JP4039358B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機 Download PDF

Info

Publication number
JP4039358B2
JP4039358B2 JP2003389511A JP2003389511A JP4039358B2 JP 4039358 B2 JP4039358 B2 JP 4039358B2 JP 2003389511 A JP2003389511 A JP 2003389511A JP 2003389511 A JP2003389511 A JP 2003389511A JP 4039358 B2 JP4039358 B2 JP 4039358B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
compressor
evaporator
pipe
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003389511A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005147623A (ja
Inventor
央平 加藤
多佳志 岡崎
康文 畑村
和彦 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2003389511A priority Critical patent/JP4039358B2/ja
Publication of JP2005147623A publication Critical patent/JP2005147623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4039358B2 publication Critical patent/JP4039358B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、例えば水滴に影響を受けやすい電子機器等が収納された空間の空気調和を行なう空気調和機及び空気調和機の運転方法に関するものである。
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信の普及によって、電算機室や移動体通信の中継電子機器を納めた基地局(シェルタ)に代表されるような電子機器の発熱を除去する分野が急速に広がっている。これらの場所では年間を通しての冷房運転が必要であると共に、水滴によって電子機器が誤動作したり故障したりする可能性があり、冷却空間内に露が飛ばないような運転が要求される。
水滴が室内に飛ぶことを防止するため、蒸発器での除湿量を最小限に抑えて電算室を冷却する空気調和機が報告されている(例えば、特許文献1参照)。これは蒸発器の吸込空気または吹出空気の温度、及び蒸発器の吸込側の湿度を検出し、蒸発器における冷媒の蒸発温度が吸込空気の露点温度以上になるように制御している。このため、蒸発器に吸込まれた空気が露点温度以下に冷却されることなく、除湿量を抑えることができる。
また、電子機器を設置した空間を年間を通じて冷却する空気調和機として、自然循環を利用したものが報告されている(例えば、特許文献2参照)。これは、室内温度が外気温度よりも低いときには、圧縮機を運転状態として強制循環による運転を行い、室内温度が外気温度よりも高いときには、圧縮機を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環による運転を行う。この強制循環による運転と自然循環による運転とを備えた空気調和機は、外気温度と室内温度の温度差に応じて冷媒回路を切換えて運転され、特に自然循環による運転の必要動力としては室外ファンと室内ファンの入力だけとなる。このため、年間を通じて冷房運転を行なっても、年間消費電力を低く抑えることができる。
特開2003−130430号公報 特開2000−314565号公報
室内に電子機器が設置されている場合には、電子機器への露飛びや蒸発器に保有される水分の再蒸発を防止する必要があるが、蒸発器で吸込空気中の水蒸気が結露しないように冷媒の蒸発温度を上げると、蒸発器の熱交換効率が下がったり、また、圧縮機への液戻りが生じて液圧縮が発生し、圧縮機の信頼性を低下させるなどの問題点があった。
また、これまでの強制循環運転と自然循環運転とを備えた空気調和機において、強制循環運転を行う際、通常は蒸発器で冷媒が蒸発する際に吸込空気を除湿するように運転されており、水分を溜めるドレンパンなどが蒸発器付近に設けられているなどの対処だけで、露飛びに対する配慮はそれほどなされていなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、冷却空間への露飛びを防止でき、さらに効率及び信頼性の低減を防止できる空気調和機を得ることを目的とする。
本発明による空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、この凝縮器を出た冷媒を減圧する減圧装置と、凝縮器よりも低い位置に設置され、減圧装置を出た冷媒を蒸発させる蒸発器と、を順次配管にて接続して成る冷媒回路、蒸発器に空気を送風するファンと、凝縮器と減圧装置とを接続する第1配管と、蒸発器と圧縮機とを接続する第2配管と、を熱交換させる過熱ガス化手段と、蒸発器内の冷媒配管表面温度を検出する蒸発器温度検知手段と、ファンにより蒸発器に送風される空気の露点温度を検出する露点温度検知手段と、減圧装置の減圧量及びファンの風量及び圧縮機の周波数を制御する制御装置と、途中に第1開閉弁を有し、第2配管から分岐し圧縮機を迂回して圧縮機と凝縮器を接続する配管へ接続される圧縮機バイパス配管と、途中に第2開閉弁を有し、第1配管から分岐し過熱ガス化手段と減圧装置を迂回して減圧装置と蒸発器を接続する配管へ接続されるバイパス配管と、を備え、第1開閉弁の切換えにより、圧縮機を運転状態として冷媒を冷媒回路に循環させ、制御装置が、蒸発器温度検知手段の検出温度が露点温度検知手段の検出露点温度以上となるように、かつ蒸発器の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍となるように、減圧装置の減圧量及びファンの風量及び圧縮機の周波数のうち少なくとも1つを制御し、過熱ガス化手段が、第1配管の冷媒から第2配管の冷媒に吸熱させ圧縮機に流入する冷媒を過熱ガス状態とする強制循環運転モードと、圧縮機を停止状態とし制御装置が減圧装置を全閉、第2開閉弁を開として、冷媒が圧縮機を迂回し圧縮機バイパス配管を通って凝縮器へ、凝縮器から過熱ガス化手段を通過せずにバイパス配管を通って蒸発器へ、と循環する自然循環運転モードと、に切換え可能としたものである。
本発明の空気調和機によれば、圧縮機を運転状態とする強制循環運転モードと圧縮機を停止状態とした自然循環運転モードに切換えて、年間を通じて冷房運転を行っても、年間消費電力を低く抑えることができ、強制循環運転モードにおいては、空気中の水蒸気が蒸発器内で結露することなく冷却空間への露飛びを防止し、蒸発器の熱交換効率が高く、圧縮機への液戻りを防いだ高効率で信頼性の高い運転をすることができ、また自然循環運転モードにおいては、循環する冷媒が安定的に流れるようにでき、効率を上げることができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。本実施の形態による空気調和機は、例えば圧縮機を用いる強制循環による冷房運転(以下、強制循環運転と記す)と、自然循環による冷房運転(以下、自然循環運転と記す)を併用したものである。以下、例えば蒸発器で室内を冷却する冷却装置として説明する。
年間を通じて空間の冷却を必要とする用途では、冬季や夜間のように外気温度が低い場合には、換気によって冷房することも可能であるが、霧,雨,雪,塵埃などが空間内に侵入するのを防ぐ装置が必要となり、しかも外気温度の変動によって室内温度も変動するため、安定した冷房が行えない。この様な条件では、室内温度と外気温度との温度差を利用して、室内から室外へ冷媒により熱を運ぶ自然循環を利用した空気調和機を用いることができる。この自然循環を利用した空気調和機の特徴は、圧縮機を用いる強制循環による空気調和機よりも年間消費電力を大幅に低減することができることにある。ただし、室内温度が外気温度よりも低い場合には自然循環運転を利用することができず、通常の圧縮機による強制循環運転が必要となる。
図1に示すように、本実施の形態の空気調和機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機1、この冷媒ガスを冷却液化させる凝縮器2、気体、例えば室外空気を強制的に凝縮器2に送風する室外ファン21、凝縮器2を出た高圧の冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とする減圧装置である電子式膨張弁3、電子式膨張弁3を介して流入した湿り蒸気を空調対象空間である室内の空調負荷によって蒸発させて冷媒ガスとする蒸発器4、気体、例えば室内空気を強制的に蒸発器4に送風する室内ファン22、冷媒を過熱ガス状態で圧縮機1に流入させる過熱ガス化手段として、例えば凝縮器2と電子式膨張弁3とを接続する配管11と蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管12とで熱交換を可能とする二重管熱交換器5、自然循環運転時に圧縮機1を迂回させる圧縮機バイパス配管13、圧縮機バイパス配管13を開閉する開閉弁として例えば逆止弁6、蒸発器4に吸込む空気の露点温度を検出する露点温度検知手段50、蒸発器配管の表面温度を検出する蒸発器配管温度検知手段として例えばサーミスタ51、例えば記憶部と演算部などを有するマイクロピュータである制御装置55により構成されている。この実施の形態では、各機器を一つの箱体30にコンパクトに収め、ファン21によって外気を吸込み、凝縮器2と熱交換した後吹出すように構成し、ファン22によって室内空気を吸込み、蒸発器4と熱交換した後に冷却対象とする空間に吹出すように構成する。また、露点温度検知手段50は、例えば相対湿度センサー及び室温センサーを有し、これで検出した相対湿度と室温との関係から露点温度を算出する。相対湿度センサーの代わりに絶対湿度センサー、また室温センサーの代わりに吸入空気温度センサーを設け、その検出値から露点温度を算出してもよい。また、制御装置55に相対湿度や室温などの情報を入力して、この入力値から露点温度を算出するようにしてもよい。制御装置55は、露点温度検知手段50や蒸発器配管温度検知手段51で検知した情報を入力して、電子式膨張弁3の減圧量や圧縮機1の周波数やファン21、22の送風量を制御する。
なお、凝縮器2は蒸発器4よりも高い位置に配置されており、図1では示されてはいないが、凝縮器2から蒸発器4に至る配管は重力に対し上方から下方に冷媒がスムーズに流れるように配置されている。また、ガス配管は蒸発器4出口から凝縮器2入口までの冷媒配管とし、液配管は凝縮器2出口から蒸発器4入口までの冷媒配管とする。図中、実線矢印は強制循環運転での冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転での冷媒の流れ方向を示している。また、制御装置55と各機器を結ぶ点線は信号線を示す。
制御装置55によって制御されている電子式膨張弁3は、通電する電流によってその開度を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、開度によって減圧量が可変である。例えば強制循環運転モードと運転モードでは異なる開度を設定して切換えることができる。
この空気調和機は例えば年間を通して冷房が必要な場所に利用され、蒸発器4で熱交換する気体温度である室内温度が、凝縮器2で熱交換する気体温度である外気温度よりも所定温度以上高いときには、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。それ以外の時、即ち、室内温度が外気温度よりも低い、または室内温度が外気温度よりも高いがその差が所定温度よりも小さいときには、圧縮機1を運転状態とした強制循環運転を行う。このときの所定温度は0℃も含んでいる。即ち、室内温度が外気温度以下である場合に強制循環運転を行ない、室内温度が外気温度よりも高い場合に自然循環運転を行なうこともある。
以下、強制循環運転の動作について説明する。
電子式膨張弁3の開度を、凝縮器2から流出した冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とするための適切な減圧量である開度、例えば全開が480pulseの電子式膨張弁3を用いた場合には、15%程度の開度、例えば72pulseに設定し、圧縮機1を運転すると、逆止弁6は圧縮機1の吐出圧力と吸入圧力との圧力差で閉止されて強制循環運転のサイクルが形成され、冷媒は図1の実線矢印で示すように循環する。即ち、圧縮機1によって配管内の冷媒ガスが断熱的に圧縮されて過熱状態となり、凝縮器2で外気へ放熱して高圧の冷媒液となる。その後二重管熱交換器5で熱交換し、高圧の冷媒液は電子式膨張弁3を通って減圧され、気液二相混合状態の低温低圧の湿り蒸気となる。さらに冷媒は蒸発器4で気化熱を吸収して湿り状態または飽和ガス近傍の状態、例えば飽和ガスとなり、配管12に設けた二重管熱交換器5を通って高圧側液冷媒から吸熱して過熱ガスとなって圧縮機1へ戻る。
ここで、蒸発器4における冷媒配管の表面温度が露点温度検知手段50によって検出した露点温度以上になるように、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくとも1つを設定する。蒸発器4における冷媒配管の表面温度を露点温度以上にするには、蒸発器4における冷媒の蒸発温度を露点温度以上に高くすればよく、具体的には、例えばファン22の風量を上げると、冷媒の蒸発温度を上げることができる。冷媒の蒸発温度を上げることで、蒸発器4における冷媒配管の表面温度を露点温度以上になり、蒸発器4内に吸込んだ室内空気が露点温度以下に冷やされることはない。このため、蒸発器4内で結露による水滴が生じるのを防止でき、室内への露飛びを防止できる。
なお、冷媒の蒸発温度を上げるには、ファン22の風量を上げるのみではなく、電子式膨張弁3の減圧量や圧縮機1の周波数を制御しても可能であり、また、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のいずれか2つを制御したり、また運転状況によってはすべてを制御することで、冷媒の蒸発温度を上げるようにしてもよい。
図2、図3は強制循環運転による冷房運転のサイクルにおける圧力−エンタルピー線図で、図2は過熱ガス化手段である二重管熱交換器5を設けない空気調和機の状態を示し、図3は二重管熱交換器5を設けた本実施の形態による空気調和機の状態を示している。図において、横軸はエンタルピー、縦軸は圧力である。直線44は圧縮機1の吸入側(A)から吐出側(B)間のエンタルピー増加と圧力上昇、直線45は凝縮器2の流入側(B)から電子式膨張弁3の流入側(C)間のエンタルピー減少と圧力降下、直線46は膨張弁3の流入側(C)から流出側(D)間の圧力降下、直線47は蒸発器4の流入側(D)から圧縮機1の吸入側(A)間のエンタルピー増加と圧力降下を表している。また、二重管熱交換器5を有する構成においては、図3に示すように、上流側の二重管熱交換器5では流入側(E)から流出側(C)のエンタルピー減少(△h)と圧力降下が生じ、下流側の二重管熱交換器5では流入側(F)から流出側(A)のエンタルピー増加(△h)と圧力降下が生じる。38は室内空気温度相当の冷媒圧力、39は外気温度相当の冷媒圧力、40は室内空気の露点温度相当の冷媒圧力である。また、直線47はほぼ蒸発温度相当の冷媒圧力が示されている。図中の矢印は冷媒の流れ方向を示している。
通常の空気調和機の冷房運転では、蒸発器での冷媒の蒸発温度は、蒸発器と熱交換する吸込空気の露点温度に関係なく、室内空気の冷却設定温度に応じて、また能力の高い空気調和機を得るため、−10℃〜15℃程度に低い状態で運転される。例えば、図2の露点温度40と直線47のような関係となる。冷媒の蒸発温度が露点温度40よりも低い蒸発温度で運転されると、蒸発器4に吸込まれる室内空気が冷媒と熱交換する際に露点温度以下に冷却されて結露し、水滴となって室内に露飛びが生じてしまう。
そこで、本実施の形態では、冷媒の蒸発温度を室内吸入空気の露点温度以上に高くして運転する。例えば室内の空気の相対湿度が55%で温度が29℃または絶対湿度0.014[kg/kg(DA)]の場合には、露点温度検知手段50a、50bで検知した室内空気の露点温度が19℃であると検知される。そこで、冷媒の蒸発温度を露点温度よりも高く、例えば20℃になるように例えばファン22の風量を上げて運転する。蒸発器4内での冷媒の変化は図2中の直線49となる。冷媒の蒸発温度は蒸発器4内の冷媒配管の表面温度とほぼ同一であり、蒸発器4内の冷媒配管の表面温度は吸込空気の露点温度40よりも高くなる。このため、蒸発器4に吸い込まれる室内空気は露点温度以下に冷却されることがないので、結露することなく室内に収納してある電子機器などに水滴が影響を及ぼすのを防止できる。
また、本実施の形態では、蒸発器4の流出側(F)での冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転する。従来は、圧縮機1の吸入側を過熱ガス状態(A’)とするため、図2の点線で示すように蒸発器4の出口部の冷媒に過熱度をつけて過熱ガスとして運転していたが、この運転では、蒸発器4の熱交換面積を最大限に利用していないため、蒸発器4の運転効率の低減を招く。そこで、蒸発器4の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転する。例えば図2のGまたは図3のFでは冷媒状態は飽和ガスになっている。この冷媒状態は湿り状態または飽和ガス近傍であればよく、例えば1℃程度の過熱度がついていてもよい。また、冷媒状態が湿り状態の場合には、乾き度が0.5〜1程度の湿り状態が好ましい。蒸発器4の流出部の冷媒に過熱度がついている場合には例えば電子式膨張弁3の減圧量を小さくし、乾き度が小さい場合には電子式膨張弁3の減圧量を大きくする。
蒸発器4の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転すると、蒸発器4で熱交換効率が高い状態で運転することができる。即ち、蒸発器4における冷媒の蒸発温度を上げ、蒸発器4の流出部での冷媒状態が湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転することで、室内への露飛びは防止され、かつ熱交換効率が高い状態で運転できる。
なお、蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガス近傍になるように、例えば電子式膨張弁3の減圧量を制御するとしたが、これに限るものではなく、ファン22の風量や圧縮機1の周波数を制御しても可能であり、また、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のいずれか2つを制御したり、また運転状況によってはすべてを制御することで、蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガス近傍になるようにしてもよい。冷媒の蒸発温度を吸込空気の露点温度以上にでき、且つ蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガス近傍になるように、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくともいずれか1つを制御すればよい。
さらに、本実施の形態に係る空気調和機では、蒸発器4の流出側に圧縮機1に流入する冷媒状態を過熱ガスとする過熱ガス化手段として二重管熱交換器5を設けている。蒸発器4の流出部(F)の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍とすることで、蒸発器4から湿り状態の冷媒が流出すると、圧縮機1の吸入側(A)に液バックして圧縮機1の信頼性を著しく損なうことになる。二重管熱交換器5を設けることで、図3に示すように蒸発器4の流出部(F)の冷媒は凝縮器2から流出した高温高圧の冷媒と熱交換し、熱交換量Δh48だけ大きくなる。即ち、圧縮機1吸入側(A)の冷媒の過熱度は、FからAまでの熱交換量Δh48だけ大きくなるため、必ず過熱ガスとなって乾き状態となる。このため、圧縮機1の吸入側に液戻りが生じて液圧縮が発生することなく、強制循環運転することができ、信頼性の高い空気調和機が得られる。
ここで、室内吸入空気の変化について図4に基づいて説明する。図4は横軸に乾球温度、縦軸に絶対湿度とした空気線図を示す説明図である。図中の曲線Iは露点温度を示す飽和曲線、直線Jは比エンタルピーを示す直線、直線(1)は通常行なっている潜熱処理空調での吸込空気Kから吹出空気Lの間の空気状態の変化を示す直線、直線(2)は本実施の形態での顕熱処理空調での吸込空気Kから吹出空気Mの間の空気状態の変化を示す直線である。
今、比エンタルピー差△I= Iout − Iinのときの潜熱処理空調(1)では潜熱分と顕熱分の変化によって、吸込空気Kから吹出空気Lに変化するため、温度はDB1からDB2に冷却されると共にNだけの除湿が生じる。これに対し、同じ比エンタルピー差のときの顕熱処理空調(2)では顕熱分のみの変化によって、吸込空気Kから吹出空気Mに変化するため、温度はDB1からDB3に冷却され、絶対湿度は変化しない。即ち、潜熱処理空調(1)では露点温度Tw以下の冷媒と熱交換して露点温度Tw以下に冷やされるのであるが、顕熱処理空調(2)では吸込空気がその絶対湿度での露点温度Tw以下に冷やされることがないので、蒸発器4周辺で結露による露飛びが生じることなく、水分に敏感な機器が存在する空間の空調を安心して行なうことができる。
本実施の形態における空気調和機は、除湿しない冷却運転という特徴を生かして、植物や野菜などの生鮮品を収納した空間の冷却にも適した装置である。また、好湿性のペットなどを飼育する空間の冷却にも適用できる。
なお、必ずこのような強制循環運転を行なうのではなく、強制循環運転の運転モードを環境状態によって複数設けておき、ここで説明した強制循環運転は、そのうちの1つの運転モードとして動作するようにしてもよい。特に冷却の際に除湿したくない場合にこの運転モードが有効となる。
また、室内吸入空気の露点温度に応じて冷媒の蒸発温度を制御するために、膨張弁3の開度やファン22の風量や圧縮機1の周波数を制御する制御装置55が必要となるが、通常、空気調和機はマイクロコンピュータなどを内蔵して制御を行なっており、その制御装置に本実施の形態における制御を兼ね備えるように構成すればよい。
図5は、本実施の形態に係る空気調和機の運転方法を示すフローチャートである。前記に述べた空気調和機の主に制御装置55の動作を示している。図5(a)は蒸発温度設定ステップであり、蒸発器配管温度検知手段51で蒸発器の配管温度を検知し、露点温度検知手段50で吸入空気の露点温度を検知する(ST11)。ST12で配管温度と露点温度とを比較し、配管温度が露点温度以上のときにはそのまま運転し、配管温度が露点温度よりも低いときには蒸発温度が高くなるように運転する(ST13)。ここでは、例えばファン22の風量を上げて冷媒の蒸発温度を高くする。蒸発器配管温度は冷媒の蒸発温度と略一致し、このステップによって吸込空気がその空気の露点温度以下に冷やされることを防止するので、冷却空間への露飛びを防止できる。
図5(b)に示した冷媒状態設定ステップでは、蒸発器出口の冷媒状態を検知し(ST21)、この冷媒状態が例えば飽和ガス近傍であるかどうか判断する(ST22)。冷媒が飽和ガスであるということは過熱度ゼロの状態であり、例えば蒸発器4の流出部の温度と流入部の温度から検知できるし、また、圧縮機1の吸入側の過熱度を検知すれば推定できる。ここで、そしてST22の判断で過熱ガスの場合には、ST23で飽和ガス近傍になるように運転する。過熱度が大きい場合には、例えば電子式膨張弁3の減圧量を小さくすれば蒸発器4の流出部の過熱度を低くできる。逆に乾き度が小さい場合には、電子式膨張弁3の減圧量を大きくすれば蒸発器4の流出部の乾き度を大きくできる。ST22の判断で飽和ガス近傍の場合にはそのまま運転すればよい。図5(b)では冷媒状態を飽和ガス近傍としたが、湿り状態または飽和ガス近傍であればよく、例えば1℃程度の過熱度がついていてもよい。また、冷媒状態が湿り状態の場合には、乾き度が0.5〜1程度の湿り状態が好ましい。
図5(c)に示した過熱ガス化ステップでは、蒸発器4から流出する湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒を過熱ガス化手段5によって、例えば5℃程度の過熱度の高い過熱ガスとし(ST31)、過熱度が高い冷媒ガスを圧縮機1に流入させる(ST32)。過熱度を高くするには、例えば二重管熱交換器5を設けて蒸発器4から流出する湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒と高温の冷媒とを熱交換するように構成すればよい。このとき二重管熱交換器5での熱交換量は、予め蒸発器4から流出する湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒を過熱ガス化する際に所定の過熱度が得られるように設定しておけばよい。また、蒸発器4の流出部から圧縮機1の吸入側までの冷媒配管を過熱するヒータを別に設けてもよい。この場合には冷媒の過熱度の程度に応じてヒータの加熱量を可変にすることもできる。
図5に示した蒸発温度設定ステップ(図5(a))、冷媒状態設定ステップ(図5(b))、過熱ガス化ステップ(図5(c))を同時に満足して運転することにより、冷却空間に露飛びを発生せず、熱交換効率の低減を防止でき、さらに圧縮機1への液バックを防止して、信頼性の向上を図ることのできる空気調和機の運転方法を得ることができる。
次に、本実施の形態では、室内温度より外気温度が低い場合に自然循環運転モードで運転することができ、これについて説明する。
まず、基本的な自然循環を用いた空気調和機について、図6に基づいて説明する。凝縮器2を蒸発器4より相対的に高い位置に配置すると、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、液配管17内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は空調対象空間例えば室内の熱負荷を受けて蒸発した後、ガス配管18を上昇して凝縮器2へ戻ることでサイクルが形成される。
このように、自然循環による冷房運転とは冷媒を循環させる駆動力として蒸発器4と凝縮器2との位置的な高低差における液冷媒とガス冷媒の密度差を利用するものであり、凝縮器2、蒸発器4、液配管17、ガス配管18、及び冷媒回路内の開閉弁部などの冷媒流路における圧力損失の和が液配管17内の液柱高さによる圧力上昇と等しい場合に成立する。
図1の構成で、電子式膨張弁3の開度を、冷媒回路内の圧力損失を低減するために全開にすると、逆止弁6は冷媒の流れにより開放され、図6に示した構成と同様、点線矢印で示す自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、液配管内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は空調対象空間例えば室内の熱負荷を受けて蒸発した後、ガス配管を上昇し圧縮機バイパス配管13及び逆止弁6を通って凝縮器2へ戻る。ここで、冷媒は圧縮機1を通る流路にも流れようとするが、圧縮機1内部の流動抵抗が圧縮機バイパス配管13の流動抵抗に比べて非常に大きいため、圧縮機1を通る冷媒流量は圧縮機バイパス配管13を通る冷媒流量に対して無視できるほど小さくなる。
圧縮機を用いない自然循環運転のサイクルにおける圧力−エンタルピー線図を図7に示す。図において、横軸はエンタルピー、縦軸は圧力を示し、60は蒸発器4内のエンタルピー増加と圧力降下、61はガス配管内の圧力降下、62は凝縮器2内のエンタルピー減少と圧力降下、63は液配管での高低差による圧力上昇から液配管内の圧力降下を差し引いた圧力上昇を表している。自然循環による冷房運転のサイクルでは、圧縮機1を用いた強制循環による冷房運転のサイクルに比べて、蒸発器4内のエンタルピー変化量と凝縮器2内のエンタルピー変化量がほぼ等しく、冷媒の流れが反対になるという特徴を有している。
このように、本実施の形態では自然循環運転を兼ね備えた空気調和機であり、自然循環運転の必要動力としては室外ファン21と室内ファン22の入力だけとなるため、年間消費電力の大幅削減が可能となる。
また、圧縮機バイパス回路13に設けた逆止弁6は、電磁式の開閉弁などを用い、自然循環運転の時に開、強制循環運転の時に閉として動作させても上記と同様の効果を奏する。ただし、本実施の形態のように、蒸発器4の流出部から凝縮器2の流入部への冷媒の流れを開とし逆方向の流れを閉とする逆止弁6を用いると、自然循環運転と強制循環運転に応じて開閉を行う必要がなく、容易に冷媒回路の変更を行うことができる。即ち、強制循環運転では、圧縮機1の吐出圧力と吸入圧力との圧力差によって逆止弁6は自動的に閉止され、また、自然循環運転に切換える際には電子式膨張弁の開度を全開、および圧縮機1を停止することによって冷媒は冷媒回路内を自然循環し、逆止弁6の両側にかかっていた圧力が逆になり、逆止弁6は自動的に開となる。
なお、上記では強制循環運転と自然循環運転を有する空気調和機について述べたが、圧縮機1による強制循環運転のみを行なう構成でもよい。
図8は本実施の形態に係る別の構成の空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、8は開閉弁で例えば電磁弁、15は電磁弁8を介して電子式膨張弁3を迂回するように取りつけられたバイパス配管である。また、図1と同一符号は同一または相当部分を示し、ここでは説明を省略する。図中、実線矢印は強制循環運転における冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転における冷媒の流れ方向を示す。
電子式膨張弁3は通電する電流によってその減圧量を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、また電磁弁8は通電により開閉が外部から制御可能な開閉弁である。この構成では、電子式膨張弁3と電磁弁8のそれぞれを強制循環運転と自然循環運転で異なる開度を設定し、例えば制御装置55から制御信号を送ることで切換えることができる。
この空気調和機でも、外気温度が室内温度よりも所定温度以上低い場合に、自然循環運転を行ない、それ以外の場合に、圧縮機1を運転した強制循環運転を行なう。この強制循環運転では電磁弁8を閉として運転する。このため、図1に示した空気調和機と同様の動作となり、その効果も図1と同様である。
また、室内温度が外気温度よりも所定温度以上高いときには、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。自然循環運転時には、電子式膨張弁3の開度を全閉にし、ほぼ同時にバイパス配管15に設けた電磁弁8を開とする。逆止弁6は冷媒の流れにより開放され、点線矢印に示すような自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、バイパス配管15内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、圧縮機バイパス配管13を上昇して逆止弁6を通って凝縮器2へ戻る。
この構成の空気調和機では、自然循環運転の際に液冷媒が電子式膨張弁3を通過しないようなバイパス配管15を設けたことで、回路内の圧力損失を減らすことができるため、自然循環運転で冷媒が安定的に流れやすくなる。
図9は本実施の形態に係る別の構成の空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、16は過熱ガス化手段である二重管熱交換器5及び電子式膨張弁3を迂回するように取りつけられたバイパス配管であり、このバイパス配管16は電磁弁8を有する。また、図8と同一符号は同一または相当部分を示し、ここでは説明を省略する。図中、実線矢印は強制循環運転における冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転における冷媒の流れ方向を示す。
この空気調和機でも、外気温度が室内温度よりも所定温度以上低い場合に、自然循環運転を行ない、それ以外の場合に強制循環運転を行う。強制循環運転では、圧縮機1を運転状態とし、電磁弁8を閉として、図1と同様の冷媒回路を構成し、その効果も図1と同様である。
また、室内温度が外気温度よりも所定温度以上高い時には、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。自然循環運転時には、電子式膨張弁3の開度を全閉にし、ほぼ同時にバイパス配管16に設けた電磁弁8を開とする。この切換えは例えば制御装置55から制御信号を送ることで制御できる。逆止弁6は冷媒の流れにより開放され、点線矢印に示すような自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、バイパス配管16内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、圧縮機バイパス配管13を上昇して逆止弁6を通って凝縮器2へ戻る。
この構成の空気調和機では、自然循環運転の際に液冷媒が二重管熱交換器5及び電子式膨張弁3を通過しないようなバイパス配管16を設けたことで、回路内の圧力損失を減らすことができるため、自然循環運転で冷媒が安定的に流れやすくなる。図8に示した構成に比べ、さらに二重管熱交換器5を迂回するので、その分、圧力損失を減らすことができ、効率を上げることができる。
図10は本実施の形態に係る別の構成の空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、52、53は温度検知手段であり例えばサーミスタであり、サーミスタ52は電子式膨張弁3の出口側に取り付けられ、サーミスタ53は配管12に取り付けられる。また、図9と同一符号は同一または相当部分を示し、ここでは説明を省略する。図中、実線矢印は強制循環運転における冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転における冷媒の流れ方向を示す。
電子式膨張弁3は通電する電流によってその減圧量を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、また電磁弁8は通電により開閉が外部から制御可能な開閉弁であり、例えば強制循環運転と自然循環運転で異なる開度を設定して切換えることができる。
強制循環運転において、サーミスタ52は電子式膨張弁3の出口側の冷媒温度を検知する。また、サーミスタ53は二重管熱交換器5の出口側の冷媒温度を検知する。外気温度が室内温度よりも高いとき、または外気温度が室内温度よりも低いがその温度差が所定温度以下のときに強制循環運転を行うのであるが、その際、サーミスタ52及びサーミスタ53から二重管熱交換器5の出口側における冷媒の過熱度を算出する。この算出した過熱度に基づいて、制御装置55によって例えば電子式膨張弁3の開度を適切な開度に設定し、二重管熱交換器5の出口側における冷媒の過熱度が5℃程度になるように制御する。二重管熱交換器5として予め最適に構成されていれば、二重管熱交換器5の出口側の冷媒の過熱度状態で制御することで、蒸発器4の流出部の冷媒状態は湿り状態または飽和ガス近傍の状態に保つことができる。即ち、熱交換効率が最適な状態で運転できる空気調和機を得ることができる。ここで、制御装置55によって電子式膨張弁3の減圧量を制御するとしたが、ファン22の風量や圧縮機1の周波数を制御しても同様の効果を奏する。
また、サーミスタ52及びサーミスタ53が検出した温度データから二重管熱交換器5の出口側の冷媒の過熱度を算出し、二重管熱交換器5の出口側の冷媒過熱度を所定の値以上、例えば5℃以上になるように制御することで、必ず乾き状態の冷媒ガスを圧縮機1の吸入側に流入させることができる。このため、圧縮機1に液戻りが生じて液圧縮が発生することない信頼性の高い空気調和機を提供できる。
なお、自然循環運転を備えたことによる動作並びに作用効果、及びバイパス配管16と開閉弁8を備えたことによる動作並びに作用効果は、図9の構成と同様である。
即ち、自然循環運転の際に液冷媒が二重管熱交換器5及び電子式膨張弁3を通過しないようなバイパス配管を設けたことで、回路内の圧力損失を減らすことができるため、自然循環運転で冷媒が安定的に流れやすくなる。ただし、図1、図8に示した構成の空気調和機にサーミスタ52、サーミスタ53を設けて圧縮機1の吸入側に流入する冷媒の過熱度を検知するように構成してもよい。図1、図8においても、圧縮機1の吸入側に流入する冷媒の過熱度に応じて、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくともいずれか1つを制御すれば、圧縮機1に液戻りが生じて液圧縮が発生することない信頼性の高い空気調和機を提供できる。
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2に係る空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。この空気調和機は過熱ガス化手段として実施の形態1とは別の構成を有するものである。実施の形態1と同様、この空気調和機は、例えば強制循環運転と自然循環運転とを備えた構成であり、以下、例えば蒸発器で室内を冷却する冷却装置として説明する。
図11に示すように、本実施の形態の空気調和機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機1、この冷媒ガスを冷却液化させる凝縮器2、室外空気を強制的に凝縮器2に送風する室外ファン21、凝縮器2を出た高圧の冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とする第一減圧装置である電子式膨張弁3、電子式膨張弁3を介して流入した湿り蒸気を空調対象空間である室内の空調負荷によって蒸発させる蒸発器4、室内空気を強制的に蒸発器4に送風する室内ファン22、冷媒を過熱ガス状態で圧縮機1に流入させる過熱ガス化手段として、例えば凝縮器2から流出する冷媒の一部を配管11と配管14とに分岐し、配管14に分岐した冷媒を第二減圧装置である電子式膨張弁7と二重管熱交換器5を介して蒸発器4の流出部に合流させる構成を備える。二重管熱交換器5は、配管11を流れる冷媒と配管14を流れる冷媒とを熱交換する。また、自然循環運転時に圧縮機1を迂回させるための開閉弁である逆止弁6を介した圧縮機バイパス配管13、蒸発器4に吸込む空気の露点温度を検出する露点温度検知手段50、蒸発器配管の表面温度を検出する蒸発器配管温度検知手段51、例えば記憶部と演算部を有するマイクロピュータなどの制御装置55により構成されている。この実施の形態では、各機器を一つの箱体30にコンパクトに収め、ファン21によって室外空気を吸込み、凝縮器2と熱交換した後吹出すように構成し、ファン22によって室内空気を吸込み、蒸発器4と熱交換した後に冷却対象とする空間に吹出すように構成する。また、露点温度検知手段50は、例えば相対湿度センサー及び室温センサーを有し、これで検出した相対湿度と室温との関係から露点温度を算出する。制御装置55は、露点温度検知手段50や蒸発器配管温度検知手段51で検知した情報を入力して、電子式膨張弁3、7の減圧量や圧縮機1の周波数やファン21、22の送風量を制御している。
また、凝縮器2は蒸発器4よりも高い位置に配置されており、図11では示されてはいないが、凝縮器2から蒸発器4に至る配管は重力に対し上方から下方に冷媒がスムーズに流れるように配置されている。図中、実線矢印は強制循環運転での冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転での冷媒の流れ方向を示している。また、制御装置55と各機器を結ぶ点線は信号線を示す。
制御装置55によって制御されている電子式膨張弁3、7は、通電する電流によってその開度を変えることで減圧量を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、例えば強制循環運転モードと自然循環運転モードで異なる開度を設定して切換えることができる。
この空気調和機は実施の形態1と同様、例えば年間を通して冷房が必要な場所に利用され、蒸発器4で熱交換する気体温度である室内温度が、凝縮器2で熱交換する気体温度である外気温度よりも所定温度以上高いときには、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。それ以外の時、即ち、室内温度が外気温度よりも低い、または室内温度が外気温度よりも高いがその差が所定温度よりも小さいときには、圧縮機1を運転状態とした強制循環運転を行う。このときの所定温度は0℃も含んでいる。即ち、室内温度が外気温度以下である場合に強制循環運転を行ない、室内温度が外気温度よりも高い場合に自然循環運転を行なうこともある。
以下、強制循環運転の動作について説明する。
電子式膨張弁3、電子式膨張弁7の開度を、凝縮器2から流出した冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とするための適切な開度に設定して圧縮機1を運転すると、逆止弁6は圧縮機1の吐出圧力と吸入圧力との圧力差で閉止されて強制循環運転のサイクルが形成され、冷媒は図11の実線矢印で示すように循環する。即ち、圧縮機1によって配管内の冷媒ガスが断熱的に圧縮されて過熱状態となり、凝縮器2で外気へ放熱して高圧の冷媒液となる。その後配管11と配管14に分岐する。配管14に分岐された高圧の冷媒液は電子式膨張弁7によって減圧されて二重管熱交換器5で熱交換し、配管14の冷媒は過熱度の高い冷媒ガスとなる。一方、配管11に分岐された高圧の冷媒液は二重管熱交換器5で熱交換して過冷却度の高い冷媒液となり、電子式膨張弁3で減圧されて気液混合状態の低温低圧の湿り蒸気となる。さらに冷媒は蒸発器4で気化熱を吸収して湿り状態または飽和ガス近傍の状態、例えば飽和ガスとなって、配管14を通過した冷媒ガスと合流して過熱度の高い乾き状態の冷媒ガスとなり圧縮機1の吸入側へ戻る。
ここで、蒸発器4における冷媒配管の表面温度が露点温度検知手段50によって検出した露点温度以上になるように、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくとも1つを設定する。蒸発器4における冷媒配管の表面温度を露点温度以上にするには、冷媒の蒸発温度は蒸発器4内の冷媒配管の表面温度とほぼ同一であるため、蒸発器4における冷媒の蒸発温度を露点温度以上に上げればよい。例えば室内の空気の相対湿度が55%で温度が29℃または絶対湿度が0.014[kg/kg(DA)]の場合には、露点温度検知手段50で室内空気の露点温度が19℃であると検知されるので、冷媒の蒸発温度が露点温度よりも高い温度、例えば20℃になるように運転する。具体的には、例えばファン22の風量を上げると、冷媒の蒸発温度を上げることができる。冷媒の蒸発温度を上げることで、蒸発器4内の配管温度は露点温度以下になることはなく、蒸発器4内に吸い込んだ室内空気が露点温度以下に冷やされることはない。即ち、蒸発器4内で結露による水滴が生じるのを防止でき、室内への露飛びを防止できる。このため、室内に収納してある電子機器などに水滴が影響を及ぼすのを防止でき、信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
もちろん、実施の形態1と同様、冷媒の蒸発温度を上げるには、ファン22の風量を上げるのみではなく、電子式膨張弁3の減圧量や圧縮機1の周波数を制御しても可能であり、また、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のいずれか2つを制御したり、また運転状況によってはすべてを制御することで、冷媒の蒸発温度を上げるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、蒸発器4の流出部での冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転する。蒸発器4の出口部の冷媒が過熱ガスになる様に運転すると、蒸発器4の熱交換面積を最大限に利用していないため、蒸発器4の運転効率の低減を招く。そこで、この実施の形態では蒸発器4の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転することで効率の向上を図ることができる。ここで、冷媒状態が湿り状態または飽和ガス近傍であればよく、例えば1℃程度の過熱度がついていてもよい。また、冷媒状態が湿り状態の場合には、乾き度が0.5〜1程度の湿り状態が好ましい。例えば蒸発器4の流出部の冷媒に過熱度がついている場合には電子式膨張弁3の減圧量を小さくする。また、例えば蒸発器4の流出部の乾き度が小さい場合には、逆に電子式膨張弁3の減圧量を大きくする。
蒸発器4の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転すると、蒸発器4を効率よく運転することができ、蒸発器4での熱交換効率を向上できる。即ち、蒸発器4における冷媒の蒸発温度を露点温度以上とし、蒸発器4の流出部での冷媒状態が湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転すると、室内への露飛びは防止され、かつ熱交換効率も高い状態で運転できる。
なお、実施の形態1と同様、蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガスの近傍になるように、例えば電子式膨張弁3の減圧量を制御するとしたが、これに限るものではなく、ファン22の風量や圧縮機1の周波数を制御しても可能であり、また、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のいずれか2つを制御したり、また運転状況によってはすべてを制御することで、蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガスの近傍になるようにしてもよい。冷媒の蒸発温度を吸込空気の露点温度以上にでき、且つ蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガスの近傍になるように、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくともいずれか1つを制御すればよい。
さらに、本実施の形態に係る空気調和機では、過熱ガス化手段として凝縮器2から流出する冷媒の一部を過熱ガス状態として、蒸発器4より流出される湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒ガスと合流させることで、圧縮機1の吸入側(A)の冷媒の過熱度は大きくなる。この増加量は配管11と配管14に分岐する冷媒の流量比にもよるが、必ず過熱ガスとなるように二重管熱交換器5の大きさを設定したり、電子式膨張弁7の減圧量を設定することができ、乾き状態の冷媒ガスとして圧縮機1の吸入側に流入させることができる。このため、圧縮機1の吸入側に液戻りが生じて液圧縮が発生することなく、強制循環運転することができる。従って、信頼性の高い空気調和機が得られる。
この実施の形態においても、蒸発器4での吸入空気と吹出空気の関係は、実施の形態1における図4に示したものと同様である。
さらに本実施の形態による過熱ガス化手段では、凝縮器2から流出する冷媒を配管11と配管14へ分流することで、蒸発器4内の圧力損失が低下し、冷却能力を向上させることができる。
なお、必ずこのような強制循環運転を行なうのではなく、強制循環運転の運転モードを環境状態によって複数設けておき、ここで説明した強制循環運転は、そのうちの1つの運転モードとして動作するようにしてもよい。特に冷却の際に結露を生じさせたくない場合や除湿したくない場合にこの運転モードが有効となる。
また、室内吸入空気の露点温度に応じて冷媒の蒸発温度を制御するために、膨張弁3、7の開度やファン22の風量や圧縮機1の周波数を制御する制御装置55が必要となるが、通常、空気調和機はマイクロコンピュータなどを内蔵して制御を行なっており、その制御装置に本実施の形態における制御を兼ね備えるように構成すればよい。
次に、この実施の形態では、室内温度より外気温度が低い場合に自然循環運転モードで運転することができ、これについて説明する。電子式膨張弁3の開度を、冷媒回路内の圧力損失を低減するために全開にすると、逆止弁6は冷媒の流れにより開放される。これと同時に電子式膨張弁7を閉止すると、配管14に冷媒は流入せずに、図11の点線矢印で示す自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、液配管内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は空調対象空間例えば室内の熱負荷を受けて蒸発した後、ガス配管を上昇し圧縮機バイパス配管13の逆止弁6を通って凝縮器2へ戻る。ここで、冷媒は圧縮機1を通る流路にも流れようとするが、圧縮機1内部の流動抵抗が圧縮機バイパス配管13の流動抵抗に比べて非常に大きいため、圧縮機1を通る冷媒流量は圧縮機バイパス配管13を通る冷媒流量に対して無視できるほど小さくなる。
このように図11に示す空気調和機では自然循環運転を備え、外気温度と室内温度に応じて切換える構成であり、自然循環運転の必要動力としては室外ファン21と室内ファン22の入力だけとなるため、年間消費電力の大幅削減が可能となる。
図12は本実施の形態に係る別の構成の空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、8は開閉弁で例えば電磁弁、15は電磁弁8を介して電子式膨張弁3を迂回するように取りつけられたバイパス配管である。また、図11と同一符号は同一または相当部分を示し、ここでは説明を省略する。図中、実線矢印は強制循環運転における冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転における冷媒の流れ方向を示す。
電子式膨張弁3、7は通電する電流によってその減圧量を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、また電磁弁8は通電により開閉が外部から制御可能な開閉弁である。この構成では、電子式膨張弁3と電子式膨張弁7と電磁弁8のそれぞれを強制循環運転と自然循環運転で異なる開度を設定し、例えば制御装置55から制御信号を送ることで切換えることができる。
この空気調和機でも、外気温度が室内温度よりも所定温度以上低い場合に、自然循環運転を行い、それ以外の場合に、圧縮機1を運転した強制循環運転を行なう。この強制循環運転では電磁弁8を閉として運転する。このため、図11に示した空気調和機の強制循環運転と同様の動作となり、その効果も図11と同様である。
また、室内温度が外気温度よりも所定温度以上高いときには、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。自然循環運転時には、電子式膨張弁3、7の開度を全閉にし、ほぼ同時にバイパス配管15に設けた電磁弁8を開とする。逆止弁6は冷媒の流れにより開放され、点線矢印に示すような自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、バイパス配管15内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、圧縮機バイパス配管13を上昇して逆止弁6を通って凝縮器2へ戻る。
この構成の空気調和機では、自然循環運転の際に液冷媒が電子式膨張弁3を通過しないようなバイパス配管15を設けたことで、回路内の圧力損失を減らすことができるため、自然循環運転で冷媒が安定的に流れやすくなる。
図13は本実施の形態に係る別の構成の空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、16は電磁弁8を介して二重管熱交換器5及び電子式膨張弁3を迂回するように取りつけられたバイパス配管である。また、図12と同一符号は同一または相当部分を示し、ここでは説明を省略する。図中、実線矢印は強制循環運転における冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転における冷媒の流れ方向を示す。
この空気調和機でも、外気温度が室内温度よりも所定温度以上低い場合に、自然循環運転を行い、それ以外の場合に強制循環運転を行う。強制循環運転では、圧縮機1を運転状態とし、電磁弁8を閉として、図11と同様の冷媒回路を構成し、その効果も図11と同様である。
また、室内温度が外気温度よりも所定温度以上高い時には、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。自然循環運転時には、制御装置55からの制御信号により電子式膨張弁3、7の開度を全閉にし、ほぼ同時にバイパス配管16に設けた電磁弁8を開とする。逆止弁6は冷媒の流れにより開放され、点線矢印に示すような自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、バイパス配管16内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、圧縮機バイパス配管13を上昇して逆止弁6を通って凝縮器2へ戻る。
この構成の空気調和機では、自然循環運転の際に液冷媒が二重管熱交換器5及び電子式膨張弁3を通過しないようなバイパス配管16を設けたことで、回路内の圧力損失を減らすことができるため、自然循環運転で冷媒が安定的に流れやすくなる。図12に示した構成に比べ、さらに二重管熱交換器5を迂回するので、その分、圧力損失を減らすことができ、効率を向上することができる。
図14は本実施の形態に係る別の構成の空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、52、53、54は温度検知手段であり例えばサーミスタであり、サーミスタ52は電子式膨張弁3の出口側に取り付けられ、サーミスタ53は配管14の二重管熱交換器5から流出する冷媒と蒸発器4から流出する冷媒が合流した後の配管に取り付けられ、サーミスタ54は二重管熱交換器5の流出部の配管14に取り付けられる。図では省略したが温度検知手段であるサーミスタ52、53、54のそれぞれからの検知信号は制御装置55に送信され、この検知した値に基づいて、制御装置55は、電子式膨張弁3の減圧量、またはファン22の風量、または圧縮機1の周波数を制御する。また、図13と同一符号は同一または相当部分を示し、ここでは説明を省略する。図中、実線矢印は強制循環運転における冷媒の流れ方向を示し、点線矢印は自然循環運転における冷媒の流れ方向を示す。
電子式膨張弁3と電子式膨張弁7は通電する電流によってその減圧量を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、電磁弁8は通電により開閉が外部から制御可能な開閉弁である。例えば制御装置55から制御信号を送ることで、強制循環運転と自然循環運転で異なる開度を設定して切換えることができる。
強制循環運転において、サーミスタ52は電子式膨張弁3の出口側の冷媒温度を検知する。また、サーミスタ53は二重管熱交換器5の流出部の冷媒温度と蒸発器4の流出部の冷媒が合流した後の冷媒温度を検知する。また、サーミスタ54は配管14を流れる冷媒が二重管熱交換器5から流出する冷媒温度を検知する。そして、サーミスタ52とサーミスタ53から蒸発器4の流出部と二重管熱交換器5の流出部の合流部における過熱度SH1を算出する。また、サーミスタ52とサーミスタ54から二重管熱交換器5の流出部の過熱度SH2を算出する。そして、算出したSH2とSH1の差が所定温度差ΔT以上となるよう(SH2−SH1>ΔT)に電子式膨張弁3及び電子式膨張弁7を適切な開度に設定する。
図10の構成と同様、サーミスタ52及びサーミスタ53が検出した温度データから合流部における冷媒の過熱度SH1を算出し、この冷媒の過熱度を所定温度以上に制御することで、確実に乾き状態の過熱ガスを圧縮機1の吸入側に流入させることができる。例えば5℃程度の過熱度になるように制御すれば、圧縮機1に液戻りが生じて液圧縮が発生することない信頼性の高い空気調和機を提供できる。
さらに、サーミスタ52とサーミスタ54から二重管熱交換器5の流出部の過熱度SH2を算出する。そして、算出したSH2とSH1の差が所定温度差ΔT以上、即ち(SH2−SH1)>ΔTとなるように電子式膨張弁3及び電子式膨張弁7を適切な開度に設定する。SH1よりも△TだけSH2を大きくすることで、確実に蒸発器4の流出部の冷媒を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転できる。このため、蒸発器4を効率よく運転できる空気調和機が得られる。
なお、ここでは電子式膨張弁3、7の減圧量を制御するようにしたが、ファン22の風量や圧縮機1の周波数を制御しても同様の効果を奏する。
さらに、合流前の蒸発器4の出口部の冷媒温度を検出するサーミスタを取り付ければ、より詳細な蒸発器4の出口状態を知ることができ、蒸発器4をさらに適切な状態で運転することが可能となる。
なお、自然循環運転を備えたことによる動作並びに作用効果、及び配管16と開閉弁8を備えたことによる動作並びに作用効果は、図13の構成と同様である。即ち、自然循環運転の際に液冷媒が二重管熱交換器5及び電子式膨張弁3を通過しないようなバイパス配管を設けたことで、回路内の圧力損失を減らすことができるため、自然循環運転で冷媒が安定的に流れやすくなる。
ただし、図11、図12、図13に示した構成の空気調和機にサーミスタ52、53、54を設けて圧縮機1の吸入側に流入する冷媒の過熱度を検知するように構成してもよい。図11、図12、図13においても、圧縮機1の吸入側に流入する冷媒の過熱度や合流する前の二重管熱交換器5から流出する冷媒の過熱度に応じて、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくとも1つを制御すれば、蒸発器4の出口における冷媒を湿り状態または飽和ガス近傍とすることで効率の向上を図ることができ、さらに圧縮機1に液戻りが生じて液圧縮が発生することなく、信頼性の高い空気調和機を提供できる。
なお、実施の形態1、実施の形態2では、空気調和機を構成するすべての機器を箱体30に納めたコンパクトな構成としたが、これに限るものではなく、室外機と室内機に分離し、その間を冷媒配管で接続するように構成してもよい。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、強制循環運転モードと自然循環運転モードを有し、強制循環運転用の回路と自然循環運転用の回路とを切替え可能としたが、年間を通して冷房が必要な場所に設置せず、外気温度が暑いときに室内を冷房する冷房装置として機能させるなら、自然循環運転を兼ね備えていなくてもよい。
実施の形態3.
図15は本発明の実施の形態3に係る空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。この空気調和機は蒸発器を複数台、例えば2台設け、複数の空間を冷却可能としたものである。
図15に示すように、例えば2台の蒸発器4a、4bを並列に接続して構成し、他の主な構成は図1と同様である。実施の形態1と同様、圧縮機1に流入する冷媒の過熱度を上げる過熱ガス化手段として、例えば蒸発器4a、4bから流出する湿り状態の冷媒を高温高圧の冷媒と熱交換させて過熱ガスとする二重管熱交換器5a、5bを備える。二重管熱交換器5a、5b、減圧装置である電子式膨張弁3a、3b、ファン22a、22bを、例えば蒸発器4a、4bごとに設け、ファン22a、22b及び蒸発器4a、4bを冷却対象とする空間にそれぞれ配置する。凝縮器2の流出部の配管11を配管11a、11bに分岐し、それぞれ電子式膨張弁3a、3bを介して蒸発器4a、4bに接続する。露点温度検知手段50a、50bは、蒸発器4a、4bに送風される各室内空気の露点温度を検知するもので、例えば吸込空気の相対湿度と温度を検知して図4に示した空気線図に基づいて露点温度を検知する。また、蒸発器配管温度検知手段51a、51bは蒸発器4a、4bの配管の温度を検知する例えばサーミスタである。制御装置55a、55bは露点温度検知手段50a、50bと蒸発器配管温度検知手段51a、51bからの検知信号を入力し、この検出値に応じて電子式膨張弁3a、3bの減圧量やファン22a、22bの送風量を制御する。図中、実線矢印は冷房運転における冷媒の流れ方向を示し、制御装置55a、55bと各機器を結ぶ点線は信号線を示す。もちろん、制御装置55a、55bは蒸発器4a、4bのそれぞれに設けるのではなく、1つで両方の制御を行うこともできる。
以下、蒸発器4a、4bを2つの冷却対象とする空間に設置し、それぞれを冷却する冷房運転の動作について説明する。この2つの冷却対称空間のそれぞれには、水滴に影響を受けやすい電子機器などが収納されているとする。
電子式膨張弁3a、3bの開度を、凝縮器2から流出した冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とするための適切な開度に設定して圧縮機1を運転すると、冷媒は図15の実線矢印で示すように循環する。即ち、圧縮機1によって配管内の冷媒ガスが断熱的に圧縮されて過熱状態となり、凝縮器2で外気へ放熱して高圧の冷媒液となる。凝縮器2から流出した冷媒液は、蒸発器4a、4bへと循環する回路に分岐してそれぞれ二重管熱交換器5a、5bで熱交換し、高圧の冷媒液は電子式膨張弁3a、3bを通って減圧され、気液二相混合状態の低温低圧の湿り蒸気となる。さらに冷媒は蒸発器4a、4bで気化熱を吸収して湿り状態または飽和ガス近傍の状態、例えば飽和ガスとなって配管12a、12bに設けた二重管熱交換器5a、5bを通って高圧側液冷媒から吸熱して過熱ガスとなる。そして、合流して配管12に流れ、圧縮機1の吸入側へ戻る。
通常の除湿を伴う冷房運転では、蒸発器での冷媒の蒸発温度は、蒸発器と熱交換する吸込空気の露点温度に関係なく、室内空気の冷却設定温度に応じて、また効率を高めるため、−10℃〜15℃程度に低い状態で運転される。冷媒の蒸発温度が露点温度よりも低い蒸発温度で運転されると、蒸発器に吸込まれる室内空気は冷媒と熱交換して露点温度以下に冷却されて除湿され、水滴となって室内に露飛びする。
そこで、本実施の形態では、蒸発器4a、4bにおける冷媒配管の表面温度が吸込空気の露点温度以上になるように、電子式膨張弁3a、3bの減圧量及びファン22a、22bの風量のうちの少なくとも1つを設定する。蒸発器4a、4b内の冷媒配管の表面温度は冷媒の蒸発温度とほぼ同一であり、冷媒の蒸発温度を吸入空気の露点温度以上に高くして運転する。例えば室内の空気の相対湿度が55%で温度が29℃または絶対湿度0.014[kg/kg(DA)]の場合には、露点温度検知手段50a、50bで検知した室内空気の露点温度が19℃であると検知されるので、蒸発温度を露点温度よりも高い温度例えば20℃になるように運転する。このためには例えばファン22a、22bの風量を上げると、冷媒の蒸発温度を上げることができる。この時、制御装置55a、55bのそれぞれでは、蒸発器配管温度検知手段51a、51bと露点温度検知手段50a、50bによって検出した温度を入力し、この温度を比較した結果に基づいてファン22a、22bを制御する制御信号を送る。
冷媒の蒸発温度を上げることで、蒸発器4a、4b内の配管温度は露点温度以下になることはなく、蒸発器4a、4b内に吸込んだ室内空気が露点温度以下に冷やされることはない。このため、蒸発器4a、4b内で結露による水滴が生じるのを防止でき、それぞれの冷却対象空間への露飛びを防止できる。
もちろん、実施の形態1、実施の形態2と同様、冷媒の蒸発温度を上げるには、ファン22の風量を上げるのみではなく、電子式膨張弁3の減圧量を制御しても可能であり、また、電子式膨張弁3の減圧量及びファン22の風量の周波数のいずれか2つを制御したり、また運転状況によっては圧縮機1の周波数を制御することで、冷媒の蒸発温度を上げるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、蒸発器4a、4bの流出部での冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転する。従来は、圧縮機1の吸入側を過熱ガス状態とするため、蒸発器4a、4bの出口側の冷媒に過熱度をつけて過熱ガスとして運転していたが、この運転では、蒸発器4の熱交換面積を最大限に利用していないため、蒸発器4の運転効率の低減を招く。そこで、この実施の形態では蒸発器4a、4bの流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転することで効率の向上を図ることができる。ここで、冷媒状態が湿り状態または飽和ガス近傍であればよく、例えば1℃程度の過熱度がついていてもよい。また、冷媒状態が湿り状態の場合には、乾き度が0.5〜1程度の湿り状態が好ましい。例えば蒸発器4a、4bの流出部の冷媒に過熱度がついている場合には例えば電子式膨張弁3a、3bの減圧量を小さくする。また、例えば蒸発器4a、4bの流出部の乾き度が小さい場合には、例えば電子式膨張弁3a、3bの減圧量を大きくする。
蒸発器4a、4bの流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍になるように運転することで、蒸発器4a、4bを効率よく運転することができ、蒸発器4a、4bでの熱交換効率を向上できる。即ち、蒸発器4a、4bにおける冷媒の蒸発温度を露点温度以上とし、蒸発器4a、4bの流出部での冷媒状態が湿り状態または飽和ガスの近傍になるように運転すると、室内への露飛びは防止され、かつ熱交換効率が高い状態で運転できる。
なお、実施の形態1、実施の形態2と同様、蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガスの近傍になるように、例えば電子式膨張弁3a、3bの減圧量を制御するとしたが、これに限るものではなく、ファン22a、22bの風量を制御しても可能であり、また、電子式膨張弁3a、3bの減圧量及びファン22a、22bの風量を共に制御したり、また運転状況によっては圧縮機1の周波数を制御することで、蒸発器4の流出部で湿り状態または飽和ガスの近傍になるようにしてもよい。冷媒の蒸発温度を吸込空気の露点温度以上にでき、且つ蒸発器4a、4bの流出部で湿り状態または飽和ガスの近傍になるように、電子式膨張弁3a、3bの減圧量及びファン22a、22bの風量及び圧縮機1の周波数のうちの少なくともいずれか1つを制御すればよい。
さらに、本実施の形態に係る空気調和機では、蒸発器4a、4bの流出部に過熱ガス化手段として二重管熱交換器5を設けている。蒸発器4a、4bの流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍とすることで、圧縮機1の吸入側に液バックする可能性があり、液バックが起こると圧縮機1の信頼性を著しく損なうことになる。二重管熱交換器5a、5bを設けることで、蒸発器4a、4bの流出部の冷媒は凝縮器2から流出した高温高圧の冷媒と熱交換し、圧縮機1吸入側の冷媒の過熱度は大きくなるため、必ず乾き状態の冷媒ガスとなる。このため、圧縮機1の吸入側に液戻りが生じて液圧縮が発生することなく、強制循環運転することができる。従って、信頼性の高い空気調和機が得られる。
なお、必ずこのような冷房運転を行なうのではなく、運転モードを環境状態によって複数設けておき、ここで説明した冷房運転は、そのうちの1つの運転モードとして動作するようにしてもよい。特に冷却の際に結露を生じさせたくない場合や除湿したくない場合にこの運転モードが有効となる。
なお、本実施の形態では自然循環運転を備えていない構成としたが、さらに凝縮器2を蒸発器4a、4bよりも高い位置に配置して、図1に示すような自然循環運転を備えるように構成してもよい。
また、過熱ガス化手段として、図1と同様の二重管熱交換器5a、5bを設けた構成としたが、図11に示すように、凝縮器2の流出部で分岐した冷媒を過熱ガスとし、その過熱ガスをそれぞれ蒸発器4a、4bから流出する湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒と合流して過熱ガスとして圧縮機1に流入させるように構成してもよい。
また、図10や図14に示すように、温度検知手段52、53や温度検知手段54を蒸発器4a、4bのそれぞれに設ければ、電子式膨張弁3a、3bの開度を適切に制御できると共に、冷媒を確実に乾き状態の冷媒ガスとして圧縮機1に吸入させることができる。このため、蒸発器4a、4bから湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒が流出しても、確実に乾き状態の冷媒ガスとして圧縮機1へ流入させることができ、冷媒液バックに対して信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
また、本実施の形態では複数台の蒸発器4a、4bを備え、そのどちらにおいても結露が生じないように冷房する構成としたが、複数の蒸発器のうちの少なくとも1つの蒸発器で冷媒の蒸発温度を露点温度以上とする運転を可能とし、他の冷却対称空間では通常の冷房を行なうように構成してもよい。例えば人間のための冷房と植物や動物などための冷房など、異なる条件の冷房を1つの空気調和機で行なうことができる。
この場合には、特別な過熱ガス化手段を設ける必要はなく、蒸発器から流出する湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒と、他の蒸発器から流出する過熱ガスを混合するように構成すれば、過熱ガスとして圧縮機1に吸入させることができる。
また、実施の形態2、実施の形態3においても実施の形態1と同様、除湿しない冷却運転という特徴を生かして、植物や野菜などの生鮮品を収納した空間の冷却にも適した装置である。また、好湿性のペットなどを飼育する空間の冷却にも適用できる。
なお、実施の形態1〜実施の形態3において、冷媒としては例えばR22やR−407Cなどのフロン系の冷媒を用い、圧縮機としては例えばスクロール圧縮機、冷凍機油としては例えばアルキルベンゼン油やエステル油などを用いることができるが、これに限るものではなく、他の冷媒、他の圧縮機、他の冷凍機油を用いてもよい。
また、実施の形態1〜実施の形態3において、蒸発器4を設置した空間を冷却する冷却装置として説明したが、凝縮器2をある空間内に設置すれば、凝縮器2で放熱する際に空間の暖房や加熱を行なうことができる。
特に、自然循環運転と強制循環運転とを備えた空気調和機では、図1に示すように、圧縮機1と、凝縮器2と、第一の減圧装置3と、凝縮器2よりも下方に配置した蒸発器4と、凝縮器2と第一の減圧装置3とを接続する配管と蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管とで熱交換が可能な熱交換器5と、圧縮機1をバイパスするように蒸発器4と凝縮器2とを第一の開閉弁6を介して接続する配管13とを備えた冷媒回路において、自然循環運転の際には蒸発器4の流出部と凝縮器2の流入部を接続して冷媒回路を構成し、強制循環運転の際には蒸発器4の流出部と圧縮機1の吸入側を接続して冷媒回路を構成する。そして、熱交換器5において、蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管の蒸発器4側を湿り状態にすると共に圧縮機1側を乾き状態とすることで、強制循環運転の際に蒸発温度を吸込空気の露点温度以上に上げても、効率の低下が生じたり圧縮機1の吸入側での冷媒過熱度が低下し圧縮機1への液戻りが生じことなく、信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
また、図11に示すように、圧縮機1と、凝縮器2と、第一の減圧装置3と、凝縮器2よりも下方に配置した蒸発器4と、凝縮器2と第一の減圧装置3とを接続する配管11と凝縮器2と圧縮機1とを第二の減圧装置7を介して接続する配管14とで熱交換が可能な熱交換器5と、圧縮機1をバイパスするように蒸発器4と凝縮器2とを第一の開閉弁6を介して接続する配管13とを備えた冷媒回路において、自然循環運転の際には蒸発器4の流出部と凝縮器2の流入部を接続して冷媒回路を構成し、強制循環運転の際には蒸発器4の流出部と圧縮機1の吸入側を接続して冷媒回路を構成する。そして、熱交換器5において、蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管の蒸発器4側を湿り状態にすると共に圧縮機1側を乾き状態とすることで、強制循環運転の際に蒸発温度を吸込空気の露点温度以上に上げても、効率の低下が生じたり圧縮機1の吸入側での冷媒過熱度が低下し圧縮機1への液戻りが生じことなく、信頼性の高い空気調和機を得ることができる。さらに、凝縮器2からの冷媒が配管11と配管14へ分流することで、蒸発器4内の圧力損失を低減でき、冷却能力を向上できる効果がある。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。 実施の形態1に係る通常の運転モードによる圧力とエンタルピーの関係を示す特性図である。 実施の形態1に係る運転モードによる圧力とエンタルピーの関係を示す特性図である。 実施の形態1に係る吸込空気と吹出空気の変化を説明する空気線図である。 実施の形態1に係る空気調和機の運転方法を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る自然循環運転モードでの基本構成を示す冷媒回路図である。 実施の形態1に係る自然循環運転モードによる圧力とエンタルピーの関係を示す特性図である。 実施の形態1に係る空気調和機の他の構成例を示す冷媒回路図である。 実施の形態1に係る空気調和機のさらに他の構成例を示す冷媒回路図である。 実施の形態1に係る空気調和機のさらに他の構成例を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。 実施の形態2に係る空気調和機の他の構成例を示す冷媒回路図である。 実施の形態2に係る空気調和機のさらに他の構成例を示す冷媒回路図である。 実施の形態2に係る空気調和機のさらに他の構成例を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 凝縮器
3 減圧装置
4 蒸発器
5 過熱ガス化手段
6 逆止弁
7 減圧装置
8 開閉弁
13 圧縮機バイパス管
14 配管
15、16 バイパス配管
21、22 ファン
50 露点温度検知手段
51 蒸発器配管温度検知手段
52、53、54 温度検知手段
55 制御装置

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、この凝縮器を出た冷媒を減圧する減圧装置と、前記凝縮器よりも低い位置に設置され、前記減圧装置を出た冷媒を蒸発させる蒸発器と、を順次配管にて接続して成る冷媒回路と、
    前記蒸発器に空気を送風するファンと、
    前記凝縮器と前記減圧装置とを接続する第1配管と、前記蒸発器と前記圧縮機とを接続する第2配管と、を熱交換させる過熱ガス化手段と、
    前記蒸発器内の冷媒配管表面温度を検出する蒸発器温度検知手段と、
    前記ファンにより前記蒸発器に送風される空気の露点温度を検出する露点温度検知手段と、
    前記減圧装置の減圧量及び前記ファンの風量及び前記圧縮機の周波数を制御する制御装置と、
    途中に第1開閉弁を有し、前記第2配管から分岐し前記圧縮機を迂回して前記圧縮機と前記凝縮器を接続する配管へ接続される圧縮機バイパス配管と、
    途中に第2開閉弁を有し、前記第1配管から分岐し前記過熱ガス化手段と前記減圧装置を迂回して前記減圧装置と前記蒸発器を接続する配管へ接続されるバイパス配管と、
    を備え、
    前記第1開閉弁の切換えにより、
    前記圧縮機を運転状態として冷媒を前記冷媒回路に循環させ、前記制御装置が、前記蒸発器温度検知手段の検出温度が前記露点温度検知手段の検出露点温度以上となるように、かつ前記蒸発器の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍となるように、前記減圧装置の減圧量及び前記ファンの風量及び前記圧縮機の周波数のうち少なくとも1つを制御し、前記過熱ガス化手段が、前記第1配管の冷媒から前記第2配管の冷媒に吸熱させ前記圧縮機に流入する冷媒を過熱ガス状態とする強制循環運転モードと、
    前記圧縮機を停止状態とし前記制御装置が前記減圧装置を全閉、前記第2開閉弁を開として、冷媒が前記圧縮機を迂回し前記圧縮機バイパス配管を通って前記凝縮器へ、前記凝縮器から前記過熱ガス化手段を通過せずに前記バイパス配管を通って前記蒸発器へ、と循環する自然循環運転モードと、
    に切換え可能としたことを特徴とする空気調和機。
  2. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、この凝縮器を出た冷媒を減圧する第1減圧装置と、前記凝縮器よりも低い位置に設置され、前記第1減圧装置を出た冷媒を蒸発させる蒸発器と、を順次配管にて接続して成る冷媒回路と、
    前記蒸発器に空気を送風するファンと、
    前記凝縮器と前記第1減圧装置とを接続する第1配管と、途中に第2減圧装置を有し、前記第1配管から分岐して前記蒸発器と前記圧縮機を接続する配管へ接続される第3配管と、を熱交換させる過熱ガス化手段と、
    前記蒸発器内の冷媒配管表面温度を検出する蒸発器温度検知手段と、
    前記ファンにより前記蒸発器に送風される空気の露点温度を検出する露点温度検知手段と、
    前記第1減圧装置と前記第2減圧装置の減圧量及び前記ファンの風量及び前記圧縮機の周波数を制御する制御装置と、
    途中に第1開閉弁を有し、前記蒸発器と前記圧縮機を接続する配管から分岐し前記圧縮機を迂回して前記圧縮機と前記凝縮器を接続する配管へ接続される圧縮機バイパス配管と、
    途中に第2開閉弁を有し、前記第1配管から分岐し前記過熱ガス化手段と前記第1減圧装置を迂回して前記第1減圧装置と前記蒸発器を接続する配管へ接続されるバイパス配管と、
    を備え、
    前記第1開閉弁の切換えにより、
    前記圧縮機を運転状態として冷媒を前記冷媒回路に循環させ、前記制御装置が、前記蒸発器温度検知手段の検出温度が前記露点温度検知手段の検出露点温度以上となるように、かつ前記蒸発器の流出部の冷媒状態を湿り状態または飽和ガス近傍となるように、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置の減圧量及び前記ファンの風量及び前記圧縮機の周波数のうち少なくとも1つを制御し、この蒸発器から流出する湿り状態または飽和ガス近傍の冷媒に前記過熱ガス化手段で前記第1配管と熱交換した前記第3配管の冷媒を合流させ前記圧縮機に流入する冷媒を過熱ガス状態とする強制循環運転モードと、
    前記圧縮機を停止状態とし前記制御装置が前記第1の減圧装置と前記第2の減圧装置を全閉、前記第2開閉弁を開として、冷媒が前記圧縮機を迂回し前記圧縮機バイパス配管を通って前記凝縮器へ、前記凝縮器から前記過熱ガス化手段を通過せずに前記バイパス配管を通って前記蒸発器へ、と循環する自然循環運転モードと、に切換え可能としたことを特徴とする空気調和機。
  3. 前記第2配管の前記過熱ガス化手段から前記圧縮機までの間に取り付けられ、前記過熱ガス化手段を出た前記第2配管の冷媒の温度を検出するサーミスタを備えたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  4. 前記第3配管の前記過熱ガス化手段から前記蒸発器と前記圧縮機を接続する配管に接続する位置までの間に取り付けられ、前記過熱ガス化手段を出た前記第3配管の冷媒の温度を検出するサーミスタと、前記蒸発器と前記圧縮機を接続する配管の前記第3配管が接続する位置から前記圧縮機までの間に取り付けられ、前記蒸発器を出て前記第3配管の冷媒が合流した冷媒の温度を検出するサーミスタと、を備えたことを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
JP2003389511A 2003-11-19 2003-11-19 空気調和機 Expired - Fee Related JP4039358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003389511A JP4039358B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 空気調和機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003389511A JP4039358B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 空気調和機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005147623A JP2005147623A (ja) 2005-06-09
JP4039358B2 true JP4039358B2 (ja) 2008-01-30

Family

ID=34696235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003389511A Expired - Fee Related JP4039358B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 空気調和機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4039358B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4618113B2 (ja) * 2005-11-22 2011-01-26 三菱電機株式会社 空気調和機
JP2007147242A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JP4679401B2 (ja) * 2006-03-20 2011-04-27 三菱電機株式会社 空気調和機
JP4735401B2 (ja) * 2006-04-28 2011-07-27 ダイキン工業株式会社 冷凍装置
JP5239225B2 (ja) * 2007-06-26 2013-07-17 ダイキン工業株式会社 熱交換システム
JP5113664B2 (ja) * 2008-08-04 2013-01-09 カルソニックカンセイ株式会社 空調システム
US20110259573A1 (en) * 2010-04-26 2011-10-27 Gac Corporation Cooling system
JP2012007865A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Hitachi Plant Technologies Ltd 冷却システム
CN102022804B (zh) * 2010-12-22 2013-06-12 广东美的电器股份有限公司 一种空调器的防凝露控制方法
JP2012193864A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Mitsubishi Electric Corp 冷凍装置の利用側ユニット
KR102043170B1 (ko) * 2011-11-17 2019-11-12 웅진코웨이 주식회사 과부하제어방법 및 이를 이용한 제습공기청정기
JP5627559B2 (ja) * 2011-11-29 2014-11-19 日立アプライアンス株式会社 空気調和機
JP5615963B2 (ja) * 2013-07-24 2014-10-29 株式会社日立製作所 電子機器の冷却システム
JP6608586B2 (ja) * 2014-08-21 2019-11-20 株式会社ササクラ 冷房システム及びその制御方法
WO2017051472A1 (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 三菱電機株式会社 冷却装置
KR102346627B1 (ko) * 2015-09-30 2022-01-05 엘지전자 주식회사 공기조화기 및 그 제어방법
JP2019032133A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 シャープ株式会社 空調機
WO2019138493A1 (ja) * 2018-01-11 2019-07-18 三菱電機株式会社 空気調和装置
CN110594897B (zh) * 2018-06-12 2021-08-27 美的集团股份有限公司 移动空调
EP4115128B8 (en) 2021-05-12 2023-10-18 Huawei Digital Power Technologies Co., Ltd. Cooling device
JP2023144715A (ja) * 2022-03-28 2023-10-11 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機
KR20240031467A (ko) 2022-08-29 2024-03-08 엘지전자 주식회사 공기조화기

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005147623A (ja) 2005-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4039358B2 (ja) 空気調和機
JP4730738B2 (ja) 空気調和機
JP4459776B2 (ja) ヒートポンプ装置及びヒートポンプ装置の室外機
US9032747B2 (en) Multi-mode air conditioner with refrigerant cycle and heat medium cycle
US11629891B2 (en) Heat pump system
JP2006071268A (ja) 冷凍装置
JPH08189713A (ja) 二元冷凍装置
JP2011112233A (ja) 空気調和装置
CN104364591A (zh) 空气调节装置
JP2008082589A (ja) 空気調和装置
EP3607252B1 (en) Chiller system with an economizer module and method of operating such a system
JP3884591B2 (ja) 空気調和機
US20070157660A1 (en) Air conditioner capable of selectively dehumidifying separate areas
JP4385698B2 (ja) 空気調和機
KR102082881B1 (ko) 냉난방 동시형 멀티 공기조화기
US20130061622A1 (en) Refrigerating and air-conditioning apparatus
JP2006275507A (ja) 空気調和装置
JP6267952B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2007232265A (ja) 冷凍装置
JP2004020085A (ja) 給湯・空調装置
JP2006194525A (ja) 多室型空気調和機
JP4270555B2 (ja) 再熱除湿型空気調和機
JP2008175430A (ja) 空気調和機
JP2006242480A (ja) 蒸気圧縮サイクルシステム
JP2001235237A (ja) 冷凍システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071029

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4039358

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees