JP4040391B2 - 地図情報処理装置および地図情報配信センター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地図情報を外部から取得し、経路計算を行うと共に、経路計算結果を地図上に提示する地図情報処理装置、および上記地図情報を提供する地図情報配信センターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の地図情報処理装置は、例えば特開2000−121371号公報に示されるように、配信される地図情報データ量を削減するため、配信される地図領域を限定している。領域の限定は過去の利用履歴を参考に行っており、最新情報の必要性が高い領域の更新地図データを自動的に入手できるようにしている。また、限定された領域は、図46に示すように、2次元に区切られたメッシュと呼ばれる単位領域を利用して、複数のメッシュにより限定できるとされている。例えば、図46の太線で囲まれる、複数のメッシュよりなる領域である。このような領域は、例えば利用履歴に基いて得られた一定個数以上の車両位置(プロット点)により決定される。またはメッシュ内のプロット点の数が所定順位までのメッシュが選択される。このような限定された領域の決定は、車両側、または地図情報を提供する地図提供センター(地図情報配信センター)で行われる。地図提供センターでは限定された領域の地図情報データを該当車両の地図情報処理装置に配信し、地図情報処理装置は地図情報を更新し、更新された地図情報を基に経路計算等の処理を行うと共に、経路計算結果を配信された地図上に提示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の地図情報処理装置にあっては、経路計算用地図情報も経路計算結果提示用地図情報も区別なく同様の領域限定によって決定され、配信されている。その結果、配信データ量の削減のために配信する領域を小規模領域に限定すると、利用者が経路計算を行う際に、配信されていない領域の地図情報が必要になる頻度が大きくなり、経路計算が行えない場合が生じるという問題点があった。これを解決するためには配信する領域限定を緩めに設定するということが考えられるが、この方法では配信するデータ量の削減が実現できない。
【0004】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、配信データ量を増やすことなく、常に経路計算が可能な地図情報処理装置を提供するものである。
また、地図情報処理装置への配信データ量を増やすことなく、上記地図情報処理装置での経路計算が常に可能な地図情報配信センターを実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の地図情報処理装置は、1以上の階層から成る経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う経路計算手段と、該経路計算手段が計算した経路計算結果を経路計算結果提示用地図情報を用いて提示する経路計算結果提示手段と、外部から地図情報を取得する外部地図情報取得手段とを備えた地図情報処理装置であって、外部から所定領域の地図情報を取得する際に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを取得するものである。
【0006】
また、この発明の地図情報処理装置は、1以上の階層から成る経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う経路計算手段と、該経路計算手段が計算した経路計算結果を経路計算結果提示用地図情報を用いて提示する経路計算結果提示手段と、上記経路計算用地図情報および上記経路計算結果提示用地図情報を記憶する地図情報記憶部と、該地図情報記憶部が保持する上記地図情報の内、少なくとも所定領域が含まれる上記地図情報を補正する地図情報補正手段と、上記所定領域が含まれる上記地図情報を補正するための補正地図情報を外部から取得する外部地図情報取得手段とを備えた地図情報処理装置であって、外部から上記補正地図情報を取得する際に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを取得するものである。
【0007】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、地図情報補正手段は、取得した補正地図情報より既に補正済みの領域を重複領域として取り除き、地図情報を補正するようにしたものである。
【0008】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、自端末の位置を測定する位置測定手段と、自端末の位置が、現在の自端末位置を含む経路計算結果提示用地図情報の単位領域において領域境界に近づいたか否かを判断する領域移動予測判断手段と、外部から地図情報を取得する通信手段とを備えたものである。
【0009】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、互いに隣接する領域の経路計算結果提示用地図情報におけるバージョンが各々異なる場合、経路計算結果提示用地図情報における接続情報を無効化するものである。
【0010】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、古いバージョンの経路計算結果提示用地図情報の領域から新しいバージョンの経路計算結果提示用地図情報の領域に、自端末の位置が進入したことを判定するものである。
【0011】
また、この発明の地図情報配信センターは、少なくとも1以上の階層から成る経路計算用地図情報、および経路計算結果提示用地図情報を記憶する地図情報記憶部と、外部からの地図情報の要求を処理する地図要求処理手段と、外部に地図情報を提供する情報提供手段とを備えた地図情報配信センターであって、上記地図要求処理手段は、外部から所定領域の地図情報を要求された場合に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを、上記地図情報記憶部より読み出して、上記各地図情報を上記情報提供手段に出力するものである。
【0012】
また、この発明の地図情報配信センターは、少なくとも1以上の階層から成る経路計算用地図情報、および経路計算結果提示用地図情報からなる少なくとも1つ以上のバージョンの地図情報を最新のバージョンの地図情報に補正する補正地図情報を保有する地図情報記憶部と、外部からの地図情報の要求を処理する地図要求処理手段と、外部に補正地図情報を提供する情報提供手段とを備えた地図情報配信センターであって、上記地図要求処理手段は、外部から所定領域の補正地図情報を要求された場合に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを、上記地図情報記憶部より読み出して、上記各地図情報を上記情報提供手段に出力するものである。
【0013】
また、この発明の地図情報配信センターは、上記地図情報配信センターにおいて、地図要求処理手段は、既に補正済みの領域を重複領域として取り除いた補正地図情報を情報提供手段に出力するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。図において、1は演算処理部、2は経路計算部であり、1つ以上の階層からなる経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う。3は経路計算結果提示部であり、経路計算結果提示用地図情報を用いて経路計算部2が計算した経路計算結果を提示する。4は外部から地図情報を取得する外部地図情報取得部、5は外部との通信処理を行う通信部、6は通信手段としての携帯電話、7は外部より取得した地図情報を記憶する地図情報記憶部であり、少なくとも1つ以上の階層からなる経路計算用地図情報と、任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを保持する。8は利用者に地図や入力メニューを視覚的に提示する表示部、9は利用者に音声で案内を行う音声案内部、10は自端末の位置を測定する位置測定部、11は利用者に入力を行わせる入力部である。なお、演算処理部1は上記各部における処理をする。801は地図情報配信センター、802は地図情報配信センター801における地図情報記憶部であり、少なくとも1つ以上の階層からなる経路計算用地図情報と、任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とが保持されている。803は外部からの地図情報要求を処理する要求処理部であり、要求領域から配信地図情報を決定する。804は外部に情報を提供する情報提供部である。
【0015】
なお、上記経路計算結果提示部3は経路計算結果を提示する際、経路表示及び経路案内を行う。経路表示とは、経路計算結果を地図上に重ね合わせ、表示部8にて視覚的に提示することを意味する。経路案内とは、次に進行方向を変えるべき地点までの距離やその地点の名称、住所、その地点を特定するための周辺施設、進行方向を変える向きを、表示部8にて視覚的に提示することを意味する。また、経路案内は、次に進行方向を変えるべき地点までの距離やその地点の名称、住所、その地点を特定するための周辺施設、進行方向を変える向きを、音声案内部9にて提示することも可能である。
上記位置測定部10はGPS衛星からの信号を解析し、自端末の位置を計算する。またその際、ジャイロセンサーの信号を解析することを併用すると、より精度の高い位置測定が可能となる。
上記入力部11では、ユーザーはリモコンによる入力を行う。また、タッチパネルによる入力や、操作ボタンによる入力や、音声認識による入力であっても構わない。
上記演算処理部1は、各部2〜4、7〜11における動作に基づいて、地図情報処理装置における動作を制御する。
【0016】
図2(a)(b)は、各々経路計算用地図情報および経路計算結果提示用地図情報の構成を表している。図において、101は経路計算用地図情報、201は経路計算結果提示用地図情報である。経路計算用地図情報101は少なくともノードテーブル111とリンクテーブル121とから構成されている。ノードテーブル111はノードレコード112〜114の集合であり、リンクテーブル121はリンクレコード122〜124の集合である。ノードおよびリンクは、それぞれ実世界における交差点および交差点間道路を表現するものである。
経路計算用地図情報101において、ノードレコードは該ノードレコードが表す交差点を構成する道路を表す全てのリンクレコードに関連づけられており、また、リンクレコードは該リンクレコードが表す交差点間道路の両端に存在する交差点を表すノードレコードに関連づけられている。
経路計算結果提示用地図情報201は少なくとも道路形状データリスト211から構成されている。道路形状データリスト211は道路形状データレコード212〜214の集合である。また、経路計算結果提示用地図情報201には、個々の道路形状データレコードが対応するリンクレコードを特定するためのリンク対応テーブル215が含まれている。なお、このリンク対応テーブル215は経路計算用地図情報101の内部に含まれていてもよい。
【0017】
経路計算手段2は、地図情報記憶部7に記憶されている地図情報の内、経路計算用地図情報101を用い、ノードレコードとリンクレコードとの接続関係を基に、グラフ探索によって任意の2点間の経路を計算する。
経路計算結果提示手段3は、地図情報記憶部7に記憶されている地図情報の内、経路計算結果提示用地図情報201を用い、道路形状データリスト215を基に、地図を計算するとともに、経路計算手段2が計算した経路計算結果を計算した地図上に重ね合わせ提示する。
【0018】
図3は、経路計算用地図情報の階層構造を表している。301は最下層の経路計算用地図情報、302は第2層の経路計算用地図情報、303は最上層の経路計算用地図情報、303a、303bは最上層の経路計算用地図情報における分割された単位領域で、302a〜302dは第2層の経路計算用地図情報における分割された単位領域で、301a〜301pは最下層の経路計算用地図情報における分割された単位領域である。経路計算用地図情報101はこのように1つ以上(図3では3層)の階層化構造を成している。また、最上層の経路計算用地図情報303は1つ以上の単位領域から構成されている。
【0019】
経路計算用地図情報101では、異なる層のデータ間で相互に関連性を持っているため、最上層の経路計算用地図情報303のうち、少なくとも1つの単位領域、およびその下層にある全ての単位領域における地図情報(例えば、303bと302a〜302dと301a〜301p)でバージョンの統一性が確保されなければ正しく経路計算を行うことができない。一方、経路計算結果提示用地図情報201も情報の階層化がなされているが、使用されるのは自端末の存在する領域およびその周辺の地図情報に限られるため、バージョンの統一性は必須ではない。このような特徴を有するので、経路計算を矛盾なく行うために必要な最小の地図情報領域は、最上層の経路計算用地図情報301のうちの1つの単位領域である。また、経路計算結果提示を行うために必要な最小の地図情報領域は、最下層の経路計算結果提示用地図情報のうちの1つの単位領域(図示せず)となる。
【0020】
そこで本実施の形態では、地図情報配信センター801より地図情報処理装置に配信する地図情報において、経路計算結果提示用地図情報と経路計算用地図情報とにおける配信領域の限定がそれぞれ異なるようにしている。即ち、配信する経路計算結果提示用地図情報は、任意の大きさに限定された地域の地図情報であり、最下層の経路計算結果提示用地図情報のうちの、選択された地域に対応する1つ以上の単位領域の地図情報とする。経路計算結果提示用地図情報をこのような領域限定で行うのは、経路計算結果提示用地図情報のデータ量が大きく、領域を小さく限定することによる配信データ量削減が大きく見込めることと、経路計算結果提示用地図情報は、自端末が現在位置する周辺の地図情報が利用されるという特徴による。これにより、配信データ量を現実的な量に収めることが可能となる。また、経路計算用地図情報は、最上層の経路計算用地図情報のうち、選択された地域を含む1つの単位領域、およびその下層にある全ての単位領域の地図情報を一括して配信する。経路計算用地図情報をこのような領域限定で行うのは、経路計算用地図情報は経路計算結果提示用地図情報と比較し、そのデータ量が大幅に少ないため、上記のような領域限定でも配信するデータ量に大きな影響にはならないという特徴による。これにより、地図情報処理装置において、常に適切な経路計算を実行することができる。
【0021】
経路計算用地図情報は、最上層の経路計算用地図情報のうち、複数の単位領域およびその下層にある全ての単位領域の地図情報を一括して配信することも可能である。経路計算用地図情報は、前述のように、経路計算結果提示用地図情報と比較し格段にデータ量が小さい。従って、広い領域の経路計算用地図情報を一括して配信しても、配信データ量をさほど大きくすることはなく、現実的な配信データ量に抑えることができる。
【0022】
図4に本実施の形態1による地図情報処理装置における地図情報取得(更新)処理のフローチャートを、図5に本実施の形態1による地図情報配信センターにおける地図情報要求処理のフローチャートを示す。
図4において、ユーザーの操作によって入力部11にメニュー起動命令が出されると(S101)、図6に示すようなメニュー画面が表示部8に表示される。この状態において、ユーザーが入力部11より地図更新を選択すると(S102)、図7に示すような地域選択画面が表示部8に表示される。ユーザーは表示画面から更新したい所定の地域を選択する(S103)。選択される地域は、図7に示されたような地域分割の他、さらに詳細な都道府県単位、市町村単位に分割されても良い。また、北日本、東日本、西日本のように、図7よりも大きい地域に分割されても良い。さらには、ユーザーが指定する任意の地域であっても良く、システムが自動的に設定する任意の地域であっても良い。更新地域が決定されると、地図情報配信センター801に対して更新地域を含む地図情報要求を送信する(S104)。要求送信後、地図情報処理装置はデータ受信待ち(S105)となり、表示部8によって図8に示すような地図情報受信待ちであることをユーザーに伝える画面を表示する。
【0023】
ここで、地図情報配信センター801では、図5に示すように、地図情報要求を受信すると(S201)、要求を解析し、更新を要求された地域(以下、要求領域と記す)を算出する(S202)。要求領域が関東であり、図9における太枠領域51のようであった場合、この太枠領域51に対応する経路計算結果提示用地図情報を選択する(S203)。次に、要求領域から、経路計算用地図情報配信領域を計算する(S204)。要求領域が図9における太枠領域51のようであった場合、最上層の経路計算用地図情報を構成する単位領域の内、太枠領域51を包含する単位領域を求める。この例では、図9の斜線領域52がこれに該当する。経路計算用地図情報における配信限定領域が求まると、この限定領域の全階層の経路計算用地図情報が選択される(S205)。図9の例では、太枠領域53〜55の経路計算用地図情報がこれに該当する。最後に選択された経路計算用地図情報と経路計算結果提示用地図情報とを地図情報処理装置に送信し、地図情報配信センター801における要求処理が終了する(S206)。S206において選択された地図情報を送信する際に、選択された経路計算用地図情報の領域を表現する管理情報、および選択された経路計算結果提示用地図情報の領域を表現する管理情報があれば同時に送信しても良い。
【0024】
図4に戻り、地図情報処理装置では、地図情報配信センター801からのデータ受信待ち状態でデータが受信されると(S105)、図10に示されるように、地図情報の受信を完了したことを通知する画面を表示部8によってユーザーに示す。次に、受信したデータの内容を解析し(S106)、所定の地域の地図情報が受信できたかどうかを判定する(S107)。上記地図情報が受信されていない場合には地図情報更新処理を終了する。上記地図情報が受信されている場合、地図情報記憶部7から、既に配信されている地図情報の領域を管理する配信地図管理情報を読み出す(S108)。次に、受信した経路計算用地図情報の領域を求め、上記配信地図管理情報に領域情報を書き込む(S109)。また同様に、受信した経路計算結果提示用地図情報の領域を求め、配信地図管理情報に領域情報を書き込む(S110)。さらに、配信されたそれぞれの地図情報に付随してくるバージョン情報を読み込み、配信地図管理情報に書き込む(S111)。S109およびS110において受信した経路計算用地図情報および経路計算結果提示用地図情報の領域を求める際に、地図情報配信センター801から受信した地図情報にそれぞれの領域を表現する管理情報が含まれていれば、その管理情報を用いて領域を判断する。その管理情報が含まれていなければ、それぞれの地図情報自体を解析し、領域を求める。次に、受信した地図情報と書き込みの終了した配信地図管理情報とを地図情報記憶部7に保存し(S112)、地図情報更新処理を終了する。この時、内部的な揮発性記憶媒体に保存しても良いが、好ましくは、地図情報記憶部7にハードディスクや不揮発性のメモリーカードを持たせ、これらに保存するのがよい。保存が完了すると、位置測定部10、経路計算部2、経路計算結果提示部3、表示部8は配信された地図情報を利用することができ、図11に示すように、配信地図を利用したナビゲーションが実現される。
【0025】
図12はこれまで述べた処理におけるデータの流れを表している。図12において、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。805は地図情報記憶部802が保持する経路計算用地図情報、806は地図情報記憶部802が保持する経路計算結果提示用地図情報、r1は選択された地域を含む、最上層の1つの単位領域、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報、p1は選択された地域に対応する任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報である。
【0026】
地図情報処理装置から出された地図情報要求に従い、地図情報配信センター801は要求処理手段803において要求領域を解析し、要求に見合う地図情報として経路計算用地図情報r1および経路計算結果提示用地図情報p1を選択する。これらの地図情報r1、p1は情報提供手段804によって地図情報処理装置へ送出される。
地図情報処理装置では、外部地図情報取得部4が携帯電話6によって取得した上記地図情報r1およびp1を、演算処理部1が処理して地図情報記憶部7へ保存する。
本実施の形態では携帯電話6を用いて地図情報を取得しているが、通信方法は携帯電話に限ったものではなく、PHSによる通信、DSRCによる通信でも同様の効果が得られる。
【0027】
図13は、位置測定部10、経路計算部2、経路計算結果提示部3、表示部8が地図情報記憶部7に保存されている地図情報を利用する際の、演算処理部1における地図情報取得処理に対するフローチャートを示している。位置測定部10、経路計算部2、経路計算結果提示部3、表示部8のいずれかから演算処理部1に対して地図情報要求が出されると(S301)、要求された地図情報の領域を求める(S302)。演算処理部1は、配信されている経路計算用地図情報および経路計算結果提示用地図情報それぞれの領域を識別できる。また、位置測定部10、経路計算部2、経路計算結果提示部3、表示部8のいずれかから出される要求には、要求する地図情報が経路計算用地図情報または経路計算結果提示用地図情報のいずれであるかを識別する情報が含まれている。それにより、S302によって求められた要求領域に該当する地図情報が存在するかどうかを判定する(S303)。要求領域に該当する地図情報が存在する場合には、該当する地図情報を要求元に渡し(S304)、地図情報取得処理を終了する。該当する地図情報が存在しない場合には、地図情報が存在しないことを要求元に通知し(S305)、地図情報取得処理を終了する。
【0028】
以上のように、本実施の形態において地図情報処理装置は、外部から配信する地図情報の領域限定を、経路計算結果提示用地図情報と経路計算用地図情報とで異なるようにしており、配信される経路計算用地図情報は、少なくとも選択された地域をカバーする最上層の地図情報における領域とし、この領域に対する全ての層の経路計算用地図情報を一括して配信する。また、配信される経路計算結果提示用地図情報は、選択された地域を含む最下層の任意の大きさの領域とする。このように配信領域を限定することにより、配信データ量を増やすことなく、常に経路計算が可能な地図情報処理装置が実現できる。また、地図情報配信センターにおいても、地図情報処理装置への配信データ量を増やすことなく、地図情報処理装置での経路計算が常に可能な地図情報配信センターを実現することが可能となる。
【0029】
実施の形態2.
図14は本発明の実施の形態2による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。図14において、図1と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。本実施の形態2においては、地図情報記憶部7にDVD−ROM12を持たせ、ここに少なくとも経路計算用地図情報と経路計算結果提示用地図情報を予め記録しておく。
地図情報記憶部7に持たせるものはDVD−ROM12に限らず、CD−ROMであってもよい。また、ハードディスクであってもよい。
【0030】
図14に示す地図情報処理装置において、経路計算を行う際、および経路計算結果を表示する際に、外部より地図情報が配信されている領域では配信された地図情報を利用し、配信されていない領域に対しては、DVD−ROMに記録されている地図情報を利用する。これにより、地図情報処理装置において、地図情報が配信されていない領域の地図情報も利用可能となる。他の動作は実施の形態1と同様の動作を行う。
【0031】
ここで、経路計算部2において、配信されている領域と配信されていない領域を同時に利用する事態になった場合は、配信された地図情報の利用を停止し、配信された領域についてもDVD−ROMの地図情報を利用することで、異バージョン混在による経路計算の不都合を解消することが可能となる。
図15は、位置測定部10、経路計算部2、経路計算結果提示部3、表示部8が地図情報記憶部7に保存されている地図情報を利用する際の、演算処理部1における地図情報取得処理に対するフローチャートを示している。地図情報要求が出されると(S311)、要求された地図情報の領域を求める(S312)。次に、要求が経路計算用地図情報か経路計算結果提示用地図情報かを判定する(S313)。経路計算用地図情報の場合、S312で求められた領域に該当する経路計算用地図情報が外部より配信されているかどうか判定する(S314)。該当する経路計算用地図情報が配信されていない場合、バージョンの異なる経路計算用地図情報を混在して利用しないよう、配信地図情報の利用を禁止し(S315)、要求領域に該当する経路計算用地図情報をDVD−ROMから取得して要求元に渡し(S316)、地図情報取得処理を終了する。この時、図16に示すように、配信された地図情報の利用を停止することを通知する内容を表示部8で表示する。または、同様の内容を、音声案内部9によって通知しても良い。S314において、該当する経路計算用地図情報が配信されていると判定された場合、配信地図の利用が禁止されているかどうかを確認する(S317)。禁止されている場合は、要求領域に該当する経路計算用地図情報をDVD−ROMから取得して要求元に渡し(S316)、地図情報取得処理を終了する。禁止されていない場合は、要求領域に該当する配信された経路計算用地図情報を要求元に渡し(S318)、地図情報取得処理を終了する。S313において、要求された地図情報が経路計算用地図情報ではないと判定された場合、要求された地図情報が経路計算結果提示用地図情報かどうか判定する(S319)。経路計算結果提示用地図情報ではない場合、地図情報取得処理を終了する。経路計算結果提示用地図情報である場合、要求領域に該当する経路計算結果提示用地図情報が配信されているかどうか判定する(S320)。配信されていない場合、要求領域に該当する経路計算結果提示用地図情報をDVD−ROMから取得して要求元に渡し(S321)、地図情報取得処理を終了する。配信されている場合は、配信地図の利用が禁止されているかどうかを確認する(S322)。禁止されている場合は、要求領域に該当する経路計算結果提示用地図情報をDVD−ROMから取得して要求元に渡し(S321)、地図情報取得処理を終了する。禁止されていない場合は、要求領域に該当する配信された経路計算結果提示用地図情報を要求元に渡し(S323)、地図情報取得処理を終了する。
【0032】
図17は、配信地図利用禁止状態からの復帰のフローチャートである。経路計算結果の削除が指示されると(S331)、配信地図利用禁止状態であれば(S332)、配信地図利用の禁止を解除する(S333)。この時、図18に示すように、配信地図の利用を再開することを通知する画面を表示部8により表示する。また、同様の内容を音声案内部9によって通知しても良い。経路計算結果が削除された場合でも、配信地図利用禁止状態でなければ何も行わず終了する。経路計算結果の削除は、ユーザーが入力部11から経路計算削除を指示することにより発生する。または、新たな経路計算が実行された場合に発生する。どちらの場合でも、メモリ領域から実際に結果が削除されなくても、ユーザーに対する旧経路計算結果の提示を停止した時点で経路計算結果の削除が指示されたと考える。
【0033】
実施の形態3.
図19は本発明の実施の形態3による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。図19において、図1と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。13は外部地図情報取得部4における外部記憶媒体アクセス部であり、外部の記憶媒体に記録された情報を読み込む手段である。901は外部から情報を取得するためのネットワークであり、インターネット、あるいはダイヤルアップ接続によるネットワーク等である。902は地図情報処理装置と独立して存在するパーソナルコンピューターであり、ネットワーク901を介して地図情報配信センター801と接続されている。903は不揮発性のメモリーカード型記憶媒体である。地図情報処理装置における外部記憶媒体アクセス部13およびパーソナルコンピューター902は、このメモリーカード型記憶媒体903に対し、データの書き込みおよび読み込みが可能である。
【0034】
ユーザーは予めパーソナルコンピューター902を操作し、メモリーカード型記憶媒体903に、地図情報配信センター801より、少なくとも経路計算用地図情報と経路計算結果提示用地図情報からなる最新の地図情報を取得して保存しておく。これらの地図情報が保存されたメモリーカード型記憶媒体903を地図情報処理装置に挿入し、利用する。これにより、利用者は地図情報処理装置の利用時に通信によるコストを発生させることなく最新の地図情報を利用することができる。
【0035】
図20はパーソナルコンピューター902における地図情報取得処理のフローチャートである。ユーザーはパーソナルコンピューター902を操作し、メニュー画面を起動する(S701)。メニューの中から地図更新を選択すると(S702)、次に更新地域の選択を行う(S703)。更新地域の選択は、実施の形態1と同様に、図7に示されるような画面からその地域を選択する。選択される地域は、図7に示されたような地域分割の他、さらに詳細な都道府県単位、市町村単位に分割されても良い。また、北日本、東日本、西日本のように、図7よりも大きい地域に分割されても良い。さらには、ユーザーが指定する任意の地域であっても良く、システムが自動的に設定する任意の地域であっても良い。地図更新の要求を送信(S704)した後の、データ受信待ち(S705)、受信データ解析(S706)、受信データに選択した地域の地図情報が含まれるかどうかの判定(S707)と処理が進められるが、これは図4におけるS105からS107の処理と同様である。最後に受信した情報をメモリーカード型記憶媒体であるPCカードに保存し(S708)、地図情報取得処理を終了する。
地図情報配信センター801における処理は実施の形態1と同様である。
【0036】
図21は、地図情報処理装置においてPCカードから地図情報を取得する処理を示すフローチャートである。図4と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。PCカードが地図情報処理装置に挿入されると(S121)、演算処理部1は、PCカードに地図情報が記録されているかどうか判定する(S122)。地図情報が記録されていなければ処理を終了する。地図情報が記録されている場合は、地図情報記憶部7から、配信地図管理情報を読み出し(S108)、読み出された配信地図管理情報に、PCカードに記憶されている経路計算用地図情報の配信領域、および経路計算結果提示用地図情報の配信領域を記録する(S109、S110)。さらに、配信地図情報のバージョンを配信地図管理情報に記録し(S111)、PCカードに書き込まれた地図情報と書き込みの終了した配信地図管理情報とを地図情報記憶部7に保存する(S112)。
【0037】
図22は、地図情報処理装置においてPCカードから地図情報を取得する際の、他の処理方法を示すフローチャートであり、地図の更新をユーザーからの指示によって行うようにするものである。図4、図21と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。入力部11によってユーザーからメニューの起動が指示されると(S131)、図6のようなメニュー画面が表示部8に表示される。これは、実施の形態1における地図情報処理装置の地図情報更新処理と同様である。このメニューから地図更新が選択されると(S132)、地図情報処理装置にPCカードが挿入されているかどうかを判定する(S133)。挿入されていなければ処理を終了する。挿入されている場合は、PCカードに地図情報が記録されているかどうかの判定(S122)を行い、以下、図21と同様の地図情報取得処理を行う。
【0038】
実施の形態4.
図23は本発明の実施の形態4による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。本実施の形態4は、実施の形態3において、実施の形態2と同様、地図情報記憶部7にDVD−ROM12を持たせ、ここに少なくとも経路計算用地図情報と経路計算結果提示用地図情報を予め記録しておくものである。図23において、図19と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。
【0039】
本実施の形態4では、経路計算をする際、および経路計算結果を提示する際に、PCカードに最新の地図情報が記録されている領域ではPCカードより取得した地図情報を利用し、PCカードに最新の地図情報が記録されていない領域では、バージョンダウンしてDVD−ROM12に記録されている地図情報を利用する。
地図情報記憶部7に持たせるものはDVD−ROM12に限らず、CD−ROMであってもよい。また、ハードディスクであってもよい。
【0040】
経路計算部2において、PCカードに記録されている配信領域と記録されていない配信領域を同時に利用する事態になった場合は、PCカードに記録された地図情報の利用を停止し、PCカードに記録された配信領域についてもDVD−ROM12の地図情報を利用することで、異バージョン混在による経路計算の不都合が解消できる。
【0041】
地図情報記憶部7に保存されている地図情報を利用する際のフローチャート、配信地図情報利用禁止状態からの復帰のフローチャートについては、実施の形態2において図15、図17で示されたフローチャートと同様である。
地図情報配信センター801からの地図情報取得のフローチャートは、実施の形態3と同様である。
【0042】
このようにすることにより、利用者は通信によるコストを発生させることなく最新の地図情報を利用することができる。また、地図情報が配信されていない領域の地図情報も利用可能となる。
【0043】
実施の形態5.
図24は本発明の実施の形態5による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。図24において、図1と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。14は領域移動予測判断部であり、自端末の位置が、現在の自端末位置を含む経路計算結果提示用地図情報の単位領域において領域境界に近づいたか否かを判断する。
自端末の位置が、現在の自端末位置を含む経路計算結果提示用地図情報の単位領域において領域境界に近づいた場合に、隣接する領域の経路計算結果提示用地図情報が配信されていなければ、領域移動が発生する前に該地図情報をダウンロードすることにより、スムーズに経路計算結果提示を行うことができる。本実施の形態は、領域移動予測判断部14により、自端末の位置を判断し、必要な地図情報を事前にダウンロードできるようにしたものである。
【0044】
図25は、本実施の形態の主な動作を示すフローチャートである。位置測定部10によって自端末の位置が測定されると(S331)、測定された現在位置が現在の自端末位置を含む経路計算結果提示用地図情報の単位領域において領域境界の近傍であるかどうか判断する(S332)。ここで領域境界の近傍を図26を用いて説明する。図26では、現在の自端末56の位置が右側の経路計算結果提示用地図情報配信済み領域内に存在する。この領域は当該経路計算結果提示用地図情報から算出可能である。このような場合において、自端末56の位置が領域境界から一定距離以内になる領域を領域境界の近傍とする。図26においては、斜線部57が領域境界近傍になる。図25に戻り、S332によって、領域境界近傍ではないと判断されると、処理を終了する。領域近傍であると判断された場合、隣接する領域の経路計算結果提示用地図情報が配信されているかどうか判断する(S333)。既に配信されている場合は処理を終了する。配信されていないと判断された場合、地図情報配信センター801に要求する経路計算結果提示用地図情報の領域を決定する(S334)。このとき、少なくとも当該隣接領域が包含されているような領域を決定する。領域が決定されると、地図情報配信センター801に上記領域の経路計算結果提示用地図情報を配信する要求を送信する(S335)。この後、地図情報配信センター801からデータを受信し、また、正しく地図情報が受信できると、これを利用するが、これは実施の形態1と同様の処理による。
【0045】
図27は、この実施の形態における他の地図情報要求に関するフローチャートである。図25と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。自端末位置測定(S331)、境界近傍判定(S332)、隣接領域の配信判定(S333)は、図25と同じである。図27において、隣接領域の経路計算結果提示用地図情報が配信されていないと判断された場合、表示部8によって、図28のような表示を行うことで利用者に更新の意志を確認する(S336)。利用者が入力部11から更新する意志を入力すると(S337)、利用者に更新領域を決定させる表示を表示部8によって行う(S338)。この表示は、実施の形態1と同様に、図7のような画面を表示することで実現する。入力部11によって利用者から更新領域が入力されると(S339)、地図情報配信センター801に対し、更新領域に対する経路計算結果提示用地図情報の要求を送信する(S335)。この後、地図情報配信センター801からデータを受信し、また、正しく地図情報が受信できると、これを利用するが、これは実施の形態1と同様の処理による。この例では、S338、S339において、更新領域を利用者が入力するが、地図情報処理装置の演算処理部1において、当該隣接領域を含む要求領域を自動的に決定しても良い。
【0046】
実施の形態6.
図29は本発明の実施の形態6による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。本実施の形態6は、実施の形態5において、実施の形態2と同様、地図情報記憶部7にDVD−ROM12を持たせ、ここに少なくとも経路計算用地図情報と経路計算結果提示用地図情報を予め記録しておくものである。
【0047】
このようにすることにより、地図情報が配信されていない領域の地図情報も利用して、スムーズに経路計算結果提示を行うことができる。
【0048】
実施の形態7.
バージョンの異なる地図情報(例えば、DVD−ROMの古い地図情報と、外部より配信された新しい地図情報)が混在して使用されている場合、バージョンの異なる領域同士の境界において相互接続情報を使用すると、地図情報処理装置が予期せぬ動作をしてしまう。そこでこのような場合に、演算処理部1において相互接続情報を無効化することで、地図情報処理装置が正常に動作できる。本実施の形態7は、このような無効化処理について述べる。
【0049】
図30は本実施の形態7に係わる無効化処理を説明する図であり、道路状況の変化の様子を示している。領域58〜領域60にかけて新しい道路が開通した場合を例に説明する。
【0050】
図31は本実施の形態7における地図情報処理装置の動作状況を示している。斜線部領域58および60では、配信された最新の経路計算結果提示用地図情報による地図、領域59では最新の地図情報が配信されておらず、DVD−ROMに記録されている経路計算結果提示用地図情報による地図が提示され、各領域58〜60に対する上記地図を利用して経路計算結果提示が行われている。この時、経路計算用地図情報は、領域58〜60を包含する領域で配信されており、経路計算は配信された最新の経路計算用地図情報を用いて行われている。
斜線部領域58および60の経路計算結果提示用地図情報には、新しい道路が地図情報に含まれている。領域59の経路計算結果提示用地図情報には、この道路が地図情報に含まれていない。経路計算結果は太点線で示されている。61は位置測定部10が測定した自端末の現在位置である。
【0051】
図32(a)(b)(c)は経路計算結果提示用地図情報の内容を示す。(a)は領域58の新しい経路計算結果提示用地図情報であり、地図情報処理装置に配信されている。(b)は領域59の新しい経路計算結果提示用地図情報であり、地図情報処理装置には配信されていない。(c)は領域59の古い経路計算結果提示用地図情報であり、地図情報処理装置がDVD−RM12に記録する形で保有している。経路計算結果提示用地図情報では、それぞれの道路は一意に定義づけられるリンク番号によって識別される。(a)では、この領域に新しく追加された道路のリンク番号は8である。また、境界上の道路終端は、隣接する地図情報における道路を特定するための接続情報を持っている。ここでは領域59におけるリンク番号83の道路と接続することが示されている。領域59の経路計算結果提示用地図情報が領域58とおなじバージョンであれば、同図(b)に示すように、リンク番号83の道路が領域58におけるリンク番号8の道路終端と正規に接続される。ところが本実施の形態が示すように、領域59において古い経路計算結果提示用地図情報が用いられている場合、同図(c)に示すように、領域58におけるリンク番号8の道路終端が持つ接続情報が示すリンク番号83の道路は、領域58におけるリンク番号8の道路終端と正規に接続されない。これにより地図情報に論理的な矛盾が生じ、この矛盾により地図情報処理装置が予期せぬ動作を行う。
【0052】
図33は本実施の形態における解決策を示す。領域58の配信された経路計算結果提示用地図情報において、配信されていない経路計算結果提示用地図情報を利用している領域59との接続情報を無効化する。つまり、リンク番号8の道路終点の接続情報を、これと接続する領域59の道路がないという情報に変更する。これにより、地図情報の論理的な矛盾は解消される。
【0053】
図34は接続無効化処理を行うフローチャートを示す。経路計算結果提示用地図情報において、隣接領域との接続情報が利用されようとするとき(S341)、自端末が現在存在する領域に対して使用している経路計算結果提示用地図情報のバージョン情報を求め(S342)、接続先の隣接領域で使用している経路計算結果提示用地図情報のバージョン情報を求める(S343)。2つのバージョンが一致している場合は、処理を終了する。一致していない場合は(S344)、当該接続情報を無効化する(S345)。このとき、経路計算結果提示中であれば(S346)、経路案内を停止し(S347)、処理を終了する。提示中であれば処理を終了する。
【0054】
図35は、本実施の形態の他の接続無効化処理を示すフローチャートである。図34と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。図34では、経路計算結果提示用地図情報において、隣接領域との接続情報が利用されようとするときに現在位置に対応する地図情報と上記隣接領域の地図情報とのバージョン情報を算出して比較したが、図35では、位置測定部10によって測定される自端末の現在位置が領域境界近傍に位置したときに(S348)、上記バージョン情報を比較する。その他は図34と同様の動作である。
【0055】
図36は、経路案内停止中に最新の経路計算結果提示用地図情報が配信されている領域に進入したかどうかを判定するフローチャートであり、演算処理部1における動作を示す。自端末が移動している状態で(S351)、かつ経路案内が停止中であるとき(S352)、現在位置に対応する経路計算結果提示用地図情報が配信されている地図情報であれば(S353)、再進入ありと判断する(S354)。それ以外の場合は、再進入なしと判断する(S355)。図37は再進入ありと判定後のフローチャートであり、再進入ありと判断されると(S361)、経路計算を行い(S362)、経路計算結果提示を行う(S363)。
【0056】
このように、本実施の形態においては、経路計算結果提示中において、自端末の現在位置に対応する地図情報と隣接領域の地図情報とのバージョン情報が異なった場合、以降の経路案内を停止する。これは、新しいバージョンの情報と古いバージョンの情報が混在すると、論理的に正しい経路案内が実行できないためである。なお、経路表示に関しては、経路計算用地図情報と経路計算結果提示用地図情報とで異なるバージョンを同一領域で使用している場合でも経路計算用地図情報の座標情報を利用することで経路表示が可能なため、停止しない。
【0057】
また、上記のように接続関係を無効化し、経路案内を停止した後に、最新の経路計算結果提示用地図情報が配信されている領域に自端末が進入すると、経路計算および経路計算結果提示を再度実行する。これにより、経路案内を再開できるようになる。
【0058】
実施の形態8.
図38は本発明の実施の形態8による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。図において、図1と同じ符号は同等、もしくは相当するものを示す。15は地図情報補正部、807は差分データベース(以下、差分DBと記す)である。
本実施の形態8では、地図情報配信センター801から配信される地図情報が、地図情報処理装置の地図情報記憶部7において保持されている地図情報を補正する補正地図情報であるものである。補正地図情報としては、例えば地図情報処理装置が保持している地図情報と最新地図情報との差分地図情報であり、さらに該差分地図情報に加え、関連情報、例えば差分地図情報に付随する地図情報も含まれる。補正地図情報(以下、差分地図情報と記す)は地図情報配信センター801において、地図情報記憶部802の差分DB807に保持されている。地図情報処理装置では、地図情報補正部15において、地図情報記憶部7に記憶している地図情報を、地図情報配信センター801より取得した差分地図情報で補正し、最新の地図情報を生成する。これにより、地図情報配信センター801より地図情報処理装置に配信するデータ量を大幅に削減することができる。
【0059】
図39は上記差分データの流れを表している。図39において、図12と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図39において、図14と同じ番号は同等のものを示す。R1はDVD−ROMに記録されている経路計算用地図情報、P1はDVD−ROMに記録されている経路計算結果提示用地図情報、rd1はR1と最新経路計算用地図情報との差分地図情報、pd1はP1と最新経路計算結果提示用地図情報との差分地図情報、R1+rd1は地図情報補正部15によってR1とrd1を組み合わせることで生成された最新の経路計算用地図情報、P1+pd1は地図情報補正部15によってP1とpd1を組み合わせることで生成された最新の経路計算結果提示用地図情報である。なお、地図情報配信センター801より地図情報処理装置に配信される経路計算用差分地図情報rd1、および経路計算結果提示用差分地図情報pd1は、各々、実施の形態1と同様、要求領域を含む最上層の1つの単位領域、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算差分地図情報、および要求領域に対応する任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用差分地図情報である。
【0060】
次に、本実施の形態の動作を図40、図41のフローチャートを基に説明する。なお、地図情報処理装置は、地図情報配信センター801に配信要求を送信する際、自端末においてDVD−ROM等に保有している地図情報のバージョンを要求領域と共に送信する。また、地図情報配信センター801では、地図情報記憶部802に差分DBを保有する。差分DB807には、少なくとも1つ以上のバージョンの地図情報を最新のバージョンの地図情報に補正する補正地図情報を保有しており、例えば複数のバージョンの地図情報と最新の地図情報との差分地図情報を各バージョン毎に保有し、差分DBは比較元のバージョン情報で所定の差分地図情報が検索できるように構成されている。
図40において、地図情報配信センター801は配信要求を受信すると(S201)、要求を解析し、要求元で保有している地図情報のバージョンを求め(S211)、このバージョンに該当する差分データを差分DBから選択する(S212)。その後、要求領域を解析し、領域に該当する経路計算用差分地図情報と経路計算結果提示用差分地図情報とを、選択した差分データから選択し(S202、S213、S204、S214)、送信する(S206)。
【0061】
地図情報処理装置では、演算処理部1に地図情報補正部15があり、配信された経路計算用差分地図情報および経路計算結果提示用差分地図情報に該当する経路計算用地図情報および経路計算結果提示用地図情報をDVD−ROMから読み出す。地図情報補正部15において、読み出された地図情報と配信された差分地図情報とを融合することで地図情報を補正し、最新の地図情報を生成する。即ち、図41において、地図情報配信センター801からのデータ受信待ち状態でデータが受信されると(S105)、受信したデータの内容を解析し(S106)、地図情報が受信できたかどうかを判定する(S107)。地図情報が受信されていない場合には地図情報更新処理を終了する。地図情報が受信されている場合、地図情報記憶部7から、配信された地図情報の領域を管理する配信地図管理情報を読み出す(S108)。次に、受信した経路計算用地図情報の領域を求め、上記配信地図管理情報に領域情報を書き込む(S109)。次に、受信した経路計算用差分地図情報の1つを選択し(S141)、選択した経路計算用差分地図情報に該当する経路計算用地図情報をDVD−ROMから読み出す(S142)。読み出された地図情報と配信された差分地図情報とから最新の地図情報を生成する(S143)。この処理を配信された全ての経路計算用差分地図情報に対して実行する。配信された経路計算結果提示用差分地図情報に対しても、同様に、最新の地図情報を生成する(S110、S145〜S148)。さらに、配信されたそれぞれの地図情報に付随してくるバージョン情報を読み込み、配信地図管理情報に書き込む(S111)。生成した地図情報と書き込みの終了した配信地図管理情報とを地図情報記憶部7に保存し(S149)、地図情報更新処理を終了する。
【0062】
なお、実施の形態8に対して、実施の形態5、6と同様に領域移動予測判断部14と通信部5とを設け、補正地図情報を取得していない領域に到達する以前にその到達を予測し、必要な補正地図情報を取得するようにすれば、当該領域に自端末が進入した際にスムーズに地図情報を提供できる。
また、実施の形態8に対して、実施の形態7と同様に、互いに隣接する領域の地図情報におけるバージョンが各々異なる場合、例えば、地図情報が補正された領域と、地図情報が補正されなかった領域における接続情報を無効化すれば、実施の形態7と同様の効果がある。
【0063】
実施の形態9.
図42は本発明の実施の形態9による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。本実施の形態9では、実施の形態8で示された差分地図情報が、実施の形態3と同様、地図情報処理装置と独立したパーソナルコンピューター902を用いて配信される。配信された差分地図情報はPCカード903を用いて地図情報処理装置に受け渡される。
【0064】
このようにすることにより、利用者は通信によるコストを発生させることなく最新の地図情報を利用することができる。また、地図情報処理装置に配信するデータ量を大幅に削減することができる。
【0065】
実施の形態10.
図43は実施の形態10による地図情報処理装置における動作を説明する図であり、図43(a)は地図情報利用初期状態を示す図である。斜線領域AおよびCでは、地図情報記憶部7が保持するハードディスクに、外部から取得した差分地図情報を融合した最新の経路計算用地図情報または経路計算結果提示用地図情報が記録されている。それ以外の領域では、差分地図情報によってバージョンアップされていない経路計算用地図情報または経路計算結果提示用地図情報が記録されている。この状態において、利用者が点線領域Bの差分地図情報を要求する。
外部より配信される領域Bの差分地図情報は、差分地図情報によってバージョンアップされていない領域Bの地図情報を最新地図情報にするための情報である。したがって、そのままバージョンアップのための融合処理を地図情報補正部15で実行した場合、図43(b)に示すように、領域Bと、領域Aもしくは領域Cとが重複する領域b1、b3は、既に領域Aもしくは領域Cの差分地図情報によって最新の地図情報にバージョンアップされているため、間違った地図情報を生成してしまい、この地図情報を使用した地図情報処理装置は不正な動作を行ってしまう。
そこで、図43(c)に示すように、配信される領域Bの差分地図情報のうち、領域Aおよび領域Cと重複しない領域b2についてのみの差分地図情報を適用して、最新地図情報を生成しなければならない。これにより図43(d)に示すように、領域A、B、Cからなる情報利用エリアを正しく最新地図情報にバージョンアップすることができるため、地図情報処理装置が不正な動作をすることが回避できる。
【0066】
図44は本実施の形態10による地図情報処理装置において配信領域の重複による不正動作を回避する手順を示すフローチャートである。
地図情報処理装置は外部地図情報取得部4より、外部からの差分地図情報を取得すると(S151)、地図情報記憶部7から、配信された地図情報の領域を管理する配信地図管理情報を読み出す(S108)。次に、配信された差分地図情報(経路計算用差分地図情報)の配信領域を求め、上記配信地図管理情報に領域情報を書き込む(S109)。同様に、配信された差分地図情報(経路計算結果提示用差分地図情報)の配信領域を求め、上記配信地図管理情報に領域情報を書き込む(S110)。なお、通常、配信される上記差分地図情報は互いに重複しない複数の単位領域で構成されており、従って、配信される差分地図情報を単位領域毎に分割して複数の差分地図情報の集合とみなすことができる。S152ではこれら複数の差分地図情報の中から1つの単位領域に対応する差分地図情報を選択し、選択した差分地図情報に該当する地図情報は既に差分地図情報によりバージョンアップ済か否かを判定する(S153)。バージョンアップされていればS156に進む。バージョンアップされていなければ、当該差分地図情報に該当する領域の地図情報をDVD−ROMから読み出し(S154)。読み出された地図情報と上記差分地図情報とを融合して最新の地図情報を生成する(S155)。この処理を配信された全ての差分地図情報に対して実行する(S156)。
さらに、配信された地図情報に付随するバージョン情報を読み込み、配信地図管理情報に書き込む(S111)。生成した地図情報と書き込みの終了した配信地図管理情報とを地図情報記憶部7に保存し(S149)、地図情報更新処理を終了する。
【0067】
なお、実施の形態10に対しても、実施の形態5、6と同様に領域移動予測判断部14と通信部5とを設け、補正地図情報を取得していない領域に到達する以前にその到達を予測し、必要な補正地図情報を予め取得するようにすれば、当該領域に自端末が進入した際にスムーズに地図情報を提供できる。
【0068】
実施の形態11.
図45は本発明の実施の形態11による地図情報配信センターの動作を示すフローチャートである。本実施の形態11は、実施の形態10において、地図情報処理装置で行っていた重複領域の排除動作を地図情報配信センター側で行うものであり、地図情報配信センターは重複領域を排除した差分地図情報を配信するものである。
地図情報処理装置からの地図情報要求には、地図情報処理装置において既に差分地図情報が配信され最新の地図情報を利用している地域の情報が含まれているが、本実施の形態では、地図情報配信センターにおいて、以下に示す処理を行うことにより、今回の要求領域と既に最新地図情報を利用している領域との重複領域を算出し、今回の要求領域から重複領域を除いた領域の差分地図情報を配信することが可能となる。
【0069】
図45において、地図情報配信センター801は配信要求を受信すると(S201)、要求を解析し、要求元で保有している地図情報のバージョンを求め(S211)、このバージョンに該当する差分データを差分DBから選択する(S212)。次に、要求領域を解析し(S202)、既に配信されている最新の経路計算結果提示用地図情報の領域を算出し(S221)、この領域と上記要求領域との重複領域を算出する(S222)。次に、S202で求めた要求領域からS222で求めた重複領域を差し引いた領域の経路計算結果提示用差分地図情報を、S212で選択した差分データの中から選択する(S223)。次に、経路計算用差分地図情報に対しても、要求領域に該当する経路計算用地図情報の配信領域を計算(S204)後、同様に、既に配信されている最新の経路計算用地図情報の領域を算出し(S224)、この領域と上記配信領域との重複領域を算出する(S225)。次に、S204で求めた経路計算用地図情報配信領域からS225で求めた重複領域を差し引いた領域の経路計算用差分地図情報を、S212で選択した差分データの中から選択する(S226)。選択された経路計算結果提示用差分地図情報と経路計算用差分地図情報とを送信する(S206)。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、この発明の地図情報処理装置は、1以上の階層から成る経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う経路計算手段と、該経路計算手段が計算した経路計算結果を経路計算結果提示用地図情報を用いて提示する経路計算結果提示手段と、外部から地図情報を取得する外部地図情報取得手段とを備えた地図情報処理装置であって、外部から所定領域の地図情報を取得する際に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを取得するようにしたので、外部から取得するデータ量を増やすことなく、常に経路計算が可能となる。
【0071】
また、この発明の地図情報処理装置は、1以上の階層から成る経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う経路計算手段と、該経路計算手段が計算した経路計算結果を経路計算結果提示用地図情報を用いて提示する経路計算結果提示手段と、上記経路計算用地図情報および上記経路計算結果提示用地図情報を記憶する地図情報記憶部と、該地図情報記憶部が保持する上記地図情報の内、少なくとも所定領域が含まれる上記地図情報を補正する地図情報補正手段と、上記所定領域が含まれる上記地図情報を補正するための補正地図情報を外部から取得する外部地図情報取得手段とを備えた地図情報処理装置であって、外部から上記補正地図情報を取得する際に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを取得するようにしたので、外部からの取得データ量を削減することができる。
【0072】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、地図情報補正手段は、取得した補正地図情報より既に補正済みの領域を重複領域として取り除き、地図情報を補正するようにしたので、誤動作を防せぐことができる。また、外部で補正地図情報を作成する際の動作負荷を低減することができる。
【0073】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、自端末の位置を測定する位置測定手段と、自端末の位置が、現在の自端末位置を含む経路計算結果提示用地図情報の単位領域において領域境界に近づいたか否かを判断する領域移動予測判断手段と、外部から地図情報を取得する通信手段とを備えたので、地図情報または補正地図情報を取得していない領域に到達する以前にその到達を予測できるため、必要な地図情報または補正地図情報を予め取得することができ、当該領域に自端末が進入した際にスムーズに地図情報を提供できる。
【0074】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、互いに隣接する領域の経路計算結果提示用地図情報におけるバージョンが各々異なる場合、経路計算結果提示用地図情報における接続情報を無効化するので、地図情報のバージョン不一致による端末動作不正を回避することができる。
【0075】
また、この発明の地図情報処理装置は、上記装置において、古いバージョンの経路計算結果提示用地図情報の領域から新しいバージョンの経路計算結果提示用地図情報の領域に、自端末の位置が進入したことを判定するので、新しいバージョンの領域に再度進入した際に、新しいバージョンの地図情報による経路案内を再開することができる。
【0076】
また、この発明の地図情報配信センターは、少なくとも1以上の階層から成る経路計算用地図情報、および経路計算結果提示用地図情報を記憶する地図情報記憶部と、外部からの地図情報の要求を処理する地図要求処理手段と、外部に地図情報を提供する情報提供手段とを備えた地図情報配信センターであって、上記地図要求処理手段は、外部から所定領域の地図情報を要求された場合に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを、上記地図情報記憶部より読み出して、上記各地図情報を上記情報提供手段に出力するので、経路計算および経路計算結果の提示に必要な提供データ量を増やすことなく、外部での経路計算が常に可能となる。
【0077】
また、この発明の地図情報配信センターは、少なくとも1以上の階層から成る経路計算用地図情報、および経路計算結果提示用地図情報からなる少なくとも1つ以上のバージョンの地図情報を最新のバージョンの地図情報に補正する補正地図情報を保有する地図情報記憶部と、外部からの地図情報の要求を処理する地図要求処理手段と、外部に補正地図情報を提供する情報提供手段とを備えた地図情報配信センターであって、上記地図要求処理手段は、外部から所定領域の補正地図情報を要求された場合に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを、上記地図情報記憶部より読み出して、上記各地図情報を上記情報提供手段に出力するので、外部に提供するデータ量を削減することができる。
【0078】
また、この発明の地図情報配信センターは、上記地図情報配信センターにおいて、地図要求処理手段は、既に補正済みの領域を重複領域として取り除いた補正地図情報を情報提供手段に出力するようにしたので、地図情報の提供先における動作負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係わる経路計算用地図情報および経路計算結果提示用地図情報の構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係わる経路計算用地図情報の階層構造を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における地図情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による地図情報配信センターにおける地図情報要求処理のフローチャートを示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図8】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図11】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図12】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置および地図情報配信センターにおける動作を説明する図である。
【図13】 この発明の実施の形態1による地図情報処理装置において、地図情報を利用する際の地図情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態2による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図15】 この発明の実施の形態2による地図情報処理装置において、地図情報を利用する際の地図情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態2による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図17】 この発明の実施の形態2による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図18】 この発明の実施の形態2による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図19】 この発明の実施の形態3による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図20】 この発明の実施の形態3に係わるパーソナルコンピュータにおける地図情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態3による地図情報処理装置における地図情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態3による地図情報処理装置における他の地図情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態4による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図24】 この発明の実施の形態5による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図25】 この発明の実施の形態5による地図情報処理装置おける地図情報要求処理のフローチャートを示す図である。
【図26】 この発明の実施の形態5による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図27】 この発明の実施の形態5による地図情報処理装置おける他の地図情報要求処理のフローチャートを示す図である。
【図28】 この発明の実施の形態5による地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【図29】 この発明の実施の形態6による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図30】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図31】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図32】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図33】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図34】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図35】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の他の動作を説明する図である。
【図36】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図37】 この発明の実施の形態7による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図38】 この発明の実施の形態8による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図39】 この発明の実施の形態8による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図40】 この発明の実施の形態8による地図情報配信センターにおける動作を示すフローチャートである。
【図41】 この発明の実施の形態8による地図情報処理装置における動作を説明するフローチャートである。
【図42】 この発明の実施の形態9による地図情報処理装置および地図情報配信センターの構成を示すブロック構成図である。
【図43】 この発明の実施の形態10による地図情報処理装置の動作を説明する図である。
【図44】 この発明の実施の形態10による地図情報処理装置において重複領域を補正する手順を示すフローチャートである。
【図45】 この発明の実施の形態11による地図情報配信センターにおいて重複領域を補正する手順を示すフローチャートである。
【図46】 従来の地図情報処理装置における動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 演算処理部、2 経路計算部、3 経路計算結果提示部、4 外部地図情報取得部、5 通信部、6 携帯電話、7 地図情報記憶部、8 表示部、9 音声案内部、10 位置測定部、11 入力部、12 DVD−ROM、13 外部記憶媒体アクセス部、14 領域移動予測判断部、15 地図情報補正部、101 経路計算用地図情報、111 ノードテーブル、112〜114 ノードレコード、121 リンクテーブル、122〜124 リンクレコード、201 経路計算結果提示用地図情報、122〜124 リンクレコード、211 道路形状データリスト、212〜214 道路形状データレコード、215 リンク対応テーブル、801 地図情報配信センター、301 最下層の経路計算用地図情報、302 第2層の経路計算用地図情報、303 最上層の経路計算用地図情報、303a,303b 最上層の経路計算用地図情報における単位領域、302a〜302d 第2層の経路計算用地図情報における単位領域、301a〜301p 最下層の経路計算用地図情報における単位領域、802 地図情報記憶部、803 要求処理部、804 情報提供部、805 経路計算用地図情報、806 経路計算結果提示用地図情報、807 差分データベース、901 ネットワーク、902 パーソナルコンピューター、903 メモリーカード型記憶媒体。

Claims (9)

  1. 1以上の階層から成る経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う経路計算手段と、該経路計算手段が計算した経路計算結果を経路計算結果提示用地図情報を用いて提示する経路計算結果提示手段と、外部から地図情報を取得する外部地図情報取得手段とを備えた地図情報処理装置であって、外部から所定領域の地図情報を取得する際に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを取得することを特徴とする地図情報処理装置。
  2. 1以上の階層から成る経路計算用地図情報を用いて任意の2点間の経路計算を行う経路計算手段と、該経路計算手段が計算した経路計算結果を経路計算結果提示用地図情報を用いて提示する経路計算結果提示手段と、上記経路計算用地図情報および上記経路計算結果提示用地図情報を記憶する地図情報記憶部と、該地図情報記憶部が保持する上記地図情報の内、少なくとも所定領域が含まれる上記地図情報を補正する地図情報補正手段と、上記所定領域が含まれる上記地図情報を補正するための補正地図情報を外部から取得する外部地図情報取得手段とを備えた地図情報処理装置であって、外部から上記補正地図情報を取得する際に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを取得することを特徴とする地図情報処理装置。
  3. 地図情報補正手段は、取得した補正地図情報より既に補正済みの領域を重複領域として取り除き、地図情報を補正することを特徴とする請求項2記載の地図情報処置装置。
  4. 自端末の位置を測定する位置測定手段と、自端末の位置が、現在の自端末位置を含む経路計算結果提示用地図情報の単位領域において領域境界に近づいたか否かを判断する領域移動予測判断手段と、外部から地図情報を取得する通信手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の地図情報処理装置。
  5. 互いに隣接する領域の経路計算結果提示用地図情報におけるバージョンが各々異なる場合、経路計算結果提示用地図情報における接続情報を無効化することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の地図情報処理装置。
  6. 古いバージョンの経路計算結果提示用地図情報の領域から新しいバージョンの経路計算結果提示用地図情報の領域に、自端末の位置が進入したことを判定することを特徴とする請求項5記載の地図情報処理装置。
  7. 少なくとも1以上の階層から成る経路計算用地図情報、および経路計算結果提示用地図情報を記憶する地図情報記憶部と、外部からの地図情報の要求を処理する地図要求処理手段と、外部に地図情報を提供する情報提供手段とを備えた地図情報配信センターであって、上記地図要求処理手段は、外部から所定領域の地図情報を要求された場合に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを、上記地図情報記憶部より読み出して、上記各地図情報を上記情報提供手段に出力することを特徴とする地図情報配信センター。
  8. 少なくとも1以上の階層から成る経路計算用地図情報、および経路計算結果提示用地図情報からなる少なくとも1つ以上のバージョンの地図情報を最新のバージョンの地図情報に補正する補正地図情報を保有する地図情報記憶部と、外部からの地図情報の要求を処理する地図要求処理手段と、外部に補正地図情報を提供する情報提供手段とを備えた地図情報配信センターであって、上記地図要求処理手段は、外部から所定領域の補正地図情報を要求された場合に最上層の経路計算用地図情報の内、上記所定領域が含まれる少なくとも1つの単位領域の経路計算用地図情報、およびその下層にある全ての単位領域の経路計算用地図情報と、上記所定領域が含まれ、経路計算用地図情報として指定された範囲より小さい任意の大きさの領域からなる経路計算結果提示用地図情報とを、上記地図情報記憶部より読み出して、上記各地図情報を上記情報提供手段に出力することを特徴とする地図情報配信センター。
  9. 地図要求処理手段は、既に補正済みの領域を重複領域として取り除いた補正地図情報を情報提供手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項8記載の地図情報配信センター。
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