JP4043181B2 - 軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム - Google Patents

軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、採取した軟弱土もしくは土砂に硬化剤を加えて改良土を製造するとともに、この改良土を圧送するためのシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
港湾や河川に堆積した微粒粘土質の軟弱土は、浚渫され埋立土として使用されている。この軟弱土は、乾燥・固化時間の短縮や海水汚濁防止の面から、グラブやバケットによる高濃度浚渫が行われ、硬化剤を添加した改良土として形成された後に、埋立地にパイプ輸送(圧送)されるようになっている。
【0003】
この際に用いられる軟弱土改良・圧送システムの概要を図17に示す。図17中に示す軟弱土改良・圧送システム1においては、例えば港湾の沖合において浚渫船2により軟弱土Sをグラブ浚渫し、さらに、浚渫した軟弱土Sを土砂運搬船3により、圧送船4にまで搬送する。圧送船4では、セメントミルクが製造されるとともに、このセメントミルクと軟弱土Sとを混練することにより、改良土が製造され、この改良土が、管路5を通じて埋立地6に向けて圧送される。これにより、埋立地6に対して改良土を供給することが可能となっている。
【0004】
図18は、圧送船4内部において改良土を形成する際に用いられる設備の概略構成を示す図である。圧送船4には、セメントミルクを製造するためのセメントミルクプラント7と、軟弱土およびセメントミルクを混練するための混練装置8と、混練装置8から排出された改良土を圧送するための圧送装置9とが備えられている。
【0005】
セメントミルクプラント7は、セメントを貯蔵するためのセメントタンク10と、セメントタンク10に接続されたミキサー11とミキサー11において製造されたセメントミルクを一時的に貯蔵するためのチャージタンク12とを備えており、ミキサー11には、セメントミルク10を製造する際に必要な水を供給する給水ライン13が接続されている。
【0006】
一方、混練装置8は、軟弱土を投入することが可能な軟弱土ホッパ15と、一端側が軟弱土ホッパ15に対して接続され、他端側が圧送装置9に対して接続されたスクリュウコンベア16とを備えた構成とされている。スクリュウコンベア16は、チャージタンク12に対してセメントミルク供給管17を介して接続されている。また、圧送装置9は、スクリュウコンベア16に対して接続されたポンプ19とポンプ19に接続された圧送管20とを備えた構成となっている。
【0007】
圧送船4内部においては、セメントタンク10からセメントが、給水ライン13から水が、ミキサー11に対して定量供給され、ミキサー11においてセメントおよび水が混練されることにより、セメントミルクが製造される。製造されたセメントミルクは、チャージタンク12に一時的に貯蔵された後、セメントミルク供給管17を介してスクリュウコンベア16に対して供給される。
【0008】
また、土砂運搬船3(図17参照)によって運搬された軟弱土Sは、軟弱土ホッパ15内に投入され、スクリュウコンベア16によって圧送装置9に供給される過程で、セメントミルクが添加され混練されることにより、改良土として形成される。そして、このように形成された改良土が、圧送装置9によって埋立地に対して供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の軟弱土改良・圧送システム1は、以下のような問題点を有するものであった。
すなわち、上述の軟弱土改良・圧送システム1においては、セメントミルクが添加されて高強度化された改良土が、圧送管20および管路5を通じて埋立地6に対して供給されることとなっているが、このように高強度化された改良土は、粘度が増大したものとなるため、圧送管20および管路5の距離が長いと、その圧送に困難をきたすこととなる。
また、改良土の圧送を容易にするために、改良土に対して水を添加すると、こんどは、改良土が所定の強度を発現できないこととなってしまう。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、改良土を、その強度を大きく低下させることなく、圧送に適した状態とすることができるような軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の発明は、採取した軟弱土もしくは土砂に硬化剤を加えて改良土を製造するとともに、該改良土を圧送するためのシステムであって、
前記軟弱土もしくは土砂に対して硬化剤および希釈水を添加して混練することにより前記改良土を製造するための軟弱土・土砂−硬化剤混練装置と、
製造された改良土を、該改良土の使用対象位置に圧送するためのポンプおよび圧送管を有する圧送装置と、
前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置における前記軟弱土もしくは土砂の投入口から前記軟弱土もしくは土砂を採取し、採取した前記軟弱土もしくは土砂の濃度を分析する濃度分析装置と、
前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置には、前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置に対して投入される軟弱土もしくは土砂の濃度と、前記硬化剤の投入量と、製造されるべき改良土の強度との関係、および、前記改良土における濃度および粘度の関係があらかじめ入力され、
前記制御装置は、前記濃度、硬化剤投入量、および改良土強度の関係に基づき、前記濃度分析装置からの出力結果と、前記改良土が発揮すべき所定強度とから、前記硬化剤の投入量を決定するとともに、決定された投入量をもって前記硬化剤を前記軟弱土もしくは土砂に混練した際に製造される改良土が前記圧送管を圧送される場合の前記ポンプにおける圧力を検出し、
さらに、前記制御装置は、該圧力が、あらかじめ設定された圧力以上である場合に、前記圧力が所定値以下となるように、前記圧送管における圧力損失が前記所定値以下となるような前記改良土の粘度を求め、前記濃度および粘度の関係に基づいて、該改良土の粘度に対応する濃度を求め、該濃度を実現するような前記希釈水の添加量を決定するとともに、該濃度から、前記濃度、硬化剤投入量、および、改良土強度の関係に基づき、前記所定強度を発揮しうる硬化剤投入量を求め、この硬化剤投入量に基づいて前記硬化剤の添加量を調整する構成とされていることを特徴としている。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記改良土が通過する管の管内圧力損失を計測可能な圧力損失計測装置が備えられ、
前記制御装置は、前記圧力損失計測装置の検出結果に基づいて、前記改良土が通過する管の管内圧力損失と粘度との関係を修正し、この修正した関係に基づいて、前記希釈水の添加量を決定する際に必要な改良土の粘度を推定することを特徴としている。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1または2に記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記硬化剤を製造するとともに前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置に対して供給する硬化剤製造装置を備え、
前記制御装置は、前記圧力を所定値以下とするために添加すべき前記硬化剤の量と同量の硬化剤が前記硬化剤製造装置において製造されるように、該硬化剤製造装置の動作を制御することを特徴としている。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1からのいずれかに記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置は、一軸型スクリュウコンベアの一端側に前記軟弱土もしくは土砂の投入口を設けるとともに、他端側に前記改良土の排出口を設けた構成とされ、
該一軸型スクリュウコンベアのトラフ内壁面には、複数の固定ピンが突出状態に設けられ、
該固定ピンは、前記一軸型スクリュウコンベア内部の前記軟弱土もしくは土砂または改良土の搬送経路内において前記軟弱土もしくは土砂または改良土の搬送方向と交差するように配置されていることを特徴としている。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置は、一対の前記一軸型スクリュウコンベアを備えて構成され、
これら一軸型スクリュウコンベアは、互いに上下に位置するように設けられるとともに、上側の一軸スクリュウコンベアの前記排出口を下側の一軸スクリュウコンベアの前記投入口に対向させて配置され、
上側の一軸スクリュウコンベアの前記投入口と下側の一軸スクリュウコンベアの前記排出口との間には、前記軟弱土もしくは土砂が通過可能な迂回路が設けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項からのいずれかに記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記硬化剤製造装置は、硬化剤製造用スクリュウコンベアの一端部側にセメントの供給口が設けられ、他端部側に前記硬化剤の吐出口が設けられるとともに、該一端部および他端部の中間部が前記セメントに対して水を供給する水供給部として形成された構成となっており、
前記硬化剤製造用スクリュウコンベアは、前記供給口と前記水供給部との間に位置する部分のスクリュウのピッチが、前記水供給部のスクリュウのピッチに比較して小とされていることを特徴としている。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記水供給部は、その前記一端部側の端部に、前記セメントを予備混合するために必要な水を供給するための第一の水注入口が設けられ、前記他端部側の端部に、前記硬化剤を所望の濃度とするための追加水を供給可能な第二の水注入口が設けられた構成とされていることを特徴としている。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項または記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記水供給部においては、前記硬化剤製造用スクリュウコンベアのトラフの内壁面に、複数の突出ピンが、前記セメントの搬送方向と交差する方向に位置させて設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項記載の発明は、請求項からのいずれかに記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
前記硬化剤製造装置は、前記供給口に対してセメントを連続供給する連続供給機を備え、
該連続供給機は、セメントを一定量貯蔵するためのクッションタンクと、該クッションタンクの下方に水平に設けられた平面状の受入ホッパと、該受入ホッパ上に堆積した前記セメントを前記供給口に対して供給するためのセメント搬送用スクリュウコンベアとを備え、
前記受入ホッパは、前記クッションタンクの下面に設けられて前記セメントを排出するセメント排出口の直下に配置され、
該セメント排出口と前記受入ホッパとの間には、円盤状の載荷部を有する荷重測定装置が設けられ、
荷重測定装置は、前記載荷部上に堆積した前記セメントを下方に連続的に落下させる落下手段を有するとともに、
前記セメントが、前記受入ホッパから前記セメント排出口に至る位置に、その円錐面と水平面とのなす角が所定の安息角となるような円錐形状をもって連続的に堆積した場合に、前記載荷部の外周輪郭部が前記円錐面上に位置する構成とされ、
前記荷重測定装置および前記セメント搬送用スクリュウコンベアを駆動する駆動装置が、制御部に接続され、
前記制御部は、前記セメントが前記受入ホッパから前記セメント排出口に至る位置に前記円錐形状をもって連続的に堆積した場合に、前記荷重測定装置により測定される前記セメントの荷重が一定になるように、前記セメント搬送用スクリュウコンベアの回転数を制御することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
なお、この実施の形態において説明する軟弱土改良・圧送システムの概略構成は、上記従来の技術の軟弱土改良・圧送システムと同様であるため、ここでは、上記従来の技術と異なる点のみを説明するとともに、上記従来の技術と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
本実施の形態において、上記従来の技術と異なる点は、軟弱土改良・圧送システムのうち、図1にその概要を示すような、圧送船4上に搭載された設備に関する点である。
【0023】
図1に示すように、この軟弱土改良・圧送システム(軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム)30は、セメントミルクを製造するためのセメントミルクプラント31と、製造されたセメントミルクプラント31を軟弱土Sに対して混練するための混練装置(軟弱土・土砂−硬化剤混練装置)32と、海水を採取してセメントミルクプラント31および混練装置32に対して供給するための海水採取プラント33と、混練装置32において形成された改良土を埋立地6に対して圧送するための圧送装置34とを備えた概略構成とされている。
【0024】
セメントミルクプラント31は、図2に拡大して示すように、セメントを貯蔵するためのチャージホッパ35と、チャージホッパ35から排出されたセメントを計量しつつ搬送する計量フィーダ36と、計量フィーダ36に接続されてセメントミルクを連続的に製造するセメントミルク連続製造機(硬化剤製造装置)37とを備えている。また、このセメントミルク連続製造機37は、セメントを連続供給するための連続供給機38と、連続供給機38に接続された硬化剤製造用スクリュウコンベア39とを備えた構成とされている。
【0025】
また、混練装置32は、図1に示すように、軟弱土Sが投入される軟弱土ホッパ41と、軟弱土ホッパ41に接続された一軸型スクリュウコンベア42と、この一軸型スクリュウコンベア42と対をなすように設けられるとともに、一端が一軸型スクリュウコンベア42に接続され、他端が圧送装置34に対して接続された一軸型スクリュウコンベア43とを備えた構成となっている。また、軟弱土ホッパ41には、投入された軟弱土Sを採取して、その濃度を分析するための濃度分析装置121が備えられている。
【0026】
また、海水採取プラント33は、図1に示すように、海水を一時的に貯蔵する海水用クッションタンク47を、セメントミルク連続製造機37および混練装置32に対し、バルブ122,123および流量計124,125を介して接続してなるものであり、より詳細には、図2に示すように、海水を揚水するための海水ポンプ45と、揚水した海水を計量する計量計46と、海水用クッションタンク47とを直列に接続し、海水用クッションタンク47を、海水供給ライン48を介して、セメントミルク連続製造機37および混練装置32に対して接続した構成となっている。
【0027】
また、圧送装置34は、混練装置32から排出された改良土を一時的に貯蔵するための改良土受けホッパ126と、改良土受けホッパ126に接続された移送ポンプ(ポンプ)127と、移送ポンプ127に接続された圧送管128とを備えた構成となっている。圧送管128には、その管内圧力を測定するための圧力計129が備えられている。また、この圧送装置34においては、圧送管128から改良土受けホッパ126にまで至るようにループ管130が配管されており、このループ管130には、ループ管130内を改良土が搬送される際に、このループ管130内の異なる二点の圧力を比較することによってループ管130内における管内圧力損失を測定することのできる圧力損失検出装置131(131a,131b,131c)が設けられている。
【0028】
また、および流量計124,125、濃度分析装置121、圧送管128に接続された圧力計129、および圧力損失検出装置131は、その測定結果をCPUを備えた制御装置133に対して出力することができるようになっている。さらに、これらの出力に基づき、制御装置133は、計量フィーダ36、セメントミルク連続製造機37、バルブ122,123の開閉を行うためのバルブ開閉装置134,135、スクリュウコンベア42,43の回転駆動を行うためのモータ102,103、および、圧送装置34の移送ポンプ127を駆動するためのモータ136の動作を制御することができるようになっている。
【0029】
次に、圧送船4上の内部において軟弱土Sから改良土を形成する際の手順について説明する。
この場合の手順の概要は以下の通りである。すなわち、まず、セメントミルクプラント31においてセメントミルクを製造するとともに、製造されたセメントミルクをセメントミルク供給管50を介して、混練装置32に対して供給する。混練装置32においては、土砂運搬船3によって搬送された軟弱土Sがバックフォなどにより、軟弱土ホッパ41に投入され、破砕機40によって塊状の部分が破砕された状態で、一軸型スクリュウコンベア42,43に対して供給される。そして、これら一軸型スクリュウコンベア42,43において、セメントミルクと軟弱土Sとが混練されることにより改良土が形成される。
【0030】
ここでは、まず、図2から7を参照して、セメントミルクプラント31においてセメントミルクを製造する際の手順を、セメントミルクプラント31の構成の詳細と併せて説明する。
このセメントミルクプラント31においては、チャージホッパ35に貯蔵されたセメントが計量フィーダ36を通じて、セメントミルク連続製造機37の連続供給機38に対して供給される。連続供給機38は、図3に拡大して示すように、セメントを一定量貯蔵するためのクッションタンク54と、クッションタンク54の下方に水平に設けられた平面状の受入ホッパ55と、受入ホッパ55上に堆積したセメントCを硬化剤製造用スクリュウコンベア39(図1,2参照)に対して供給するためのセメント搬送用スクリュウコンベア56とを備えた構成とされている。
【0031】
受入ホッパ55は、クッションタンク54の下面に設けられてセメントCを排出するためのセメント排出口57の直下に配置されており、このセメント排出口57と受入ホッパ55との間には、水平配置された円盤状の載荷部58を有する荷重測定装置59が設けられている。
【0032】
荷重測定装置59は、載荷部58上に堆積したセメントCの重量を測定可能とされたものであり、載荷部58上に、回転レーキ(落下手段)60が設けられた構成となっている。載荷部58および回転レーキ60を拡大して示したのが図4および5である。回転レーキ60は、円盤状の載荷部58の半径と略同一の長さ寸法に形成されたレーキ部61と、載荷部58の中心を回転中心としてレーキ部61を回転駆動するモータ(駆動装置)62とを備えた構成とされている。モータ62は、載荷部58の下方に設けられている。これにより、モータ62を駆動することで、レーキ部61を回転させ、載荷部58上にセメントCが堆積している場合には、セメントCを載荷部58の下方に連続的に落下させることが可能となっている。
【0033】
また、クッションタンク54のセメント排出口57からセメントCを受入ホッパ55上に自然落下させた場合、セメントCは、図3中に示すように、受入ホッパ55からセメント排出口57に至る位置に、その円錐面S1と水平面H1とのなす角が所定の安息角(図3中θ1)となるような円錐形状F1をもって連続的に堆積することとなるが、載荷部58は、このような場合に、その外周輪郭部58aが円錐形状F1の円錐面S1上に位置するように形成されている。
【0034】
また、セメント搬送用スクリュウコンベア56は、モータ(駆動装置)64によって回転駆動され、受入ホッパ55上に堆積したセメントCを次工程に搬送することが可能となっている。ここに、荷重測定装置59とモータ64とは制御部65に接続されている。制御部65は、荷重測定装置59の出力に基づいてモータ64の回転数を制御できるようになっている。
【0035】
セメント搬送用スクリュウコンベア56によって搬送されたセメントCは、硬化剤製造用スクリュウコンベア39の供給口に対して供給される。硬化剤製造用スクリュウコンベア39は、図6に示すように、その一端部66側に、セメントCの供給口67が設けられ、他端部68側にセメントミルクの吐出口69が設けられた構成となっている。また、一端部66および他端部68の中間部70の一定領域が、セメントCに対して海水を供給する水供給部71として形成されている。
【0036】
また、硬化剤製造用スクリュウコンベア39は、供給口67と水供給部71との間に位置する部分のスクリュウ翼72のピッチ(図6中p1)が、供給口67付近のスクリュウ翼72のピッチ(図6中p2)、および、水供給部71のスクリュウ翼72のピッチ(図6中p3)に比較して小となるように形成されている。
【0037】
また、水供給部71は、一端部66側の端部に第一の水注入口74が設けられ、他端部68側の端部に第二の水注入口75が設けられた構成となっている。これら第一および第二の水注入口74,75は、ともに、海水供給ライン48(図2参照)に対して接続されており、第一の水注入口74は、セメントCを予備混合するために必要な海水を供給し、また第二のの水注入口75は、セメントCを海水と混合することにより形成されたセメントミルクを所望の濃度とするための追加(海)水を供給するためのものとなっている。
【0038】
さらに、この水供給部71においては、硬化剤製造用スクリュウコンベア39のトラフ76の内壁面77に、複数の突出ピン78,78,…が、セメントCが搬送される方向(図中x方向)と直交する方向に位置させて設けられている。
【0039】
また、水供給部71のさらに他端部68側には、スクリュウ79の軸80に対して図7に拡大して示すようなダブルヘリカル81が取り付けられている。
【0040】
このようなセメントミルクプラント31においてセメントミルクを製造するには、まず、チャージホッパ35に貯蔵したセメントCを、計量フィーダ36を通じて、連続供給機38のクッションタンク54に対して供給する。このセメントCは、クッションタンク54からセメント排出口57を通じて受入ホッパ55上に排出され、受入ホッパ55上に図3に示したような円錐形状F1をもって堆積する。
【0041】
この場合、荷重測定装置59の載荷部58上にもセメントCが堆積することとなり、この際に回転レーキ60のモータ62を駆動することにより、載荷部58上に堆積したセメントCを連続的に落下させるようにする。また、この場合、荷重測定装置59は、載荷部58上に堆積したセメントCの重量を検出して、制御部65にその結果を出力する。このとき、制御部65は、荷重測定装置59から得られる出力が一定となるように、モータ64を制御してセメント搬送用スクリュウコンベア56の回転数を調整する。
【0042】
制御部65にこのような制御を行わせるのは、以下のような理由による。すなわち、セメントCがクッションタンク54のセメント排出口57から載荷部58に対して自然落下させられることから、荷重測定装置59によって測定されたセメントCの荷重が一定である場合には、セメントCが、載荷部58上において円錐面が水平面に対して安息角θ1をなすような円錐形状を保ったまま堆積していると判断することができる。また、この場合、載荷部58からもセメントCが回転レーキ60によって常に連続的に落下させられていることから、載荷部58の下方においても、堆積したセメントCの円錐形状F1の安息角θ1が崩れることなく維持されていると考えられ、載荷部58の下方に堆積したセメントCが所定の円錐(台)形状で堆積していると判断できる。(なお、載荷部58の下方の安息角θ1が崩れた場合、図3のような構成においては、その影響は、当然載荷部58上に堆積したセメントCにも及ぶため、この場合には、荷重測定装置59の出力が一定に保たれなくなると考えられる。)
【0043】
したがって、載荷部58の荷重が一定となるように、セメント搬送用スクリュウコンベア56の回転数を調整することによって、常に図3に示したような一定形状に堆積したセメントCの山からセメントCを採取できることとなり、これにより、セメントCを連続的かつ定量的に搬送することが可能となる。つまり、ここでは、セメントCの硬化剤製造用スクリュウコンベア39に対する連続・定量供給を目的として、制御を行っている。
【0044】
このようにして、連続供給機38から連続・定量供給されるセメントCは、セメント搬送用スクリュウコンベア56によって、硬化剤製造用スクリュウコンベア39の供給口67に搬送され、硬化剤製造用スクリュウコンベア39の内部に投入される。
【0045】
硬化剤製造用スクリュウコンベア39においては、モータ82(図6参照)を駆動することにより、スクリュウ81が回転され、これによりセメントCがトラフ76内を搬送される。
【0046】
このとき、供給口67付近のスクリュウ翼72のピッチp2が、供給口67と水供給部71との間に位置する部分のスクリュウ翼72のピッチp1に比較して大とされるために、セメントCは、水供給部71にまで搬送される間にスクリュウ翼72によって加圧されることとなる。
【0047】
また、水供給部71におけるスクリュウ翼72のピッチp3が、供給口67と水供給部71との間のスクリュウ翼72のピッチp1に比較して大となっているために、水供給部71においては、加圧された圧力が開放されることとなる。
【0048】
このように、セメントCが、水供給部71に至る以前において加圧されるために、水供給部71における第一の水注入口74から、海水供給ライン48(図2参照)を介して海水を供給した場合に、海水がトラフ76内を逆流しないようになっている。
【0049】
水供給部71に搬送されたセメントCは、第一の水注入口74から注入された海水と予備混合されスクリュウ翼72によって撹拌されつつ、さらにx方向に搬送される。この場合、トラフ76の内面に突出状態に設けられた突出ピン78により、セメントCおよびセメントCと海水とを混合することにより形成されたセメントミルクに対してせん断応力が付与され、これにより、海水およびセメントCを良好に撹拌することができる。
【0050】
さらに、このような混合撹拌によって形成されたセメントミルクに対して、第二の水注入口75から再び海水(追加水)が注入されることにより、セメントミルクを所望の濃度とすることができる。さらに、このようにして形成されたセメントミルクをダブルヘリカル81によって撹拌することにより、セメントミルクのセメントとミルクを良好に分散することができる。
【0051】
以上のような手順により、セメントミルクプラント31においてセメントミルクを連続製造することができる。
【0052】
次に、図8および図9を参照して、このようにして製造したセメントミルクを用いて、混練装置32において改良土を形成する際の手順を、混練装置32の構成の詳細と併せて説明する。
混練装置32においては、土砂運搬船3によって搬送された軟弱土Sがバックフォにより、軟弱土ホッパ41(図1参照)に投入される。この際に、軟弱土Sは、塊状の部分が破砕機によって破砕された状態とされ、さらに、軟弱土ホッパ41から一軸型スクリュウコンベア42に投入される。
【0053】
図8は、一軸型スクリュウコンベア42およびこれに接続された一軸型スクリュウコンベア43の構成の詳細を示す図である。
一軸型スクリュウコンベア42および43は、ともに、その一端42a,43a側に軟弱土Sの投入口84,85が設けられ、他端42b,43b側に軟弱土Sの排出口86,87が設けられた構成となっている。これらのうち投入口84は、軟弱土ホッパ41(図1参照)に接続された構成となっている。
【0054】
また、これら一軸型スクリュウコンベア42および43は、互いに上下に位置するように設けられるとともに、上側の一軸型スクリュウコンベア42の排出口86に対して、一軸型スクリュウコンベア43の投入口85を対向させて配置されている。これにより、一軸型スクリュウコンベア42から排出された軟弱土Sは、一軸型スクリュウコンベア43に対して再び投入されることとなる。また、一軸型スクリュウコンベア42の投入口84と一軸型スクリュウコンベア43の排出口87との間には軟弱土Sが通過可能な迂回路201が設けられており、迂回路201には開閉可能なシャッター200が設けられている。なお、このシャッター200は平常時には閉じられている。
【0055】
また、これら一軸型スクリュウコンベア42,43は、そのトラフ89,90の内壁面91,92に固定ピン94,94,…が突出状態に設けられた構成となっている。これら固定ピン94,94,…は、トラフ89,90内部の軟弱土Sの搬送経路(スクリュウ軸95,96を中心軸とし、スクリュウ翼97,98と同一のピッチの螺旋形状の経路)にそれぞれ直交するように配置されている。
【0056】
図9は、一軸型スクリュウコンベア42(43)の軸方向に直交する断面を示す図である。図中に示すように、トラフ89(90)は、円形の断面形状とされている。また、固定ピン94には、セメントミルク供給管50(図1参照)に接続されてセメントミルクを軟弱土Sに対して注入するための注入孔100が設けられている。各注入孔100は、そのトラフ89(90)内部に対する開口部101が、トラフ89(90)内部の軟弱土Sの搬送経路(スクリュウ軸95(96))を中心軸とし、スクリュウ翼97(98)と同一のピッチの螺旋形状の経路)と同一の方向にそれぞれ開口した構成となっている。
【0057】
なお、図8に示すように、一軸型スクリュウコンベア42および43は、別々のモータ102,103により、そのスクリュウ105,106が回転駆動される構成となっている。
【0058】
一軸型スクリュウコンベア42および43がこのような構成とされることから、軟弱土ホッパ41に対して投入された軟弱土Sは、一軸型スクリュウコンベア42の投入口84に投入され、スクリュウ105によって撹拌されつつ搬送される。このとき、軟弱土Sは、固定ピン94,94,…の設置対象箇所を通過する際に、セメントミルクが添加され、これにより改良土として形成されることとなる。また、軟弱土Sが固定ピン94,94,…の設置対象箇所を通過する際には、固定ピン94,94,…からせん断応力が与えられること、および、この際にセメントミルクがトラフ89,90の中心部に注入されることとなるために、良好に軟弱土S中にセメントミルクを高速に撹拌分散することが可能となる。また、この場合、注入孔100の開口部101が、軟弱土Sの搬送方向と同一方向に開口されているために、セメントミルクを高圧で注入する必要がない。
【0059】
また、一軸型スクリュウコンベア42の排出口86から排出された軟弱土S(改良土)は、一軸型スクリュウコンベア43の投入口85に投入されることとなり、ここで再度、セメントミルクが添加されて混練されるとともに、排出口87から排出される。この場合、モータ103の回転数等を調整することにより、スクリュウ106の回転数ピッチをスクリュウ105と異ならせ、これによりセメントミルクの分散性をさらに増大させるようにする。
【0060】
このようにして、一軸型スクリュウコンベア42,43により軟弱土Sに対してセメントミルクを添加撹拌し、改良土を形成するとともに、一軸型スクリュウコンベア43の排出口87から改良土を排出し、これを圧送装置34に対して供給する。なお、ここで、軟弱土Sに対してセメントミルクを混練する必要がない場合には、シャッター200を開放することにより、一軸型スクリュウコンベア42の投入口84に投入された軟弱土Sが、迂回路201を通過して、そのまま一軸型スクリュウコンベア43の排出口87に排出されるようにする。これにより、一軸型スクリュウコンベア42,43を駆動する必要が無くなる。
【0061】
以上により、圧送船内4内において改良土が形成される。なお、圧送装置34に供給された改良土は、圧送装置34の移送ポンプ127により加圧されて、圧送管128を通じて埋立地6に搬送される。
【0062】
次に、このような軟弱土改良・圧送システム30において、制御装置133が行う制御の内容についてを、図10から図15を参照して説明する。
制御装置133には、図11に示すような、混練装置32におけるセメントミルク混入量C0〜Cn(C0は、混入量0の場合、以下同様)ごとの流量Qとモータ102,103の回転数Nとの関係、図12に示すような硬化剤製造用スクリュウコンベア39におけるモータ回転数Nと流量Qとの関係、図13に示すような軟弱土Sの濃度と改良土の強度とのセメントミルク混入量C0〜Cnごとの関係、図14に示すような改良土の強度ごとのセメントミルク混入量と軟弱土濃度との関係、図15に示すような、軟弱土Sの濃度と移送管128の管内圧力損失Pとのセメント混入量C0〜Cnごとの関係、および図16に示すような、軟弱土Sの濃度と粘度とのセメント混入量C0〜Cnごとの関係、が数式として、あらかじめ入力されている。
【0063】
なお、図13,14,16は、ともに軟弱土Sの濃度−製造される改良土の強度−軟弱土Sに混入したセメントミルクの混入量の関係を表すものであって、互いに等価なものである。
【0064】
また、ここでは、図10に示すように、軟弱土改良・圧送システム30の制御を開始する以前に、制御装置133に対して、軟弱土改良・圧送システム30内における各種配管データ(管径、管長等)、および製造すべき改良土の量(輸送流量)、セメントミルクの混練されていない軟弱土S(プレミックス土)の強度、セメントミルク連続製造機37において製造されるセメントミルクのセメント/水比、および、混練装置32に投入される軟弱土Sの初期濃度・初期粘度を入力しておく(ステップS1)。
【0065】
さらに、軟弱土改良・圧送システム30の制御開始以前に、製造されるべき改良土の必要強度、移送ポンプ127のポンプ圧の最大値Pmax、移送ポンプ127の流量、混練装置32における流量、混練装置32において添加される海水(希釈水)の水量、硬化剤製造用スクリュウコンベア(セメントフィーダ)39における流量、および計量フィーダ(ベルトフィーダ)36における流量の設定を行い、これらを制御装置133に対して入力しておく(ステップS2)。上記各流量の設定量は、製造すべき改良土の量に対応して定められる。
【0066】
そして、軟弱土改良・圧送システム30の運転に伴い、制御装置133による制御を開始する。ここでは、制御装置133は、濃度分析装置121において検出された軟弱土Sのサンプルの濃度を参照するとともに(ステップS3)、この軟弱土Sのサンプルの濃度と、ステップS1において設定されたセメントフィーダ流量およびステップS2において設定されたセメントミルクのセメント/水比から求められるセメントミルクの混入量Cxとから、図13に示したような軟弱土濃度−強度のセメントミルク混入量Cごとの関係に基づき、混練装置32において形成される改良土に期待される強度を予測・算出する。そして、この予測強度と、あらかじめ入力しておいた改良土における必要強度とを比較し(ステップS4)、これらが一致していなければ、混練装置32において混入すべきセメントミルクの投入量を修正するようにする(ステップS5)。ここでは、混練装置32に投入するセメントミルクの投入量を修正するのに対応して、計量フィーダ36および硬化剤製造用スクリュウコンベア39の流量を設定し直し、これらの流量が実現するように、計量フィーダ36および硬化剤製造用スクリュウコンベア39の動作を制御する。これにより、必要量のセメントミルクが連続的に混練装置32に供給されるようにする。そして、この後、再びステップS4の処理を行うようにする。
【0067】
また、ステップS4において、軟弱土Sの予測強度が必要強度と一致した場合には、ステップS1およびS2の入力値(または、ステップS5における修正値)から求めたセメントミルク混入量Cxと、ステップS3において参照された軟弱土Sのサンプル濃度とに基づき、図15に示した軟弱土Sの濃度と移送管128の管内圧力損失Pとのセメント混入量C0〜Cnごとの関係を参照して、移送管128において生じると考えられる管内圧力損失ΔPを算出する(ステップS6)。なお、この場合、図16に示したような軟弱土Sの濃度と粘度とのセメントミルク混入量C0〜Cnごとの関係を参照して、ステップS3で求められた軟弱土サンプル濃度から軟弱土Sの粘度を求め、これに基づき、管内圧力損失を求めるための周知の関数:ΔP=f(D,L,Q,μ)(ここに、D:管径、L:管長、Q:管内流量、μ:粘度)を利用し、管内圧力損失ΔPを求めるようにしてもよい。
【0068】
次に、このように算出された管内圧力損失ΔPの計算値と、圧力損失検出装置131において実測された圧力損失の実測値とを比較する(ステップS7)。この場合、例えば、圧力損失検出装置131において求められた圧力損失の実測値を、上述の管内圧力損失を求めるための周知の関数:ΔP=f(D,L,Q,μ)、ループ管130の管径および管長データ、および、圧送管128の管径および管長データを用いることにより、圧力損失検出装置131の実測値と管内圧力損失ΔPの計算値とが同条件となるように補正し、補正後の値を比較するようにする。
【0069】
そして、計算値と実測値とが一致していない場合には、ステップS1において設定された軟弱土Sの初期粘度(または、図16の関係により軟弱土濃度から求められた軟弱土Sの粘度)μを修正して、μ→μ’=kμ(k:修正係数)とし、このμ’を用いて、再びステップS7において管内圧力損失ΔPの計算値と実測値とを比較する。そして、これを繰り返すことにより、軟弱土Sの粘度μを適当な値に決定する。
【0070】
ステップS7において、管内圧力損失ΔPの計算値と実測値とが一致していると判断された場合には、移送ポンプ127の圧力を計算する(ステップS9)。この移送ポンプ127の圧力は、圧送管128の管内圧力損失と等価であり、ここでは、上述の周知の関数:ΔP=f(D,L,Q,μ)に対して、圧送管128の管径および管長データと、ステップS8において求められた軟弱土粘度μ’を代入することにより、これを求めることができる。このように移送ポンプ127の圧力を求めたのは、ステップS8において、粘度μがμ’に変更されたため、これに対応して、移送ポンプ127の計算値を更新するためである。
【0071】
次に、移送ポンプ127の圧力の計算値が、移送ポンプ127の実際の圧力と一致しているか否かを判断する(ステップS10)。これらが一致していない場合には、移送ポンプ127の圧力の計算値の計算値に修正係数:m(=移送ポンプ圧実測値/計算値)を乗じることにより、移送ポンプ127の圧力を補正する(ステップS11)。これは、管内圧力損失の計算値ΔP→ΔP’=mΔPと補正することに相当する。そして、このような処理を行った後、再び、ステップS10に戻り、移送ポンプ127内圧力の計算値と実測値とを比較するようにする。
【0072】
ステップS10において移送ポンプ127内圧力の計算値と実測値とが一致したら、今度は、あらかじめ設定された移送ポンプ127の圧力の最大値Pmaxと移送ポンプ127の圧力の実測値とを比較し(ステップS12)、実測値が最大値Pmaxを上回っている場合は、混練装置32におけるセメントミルクおよび海水(希釈水)の投入量を変更する(ステップS13)。
【0073】
ここでは、投入すべき海水量を、まず、以下のようにして決定する。
すなわち、上述した周知の関数ΔP=f(D,L,Q,μ)と、ステップS10において求められた管内圧力損失の修正係数mとを用いて、移送ポンプ127内圧力PをPmaxとするようなμの値を逆算する。そして、このμから、図16に示したような軟弱土Sの粘度と濃度との関係と、ステップS2で設定したセメントフィーダ流量から求められる(あるいは、ステップS5において修正された)セメントミルク混入量Cxとに基づき、このμに対応する移送ポンプ127内圧力PをPmaxとするような軟弱土濃度を求める。さらに、このような軟弱土濃度を実現するのに必要な希釈水量を求めるようにする。
次に、セメントミルクの投入量を決定する。
これには、図14に示したような関係を用い、必要強度を発揮しうるようなセメントミルクの投入量を、上記のように算出された軟弱土濃度から求めるようにする。
【0074】
そして、ステップS13の処理が終了したら、再びステップS12の処理を行う。そして、移送ポンプ127の圧力が依然としてPmax以上である場合には、ステップS13の処理を行い、これらを繰り返すことにより、希釈水量およびセメントミルクの投入量を適切なものとする。これにより、移送ポンプ127を、最大圧力Pmax以下の範囲内の圧力において、できるだけPmaxに近い実測値で運転制御されるようにすることができる。
【0075】
また、ステップS12において、移送ポンプ127の圧力がPmax以下であると判断された場合には、ステップS14で、ステップS3からS13の処理を続けるか否かを判断し、処理を継続することが必要な場合(システムの運転を継続する場合)には、ステップS3に戻り、また、それ以外の場合には、制御を終了する。
【0076】
また、制御装置133は、このような移送ポンプ127の圧力および軟弱土濃度を実現することができるように、混練装置32において添加すべき海水量、および、セメントミルク連続製造機37において製造すべきセメント量を演算するとともに、その演算結果に基づいて、計量フィーダ36、硬化剤製造用スクリュウコンベア39、バルブ開閉装置134,135の動作を制御する。
【0077】
以上により、圧送管128内の圧力を所定の圧力(Pmax)以下としつつ、軟弱土Sにセメントミルクを混入することにより製造した改良土に対して必要な強度を付与することができる。
【0078】
以上述べた軟弱土改良・圧送システム30においては、制御装置133に、図13のような混練装置32に対して投入される軟弱土Sの濃度、セメントミルクの投入量、および、製造される改良土の強度の関係が、あらかじめ入力されており、制御装置133が、この関係に基づき、濃度分析装置121からの出力結果と、あらかじめ入力された改良土が発揮すべき所定強度とから、セメントミルクの投入量を決定し、さらに、このように決定された投入量をもってセメントミルクを軟弱土Sに混練した際の移送ポンプ127における圧力を検出するとともに、この圧力が、あらかじめ設定された所定圧力以上である場合に、軟弱土Sの濃度、セメントミルクの投入量、および、製造される改良土の強度の関係に基づき、圧力が所定値以下となるように、投入すべき希釈水およびセメントミルクの添加量を調整するようになっているために、改良土を、その強度を大きく低下させることなく、圧送に適した状態とすることができる。これにより、従来と異なり、長距離圧送が可能となり、システムの設置性、汎用性を向上させることができる。
【0079】
また、この場合、制御装置133に、改良土における濃度および粘度の関係をあらかじめ入力しておき、希釈水およびセメントミルクの添加量を調整する場合に、移送ポンプ127の圧力、すなわち、圧送管128における圧力損失が、所定値以下となるような改良土の粘度を求め、濃度および粘度の関係から、この粘度に対応する濃度を求め、求められた濃度を実現するような希釈水の添加量を決定するとともに、この濃度から、濃度、セメントミルク投入量、および、改良土強度の関係(図14に示した関係)に基づき、所定強度を発揮しうるセメントミルク投入量を求め、このセメントミルク投入量に基づいてセメントミルクの添加量を調整するようにしたために、改良土の粘性体としての特性を利用して、その強度を低下させず、適切な希釈水量およびセメントミルク投入量を決定することができる。
【0080】
さらに、上述の軟弱土改良・圧送システム30においては、改良土が通過可能なループ管130の管内圧力損失を計測可能な圧力損失計測装置131が備えられ、制御装置133は、圧力損失計測装置131の検出結果に基づいて、ループ管130における管内圧力損失から一般式によって導かれる粘度に対して乗じるべき修正係数kを求め、このように修正された管内圧力損失と粘度との関係に基づいて、希釈水の添加量を決定する際に必要な改良土の粘度を推定するようになっているので、管内圧力損失の一般式を実際の値に整合させることにより、正確に改良土の粘度の推定を行うことができる。これにより、適切な希釈水量およびセメントミルク投入量を高精度に求めることが可能となる。
【0081】
さらに、この軟弱土改良・圧送システム30において、制御装置133は、移送ポンプ127の圧力を所定値以下とするために添加すべきセメントミルクと同量のセメントミルクがセメントミルク連続製造機37において製造されるように、セメントミルク連続製造機37の動作を制御するようにしたため、一定の強度を有する改良土を製造するために必要な適切量のセメントミルクを連続製造することができる。これによって、改良土製造に必要なセメントミルクを適宜供給することが可能となり、システムの操作性、利用性を向上させることができる。
【0082】
また、軟弱土改良・圧送システム30においては、混練装置32が、一軸型スクリュウコンベア42,43の一端42a,43a側に軟弱土Sの投入口84,85を設けるとともに、他端42b,43b側に改良土の排出口86,87を設けた構成とされ、さらに、一軸型スクリュウコンベア42,43のトラフ89,90の内壁面91,92に、複数の固定ピン94,94,…を突出状態に設けるとともに、これら固定ピン94,94,…をトラフ89,90内部の軟弱土S(または改良土)の搬送経路内において軟弱土S(または改良土)の搬送方向と直交するように配置したため、固定ピン94,94,…により、トラフ89,90内部において搬送される軟弱土Sまたは改良土に対して、高強度のせん断力を与えることができ、軟弱土Sを強力に混練してセメントミルクの分散性を増大させることができる。これにより、均質性の高い改良土を形成することが可能となる。また、スクリュウコンベアとして一軸型のものが用いられるために、異物の噛み込みなどの心配が無く、分解清掃などの作業を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れたシステムを実現することができるとともに、従来と異なり、異物噛み込みの危険を避けるために運転速度を制限することが無く、高速運転が可能となる。
【0083】
混練装置32が、一対の一軸型スクリュウコンベア42,43を備えた構成とされ、これら一軸型スクリュウコンベア42,43が、一軸型スクリュウコンベア42の排出口86に一軸型スクリュウコンベア43の投入口85が対向するように配置され、なおかつ、一軸型スクリュウコンベア42の投入口84と一軸型スクリュウコンベア43の排出口87との間に迂回路201が設けられているために、二本の一軸型スクリュウコンベア42,43をスペースをとることなく連結配置することができだけでなく、軟弱土Sに対してセメントミルクを混入する必要がない場合には、シャッター200を開放することにより、軟弱土Sを、迂回路201を通じて迂回搬送することができる。
【0084】
また、上述の軟弱土改良・圧送システム30においては、セメントミルク連続製造機37の硬化剤製造用スクリュウコンベア39の一端部66側にセメントの供給口67が設けられ、他端部68側にセメントミルクの吐出口69が設けられるとともに、一端部66および他端部68の中間部70がセメントCに対して水を供給する水供給部71として形成された構成となっており、さらに、供給口67と水供給部71との間に位置する部分のスクリュウ翼72のピッチが、水供給部71のスクリュウ翼72のピッチに比較して小とされているため、供給口67と水供給部71との間において、セメントCを加圧することができ、海水を高圧で供給した場合にも、水供給部71から海水が逆流することを防ぐことができる。これにより、セメントCに水を添加しながら、セメントミルクを連続的に製造することが可能となり、従来と異なり、セメントミルクをバッチ式撹拌タンク等を用いて製造する必要がない。したがって、従来に比較して、設備の省スペース化を図ることが可能であるとともに、セメントミルクを加圧供給することができるため、ポンプを不要とすることができる。また、硬化剤製造用スクリュウコンベア39において、駆動部がモータ82のみであるため、運転制御が容易となる。さらに、セメントミルクを連続製造できるために、セメントが滞留・硬化する部分が無くメンテナンスが容易である。さらに、硬化剤製造用スクリュウコンベア39の容量を従来に比較して小さくすることができるため、運転を急停止した場合のセメントの処理が大きな問題となることが無く、対応が容易である。
【0085】
また、この場合、硬化剤製造用スクリュウコンベア39が、水供給部71の一端部66側の端部に、セメントCを予備混合するために必要な海水を供給するための第一の水注入口74が設けられ、他端部68側の端部に、セメントミルクを所望の濃度とするための追加水を供給可能な第二の水注入口75が設けられた構成となっているために、所定濃度のセメントミルクを、セメントを分散させた状態で容易に製造することができる。
【0086】
さらに、水供給部71においては、硬化剤製造用スクリュウコンベア39のトラフ76の内壁面に、複数の突出ピン78,78,…が、セメントCの搬送方向と直交する方向に位置させて設けられているために、これら突出ピン78,78,…によって、セメントにせん断応力を付与し、これにより、水およびセメントを良好に撹拌することができ、品質の高いセメントミルクを製造することが可能となる。
【0087】
また、上述の軟弱土改良・圧送システム30は、セメントミルク連続製造機37が、硬化剤製造用スクリュウコンベア39の供給口67に対してセメントCを連続供給する連続供給機38を備えた構成とされるとともに、連続供給機38が、セメントを連続・定量供給できるようになっているために、従来と異なり、必要量のセメントを供給するための煩雑な操作や高度な計算を行う必要が無く、従来に比較して運転制御が容易となる。また、これにより、従来と異なり、セメントミルクをバッチ式撹拌タンク等を用いて製造する必要がなく、従来に比較して、設備の省スペース化を図ることが可能である。さらに、セメントミルクの連続製造を容易化することができ、システム全体の利用性を向上させることができる。
【0088】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて他の構成を採用するようにしても良い。
【0089】
例えば、上記実施の形態の軟弱土改良・圧送システム30は、軟弱土Sを改良等するものに限定されず、土砂を改良する際に用いても良い。また、上記実施の形態の混練装置32は、軟弱土Sとセメントミルクとを混練するもののみに限定されず、土砂と他の硬化剤とを混練するものであってもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、制御装置に、軟弱土・土砂−硬化剤混練装置に対して投入される軟弱土もしくは土砂の濃度、硬化剤の投入量、および、製造される改良土の強度の関係、および、改良土における濃度および粘度の関係が、あらかじめ入力されており、制御装置が、この関係に基づき、濃度分析装置からの出力結果と、改良土が発揮すべき所定強度とから、硬化剤の投入量を決定するとともに、このように決定された投入量をもって硬化剤を軟弱土に混練した際のポンプにおける圧力を検出し、さらに、制御装置は、この圧力が、あらかじめ設定された所定圧力以上である場合に、圧力が所定値以下となるように、圧送管における圧力損失が、所定値以下となるような改良土の粘度を求め、濃度および粘度の関係から、この粘度に対応する濃度を求め、求められた濃度を実現するような希釈水の添加量を決定するとともに、この濃度から、濃度、硬化剤投入量、および、改良土強度の関係に基づき、所定強度を発揮しうる硬化剤投入量を求め、この硬化剤投入量に基づいて硬化剤の添加量を調整するようになっているために、改良土を、その強度を大きく低下させることなく、圧送に適した状態とすることができる。これにより、従来と異なり、長距離圧送が可能となり、システムの設置性、汎用性を向上させることができる。また、改良土の粘性体としての特性を利用して、その強度を低下させず、適切な希釈水量および硬化剤投入量を決定することができる。
【0092】
請求項に係る軟弱土改良・圧送システムにおいては、改良土が通過可能な管の管内圧力損失を計測可能な圧力損失計測装置が備えられており、制御装置は、圧力損失計測装置の検出結果に基づいて改良土が通過する管の管内圧力損失と粘度との関係を修正し、このように修正された管内圧力損失と粘度との関係に基づいて、希釈水の添加量を決定する際に必要な改良土の粘度を推定するようになっているので、正確に改良土の粘度の推定を行うことができる。これにより、適切な希釈水量および硬化剤投入量を高精度に求めることが可能となる。
【0093】
請求項に係る軟弱土改良・圧送システムにおいては、制御装置は、ポンプの圧力を所定値以下とするために添加すべき硬化剤と同量の硬化剤が硬化剤製造装置において製造されるように、硬化剤製造装置の動作を制御するようにしたため、一定の強度を有する改良土を製造するために必要な適切量の硬化剤を連続製造することができ、これによって、改良土製造に必要なセメントミルクを適宜供給することが可能となり、システムの操作性、利用性を向上させることができる。
【0094】
請求項に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、軟弱土・土砂−硬化剤混練装置が、一軸型スクリュウコンベアの一端側に軟弱土もしくは土砂の投入口を設けるとともに、他端側に改良土の排出口を設けた構成とされ、さらに、一軸型スクリュウコンベアのトラフの内壁面に、複数の固定ピンを突出状態に設け、これら固定ピンを軟弱土もしくは土砂または改良土の搬送経路内において軟弱土もしくは土砂または改良土の搬送方向と交差するように配置したため、固定ピンにより、トラフ内部において搬送される軟弱土もしくは土砂または改良土に対して、高強度のせん断力を与えることができ、軟弱土もしくは土砂を強力に混練して硬化剤の分散性を増大させることができる。これにより、品質の高い改良土を形成することが可能となる。また、スクリュウコンベアとして一軸型のものが用いられるために、異物の噛み込みなどの心配が無く、分解清掃などの作業を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れたシステムを実現することができるとともに、従来と異なり、異物噛み込みの危険を避けるために運転速度を制限することが無く、高速運転が可能となる。
【0095】
請求項に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、軟弱土・土砂−硬化剤混練装置が、一対の一軸型スクリュウコンベアを備えた構成とされ、これら一軸型スクリュウコンベアが、互いに上下に位置するように設けられるとともに、上側の一軸型スクリュウコンベアの排出口に、下側の一軸型スクリュウコンベアの投入口が対向するように配置され、なおかつ上側の一軸型スクリュウコンベアの投入口と下側の一軸型スクリュウコンベアとの間に迂回路が設けられるために、二本の一軸型スクリュウコンベアをスペースをとることなく連結配置することができる。また、軟弱土もしくは土砂に対して硬化剤を混入する必要がない場合には、軟弱土もしくは土砂を、この迂回路を通じて迂回搬送することができる。
【0096】
請求項に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、硬化剤製造装置の硬化剤製造用スクリュウコンベアの一端部側にセメントの供給口が設けられ、他端部側に硬化剤の吐出口が設けられるとともに、一端部および他端部の中間部がセメントに対して水を供給する水供給部として形成された構成となっており、さらに、供給口と水供給部との間に位置する部分のスクリュウピッチが、水供給部のスクリュウピッチに比較して小とされているため、供給口と水供給部との間において、セメントを加圧することができ、高圧水を供給した場合でも、水供給部から水が逆流することを防ぐことができる。これにより、セメントに水を添加しながら、硬化剤を連続的に製造することが可能となり、従来と異なり、硬化剤をバッチ式撹拌タンク等を用いて製造する必要がない。したがって、従来に比較して、設備の省スペース化を図ることが可能であるとともに、硬化剤を加圧供給することができるため、ポンプを不要とすることができる。また、硬化剤製造用スクリュウコンベアにおいて、駆動部がモータのみであるため、運転制御が容易である。さらに、硬化剤を連続製造できるために、セメントが滞留・硬化する部分が無くメンテナンスが容易である。また、硬化剤製造用スクリュウコンベアの容量を小さくすることができるため、運転を急停止した場合のセメントの処理が大きな問題となることが無く、対応が容易である。
【0097】
請求項に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、硬化剤製造用スクリュウコンベアの水供給部の一端部側の端部に、セメントを予備混合するために必要な水を供給するための第一の水注入口が設けられ、他端部側の端部に、硬化剤を所望の濃度とするための追加水を供給可能な第二の水注入口が設けられた構成となっているために、所定濃度の硬化剤を、セメントを分散させた状態で容易に製造することができる。
【0098】
請求項に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、硬化剤製造用スクリュウコンベアの水供給部において、トラフの内壁面に、複数の突出ピンが、セメントの搬送方向と直交する方向に位置させて設けられているために、これら突出ピンによって、セメントにせん断応力を付与し、これにより、水およびセメントを良好に撹拌することができ、品質の高い硬化剤を製造することが可能となる。
【0099】
請求項に係る軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムにおいては、硬化剤連続製造機が、硬化剤製造用スクリュウコンベアの供給口に対してセメントを連続供給する連続供給機を備えた構成とされるとともに、連続供給機が、セメントを連続・定量供給できるようになっているために、従来と異なり、必要量のセメントを供給するための煩雑な操作や高度な計算を行う必要が無く、従来に比較して運転制御が容易となる。また、これにより、従来と異なり、硬化剤をバッチ式撹拌タンク等を用いて製造する必要がなく、従来に比較して、設備の省スペース化を図ることが可能である。さらに、セメントミルクの連続製造を容易化することができ、システム全体の利用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を模式的に示す軟弱土改良・圧送システムの概略構成図である。
【図2】 図1に示した軟弱土改良・圧送システムにおけるセメントミルク連続製造機の概略構成図である。
【図3】 図1に示した軟弱土改良・圧送システムにおいて、セメントミルク連続製造機に用いられる連続供給機の概略構成を示す正面図である。
【図4】 図2に示した連続供給機において用いられる回転レーキの正面図である。
【図5】 同、平面図である。
【図6】 図1に示した軟弱土改良・圧送システムにおいて、セメントミルク連続製造機に用いられる硬化剤製造用スクリュウコンベアの構成を示す側断面図である。
【図7】 図5に示した硬化剤製造用スクリュウコンベアにおいて用いられるダブルヘリカルの構成の詳細を示す側面図である。
【図8】 図1に示した軟弱土改良・圧送システムにおいて、セメントミルク連続製造機に用いられる一軸型スクリュウコンベアの構成を示す側断面図である。
【図9】 図7に示した一軸型スクリュウコンベアの軸方向に直交する断面を示す図である。
【図10】 図1に示した軟弱土改良・圧送システムの制御装置における制御の手順を示すフローチャートである。
【図11】 図1に示した制御装置に入力された、混練装置におけるセメントミルク混入量ごとの流量(縦軸)とモータの回転数(横軸)との関係に関するデータの概要を模式的に示すグラフである。
【図12】 図1に示した制御装置に入力された、硬化剤製造用スクリュウコンベアにおけるモータ回転数(横軸)と流量(縦軸)との関係に関するデータの概要を模式的に示すグラフである。
【図13】 図1に示した制御装置に入力された、軟弱土の濃度、改良土の強度、およびセメントミルク混入量の関係に関するデータを模式的に示すグラフである。
【図14】 図1に示した制御装置に入力されたすような改良土の強度ごとのセメントミルク混入量と軟弱土濃度との関係に関するデータを模式的に示すグラフである。
【図15】 図1に示した制御装置に入力された、軟弱土の濃度と移送管の管内圧力損失とのセメントミルク混入量ごとの関係に関するデータを模式的に示すグラフである。
【図16】 図1に示した制御装置に入力された、軟弱土の濃度と粘度とのセメントミルク混入量ごとの関係に関するデータの概要を模式的に示すグラフである。
【図17】 従来の軟弱土改良・圧送システムの全体概要を示す模式図である。
【図18】 図17に示した圧送船内部において改良土を形成する際に用いられる設備の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
30 軟弱土改良・圧送システム(軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム)
31 セメントミルクプラント
32 混練装置(軟弱土・土砂−硬化剤混練装置)
37 セメントミルク連続製造機(硬化剤製造装置)
38 連続供給機
39 硬化剤製造用スクリュウコンベア
42,43 一軸型スクリュウコンベア
42a,43a 一端
42b,43b 他端
54 クッションタンク
55 受入ホッパ
56 セメント搬送用スクリュウコンベア
57 セメント排出口
58 載荷部
58a 外周輪郭部
59 荷重測定装置
60 回転レーキ(落下手段)
64 モータ(駆動装置)
65 制御部
66 一端部
67 供給口
68 他端部
69 吐出口
70 中間部
71 水供給部
74 第一の水注入口
75 第二の水注入口
76 トラフ
77 内壁面
78 突出ピン
79 スクリュウ
84,85 投入口
86,87 排出口
89,90 トラフ
91,92 内壁面
94 固定ピン
100 注入孔
101 開口部
121 濃度分析装置
127 移送ポンプ(ポンプ)
128 圧送管
130 ループ管
131 圧力損失検出装置
133 制御装置
200 シャッター
201 迂回路
θ1 安息角
F1 円錐形状
S1 円錐面

Claims (9)

  1. 採取した軟弱土もしくは土砂に硬化剤を加えて改良土を製造するとともに、該改良土を圧送するためのシステムであって、
    前記軟弱土もしくは土砂に対して硬化剤および希釈水を添加して混練することにより前記改良土を製造するための軟弱土・土砂−硬化剤混練装置と、
    製造された改良土を、該改良土の使用対象位置に圧送するためのポンプおよび圧送管を有する圧送装置と、
    前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置における前記軟弱土もしくは土砂の投入口から前記軟弱土もしくは土砂を採取し、採取した前記軟弱土もしくは土砂の濃度を分析する濃度分析装置と、
    前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置には、前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置に対して投入される軟弱土もしくは土砂の濃度と、前記硬化剤の投入量と、製造されるべき改良土の強度との関係、および、前記改良土における濃度および粘度の関係があらかじめ入力され、
    前記制御装置は、前記濃度、硬化剤投入量、および改良土強度の関係に基づき、前記濃度分析装置からの出力結果と、前記改良土が発揮すべき所定強度とから、前記硬化剤の投入量を決定するとともに、決定された投入量をもって前記硬化剤を前記軟弱土もしくは土砂に混練した際に製造される改良土が前記圧送管を圧送される場合の前記ポンプにおける圧力を検出し、
    さらに、前記制御装置は、該圧力が、あらかじめ設定された圧力以上である場合に、前記圧力が所定値以下となるように、前記圧送管における圧力損失が前記所定値以下となるような前記改良土の粘度を求め、前記濃度および粘度の関係に基づいて、該改良土の粘度に対応する濃度を求め、該濃度を実現するような前記希釈水の添加量を決定するとともに、該濃度から、前記濃度、硬化剤投入量、および、改良土強度の関係に基づき、前記所定強度を発揮しうる硬化剤投入量を求め、この硬化剤投入量に基づいて前記硬化剤の添加量を調整する構成とされていることを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  2. 請求項記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記改良土が通過する管の管内圧力損失を計測可能な圧力損失計測装置が備えられ、
    前記制御装置は、前記圧力損失計測装置の検出結果に基づいて、前記改良土が通過する管の管内圧力損失と粘度との関係を修正し、この修正した関係に基づいて、前記希釈水の添加量を決定する際に必要な改良土の粘度を推定することを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  3. 請求項1または2に記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記硬化剤を製造するとともに前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置に対して供給する硬化剤製造装置を備え、
    前記制御装置は、前記圧力を所定値以下とするために添加すべき前記硬化剤の量と同量の硬化剤が前記硬化剤製造装置において製造されるように、該硬化剤製造装置の動作を制御することを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置は、一軸型スクリュウコンベアの一端側に前記軟弱土もしくは土砂の投入口を設けるとともに、他端側に前記改良土の排出口を設けた構成とされ、
    該一軸型スクリュウコンベアのトラフ内壁面には、複数の固定ピンが突出状態に設けられ、
    該固定ピンは、前記一軸型スクリュウコンベア内部の前記軟弱土もしくは土砂または改良土の搬送経路内において前記軟弱土もしくは土砂または改良土の搬送方向と交差するように配置されていることを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  5. 請求項記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記軟弱土・土砂−硬化剤混練装置は、一対の前記一軸型スクリュウコンベアを備えて構成され、
    これら一軸型スクリュウコンベアは、互いに上下に位置するように設けられるとともに、上側の一軸スクリュウコンベアの前記排出口を下側の一軸スクリュウコンベアの前記投入口に対向させて配置され、
    上側の一軸スクリュウコンベアの前記投入口と下側の一軸スクリュウコンベアの前記排出口との間には、前記軟弱土もしくは土砂が通過可能な迂回路が設けられていることを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  6. 請求項からのいずれかに記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記硬化剤製造装置は、硬化剤製造用スクリュウコンベアの一端部側にセメントの供給口が設けられ、他端部側に前記硬化剤の吐出口が設けられるとともに、該一端部および他端部の中間部が前記セメントに対して水を供給する水供給部として形成された構成となっており、
    前記硬化剤製造用スクリュウコンベアは、前記供給口と前記水供給部との間に位置する部分のスクリュウのピッチが、前記水供給部のスクリュウのピッチに比較して小とされていることを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  7. 請求項記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記水供給部は、その前記一端部側の端部に、前記セメントを予備混合するために必要な水を供給するための第一の水注入口が設けられ、前記他端部側の端部に、前記硬化剤を所望の濃度とするための追加水を供給可能な第二の水注入口が設けられた構成とされていることを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  8. 請求項または記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記水供給部においては、前記硬化剤製造用スクリュウコンベアのトラフの内壁面に、複数の突出ピンが、前記セメントの搬送方向と交差する方向に位置させて設けられていることを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
  9. 請求項からのいずれかに記載の軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システムであって、
    前記硬化剤製造装置は、前記供給口に対してセメントを連続供給する連続供給機を備え、
    該連続供給機は、セメントを一定量貯蔵するためのクッションタンクと、該クッションタンクの下方に水平に設けられた平面状の受入ホッパと、該受入ホッパ上に堆積した前記セメントを前記供給口に対して供給するためのセメント搬送用スクリュウコンベアとを備え、
    前記受入ホッパは、前記クッションタンクの下面に設けられて前記セメントを排出するセメント排出口の直下に配置され、
    該セメント排出口と前記受入ホッパとの間には、円盤状の載荷部を有する荷重測定装置が設けられ、
    荷重測定装置は、前記載荷部上に堆積した前記セメントを下方に連続的に落下させる落下手段を有するとともに、
    前記セメントが、前記受入ホッパから前記セメント排出口に至る位置に、その円錐面と水平面とのなす角が所定の安息角となるような円錐形状をもって連続的に堆積した場合に、前記載荷部の外周輪郭部が前記円錐面上に位置する構成とされ、
    前記荷重測定装置および前記セメント搬送用スクリュウコンベアを駆動する駆動装置が、制御部に接続され、
    制御部は、前記セメントが前記受入ホッパから前記セメント排出口に至る位置に前記円錐形状をもって連続的に堆積した場合に、前記荷重測定装置により測定される前記セメントの荷重が一定になるように、前記セメント搬送用スクリュウコンベアの回転数を制御することを特徴とする軟弱土もしくは土砂の改良・圧送システム。
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