JP4043690B2 - ハイブリッド車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン及びモータを駆動源とし、エンジン動力の駆動輪への断続を切り替えるクラッチを備えたハイブリッド車両の駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の駆動力制御装置において、後進時の操作性を損なうことなく、クリープトルクによるエネルギー消費の無駄を防止するための技術として、特開平11−69508号公報に開示のクリープトルク制御装置が知られている。
また、エンジン冷却水温度が低い場合のクリープ走行速度を所定範囲内に制限するための技術として、例えば、特開平11−141365号公報に技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−69508号公報に開示の技術は、クリープトルクを一定に保とうするだけであり、また、特開平11−141365号公報に開示の技術は、低水温時のエンジン回転が高いときに、モータを回生動作させることによって、車速を一定範囲内に収めるだけであるため、以下の要求を十分に満足させることはできなかった。
▲1▼よりスムーズでより安全なクリープ走行の実現。
▲2▼無駄な電力及び燃料消費の少ないクリープ走行の実現。
▲3▼坂道,段差等の外乱にも対応可能なクリープ走行の実現。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スムーズでより安全なクリープ走行を実現することにある。
本発明の他の目的は、無駄な電力及び燃料消費の少ないクリープ走行を実現することにある。
本発明のさらに他の目的は、坂道,段差等の外乱にも対応可能なクリープ走行を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用した。
請求項1の発明は、エンジン(例えば、実施の形態におけるエンジン1)及びモータ(例えば、実施の形態におけるメイン電動機8)を駆動源とし、エンジン動力の駆動輪(例えば、実施の形態における駆動輪9)への断続を切り替えるクラッチ(例えば、実施の形態における発進用クラッチ6)と、該クラッチと前記エンジンとの間に無段変速機を備え、前記モータの出力が前記クラッチと前記駆動輪間に伝達されるハイブリッド車両の駆動力制御装置であって、車速から求めた目標クリープトルクと前記無段変速機の変速比及び効率に基づいてクリープ走行時のエンジントルクを設定するエンジントルク設定手段(例えば、実施の形態におけるエンジンECU11)と、実際のクラッチトルクを推定するクラッチトルク推定手段(例えば、実施の形態におけるクラッチトルク推定部38)と、前記目標クリープトルクから前記クラッチトルクを減算して得た値をクリープ走行時のモータトルクに設定するモータトルク設定手段(例えば、実施の形態におけるモータECU12)とを備え、前記エンジントルク設定手段は、前記エンジントルクを前記目標クリープトルクに追従させることを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、車速から求めた目標クリープトルクが、実際に必要なクリープトルクに対して不足又は過剰である場合に、比較的応答の遅いエンジントルクによることなく、応答の速いモータトルクによってクリープトルクを加減調整することが可能になる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の駆動力制御装置において、車両への外乱を加味して前記目標クリープトルクを補正する目標クリープトルク補正手段(例えば、実施の形態における目標クリープトルク補正部35)を備え、前記モータトルク設定手段は、補正後の目標クリープトルクから前記クラッチトルクを減算して得た値を前記モータトルクとすることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、モータトルクを求めるにあたって、実際に車両が受けた外乱を考慮することになるので、モータトルクによる補償能力が向上する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2記載の駆動力制御装置において、前記エンジントルク設定手段は、補正後の目標クリープトルクを用いて前記エンジントルクを設定することを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、エンジントルクを求めるにあたって、実際に車両が受けた外乱を考慮することになるので、実際に必要なクリープトルクに対するエンジントルクの追従性が向上する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3記載の駆動力制御装置において、車両走行抵抗を検出する車両走行抵抗検出手段を備え、前記目標クリープトルク補正手段は、前記車両走行抵抗検出手段により検出された走行抵抗に応じて目標クリープトルクを増減補正することを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、走行抵抗が所定値以下になった場合は、モータで負トルクを発生させ、また、走行抵抗が所定値を越えた場合は、モータで正トルクを発生させることにより、クリープトルクを加減調整し得るようになるので、走行抵抗の変化に対する柔軟な対応が可能になる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項2又は請求項3記載の駆動力制御装置において、車両加速度を検出する加速度検出手段を備え、前記目標クリープトルク補正手段は、前記加速度検出手段により検出された車両加速度に応じて目標クリープトルクを増減補正することを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、走行抵抗が急変した場合であっても、検出した加速度に応じてクリープトルクの加減調整を行い得るので、車両の急加速・急減速を防止することが可能になる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項2又は請求項3記載の駆動力制御装置において、ブレーキ踏力を検出するブレーキ踏力検出手段を備え、前記目標クリープトルク補正手段は、前記ブレーキ踏力検出手段により検出されたブレーキ踏力に応じて目標クリープトルクを増減補正することを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、ブレーキ踏力が所定値以上の場合には、エンジントルク及びモータトルクを下げる(=0も含む。)ことが可能になる。
【0018】
この構成によれば、定常状態におけるクリープトルクの全てをエンジンで発生させることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、ハイブリッド車両の動力伝達システム図を示しており、この動力伝達システムは、エンジン1,オイルポンプ2,トルクコンバータ3,前後進切替プラネタリギヤ4,無段変速機5,発進用クラッチ6,差動器7,サブ電動機8a,メイン電動機(モータ)8b,駆動輪9,エンジンECU(エンジントルク設定手段)11,及びモータECU(モータトルク設定手段)12が主たる構成要素となっている。
【0020】
エンジンECU11は、各種のセンサで検知されたアクセル開度Ap,車速Vcar,エンジン回転数Ne,及び吸気管内絶対圧Pb等からエンジントルクを求め、これに基づく指令値EngTrqCmdをエンジン1に出力することにより、クリープ走行時のエンジン制御を行う。
他方、モータECU12は、エンジンECU12からの出力を用いてモータトルクを求め、これに基づく指令値MotTrqCmdをメイン電動機8bに出力することにより、クリープ走行時のモータ制御を行う他、サブ電動機8aの制御も行う。
【0021】
無段変速機5は、変速機入力軸と変速機出力軸とに幅の変動するV型変速プーリ51,52を備え、これらV型変速プーリ51,52の間に、多数のブロックと2組のスチールバンドとで構成したスチールベルト53を掛け渡して動力を伝達するCVT(Continuosly Variable Transmission)である。
V型変速プーリ51,52の幅は、オイルポンプ2から供給される油圧により変動する。
【0022】
前後進切替プラネタリギヤ4は、無段変速機5の駆動側V型変速プーリ51に入力されるエンジン動力の回転方向を切り替える。
また、発進クラッチ6は、無段変速機5の従動側V型変速プーリ52に入力されるエンジン動力の駆動輪9への断続を切り替える。
差動器7は、車両旋回時等、走行条件によって左右のホイールに生ずる回転差に対し、左右のホイールに差動の回転速度を与える装置であり、先端に駆動輪9が連結された車軸21と噛み合っている。
【0023】
上記の如く構成された動力伝達システムにおいて、エンジン1で発生したエンジントルクは、サブ電動機8a,オイルポンプ2,トルクコンバータ3,前後進切替プラネタリギヤ4,無段変速機5,発進用クラッチ6,中間ギヤ22,及び差動器7を介して駆動輪9に伝達され、メイン電動機8で発生したモータトルクは、中間軸22及び差動器7を介して駆動輪9に伝達される。
【0024】
このことから、図1に示す動力伝達システムにおいて、目標クリープトルクは、エンジントルクに伝達効率εを乗じて得られるクラッチトルクと、モータトルクとを加算することによって求められることになる。
なお、伝達効率εは、無段変速機5の変速比Ratio及びCVT効率CvtEf,発進用クラッチ6のクラッチ効率Esc及びすべり摩擦μ等を考慮することによって設定される。
【0025】
次に、図2を用いて、クリープ走行時にエンジンECU11及びモータECU12で行われる処理について説明する。
この図において、目標クリープトルク算出部31,フィルター処理部32,目標エンジントルク算出部33,車両加速度算出部34,目標クリープトルク補正部35,車両走行抵抗算出部36,エンジントルク推定部37,及びクラッチトルク推定部38はエンジンECU11の構成要素であり、また、偏差演算部39はモータECU12の構成要素である。
【0026】
目標クリープトルク算出部31では、車速センサで検知された車速VCarを用いて、予め図3(b)に示す如く作成しておいた車速Vcarと目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdとを関連付けたマップが検索されることにより、または、所定の数式に車速VCarが代入されることにより、目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdが算出される。なお、図3(b)のマップは、車速VCarと目標クリープトルクとの相関を示す図3(a)をフィルタ処理することにより得られる。
この図3(a)について補足すると、「Vcar=0」のときの目標クリープトルクは、いかなるクリープトルクであれば、想定した傾斜路面に対してずり下がりを防止できるかという観点から設定されており、また、車速Vcarが平地でのクリープ上限車速(例えば、10km/h)であるときは、目標クリープトルクが「0」となるように設定されている。
【0027】
目標クリープトルク算出部31で算出された目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdは、フィルター処理部32および目標クリープトルク補正部35に入力される。
フィルター処理部32では、目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdのなまし処理が行われ、このなまし処理された目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdは、目標エンジントルク算出部33に入力される。
【0028】
目標エンジントルク算出部33では、なまし処理された目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdと、無段変速機5の変速比Ratio及びCVT効率CvtEfとから、エンジン1に与えるエンジントルク指令値EngTrqCmdが算出される。
そして、目標エンジントルク算出部33で算出されたエンジントルク指令値EngTrqCmdは、エンジン1に入力される。
【0029】
他方、目標クリープトルク補正部35では、目標クリープトルク算出部31で算出された目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdと、Gセンサからの信号に基づき車両加速度算出部34で算出された車両加速度と、車両への外乱である路面傾斜,段差,車両重量等の走行抵抗を検知する各種センサからの信号に基づき車両走行抵抗算出部36で算出された車両走行抵抗に検知されたブレーキ踏力とから、目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdが補正される。
路面傾斜は、ナビゲーション装置の地図データメモリに記憶された3D(次元)地図情報から、また、測距センサにより測定される車両先端部から路面までの距離及び車両後端部から路面までの距離等から検知可能である。
また、車重や揺れ等による誤差が大きいが3Dジャイロセンサによっても検知可能であり、さらには、ある傾斜で車両を静止させられるブレーキ液圧やモータトルクから推定することも可能である。
進行方向に段差があることは、前輪よりも前側および後輪よりも後ろ側に2つ以上の前記測距センサを縦方向に並べてそれぞれのセンサ出力を比較することによって検知可能である。
車重の変化は、変位センサあるいは測距センサにより測定される車両停止時のサスペンションの沈み込み量から推定することが可能である。
基本的な走行抵抗は、車速に対して予め決められた走行抵抗値(テーブル又は特性値)から求めることが可能である。
【0030】
エンジントルク推定部37では、エンジン回転数Neと、吸気管内絶対圧Pbとから、実際にエンジン1で発生しているエンジントルクが推定される。
クラッチトルク推定部38では、エンジントルク推定部37で推定された推定エンジントルクと、無段変速機5の変速比Ratio及びCVT効率CvtEf,発進用クラッチ6のクラッチ効率Esc及びすべり摩擦μ等とから、実際に発生しているクラッチトルクが推定される。
【0031】
偏差演算部39では、目標クリープトルク補正部35で補正された目標クリープトルク指令値CreepTrqFCmdから、クラッチトルク推定部38で推定されたクラッチトルクが減算されることにより、メイン電動機8bに与えられるモータトルク指令値MotTrqCmdが算出される。
そして、偏差演算部39で算出されたモータトルク指令値MotTrqCmdは、メイン電動機8に入力される。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態による駆動力伝達装置によれば、車速Vcarから求めた目標クリープトルクが、実際に必要なクリープトルクに対して不足又は過剰である場合には、比較的応答の遅いエンジントルクによらずに、応答の速いモータトルクによってトルクの加減調整を行うことができるから、エンジントルクの立ち上がり遅れによる坂道でのずり下がりを効果的に防止することができる。
【0033】
また、モータトルクを求めるにあたって、実際に車両が受けた外乱を考慮しているので、必要なクリープトルクとエンジントルクとの偏差を補償するモータトルクの補償精度が向上し、消費電力の無駄防止を図ることができる。
【0034】
特に、走行抵抗が所定値以下になった場合は、メイン電動機8で負トルクを発生させ、走行抵抗が所定値を越えた場合は、メイン電動機8で正トルクを発生させることにより、クリープトルクの加減調整が可能であるから、走行抵抗の変化に対しても柔軟に対応することができる。
しかも、定常状態ではエンジントルクのみによるクリープ走行が可能であるため、走行抵抗の小さい状態が長時間続いた結果、メイン電動機8が満充電になって負トルクをエンジントルクに付加できなくなるといった事態も回避できる。
【0035】
また、走行抵抗が急変した場合であっても、Gセンサで検知した加速度に応じてクリープトルクの加減調整を行うことにより、車両の急加速・急減速を防止することが可能であるから、よりスムーズで安全なクリープ走行を実現できる。
さらに、ブレーキ踏力が所定値以上の場合には、エンジントルク及びモータトルクを下げる(=0も含む。)ことが可能であるため、無駄な電力及び燃料の消費を防止することができると共に、減速時においてもブレーキ踏力を強める必要がなくなるから、運転フィーリングの低下も防止することができる。
【0036】
図4は、車速及び走行抵抗の変化に対する目標クリープ,クラッチトルク,及びモータトルク間の相関を示す図である。
この図に示すように、クリープ走行の初期にあたる区間Aでは、目標クリープトルクに対してクラッチトルクが十分に追従できていないが、その偏差は正のモータトルクを付加することにより、迅速に補償されることになる。
【0037】
また、例えば段差等の正の走行抵抗を車両が受けた場合にあたる区間Bでは、それまではクラッチトルクのみで目標クリープトルクを達成できていたにもかかわらず、走行抵抗によってクラッチトルクが若干不足することになるが、その偏差は正のモータトルクで迅速に補償されることになる。
区間Bとは逆に、例えば坂道等の負の走行抵抗を車両が受けた場合にあたる区間Cでは、目標クリープトルクに対してクラッチトルクが過剰になるが、その偏差は負のモータトルクで迅速に補償されることになる。
【0038】
[第2の実施の形態]
次に、図5を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、この図に示される構成要素は、図2に示した第1の実施の形態に係る構成要素と同一である。
【0039】
第1の実施の形態では、目標クリープトルク算出部31で算出した目標クリープトルクをそのままフィルター処理部32に入力していたのに対し、本実施の形態では、目標クリープトルク算出部31で算出した目標クリープトルクを一旦目標クリープトルク補正部35に入力し、外乱を考慮した目標クリープトルクに補正した上で、フィルター処理部32に入力している。
【0040】
この場合には、モータトルクのみならずエンジントルクを求めるにあたっても、実際に車両が受けた外乱を考慮することになるから、必要なクリープトルクに対するエンジントルクの追従性が向上する。
よって、モータトルクの調整精度向上と相俟って、クリープ走行時における消費電力の更なる無駄防止を図ることができる。
【0041】
なお、上記いずれの実施形態においても、坂道走行時に車速Vcarが回生負トルクを発生させるべき領域に入っても、クリープ走行状態が続いていれば、メイン電動機8bに負のモータトルク指令値MotTrqCmdを出力することはない。これは、駆動/回生のハンチングを防止するためである。
逆に、車速Vcarが減速回生領域からクリープ走行領域にまで下がった時は、メイン電動機8bに負のモータトルク指令値MotTrqCmdを出力する。さもなくば、回生終了から車両停止までの間にブレーキ踏力を強める必要が生じるからである。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)請求項1の発明によれば、車速から求めた目標クリープトルクが、実際に必要なクリープトルクに対して不足又は過剰である場合に、比較的応答の遅いエンジントルクによることなく、応答の速いモータトルクによってクリープトルクを加減調整することが可能であるから、エンジントルクの立ち上がり遅れによる坂道でのずり下がりを効果的に防止することができる。
また、定常状態におけるクリープトルクの全てをエンジンで発生させることが可能になるので、無駄な電力及び燃料の消費を防止できる。また、走行抵抗の小さいクリープ走行が長時間続いた場合であっても、モータからの負トルクをエンジントルクに付加できなくなるといった事態を回避できる。
【0043】
(2)請求項2の発明によれば、モータトルクを求めるにあたって、実際に車両が受けた外乱を考慮することになるので、モータトルクによる補償能力が向上する。
【0044】
(3)請求項3の発明によれば、エンジントルクを求めるにあたって、実際に車両が受けた外乱を考慮することになるので、実際に必要なクリープトルクに対するエンジントルクの追従性が向上する。
【0045】
(4)請求項4の発明によれば、走行抵抗が所定値以下になった場合は、モータで負トルクを発生させ、また、走行抵抗が所定値を越えた場合は、モータで正トルクを発生させることにより、クリープトルクを加減調整し得るようになるので、走行抵抗の変化に対する柔軟な対応が可能になる。
【0046】
(5)請求項5の発明によれば、走行抵抗が急変した場合であっても、検出した加速度に応じてクリープトルクの加減調整を行い得るので、車両の急加速・急減速を防止することが可能になり、よりスムーズで安全なクリープ走行を実現できる。
【0047】
(6)請求項6の発明によれば、ブレーキ踏力が所定値以上の場合には、エンジントルク及びモータトルクを下げる(=0も含む。)ことが可能になり、無駄な電力及び燃料の消費を防止できる。また、減速時における運転フィーリングの低下も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるハイブリッド車両の動力伝達システム図である。
【図2】 エンジントルク及びモータトルクの算出過程を示すブロック図である。
【図3】 (a)は車速と目標クリープトルクとの相関図、(b)は(a)をフィルター処理して作成した車速と目標クリープトルク指令値との相関を示すマップ図である。
【図4】 車速及び走行抵抗の変化に対する目標クリープ,クラッチトルク,及びモータトルク間の相関を示す図である。
【図5】 エンジントルク及びモータトルクの他の算出過程を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エンジン
6 発進用クラッチ(クラッチ)
8b メイン電動機(モータ)
9 駆動輪
11 エンジンECU(エンジントルク設定手段)
12 モータECU(モータトルク設定手段)
38 クラッチトルク推定部(クラッチトルク推定手段)
35 目標クリープトルク補正部(目標クリープトルク補正手段)
36 車両走行抵抗算出部(走行抵抗検出手段)
Vcar 車速
Claims (6)
- エンジン及びモータを駆動源とし、エンジン動力の駆動輪への断続を切り替えるクラッチと、該クラッチと前記エンジンとの間に無段変速機を備え、前記モータの出力が前記クラッチと前記駆動輪との間に伝達されるハイブリッド車両の駆動力制御装置であって、
車速から求めた目標クリープトルクと前記無段変速機の変速比及び効率に基づいてクリープ走行時のエンジントルクを設定するエンジントルク設定手段と、
実際のクラッチトルクを推定するクラッチトルク推定手段と、
前記目標クリープトルクから前記クラッチトルクを減算して得た値をクリープ走行時のモータトルクに設定するモータトルク設定手段とを備え、
前記エンジントルク設定手段は、前記エンジントルクを前記目標クリープトルクに追従させることを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 車両への外乱を加味して前記目標クリープトルクを補正する目標クリープトルク補正手段を備え、
前記モータトルク設定手段は、補正後の目標クリープトルクから前記クラッチトルクを減算して得た値を前記モータトルクとすることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 前記エンジントルク設定手段は、補正後の目標クリープトルクを用いて前記エンジントルクを設定することを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。
- 車両走行抵抗を検出する車両走行抵抗検出手段を備え、
前記目標クリープトルク補正手段は、前記車両走行抵抗検出手段により検出された走行抵抗に応じて目標クリープトルクを増減補正することを特徴とする請求項2又は請求項3記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 車両加速度を検出する加速度検出手段を備え、
前記目標クリープトルク補正手段は、前記加速度検出手段により検出された車両加速度に応じて目標クリープトルクを増減補正することを特徴とする請求項2又は請求項3記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - ブレーキ踏力を検出するブレーキ踏力検出手段を備え、
前記目標クリープトルク補正手段は、前記ブレーキ踏力検出手段により検出されたブレーキ踏力に応じて目標クリープトルクを増減補正することを特徴とする請求項2又は請求項3記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。
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