JP4040112B2 - NotI制限エンドヌクレアーゼをコードする単離DNA及びその製造に関する方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、NotI制限エンドヌクレアーゼ及び修飾メチラーゼをコードする組換えDNA、及び組換えDNAからのこれらの酵素の製造に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
制限エンドヌクレアーゼは細菌に天然に認められる種類の酵素である。制限エンドヌクレアーゼは、他の混在する細菌成分を含まないように精製すると、実験室内でDNA分子を正確な断片に切断するために使用できる。この特性により、DNA分子を単一的に同定し、また構成遺伝子に分けることができる。制限エンドヌクレアーゼは現代の遺伝子研究に不可欠な道具であることが証明されている。制限エンドヌクレアーゼは遺伝子工学や分析を実施するための生化学的な「はさみ」である。
【0003】
制限エンドヌクレアーゼはDNA分子に沿って特定のヌクレオチド配列(「認識配列」)を認識し、これと結合することによって作用する。一度結合すると、認識配列内またはその一方にある分子を切断する。制限エンドヌクレアーゼにはそれぞれ異なる認識配列に対する親和性がある。これまでに研究されている数百種の細菌から100種以上の種々の制限エンドヌクレアーゼが同定されている。
【0004】
細菌は1つの種につきわずかな制限エンドヌクレアーゼしか持たない傾向がある。エンドヌクレアーゼは一般にその酵素の由来となる細菌の名前に従って命名されている。従って、Neisseria lactamica 種は、例えば4種の異なる制限エンドヌクレアーゼを合成し、これらはNlaI、NlaII 、NlaIII及びNlaIV と呼ばれている。これらの酵素は各々、配列GGCC、GATC、CATG及びGGNNCCを認識し、切断する。一方、大腸菌(Escherichia coli)RY13は1つの酵素EcoRI のみを合成し、これは配列GAATTCを認識する。
【0005】
理論と結び付けようとするのではないが、制限エンドヌクレアーゼは天然では細菌細胞の繁栄を保護する働きをしているものと考えられる。制限エンドヌクレアーゼは、制限エンドヌクレアーゼがなければ細菌を破壊するか細菌に寄生するであろうウィルスやプラスミドのような外来DNA分子の感染に対し細菌が耐性を持つようにすることができる。制限エンドヌクレアーゼは感染するDNA分子の長さを測り、認識配列がある度にそのDNA分子を切断することによって耐性を付与する。切断されると、感染遺伝子の多くは能力を失い、DNAは非特異的ヌクレアーゼによってさらに分解され易くになる。
【0006】
細菌の防御系の第二の成分は修飾メチラーゼである。修飾メチラーゼは制限エンドヌクレアーゼと相補的であり、細菌が自分自身のDNAを保護し、自分自身のDNAを外来の感染DNAから識別できるための手段を提供する。修飾メチラーゼは対応の制限エンドヌクレアーゼと同じヌクレオチド配列を認識し、その配列と結合するが、DNAを切断する代わりに、メチル基を添加することによりその配列内にあるヌクレオチド1つ以上を化学的に修飾する。メチル化されると、認識配列はもう制限エンドヌクレアーゼに結合またはこの酵素で切断されなくなる。細菌細胞のDNAは細菌の持つ修飾メチラーゼ活性で完全に修飾され、従って、内因性制限エンドヌクレアーゼの存在に対し感受性を失う。制限エンドヌクレアーゼによる認識や切断に感受性を持つものは修飾されていない、従って、識別不能な外来DNAのみとなる。
【0007】
遺伝子工学技術の出現に伴い、遺伝子をクローニングし、その遺伝子がコードする蛋白質を従来の精製手法に比べて大量に製造できるようになった。所望のクローン(制限エンドヌクレアーゼ遺伝子)を単離する標準的な方法は、複雑な「ライブラリー」内でこのようなクローン、すなわち10-3−10-4と頻度の低い場合には「ショットガン」手法で得られるクローン集団を同定する簡単で信頼性の高い方法を開発することである。この方法は、所望ではない大部分のクローンを破壊し、所望のわずかなクローンのみが生存するような選択性を持つのが好ましい。
【0008】
ますます多くのII型の制限−修飾系がクローニングされている。最初にクローニングされた系は制限エンドヌクレアーゼクローンを同定または選択するための手段としてバクテリオファージ感染を使用した(EcoRII: Kosykh et al., Molec. Gen. Genet 178: 717-719 (1980); HhaII: Mann et al., Gene 3: 97-112 (1978); PstI: Walder et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 78: 1503-1507 (1981))。細菌に制限−修飾系が存在するとバクテリオファージ感染耐性が得られるため、クローニングした制限−修飾遺伝子を持つ細胞は原則的にファージに露出されたライブラリーから生存体として選択的に単離できる。しかし、この方法は限定された価値しか持たないことが判っている。特に、クローニングされた制限−修飾遺伝子は選択的に生存させうるに十分なファージ耐性を常に示すとは限らないことが発見された。
【0009】
別のクローニングの方法は、最初にプラスミド−ボーン(plasmid-borne) として特性化されている系を大腸菌クローニングプラスミドに移入することを含んでいる(EcoRV: Bougueleret et al., Nucl. Acid Res. 12: 3659-3676 (1984); PaeR7: Gingeras & Brooks, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 402-406 (1983); Theriault & Roy, Gene 19: 355-359 (1982); PvuII: Blumenthal et al., J. Bacteriol. 164: 501-509 (1985) )。
【0010】
第三の方法は、ますます多くの系をクローニングするために使用されており、活性メチラーゼ遺伝子の選択を含んでいる(例えば、1986年9月3日公開のEPO No.: 195,413及びBsuRI: Kiss et al., Nucl. Acid. Res. 13: 6403-6421 (1985) 参照)。制限及び修飾遺伝子はしばしば密接に結合しているため、両方の遺伝子を同時にクローニングできることが多い。しかし、この選択ではいつでも完全な制限系が得られるのではないが、メチラーゼ遺伝子のみは得られる(BspRI: Szomolanyi et al., Gene 10: 219-225 (1980); BcnI: Janulaitis et al., Gene 20: 197-204 (1982); BsuRI: Kiss & Baldauf, Gene 21: 111-119 (1983);及びMspI: Walder et al., J. Biol. Chem. 258: 1235-1241 (1983) )。
【0011】
一部の系では、宿主に修飾で保護されていないエンドヌクレアーゼ遺伝子を導入しようとする際に問題が生じることがある。メチラーゼ遺伝子及びエンドヌクレアーゼ遺伝子を共通のDNA断片に導入する場合、エンドヌクレアーゼ遺伝子が宿主ゲノムを切断する前にメチラーゼ遺伝子が宿主を修飾または保護しなければならない。
【0012】
大腸菌で制限−修飾系をクローニングする際、広範なメチラーゼをクローニングする過程に、もう1つの障害があることが発見された。多くの大腸菌株(クローニングに一般に使用されているものも含む)はシトシンメチル化に関わるDNAの導入に耐性な系を有している(Raleigh & Wilson, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 83: 9070-9074 (1986))。従って、クローニングにどの大腸菌株を使用するかを慎重に検討することも必要である。
【0013】
もう1つの可能性のある問題は、供給源となる生物と大腸菌との間の転写機構の違い、例えばプロモータ及びリボソーム結合部位の差のために、一部の制限エンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子は大腸菌内で発現できないことである。メチラーゼ選択手法では、メチラーゼ遺伝子を持つプラスミドの少なくとも一部を完全に保護するのに十分なだけメチラーゼが発現される必要がある。
【0014】
精製した制限エンドヌクレアーゼは実験室でDNAを特性化し、再配列させる有用な道具であり、修飾メチラーゼもまたその程度は低いものの有用であることから、これらの酵素を大量に合成する細菌株を組換えDNA手法で得ることは商業上重要である。このような株は精製を簡単にすると同時に商業上有用な量を製造する手段を提供するため有用であろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】
発明の概要
本発明は、Nocardia otitidis-caviarum(ATCC 14630)から得られ得るNotI制限エンドヌクレアーゼ及び修飾メチラーゼ遺伝子をコードする組換えDNA、及び組換えDNAからのこれらの酵素の製造に関係する方法に係る。制限エンドヌクレアーゼ遺伝子をクローニングするための公知の方法はNotI制限エンドヌクレアーゼ及び修飾メチラーゼ遺伝子のクローニングには成功しなかった。多くの試みが行なわれ、非常に成功した活性メチラーゼ遺伝子選択法及びファージ選択法があった。ここで、上記の方法を使用するとメチラーゼとエンドヌクレアーゼ遺伝子のどちらも発現されないため、これらの方法が機能しないことが判った。従って、NotI制限エンドヌクレアーゼ及び修飾メチラーゼ遺伝子をクローニングする新規な方法が必要とされていた。新規の方法はNotI制限エンドヌクレアーゼを均質になるまで精製し、蛋白質のN末端及び内部臭化シアン分解断片のアミノ配列を決定することを含んでいる。アミノ酸配列を使用してPCRプライマーを作成し、N. otitidis-caviarumゲノムから直接エンドヌクレアーゼの一部を増幅させ、次に、遺伝子全体を含むクローンを同定するためのプローブとして使用する。
【0016】
本発明は制限エンドヌクレアーゼNotIを発現する形質転換した宿主にも係る。この制限エンドヌクレアーゼNotIはDNA配列5′-GCGGCCGC-3′を認識し、4塩基5′オーバーハングを残して最初の-CG-対の間でこの認識配列を切断する(Roberts, R., Nucl. Acid Res., supplement 13: 165 (1985) )。本発明に従って製造したNotI制限エンドヌクレアーゼは実質的に純粋で、実施例1のステップ2に示すような慣用手法で製造した制限エンドヌクレアーゼ調製物に通常見られる混在物を含まない。NotI制限−修飾系をクローニングするための1つの好適法は次のステップからなる:N. otitidis-caviarumからエンドヌクレアーゼをほぼ均質になるように精製し、N末端及び内部臭化シアン断片のアミノ酸配列を決定し、アミノ酸配列に基づいて縮退DNAプライマーを作製し、このプライマーによりゲノムN. otitidis-caviarum DNAからのエンドヌクレアーゼの一部を増幅させ、適当なベクターを選択し、N. otitidis caviarum由来のDNAを含有するライブラリーを形成し、エンドヌクレアーゼの一部に対応する増幅DNAとハイブリッド形成するDNAを含有するクローンを単離し、クローニングしたDNAの配列を決定してエンドヌクレアーゼの先端のDNA配列を決定し、隣接したメチラーゼ(NotIメチラーゼ)を同定し、PCRによりエンドヌクレアーゼ全体を増幅させ、NotI AUG開始コドンで始まる発現ベクターに連結し、別の相容性ベクター上でEagIメチラーゼ(-CGGCCG-)で適当な宿主細胞を予め修飾し、上記のNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子を含有する連結した発現ベクターを予め修飾した宿主に導入し、宿主を増殖させ、適切な発現条件で誘導し、細胞を採取し、NotIエンドヌクレアーゼを精製する。
【0017】
詳細な説明
本発明は、NotI制限エンドヌクレアーゼをコードする組換えDNA及びこのような組換えDNAから産生される酵素に係る。
【0018】
Nocardia otitidis-caviarum 由来のNotI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローニングは非常に困難であることが示されていた。多種のライブラリーが構築され、スクリーニングされているにも関わらず、標準のメチラーゼ選択手法ではメチラーゼクローンは得られていなかった。これはNotIメチラーゼが大腸菌内で保護するレベルで発現されないことによると思われる。ファージ選択法も試みられたが成功しなかった。これらの結果はNocardiaと大腸菌の間で認められた転写機構の違いと一致している。従って、NotIエンドヌクレアーゼをクローニングするには新しい方法が必要であった。
【0019】
エンドヌクレアーゼ蛋白質をほぼ均質になるまで精製し、蛋白質の部分のアミノ酸配列を決定するために使用した。N末端アミノ酸配列を決定し、エンドヌクレアーゼを臭化シアンで消化すると、約24kD、10kD、4kD及び3kDの4つの主要なペプチド断片が得られた。24kD、10kD及び4kD断片については明確なアミノ酸配列が決定されたが、3kDペプチドでは混合されたシグナルが得られた。24kDペプチドはエンドヌクレアーゼのN末端断片であることが判った。N末端領域のアミノ酸配列に基づいた縮退DNAプライマー及び10kD断片を合成し、ゲノムN. otitidis-caviarum DNA由来のエンドヌクレアーゼ遺伝子のこの部分をPCRで増幅するために使用した。増強させた約680bpのDNA断片をpUC19に二次クローニングし、配列を決定した。このPCR断片のDNA配列から推測したアミノ酸配列はN末端(24kD)、10kD及び4kDペプチドから決定したNotIエンドヌクレアーゼのアミノ酸配列と一致しており、このDNA配列がNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子の一部を表わすことが確認された。N. otitidis-caviarum DNAのライブラリーをLambda Dash ベクター系で構築し、N. otitidis-caviarum DNAの9−23kb挿入物を含有するクローンを生成した。エンドヌクレアーゼ遺伝子の680bp断片をプローブとして使用し、エンドヌクレアーゼ遺伝子のこの部分を含有するLambda Dash クローンを同定した。これらのラムダクローンを精製すると、すべてのクローンが14.5kb BamHI断片を含有することが判った。プローブはBamHI 断片上で、およそ8200−8900の位置にマッピングされた。この結果、クローンはプローブの一方の側に約8200bp、他方の側に約5600bpを含んでいたことから、エンドヌクレアーゼ遺伝子全体が存在するであろうことが示された。14.5kb BamHI断片をpUC19に二次クローニングし、NotIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼについてアッセイしたが、どちらの活性も検出されなかった。この結果は、遺伝子の上流の元のNocardiaDNAがそのままの位置に残っているときにはエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子は大腸菌内で発現されないことを示している。プローブの隣のDNAの配列を決定し、エンドヌクレアーゼのN末端の正確なヌクレオチド配列を決定した。DNAプライマーは、ATG開始コドン(-CATATG-)にNdeI部位を導入するNotI遺伝子のN末端部分から、NotI遺伝子の末端の約500bpの3−プライムであるSalI部位までNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子全体を増幅させるように設計した。14.5kb BamHIプラスミド及びゲノムN. otitidis-caviarum DNAの両者から遺伝子全体を増幅させた。増幅させたDNAをNdeI及びSalIエンドヌクレアーゼで切断し、予めSalI及びNdeIで切断してあるT7発現ベクターpSYX22に連結した。連結反応物を相容性プラスミドpACYC184上でEagIメチラーゼ(-CGGCCG-)で予め修飾したER2169コンピテント細胞に形質転換した。所望の大きさの挿入物を含有するベクターをミニプレップ(miniprepp )法で同定した。これらのクローンを中間対数増殖期まで増殖させ、IPTGで誘導した。次に、細胞を遠心分離により採取し、音波処理バッファに再懸濁させ、音波処理により溶解させた。抽出物を清澄にし、NotIエンドヌクレアーゼ活性をアッセイした。N. otitidis-caviarumゲノムDNA及び14.5kb BamHI断片プラスミド由来のクローンでは細胞1グラム(湿潤重量)当り5,000,000単位のNotI活性が得られた。
【0020】
NotI制限遺伝子をクローニングし、発現させるのに好適な、本明細書に記載の方法は図1に説明するが、次のステップを含んでいる:
1.Nocardia otitidis-caviarumのDNAを精製する。
【0021】
2.NotI制限エンドヌクレアーゼ蛋白質を標準の蛋白質精製手法で均質になるまで精製する。
【0022】
3.精製したNotIエンドヌクレアーゼのN末端アミノ酸配列を決定する。精製したNotIエンドヌクレアーゼを臭化シアン消化して内部ペプチド断片を生成し、これらの断片からアミノ酸配列を決定する。
【0023】
4.N末端及び内部ペプチド断片のアミノ酸配列に基づいて縮退DNAプライマーを合成する。これらのプライマーを使用して、PCR手法により、N. otitidis-caviarum DNA由来のエンドヌクレアーゼ遺伝子の一部を増幅する。
【0024】
5.N. otitidis-caviarum DNAを制限エンドヌクレアーゼ例えばBamHI またはそのアイソシゾマーのいずれかで完全及び/または部分的に消化し、切断して、Lambda Dash IIまたはNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子全体を含有する任意の同様なベクターにクローニングできる断片を作製する。
【0025】
6.消化したDNAをラムダファージクローニングベクターに連結する。得られた混合物をin vitroでパッケージし、適当な宿主例えば大腸菌株ER1458(New England Biolabs, Inc., Beverly, MAから市販されている)を感染させるために使用する。パッケージしたファージの一部を植え付け、得られたプラークを計数することにより、感染性ファージの力価を測定する。
【0026】
7.in vitroでパッケージしたファージは富裕培地上で適当な大腸菌宿主例えばER1458の軟寒天ローンに種々の密度で植え付けるのが好ましい。インキュベーションした後、NotIエンドヌクレアーゼ遺伝子を含有するファージを、プラークのニトロセルロースフィルターリフトに対するプローブとしてNotIエンドヌクレアーゼのPCR由来の部分を使用して、Benton-Davisのサザン・ハイブリッド形成により同定する。陽性のプラークをプレートから取り出し、プレーティングとハイブリッド形成を数回連続して実施することにより精製する。
【0027】
8.上記クローン上のNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子の位置を決定し、従ってクローンがエンドヌクレアーゼ遺伝子全体及び任意の隣接したメチラーゼ遺伝子をコードするために十分なDNAを含有しているかを決定するために、クローニングした断片の制限地図を作成し、上記と同じプローブを使用してクローンの種々の制限消化物へのサザン・ハイブリッド形成によりエンドヌクレアーゼ遺伝子のN末端部分の位置を決定する。制限遺伝子全体をコードするのに十分なDNAがある場合、ステップ9に進む。プローブの3′側に完全な制限遺伝子をコードするのに十分なDNAがない場合には、さらに多くのクローンをスクリーニングする、及び/または、クローンの別のライブラリーを作成する。
【0028】
lambda Dash ベクター内のN. otitidis-caviarum DNA挿入物をプラスミドベクター例えばpUC19 (ATCC# 37254 )にサブクローニングし、挿入物のマッピング及び遺伝子操作を簡単にすることができ、クローンがNotIエンドヌクレアーゼまたはメチラーゼのいずれを生成するかを決定することができる。本発明では、pUC19 中いずれの配向の14.5kb BamHI断片のクローンもin vitroで検出可能な量のNotIエンドヌクレアーゼは産生しなかった。この断片も4つのNotI部位を含んでおり、これらは全てin vitroでNotIで完全に切断され、このことはin vivo でNotIメチラーゼ活性がないことを示していた。
【0029】
9.N末端から内部10kD臭化シアン断片プローブを含むまたはそれに隣接したDNAの配列決定し、遺伝子の配向、遺伝子のN末端の正確なDNA配列を決定し、NotIエンドヌクレアーゼ遺伝子に隣接したシトシンメチラーゼ遺伝子の存在についてチェックする。
【0030】
10.NotIエンドヌクレアーゼ遺伝子を過剰発現する:
制限遺伝子を含有するクローンを過剰発現できる方法は多数ある。DNA配列及び詳細なマッピングは制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を過剰発現する最良の方法を決定する手助けとなる。過剰発現の1つの方法では、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のN末端及び制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の幾分下流に直接ハイブリッド形成するプライマーを設計し、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子全体を増幅する。得られたDNA断片を切断して、エンドヌクレアーゼ遺伝子の前にあるNocardia DNAを全て取り出すことができ、これを発現ベクター例えば誘導可能なプロモータ(例えばT7)のすぐ下流にあるpSYX22に挿入できる。また、大腸菌が強く認識するプロモータ例えばpAGR3 上のPtac(New England Biolabs から入手できる)を制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の開始の直前に挿入することにより過剰発現を実施できる。これは、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の開始と終了の近くの好都合な制限部位及びpAGR3 のプロモータの近くの相容性の制限部位を見つけ、制限遺伝子をPtacプロモータと並べてpAGR3 に移すことにより実施できる。使用できるその他の調節プロモータはpUC19 及びpBR322誘導体上のPlacUV5 (Fuller, Gene 19: 43-54 (1982) )及びλPL(Shimatake & Rosenberg, Nature 254: 128 (1981) )である。また、強力なリボソーム結合部位(Shine & Dalgarno, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 71: 1342-1346 (1974) )を遺伝子の前に置いて発現を増やすことができる。
【0031】
11.本発明によると、制限エンドヌクレアーゼを過剰発現する安定なクローンを得るために、宿主を制限エンドヌクレアーゼ消化から予め保護する。これは、別のプラスミド上で、NotIメチラーゼまたは、NotI制限部位に重なる部位を修飾することによりNotI消化から保護するEagIのような異種のメチラーゼにクローニングすることにより実施できる。使用するプラスミドは発現ベクターと相容性でなければならない。メチラーゼも、過剰に発現された制限エンドヌクレアーゼ遺伝子による消化から宿主ゲノムを保護するレベルで産生されなければならない。本発明では、コピー数の低いプラスミド例えばpACYC184(Chang & Cohen, J. Bacteriol., 134: 1131 (1987))にクローニングしたEagIメチラーゼ遺伝子はNotI消化から宿主ゲノムを適切に保護することが判った。
【0032】
遺伝子のDNA配列は部位特異的変異によって、または遺伝子自体を再合成することにより、大腸菌内でさらに効率的に利用されるコドンを使用するよう変化させることができる(Ikemura, J. Mol. Biol. 151: 389-409 (1981))。本発明では、エンドヌクレアーゼ遺伝子の第二及び第三コドンを、PCR増幅法により大腸菌が最もよく使用するコドンに変化させた。
【0033】
12.製造:NotIエンドヌクレアーゼは、EagIメチラーゼ遺伝子(またはNotIメチラーゼ遺伝子)及び過剰に発現させたNotI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を持つクローンから、富裕培地中で培養器で増殖させ、適当に抗生物質選択させ、誘導することにより製造できる。次に、細胞を遠心分離により採取し、音波処理により破壊して、NotI制限エンドヌクレアーゼ活性を持つ未精製の細胞抽出物を製造する。
【0034】
13.精製:NotI制限エンドヌクレアーゼを含有する未精製細胞抽出物は、標準の蛋白質精製手法例えば親和性クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーで精製する。
【0035】
上記に概説したステップは本発明を実施するための好ましい態様を示しているが、当業者には上記方法を当業界で公知の手法に準じて変化させうることは明らかであろう。
【0036】
以下の実施例は本発明の好適実施態様を説明するために示している。この実施例は説明のためのものであり、本発明は特許請求の範囲に示される以外には、この実施例によって制限されないものであることは理解されよう。
【0037】
実施例
実施例1 NotI 修飾メチラーゼ遺伝子及び制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローニング
1.DNAの精製:Nocardia otitidis-caviarumのDNAを調製するために、細胞ペースト6gを10分間静かに振とうさせて、25%蔗糖、0.05Mトリス塩酸、1mM EDTA(pH8.0)20ml中に再懸濁させた。0.25M EDTA(pH8.0)10mlと調製したばかりの0.25M トリス塩酸(pH8.0)中10mg/mlのリゾチーム6mlを加え、溶液を4℃で16時間インキュベートした。次に、懸濁液を液体窒素で急速に凍結させ、次に37℃の水浴で解凍することを3回繰り返した。プロテアーゼKを最終濃度1mg/mlとなるように加え、50℃で16時間インキュベートした。溶液を平衡化したフェノール50mlで抽出し、水相を回収し、クロロホルム50mlで2回抽出した。10分の1容の3M酢酸ナトリウム(pH6.0)と1容の2−プロパノールを加えてDNAを沈澱させ、遠心分離によって回収した。DNAペレットを1時間空気乾燥させ、次に100μg/mlのRNaseを含むDNAバッファ(10mM トリス塩酸、1mM EDTA、pH8.0)に再懸濁し、37℃で1時間インキュベートした。次に、5M NaClを最終濃度0.4Mとなるように加え、1容の2−プロパノールを加えてDNAを沈澱させた。DNA沈澱物をガラス棒で溶液から取り出し、空気乾燥させ、1.5mlのDNAバッファに最終濃度が約200μg/mlとなるように溶解した。
【0038】
2.Nocardia otitidis-caviarumからのNotI制限エンドヌクレアーゼの精製:NotI制限酵素はリッチ・ブロスを含む培養器で中間対数増殖期まで増殖させることによりNocardia otitidis-caviarumから作製できる。細胞は遠心分離によって採取する。以下の手順は全て氷上または4℃で実施した。384gの細胞をバッファA(10mM KPO4 、pH6.8、0.1M NaCl、0.1mM EDTA、5%グリセロール)770mlに再懸濁し、11,500PSIGのGaulonホノジェナイザーに5回通して破壊した。抽出物を4℃で40分間、12,000rpmで遠心分離した。上清をバッファAで平衡化したホスホセルロースカラム(5×12cm)にかけた。カラムをバッファA200ml、次にバッファA1100mlと1.5MまでNaClを添加したバッファA1100mlで作製したNaCl直線勾配で洗った。25mlの画分を集めた。制限酵素活性プールは0.4Mから0.6MのNaClでカラムから溶出され、これを集めた。P細胞プールをバッファB(0.1M NaCl、10mM トリス塩酸 pH7.5、10mM MgCl2 、50mM NH4 SO4 、5%グリセロール及び0.15%アジ化ナトリウム)に対して一晩透析した。次に、集めたものをバッファBで平衡化したBaker-bond Wide-pore PEI(NH)(登録商標)カラム(1.5×16cm)にかけた。カラムをバッファB30ml、次に、0.1Mから1.6MのNaClを加えたバッファBの直線勾配400mlで洗った。制限酵素活性のピークは0.6−0.8MのNaClで溶出され、これを集めた。PEI プールを一晩バッファC(10mM トリス塩酸 pH7.5、0.1mM EDTA、50mM NaCl、5%グリセロール)に対し透析し、次にバッファCで平衡化したMono-Q(登録商標)カラム(Pharmacia )に載せた。0.1M−0.6MのNaCl直線勾配40mlをかけた。制限酵素活性は0.3MのNaClで溶出され、これを集めた。Mono-Q(登録商標)で集めたものを3倍容量のバッファD(20mM KPO4 、pH6.8、0.1mM EDTA、5%グリセロール)で希釈し、50mM NaClでMono-S(登録商標)(Pharmacia )にかけた。バッファD中50mMから0.5MのNaClの直線勾配40mlをかけた。制限酵素活性は0.25MのNaClで溶出され、これを集めた。二番目のMono-Qカラムを上記のように流し、エンドヌクレアーゼ蛋白質が確実に均質になるようにした。最終的なNotI制限エンドヌクレアーゼ調製物ではクーマシーブルーR-250 で染色した10−20%SDS−PAGEゲルで約42kDの1つの主要なバンドが得られた。
【0039】
3.上記2で製造したNotI制限エンドヌクレアーゼをMatsudairaの手順(Matsudaira, P., J. Biol. Chem. 262: 10035-10038 (1987))に従って電気泳動にかけエレクトロブロットし、上記のように修飾した(Looney, M.C., Moran, L.S., Jack, W.E., Feehery, G.R., Benner, J.S., Slatko, B.E. & Wilson, G.G., Gene 80: 193-208 (1989))。膜をクーマシーブルーR−250で染色し、約42kdの蛋白質のバンドを切り出し、逐次分解にかけた(Waite-Rees, P.A., Keating, C.J., Moran, L.S., Slatko, B.E., Hornstra, L.J. & Benner, J.S., J. Bacteriol. 173: 5207-5219 (1991))。
【0040】
42kd蛋白質の最初の15残基はMet-Arg-Ser-Asp-Thr-Ser-Val-Glu-Pro-Glu-Gly-Ala-Asn-Phe-Ile 、配列番号1に対応した。20μl中20μgのNotIエンドヌクレアーゼの別の試料を、暗室内、室温で、24時間、88%蒸留ギ酸200μlに溶解した2mgの臭化シアンで処理した。この反応混合物を蒸発乾固させ、20μlのローディング・バッファ(1.5M トリス塩酸 pH8.5、12%グリセロール、4%SDS、0.05% Serva Blue G、0.05% Phenol Red)に100℃で5分間再懸濁させた。この試料をトリス−トリシン10−20%ポリアクリルアミド勾配ゲル(Novex )上の電気泳動に3時間かけ、次に10mMのCAPSバッファ(10mM 3−[シクロヘキシルアミノ]−プロパンスルホン酸、10%メタノール、0.05% SDS、0.005%ジチオスレイトール、NaOHでpH11.0に調整)を使用し、タンク・エレクトロブロッター(TE52、Hoeffer )中、200ボルトで18時間かけて、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜(Problott, Applied BIosystems Inc. )に移した。膜をクーマシーブルーR−250で染色すると、24kd、10kd、4kd及び3kdの主要なバンドが認められた。これらの染色された蛋白質バンドを膜から切り出し、各々を逐次分解(2)にかけた。24kdペプチドの最初の27残基はMet-Arg-Ser-Asp-Thr-Ser-Val-Glu-Pro-Glu-Gly-Ala-Asn-Phe-Ile-Ala-Glu-Phe-Phe-Gly-X-X-Val-Tyr-Pro-Glu-Val 、配列番号2に対応した。残基21及び22は同定されなかった。従って、この断片はエンドヌクレアーゼのN末端からのものであると決定した。他のすべての断片は蛋白質内部からMet 残基で臭化シアンにより内部切断されて得られたものである。10kdペプチドの最初の9残基はAla-Tyr-Lys-Phe-Ala-Leu-Ser-Gly-Arg 、配列番号3に対応した。4kdペプチドの最初の36残基はAsp-Phe-His-Gly-Ser-Tyr-Lys-His-ALa-Val-Gly-Ala-Ile-Asp-Ile-Ala-Leu-Val-Glu-Gly-Ile-Asp-Phe-His-Gly-X-Leu-Pro-Thr-Pro-Ala-Gly-(TyrまたはArg)-Ala-Ala-(Lys またはLeu)、配列番号4に対応した。残基26は決定されておらず、残基33及び36はいくらか不明確であった。この3kdペプチドバンドはほとんどのサイクルで2つのシグナルを出し、2つのペプチドの混合物と思われた。
【0041】
4.無傷のNotIエンドヌクレアーゼ、24kd及び10kdペプチドからのペプチド配列データ及びその既知の配向を使用して一連の8個のPCRプライマーを構築した:
1)GA NGC RAA YTT RTA NGC CAT 20-mer 、配列番号5
2)AA NGC RAA YTT RTA NGC CAT 20-mer 、配列番号6
3)GA SGC GAA CTT GTA SGC CAT 20-mer 、配列番号7
4)GAR CCN GAR GGN GCN AAR TTY AT 23-mer 、配列番号8
5)GAG CCS GAG GGS GCS AAG TTC AT 23-mer 、配列番号9
6)AAR TTY ATH GCN GAR TTY TTY GG 23-mer 、配列番号10
7)AAG TTC ATC GCS GAG TTC TTC GG 23-mer 、配列番号11
8)GTN TAY CCN GAR 14-mer、配列番号12
[式中、 Y = T, C;R = A, G;H = A, T, C ;S = G, C;N = A, C, G, T]。
【0042】
プライマー1から3はNotI 10kd CNBrペプチド由来であり、遺伝子の5′末端に向かってプライムするように作製した。プライマー4から8はNotI24kd CNBrペプチド由来であり、遺伝子の3′末端に向かってプライムするように作製した。プライマー3、5及び7ははっきりしない位置にはAまたはT残基を全く持たない。
【0043】
5.プライマー3、5、7及び8を使用して遺伝子のN末端領域(プライマー5、7及び8)と10kd臭化シアン断片のアミノ末端(プライマー3)の間のエンドヌクレアーゼ遺伝子の部分を増幅させた。3種のMg++濃度と4種のアニーリング温度を試みた。マスター反応混合物は、10×Vent(登録商標)反応バッファ65μl、10mg/mlのBSA 7μl、4mMのdNTP溶液40μl、DMSO 33μl、Nocardia otitidis-caviarum DNA 3.5μl(700ng)、dH2 O 408μl、プライマー3 13μl(650ng)、プライマー5 13μl(650ng)及びVentexo-(登録商標)ポリメラーゼ20μl(40u)を含むように調製した。混合物を200μlずつの3つのアリコートに分けた。最初のアリコートにはdH2 Oを16μl(最終Mg++濃度=2mM)、2番目のアリコートには10mMのMgSO4 を6μlとdH2 Oを10μl([Mg++]=5mM)、3番目のアリコートには100mMのMgSO4 を16μl([Mg++]=10mM)加えた。これらの反応混合物を4つに分け、4種のアニーリング温度で増幅させた。プライマー3とプライマー7を使用する反応とプライマー3とプライマー8を使用する反応は同様に実施した。PCR増幅条件は95℃で1分、45℃(または50℃、55℃、60℃)で1分、72℃で1分半を35サイクルであった。PCR反応生成物15μlを1%アガロースゲル塩基泳動で分析した。所望の大きさのバンドが、プライマー3からプライマー5について、2mM Mg++/アニーリング温度60℃以外の反応の全てで認められた。プライマー3とプライマー7の反応では、5mM中、45℃でアニーリングした反応、10mMのMg++中、50℃及び55℃でアニーリングした反応の3つの全ての反応で所望の大きさのバンドが得られたが、他の条件での反応では得られなかった。プライマー3とプライマー8の組み合わせでは、5mMと10mMのMg++で45℃でアニーリングした場合と、10mMのMg++で50℃でアニーリングした場合のみに所望の大きさのバンドが得られた。所望の大きさのバンドを1%LMPアガロースの電気泳動にかけ、ゲルから切り出し、65℃で5分間溶融させ、40℃に5分間冷却し、β−アガロース(New England Biolabs, Inc., Beverly, MA)1μl(1u)を加え、40℃で1時間インキュベートすることによりアガロースを消化した。
【0044】
6.部分消化:精製したDNAをBamHI で切断して、次のように部分消化した:NEBuffer BamHI(150mM NaCl、50mM トリス塩酸、10mM MgCl2 、1mM DTT、25℃でpH7.9)中50μg/mlのNocardia otitidis-caviarum DNA500μlを100μlのアリコート1つと50μlのアリコート7つに分けた。100μlの試験管にBamHI 20単位を加えると、DNA1μg当り酵素4単位となった。最初の試験管から50μl取り、2番目の試験管に移し、BamHI 2単位/μgとし、前のBamHI 量の半分となるようにこれを続けた。試験管を37℃で1時間インキュベートし、フェノール/クロロホルムで抽出し、2容のエタノールで沈澱させ、乾燥させ、20μlのTE(TE=10mMトリス塩酸、1mM EDTA、pH8.0)に再懸濁し、各3μlをアガロースゲル電気泳動で分析した。限定消化されたことを示す試験管と中等度の不完全な消化を示す試験管をクローニング用断片の供給源として選んだ。別々の反応物を一緒に合わせて混合し、下記ステップ7に記載するように使用した。
【0045】
7.BamHI ライブラリー:BamHI ゲノムライブラリーはベクターLambda Dash(登録商標) II (Stratagene)を使用して構築した。lambda Dash II は9−23kbのDNA断片のクローニングに使用できるラムダ置換ベクターである。上記のようにBamHI で完全にまたは部分的に消化したNocardia otitidis-caviarum DNA250ng(2μl)をBamHI で切断したLambda Dash II アーム500ng(0.5μl)と混合した。1×103 単位のT4 DNAリガーゼを含有する2×連結混合物(100mM トリス pH7.8、20mM MgCl2 、20mM DDT、2mM ATP)2.5μlを加え、混合物を17℃で16時間インキュベートした。製造業者の支持に従ってGigapack(登録商標)II Plus (Stratagene)を使用して、連結反応物2.5μlをin vitroで感染性ファージ粒子にパッケージした。室温で2時間インキュベートした後、パッケージしたファージを500μlのSM(SM=100mM NaCl、8mM MgSO4 、50mMトリス塩酸 pH7.5、0.01%ゼラチン)とクロロホルム3滴で希釈した。感染性ファージ粒子のタイターは次のように測定した。パッケージしたファージの溶液2μlをSM 198μlで希釈した。希釈したファージの1μl、10μl及び100μlのアリコートを新しいER1458細胞の懸濁液(10mMトリス塩酸 pH7.5、10mM MgCl2 、O.D.600 =2.0中)100μlに加え、室温で15分間インキュベートし、次に40℃でトップアガー(top agar)3mlと混合し、リッチ・プレートに広げた。トップアガーが固まった後、プレートを37℃で一晩インキュベートした。翌日、プラークを計数し、次の実験に使用するファージ・ストックのタイターを計算すると、2.8×105 pfu/mlであった。
【0046】
8.上記のようにin vitroでパッケージしたファージを植え付け、大腸菌ER1458のローン中によく分離されたプラークを形成した。約600、1500、3000及び5000ファージのプレートを作製した。lambda Dash II BamHI ライブラリーからのこれらのクローンのニトロセルロースフィルター・プラーク・リフトを、放射性標識し(Random Priming System I, New England Biolabs, Inc. Beverly, MA)ゲル精製したプライマー3からプライマー5の増幅反応からのPCR生成物(上記)(Benton-Davis法、Molecular Cloning, a Laboratory Manual、T. Maniatis, E.F. Fritsch & J. Sambrook, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1982, pp 320ff)でプロービングした。17個の陽性プラークを同定したところ、全部が精製プラークであった。DNAを6つのファージの(トップアガロース中の)集密的なプレート溶解物から調製し、BamHI で消化した。6個全てが共通の14.5kb BamHI断片を含んでおり、これにプライマー3からプライマー5のプローブをハイブリッドさせた。
【0047】
9.14.5kb BamHI断片のマッピング:マッピングを容易にするために、lambdaDash II クローンで同定したNocardia otitidis-caviarum DNAの14.5kb BamHI断片をpUC19 にサブクローニングし、クローンpNOTB14.5 を作製した。pNOTB14.5 クローンを製造者の指示に従って種々の制限エンドヌクレアーゼで消化し、断片の制限地図を決定した(図2)。このクローン上のNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子の位置はプライマー3からプライマー5のプローブ(上記)をクローンの制限消化物にサザン・ハイブリッド形成させて決定した(Southern, E. 1975, J. Mol. Biol., 98:503)。この中では、HindIII 、PflMI 、XbaI、ClaI及びBstBI 消化物が14.5kb BamHI断片上のプローブの位置決定に特に有用であった(図2)。プローブはBamHI 断片の一方に約8200bp、他方に5600bpを持つ中央部近くとハイブリッドし、このことは、制限及び修飾遺伝子全体を含有するのに十分なDNAが存在することを示している。pNOTB14.5 クローンを増殖させ、NotI制限活性についてアッセイしたが、何も検出されなかった。クローニングしたDNAで4つの部位を完全に切断するNotI酵素能で評価されたように、in vivo でメチラーゼ活性は検出されなかった。
【0048】
プローブ近くのクローンの領域の配列決定を容易にするために、pNOTB14.5 の種々のサブクローンを構築した。サブクローンは、クローンの部分を欠失させることにより、または制限酵素で切断し、所望の断片をゲルで調製し、適切に切断し、脱燐酸化したpUC19 ベクターに連結して作製した。所望の構築物のクローンは、ミニプレップを実施し、精製DNAを消化し、アガロースゲル電気泳動で分析して同定した。
【0049】
プラスミドクローンの分析:アンピシリンを含有するLブロスの培養物10mlに各形質転換細胞を接種し、形質転換細胞を含むプラスミドをBirnboin & Doly (Nucleic Acids Res. 7: 1513, 1979)の方法から適用したミニプレップ・プラスミド精製手順で調製した。
【0050】
ミニプレップ手順:各培養物を8000rpmで5分間遠心分離した。上清を捨て、細胞ペレットを1mg/mlのリゾチームを含有する25mMトリス、10mM EDTA、50mMグルコース(pH8.0)1mlに再懸濁させた。室温に10分間置いた後、0.2M NaOH、1%SDS 2.0mlを各試験管に加え、試験管を振って細胞を溶解させ、氷上に置いた。溶液が透明になったら、各試験管に3Mの酢酸ナトリウム(pH4.8)1.5mlを加えて、振った。形成された沈澱物を4℃で15000rpmで10分間回転させて沈澱させた。イソプロパノール3mlを含む遠心管に各上清を加え、混合した。室温に10分置いた後、遠心管を15000rpmで10分間回転させて、沈澱した核酸をペレットとした。上清を捨て、ペレットを室温で30分間、空気乾燥させた。乾燥したら、ペレットを50μg/mlのRNaseを含む10mMトリス pH8.0、1mM EDTA 500μlに溶解し、37℃で1時間インキュベートしてRNAを消化した。50μlの5M NaCl、次に350μlのイソプロパノールを添加してDNAを沈澱させた。室温に10分間置いた後、5分間遠心分離してDNAを沈澱させた。上清を捨て、ペレットを乾燥させ、次に10mMトリス、1mM EDTA pH8.0 150μlの最終溶液に再溶解させた。次に、プラスミド・ミニプレップを種々の制限エンドヌクレアーゼによる消化で分析した。
【0051】
10.DNA配列決定:DNA配列決定は、製造者の指示に従ってCircumvent(登録商標) DNA配列決定キット(New England Biolabs )を使用して実施した。ミニプレップDNA調製物を鋳型として使用した。DNA配列決定は次の制限エンドヌクレアーゼ遺伝子全体をクローニングし、クローニングした遺伝子の大腸菌での発現を誘導するための操作の元となるデータを提供した。DNA配列から推定のアミノ酸配列はN末端(24kDペプチド)、10kD、4kD及び推定された2つの小さなペプチド(約3kD)の蛋白質配列と一致し、ペプチド断片の順序が24kD、4kD、3(A)kD、10kD、3(B)kDであることを示した。蛋白質のN末端の正確なDNA配列を使用してNotI遺伝子を発現するためのPCR増幅プライマーを設計した。エンドヌクレアーゼ遺伝子の下流にあるSalI部位の周りの配列を使用して第二のPCR発現プライマーを設計した。エンドヌクレアーゼ遺伝子の上流の配列は典型的な大腸菌転写因子を含んでおらず、これはpNOTB14.5 から発現されないことと一致している。エンドヌクレアーゼの出発点から44ntで分離された、NotIエンドヌクレアーゼ遺伝子に先立ち、同じ配向にある読み取り枠で、β型N4−メチルシトシンメチラーゼ遺伝子のコンセンサスモチーフ、モチーフIV=Ile-Thr-Ser-Pro-Pro-Tyr-Trp-Gly-Met-Arg-Thr-Tyr (配列番号13)及びモチーフI=Gly-Gly-Leu-Val-Leu-Asp-Pro-Phe-Ala-Gly-Thr-Gly-Arg-Ala (配列番号14)(Wilson, G.G., Methods in Enzymology, 216: Recombinant DNA Part G、Wu, R.編、Academic Press, 1992, pp259-279 )が認められた。このデータは連結R−Mシステムと一致する。
【0052】
11.NotI制限エンドヌクレアーゼの過剰発現:制限エンドヌクレアーゼ遺伝子は、発現ベクターpSYX22の誘導可能なプロモータ(T7)及び強力に認識されるリボソーム結合部位のすぐ下流に遺伝子を挿入することにより過剰発現させた。これを実施するために、DNA配列及び蛋白質配列データを使用して2つのオリゴヌクレオチドプライマーを作製した。最初のオリゴヌクレオチドプライマーはATGコドンに重なる配列を含有しており、蛋白質配列決定から、エンドヌクレアーゼの開始部分であるが、3個の塩基が変化してNdeI部位を形成し、エンドヌクレアーゼの第二及び第三コドンの3位の塩基が大腸菌が使用するのに好ましいコドンに変化していた:5′ GACG CAT ATG CGT TCC GAT ACG TCG GTG GAG CCA GAG 3′配列番号15(NdeI部位は下線で示し、N. otitidis-caviarum配列から変化したヌクレオチドは太字で示す)。第二のオリゴヌクレオチドプライマーはNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子末端の3′に約500個のヌクレオチドの配列を含み、増幅させた後の断片のクローニングを助けるためにプライマーに含まれている、N. otitidis-cavariarum DNA中のSalI部位を有している:5′ GAAT GTC GAC CAT CTC CAC CCA CG 3′配列番号16(SalI部位を下線で示す)。これらの2つのプライマーは、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼを使用するPCR反応(95℃1分間、56℃1分間、72℃2分間;pNOTB14.5 から10サイクル、ゲノムDNAから10サイクル)に、鋳型としてのゲノムN. otitidis-caviarum DNA及びpNOTB14.5 プラスミドと共に使用し、NotIエンドヌクレアーゼ遺伝子を含む1.7kb DNA断片を増幅させた。ステップ5に述べたように、バンドをゲル精製した。精製したPCR生成物を20UのNdeI及び20UのSalIを使用し、1×NEBuffer 3で1時間消化した。インキュベーションした後、消化物をフェノールとクロロホルムの1対1混合物で1回、クロロホルムで1回抽出し、2容のエタノールで沈澱させた。DNAを遠心分離によりペレットととし、70%エタノールで1回洗い、乾燥させ、20μlのTEに再懸濁させた。精製した断片3μl(〜0.1μg)をT7発現ベクターpSYX22(S. Xu, New England Biolabsから入手)に連結した。このベクターはT4 DNAリガーゼ400Uを含む全容量20μl中、17℃で4時間、NedI及びSalI(〜0.05μg)で消化してあった。[pSYX22の誘導体化:pET-11a はT7プロモータの4bp下流にlac オペレータ(このT7プロモータとlac オペレータをT7lacプロモータと呼ぶ)、lacIq 遺伝子、及びクローニング用の2つの制限部位、NdeI及びBamHI を含むpBR322由来のT7発現ベクターである(Dubendorff, J.W. & Studier, F.W., J. Mol. Biiol. 219: 45-59, 1991 )。]T7プロモータの上流のrrnB転写ターミネータを4コピー含むpET-11a 誘導体、pAII17を構築した(pAII17はNew England Biolabs, Beverly, MAのWilliam Jackが作製した)。T7プロモータの上流にある転写ターミネータはさらに標的遺伝子の発現の基礎レベルを下げる。クローニングが容易なように、ベクターのBamHI 部位を大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片に充填し、SalIリンカーを挿入してBamHI 部位を置換した。このプラスミドをpSYX22.Jとした。連結物10μlを使用して、pEagM184-AのEagIメチラーゼ遺伝子で予め修飾したコンピテント大腸菌ER2169(New England Biolabs, Inc., Beverly, MAから入手できる)を形質転換した。[EagIメチル化認識部位CGGCCGはNotI制限エンドヌクレアーゼ認識部位と重なり合っており、従って宿主をNotIによる消化から保護する。pEagM184-Aはp15A複製開始点に camr 及びTcr 遺伝子を持つコピー数の低いプラスミドであるpACYC184由来である。Tcr 遺伝子に挿入したメチラーゼ遺伝子はTcプロモータから本質的に発現できる]。形質転換した細胞をアンピシリン(100μg/ml)及びクロラムフェニコール(35μg/ml)を含むL寒天に植え付けた。ステップ9に記載のミニプラスミド・プレップ手順を使用して、プラスミドをゲノムDNAとpNOTB14.5 由来の増幅DNAの両者からの各々14個のコロニーから単離した。各ミニプレップ5μlをNdeI及びSalIの両方で消化したものを、pAII17をNedI及びSalIの両方で消化したものと比較した。14個のゲノム由来のクローンの内1つと14個のpNOTB14.5 由来のクローンの内の2つは約1.7kbの挿入物を含んでいた。これらの3つのクローン全部をさらに特性化するために選択した。これらの3つのクローンをアンピシリン及びクロラムフェニコールを含有する200mlのLブロス中でKlettが80(中間対数増殖期)になるまで増殖させ、1mMのIPTGで誘導した。誘導2時間後、細胞(約0.8g)を遠心分離によって採取し、冷い音波処理バッファ(20mMトリス塩酸 pH7.5、1mM DTT、0.1mM EDTA)で一回洗い、音波処理バッファ3mlに再懸濁し、氷上で音波処理した。音波処理した細胞抽出物を16,000rpmで20分間遠心分離した。各抽出物4.5μlをDNAアッセイ混合物(NEBuffer NotI 50μlにAdeno2 DNA 1μgを含む)75μlと混合した。この試験管からの25μlをDNA混合物50μlと混合し、1:2希釈とした。さらに3回続けて1:2希釈した。反応混合物を37℃で1時間インキュベートした。反応混合物20μlを1%のアガロースゲルにかけた。3つのクローンはすべてこのアッセイで正確にタイターを測定するには強すぎるNotI制限エンドヌクレアーゼ活性を示した。しかし、酵素のタイターは細胞1g当り2.5×105 単位より大きいと概算された。さらに滴定すると、NotI制限エンドヌクレアーゼ活性は細胞1g当り約5×106 単位となった。このレベルはNocardia otitidis-caviarumの未精製抽出物で認められる細胞1g当りのNotI制限エンドヌクレアーゼ活性の約1000倍である。これらのクローンの1つをさらに特性化するために選択し、株NEB# 816と表わし、プラスミドはpRM189-1と命名した。NEB# 816のサンプルはブダペスト条約に基づき、1992年12月3日にRockville 、MarylandのAmerican Type Culture Collectionに寄託してあり、受託番号は69139号である。
【0053】
12.NotI 制限エンドヌクレアーゼはアンピシリン(100μg/ml)及びクロラムフェニコール(35μg/ml)を含む富裕培地を入れた発酵器中でレイト−ログ期(late-log phase)まで増殖させることによりNEB# 816から産生できる。次に、IPTGを最終濃度0.5mMまで加えて培養物を誘導し、2時間培養を続けた。次に、細胞を遠心分離により採取した。
【0054】
13.NEB# 816からのNotI制限エンドヌクレアーゼの精製:以下の手順はすべて氷上または4℃で実施した。細胞18gをバッファA(10mM燐酸カリウムpH6.9、0.1M NaCl、0.1mM EDTA、5%グリセロール)70mlに再懸濁し、全力で1分間音波処理して破壊すると、O.D.260が0.13となった。抽出物を4℃、10,000rpmで30分間遠心し、得られた上清をバッファAで平衡化したホスホセルロースカラム(2.5×15cm)に載せた。カラムをバッファA60mlで洗い、次に0.1Mから1MのNaClの直線勾配900mlをかけた。制限酵素活性は0.2Mから0.3MのNaClで溶出され、これを集めた。P細胞プールをバッファB(0.1M NaCl、10mMトリス塩酸 pH7.5、10mM MgCl2 、5%グリセロール及び0.15%アジ化ナトリウム)に対して一晩透析し、バッファBで平衡化したヘパリン−セルロースカラム(1.5×17cm)にかけた。カラムをバッファB 30mlで洗い、0.1Mから1.2MのNaClの直線勾配400mlをかけた。制限酵素活性は0.5Mから0.6Mの間のNaClでヘパリンカラムから溶出され、これを集めた。集めたものをNaClを含まないバッファBで1:1希釈し、NaCl濃度0.3MのバッファBで平衡化したDEAE−セファロースカラム(1.5×16cm)に通した。制限酵素活性はカラムを素通りした。素通りしたものを集め、NaClを含まないバッファBで1:1に希釈し、NaCl濃度0.15MのバッファBで平衡化したPEIカラム(1.5×10cm)に載せた。カラムを20mlのバッファBで洗い、0.15Mから1.8MのNaClの直線勾配300mlをかけた。制限酵素活性はNaCl0.6Mから0.8Mで溶出され、これを集めた。集めたものに、最終濃度100μg/mlとなるようにBSA(ウシ血清アルブミン)を加えた。集めたものを保存バッファ(10mMトリス塩酸 pH7.5、0.1mM EDTA、0.1M NaCl、1mM DTT、0.15%Triton-X 100及び50%v/vグリセロール)に対して透析した。この精製法で53,000,000単位のNotI制限エンドヌクレアーゼが得られた。
【0055】
この精製により得られたNotI制限エンドヌクレアーゼは実質的に純粋であり、非特異的エンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼを含まなかった。NotI制限エンドヌクレアーゼ調製物の純度は次の基準を検討して調べた:1)連結:Adeno2DNAを25倍過剰消化した後、産生されたDNA断片の95%以上が(16℃、5′末端濃度1−2uMで)T4DNAリガーゼに連結した。これらの連結した断片の内、95%は再度切断できた。2)長期消化:Adeno2 DNA 1μg及び酵素200単位を含む反応混合物50μlを16時間インキュベートした後、1単位の酵素で1時間反応したときと同じパターンのDNAバンドが得られた。3)エキソヌクレアーゼ活性:超音波処理した 3H DNA(105 cpm/μg)1μgを含む反応混合物50μl中、37℃で4時間、酵素200単位をインキュベートした後、0.03%未満の放射能が放出された。4)エンドヌクレアーゼの混在:1μgのΦX174 RFI DNAを含む反応混合物50μl中、37℃で4時間、酵素200単位をインキュベートした後、5%未満がRFIIに変換された。5)メガベースゲノム消化:PFG電気泳動で測定すると、0.5%アガロース中の大腸菌ゲノムDNA 1μgをNotI 200uと共にNEBuffer#3 100μl中で16時間インキュベートして消化すると、5uで4時間の場合と同じ限定消化のバンドパターンが得られた。試験はすべて次の反応バッファ中で実施した:100μg/mlのBSAを補ったNEBuffer3 (100mM NaCl、50mMトリス塩酸、10mM MgCl2 、1mM DTT、25℃でpH7.9)。
【0056】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:15
配列の型:アミノ酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0057】
【表1】
配列番号:2
配列の長さ:27
配列の型:アミノ酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0058】
【表2】
配列番号:3
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0059】
【表3】
配列番号:4
配列の長さ:36
配列の型:アミノ酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列の特徴
存在位置:33
他の情報:33位、Xaa=Tyr またはArg
存在位置:36
他の情報:36位、Xaa=LysAまたはLeu
配列
【0060】
【表4】
配列番号:5
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0061】
【表5】
配列番号:6
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0062】
【表6】
配列の特徴:
配列番号:7
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0063】
【表7】
配列番号:8
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0064】
【表8】
配列番号:9
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0065】
【表9】
配列番号:10
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0066】
【表10】
配列番号:11
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0067】
【表11】
配列番号:12
配列の長さ:14
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0068】
【表12】
配列番号:13
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0069】
【表13】
配列番号:14
配列の長さ:14
配列の型:アミノ酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0070】
【表14】
配列番号:15
配列の長さ:37
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0071】
【表15】
配列番号:16
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0072】
【表16】
配列番号:17
配列の長さ:93
配列の型:核酸
鎖の数:不明
トポロジー:不明
配列
【0073】
【表17】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、NotI制限エンドヌクレアーゼをクローニングし、製造する好適方法を説明している。クローニング・プロジェクトを開始したときには、NotI制限−修飾系のクローニングを成功させる戦略または条件は公知ではなかった。実際、メチラーゼ選択法ではNotIメチラーゼ(及びエンドヌクレアーゼ)クローンは得られなかった。図1及び実施例1に示す蛋白質の配列決定、DNA増幅及びクローニングの結果、また、それに続くクローンのDNA配列決定、マッピング及び特性化により、これまで知られていなかったNotI制限−修飾系をクローニングし、発現する直接経路が明らかにされる。
【図2】図2は、BamHI Lambda Dash IIライブラリーにNotIエンドヌクレアーゼ遺伝子の増幅部分をハイブリッド形成させて得たN otitidis-caviarum DNAの14.5 kb BamHI 断片の制限地図である。NotIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子の位置及び配向を示す。
【図3】図3は過剰発現(overexpression)クローンpRM189-1の制限地図である。
【図4】図4はNotI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の5′末端のDNA配列である。
Claims (5)
- プラスミドpRM189−1(ATCC寄託番号69139)から得ることができる、NotI制限エンドヌクレアーゼをコードする単離DNA断片。
- 請求項1に記載のDNA断片を含む組換えベクター。
- ベクターがプラスミドpRM189−1(ATCC寄託番号69139)からなる請求項2記載の組換えベクター。
- 請求項2または3に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
- NotI制限エンドヌクレアーゼの製造方法であって、前記エンドヌクレアーゼの発現に好適な条件下で、請求項2または3記載のベクターで形質転換した宿主細胞を培養することを包含する方法。
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