JP4043213B2 - 有害物質の処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウィルス細菌および毒素のいずれかの特定の有害物質を不活性化する有害物質の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の有害物質の処理装置としては、特願2000−321552号に記載のものが提案されている。
【0003】
この特願2000−321552号に記載の処理装置は、平板状や円筒状などに成形され光透過性を有する基材を備えており、この基材の内側には、処理材が設けられている。この処理材は、基材の内側に成膜され、光触媒作用を有する遷移金属酸化物としての二酸化チタン膜を備えており、この二酸化チタン膜の表面には、血液や血漿、血液製剤、体液などとしての被処理体に含まれる生物学的危険性のある有害物質としてのウィルスや病原細菌などの生物および毒素を選択的に吸着する保持物質としての受容体や抗体などが、アミノアルキルエトキシシランとしての3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AminoPropylTriEthoxySilane:APTES)およびグルタルアルデヒドにて構成された架橋部としての架橋分子を介して架橋されている。
【0004】
また、基材の外側には、この基材を介して処理材に紫外線などの光を投射させる光源が配設されており、この光源は、処理材の二酸化チタン膜を光励起させて、この二酸化チタン膜の光触媒作用を発揮させる。そして、基材における処理材間に被処理体を通過させるとともに、光源から光を照射させることにより、この処理材間を通過する被処理体に含まれる有害物質が保持物質に保持されるとともに、この保持物質にて保持された有害物質を二酸化チタン膜による光触媒作用により不活性化または無害化させる。
【0005】
さらに、この特願2000−321552号に記載の処理装置は、複数の粉状の基材の表面に、二酸化チタン膜が成膜され、この二酸化チタン膜の表面に架橋分子を介して保持物質が架橋された処理材を備えており、これら複数の処理材が、光透過性を有する円筒状の容器の内部に配設されている。そして、容器の外側に配設された光源から光を照射して、この光を容器の壁面を介して処理材の二酸化チタン膜に透過させるとともに、この容器内に被処理体を流入させることにより、この容器内を流れる被処理体に含まれる有害物質が処理材の保持物質に保持されるとともに、この保持物質にて保持された有害物質が二酸化チタン膜の光触媒作用により不活性化または無害化される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特願2000−321552号に記載され、基材の内側に処理材が成膜された処理装置では、基材の内面に設けられた処理材間に被処理体を通過させるだけである。このため、この処理材間を通過する被処理体に含まれる有害物質を保持物質にて効率良く保持しにくいとともに、この保持物質にて保持した有害物質を二酸化チタン膜の光触媒作用により効率良く不活性化しにくいから、この被処理体を効率良く処理しにくい。
【0007】
また、上述の特願2000−321552号に記載され、粉状の基材に二酸化チタン膜および保持物質が設けられた処理材を容器内に配設した処理装置では、光源から照射させる光により、容器内を通過する被処理体における血漿成分や血液成分などの構成成分が変性してしまうおそれがあるとともに、処理材の保持物質が保持した有害物質の一部の構成成分が剥離などして被処理体に再び混入するおそれがある。このため、この被処理体に含まれる有害物質を効率良く不活性化または無害化しにくいので、この被処理体を効率良く処理しにくいという問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、被処理体をより効率良く処理できる有害物質の処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の有害物質の処理装置は、内側に光反射性を有する容器と、この容器内に配設され光透過性を有する細長筒状の基材と、この基材の内側に設けられ液相および気相の少なくともいずれか1つの形態を採る被処理体に混入または混入するおそれのあるウィルス、細菌および毒素のいずれかの有害物質を光触媒機能により不活性化する二酸化チタン、およびこの二酸化チタンの表面に設けられ特定の前記有害物質のみを保持する特異性を有する保持物質を備えた処理材と、前記容器内における前記基材の外域に配設され、この基材を介して前記処理材の二酸化チタン波長380nm以下の紫外線を照射する光源とを具備しているものである。
【0010】
そして、光源から照射された波長380nm以下の紫外線は、直接基材を介して処理材の二酸化チタンに照射するとともに、容器の内側にて反射された後、基材を介して処理材の二酸化チタンへと照射する。このため、光源からの紫外線を処理材の二酸化チタンに効率良くより均一に照射させられるので、この二酸化チタンをより効率良くより均一に光励起させられる。よって、液相および気相の少なくともいずれか1つの形態を採る被処理体を基材に流入させることにより、この基材内において処理材の保持物質が保持し被処理体に混入または混入するおそれのあるウィルス、細菌および毒素のいずれかのうちの特定の有害物質が二酸化チタンによる光触媒機能にて効率良く不活性化される。この結果、基材内に流入された被処理体がより効率良く処理される。
【0011】
請求項2記載の有害物質の処理装置は、請求項1記載の有害物質の処理装置において、処理材は、保持物質を二酸化チタンの表面に架橋する架橋部を備えているものである。
【0012】
そして、処理材の保持物質を架橋部にて二酸化チタンの表面に架橋させることにより、この二酸化チタンの表面に保持物質をより容易かつ確実に設けられる。
【0013】
請求項3記載の有害物質の処理装置は、請求項1または2記載の有害物質の処理装置において、内側に処理材が設けられた基材を複数具備し、これら複数の基材は、互いに直列に接続されて、光源の外域を覆っているものである。
【0014】
そして、内側に処理材が設けられた各基材を互いに直列に接続し、これら基材にて光源の外域を覆っているから、この光源からの紫外線をより効率良く各基材の内側に設けた処理材の二酸化チタンに照射させられる。このため、基材に流入された被処理体がより少ない紫外線量で処理されるから、この被処理体がより効率良く処理される。
【0015】
請求項4記載の有害物質の処理装置は、請求項3記載の有害物質の処理装置において、複数の基材それぞれは、光源から等間隔離れた位置にそれぞれ配設されているものである。
【0016】
そして、光源から等間隔離れた位置に複数の基材それぞれを配設したので、これら基材それぞれの処理材の二酸化チタンにより均一に光源からの紫外線が照射する。このため、これら基材の内側に設けた処理材の二酸化チタンによる被処理体における有害物質の不活性化がより均一に可能となるので、基材に流入される被処理体がより効率良く処理される。
【0017】
請求項5記載の有害物質の処理装置は、請求項1ないし4いずれか記載の有害物質の処理装置において、光源からの放熱を抑制する冷却手段を具備しているものである。
【0018】
そして、光源からの放熱を冷却手段にて抑制することにより、この光源からの放熱による被処理体の不適切な加温が防止されるので、この被処理体の構成成分の変性が防止される。
【0019】
請求項6記載の有害物質の処理装置は、請求項5記載の有害物質の処理装置において、冷却手段は、容器の上端域に取り付けられた送風部と、前記容器の下端域に開口された通気口とを備えているものである。
【0020】
そして、容器の上端域に取り付けた送風部の送風により、容器の下端域に開口した通気口から容器の内部へと送風が生じる。また、光源からの放熱にて加熱された雰囲気は、比重が小さくなることにより容器内の上方へと移動する。このため、光源からの放熱にて加熱された雰囲気は、容器の上端の送風部から外部へと送風されるので、光源からの放熱が簡単な構成でより効率良く抑制される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の有害物質の処理装置の構成を図面を参照して説明する。
【0022】
図1において、1は処理装置で、この処理装置1は、円盤状の取付台2を備えている。この取付台2の外周面には、液相および気相の少なくともいずれか1つの形態を採る被処理体を外部から流入させる円筒状の流入管3が突設されている。ここで、この被処理体とは、例えばウィルスや細菌、毒素などで特に特異的な結合性もしくは、抗原性を示す構成蛋白を有した有害物質4が混入あるいは混入のおそれがあるものである。
【0023】
さらに、流入管3に対向した取付台の外周面には、この流入管3から流入された被処理体を外部へと流出させる流出管5が突設されている。また、これら流入管3および流出管5それぞれより上側の取付台2の外周面には、この取付台2の外周面の周方向に沿ったねじ溝部6が形成されている。そして、この取付台2のねじ溝部6には、下端から上端に向けて徐々に縮径した円筒状の容器としてのカバー7の下端部における内周面に形成されたねじ溝部8が螺合される。このカバー7は、ステンレスや、ポリカーボネートなどの合成樹脂にて成形されており、このカバー7の上端面および側面それぞれの内側は、紫外線を好適に反射させることを目的とした光反射性を有するように、例えば銀(Ag)などの金属にて金属めっきが施されて鏡面加工されて鏡面部9が形成されている。
【0024】
また、このカバー7には、このカバー7内を冷却させる冷却手段としての冷却ユニット10が設けられている。この冷却ユニット10は、このカバー7の上端面の中心域に開口形成され、このカバー7の軸方向に一致した軸方向を有する排気口11を備えている。この排気口11には、カバー7内の雰囲気としての空気を外部へと送風させて排気させる送風部としてのファン12が取り付けられている。
【0025】
さらに、カバー7におけるねじ溝部8より上側の周面部におけるこのカバー7の下端域には、ファン12の駆動に伴って外部からカバー7内に空気を取り込ませる通気口としての矩形状の複数の空気取入孔13が開口形成されている。これら空気取入孔13は、カバー7の外周面に沿って等間隔に離間されて、このカバー7の外周面の周方向に沿った全域に設けられている。
【0026】
この結果、取付台2のねじ溝部6にカバー7のねじ溝部8を螺合させた状態で、ファン12を駆動させることにより、外部の空気がカバー7の各空気取入孔13からこのカバー7の内部へと吸気されるとともに、このカバー7の内部の空気が排気口11から外部へと排気される。したがって、これら排気口11、ファン12および空気取入孔13により、カバー7内に生じる放熱を抑制、すなわちこのカバー7内を冷却して、このカバー7内の温度上昇を防止する冷却ユニット10が構成されている。
【0027】
そして、取付台2の上面における中央域には、軸方向を鉛直方向に向けた状態で略円柱状の光源14が取り付けられている。この光源14の外径寸法は、取付台2の外径寸法より径小であるとともに、カバー7の上端域における内径寸法より径小である。また、この光源14の軸方向における高さ寸法は、取付台2のねじ溝部6にカバー7のねじ溝部8を螺合させた状態で、このカバー7の内部に配設される大きさである。
【0028】
さらに、この光源14は、複数の図示しない紫外線ランプにて構成されており、これら紫外線ランプは、波長300nm〜400nmの光を発する蛍光灯としてのブラックライトや、波長254nmの光を主に発する低圧水銀ランプなどがよいが、例えばピーク波長が約600nmの可視光を照光する蛍光ランプなどでもよい。また、これら紫外線ランプは、波長300nm〜400nmにかけてブロードに分布し、後述する二酸化チタン膜18の光触媒反応に必要な波長380nm以下の紫外線を十分に発することが可能なもの、例えばブラックライト(FL6BL−B:株式会社東芝製)などが好ましい。
【0029】
なお、可視光から赤外線以上の長波長の光では、二酸化チタン膜18が光励起されなくなって光触媒機能が得られなくなり、また、波長が短すぎると光により被処理体の構成成分が変性したり処理材が損傷するおそれがあることから、可視光から紫外線の領域における略150nm以上略600nm以下にピーク波長を有する紫外線ランプがよい。
【0030】
さらに、取付台2の上面に設置された光源14の外周域におけるカバー7の内部には、図2に示すように、石英ガラスなどの紫外線を比較的良好に透過する光透過性を有する材料で細長円筒状に成形された基材としての複数、例えば10本のカラム15a,15b,…,15jが軸方向を鉛直方向に向けた状態で着脱可能に取り付けられている。ここで、これら各カラム15a,15b,…,15jは、図示しない治具に図示しないクリップによって着脱可能に取り付けられており、この治具は、取付台2に脱着が容易な方法で固定されている。
【0031】
これらカラム15a,15b,…,15jは、光源14の周方向に沿って、互いに等間隔に離間されて、この光源14から等間隔離れた位置、例えば15mm離れた位置にそれぞれ配設されている。この結果、これらカラム15a,15b,…,15jは、光源14の外周域を覆った状態で配設されている。
【0032】
そして、カラム15aの下端部は、取付台2の流入管3の内端部に、配液管としての可撓性を有する細長円筒状の輸液チューブ16を介して連通接続されている。ここで、この輸液チューブ16は、ナイロンなどの材質で成形され、人工透析などの医療機器で広く利用されているものである。
【0033】
また、このカラム15aの上端部は、このカラム15aに隣接したカラム15bの上端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。さらに、このカラム15bの下端部は、カラム15aと対向する側におけるこのカラム15bに隣接したカラム15cの下端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。さらに、このカラム15cの上端部は、カラム15bと対向する側におけるこのカラム15cに隣接したカラム15dの上端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。
【0034】
またさらに、このカラム15dの下端部は、カラム15cと対向する側におけるこのカラム15dに隣接したカラム15eの下端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。さらにまた、このカラム15eの上端部は、カラム15dと対向する側におけるこのカラム15eに隣接したカラム15fの上端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。
【0035】
さらに、このカラム15fの下端部は、カラム15eと対向する側におけるこのカラム15fに隣接したカラム15gの下端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。また、このカラム15gの上端部は、カラム15fと対向する側におけるこのカラム15gに隣接したカラム15hの上端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。
【0036】
さらにまた、このカラム15hの下端部は、カラム15gと対向する側におけるこのカラム15hに隣接したカラム15iの下端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。また、このカラム15iの上端部は、カラム15hと対向する側におけるこのカラム15iに隣接したカラム15jの上端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。
【0037】
そして、このカラム15jの下端部は、取付台2の流出管5の内端部に輸液チューブ16を介して連通接続されている。この結果、これらカラム15a,15b,…,15jは互いに直列に接続されており、流入管3から流入された被処理体は、すべてのカラム15a,15b,…,15jの内部を順次通過した後、流出管5から排出される。
【0038】
さらに、これら各カラム15a,15b,…,15jの内周面略全域には、被処理体に混入または混入するおそれのある有害物質4を保持して不活性化させる処理材17が取り付けられている。この処理材17は、各カラム15a,15b,…,15jそれぞれの内周面全域に亘って成膜、すなわちコートされ、有害物質4を光触媒機能により不活性化する遷移金属酸化物としての二酸化チタン(TiO)膜18を備えている。
【0039】
この二酸化チタン膜18は、各カラム15a,15b,…,15jの内周面に、金属アルコキシドとしてのチタニウムイソプロポキシドを用いたゾルゲル法(Sol-Gel processing)により成膜されている。さらに、これら二酸化チタン膜18の表面には、特定の有害物質4のみを保持する特異性を有する選択的受容体としての保持物質19が架橋部としての架橋分子21を介して架橋されて固定化されている。
【0040】
ここで、保持物質19は、菌体において強い抗原性を示す部位である保持部としての図示しない抗原認識部位を備えており、この抗原認識部位は、表1に示すように、主に3通りあり、菌種によって抗原性が異なる。例えば、細菌としての大腸菌O−157は、O抗原の157番目を示す。これら特異的な抗原性を示すいずれの細菌が対称となる。また、ウィルスとしては、例えば表2に示すように、構成蛋白の中で強い結合性を示す蛋白を有するいずれのウィルスが対称となる。さらに、毒素としては、例えば表3に示す各種細菌産生の毒素の他に、ふぐ毒(テトロドトキシン)、蛇毒、サソリや蜂、クモなどの昆虫の毒など、特定の抗原性を示すいずれの毒素が対象となる。
【0041】
【表1】
Figure 0004043213
【0042】
【表2】
Figure 0004043213
【0043】
【表3】
Figure 0004043213
【0044】
さらに、保持物質19の結合は、図3に示すように、例えば二酸化チタン膜18の表面に結合する水酸基にシランカップリング剤としてのアミノアルキルエトキシシランである3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AminoPropylTriEthoxySilane:APTES)22が結合され、この結合されたAPTES22のアミノ基にグルタルアルデヒド23が結合され、この結合されたグルタルアルデヒド23の末端のアルデヒド基に蛋白質としての保持物質19のアミノ基が結合され、シッフ塩基の還元、すなわち保持物質19を結合した後にAPTES22およびグルタルアルデヒド23間の結合およびグルタルアルデヒド23および保持物質19間の結合の二重結合を還元して結合される。
【0045】
なお、この保持物質19としては、表1に示す細菌の特異的な抗原性に対する特異抗体、表2に示すウィルスの特異的な強い結合性を示す構成蛋白に対する受容体(レセプタ)、表3に示す毒素の抗体など、有害物質4のみと結合する特異性を有したアミノ基を有するものや特異性を有した蛋白質など、有害物質4を特異的に保持するものが用いられる。ここで、有害物質4の保持とは、吸着などの物理的な結合や化学結合などの化学的な結合など、有害物質4を留めておくいずれの形態をいう。
【0046】
次に、上記一実施の形態の処理材の製造方法を説明する。
【0047】
まず、石英ガラスにて内径2mm、外径4mmおよび長さ150mmのカラム15a,15b,…,15jを作製する。
【0048】
そして、チタニウムテトライソプロポキシドをエタノールに濃度0.5mol/lとなるように溶解させた後、このチタニウムテトライソプロポキシドに対してモル比が1:2のジェタノールアミンを加えて混合し均一溶液とする。
【0049】
さらに、チタニウムテトライソプロポキシドの等モル量の蒸留水を添加して十分に攪拌して二酸化チタン膜18の図示しないコーティング液とする。
【0050】
そして、この二酸化チタン膜18のコーティング液をカラム15a,15b,…,15jの一端部から吸引して、このカラム15a,15b,…,15jの内周面のみに二酸化チタン膜18のコーティング液を付着する。
【0051】
この後、このカラム15a,15b,…,15jを100℃で乾燥させた後、大気雰囲気にて500℃で1時間焼成して、このカラム15a,15b,…,15jの内周面に二酸化チタン膜18を形成する。
【0052】
この結果、チタニウムイソプロポキシドを用いたゾルゲル法にて形成された二酸化チタン膜18は、薄膜X線回折法にて測定したところアナターゼ型と確認できる。
【0053】
次いで、APTES22の脱水トルエン溶液の蒸気相をつくり、この蒸気相を、二酸化チタン膜18が内周面に形成されたカラム15a,15b,…,15jの一端部に予め接続した図示しないチューブを用いて、このカラム15a,15b,…,15jの内部に送り込み、図4(a)に示すように、シランカップリング反応による化学結合によりAPTES22を二酸化チタン膜18の表面に固定化する。
【0054】
この後、脱水エタノール、脱水トルエン、1mM NaOH水溶液および1mM HNO水溶液を用いてAPTES22が固定化されたカラム15a,15b,…,15jを数回洗浄した後、超純水で洗浄し、窒素ガスを用いて転操させる。
【0055】
さらに、図4(b)に示すように、0.1M リン酸カリウム緩衝液で濃度3.0%に調整したグルタルアルデヒド23の溶液を作製し、このグルタルアルデヒド23の溶液を、APTES22が固定化されたカラム15a,15b,…,15jの内部に満たした状態で室温にて30分間静置する。
【0056】
この後、図4(c)に示すように、グルタルアルデヒド23が導入されたカラム15a,15b,…,15jを、0.1M リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)にて十分に攪拌洗浄した後、蛋白質である保持物質19、例えばHIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウィルス)が結合する受容体としてのT細胞表面の蛋白成分であるCD4水溶液(CD4;[Cys(Bzl)]84-Fragment 81-92 シグマアルドリッチ社製 リン酸緩衝液にて濃度10μg/mlに調整)を添加し、4℃で24時間静置する。このとき、このCD4のアミノ基をグルタルアルデヒド23のアルデヒド基に結合させ、カラム15a,15b,…,15jにCD4を保持させる。
【0057】
さらに、CD4が保持されたカラム15a,15b,…,15jを脱水した後、このカラム15a,15b,…,15j内を1M Tris HCl緩衝液(pH7.5)で満たして、室温で1時間反応させてグルタルアルデヒド23のアルデヒド基を不活化させ、さらに、図4(d)に示すように、NaBHを添加することによりシッフ塩基を還元し、カラム15a,15b,…,15jに導入された架橋分子21にCD4を固定化させて、図4(e)に示すように、医科学用バイオリアクターである処理材17をカラム15a,15b,…,15jの内周面に調製する。
【0058】
次に、上記一実施の形態の被処理体の処理動作を説明する。
【0059】
まず、図5に示すように、図示しない人体の静脈から輸液チューブ31にて流出された被処理体としての血液を、血圧測定器32にて圧力を測定しながら血液ポンプ33にて所定の圧力にする。
【0060】
この後、この血液ポンプ33にて所定の圧力にされた血液を、この血液の分離前後の圧力を測定しながら、血漿分離器34にて血漿成分と血球成分とに分離する。
【0061】
そして、この血漿分離器34にて分離された血漿成分を、血圧測定器35にて圧力を測定しながら、血漿ポンプ36にて所定の圧力にする。
【0062】
さらに、この血漿ポンプ36にて所定の圧力にされた血漿成分を、処理装置1の光源14の紫外線ランプから光を照射させつつ、冷却ユニット10のファン12を駆動させてこれら紫外線ランプを冷却した状態で、この処理装置1の流入管3へと送り、カラム15aの下端部へと流入させる。
【0063】
すると、このカラム15aの下端部に流入された血漿成分は、カラム15bの上端部、カラム15cの下端部、カラム15dの上端部、カラム15eの下端部、カラム15fの上端部、カラム15gの下端部、カラムの上端部15h、カラム15iの下端部、カラム15jの上端部へと順次流れていく。
【0064】
ここで、これら各カラム15a,15b,…,15j内を血漿成分が通過する際には、これら各カラム15a,15b,…,15jの内周面に設けた処理材の保持物質19に、血漿成分中に含まれる有害物質4が吸着などにて結合する。
【0065】
さらに、この保持物質19に保持された有害物質4は、光源14からの光の照射により光励起された二酸化チタン膜18の光触媒機能による強い酸化力により不活性化される。
【0066】
すなわち、光源14の紫外線ランプからの光が照射された二酸化チタン膜18の表面に付着する水分(H2O)や空気中の水分が、この二酸化チタン膜18に衝突することにより、ヒドロキシラジカル(・OH)を生成する酸化反応が生じるとともに、酸素が衝突することによりスーパーオキサイドアニオン(・O2 -)が生成する還元反応が生じる光触媒作用が起こる。この光触媒作用により、血漿成分が浄化され、例えば有害物質4による発病などが防止される。
【0067】
さらに、カラム15jの下端部から流出管5へと流れた血漿成分は、輸液チューブ37を介してフィルタ38へと送られて、このフィルタ38にて処理材17から剥離して血漿成分中に漂う保持物質19などがフィルタリングされる。
【0068】
そして、このフィルタ38にてフィルタリングされた血漿成分を、血球成分と混合させた後の圧力を血圧測定器39にて測定しながら、血漿ポンプ41にて所定の圧力にした後、加温器42にて所定の温度に加温する。
【0069】
この後、この加温器42にて所定の温度に加温された血漿成分を、血漿分離器34にて分離された血球成分と混合した後、輸液チューブ43を介して人体の静脈へと送る。
【0070】
次に、上記一実施の形態の処理装置の作用を実験例を参照して説明する。
【0071】
(実験例1)
上述の処理装置1による抗HIV評価について実験した。
【0072】
まず、p24抗原濃度50ng/mlに調整したHIV溶液(溶媒:メディウム培地)を図示しない輸液ポンプ(テルモ株式会社製)にて100ml/hrの速度で処理装置1の流入管3に送り込んだ。
【0073】
このとき、この輸液ポンプを作動させると同時に、光源14の各紫外線ランプを点灯させて、これら紫外線ランプから波長300nm〜400nmの紫外線を照射させた。
【0074】
そして、試験開始30分後に、処理装置1の流出管5から流出され、図示しない採取容器に溜まった液体から、500μlずつ10検体サンプリングし、これら10検体それぞれに宿主細胞であるH9細胞を混和した後、37℃、5%COのインキュベーターにて14日間培養した。
【0075】
この後、培養後の10検体における感染細胞より産生される培養上清中のp24抗原量を測定し、処理後の残存感染ウィルス量を間接的に測定した。
【0076】
この結果、10検体すべてにおいて、HIVが不活化していることが判明した。
【0077】
(実験例2)
上述の処理装置1の冷却効率について実験した。
【0078】
まず、6本のカラム15a,15b,…,15fを光源14の外周域に等間隔に離間させて設置した。
【0079】
そして、これらカラム15a,15b,…,15fを輸液チューブ(テルモ株式会社製)16にて直列に接続した。
【0080】
ここで、光源14の紫外線ランプとしてブラックライトを採用し、このブラックライトの外表面から各カラム15a,15b,…,15fの外表面までの距離を15mmとして、これら各カラム15a,15b,…,15fの外表面での紫外線強度を測定したところ、1200μW/cmであった(紫外線強度計:受光部UM−360 ミノルタ株式会社製)。
【0081】
このとき、ポリカーボネート製のカバー7を用い、このカバー7の内側面には、紫外線を反射させる銀めっきを施した。
【0082】
さらに、カバー7の上端域の排気口11に小型のファン12を取り付けた結果、このカバー7の下端域の空気取入孔13から外気が流入して、ブラックライトのフィラメントからの発熱によるカバー7内の温度上昇を抑制した。
【0083】
この結果、外気温度25℃の場合、ブラックライトを1時間点灯させた際におけるカバー7内の温度を32℃以下に保つことができると確認できた。
【0084】
上述したように、上記一実施の形態によれば、カバー7の内側面を鏡面加工したので、光源14の各紫外線ランプを点灯させると、これら各紫外線ランプからの光が、各カラム15a,15b,…,15jを透過して処理材17の二酸化チタン膜18へと直接照射されるとともに、カバー7の内側面にて反射された後、各カラム15a,15b,…,15jを透過して処理材17の二酸化チタン膜18へと照射される。
【0085】
この結果、光源14の各紫外線ランプからの光のほとんどを各カラム15a,15b,…,15jの二酸化チタン膜18のみに照射できるとともに、各カラム15a,15b,…,15jにて光源14の外周域を覆いかつ各カラム15a,15b,…,15jから光源14までの距離を等間隔にしたので、これら各カラム15a,15b,…,15j内の処理材17の二酸化チタン膜18それぞれに効率良くより均一に光源14からの光を受光させることができる。
【0086】
このため、これら各カラム15a,15b,…,15j内における処理材17の二酸化チタン膜18をより効率良くより均一に光励起できるとともに、光源14による光の照射量を少なくできるから、この光源14からの発熱量を少なくできる。
【0087】
よって、処理装置1の流入管3に被処理体を流入させることにより、各カラム15a,15b,…,15j内を被処理体が通過する際に処理材14の保持物質19に保持された特定の有害物質4を処理材17の二酸化チタン膜18による光触媒機能にて効率良く不活性化できるから、処理装置1の各カラム15a,15b,…,15j内に流入された被処理体をより効率良く処理できる。
【0088】
また、各カラム15a,15b,…,15jの内側面における全域に二酸化チタン膜18を成膜したので、この二酸化チタン膜18が光源14からの光を受光してこの光を透過させない。このため、光源14からの光が各カラム15a,15b,…,15j内を通過する被処理体へと照射しなくなるから、これら各カラム15a,15b,…,15j内を被処理体が通過する際におけるこの被処理体の構成成分、例えば血液成分および血漿成分の変性を確実に防止できる。
【0089】
さらに、各カラム15a,15b,…,15jを輸液チューブ16にて直列に接続するとともに、これらカラム15a,15b,…,15jそれぞれの軸方向を同一方向に向けた状態で光源14の周囲に配置させたので、狭い空間で被処理体を処理する流路を長くできるとともに、各カラム15a,15b,…,15jにおける被処理体が通過する時間を長くできる。このため、この被処理体中の有害物質4をより的確に処理材17の保持物質19にて保持できるとともに、この保持物質19が保持した有害物質4に対する二酸化チタン膜18の光触媒機能による不活性化率を向上でき、被処理体を的確に処理する処理装置1を小型化、すなわちコンパクト化できる。
【0090】
また、シランカップリング剤であるAPTES22およびグルタルアルデヒド23にて構成した架橋分子21を介して二酸化チタン膜18の表面に保持物質19を架橋させることにより、この二酸化チタン膜18の表面に保持物質19をより容易かつ確実に固定化できる。
【0091】
さらに、冷却ユニット10のファン12を駆動させることにより、外気が空気取入孔13からカバー7内へと吸気されるとともに、このカバー7内に吸気された空気がの排気口11から外部へと排気される。このため、光源14の各紫外線ランプを点灯させた際に生じるこれら紫外線ランプからの発熱を抑制できるから、これら紫外線ランプからの放熱による被処理体の不適切な加温を防止でき、この被処理体の構成成分の変性をより防止できる。
【0092】
また、カバー7の上端域に設けた排気口11にファン12を取り付け、このカバー7の下端域に空気取入孔13を開口したので、ファン12の駆動で外気が空気取入孔13からカバー7内へと吸気された後、排気口11から外部へと排気される。ここで、光源14の各紫外線ランプからの放熱にて加熱された空気は、比重が小さくなることによりカバー7内における上層域へと移動する。このため、光源14の各紫外線ランプからの放熱にて加熱された空気は、カバー7の上端の排気口11から外部へと排気されるので、光源14の各紫外線ランプからの放熱を簡単な構成でより効率良く抑制できる。
【0093】
なお、上記一実施の形態では、有害物質4としてウィルスであるHIVを対象として実験したが、表2に示すように、ウィルスは、特異的に抗原性を有し、この抗原性に対する特異的な抗体が存在し、この抗体に対して特異的に抗原性を示す蛋白質の保持物質19が存在するいずれのウィルスをも対象とできる。
【0094】
また、有害物質4として細菌である大腸菌を対象として実験したが、表1および表3に示すように、細菌、毒素は特異的に抗原性を有し、この抗原性に対する特異的な抗体が存在し、この抗体に対して特異的に抗原性を示す蛋白質の保持物質19が存在するいずれの細菌、毒素をも対象とできる。
【0095】
すなわち、このようなウィルス、細菌および毒素は、光触媒機能を有した二酸化チタン膜18に架橋分子21を介して所定の保持物質19を結合させることにより、この保持物質19にて容易に保持され、二酸化チタン膜18による光触媒機能に特定の有害物質4の選択保持能を付与できる。
【0096】
そして、保持物質19としては、蛋白質に限らず架橋分子21の末端のアルデヒド基に結合するアミノ基を有するいずれのものでも適用できる。
【0097】
お、上述のように、二酸化チタンは、光触媒機能が極めて強い酸化力を示すとともに安定性が高く、さらには常温空気存在化で表面に架橋分子21が結合するための水酸基を有している。また、表面に水酸基があまり存在しない二酸化チタンを用いる場合には、例えば酸により処理して表面に水酸基を形成させてから架橋分子21を結合させる。
【0098】
さらに、架橋分子21としては、APTES22およびグルタルアルデヒド23を用いたものに限らず、保持物質19を二酸化チタン膜18の表面に保持できるいずれの構成でもよい。
【0099】
そして、処理する被処理体に混入する有害物質4が複数存在する場合には、例えばそれぞれに対応する複数種の保持物質19を二酸化チタン膜18に保持させたカラム15a,15b,…,15jや、複数のカラム15a,15b,…,15jを直列に接続し、これらカラム15a,15b,…,15jの二酸化チタン膜18にそれぞれ異なる特定の有害物質4に対応する保持物質19を保持させて処理することもできる。
【0100】
さらに、被処理体を処理材17に接触させつつ光を照射して保持した有害物質4を不活性化する連続処理に限らず、光を照射することなく被処理体を処理材と接触させて有害物質4を保持物質19に保持させ、被処理体の処理材14との接触を終了させてから光を照射して、予め保持して捕捉した有害物質4を不活性化する間欠処理でもよい。なお、この間欠処理では、光触媒機能による被処理体の構成成分の変性を確実に防止できるとともに、分解された有害物質4の一部の構成成分が剥離などして被処理体に再び混入することをも確実に防止できる。
【0101】
さらに、二酸化チタン膜18の表面に保持物質19を架橋分子21を介して架橋させた構成に限らず、この架橋分子21を用いない吸着などのいずれの状態で連結させてもよく、架橋分子21の一部のみに保持物質19を設けてもよく、架橋分子21に異なる特性を有する保持物質19を結合させてもよい。
【0102】
また、被処理体の構成成分が各カラム15a,15b,…,15j内における処理材17の二酸化チタン膜18に接触できない密な状態となるように、この二酸化チタン膜18の表面に架橋分子21や保持物質19を固定させて、この二酸化チタン膜18の表面を覆うなどしてもよい。この結果、被処理体の構成成分が二酸化チタン膜18に接触しない構成となるから、確実に被処理体の構成成分の変性を防止できる。
【0103】
さらに、10本のカラム15a,15b,…,15jを輸液チューブ16で直列に接続したが、処理する被処理体に応じて複数のカラム15a,15b,…,15jを並列に接続してもよく、より多数のカラム15a,15b,…,15jを直列または並列に必要に応じて適宜接続できる。また、複数のカラム15a,15b,…,15jを並列に接続した場合には、これらカラム15a,15b,…,15jを直列に接続した場合に比べ、所定時間当りに対する被処理体の処理量を多くできる。さらに、互いに接続するカラム15a,15b,…,15jの個数は任意であり、処理量によって最適数を決定すればよい。
【0104】
そして、カバー7の上端域に開口した排気口11にファン12を取り付け、このカバー7の下端域に空気取入孔13を設けた冷却ユニット10について説明したが、各カラム15a,15b,…,15j内を通過させて処理する被処理体の構成成分の変性が防止できる程度に、光源14の各紫外線ランプから生じる発熱を効率良く抑制できれば、どのような構成であってもよい。
【0105】
【発明の効果】
請求項1記載の有害物質の処理装置によれば、光源からの波長380nm以下の紫外線が基材を介して処理材の二酸化チタンに直接照射するとともに、容器の内側にて反射された後、基材を介して処理材の二酸化チタンに照射するから、光源からの紫外線二酸化チタンに効率良くより均一に照射できるので、この二酸化チタンをより効率良くより均一に光励起できるため、被処理体を基材に流入させれば、この基材内において処理材の保持物質が保持したウィルス、細菌および毒素のいずれかのうちの特定の有害物質を二酸化チタンによる光触媒機能で効率良く不活性化でき、基材内に流入した被処理体をより効率良く処理できる。
【0106】
請求項2記載の有害物質の処理装置によれば、請求項1記載の有害物質の処理装置の効果に加え、保持物質を架橋部にて二酸化チタンの表面に架橋させれば、この二酸化チタンの表面に保持物質をより容易かつ確実に設けることができる。
【0107】
請求項3記載の有害物質の処理装置によれば、請求項1または2記載の有害物質の処理装置の効果に加え、内側に処理材を設けた各基材を互いに直列に接続し、これら基材にて光源の外域を覆えば、この光源からの紫外線をより効率良く各基材の内側の二酸化チタンに照射できるため、基材に流入させた被処理体をより少ない紫外線量で処理できるから、この被処理体をより効率良く処理できる。
【0108】
請求項4記載の有害物質の処理装置によれば、請求項3記載の有害物質の処理装置の効果に加え、光源から等間隔離れた位置に複数の基材それぞれを配設したので、これら基材それぞれの処理材の二酸化チタンにより均一に光源からの紫外線が照射するため、これら基材内の二酸化チタンによる被処理体における有害物質の不活性化をより均一にできるから、基材に流入させた被処理体をより効率良く処理できる。
【0109】
請求項5記載の有害物質の処理装置によれば、請求項1ないし4いずれか記載の有害物質の処理装置の効果に加え、光源からの放熱を冷却手段にて抑制すれば、この光源からの放熱による被処理体の不適切な加温を防止できるので、この被処理体の構成成分の変性を防止できる。
【0110】
請求項6記載の有害物質の処理装置によれば、請求項5記載の有害物質の処理装置の効果に加え、光源からの放熱にて加熱された雰囲気は、比重が小さくなって容器内の上方に移動するから、容器の上端域に設けた送風部の送風で、容器の下端域に開口した通気口から容器の内部へと送風を生じさせれば、光源からの放熱にて加熱された雰囲気が、容器の上端の送風部から外部へと送風されるので、光源からの放熱を簡単な構成でより効率良く抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の有害物質の処理装置を示す説明側面図である。
【図2】 同上処理装置の一部を示す説明斜視図である。
【図3】 同上処理装置の処理材を示す説明図である。
【図4】 同上処理材の製造工程を示す構造図である。
(a) 二酸化チタンにAPTESを導入する説明図
(b) 二酸化チタンに導入したAPTESにグルタルアルデヒドを導入する説明図
(c) 二酸化チタンに導入したグルタルアルデヒドに保持物質を導入する説明図
(d) 二酸化チタンに保持物質を導入した説明図
(e) 二酸化チタンに架橋部を介して保持物質を導入した説明図
【図5】 同上処理装置の使用方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 有害物質の処理装置
4 有害物質
7 容器としてのカバー
10 冷却手段としての冷却ユニット
12 送風部としてのファン
13 通気口としての空気取入孔
14 光源
15a,15b,…,15j 基材としてのカラム
17 処理材
18 酸化チタ
19 保持物質
21 架橋部としての架橋分子

Claims (6)

  1. 内側に光反射性を有する容器と、
    この容器内に配設され光透過性を有する細長筒状の基材と、
    この基材の内側に設けられ液相および気相の少なくともいずれか1つの形態を採る被処理体に混入または混入するおそれのあるウィルス、細菌および毒素のいずれかの有害物質を光触媒機能により不活性化する二酸化チタン、およびこの二酸化チタンの表面に設けられ特定の前記有害物質のみを保持する特異性を有する保持物質を備えた処理材と、
    前記容器内における前記基材の外域に配設され、この基材を介して前記処理材の二酸化チタン波長380nm以下の紫外線を照射する光源と
    を具備していることを特徴とした有害物質の処理装置。
  2. 処理材は、保持物質を二酸化チタンの表面に架橋する架橋部を備えている
    ことを特徴とした請求項1記載の有害物質の処理装置。
  3. 内側に処理材が設けられた基材を複数具備し、
    これら複数の基材は、互いに直列に接続されて、光源の外域を覆っている
    ことを特徴とした請求項1または2記載の有害物質の処理装置。
  4. 複数の基材それぞれは、光源から等間隔離れた位置にそれぞれ配設されている
    ことを特徴とした請求項3記載の有害物質の処理装置。
  5. 光源からの放熱を抑制する冷却手段を具備している
    ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか記載の有害物質の処理装置。
  6. 冷却手段は、容器の上端域に取り付けられた送風部と、
    前記容器の下端域に開口された通気口と
    を備えていることを特徴とした請求項5記載の有害物質の処理装置。
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