JP4041622B2 - ロータリ耕耘機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリ耕耘機において、デプスビームの位置調節を行うハンドルのロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来のロータリ耕耘機のデプスビーム調節ハンドルの構成を示す側面図および平面断面図である。図12に示すごとく、デプスビームの調節ハンドル15のアジャスタとしては、該ハンドル15の基部に当接する板バネ72により行われている。図12に示すごとく、ハンドル15の基部は断面形状が長方形であり、該平面部に板バネ72が当接するものである。該板バネ72の下端はハンドル15を回動自在に保持するパイプに固設されており、該板バネ72の上端はハンドル15に当接している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、デプスビームの調節ハンドル71のアジャスタとして板バネ72を使用する場合には、使用状況により、板バネに金属疲労が生じ易く、接触面積が少ないため、金属疲労が生じた際には、保持力が急激に低下する場合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来のロータリ耕耘機における以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
【0005】
デプスビーム(9)の位置調節を行うハンドル(15)を有するロータリ耕耘機において、前記ハンドル(15)側にハンドルをロックするロックバネ(82)を取り付け、該ロックバネ(82)をロック部材(83)の両側面に当接させることによりハンドル(15)をロックする構成とし、該ハンドル(15)の基部は接続部材(84)に相対回動不能に接続し,該接続部材(84)は、ネジロッド(14)に螺装接続し、該ハンドル(15)とネジロッド(14)間の接続部材(84)に、前記ロック部材(83)を遊嵌し、該ロック部材(83)は平面視4角形に構成すると共に機体側に固定し、該ハンドル(15)の基部のブラケット(81)には、2つの孔(81b・81b)を上下左右方向にずらして設け、該2つの孔(81b・81b)には、該ロックバネ(82)の端部をそれぞれ挿入し、該ロックバネ(82)は前記ロック部材(83)の側面の形状に沿うように構 成し、該ロックバネ(82)を下方に回動させることにより、該ロックバネ(82)をロック部材(83)に嵌合し、該ロック部材(83)に嵌合する際には、該ロックバネ(82)は支点越え状態となり、該ロックバネ(82)がロック部材(83)に付勢されるように構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付の図面をもとに説明する。
【0007】
図1はロータリ耕耘機の側面図、図2は同じく平面図、図3はギアボックスおよびチェンケースの側面図、図4は図3におけるA−A線断面図、図5は動力伝導軸の一端の構成を示す一部断面図、図6は同じく動力伝導軸の他端の構成を示す一部断面図、図7は動力伝導軸の圧接部を示す断面図、図8はデプスビーム調節ハンドルの構成を示す側面一部断面図、図9は同じく後面、図10は同じく平面断面図である。
【0008】
次に、図1、図2においてロータリ耕耘機の構成について説明する。ロータリ耕耘機には該ロータリ耕耘機を駆動するためのギアボックス5が配設されている。該ギアボックス5には、前方に突出した入力軸24が配設されており、図示せぬ爪クラッチ機構と連結され、トラクタのPTO軸よりユニバーサルジョイントを介して駆動力が伝達される。トラクタのPTO軸は、連結装置の図示せぬ爪クラッチ機構と連結され、連結装置の他端の爪クラッチ機構はロータリ耕耘装置に接続される。トラクタに連結装置を介してロータリ耕耘機を取り付けることにより、両爪クラッチ機構が噛合されて、動力がギアボックス5に伝達される構成になっている。該ギアボックス5に入力された駆動力はメインビーム127に内装される動力伝達機構を介してチェーンケース6内に伝達され、該チェーンケース6下部に横架した耕耘爪軸8に固設した耕耘爪7・7・・・を駆動可能としている。
【0009】
また、前記ギアボックス5の後部にデプスビーム9の前端が、上下回動可能に枢支され、該デプスビーム9後端には他の作業機や尾輪等を装着可能とされる。さらにデプスビーム9の途中部には、支持パイプ11が横設され、該支持パイプ11よりステーが上方に突設され、該ステーとマスト3後上部との間にネジロッド14が介装され、該ネジロッド14はハンドル15の回動操作により伸縮され、デプスビーム9を上下に回動させ、位置調整を可能としている。
【0010】
また、前記耕耘爪7の回動軌跡上部には耕耘カバー16が配設され、該耕耘カバー16後部にリヤカバー17が枢支されている。前記耕耘カバー16は、耕耘爪軸8を中心に回動可能に枢支され、耕耘カバー16後部の左右中央部にステー13を配設し、該ステー13とマスト3中央部との間にネジロッド18が介装され、該ネジロッド18をハンドル19の回動操作により伸縮することで、耕耘カバー16とリヤカバー17とが前後に回動され、目的とする耕深に合わせて手動で調整できるようにしている。
【0011】
また、前記リヤカバー17の上下途中部にガイドロッド28下部が枢支され、一方、前記耕耘カバー16後部より後上方に摺動支持ブラケット29を突設し、該摺動支持ブラケット29後部にボス部30を枢支し、該ボス部30内に摺動自在に前記ガイドロッド28を挿入し、リヤカバー17の上下動に対してガイドしている。
【0012】
また、前記摺動支持ブラケット29側部に基部ステー31を固設し、該基部ステー31にセンシングロッド32の途中部が上下に摺動自在に支持されている。該センシングロッド32下部がリヤカバー17後面に突設したステー33に連結され、リヤカバー17の上下回動とともにセンシングロッド32が上下に摺動される。
【0013】
また、リヤカバー17と作業車両の昇降油圧制御装置の間にはフィードバックワイヤ40が連結され、該フィードバックワイヤ40はアウターケース41に収納されて保護されている。そして、フィードバックワイヤ40とアウターケース41は前記連結装置20の部分に設けたリンク機構39を介して作業車両のセンサにリヤカバー17の動きを伝達する構成になっている。110と129はスタンド、125は前部カバーである。
【0014】
次にロータリ耕耘機の駆動力伝達機構について説明する。図3および図4において、入力軸24はギアボックス5に回動自在に支持されており、該入力軸24のギアボックス5の内側端にはベベルギア24bが挿嵌固定されている。該ベベルギア24bにはベベルギア61bが噛合しており、ベベルギア61bは動力伝導軸61の一端に挿嵌固定されている。動力伝導軸61は左右方向に配設されており、該動力伝導軸61の他端はチェンケース6内に突出している。動力伝導軸61の他端にはスプロケット61cが挿嵌固定されており、スプロケット61cにはチェン6bが巻装されている。スプロケット61cはチェンケース6の上部に位置しており、チェンケース6の下部には、耕耘爪軸8の一端に挿嵌固定されたスプロケット8bが配設されている。前記チェン6bはスプロケット61cとスプロケット8bに巻装されており、動力伝導軸61の駆動力がチェン6bを介して耕耘爪軸8に伝達される。
【0015】
上記の構成において、ギアボックス5は入力軸24を軸支する軸受け部5bおよびケース部5cにより構成されている。ケース部5cは板金などにより成形されており、軸受け部5bにボルトにより固設されているものである。軸受け部5bは鋳造などにより構成されており、入力軸24および動力伝導軸61の一端を軸支するものである。また、動力伝導軸61の他端はチェンケース6に固設された軸受け6cに挿嵌され、軸支されている。これにより、ギアボックス5を軽量化可能であるとともに、該ギアボックス5の生産コストを低減できる。また、整備を容易に行うことができ、ギアボックス5内において動力伝導軸61、ベベルギア61b、入力軸24およびベベルギア24bの潤滑および冷却を行うオイルの放熱性を向上でき、オイルの性状の安定化ができロータリ耕耘機の耐久性を向上できる。
【0016】
次に、動力伝導軸61の構成について、図5乃至図7を用いて説明する。動力伝導軸61は両端のギア固定部61L・61Rおよび接続部61cにより構成されている。接続部61cの両端にはギア固定部61Lおよびギア固定部61Rが圧接されており、それぞれスプロケット61aおよびベベルギア61bが挿嵌固定されている。接続部61cは中空のパイプにより構成されており、接続部61cにギア固定部61L・61Rが摩擦圧接により固設されている。ギア固定部61Lのスプロケットの接続側端部には、スプライン溝が刻設されており、他端は断面形状が接続部61cに一致するように円形の凹部が構成されている。同様にギア固定部61Rの一端にも、円形の凹部が構成されている。
【0017】
このため、接続部61cは単に中空のパイプであれば良い。また、摩擦圧接によりギア固定部61L・61Rを接合するため、接続部61c両端を特に加工する必要が無い。摩擦圧接を用いるため、接合による熱影響範囲が狭く、圧接部の組織が微細で機械的性質が良好である。また、異種金属間でも圧接が可能である。これにより、接続部61cとギア固定部61L・61Rの接合部の強さが向上する。また、接続部61cの材質の選択範囲が広くなる。
【0018】
このように動力伝導軸61を構成するため、該動力伝導軸61の重量を軽減できるとともに、製造コストを削減できる。また、耕耘幅の異なる機種においてもギア固定部61L・61Rを共通部材として用いることができるため、部品を共通化し、ロータリ耕耘機の製造コストを低減できる。また、接続部61cが中空構造であるため、接続部61cの強度を維持しながら、接合部61cの軽量化を行える。接合部61cの回動モーメントを軽減でき、回転数の変化に伴い発生する負荷変動を軽減できる。さらに、材質の選択によっては接続部61cのしなりを増すことが可能であり、チェン6bおよび接続部61cにより負荷変動を吸収するダンパ効果を得ることができる。
【0019】
また、図12に示すごとく、デプスビームの調節ハンドル15のアジャスタとしては、該ハンドル15の基部に当接する板バネ72により行われている。図12に示す如く、ハンドル15の基部は断面形状が長方形であり、該平面部に板バネ72が当接するものである。該板バネ72の下端はハンドル15を、回動自在に保持するパイプに固設されており、該板バネの上端はハンドル15に当接している。またデススビームの調節ハンドル71のアジャスタとして板バネ72を使用する場合には、使用状況により、板バネに金属疲労が生じ易く、接触面積が少ないため、金属疲労が生じた際には、保持力が急激に低下する場合がある。次に、デプスビーム9の調整を行うハンドル15のロック機構について、図8乃至図10を用いて説明する。ハンドル15の基部は接続部材84に相対回動不能に接続されており、ハンドル15とネジロッド14間の接続部材84にはロック部材83が挿嵌されている。ハンドル15の基部下方に配設されるロック部材83は平面視4角形に構成されている。ハンドル15の基部にはブラケット81が固設されており、該ブラケット81には2つの孔81b・81bが設けられている。該孔81b・81bの位置は図8において、上下左右方向にずらして設けられている。孔81b・81bにはロックバネ82の端部がそれぞれ挿入される構成になっている。ロックバネ82はロック部材83の側面の形状に沿うように構成されており、該ロックバネ82を下方に回動させることにより、ロックバネ82をロック部材83に嵌合させるものである。ロックバネ82の下部には起動部82bが設けられており、該起動部82bは図10に示すように円弧状に成形されている。
【0020】
また、ロックバネ82の端部は、図8に示すごとく、上下左右方向にずらして設けられた孔81b・81bに挿入されているため、ロック部材83に嵌合する際には支点越え状態となり、ロックバネ82がロック部材83に付勢される。ロックバネ82の孔81b・81bより最も離れた部位である起動部82bが、図8において、孔81b・81bを結ぶ直線上にある場合、起動部82bより孔81b・81bに挿嵌されるロックバネ82の両端部までの距離の差が最大となる。このため、ロックバネ82は起動部82bより両端部までの距離の差が小さくなる方向に付勢される。
【0021】
すなわち、ロックバネ82は上記の起動部82bが孔81b・81bを結ぶ直線上にある場合を境として上方もしくは下方に付勢されるものである。ロック状態においては、ロックバネ82はロック部材83側に付勢され、ロックが解除されてた状態においては、ロックバネ82は上方に付勢される。このため、ロックバネ82はロック状態もしくはロック解除状態において、ぐらつくこと無く保持されるものである。これにより、ハンドル15のロック時の操作性が向上する。また、ハンドル15のロック機構を容易に構成できるため、安価に構成できる。
【0022】
また、上記のロック部材の構成において、図11に示すごとく、パイプの両側面を削り平坦にし、ロック部材83bとすることも可能である。図11において、ロック部材83bはパイプ状の部材の対向する側面を削り取った構成になっており、上述のロックバネ82が嵌合し、ハンドル15がロックされるものである。該ロック部材83bはパイプ状の部材より成形できるため、ロック部材83bを安価に構成できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、ロータリ耕耘機を、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
デプスビーム(9)の位置調節を行うハンドル(15)を有するロータリ耕耘機において、前記ハンドル(15)側にハンドルをロックするロックバネ(82)を取り付け、該ロックバネ(82)をロック部材(83)の両側面に当接させることによりハンドル(1 5)をロックする構成とし、該ハンドル(15)の基部は接続部材(84)に相対回動不能に接続し,該接続部材(84)は、ネジロッド(14)に螺装接続し、該ハンドル(15)とネジロッド(14)間の接続部材(84)に、前記ロック部材(83)を遊嵌し、該ロック部材(83)は平面視4角形に構成すると共に機体側に固定し、該ハンドル(15)の基部のブラケット(81)には、2つの孔(81b・81b)を上下左右方向にずらして設け、該2つの孔(81b・81b)には、該ロックバネ(82)の端部をそれぞれ挿入し、該ロックバネ(82)は前記ロック部材(83)の側面の形状に沿うように構成し、該ロックバネ(82)を下方に回動させることにより、該ロックバネ(82)をロック部材(83)に嵌合し、該ロック部材(83)に嵌合する際には、該ロックバネ(82)は支点越え状態となり、該ロックバネ(82)がロック部材(83)に付勢されるように構成したので、ハンドルのロック時の操作性が向上する。
また、ハンドルのロック機構を容易に構成できるため、安価に構成できる。
また、バネ部材であるロックバネとバネ部材が嵌合する部材であるロック部材の接触面積が大きくとれ、ハンドルロックの信頼性を向上でき、ロック機構の耐久性を向上できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロータリ耕耘機の側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 ギアボックスおよびチェンケースの側面図である。
【図4】 図3におけるA−A線断面図である。
【図5】 動力伝導軸の一端の構成を示す一部断面図である。
【図6】 同じく動力伝導軸の他端の構成を示す一部断面図である。
【図7】 動力伝導軸の圧接部を示す断面図である。
【図8】 デプスビーム調節ハンドルの構成を示す側面一部断面図である。
【図9】 同じく後面である。
【図10】 同じく平面断面図である。
【図11】 従来のロータリ耕耘機の駆動機構を示す模式図である。
【図12】 従来のデプスビーム調節ハンドルのアジャスト機構を示す図である。
【符号の説明】
5 ギアボックス
15 ハンドル
61 動力伝導軸
61c 接続部
61L・61R ギア固定部
82 ロックバネ
83 ロック部材

Claims (1)

  1. デプスビーム(9)の位置調節を行うハンドル(15)を有するロータリ耕耘機において、前記ハンドル(15)側にハンドルをロックするロックバネ(82)を取り付け、該ロックバネ(82)をロック部材(83)の両側面に当接させることによりハンドル(15)をロックする構成とし、該ハンドル(15)の基部は接続部材(84)に相対回動不能に接続し,該接続部材(84)は、ネジロッド(14)に螺装接続し、該ハンドル(15)とネジロッド(14)間の接続部材(84)に、前記ロック部材(83)を遊嵌し、該ロック部材(83)は平面視4角形に構成すると共に機体側に固定し、該ハンドル(15)の基部のブラケット(81)には、2つの孔(81b・81b)を上下左右方向にずらして設け、該2つの孔(81b・81b)には、該ロックバネ(82)の端部をそれぞれ挿入し、該ロックバネ(82)は前記ロック部材(83)の側面の形状に沿うように構成し、該ロックバネ(82)を下方に回動させることにより、該ロックバネ(82)をロック部材(83)に嵌合し、該ロック部材(83)に嵌合する際には、該ロックバネ(82)は支点越え状態となり、該ロックバネ(82)がロック部材(83)に付勢されるように構成したことを特徴とするロータリ耕耘機。
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