JP4042577B2 - 高炉炉底部の密閉固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄皮で形成される炉体の内側でアンカーボルトとナットを嵌合し、かつその固定部位を密閉して高炉を高炉基礎に固定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉を新たに建設したり、あるいは改修にともなって建設する際には、 アンカーボルトを用いて高炉の炉底部を高炉基礎に固定する。アンカーボルトは高炉基礎に埋設されており、炉底のアンカーフレーム上に取付けられたナットと嵌合することによって、高炉を高炉基礎に固定する。このアンカーボルトとナットが嵌合する部位(以下、嵌合固定部という)は、鉄皮で形成される炉体の外側に配置されるのが一般的である(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
一方、高炉の操業においては、炉内圧を高めて操業するので、炉体のシール性を保持する必要がある。図2に示すようにアンカーボルト4とナット5が嵌合する嵌合固定部が炉体の外側に配置される高炉では、炉体のシール性を保持するために種々の対策を施すものの、嵌合固定部のシール性については、格別に配慮する必要はない。なお図2には、炉底部の鉄皮1の近傍(片側のみ)を示す。
【0004】
ところが改修工事にともなって炉内容積を増加して建設した高炉では、嵌合固定部が炉体の内側に配置される場合がある。つまり、アンカーボルト4は高炉基礎3に埋設されているので、アンカーボルト4の位置の変更は困難であるのに対して、炉内容積を増加するためには炉体の直径を拡大しなければならない。その結果、鉄皮1で形成される炉体の内側に嵌合固定部が配置されることになる。
【0005】
このように嵌合固定部が炉体の内側に配置される高炉では、炉内圧を高めた操業を可能とするために、炉体のシール性とともに嵌合固定部のシール性を保持する必要がある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58-110607 号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、アンカーボルトとナットの嵌合固定部が炉体の内側に配置される高炉を高炉基礎に固定し、かつ密閉する密閉固定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高炉基礎に埋設されて高炉の炉底部を固定するアンカーボルトと、炉体の内側に配設されたアンカーフレームと、前記アンカーフレームのアンカーボルト貫通孔に配設されたアンカーボルト貫通孔シールパイプと、前記アンカーフレーム上に取付けられ前記アンカーボルトと嵌合して嵌合固定部を形成するナットと、前記嵌合固定部を内包して密閉する嵌合固定部シール部材と、前記嵌合固定部シール部材の外側に配設されて前記嵌合固定部の耐熱性を保持する嵌合固定部耐火物と、前記嵌合固定部耐火物の外周に配設されて前記アンカーフレームを密閉するアンカーシール部材とを有することを特徴とする高炉炉底部の密閉固定装置である。
【0009】
また好適態様として、前記アンカーフレームの上部面および下部面に炉底を仕切る上部底板と下部底板とをそれぞれ配設することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の密閉固定装置の例を模式的に示す断面図である。なお図1には、炉底部の鉄皮1の近傍(片側のみ)を示す。
高炉の炉体は鉄皮1で形成され、その内側に耐火れんが2を内張りする。本発明を適用する炉体は特定の構造に限定せず、従来から知られている高炉に適用できる。
【0011】
一般に、炉底部は複雑な構造になっている。たとえば図1に示すように、炉底部の下部には冷却配管12を配設して炉体の耐久性を向上させるとともに、その冷却配管12の上側に上部底板10を配設し、下側に下部底板11を配設して、冷却配管12を保護し、かつ炉体のシール性を向上させている。
本発明では、このような炉底部を有する炉体の内側にアンカーフレーム6を配設する。アンカーフレーム6の形状は、特定の形態に限定しないが、鉄皮1と接合し、かつ炉底部に配設される冷却配管12との干渉を回避する必要がある。
【0012】
一方、 高炉基礎3にはアンカーボルト4が埋設されており、アンカーフレーム6には、このアンカーボルト4に対向する位置に貫通孔14が設けられ、この貫通孔14には、アンカーボルト4の外側を覆うアンカーフレーム貫通孔シールパイプ13が配設される。アンカーボルト4はこのアンカーフレーム貫通孔シールパイプ13に挿入され、さらにナット5に嵌合される。こうしてアンカーボルト4とナット5を嵌合させて、炉体を高炉基礎3に固定する。したがって、アンカーボルト4とナット5が嵌合した嵌合固定部は、炉体の内側に配置される。
【0013】
次に、嵌合固定部を内包するように嵌合固定部シール部材8を配設して、嵌合固定部を密閉する。この密閉のための構造は、アンカーフレーム6とアンカーフレーム貫通孔シールパイプ13との溶接接合15と、嵌合固定部シール部材8とアンカーフレーム6との溶接接合で行なわれる。図1では、ナット5の座金16と嵌合固定部シール部材8が溶接接合17され、座金17とアンカーフレーム6が溶接接合18されている。
【0014】
なお嵌合固定部シール部材8は、アンカーボルト4とナット5と座金16を内包できる大きさとして、アンカーフレーム6に直接接合する構造を採用しても良い。さらに嵌合固定部シール部材8の外側(すなわち嵌合固定部の反対側)に耐火物9(以下、嵌合固定部耐火物という)を配設して、嵌合固定部の耐熱性を保持する。
【0015】
本発明では、嵌合固定部耐火物9の種類は、特定の材質に限定せず、従来から知られている不定形耐火物や定形れんが等を使用する。また、その成分も鉄皮1に内張りされる耐火れんが2の材質や厚さに応じて適宜設定する。
さらに嵌合固定部耐火物9の外周にアンカーシール部材7を配設して、アンカーフレーム6を密閉する。なお、アンカーフレーム6の密閉とは、鉄皮1とアンカーフレーム6との継ぎ目,アンカーフレーム6に設けられる貫通孔13を密閉することを指す。その結果、アンカーシール部材7と嵌合固定部シール部材8との間に嵌合固定部耐火物9が充填された状態になる。
【0016】
このようにしてアンカーシール部材7と嵌合固定部シール部材8との二重構造で嵌合固定部を密閉し、かつアンカーシール部材7によって、アンカーフレーム6を密閉するので、炉底部のシール性を保持できる。
本発明では、嵌合固定部シール部材8とアンカーシール部材7の形状は、特定の形態に限定せず、アンカーボルト4,ナット5の寸法あるいは鉄皮1,アンカーフレーム6の形状等に応じて適宜設定する。
【0017】
また本発明では、アンカーフレーム6の上部面,下部面には高炉の炉底部のシール性向上のために炉底部を仕切る上部底板10と下部底板11をそれぞれ配設して炉底部分の密閉を図ることにより、炉内ガスの侵入を防止する。従来の構造は、上部底板10のシール構造であり、この上部底板10を侵入した炉内ガスは高炉炉底部分を通過して高炉外部に漏れることになっていた。本発明では、この上部底板10を侵入した炉内ガスは、高炉鉄皮およびアンカーフレーム貫通孔シールパイプ13部分でアンカーフレーム6側への漏洩が防止され、かつ下部底板11で高炉外部への炉内ガス漏洩が防止される。
【0018】
【実施例】
高炉の改修工事を行なうにあたって、炉体の直径を拡大して炉内容積を増加して高炉を建設した。その際、アンカーボルト4は既設のものを使用した。炉体の直径拡大に伴って、既設のアンカーボルト4は、図1に示すように、炉体の内側に位置するようになったが、炉体の内側にアンカーボルト4挿入用の貫通孔14を有するアンカーフレーム6を配設し、アンカーフレーム6上にナット5を取付けるとともに、アンカーフレーム6の貫通孔14には、密閉構造を構成するため、アンカーフレーム貫通孔シールパイプ13を介在させてアンカーボルト4を装着して、アンカーボルト4とナット5を嵌合させた。
【0019】
さらに、嵌合固定部シール部材8を配設して、アンカーボルト4とナット5からなる嵌合固定部を密閉するとともに、その外側にはアンカーシール部材7を配設してアンカーフレーム6を密閉した。嵌合固定部シール部材8とアンカーシール部材7との間には、嵌合固定部耐火物9を圧入充填した。また、高炉炉底部を仕切る底板は、アンカーフレーム6の上部,下部にそれぞれ鉄板製の上部底板10と下部底板11をそれぞれ配設して炉底部分を構築し、上部底板10と下部底板11の間に冷却配管12を配設した後、空間部分には耐火物を圧入充填した。
【0020】
なお接合部分は溶接接合を施し、高炉炉内ガスの漏れを防止する密閉構造とした。これを発明例とする。
一方、改修前は、図2に示すように、嵌合固定部が炉体の外側に配置されていた。これを従来例とする。
発明例について、 345kPaまで炉内圧を高めて操業しながら、炉底部からの炉内ガスの漏出を調査した。その結果、ガス漏れは認められなかった。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、アンカーボルトとナットの嵌合固定部が炉体の内側に配置される高炉を高炉基礎に固定し、かつ嵌合固定部を密閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉固定装置の例を模式的に示す断面図である。
【図2】従来の固定装置の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 鉄皮
2 耐火れんが
3 高炉基礎
4 アンカーボルト
5 ナット
6 アンカーフレーム
7 アンカーシール部材
8 嵌合固定部シール部材
9 嵌合固定部耐火物
10 上部底板
11 下部底板
12 冷却配管
13 アンカーフレーム貫通孔シールパイプ
14 貫通孔
15 溶接接合
16 座金
17 溶接接合
18 溶接接合
Claims (2)
- 高炉基礎に埋設されて高炉の炉底部を固定するアンカーボルトと、炉体の内側に配設されたアンカーフレームと、前記アンカーフレームのアンカーボルト貫通孔に配設されたアンカーボルト貫通孔シールパイプと、前記アンカーフレーム上に取付けられ前記アンカーボルトと嵌合して嵌合固定部を形成するナットと、前記嵌合固定部を内包して密閉する嵌合固定部シール部材と、前記嵌合固定部シール部材の外側に配設されて前記嵌合固定部の耐熱性を保持する嵌合固定部耐火物と、前記嵌合固定部耐火物の外周に配設されて前記アンカーフレームを密閉するアンカーシール部材とを有することを特徴とする高炉炉底部の密閉固定装置。
- 前記アンカーフレームの上部面および下部面に炉底を仕切る上部底板と下部底板とをそれぞれ配設したことを特徴とする請求項1に記載の高炉炉底部の密閉固定装置。
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JP2003017048A JP4042577B2 (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 高炉炉底部の密閉固定装置 |
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JP2003017048A JP4042577B2 (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 高炉炉底部の密閉固定装置 |
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2003
- 2003-01-27 JP JP2003017048A patent/JP4042577B2/ja not_active Expired - Lifetime
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