とすることができ、これらの要素により、燃料噴霧到達距離L1,L2に差(L1>L2)を与えることが可能になる。すなわち、旋回流の経路長Mが噴射口周方向で不等長となり、それにより圧力損失など壁面の差が生じ、加えて出口エッジ角度の差も生じるために噴射口周方向に位置で噴霧速度が異なり、経路長の長い方M2の噴霧速度が遅く、経路長の短い方M1の噴霧速度が速くなる。この傾向は噴射口出口平面17Bの傾斜角度を大きくすることで強まる。噴射口出口平面17Bの噴射口中心線Eの垂直面Rに対する傾斜角度を大きくするほど、噴霧量分布を流速分布(噴霧到達距離)同様に経路長の短いM1側を大きくすることもできる。すなわち、経路長Mの不等長を利用することで、噴霧速度・噴霧量分布に方向性を持たせることができ、このことを利用して、噴霧の形状、流量・流速分布を任意に変化させることができる。
【0067】
図11の例では、図10の例同様に、ノズル15の噴射口17の出口17B平面が噴射口中心線Eの垂直面Rに対して傾斜しているが、噴射口17の軸線Eは燃料噴射弁本体C軸線に対して傾きを有さない態様のものである。
【0068】
本例でも、噴射口17の経路長M1,M2の長さの差を大きくすることができ(M2>M1)、また、噴射口17の出口形状を変化させ及び出口エッジ角度を非軸対称とすることができ、これらの要素により、燃料噴霧到達距離L1,L2や噴霧分布に差(L1>L2)を与えることが可能になる。ただし、偏向噴霧ではないので、燃料噴射弁1の取付角度だけで要求噴霧方向の角度が得られる場合に好適である。
【0069】
図12の例では、ノズル15には、既述した各実施例と同じく噴射口17となるオリフィスと、該噴射口17の入口17Aの位置から上流に向けて径が拡がって弁体(球弁)13の一部を受入れ且つ弁座部7を有する逆円錐形ホール(燃料旋回空間)31とが形成されているが、次の点で異なる。
【0070】
噴射口出口17Bの平面と噴射口中心線Eの垂直面Rに角度差を与えず、また、噴射口17は噴射弁本体軸線Cに対して傾きを有さず、噴射口周縁となる突起30の先端面(噴射口出口平面)も噴射弁本体軸線C及び噴射口17の中心線EBに対して垂直面であり、斜面とはしていない。
【0071】
また、噴射口17が噴射弁本体軸線Cに対してオフセットしている。このオフセットにより、噴射口17は、逆円錐形ホール31の中心線及び球弁13の軸線に対してもオフセットすることになる。
【0072】
このような構成によれば、噴射口17の入口17Aは、オフセットする側(図面12では、紙面に向かって噴射弁本体軸線Cを基準にして右側)から反オフセット側(紙面に向かって噴射弁本体軸線Cを基準にして左側)に向けて下り勾配となる。
【0073】
スワラー16の燃料通路溝16B´から流出する旋回燃料は、スワラー16の燃料通路溝16B´の出口から噴射口入口17Aの斜面頂点エッジまでの経路Y1までは、軸対称の逆円錐ホールにて燃料噴射弁本体軸線Cを中心に旋回するため、流速が周方向に一様と考えられる。上記の噴射口入口17Aの斜面頂点エッジから噴射口出口17Bまでの経路Y2では、噴射口17が噴射弁本体軸線Cに対してオフセットすることで、旋回燃料は噴射弁本体軸線Cを基準にして非軸対称の経路を通る。このような旋回燃料の経路によれば、経路Y2では、旋回燃料の軸線Cを基準にしてオフセット側の燃料通路壁面までの距離が大で反オフセット側の燃料通路壁面までの距離が小となるが、旋回燃料は旋回軸線Cを基準にして半径方向に外側の流速が速くなる関係から、旋回燃料は、オフセット側の燃料通路壁面に沿った流速が大で反オフセット側の燃料通路壁面の流速が小となる流速差の生じた流速分布が発生する。すなわち、旋回燃料経路Y2は、旋回燃料中心Cに対してオフセットすることで上記のような流速差の生じる流速分布が生じる。その結果、噴射口17から噴射される旋回燃料噴霧(コーン形噴霧)は、オフセット側の方が反オフセット側よりも流速(噴霧到達距離)・流量を大きくすることができる。
【0074】
したがって、旋回燃料の旋回力に合わせて上記のオフセット量を設定し、且つ、適切な噴射口長さ、噴射口径を設定すれば、所望の噴霧形状、流速・流量分布を得られる。
【0075】
図13は、図12の噴射口オフセットを偏向角を有する噴射口に適用した例である。
【0076】
すなわち、ノズル15には、弁座部7と、該弁座部7の下流に位置する噴射口17と、該噴射口17と弁座部7との間に位置する燃料旋回空間S(逆円錐形ホール31)とが形成される。噴射口17は燃料噴射弁本体軸線Cに対して傾きを有し、燃料旋回空間Sが燃料噴射弁本体軸線Cを中心に軸対称に設定され、噴射口の入口17A中心が燃料噴射弁本体軸線Cに対してオフセットしている。噴射口17の偏向方向は、弁座部7から噴射口出口17Bをみてオフセット方向である。
【0077】
本例では、燃料噴霧を偏向させながら、偏向方向の噴霧流速(噴霧到達距離)や流量を反偏向方向よりも大きくすることができる。
【0078】
上記のように噴射口17が偏向している場合、偏向度合いに応じて噴射口入口17Aの形状を種々変えることができ噴霧分布は偏る傾向を持っているが、噴射口入口17Aを旋回中心Cに対してオフセットすることによりその傾向を強めたり弱めたりして所望の噴霧形状、流速・流量分布を得ることができる。
【0079】
図14は燃料噴射弁1は、その内部構造を図示していないが、今までに述べた偏向噴射口を有する燃料噴射弁の変形例で、例えば、図2に示すようなスワラー16の燃料通路16B´の出口を通路16B´よりも間口を大きくして、この拡大した空間により燃料溜り空間を確保したものである。このようにすれば、燃料噴射の噴射初期に燃料溜りに存在する燃料もあわせて噴射されるが、この燃料溜りの燃料は旋回力を有さないため、その後に続く旋回燃料の内部で噴射される噴霧形態となる。このような噴霧形態を望む場合に利用されるもので、図15にその噴霧形態を利用した筒内噴射式ガソリンエンジンの燃焼システムを示す。
【0080】
図16は、本発明の他の例を示す燃料噴射弁の全体構成図、図17の(a)は、該燃料噴射弁に用いるノズルの全体を示す縦断面図、(b)はその噴射口付近を示す部分拡大断面図である。
【0081】
本例の燃料噴射弁も図3同様の偏向噴霧及び噴霧到達距離をL1>L2の関係に設定することを意図するものである。ここでは、図3の燃料噴射弁の構造と異なる点について述べる。
【0082】
本例は、図17に示すように、ノズル15のボディ先端中央部の内面にプレス加工により逆円錐形でその逆円錐先端にアールをつけた凹部31´を形成し、この凹部面31´に弁座部7が形成される。ノズル15のボディ先端外面の中央部は、上記プレス加工により突出して半球状の小突起30−1が形成され、この小突起30−1の肉厚に燃料噴射口17が燃料噴射弁本体軸線(ノズル軸線)Cに対して傾きを有して形成されていることを特徴とする。
【0083】
本例でも、弁座の弁体接触位置から噴射口17の出口17Bまでの距離(旋回燃料経路長)は、弁座側から噴射口をみて偏向側の方が短く反偏向側の方を長くすることができ、また、噴射口17の入口17A及び出口17Bのエッジ角を非軸対称にすることにより、燃料噴霧の到達距離を偏向側で大きく反偏向側で小さくすることができ、また、その噴射口の偏向角を任意に変えることで、燃料噴霧の所望の形状、流速・噴霧分布を得ることができる。
【0084】
また、本願は、プレス加工と噴射口の穿孔加工により小突起30−1中に燃料噴射口を容易に形成する利点がある。
【0085】
実施例によれば、筒内噴射式ガソリンエンジンに適用することで、一つの燃料噴射弁により成層燃焼モード、均質燃焼モードのそれぞれの合った燃料噴霧形態を作り出し、燃費向上,出力向上を図り、広範囲の回転域で安定したエンジン性能が得られる。
【0086】
以下実施例のバックグランドを説明する。
【0087】
高出力、低燃費、低公害という社会的要求を満たすガソリンエンジンとして、筒内噴射式の燃料噴射弁を用いたもの(筒内噴射式ガソリンエンジン)が注目されている。発想自体はかなり以前からあったが、燃焼室に直接燃料を噴射するため、実施化するためには従前は高圧噴射技術,耐圧性,耐熱性等のクリアすべき課題が残されていたが、現代における制御技術や生産技術のめざましい進歩によって、量産が可能な技術水準となり、自動車メーカ各社が市販または開発試作段階にある。
【0088】
筒内噴射式の燃料噴射弁は、噴射弁本体をエンジンに取付けた状態において燃焼室(気筒内)に直接臨む燃料噴射口を有するノズル、燃料通路の開閉を行なう弁体、弁体を開弁(吸引)させるための電磁コイル、閉弁させるためのスプリング、磁気回路を形成するヨーク、コア等からなる。また、弁座上流で燃料に旋回力を与えるスワラー(燃料旋回手段)、動的噴射量の調整を行なうスプリングアジャスタ等を備えている。
【0089】
このような筒内噴射式の燃料噴射弁の構造上の特徴は、噴霧液滴の微粒化(気化時間の短縮)、高噴射率化(噴射時間の短縮)のために3〜10MPaと燃料圧力が高圧になるため、0.3MPa程度である従来の筒外噴射式の燃料噴射弁と比較して耐圧性,油密性が強化されていることと、ノズルが燃焼ガスにさらされるため耐熱性、気密性が強化されている。
【0090】
筒内噴射式ガソリンエンジンの燃焼においては、燃料噴射弁より噴射される噴霧の特性・形状は非常に重要である。エンジンの燃焼モードには、均質燃焼と成層燃焼とがあり、これらの燃焼モードを図8に示す。
【0091】
均質燃焼はエンジンサイクルの吸気行程の間に燃料を噴射し、圧縮行程を経て点火・燃焼するまでに燃焼室内の混合気をほぼ理論空燃比(A/F≒15)に均質化するような燃焼であり、ガソリンが気化熱を奪って吸入空気を冷却するために、体積効率が向上し、また燃焼ガス温度がさがるため従来のポート噴射エンジンより高出力化できる。均質燃焼での噴霧は燃焼室全体に燃料を拡散させる必要があるため、広く均一な噴霧(混合気)が必要であり、シリンダ壁面に燃料が付着して液膜とならないよう噴霧速度は低いことが望ましい。均質燃焼モードは、加速運転や高負荷運転のように出力重視のときに行なわれる。
【0092】
成層燃焼は圧縮行程中に燃料を噴射し、スワール,タンブルといった気流やピストン冠面のキャビティ等を利用して点火プラグ周りに燃えやすい混合気を集中させ、その周りには空気層を形成して、シリンダ内全体でみれば超希薄燃焼となるような燃焼で、燃費を大幅に向上できる。成層燃焼モードは、燃費重視であり、低負荷、アイドル運転時等に行なわれる。成層燃焼における噴霧は、点火プラグ周辺に集中させるためコンパクトな噴霧が望ましいが、背圧が高くなると噴霧の広がりは小さくなる性質があるので、高圧縮時に噴射した場合、噴霧は大気噴射に比べて広がらない。
【0093】
上記した従来公知例の燃料噴射弁の本体は、筒内噴射方式の場合、一般に気筒上部に取り付けられるが、燃料噴射口を燃料噴射弁本体軸線を基準にして、それよりもピストン冠面のキャビティ側(反点火プラグ側)に偏向させ、キャビティに向けての偏向噴霧を行なって、成層燃焼時にキャビティの形状を利用して点火プラグ側に燃料噴霧の向きを変えるようにしてある。
【0094】
特開平5−33739号公報には、噴霧ノズルとカバーとの間にエア室を形成し、エア室からのアシストエアを各エア噴出孔を介してスワールチャンバー内に接線方向に噴出させ、噴出孔からの噴射燃料を旋回させつつ、噴出穴からエンジン気筒内に直接噴射させることが記載されている。
【0095】
特開平6−221249号公報には、1つの燃焼室内に設けた2本のインジェクタのうち、一方のインジェクタの噴霧角を他方のインジェクタの噴霧角に比較し広角側に設定するとともに、その狭角側インジェクタを広角側インジェクタに比較して点火プラグに近づけて配置し、狭角側インジェクタは少なくとも軽負荷域で、広角側インジェクタは高負荷域で使用することが記載されている。
【0096】
上記した成層燃焼モードでは、点火プラグ周辺に燃料噴霧を集中させることがポイントであり、均質燃焼モードでは、気筒内に広く均一に燃料噴霧を行なうことがポイントであり、また、均質燃焼、成層燃焼に共通して噴霧粒径は気化時間短縮のため小さいほど良い。さらに、燃料噴射量のばらつきをなくすことが必要である。
【0097】
実施例の目的は、上記の要求に応えて、一つの燃料噴射弁により成層燃焼モード、均質燃焼モードのそれぞれに合った燃料噴霧形態を作り出し、燃費向上,出力向上を図り、広範囲の回転域で安定したエンジン性能が得られる筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁を提供することにある。
【0098】
上記目的を達成するための実施例の実施態様を以下説明する。
【0099】
すなわち、弁体の周囲を通過する燃料に弁座部の上流で旋回力を与える燃料旋回手段と、旋回燃料を噴射するノズルとを備えた筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁において、前記ノズルの噴射口から噴射される燃料噴霧は、燃料噴射弁本体軸線を基準にして一方向に偏向し、偏向する側の噴霧到達距離が大きく、偏向する側と反対側の噴霧到達距離が小さくなる噴霧形状に設定されていることを特徴とする。
【0100】
上記構成によれば、図6に示すように燃料噴射弁1を、気筒40の上部位置に燃料噴射弁本体軸線Cが気筒軸線Aに交差(この交差は立体的,平面的いずれの交差も含む)する角度を有して取付けた場合(換言すれば燃料噴射弁1を気筒軸線Aに垂直な面Bに対して斜め角度に取り付けた場合)であっても、気筒内40に直接噴射される燃料噴霧を、燃料噴射弁本体軸線Cを基準にして点火プラグ41側に偏向させることが可能になる。また、上記の点火プラグ側の偏向噴霧に加えて、点火プラグ側に偏向する噴霧到達距離L1を大きく、偏向する側と反対側の噴霧到達距離L2を小さくすることが可能になる。
【0101】
このような偏向噴霧によれば、成層燃焼モード時に直接的に点火プラグ周辺に燃料噴霧を集中させる度合いを高める。また、成層燃焼モードによる燃料噴射は、エンジン燃焼室(気筒内)が高圧下の圧縮行程時に行われるため、燃料噴霧の広がりが小さくなる傾向にある。この燃料噴霧が小さくなる傾向は、成層燃焼モードで要求されるコンパクトな混合気形成領域を作る上で必要であるが、あまり燃料噴霧の広がりが小さすぎると、良好な混合気形成領域が得られなくなる。実施例では噴霧方向を点火プラグ側に偏向させた分だけ燃料噴霧エリアを拡げて噴霧角を拡げることが可能なので、燃料噴霧広がりが要求以上に小さくなるのを防いで、適度に燃料噴霧を点火プラグ周辺に集中させるためのコンパクトな噴霧が得られる。均質燃焼モード時には、圧力の低い吸入行程時に燃料噴射が行われ、広がりのある燃料噴霧を得られるが、実施例では、噴霧方向を点火プラグ側に偏向させた分だけ今まで以上に燃料噴霧エリア(燃料噴霧角)をより広げることが可能になり気筒内の燃料の均質化を高める。
【0102】
また、要求噴霧方向の角度β1(β1は図7に示すように気筒軸線Aに垂直な面Bと燃料噴霧中心線Dとのなす角度である)を、燃料噴射弁1のエンジン取付角β2(β2は図7に示すように気筒軸線Aに垂直な面Bと燃料噴射弁本体軸線Cとのなす角度である)だけではエンジン取付角の制約から実現できない場合であっても、実施例では、燃料噴霧を燃料噴射弁本体軸線Cを基準に点火プラグ側に偏向させるので、この噴霧偏向角β3と燃料噴射弁取付角β2とを利用することで、要求噴霧方向の角度β1を得ることができる。
【0103】
上記の点火プラグ側の偏向噴霧に加えて、点火プラグ側に偏向する噴霧到達距離L1を大きく、偏向する側と反対側の噴霧到達距離L2を小さくした場合には、到達距離の長いL1の方は着火性を確保する高速成分となり、また、到達距離の短いL2の方は、短い分だけピストン冠面に付着するのが防止されて、未燃成分を抑制し煤排出を低減する低速成分となる。
【0104】
以上の作用により、成層燃焼モードに要求される超希薄燃焼を実現し、また、均質燃料モードに要求される出力向上,低スモークを実現することができる。
【0105】
なお、燃料噴射弁の要求噴霧方向と取付角度が適合する場合には、偏向噴霧を必要とせず、この場合には、ノズルの噴射口を偏向させず、噴射される燃料噴霧について、点火プラグ寄りの方の噴霧到達距離が大きく、反点火プラグ寄りの噴霧到達距離が小さくなるように設定すればよい。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、筒内噴射式ガソリンエンジンの広範囲な回転域で安定したエンジン性能が得られる筒内噴射式ガソリンエンジン用の燃料噴射弁が提供される。
本発明は筒内噴射式ガソリンエンジン用の燃料噴射弁として用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料噴射弁の一例を示す縦断面図。
【図2】 図1に示す燃料噴射弁のノズル部付近を示す説明図。
【図3】 (a)は上記燃料噴射弁に用いるノズルのボディ単体を示す縦断面図、(b)はその底面図。
【図4】 図3の要部拡大断面図。
【図5】 図2のX−X´線矢視図。
【図6】 (a)は本発明の燃料噴射弁を筒内噴射式ガソリンエンジンに適用した例を示す説明図、(b)はその噴射弁のノズル部付近を示す図。
【図7】 上記燃焼システムに用いる燃料噴霧の目標噴霧方向と燃料噴射弁の取付け角度の関係を示す説明図。
【図8】 成層燃焼モードと均質燃焼モードの説明図。
【図9】 図3(a)の要部を拡大して弁座径から燃料噴射口入口までの距離yと弁座から弁体先端までの距離zの関係を示す説明図。
【図10】 上記ノズルの別の例をしめす部分断面図。
【図11】 上記ノズルの別の例をしめす部分断面図。
【図12】 上記ノズルの別の例をしめす部分断面図。
【図13】 上記ノズルの別の例をしめす部分断面図。
【図14】 ノズルの噴霧形態の他の例を示す説明図。
【図15】 筒内噴射式ガソリンエンジンの別の例を示す説明図。
【図16】 燃料噴射弁の他の実施例を示す縦断面図。
【図17】 (a)は図16の燃料噴射弁に用いるノズル単品の縦断面図、(b)はその拡大断面図。
【図18】 本発明に係るスワール付きノズルの燃料の流れの挙動を示す説明図。
【図19】 従来のスワール付きノズルの燃料の流れの挙動を示す説明図。
【符号の説明】
1…燃料噴射弁、7…弁座、13…弁体、15…ノズル、15F…ノズルの拡径内周面、16…燃料旋回素子(スワラー)、17…噴射口、30…小突起、40…気筒、41…点火プラグ、42…ピストン。
Claims (3)
- 軸方向に往復動する可動弁体と、
当該可動弁体を収容するノズル部と、
当該ノズル部に設けられ、その一側平面部に前記可動弁体を受ける逆円錐状の凹部を備え、他側の平面部に燃料噴射口を構成するオリフィスの出口が開口する突起部を備え、さらに前記逆円錐状の凹部の下流端と前記燃料噴射口の出口とをつなぐ前記オリフィスを有する弁座部材と、
前記ノズル部の前記可動弁体の周囲で前記弁座部材の上流に設けられ、燃料を前記逆円錐状の凹部に向かって導く複数の燃料旋回溝を形成する部材と、を有し、
前記突起部は、前記弁座部材の前記凹部のある平面部と反対側の平面部から半球状に突出する球面突起であり、
前記逆円錐状の凹部は、その中心線が前記可動弁体の軸線に一致するよう形成され、これらの線上に一致して前記逆円錐状の凹部の下流端に前記オリフィスの入口が設けられ、且つ前記オリフィスは、前記可動弁体の軸線及び前記逆円錐状の凹部の中心線に対して傾きを有し、
前記オリフィスの長さは、前記球面突起の突出高さよりも長くし、
前記凹部は、前記凹部の可動弁体接触位置であるシート高さを基準にして、前記オリフィスの傾きの偏向側を反偏向側よりも低くして、前記オリフィスの入口の開口縁は、前記オリフィスの偏向側の位置を反偏向側の位置よりも低くし、
前記オリフィスの出口の開口縁は、前記オリフィスの偏向側の位置の球面突起の突出高さを反偏向側の突出高さよりも低くしたことを特徴とする筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁。 - 請求項1に記載したものにおいて、前記半球状の球面突起の中心からずれた位置に前記燃料噴射口の出口が形成されている筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁。
- 請求項1に記載したものにおいて、前記弁座部材の前記一側平面部に燃料旋回素子が設けられており、当該燃料旋回素子と前記弁座部材の前記一側平面部との間に前記複数の燃料旋回溝が形成されている筒内噴射式エンジン用の燃料噴射弁。
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