JP4043749B2 - モップ絞り器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は床などの拭き掃除に使用するモップを水で洗浄したときに、モップの水を絞り取るモップ絞り器、特に病院における洗浄に使用して好適なモップ絞り器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病院における床などの拭き掃除では、院内感染の予防のため、粉塵を巻き上げないで、埃と汚れを除去することが要求されるとともに、従来の清掃用モップよりも確実に埃と汚れが除去されることが必要である。
そこで、発明者は、上記目的に適応した粉塵回収率が高く、しかも清掃後の付着菌数の極めて少ない再生セルローススポンジを使用したモップ(以下、スイングモップと言う。)を用いている。
図10及び図11は、スイングモップaを図示したものであり、図10はスイングモップaの斜視図、図11はその部分拡大側面図である。bはハンドル、cはスライドグリップハンドル、dはサムスロット、eはリンケージ嵌合スロット、fはモップハンドル、gは金属リンクロッド、hは金属絞りワイヤー、iは絞りアーム、jはハンドルソケット、kはシュラウドボディー部分、lは金属パドル、mはスポンジモップパッドである。
【0003】
操作においては、清掃時、モップaは図10に示されるモッピング位置にあり、金属パドルlは図11の破線に示すように通常水平位置にあって、適正な水を含んだスポンジモップパッドmで床を清掃する。ついで、水槽の水でスポンジモップmを洗浄したのち、スポンジモップmから水を除去する場合には、手動でスライドグリップハンドルcをモップハンドルbに沿って下げる。これによって金属リンクロットgが下方に移動する。ついで金属リンクロットgに回転自在に連結された金属絞りワイヤーh、h及び絞りアームi、iが回動し、図示省略のスプリングの抵抗に抗して図11中矢印に示すように金属パドルl、スポンジモップパッドmは水平方向から垂直方向に回動し、スポンジモップパッドm、mが折り畳まれ水が絞り出される。
このスイングモップaでは、スポンジモップパッドmを中央から二つ折りに曲げる方式なので、大きな腕力が必要であり、病院の清掃を主に担当している女性の腕力では足りない場合があり、軽い方式で水絞りができるものが要求されていた。
また、最近では、金属リンクロットgがなく手動で直接金属絞りワイヤーh、hを下方に回転させて絞りアームi、iを回動させてスポンジモップパッドm、mを折り畳む方式に簡素化されているが、これでも水絞りでの腕力が必要となりその軽減化が要求されていた。
また、このスイングモップaでは、折り曲げを繰り返すことによってスポンジモップパッドmの劣化が激しくその対策が望まれていた。
更に、このスイングモップaでは、折り曲げた際に、相対するスポンジモップパッドm、mに加わる圧力が長手方向の位置によって異なるため、絞り出された後のスポンジモップパッドm、mに含まれる水分が均一でなく、床掃除の場合に掃除ムラが生じることがあって、床掃除時のスポンジモップパッドm、mの水分が均一になる方策が要求されていた。
【0004】
そこで、発明者は、上記問題を解決するため、スポンジモップパッドを取り付けたモップ及び上記スポンジモップパッドに含まれる清掃水を絞るモップ絞り器において、上記モップ及びモップ絞り器のうち一方に設けられた挿入体と、他の一方に設けられた上記挿入体の嵌合部材と、上記嵌合部材又は上記挿入体の下方で上記モップ絞り器に配設された受材と、上記挿入体又は上記嵌合部材と上記受材との間隔を変えることができる回動自在な可動機構と、からなるモップ及びモップ絞り器等を発明して特願2000−404438号及び特願2001−59245号で特許出願した。
【0005】
図12及至図16は特願2001−59245号で特許出願したものの第一実施例に係るものを図示したもので、図12は斜視図、図13は側断面である。また、図14はスポンジ付きモップの正面図、図15はその側面図、図16はその作用説明図である。
図12及至図16において、31は図示省略の清掃用水を貯留する箱形の水槽で、同水槽31の上部は開口している。32は水槽31の前板、33は水槽31の側板、34は水槽31の後板、35は側板33,33間に架設された円柱。なお、この円柱35は固定でも回転自在でも良い。36は円柱35に載上されている受板、37は受板36の上方に適宜な間隔で側板33,33間に架設された押し板である。38は押し板37の両端に設けられ側板33に回転自在な軸である。39は押し板37の前方に設けられた凹部である。40は押し板37の上面に固定された補強板、41は受板36と押し板37とを固定する支柱、42a,42bは支柱41の長さを調整する上部ナット、下部ナットである。そして、受板36上面と押し板37下面との間の支柱41,41の長さは、図14及び図15に示すスポンジ付きモップ43のスポンジモップパッド44とスポンジモップパッド44を固定保持する金属板45との厚さよりも小さい長さになるように上部ナット42a又は下部ナット42bで調整する。すなわち受板36上面と押し板37下面との最小間隔は、スポンジモップパッド44が厚さ方向に適宜な厚さまで圧縮される程度の間隔である。なお、図14および図15において、47は金属板45とモップ柄46とを固定する固定枠である。
【0006】
このように構成された実施例において、まず、受板36と押し板37との間の支柱41の長さが、図14及び図15に示すスポンジモップパッド44と金属板45との厚さよりもやや小さい間隔になるように上部・下部ナット42a、42bの回転によってあらかじめ調整しておく。そして、スポンジ付きモップ43のスポンジモップパッド44を水槽31内の図示省略の清掃水中に潜水させ、スポンジモップパッド44に付着した汚れを洗浄する。ついで、図16に示すように受板36と押し板37との間にスポンジ付きモップ43のスポンジモップパッド44と金属板45とを挿入する。ついでモップ柄46を図16中A方向に回動させると金属板45の前端部と押し板37の前端部との接触面を支点線Pとして押し板37が図中A方向に回動し、スポンジモップパッド44は受板36と押し板37との間で挟圧され、清掃に好適な所望の含水量に絞られる。そして、絞り出された水は、受板36にあけられた図示省略の複数の穴及び側面から下方に落ち水槽31内に溜まる。ついで、モップ柄46を図16中B方向に回動させ、スポンジモップパッド44及び金属板45を受板36と押し板37との間から抜き取り、次の清掃作業に取りかかる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この従来方式では、汚れた水を含んでいるスポンジ付きモップ43のスポンジモップパッド44及び金属板45を受板36と押し板37との間に挿入し、モップ柄46を図6中A方向に回動させてスポンジモップパッド44に含まれていた汚水を絞り出す方式であるので、スポンジモップパッド44に含まれた汚水を絞り出す力が直接受板36と押し板37にかかり、したがって受板36、押し板37及びその剛性を確保する水槽31が充分に剛性を有する設計が必要である。すなわち、水槽31が充分に剛性を有する構造にするため材料代が高くなるとともに水槽自体が重たいものになっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一発明は、モップに含まれる清掃水を絞るモップ絞り器であって、同絞り器は軸まわりに回動自在な受板および同受板と間隔を保って取り付けられた押し板を有し、上記モップを上記受板と押し板の間に挿入してモップ柄を押し下げると上記受板が上記軸まわりに回動して上記押し板および受板の間の狭まる間隔に上記モップが挟圧されて上記モップから清掃水が絞られるように構成され、かつ、上記絞り器は、絞られた上記清掃水を受ける水槽の上方支柱に脱着自在に懸架された構成を有することを特徴とするモップ絞り器である。
また本発明の第二発明は、上記第一発明によるモップ絞り器における上記水槽が台車に搭載され、上記モップ絞り器が上記台車に固定された支柱に上記水槽の上方位置で脱着自在に懸架された構成を有するモップ絞り器である。
さらに、本発明の第三発明は、上記第一又は第二発明によるモップ絞り器が、その枠体内に配設された押し板と、上記押し板の下方に上記枠体内に回動自在にかつ上記押し板との間隔がモップの厚さよりも小さい間隔を有するように受板が配置されているモップ絞り器である。
【0009】
【実施例】
本発明の一実施例を、図1及至図6に図示する実施例で説明する。
図1は実施例のモップ絞り器の斜視図、図2はその正面図、図3はスポンジ付きモップをモップ絞り器に挿入してモップパッドに含まれた清掃水すなわち汚水を絞り出す作用を示す図、図4はモップ絞り器を支柱に懸架した状態の側面図、図5はその正面図、図6は図4の背面図である。
図1及至図6において、1はモップ絞り器、2はモップ絞り器1の断面図コの字型の枠体であり、上下は開口されており、枠体2は背面板2aと側板2b、2bとで構成されている。3は側板2b、2bとの間に固定された押圧体である押圧板。なお、この押圧板3は両側端が側板2b、2bに固定されていても良く、また、図2に示すように、側板2b、2bに固定されてなく枠体2の背面板2aに固定されていても良い。4は受板で、受板4の両端は断面山型の吊り下げ板5、5が取り付けられており軸6、6で回動自在になっている。7は受板4にあけられた複数の穴である。8a、8aは枠体2の側板2b、2bから突設して取り付けられ溝9、9を有する枠体懸架型材、8bは枠体2の背面板2aから突設して取り付けられた図示省略の溝を有する枠体懸架型材。なお、この枠体懸架型材8a、8a及び枠体懸架型材8bは両方ともあっても良く、また一方のみ有っても良い。また、スポンジ付きモップ10は図3に示すようなもので、10aは柄、10bは柄10aと固定板10cとを固定する固定杆、10dは金属板で、同金属板10dにスポンジモップパッド10eがマジックテープなどで付着されている。
【0010】
そして、水槽11は図4及至図6に示すように台車12の底板12a上に搭載されている。台車12は前方に2個のキャスター12b、12b、後方に2個のキャスター12c、12cが取り付けられている。台車12には上方に伸びた2本の支柱12d、12dが固定されており、その上端部は上部支柱12eで連結されており、この上部支柱12eには台車12を押す場合、押す手に具合が良いようにゴム輪12f等が環装されている。12gは支柱12d、12dの中間部に固定された中部支柱で、中部支柱12gの両端は下方に伸びて縦支柱12h、12hを形成し、その先端は更にほぼ直角に曲がって懸架用支柱12i、12iを形成している。そして、懸架用支柱12i、12iと支柱12d、12dとの間には、補強のためにL字型の補強用支柱12j、12j及びL字型補強用支柱12j、12j間の上、下に取り付けられた補強用横支柱12k、12kが取り付けられている。
【0011】
このように構成された実施例において、図4及至図6に示すようにスポンジ付きモップ10のスポンジモップパッド10eを水槽11内の図示省略の清掃水中に潜水させ、スポンジモップパッド10eに付着した汚れを洗浄する。ついで、図3に示すように、スポンジ付きモップ10の金属板10d及びスポンジモップパッド10eを押圧板3と受板4との間に挿入し、柄10aを図中矢印C方向に回動させると、受板4が吊り下げ板5、5を介して軸6、6を回転軸として図中矢印方向Dに回動し、それに従って押圧板3と受板4との間隔が狭まりスポンジモップパッド10eは圧縮され、スポンジモップパッド10eに含まれた清掃水は、清掃に好適な所望の含水量に絞られる。そして、絞り出された水は、受板4にあけられた複数の穴7、7、7、・・・及び側面から下方に落ち水槽11内に溜まる。
次に、図3中矢印E方向に柄10aを回動させると、受板4が吊り下げ板5、5を介して軸6、6を回転軸として図中矢印F方向に回動し、それに従って押圧板3と受板4との間隔が広がりスポンジ付きモップ10は取れ易くなるので、スポンジ付きモップ10をモップ絞り器1から取りはずし次の清掃作業を行う。
【0012】
この場合、スポンジモップパッド10eに含まれる清掃水を絞り出すためには、図3中矢印C方向に示す柄10aにかける力はかなり強い力を加える必要がある。
その際、従来例に示す場合には、柄10aに加える強い力に対抗するには水槽を強い強度を持つ設計にしなければならなかったが、本実施例では、柄10aにかける強い力は、懸架用支柱12iを介して台車12全体に伝えられるで、柄10aに加える強い力に対抗するために水槽11の強度を強くする必要はない。
【0014】
【発明の効果】
以上、本発明の実施例及び他の実施例で述べたように本発明によって次の効果が得られる。
(1) 従来、水槽は、モップに含まれる清掃水を絞り出すために必要な圧搾力に耐えられる強度を有する必要があったが、本発明では水槽の強度はその必要がない。
(2) したがって、水槽の軽量化が出来る。
(3) スポンジモップパッドの挟圧する機構がきわめて簡単なので、製作が容易に出来、かつスポンジモップパッドの絞り作業が容易になる。
(4) 構造がシンプルなので、清掃業者のみならず家庭のフローリングに適応した大型化・小型化が可能であり、幅広く使用することが出来る。
(5) スポンジモップパッドを中央から折り曲げて圧搾して、含まれている水分を絞り出す方式でないので、スポンジモップパッドの劣化を防止できる。
【0015】
(6) スポンジモップパッド全面に均一に加わる圧搾力で、含まれている水分を絞り出すので、スポンジモップパッド全面の含水率が均一になり清掃後の清掃ムラが生じない。
(7) 従来、病院等での清掃には、箒掃き、ダストモップ掛け、水拭きの三工程で行っていたのが、スポンジモップ拭きの一工程で済むので、清掃に要する人件費が大幅にコストダウンできる。
(8) 特に病院内での清掃では、均一な水を有するスポンジモップパッドで清掃するので清掃後の乾燥も短時間ですみ院内感染予防に効果的である。
(9) 水槽内でスポンジモップパッドを絞るので、圧搾力で絞り出された水が飛散することがなく衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のモップ絞り器の斜視図である。
【図2】 本発明の実施例のモップ絞り器の正面図である。
【図3】 本発明の実施例のモップ絞り器の作用説明図である。
【図4】 本発明の実施例で、モップ絞り器が台車に懸架された状態の側面図である。
【図5】 本発明の実施例で、モップ絞り器が台車に懸架された状態の正面図である。
【図6】 本発明の実施例で、モップ絞り器が台車に懸架された状態の背面図である。
【図7】 従来のスポンジ付モップの斜視図である。
【図8】 従来のスポンジ付きモップの絞られた位置にある状態を示す部分拡大斜視図である。
【図9】 従来のモップ絞り器の斜視図である。
【図10】 従来のモップ絞り器の側断面図である。
【図11】 スポンジ付きモップの正面図である。
【図12】 スポンジ付きモップの側面図である。
【図13】 スポンジ付きモップの絞り状態を示す従来のモップ絞り器の作用説明図である。
【符号の説明】
1・・・モップ絞り器
2・・・枠体
2a・・・背面板
2b・・・側板
3・・・押圧板
4・・・受板
5・・・吊り下げ板
6・・・軸
7・・・穴
8a・・・枠体懸架型材
8b・・・枠体懸架型材
9・・・溝
10・・・スポンジ付きモップ
10a・・・柄
10b・・・固定杆
10c・・・固定板
10d・・・金属板
10e・・・スポンジモップパッド
11・・・水槽
12・・・台車
12a・・・底板
12b・・・前方キャスター
12c・・・後方キャスター
12d・・・支柱
12e・・・上部支柱
12f・・・ゴム輪
12g・・・中部支柱
12h・・・縦支柱
12i・・・懸架用支柱
12j・・・補強用支柱
12k・・・補強用支柱
Claims (3)
- モップに含まれる清掃水を絞るモップ絞り器であって、同絞り器は軸まわりに回動自在な受板および同受板と間隔を保って取り付けられた押し板を有し、上記モップを上記受板と押し板の間に挿入してモップ柄を押し下げると上記受板が上記軸まわりに回動して上記押し板および受板の間の狭まる間隔に上記モップが挟圧されて上記モップから清掃水が絞られるように構成され、かつ、上記絞り器は、絞られた上記清掃水を受ける水槽の上方支柱に脱着自在に懸架された構成を有することを特徴とするモップ絞り器。
- 上記水槽が台車に搭載され、上記モップ絞り器が上記台車に固定された支柱に上記水槽の上方位置で脱着自在に懸架された構成を有することを特徴とする請求項1に記載のモップ絞り器。
- 上記モップ絞り器が、その枠体内に配設された押し板と、上記押し板の下方に上記枠体内に回動自在にかつ上記押し板との間隔がモップの厚さよりも小さい間隔を有するように受板が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のモップ絞り器。
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