JP4043726B2 - モップ絞り器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は床などの拭き掃除に使用したモップを水で洗浄したときに、モップの水を絞り取るモップ絞り器、特に病院における洗浄に使用して好適なモップ絞り器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病院における床などの拭き掃除では、院内感染の予防のため、粉塵を巻き上げないで、埃と汚れを除去することが要求されるとともに、従来の清掃用モップよりも確実に埃と汚れが除去されることが必要である。
そこで、発明者等は、上記目的に適応した粉塵回収率が高く、しかも清掃後の付着菌数の極めて少ない再生セルローススポンジを使用したモップ(以下、スイングモップと言う。)を用いている。
図11及び図12は、スイングモップaを図示したものであり、図11はスイングモップaの斜視図、図12はその部分拡大側面図である。bはハンドル、cはスライドグリップハンドル、dはサムスロット、eはリンケージ嵌合スロット、fはモップハンドル、gは金属リンクロッド、hは金属絞りワイヤー、iは絞りアーム、jはハンドルソケット、kはシュラウドボディー部分、lは金属パドル、mはスポンジモップパッドである。
【0003】
操作においては、清掃時、モップaは図11に示されるモッピング位置にあり、金属パドルlは図12の破線に示すように通常水平位置にあって、適正な水を含んだスポンジモップパッドmで床を清掃する。ついで、水槽の水でスポンジモップパッドmを洗浄したのち、スポンジモップパッドmから水を除去する場合には、手動でスライドグリップハンドルcをモップハンドルbに沿って下げる。これによって金属リンクロットgが下方に移動する。ついで金属リンクロットgに回転自在に連結された金属絞りワイヤーh、h及び絞りアームi、iが回動し、図示省略のスプリングの抵抗に抗して図12中矢印に示すように金属パドルl、スポンジモップパッドmは水平方向から垂直方向に回動し、スポンジモップパッドm、mが折り畳まれ水が絞り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このスイングモップaでは、スポンジモップパッドmを中央から二つ折りに曲げる方式なので、大きな腕力が必要であり、病院の清掃を主に担当している女性の腕力では足りない場合があり、軽い方式で水絞りができるものが要求されていた。
また、最近では、金属リンクロットgがなく手動で直接金属絞りワイヤーh、hを下方に回転させ絞りアームi、iを回動させてスポンジモップパッドm、mを折り畳む方式に簡素化されているが、これでも水絞りでの腕力が必要となりその軽減化が要求されていた。
また、このスイングモップaでは、折り曲げを繰り返すことによってスポンジモップパッドmの劣化が激しくその対策が望まれていた。
更に、このスイングモップaでは、折り曲げた際に、相対するスポンジモップパッドm、mに加わる圧力が長手方向の位置によって異なるため、絞り出された後のスポンジモップパッドm、mに含まれる水分が均一でなく、床掃除の場合に掃除ムラが生じることがあって、床掃除時のスポンジモップパッドm、mの水分が均一になる方策が要求されていた。
【0005】
そこで、発明者等は、上記問題を解決するため、スポンジモップパッドを取り付けたモップ及び上記スポンジモップパッドに含まれる清掃水を絞るモップ絞り器において、上記モップ及びモップ絞り器のうち一方に設けられた挿入体と、他の一方に設けられた上記挿入体の嵌合部材と、上記嵌合部材又は上記挿入体の下方で上記モップ絞り器に配設された受材と、上記挿入体又は上記嵌合部材と上記受材との間隔を変えることができる回動自在な可動機構と、からなるモップ及びモップ絞り器等を発明して平成12年12月19日付で特許出願した。
【0006】
図13及び図14はその第一実施例に係るものを図示したもので、図13において、21はスポンジ付モップ、22はスポンジモップパッド、23はスポンジモップパッド22を固定保持する金属板、24はモップ柄25と金属板23とを固定する固定杆、26は挿入杆で、同挿入杆26は固定杆24に連続しており、金属板23から突出して先端が細くなっている。
また、図14において、27は図示省略の清掃用水を貯留する箱形の水槽で、同水槽27の上部は開口している。28は水槽27の上部端部に設けられた半円形の突出部で、同突出部28、28には回転自在な回転軸29が軸支されている。30は中央部31が刳りぬかれた圧縮用枠体で、同圧縮用枠体30の一端側すなわち後枠32には回転軸29が固定され、他端側すなわち前枠33の中央部には挿入用環34が固定されている。35は水槽27に架設された圧縮用受板で、同圧縮用受板35は挿入用環34に対向する位置で水槽27の中間上部に取付られている。すなわち圧縮用枠体30と圧縮用受板35との最小間隔は、スポンジモップ22が厚さ方向に適宜な厚さまで圧縮される程度の間隔である。36は水槽27の上部と圧縮用枠体30との間に懸架されたスプリングで、同スプリング36、36は自然状態では圧縮用枠体30が水槽27上方に離れる方向に力が働くように離勢力が生じている。37は圧縮用受板35にあけられた排水用の穴であり、これは複数本の溝でも良い。
【0007】
このように構成された実施例において、スポンジ付きモップ21のスポンジモップパッド22を水槽27内の図示省略の清掃水中に圧縮用枠体30の中空部31を通して潜水させ、スポンジモップパッド22に付着した汚れを洗浄する。ついで、スポンジ付モップ21の挿入枠26を水槽27の挿入用環34内に挿入し、モップ柄25をスプリング36,36の離勢力に抗して図13及び図14中に示すA方向に回動させる。これによって、スポンジモップパッド22は圧縮用枠体30と圧縮用受板35との間で挟圧され、清掃に好適な所望の含水量に絞られる。そして、絞り出された水は、圧縮用受板35にあけられた複数の穴37,37,37,・・・及び側面から下方に落ち水槽27内に溜まる。
スポンジ付モップ21の挿入杆26が挿入用環34から取り外されると、スプリング36,36の離勢力で圧縮用枠体30は図14に示すB方向に回動する。
なお、本実施例では、スポンジ付モップ21側に挿入杆26、水槽27側に挿入用環34が取り付けられているが、逆に水槽27側に挿入杆、スポンジ付モップ21側に挿入用環を設けても良い。
【0008】
ところがこの実施例においては、スポンジ付モップ21には金属板23から突出した先端が細くなっている挿入杆26を取りつける必要があり、またモップ絞り器すなわち水槽27の圧縮用枠体30には挿入用環34を取り付ける必要があった。
そこで、発明者等は更に改良することを試み上記問題を解決し、次に述べる発明を得るに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一発明は、剛性体に付着されたスポンジモップパッドに含まれる清掃水を絞るモップ絞り器において、上記モップ絞り器の両側板に両端を支持した円柱上に変位可能に配設された受材および同受材と間隔を保って上記モップ絞り器の両側板に回転自在に軸によって取り付けられた押し板を有し、同受材と押し板の間に間隔を設ける支柱が上記受材および上記押し板を貫通し、上記押し板および受材との間に上記剛性体に付着されたスポンジモップパッドを置いてモップ柄を押し下げると上記剛性体の少なくとも1点が上記押し板に接触する支点と上記受材との間隔が変化し上記スポンジモップパッドの変形および変位に追随して上記受材を変位させつつ上記スポンジモップパッドが絞られるように構成されていることを特徴とするモップ絞り器である。
【0010】
また、本発明の第二発明は、第一発明において、上記支柱と上記押し板および受材との間に弾性体を設けたモップ絞り器である。
【0012】
更にまた、本発明の第三発明は、第一発明又は第二発明において、上記円柱が回転するモップ絞り器である。いずれも更にシンプルな機構で上記課題の解決を図るものである。
【0013】
【実施例】
図1及至図3および図6は、本発明の第一実施例を示すもので、図1は斜視図、図2はその正面図、図3はそのIII−III線矢視側断面である。また、図4はスポンジ付きモップの正面図、図5はその側面図、図6はその作用説明図である。図1において、1は図示省略の清掃用水を貯留する箱形の水槽で、同水槽1の上部は開口している。2は水槽1の前板、3は水槽1の側板、4は水槽1の後板、5は側板3,3間に架設された円柱である。なお、この円柱5は固定でも回転自在でも良い。6は円柱5に載上されている受板、7は受板6の上方に適宜な間隔で側板3,3間に架設された押し板である。8は押し板7の両端に設けられ側板3に回転自在な軸である。9は押し板7の前方に設けられた凹部である。10は押し板7の上面に固定された補強板、11は受板6と押し板7とを固定する支柱、12a,12bは支柱11の長さを調整する上部ナット、下部ナットである。そして、受板6上面と押し板7下面との間の支柱11,11の長さは、図4及び図5に示すスポンジ付きモップ13のスポンジモップパッド14とスポンジモップパッド14を固定保持する金属板15との厚さよりも小さい長さになるように上部ナット12a又は下部ナット12bで調整する。すなわち受板6上面と押し板7下面との最小間隔は、スポンジモップパッド14が厚さ方向に適宜な厚さまで圧縮される程度の間隔である。なお、図4および図5において、17は金属板15とモモップ柄16とを固定する固定枠である。
【0014】
このように構成された第一実施例において、まず、受板6と押し板7との間の支柱11の長さが、図4及び図5に示すスポンジモップパッド14と金属板15との厚さよりもやや小さい間隔になるように上部・下部ナット12a、12bの回転によってあらかじめ調整しておく。そして、スポンジ付きモップ13のスポンジモップパッド14を水槽1内の図示省略の清掃水中に潜水させ、スポンジモップパッド14に付着した汚れを洗浄する。ついで、図6に示すようにスポンジ付きモップ13を受板6と押え板7との間にスポンジモップパッド14と金属板15とを挿入する。ついでモップ柄16を図6中A方向に回動させると金属板15の前端部と押え板7の前端部との接触面を支点線Pとして押し板7が図中A方向に回動し、スポンジモップパッド14は受板6と押し板7との間で狭圧され、清掃に好適な所望の含水量に絞られる。そして、絞り出された水は、受板6にあけられた図示省略の複数の穴及び側面から下方に落ち水槽1内に溜まる。
スポンジモップパッド14は受板6と押し板7との間で挟圧されると変形するとともに変位するが、受板6は円柱5に載置された状態でスポンジモップパッド14の変形、変位に追随して変位するので、スポンジモップパッド14の下面は受板6との間で挟圧状態のもとで摺動されないので払拭面が傷められることがない。
ついで、モップ柄16を図6中B方向に回動させ、スポンジモップパッド14及び金属板15を受板6と押し板7との間から抜き取り、次の清掃作業に取りかかる。
【0015】
図7及至図10は、本発明の第二実施例を示すもので、図7は斜面図、図8はその正面図、図9はそのIX−IX線矢視側断面図である。なお、図7及至図10において符号1及至7,9,11及至15は、図1及至図6における符号1及至7,9,11及至15と均等物なので説明を省略する。
そして、図7及至図10において、18aは支柱11が押え板7を貫通する貫通上部端に設けられた上部突出部、18bは支柱11が受板6を貫通する貫通下部端に設けられた下部突出部、19aは上部突出部18aと押え板7の上面に懸架された上部スプリング、19bは下部突出部18bと受板6の下面に懸架された下部スプリングである。なお、スプリングは、支柱11を二分割しその間に設けても良い。
【0016】
このように構成された第二実施例において、スポンジ付きモップ13のスポンジモップパッド14を水槽1内の図示省略の清掃水中に潜水させ、スポンジモップパット14に付着した汚れを洗浄する。ついで図10に示すようにスポンジ付きモップ13を受板6と押え板7との間にスポンジモップパッド14と金属板15とを挿入する。ついで、モップ柄16を上部・下部スプリング19a、19a、19b、19bの離勢力に抗して図10中に示すA方向に回動させると金属板14の前端部と押え板7の前端部との接触面を支点線Pとして押し板7が図中A方向に回動し、スポンジモップパッド14は受板6と押し板7との間で狭圧され、清掃に好適な所望の含水量に絞られる。そして,絞り出された水は、受板6にあけられた図示省略の複数の穴及び側面から下方に落ち水槽1に溜まる。
ついで、スポンジ付モップ2を受板6と押し板7との間から取りはずすと上部・下部スプリング19a、19a、19b、19bの離勢力で押し板7は図9中に示すB方向に回動する。
【0017】
【発明の効果】
以上、本発明の第一実施例及び第二実施例で述べたように本発明によって次の効果が得られる。
(1) モップの金属板と水槽の押え板との接触線を支点としてスポンジモップパッドを狭圧するきわめて簡単な機構なので、制作が容易に出来、かつ清掃モップの絞り作業が容易になる。
(2) 構造がシンプルなので、清掃業者のみならず家庭のフローリングに適応した大型化・小型化が可能であり、幅広く使用することができる。
(3) 洗浄水で汚れを取り除いたスポンジモップパッドに含まれている水分をモップの柄を利用したテコの応用により軽く絞れるので、腕力の弱い人や女性でも気軽にしかも快適に作業ができる。
(4) スポンジモップパッドを中央から折り曲げ圧搾して、含まれている水分を絞り出す方式でないので、スポンジモップパッドの劣化を防止できる。
【0018】
(5) スポンジモップパッド全面に均一に加わる圧窄力で、含まれている水分を絞り出すので、スポンジモップパッド全面の含水率が均一になり清掃後の掃除ムラが生じない。
(6) 従来、病院等での清掃には、箒掃き、ダストモップ掛け、水拭きの三工程で行っていたのが、スポンジモップ拭きの一工程で済むので、清掃に要する人件費が大幅にコストダウンできる。
(7) 特に病院内での清掃では、均一な水を有するスポンジモップパッドで清掃するので清掃後の乾燥も短時間ですみ院内感染予防に効果的である。
(8) 水槽内でスポンジモップパッドを絞るので、圧搾力で絞り出された水が飛散することがなく衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例の斜視図である。
【図2】 本発明の第一実施例の正面図である。
【図3】 本発明の第一実施例の側断面図である。
【図4】 本発明の第一実施例及び第二実施例に係るスポンジ付きモップの正面図である。
【図5】 本発明の第一実施例及び第二実施例に係るスポンジ付きモップの側面図である。
【図6】 本発明の第一実施例の作用説明図である。
【図7】 本発明の第二実施例の斜視図である。
【図8】 本発明の第二実施例の正面図である。
【図9】 本発明の第二実施例の側断図である。
【図10】 本発明の第二実施例の作用説明図である。
【図11】 従来のスポンジ付きモップの斜視図である。
【図12】 従来のスポンジ付きモップの絞られた位置にある状態を示す部分拡大斜視図である。
【図13】 従来の改良型スポンジ付きモップの斜視図である。
【図14】 従来の改良型スポンジ付きモップ絞り器の斜視図である。
【符号の説明】
1・・・水槽
2・・・前板
3・・・側板
4・・・後板
5・・・円柱
6・・・受板
7・・・押し板
8・・・軸
9・・・凹部
10・・・補強板
11・・・支柱
12・・・ナット
18・・・突出部
19・・・スプリング
Claims (3)
- 剛性体に付着されたスポンジモップパッドに含まれる清掃水を絞るモップ絞り器において、上記モップ絞り器の両側板に両端を支持した円柱上に変位可能に配設された受材および同受材と間隔を保って上記モップ絞り器の両側板に回転自在に軸によって取り付けられた押し板を有し、同受材と押し板の間に間隔を設ける支柱が上記受材および上記押し板を貫通し、上記押し板および受材との間に上記剛性体に付着されたスポンジモップパッドを置いてモップ柄を押し下げると上記剛性体の少なくとも1点が上記押し板に接触する支点と上記受材との間隔が変化し上記スポンジモップパッドの変形および変位に追随して上記受材を変位させつつ上記スポンジモップパッドが絞られるように構成されていることを特徴とするモップ絞り器。
- 上記支柱と上記押し板および受材との間に弾性体を設けたことを特徴とする請求項1記載のモップ絞り器。
- 上記円柱が回転することを特徴とする請求項1又は2に記載のモップ絞り器。
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