JP4115248B2 - E.coliにおけるbsmbi制限エンドヌクレアーゼとbsmbiメチラーゼのクローニング及び発現の方法、並びにbsmbiエンドヌクレアーゼの精製方法 - Google Patents

E.coliにおけるbsmbi制限エンドヌクレアーゼとbsmbiメチラーゼのクローニング及び発現の方法、並びにbsmbiエンドヌクレアーゼの精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、BsmBI制限エンドヌクレアーゼ(エンドヌクレアーゼ)及びBsmBIメチルトランスフェラーゼ(メチラーゼ)をエンコードする組換えDNA、並びに該組換えDNAを含有する大腸菌(E.coli)細胞におけるBsmBIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼの発現に関する。
【0002】
【従来の技術】
BsmBIエンドヌクレアーゼは、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)のB61株(ニュー・イングランド・バイオラブズ社(New England Biolabs)の株コレクションNo.857)で発見されている。それは、2本鎖DNA配列5’CGTCTC3’N/N(SEQ ID NO:1)を認識し、認識配列の下流N(上の鎖)及びN(下の鎖)で切断して4−塩基5’側にオーバーハングを生じる(N=A、T、C、又はG;/はリン酸ジエステル結合を示す)。BsmBIメチラーゼ(M.BsmBI)もバチルス・ステアロサーモフィラスのB61株で発見されている。それは、2本鎖DNA配列、5’CGTCTC3’(SEQ IDNO:2)(上の鎖)及び5’GAGACG3’(SEQ ID NO:3)(下の鎖)を認識し、認識配列の中で、おそらくは、上の鎖ではシトシン(5mC)を、また下の鎖ではアデノシン(N6mA)を修飾する。
【0003】
II型制限エンドヌクレアーゼは、細菌及び一部のウイルスに天然に存在する一種の酵素である。細菌/ウイルスのタンパク質から精製して取り出すと、制限エンドヌクレアーゼは、分子クローニングや遺伝子の特性決定のためにDNA分子を小さな断片に切断するのに実験室で用いることができる。
【0004】
制限エンドヌクレアーゼは、DNA分子に沿って核酸の特定の配列(「認識配列」)を認識して結合する。いったん結合すると、それらは認識配列の中で(例えば、BamHI)、一方の端で(例えば、SapI)又は両端で(例えば、TspRI)分子を切断する。別の制限エンドヌクレアーゼは、別の認識配列に対して親和性を有する。今日までに調べられた何百という細菌種の間で、独特の特異性をもつ211に及ぶ制限エンドヌクレアーゼが同定されてきた(Roberts and Macelis, Nucl. Acids Res., 27:312-313, 1999)。
【0005】
制限エンドヌクレアーゼは通常、それが発見された細菌に基づいて命名される。従って、Deinococcus radiophilus種は、例えば、DraI、DraII及びDraIIIと命名された3つの異なる制限エンドヌクレアーゼを産生する。このような酵素はそれぞれ、配列、5’TTT/AAA3’(SEQ ID NO:4)、5’PuG/GNCCPy3’(SEQ IDNO:5)及び5’CACNNN/GTG3’(SEQ ID NO:6)を切断する。一方、Escherichia coli RY13はたった1つの酵素、EcoRIを産生し、それは、配列5’G/AATTC3’(SEQ ID NO:7)を認識する。
【0006】
細菌/ウイルスの制限−修飾(R−M)システムの第2の成分はメチラーゼである。このような酵素は制限エンドヌクレアーゼと共存し、細菌が自らのDNAを保護し、それを外来のDNAから区別する手段を提供している。修飾メチラーゼは、相当する制限エンドヌクレアーゼと同じ認識配列を認識し、それに結合するが、DNAを切断する代わりに、メチル基(C5メチルシトシン、Nメチルシトシン、又はNメチルアデニン)を付加することによって配列内の特定の核酸の1つを修飾する。メチル化された後、認識配列はもはや同族の制限エンドヌクレアーゼによって切断されることはない。細菌細胞のDNAは、その修飾メチラーゼの活性によって常に完全に修飾されている。従って、それは内因性の制限エンドヌクレアーゼの存在には完全に非感受性である。修飾されていない識別可能な外来のDNAだけが制限エンドヌクレアーゼの認識及び切断に感受性である。DNA複製の最中に及びその後に、通常、半メチル化されたDNA(一方の鎖でメチル化されたDNA)も同族の制限消化に対しては抵抗性である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
組換えDNA技術の進歩と共に、今や、遺伝子をクローニングし、酵素を大量生産することが可能になっている。制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローンを単離する鍵となるのは、それらが10−3〜10−4という低い頻度で生じる場合、ゲノムDNAライブラリの中でこのようなクローン、例えば、「ショットガン」法で引き出されるクローン集団を識別する効率的な方法を開発することである。好ましくは、該方法は、望ましい稀なクローンが生き残る一方で、メチラーゼでない挿入物を伴った望ましくないクローンが破壊されるように選択的であるべきである。
【0008】
今までにも、多数のII型制限−修飾システムがクローニングされてきた。最初のクローニング法は、制限エンドヌクレアーゼのクローンを識別し、選抜する手段としてバクテリオファージの感染を用いた(EcoRII:Kosykh et al., Mol. Gen. Genet., 178:717-719, 1980; HhaII:Mann et al., Gene 3:97-112, 1978; PstI:Walder et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 78:1503-1507, 1981)。細菌における制限−修飾システムの発現によってそれらをバクテリオファージによる感染に抵抗性にすることができるので、クローニングされた制限−修飾遺伝子を持つ細胞は、原則としてファージにさらされているゲノムDNAライブラリの生き残りとして選択的に単離することができる。しかしながら、この方法は、ごく限られた成功率しか有さないことが判った。具体的には、クローニングされた制限−修飾遺伝子が常に選択的生き残りを達成するのに十分なファージ抵抗性を与えるとは限らないことが判った。
【0009】
もう1つのクローニング法には、プラスミド由来で大腸菌でクローニングするベクターとして、当初、特徴づけられた転移システムがある(EcoRV:Bougueleret et al., Nucl. Acids Res., 12:3659-3676, 1984; PaeR7:Gingeras and Brooks, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:402-406, 1983; Theriault and Roy, Gene 19:355-359, 1982; PvuII:Blumenthal et al., J. Bacteriol., 164:501-509, 1985; Tsp45I:Wayne et al., Gene 202:83-88, 1997)。
【0010】
第3の方法は、メチラーゼ遺伝子の活性発現について選抜することである(メチラーゼ選抜)(米国特許第5,200,333号及びBsuRI:Kiss et al., Nucl. Acids Res., 13:6403-6421, 1985)。制限−修飾遺伝子は、しばしば、密接に連繋しているので、双方の遺伝子が同時にクローニングされることがしばしば起こり得る。しかしながら、この選抜によって常に完全な制限システムが得られるとは限らず、代わりにメチラーゼ遺伝子のみが得られることがある(BspRI:Szomolanyi et al., Gene 10:219-225, 1980; BcnI:Janulaitis et al., Gene 20:197-204, 1982; BsuRI:Kiss and Bladauf, Gene 21:111-119, 1983;及びMspI:Walder et al., J. Biol. Chem.,258:1235-1241, 1983)。
【0011】
つい最近の方法である「エンドブルー法」は、dinD::lacZの融合を含有する大腸菌の指示菌に基づいた、熱安定性の制限エンドヌクレアーゼを大腸菌に直接クローニングすることについて記載されている(米国特許第5,498,535号(1996年);Fomenkov et al., Nucl. Acids Res., 22: 2399-2403, 1994)。この方法は、制限エンドヌクレアーゼ又は非特異的ヌクレアーゼにより生じたDNAの損傷から起こる大腸菌のSOS応答シグナルを利用する。この方法によって多数の熱安定性ヌクレアーゼ遺伝子(TaqI、Tth111I、BsoBI、Tfヌクレアーゼ)がクローニングされている(米国特許第5,498,535号、1996年)。この方法の欠点は、同族のメチラーゼ遺伝子が欠如するために、制限エンドヌクレアーゼを含有する陽性の青色クローンは培養するのが難しい、ということである。
【0012】
DNAメチルトランスフェラーゼには、位置及び修飾される塩基に基づいた3つの主なグループがある(C5シトシンメチラーゼ、N4シトシンメチラーゼ及びN6アデニンメチラーゼ)。N4シトシンメチラーゼ及びN6アデニンメチラーゼはアミノ−メチルトランスフェラーゼである(Malone et al., J. Mol. Biol. , 253:618-632, 1995)。DNAの制限部位がメチラーゼによって修飾されると(メチル化されると)、それは同族の制限エンドヌクレアーゼによる消化に対して抵抗性となる。時々、同族ではないメチラーゼによるメチル化が、DNA部位に制限酵素に対する抵抗性を付与し得る。例えば、5’CCWGG3’(SEQ ID NO:8)(W=A又はT)のDcmメチラーゼによる修飾は、DNAをPspGIの制限消化に対して抵抗性にすることもできる。もう1つの例は、CpMメチラーゼがCGジヌクレオチドを修飾し、NotI部位(5’GCGGCCGC3’(SEQ ID NO:9))をNotI消化に不応性にすることができる(ニュー・イングランド・バイオラブズ社のカタログ2000〜01年の220ページ)。従って、特定のDNA配列を修飾し、制限酵素によってそれが切断されないようにするツールとしてメチラーゼを用いることができる。
【0013】
精製した制限エンドヌクレアーゼ及び修飾メチラーゼは実験室で組換え分子を創製するのに有用なツールなので、組換えDNA技術を介して大量に制限酵素を生産する細菌株を入手しようという強い商業的関心がある。かかる過剰発現株もまた酵素精製の作業を簡略化するはずである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メチラーゼ選抜及びインバースPCRによってバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)B61のBsmBI制限エンドヌクレアーゼを大腸菌にクローニングする方法に関する。メチラーゼ選抜の後、DNAライブラリの中にCメチラーゼに高い相同性を持つメチラーゼ遺伝子が見い出された。第1のメチラーゼ遺伝子の近傍のゲノムDNAを配列決定した後、アミノ−メチラーゼ(N−アデノシンメチラーゼ)に高い相同性を持つ第2のメチラーゼ遺伝子を見い出した。後になって、これら2つの遺伝子が一緒に融合して単一の融合タンパク質をコードしていることが検証された。この融合遺伝子をBsmBIメチラーゼ遺伝子(bsmBIM)と命名した。bsmBIM遺伝子をPCRで増幅し、pACYC184にクローニングした。BsmBIエンドヌクレアーゼの発現には、予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を用いた。
【0015】
中程度のコピー数の発現ベクターではBsmBIエンドヌクレアーゼを発現するのは困難であることが判っている。bsmBIR遺伝子を含有するPCRのDNAをpAII17又はpET21atに連結した場合、正しい挿入で活性のあるクローンは見い出せなかったが、それは、大腸菌ゲノム又はベクターにおけるBsmBI部位の不十分なメチル化による可能性がある。
【0016】
安定な発現クローンを構築するために、bsmBIM遺伝子をPCRで増幅し、pBR322にクローニングして、予め修飾した宿主ER2744[pBR322−BsmBIM]を作り出した。bsmBIR遺伝子をPCRで増幅し、適合する末端を持ったpACYC−T7terに挿入した。高いBsmBIエンドヌクレアーゼ活性が検出された。しかしながら、さらに大規模に増幅した培養ではさらに低いBsmBI活性が検出されたので、発現クローンER2744「pBR−BsmBIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]は極めて不安定であった。発現クローンをさらに安定化するために、以下の2つの戦略を用いた:
a) T7RNAポリメラーゼを阻害するためT7プロモータによる構成性発現を減らすT7リゾチームをコードしているT7lysSを組み込んだもう1つのプラスミドを導入すること。
b) 発現宿主を予め修飾するために同族でないメチラーゼ、BsmAIメチラーゼを用いること(BsmAIメチラーゼの認識配列、5’GTCTC3’N/N(SEQ ID NO:27))。
【0017】
2つの産生株を構築した。1番目は、ER2566[pBR322−BsmBIM、pCEF8、pACYC−T7ter−BsmBIR]である。2番目の株は、同族でないメチラーゼ、BsmAIメチラーゼにより予め修飾したER2566[pBR322−BsmAIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]である。この第2の株は、増幅した大規模培養で最高のBsmBI産物収量を生じた。
【0018】
先ず、メチラーゼ選抜によってbsmBIM遺伝子をクローニングした。遺伝子全体を配列決定した後、PCRによってゲノムDNAから増幅した。BamHI及びSalIによる消化に続いて、PCRのDNAをpACYC184に連結した。プラスミドpACYC184−BsmBIMを含有する5つのクローンがBsmBIの切断に完全な抵抗性を示した。コンピテント細胞ER2744[pACYC−BsmBIM]を調製し、BsmBIエンドヌクレアーゼの発現に用いた。
【0019】
中程度のコピー数の発現ベクターではBsmBIエンドヌクレアーゼを発現するのは困難であることが判っている。bsmBIR遺伝子をPCRで増幅し、NdeI及びBamHIで一晩消化した。DNAを精製した後、PCRのDNAを適合する末端を持つpA1117に連結した。予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。多数の形質転換体のミニプレップでは正しいサイズの挿入物を持った陽性クローンは同定されなかった。ColEI起源を持った中程度のコピー数のプラスミドpAII17ではbsmBIR遺伝子をクローニングし、発現させるのは困難であると結論付けた。
【0020】
bsmBIR遺伝子の残りの精製PCR産物をNdeI及びBamHIで消化した。精製した後、PCRのDNAを適合する末端を持つpET21atに連結した。予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。挿入物について多数の形質転換体をスクリーニングした。所望の挿入物を組み込んだクローンは見つからなかった。bsmBIR遺伝子は中程度のコピー数のプラスミド(pAII17又はpET21atのいずれか)から発現されると、毒性があると思われたが、それは、大腸菌ゲノム又はベクターにおけるBsmBI部位の不十分なメチル化による可能性がある。
【0021】
成功率の高いもう1つの発現戦略には、BsmBIエンドヌクレアーゼ遺伝子の発現が含まれており、その際、メチラーゼ遺伝子はpBR322で発現され、エンドヌクレアーゼ遺伝子はpACYC−T7terで発現された。プラスミドpACYC−T7terは、T7プロモータ、p15A複製開始点(低いコピー数、細胞当り5〜8コピー)、及びT7プロモータの上流に4コピーの転写ターミネータを含有していた。
【0022】
【発明の実施の形態】
大腸菌においてBsmBIメチラーゼ遺伝子及びBsmBI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子が好ましくクローニングされ、発現される本明細書に記載される方法は、以下の工程を用いた:
【0023】
1. ApoI、NlaIII及びSau3AI部分ゲノムDNAライブラリの構築
ベクターpUC19を用いてNlaIII及びSau3AIゲノムライブラリを構築した。NlaIII及びSau3AIゲノムライブラリをBsmBIに曝し、抵抗性の環状DNAを用いてER2502コンピテント細胞を形質転換した。 形質転換体からプラスミドDNAを調製し、BsmBIの消化に抵抗性のものをスクリーニングした。3つのクローンがBsmBIの消化に抵抗性であると同定された。クローンの1つにおける挿入物を配列決定し、融合されたメチラーゼ遺伝子を見い出し、bsmBIM遺伝子と命名した。部分ORFはメチラーゼ遺伝子の下流に位置していた。
【0024】
2. bsmBIR遺伝子配列を増幅するためのインバースPCRの使用
bsmBIM遺伝子を越えて隣接するDNA配列を得るために、ゲノムDNAをAatII、AluI、BsaHI、BsaWI、BspHI、BsrGI、DraI、EcoRV、HindIII、Hyp94I、HpyCH4IV、PsiI、SspI、TaqI、TseI、及びXbaIで消化した。消化したDNAを連結し、次いでbsmBIR遺伝子のインバースPCR増幅に用いた。AatII、HindIII、PsiI及びXbaI鋳型のインバースPCR産物を低融点アガロースからゲル精製し、直接配列を決定した。bsmBIM遺伝子の下流に1593bpのORFが見い出された。このORFをbsmBIRと命名した。それは62kDaの予想分子量を持つ530個のアミノ酸のタンパク質をエンコードしている。
【0025】
3. 予め修飾した宿主を構築するためのpBR322へのbsmBIMのクローニング
発現宿主においてBsmBIメチラーゼの発現を高めるために、bsmBIMのPCRのDNAをBamHIとSalIで消化して、適合する末端を持つpBR322に連結した。連結したDNAでER2566コンピテント細胞を形質転換した。3つのクローンがBsmBIの切断に完全に抵抗性であると同定され、正しい挿入サイズを有していた。次いでCaCl処理によって細胞に応答能を持たせ、予め修飾した宿主ER2566[pBR322−BsmBIM]を作り出した。
【0026】
4. T7発現ベクターpACYC−T7terにおけるbsmBIRの発現
PCRによりbsmBIRを増幅し、BamHIで消化した。DNAを精製した後、PCRのDNAを適合する末端を持つpACYC−T7terに連結した。予め修飾したER2744[pBR322−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。ER2744は、染色体上にT7RNAポリメラーゼを持つ大腸菌K株に由来する(NEB株コレクション)。所望の挿入物を持つ9つのクローンが見い出された。9つのクローンで細胞抽出物を調製し、BsmBI活性を測定した。2つのクローン、No.24及びNo.26が高いBsmBI活性を示した。さらに大規模に増幅した培養ではさらに低いBsmBI活性が検出されたので、発現クローンER2744「pBR−BsmBIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]は極めて不安定であった。発現クローンをさらに安定化するために、以下の2つの戦略を用いた:
a) T7RNAポリメラーゼを阻害するためT7プロモータによる構成性発現を減らすT7リゾチームをコードするT7lysSを組み込んだもう1つのプラスミドを導入すること。
b) 発現宿主を予め修飾するために同族でないメチラーゼ、BsmAIメチラーゼを用いること。
【0027】
5. ER2566[pBR322−BsmBIM、 pCEF8]予め修飾した宿主の構築
コンピテント細胞ER2566[pBR322−BsmBIM]をpCEF8(Km)で形質転換した。プラスミドpCEF8は、pSC101複製開始点及びT7リゾチームをコードするlysS遺伝子を持つ。ApKm形質転換体を増幅し、冷却CaClで洗浄することにより応答能を持たせた。ER2566は、大腸菌B株に由来するT7発現宿主である。ER2566は、また、染色体上にT7RNAポリメラーゼ遺伝子も持つ(NEB株コレクション)。PCRの突然変異率を減らすために、bsmBIR遺伝子を13回のPCRサイクルによってゲノムDNAから再び増幅し、発現ベクターpACYC−T7terにクローニングし直した。予め修飾した宿主はER2566[pBR322−BsmBIM、 pCEF8]だった。プラスミドのミニスクリーニングにおいて、bsmBIRエンドヌクレアーゼ遺伝子を含有するプラスミドpACYC−T7ter−BsmBIRを見い出した。挿入物を持つクローンからIPTG誘導した細胞抽出物を調製し、BsmBIエンドヌクレアーゼ活性について測定した。
【0028】
6. BsmAIメチラーゼで予め修飾した宿主におけるBsmBIエンドヌクレアーゼの発現
BsmAI及びBsmBIの認識配列は、それぞれ、5’GTCTC3’N/N(SEQ ID NO:27)及び5’CGTCTC3’N/N(SEQ ID NO:1)である。BsmAI部位は、BsmBI部位のサブセットである。BsmAIメチラーゼ及びBsmBIメチラーゼは双方共2つのメチラーゼ(Cメチラーゼと融合したNAメチラーゼ)の融合物である。BsmAIメチラーゼとBsmBIメチラーゼとの間のアミノ酸配列の相同性及びDNA認識配列における類似性に基づいて、BsmAIメチラーゼがBsmBIの切断に対して大腸菌のゲノムDNAを保護することが予測された。ER2566[pBR322−BsmAIM](BsmAI、米国特許出願番号09/957,005)を発現プラスミドpACYC−T7ter−BsmBIRで形質転換した。BsmBI活性について、誘導していない、誘導した、及び誘導し/加熱した(55℃及び65℃にて)細胞抽出物を測定した。最も高い活性は、IPTG誘導した培養からの抽出物及び誘導した培養を55℃に加熱したものから検出された。収量はおよそ>10単位/細胞の湿重量であると割り出された。
【0029】
誘導していない、誘導した、及び誘導し/加熱した(55℃及び65℃にて)もののタンパク質の発現の特徴をSDS−PAGEで分析した。約60kDaのタンパク質バンドが誘導した培養の抽出物において検出されたが、誘導しなかった培養の抽出物には存在しなかった。
【0030】
7. BsmBIエンドヌクレアーゼの均質になるまでの精製
75gのIPTG誘導した細胞、ER2566[pBR322−BsmAIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]を超音波破砕によって溶解した。透明化した細胞抽出物を59〜61℃で20分間加熱した。熱変性したタンパク質を遠心で取り除いた。アクタ(Akta:登録商標)FPLCシステムを用い、ヘパリンハイパー(Heparin hyper)D、ソース(Source)Q15HRカラム及びヘパリン5PWカラムによってほとんど均質になるまでBsmBIエンドヌクレアーゼを精製した。精製したBsmBIエンドヌクレアーゼは62kDaの予想サイズに比べ、SDS−PAGE上で約60kDaの見かけの分子量を有する。
【0031】
以下の実施例によって本発明をさらに説明する。実施例は、本発明の理解を助けるために提供されるのであって、その限定として解釈されるものではない。
【0032】
上記及び以下で引用される引用文献は参考として本明細書に組み入れられる。
【0033】
【実施例】
大腸菌におけるBsmBIメチラーゼ遺伝子及び制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローニング
1. ゲノムDNAの調製
50mlの25%スクロース、50mMのトリス塩酸中で10分間穏やかに振盪して9.2gの細胞ペーストを再浮遊することにより、バチルス・ステアロサーモフィラスB61(ニュー・イングランド・バイオラブズ・コレクション NEB No.857)からゲノムDNAを調製した。新しく調製した0.25Mのトリス塩酸(pH8.0)中に10mg/mlのリゾチーム6mlを添加することにより細胞溶解を完了し、室温にて1時間インキュベートした。次いで5mlの0.25MのEDTA(pH8.0)を懸濁液に加え、続いて清潔なピペットで懸濁液をゆっくり混合した。EDTAは二価の陽イオンをキレートし、非特異的エンドヌクレアーゼ/エクソヌクレアーゼを不活化した。1%の最終濃度でSDSを添加することにより細胞溶解物をさらに改良した。36mlの溶解緩衝液(1%のトリトン−X100、50mMのトリス塩酸(pH8.0)、0.62MのEDTA)を加え、穏かに回転して混合した。粘性の溶解細胞懸濁液を平衡化した120mlのフェノールで抽出し、水性相を回収し、この工程を繰り返した。上清に100mlのTE緩衝液(10mMのトリス塩酸(pH8)、1mMのEDTA)を加えて希釈し、粘性を軽減した。これに220mlのフェノールによる抽出が一回、及び200mlのクロロホルムによる抽出が一回続き、その際、クロロホルムから分離するための遠心の後、DNAを回収した。次いで、4℃にて2〜4LのTE緩衝液で上清を4回透析した。得られた150mlの溶液にRNA分解酵素A(10mg/mlストックの150μl)を加え、溶液を37℃にて1時間インキュベートした。1/10容量の3MのNaOAc及び1容量のイソプロパノールを添加することによりDNAを沈殿させ、次いで、遠心により回収した。DNA沈殿物を30分間風乾し、次いで30分間穏かに振盪することにより20mlのTE緩衝液に再懸濁し、最終濃度をおよそ250μg/mlとした。
【0034】
2. ゲノムDNAの部分消化
精製したDNAをApoI、NlaIII及びSau3AIで切断して以下のように部分消化を達成した:3つの500μl溶液を100μg/mlでバチルス・ステアロサーモフィラスのDNAから作製し;1つは、NE緩衝液3+BSA(100mMのNaCl、50mMのトリス塩酸、10mMのMgCl、1mMのDTT、100μg/mlのBSA、25℃にてpH7.9)中で、1つはNE緩衝液4+BSA(50mMのK−アセテート、20mMのトリスアセテート、10mMのMg−アセテート、1mMのDTT、100μg/mlのBSA、25℃にてpH7.9)中で、及び1つは、NE緩衝液 Sau3AI+BSA(100mMのNaCl、10mMのビストリスプロパン塩酸、10mMのMgCl、1mMのDTT、100μg/mlのBSA、25℃にてpH7.0)中で溶液とした。各溶液を200μlを1つ、100μlを3つに分割した。200μlのチューブそれぞれに、2μlのそれぞれの酵素(8単位のApoI、20単位のNlaIII及び8単位のSau3AI)を加え、ApoI及びSau3AIとの反応の双方についてDNA2.5μg当り1単位の酵素を達成し、NlaIIIとの反応についてはDNAのμg当り1単位の酵素を達成した。分取した200μlそれぞれから100μlを取って同一緩衝液の第二の分取試料に加え、ApoI及びSau3AIとの反応について5μgのDNA当り1単位の酵素、及びNlaIIIとの反応について2μgのDNA当り1単位の酵素を達成し、このようにして、適切な酵素の先の量の半分を次のチューブが受け取るようにした。ApoIのチューブを50℃にてインキュベートし、NlaIIIとSau3AIのチューブを37℃にて1時間インキュベートし、各チューブの5μlをアガロースゲル電気泳動で分析した。この方法をNlaIIIについても繰り返したが、反応混合物への添加に先立ってNlaIIIを4倍に希釈することを例外とした結果、最初のチューブでは4μgのDNA当り1単位の酵素となり、2番目のチューブでは8μgのDNA当り1単位の酵素というようになった。限られた消化及び中程度の、しかし不完全な消化を示すチューブの内容物を1%の低融点アガロースゲルで2時間泳動した。およそ1kb〜8kbの間のDNA断片をゲルから切り出し、計量した。各バンドに1/10容量のβ−アガラーゼ緩衝液(10mMのビストリス塩酸pH6.8、1mMのNa2EDTA)を加えた後、65℃にて10分間インキュベートした。42℃にて90分間インキュベートすることにより1/100のβ−アガラーゼでアガロースを消化した。氷上に置くと、溶液はゼリー状になると考えられた。従って、65℃にて10分間、次いで42℃にて5分間、チューブをさらにインキュベートし、続いて1/100容量のβ−アガラーゼを加えて42℃にて90分間インキュベートした。1/10容量の3MのNaOAcを加えて氷上で15分間インキュベートし、2容量のエタノールを一晩添加することによりDNAを沈殿させた。次いで溶液を遠心し、上清を捨てて、DNA沈殿物を20μlのTEに再懸濁し、その各1μlをアガロースゲル電気泳動で分析した。
【0035】
3. ApoI、NlaIII、及びSau3AIの部分消化及び完全消化したゲノムDNAライブラリの構築
ベクターpUC19を用いてApoI、NlaIII、及びSau3AIのゲノムDNAライブラリを構築した。上述のように、ApoI、NlaIII、及びSau3AIで部分的に消化したバチルス・ステアロサーモフィラスDNAの約0.5μg(3μl)を、それぞれEcoRI、SphI及びBamHIで消化した並びにCIP処理した約0.1μgのpUC19と混合した。各チューブに合計50μl容量で5μlの10x連結緩衝液及び1μl(400単位)のT4DNAリガーゼを加えた。反応物を16℃にて一晩インキュベートした。65℃にて30分間、T4DNAリガーゼを熱で不活化し、次いで、VS型0.025μmの濾紙を用いて2LのdHO中で4時間、各チューブの内容物を微量透析し、塩濃度を減らした結果、それぞれおよそ75μlの最終容量が得られた。
【0036】
4. メチラーゼ選抜法によるM.BsmBIの選抜
形質転換実験については、電気容量25μF、電圧2.5kV及び抵抗200オームに設定したバイオラッド(BioRad)のジーンパルサー(Gene Pulser)を用いたエレクトロポレーションによってER2502を、上記のような透析したDNAライブラリ各2μlで形質転換した。各チューブにLB培地(0.5ml)を加え、37℃にて1時間インキュベートした。各チューブの内容物をApプレート上に播き、ApoI、NlaIII及びSau3AIのゲノム断片挿入物を持つpUC19の形質転換体を選抜するために37℃にて一晩インキュベートした。
【0037】
およそ1,000の形質転換体がNlaIIIライブラリについて得られ、およそ900の形質転換体がSau3AIライブラリについて得られた。ApoIライブラリの形質転換からはAp形質転換体は得られなかった。NlaIIIライブラリ及びSau3AIライブラリからの形質転換体をプールし、それぞれ37℃にて一晩のLB+Apの培養で増やした。キアゲンマキシ(Qiagen(登録商標) Maxi)カラム法によって一晩培養の細胞からプラスミドDNAを調製した。各プラスミドライブラリから1、2、5及び10μl(約0.2μg、0.4μg、1μg、2μgのDNA)を55℃にて一晩BsmBIに曝した。BsmBIの消化に続いて、常法により、消化物のそれぞれ5μlでER2502及びER2683コンピテント細胞の各100μlを形質転換した(100μlのコンピテント細胞とプラスミドDNAを混合し、氷上で30分間、37℃で5分間、室温で5分間、100μlのSOBを加えて37℃にて1時間インキュベートする)。形質転換産物をApプレートにて37℃で一晩増殖させる。個々のApコロニー(ER2683細胞からは33個、ER2502細胞からは3個)に2mlのLB+Apを接種した。30単位(3μl)のBsmBIと55℃にて1時間インキュベートすることによって、各プラスミドのミニプレップから1μg(5μl)を抵抗性についてスクリーニングし、アガロースゲル電気泳動によって分析した。3つのコロニーがBsmBIの消化に抵抗性であると同定された。これら3つのうち2つが挿入物を有することが判った。完全に抵抗性のクローン(BsmBIM陽性)はNlaIII部分ライブラリに由来していた。bsmBIM遺伝子を含有する断片又はpUC19のいずれかがBsmBIM部位を喪失したと結論付けた。(後になって、挿入物を配列決定した際、それがBsmBIメチラーゼをコードしており、ベクターのBsmBI部位は無傷であることが確認された)。
【0038】
5. bsmBIM遺伝子の配列決定
GPS(登録商標)−1ゲノムのプライミングシステム(ニューイングランドバイオラブズ(登録商標))のプライミング部位の挿入及びプライマーウォーキングによってbsmBIM遺伝子の配列決定を行った。bsmBIM遺伝子は、予想分子量122.4kDaを持つ1068個のアミノ酸の融合タンパク質をコードする3207bpである。ジェンバンク(GenBank)におけるその他のメチラーゼとの配列の比較は、M.BsmBIが、アミノメチラーゼ(NAメチラーゼ)とC−メチラーゼの融合の結果である融合タンパク質であること示した。bsmBIM遺伝子の配列決定の間に、部分ORF(後に1587bpであると決定された)がそこにあるので、制限遺伝子(bsmBIR)はおそらくbsmBIM遺伝子の下流に位置するらしいことが判った。ほとんどの制限−修飾システムにおける制限遺伝子と修飾遺伝子は今日まで、互いに数百塩基対の範囲内で同定されることが判っているので、これを仮説立てた。
【0039】
6. 予め修飾した宿主を構築するためのbsmBIM遺伝子のpACYC184及びpLG339へのクローニング
以下の配列で3つのプライマーを合成した:
5’taaggatccggaggtaaataaatgaactccttatcactaaaagatgaa3’
(249−164)(SEQ ID NO:14)
5’atgaaagtcgaccccgtaattttacgggcttttttaaaa3’
(249−165)(SEQ ID NO:15)
5’tatggatccggaggtaaataaatgaaagtaatactgaatgatttagaa3’
(249−255)(SEQ ID NO:16)
【0040】
プライマー246−164及び249−165を用い、95℃で5分間を1サイクル、95℃で1分間、55℃で1分間、72℃で5分間を、25サイクルの条件下で、ベント(Vent)DNAポリメラーゼによるPCRによってゲノムDNAからbsmBIM遺伝子を上手く増幅した。キアゲンスピンカラムによりPCRのDNAを精製し、BamHI及びSalIで消化し、テトラサイクリン(Tc)耐性遺伝子の真ん中をPCRのDNAの挿入目的位置として適合する末端を持つ、CIP処理したpACYC184及びpLG339に連結した。
【0041】
常法を用いて、連結したbsmBIM遺伝子を持つベクターpACYC184で大腸菌ER2683を形質転換し、クロラムフェニコール(Cm)プレートに播いた。常法を用いて、連結したbsmBIM遺伝子を持つpLG339で大腸菌ER2502を形質転換し、カナマイシン(Km)プレートで増殖させた。それぞれ、Cm+Tcプレート及びKm+TcプレートにおいてTcの感受性について形質転換体を調べた。Tc耐性遺伝子に挿入物を持つクローンは、Tc耐性遺伝子の真ん中における挿入物の挿入のためにTcに感受性を示すはずである。
【0042】
精製したbsmBIMのPCRDNAをBamHIとSalIで消化し、適合する末端を持つ、CIP処理したpACYC184及びpLG339に連結した。常法を用いて、連結したpLG339−BsmBIMでER2502を形質転換し、Kmプレートで増殖させた。常法を用いて、連結したpACYC184−BsmBIMでER2502を形質転換し、Cmプレートで増殖させた。次いで、Kmプレート及びCmプレート双方からのコロニーをそれぞれKm+Tcプレート及びCm+Tcプレートに接種した。Tc感受性を示したKm+Tcプレートからの18コロニー及びCm+Tcプレートからの18コロニーをそれぞれ、LB+Kmプレート及びLB+Cmプレートに接種した。このような培養のそれぞれからのミニプレップDNAをBsmBIで消化して切断への抵抗性を調べた。 プラスミドpLG339を含有する18コロニー(Km含有プレートからの)のうち、4つは切断への完全な抵抗性を示し、3つは切断への部分的な抵抗性を示し、11は切断への抵抗性を示さなかった。プラスミドpACYC184を含有する18コロニー(Cm含有プレートからの)のうち、6つは切断への完全な抵抗性を示し、4つは切断への部分的な抵抗性を示し、8つは切断への抵抗性を示さなかった。
【0043】
切断への完全な抵抗性を示した6つのpACYC184クローンのうち5つからのプラスミドをBamHIとSalIで切断して挿入物のサイズをチェックした。5つのクローンはすべて、bsmBIM遺伝子のサイズである、およそ3.2kbの挿入物を有していた。BsmBIによる切断に完全な抵抗性を示し、BsmBIM遺伝子のサイズの挿入物を示したので、このようなクローンはM.BsmBI陽性であると結論付けた。このような5つのM.BsmBI陽性クローンのうちの4つからのミニプレップDNAで常法を用いてER2744を形質転換し、Cmプレートで増殖させた。得られた形質転換体をLB培地+Cmで増殖させ、遠心し、冷却CaClにより受容能を持たせ、予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を作り出した。
【0044】
7. インバースPCRによるbsmBIRのクローニング及びbsmBIR遺伝子の配列決定
以下の配列で7つのプライマーを合成した:
5’cccataaagcccgcacttgccatg3’(249−33)(SEQ ID NO:17)
5’tgacgatgattccaaattacttag3’(249−34)(SEQ ID NO:18)
5’ctttccctaaagctacttaattgaact3’(249−256)(SEQ ID NO:19)
5’ttataacaacaatacacaagctttccc3’(249−257)(SEQ ID NO:20)
5’tcttaccccatccttcagacaaac3’(250−55)(SEQ ID NO:21)
5’aagacccagggcgacatgacgataa3’(250−56)(SEQ ID NO:22)
5’tgtatatggacatattggaaagat3’(250−57)(SEQ ID NO:23)
【0045】
ゲノムDNAをAatII、AluI、BsaHI、BsaWI、BspHI、BsrGI、DraI、EcoRV、HindIII、Hyp94I、HpyCH4IV、PsiI、SspI、TaqI、TseI、及びXbaIで消化した。 消化したDNAを2μg/mlにて低いDNA濃度で連結し、次いで、プライマー249−33と249−34を用いたbsmBIR遺伝子のインバースPCR増幅に用いた。インバースPCRの条件は、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で1分間を35サイクルであった。インバースPCR産物は、AatII、AluI、BsrGI、DraI、HindIII、PsiI、TaqI及びXbaIの鋳型に由来していた。AatII、HindIII、PsiI及びXbaIの鋳型に由来するインバースPCR産物を低融点アガロースからゲル精製し、プライマー249−33及び249−34を用いて配列決定した。プライマー249−233及び229−224を用いてさらにPsiI及びXbaI断片の配列決定を行った。次いで、ゲノムDNA及びプライマー249−33及び249−256並びにプライマー249−33及び249−257を用い、94℃で5分間を1サイクル、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間を25サイクルの条件下で、PCRを行った。低融点アガロースからPCR産物をゲル精製し、プライマー249−33、250−55、250−56及び250−57を用いて配列決定した。bsmBIM遺伝子の下流に1547bpのORFが見い出された。このORFをbsmBIR遺伝子と命名した。それは62kDaの予想分子量を持つ530個のアミノ酸のタンパク質をコードしている。
【0046】
8. T7発現ベクターpAII17におけるbsmBIR遺伝子の発現
以下の配列で2つのプライマーを合成した:
5’gggtagattcatatggctaaatacggacgtggaaagttt3’(250−88)(SEQ ID NO:24)
5’gctggatcctcatataatctttagcaatctgctccc3’(250−89)(SEQ ID NO:25)
【0047】
ベントDNAポリメラーゼ及びプライマー250−88と250−89を用い、95℃で2分間を1サイクル、95℃で1分間、60℃で1分間、72℃で2分間を20サイクルという条件下でのPCRによってbsmBIR遺伝子を増幅した。キアゲンスピンカラムによりPCR産物を精製し、NdeI及びBamHIで一晩消化した。DNAを精製した後、適合する末端を持ったpAII17にPCRのDNAを連結した。予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。54のプラスミドのミニプレップの中には、所望の挿入物を持つクローンはなかった。中程度のコピー数のプラスミドではbsmBIR遺伝子をクローニングし、発現させるのは困難であると結論付けた。
【0048】
9. T7発現ベクターpET21atにおけるbsmBIRの発現
bsmBIR遺伝子の残りの精製したPCR産物をNdeI及びBamHIで消化した。DNAを精製した後、適合する末端を持つpET21atにPCRのDNAを連結した。予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。スクリーニングした36プラスミドの中に所望の挿入物を持つクローンはなかった。
【0049】
ベントDNAポリメラーゼ及びプライマー250−88と250−89を用い、95℃で2分間を1サイクル、95℃で1分間、60℃で1分間、72℃で2分間を20サイクルという条件下でのPCRによるbsmBIR遺伝子の増幅を反復した。PCR産物をフェノール−CHCl抽出により精製し、NdeI及びBamHIで消化した。DNAを精製した後、適合する末端を持つpET21atにPCRのDNAを連結した。予め修飾した宿主ER2744[pACYC−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。22のプラスミドのミニプレップの中には、所望の挿入物を持つクローンはなかった。おそらく大腸菌ゲノム又はベクターにおけるBsmBI部位の不十分なメチル化の結果として、pETベクターではbsmBIR遺伝子のクローニングを行うことは困難であると結論付けた。
【0050】
10. 予め修飾された宿主を構築するためのbsmBIMのpBR322へのクローニング
次の発現戦略は、中程度のコピー数のプラスミドでbsmBIM遺伝子を発現させ、低いコピー数のプラスミドでbsmBIR遺伝子を発現させることである。発現宿主においてBsmBIメチラーゼの発現を高めるためにBamHIとSalIで消化したbsmBIMのPCRのDNAを適合する末端を持つpBR322に連結した。コンピテントER2566及びコンピテントER2683を連結したDNAで形質転換し、アンピシリンプレートで増殖させた。18のプラスミドのミニプレップのうち、3つのクローンがBsmBIの切断に完全に抵抗性であり、正しい挿入物サイズを有していた。次いで冷却CaCl処理により細胞に受容能を持たせ、予め修飾した宿主ER2566[pBR322−BsmBIM]を作り出した。
【0051】
11. T7発現ベクターpACYC−T7terにおけるbsmBIR遺伝子の発現
以下の配列でプライマーを1つ合成した:
5’aagggatccggaggtaaataaatggctaaatacggaaagttt3’(252−270)(SEQ ID NO:26)
【0052】
ベントDNAポリメラーゼ及びプライマー252−70と250−89を用い、95℃で2分間を1サイクル、95℃で1分間、60℃で1分間、72℃で2分間を20サイクルという条件下でのPCRによってbsmBIR遺伝子を増幅した。フェノール−CHCl抽出によってPCR産物を精製し、BamHIで消化した。DNAを精製した後、適合する末端を持つpACYC−T7terにPCRのDNAを連結した。予め修飾した宿主ER2744[pBR322−BsmBIM]を連結したDNAで形質転換し、ApCm形質転換体について選抜した。72のプラスミドのミニプレップのうちで9つのクローンが所望の挿入物を持っていた。9つのクローンすべてを10mlのLBにApとCmを加えたもので培養し、IPTG(最終0.5mM)で3時間誘導した。細胞抽出物を調製し、BsmBI活性を測定した。2つのクローン、No.24及びNo.26が高いBsmBI活性を示した。このような2つのクローンを500mlのLBにApとCmを加えたもので培養し、IPTG(最終0.5mM)で3時間誘導した。クローンNo.24とNo.26は双方共高いBsmBI活性を示した。湿った細胞のグラム当り106単位を上回って見い出された。BsmBIはII型制限酵素の中でも最も高い比活性を示す。クローンNo.24及びNo.26はそれぞれ20mlのLBプラスAp及びCmで増殖させ、それぞれ10mlはIPTG(最終0.5mM)で3時間誘導した。誘導した培養からそれぞれ1mlずつ取って、均等に3つに分け、1つは加熱しないまま放置し、1つは55℃にて45分間加熱し、1つは65℃にて45分間加熱した。クローンは双方共、3つの誘導した培養及び誘導しない培養のすべてが活性を示した。双方のクローンの4試料からそれぞれ、5、10及び15μlをポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。誘導した試料にはBsmBI(約60kDa)のおよそのサイズのタンパク質が存在することがゲルから判明した。
【0053】
クローンNo.24を500mlのLB+Ap+Cmに接種し、37℃にて一晩増殖させた。一晩培養した細胞10mlを用いて新鮮な500mlのLB+Ap+Cmに接種し、37℃にて4時間培養し、IPTG(最終0.5mM)で3時間誘導した。細胞を回収し、BsmBI活性を測定した。細胞抽出物は、BsmBIエンドヌクレアーゼの切断に特徴的な活性を示したが、その収量は、新鮮な形質転換体から増殖された小規模10mlの培養よりもはるかに少なかった。発現クローンER2744[pBR322−BsmBIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]はさほど安定なクローンではないと結論付けた。発現クローンをさらに安定化するために2つの戦略を用いた:
a) T7RNAポリメラーゼを阻害するためT7プロモータによる構成性発現を減らすT7リゾチームをコードするT7lysSを組み込んだもう1つのプラスミドを導入すること。
b) 発現宿主を予め修飾するために同族でないメチラーゼ、BsmAIメチラーゼを用いること。
【0054】
12. ER2566[pBR322−BsmBIM、pCEF8]予め修飾した宿主の構築
プラスミドpCEF8は、pSC101複製開始点及びT7リゾチームをコードするlysS遺伝子を持っている。プラスミドpCEF8は、pBR322及びpACYC−T7terと適合性があるので、同じ発現宿主を形質転換することができる。10μlのpCEF8(Km)でコンピテント細胞ER2566[pBR322−BsmBIM」(100μl)を常法で形質転換し、Ap+Kmプレートで37℃にて一晩増殖させた。8つの10mlLBとAp+KmのチューブにApKm形質転換体を接種し、37℃で2.5時間増殖させ、冷却CaClで洗浄することにより受容能を持たせた。
【0055】
13. T7発現ベクターpACYC−T7terにおける及びlysSの存在下におけるbsmBIR遺伝子の発現
プライマー252−270と249−89を用い、95℃で2分間を1サイクル、95℃で1分間、60℃で1分間、72℃で2分間を13サイクルという条件下でPCRを行い、bsmBIR遺伝子を増幅した。少ないPCRサイクル(13サイクル)はPCRにおける突然変異率を減らすことを意図していた。PCRのDNAを等容量のフェノール−クロロホルムで2回抽出し、等容量のクロロホルムで1回抽出し、NaOAc、95%の冷却エタノールで沈殿させ、70%の冷却エタノールで洗浄した。次いで、精製したPCRのDNAを37℃にて一晩BamHIで消化し、その0.5μgを連結緩衝液中での16℃にて一晩の0.1μgのpACYC−T7terとの連結に用いた。
【0056】
連結したプラスミドDNA(5μl)で100μlのER2566[pBR322−BsmBIM、pCEF8]を形質転換し、37℃にて一晩、LB+Ap+Cm+Kmプレートで増殖させた。36のApCmKm形質転換体をそれぞれ2mlのLB+Ap+Cm+Kmに接種し、37℃にて一晩増殖させた。36クローンのミニプレップDNAのBamHI消化物は、24クローンが正しいサイズ(およそ1.5kb)の挿入物を含有していることを示した。24クローンのミニプレップDNAのNdeI及びBamHI消化物は、このようなクローンのうち15が正しい方向でbsmBIR遺伝子を有することを示した。このような15のクローンの培養の残りを10mlのLB+Ap+Cm+Kmに接種し、37℃にて4時間増殖させ、6krpmで10分間遠心し、1mlの超音波破砕用緩衝液に再懸濁し、30秒間で2回、超音波破砕し、14krpmで10分間遠心した。活性について得られた上清を測定し、13のクローンでBsmBI様活性が見られた。この新しい発現株は、3つのプラスミド、ER2566[pBR322−BsmBIM、pCEF8、pACYC−T7ter−BsmBIR]を含有していた。pACYC−T7ter−BsmBIRにおけるbsmBIR遺伝子にサイレント突然変異が1つ見い出された。遺伝子全体を配列決定して、それが野生型アミノ酸配列をコードすることを確認した。
【0057】
14. BsmAIで予め修飾した宿主におけるBsmBIエンドヌクレアーゼの発現
2つのクローン(No.1及びNo.10)のミニプレップDNAでER2566[pBR322−BsmAIM](BsmAI、米国特許係属(Z. Y .Zhu, J. Zhou, S. Y. Xu))を形質転換し、30℃にて一晩、LB+Ap+Cmプレートで増殖させた。このようなクローンからのコロニーを2.5mlのLB+Ap+Cmに接種し、30℃にて一晩増殖させた。次いで、これをそれぞれ10mlのLB+Ap+Cmに接種し、30℃にて4時間増殖させ、0.5mMのIPTGで誘導し、30℃にてさらに3時間増殖させた。12krpmで10分間、細胞を遠心し、1mlの超音波破砕用緩衝液に再懸濁し、BsmBI活性について測定した。 最も高い活性は、クローンNo.10(10A、10B及び10C)を伴った3つの培養からER2566[pBR322−BsmAIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]で検出された。クローンNo.10BのER2566[pBR322−BsmAIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]を2本の500mlのLB+Ap+Cmに接種し、30℃にて7時間増殖させたが、うち1本は4時間後に0.5mMのIPTGで誘導した。細胞を6krpmで10分間遠心し、計量した(1.63g)。各培養からの細胞を16mlの超音波破砕用緩衝液に再懸濁し、10分間超音波破砕を行い、4℃にて14krpmで12分間遠心した。誘導した培養からの1mlを55℃にて40分間加熱し、1mlを65℃にて40分間加熱し、双方共4℃にて14krpmで10分間遠心した。誘導しなかった、誘導した、及び誘導して加熱した(55℃及び65℃の両方)細胞の抽出物をBsmBI活性について測定し、結果をアガロースゲル電気泳動で分析した。最も高い活性は、誘導した培養及び誘導し、55℃に加熱した培養からの抽出物に見られた。誘導したクローン及び誘導して55℃に加熱したクローンの活性から、細胞は、細胞のg当りおよそ>10単位を含有することが割り出された。
【0058】
誘導しなかった、誘導した、及び誘導して加熱した(55℃及び65℃の両方)タンパク質発現の特徴をSDS−PAGEで分析した。約60kDaのタンパク質バンド(BsmBIエンドヌクレアーゼのサイズ)が誘導した培養の抽出物で検出されたが、誘導しなかった培養の抽出物では存在しなかった。
【0059】
15. BsmBIエンドヌクレアーゼの均質になるまでの精製
穏かにピペッティングし、回すことによって75gのIPTG誘導した細胞ER2566[pBR322−BsmAIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]を、260mlの緩衝液A(0.1MのNaCl、20mMのKPO4、0.1mMのEDTA、10mMのβ−メルカプトエタノール)に再浮遊させた。細胞浮遊液を2分間隔で超音波破砕し、各間隔後、ブラッドフォード(Bradford)アッセイを用いてタンパク質濃度を推定した。6回の超音波破砕の間隔の後、細胞を12krpmにて1時間遠心した。次いで、得られた上清を59〜61℃にて20分間加熱した。次いで、加熱処理した溶液を12krpmにて30分間遠心して変性したタンパク質を除いた。255mlのヘパリンハイパーDカラムを4カラム容量の緩衝液Aにて平衡化した。アクタ(登録商標)FPLCを用いてNaClの0.1M〜1.0Mの濃度勾配で25ml分画を溶出した。アクタ(登録商標)で記録した分画のUV分光分析は、それぞれおよそ0.73Mと0.85MのNaClで溶出された2つのピークを示した。分画の内容物の活性測定は活性がクロマトグラムの2番目のピークに一致することを示した。SDS−PAGEで分析したタンパク組成は、第1と第2のクロマトグラムのピークのタンパク質における明瞭な差異を示した。高い塩濃度のために、8つの分画(200ml)をプールして1.1Lの緩衝液C(20mMのトリス塩酸、0.1mMのEDTA、10mMのβ−メルカプトエタノール、pH7.8)で希釈した。
【0060】
7.1mlのソースQ15HRカラムを3カラム容量の緩衝液A2(0.1MのNaCl、20mMのトリス塩酸、0.1mMのEDTA、10mMのβ−メルカプトエタノール)で平衡化した。アクタ(登録商標)FPLCを用い、0.1M〜1.0MのNaCl濃度勾配で1mlの分画を溶出した。UVクロマトグラムは勾配分画には主なピークを示さなかった。ブラッドフォードアッセイ及びアガロースゲル電気泳動によって分析した活性測定は酵素がカラムの流出部分にあることを示した。洗浄溶液及び流出溶液をプールした。
【0061】
7.1mlのヘパリン5PWカラムを3カラム容量の緩衝液Aで平衡化した。アクタ(登録商標)FPLCを用い、0.1M〜1.0MのNaCl濃度勾配で1mlの分画を溶出した。クロマトグラム、SDS−PAGE、及びアガロースゲル電気泳動で分析した活性測定から得られたデータは、クロマトグラム上に認められる1本の主要なピークがBsmBIエンドヌクレアーゼに相当することを示した。8本の1ml分画をプールし、1Lの透析緩衝液(50mMのKCl、10mMのトリス塩酸、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、5mMのβ−メルカプトエタノール、50%のグリセロール、pH7.5)によって透析した。最終的な精製したBsmBIエンドヌクレアーゼを図9に示した。
【0062】
2001年9月28日、ブタペスト協定の諸条件のもと、ET2566[pBR322−BsmAIM、pACYC−T7ter−BsmBIR]株をアメリカンティッシュカルチャーコレクションに供託し、ATCC受入番号PTA−3739を受領した。
【0063】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】BsmBI制限−修飾システムの遺伝子構成を示す。bsmBIR、BsmBI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子;bsmBIM、BsmBIメチラーゼ遺伝子。
【図2】BsmBIメチラーゼ遺伝子(bsmBIM、3207bp)のDNA配列(SEQ ID NO:10)及びそれがコードするアミノ酸配列(SEQ IDNO:11)を示す。
【図3】BsmBIメチラーゼ遺伝子(bsmBIM、3207bp)のDNA配列(SEQ ID NO:10)及びそれがコードするアミノ酸配列(SEQ IDNO:11)を示す。
【図4】BsmBIメチラーゼ遺伝子(bsmBIM、3207bp)のDNA配列(SEQ ID NO:10)及びそれがコードするアミノ酸配列(SEQ IDNO:11)を示す。
【図5】BsmBIメチラーゼ遺伝子(bsmBIM、3207bp)のDNA配列(SEQ ID NO:10)及びそれがコードするアミノ酸配列(SEQ IDNO:11)を示す。
【図6】BsmBIエンドヌクレアーゼ遺伝子(bsmBIR、1593bp)のDNA配列(SEQ ID NO:12)及びそれがコードするアミノ酸配列(SEQ ID NO:13)を示す。
【図7】BsmBIエンドヌクレアーゼ遺伝子(bsmBIR、1593bp)のDNA配列(SEQ ID NO:12)及びそれがコードするアミノ酸配列(SEQ ID NO:13)を示す。
【図8】細胞抽出物における組換えBsmBIエンドヌクレアーゼ活性を示す。レーン1〜7、組換えBsmBI制限エンドヌクレアーゼを含有する細胞抽出物で処理したλDNA。レーン1〜7における希釈係数:1x、1:10、1:100、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000。 レーン8、λDNA;レーン9、精製した天然のBsmBIで消化したλDNA。
【図9】精製した組換えBsmBIエンドヌクレアーゼを示す。レーン1〜4、ヘパリン5PWカラムを通した後の1μl、3μl、5μl及び10μlの精製したBsmBIエンドヌクレアーゼ;レーン5、タンパク質のサイズマーカー。BsmBIエンドヌクレアーゼの予想サイズは62kDaである。SDS−PAGE上のBsmBIエンドヌクレアーゼの見かけのサイズは約60kDaである。

Claims (6)

  1. BsmBI制限エンドヌクレアーゼをコードしている単離されたDNAであって、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)B61から入手可能である単離されたDNA。
  2. そのなかにBsmBI制限エンドヌクレアーゼをエンコードしているDNA断片が挿入されたベクターを含む組換えDNAベクター。
  3. BsmBI制限エンドヌクレアーゼ及びBsmBIメチラーゼをコードしている単離されたDNAであって、ATCC受託番号PTA−3739から入手可能な単離されたDNA。
  4. 請求項3に記載の単離されたDNAを含むベクター。
  5. 請求項2又は4に記載のベクターによって形質転換された宿主細胞。
  6. 組換えBsmBI制限エンドヌクレアーゼの製造方法であって、請求項2又は4に記載のベクターで形質転換された宿主細胞を前記エンドヌクレアーゼ及びメチラーゼの発現に好適な条件下で培養することを含む方法。
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