JP4039065B2 - レンズ保持治具及び搬送治具並びにレンズの処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズをハードコート液等の処理液中に浸漬処理等するために用いられるレンズ保持治具及び搬送治具、並びにこのようなレンズの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック眼鏡レンズは、傷が付きやすいため、耐擦傷性を付与するハードコート膜を形成することが行われている。レンズにハードコート膜を形成する方法としては、両面が所定のレンズ面形状に加工された円形レンズの表面にハードコート液を塗布し、その後乾燥、硬化させる方法が一般的である。
【0003】
レンズにハードコート液を塗布する方法としては、スピンコート法とディッピング法とがあり、生産性からディッピング法が主流である。
【0004】
従来のディッピング法は、まとめて30枚程度のレンズを装着できるレンズ保持治具にレンズを装着し、ハードコート液中にレンズ保持治具ごとレンズを浸漬し、所定時間経過後引き上げ、レンズ保持治具にレンズを装着したまま乾燥を行う方法が採用されている。
【0005】
ディッピング法に用いられている従来のレンズ保持治具の一例を図8に示す。図8(a)は、レンズ保持治具の正面図、図8(b)は側面図である。
【0006】
このレンズ保持治具600は、レンズLを装着する15連装のレンズ受け610が2列配置され、合計30枚のレンズLをまとめて装着できるようになっている。レンズ受け610は、レンズLの側面を3点の保持部630で保持し、そのうち1点は板バネ状になっている。レンズ受け610は、レンズLの厚みに応じた等間隔ごとのピッチで配置されている。レンズ保持治具600には、レンズ保持治具600を搬送するための搬送治具620が一体に設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレンズ保持治具600には次のような問題点があった。まず、レンズ径は60mm〜80mmの範囲で9種類程度あり、それぞれの径に応じたレンズ受け610を有する9種類程度のレンズ保持治具600を準備し、加えて、レンズの厚みに応じた間隔のピッチで設けられたレンズ受け610を有するレンズ保持治具600を準備しなければならない。更に、図8では比較的薄いレンズを保持する先端がM字状の保持部630を有するレンズ保持治具600を示しているが、レンズLの側面が厚いときには針状に尖った保持部630を有するレンズ保持治具600を用いる必要がある。このため、非常に多種類のレンズ保持治具を用意しなければならず、そのための設備費が大きく、管理が煩雑になるといった問題点がある。
【0008】
また、レンズの径やレンズの厚みに応じてレンズ保持治具を選択する必要があるため、レンズの細かい分別作業が必要であり、そのために煩雑な手間を要するという問題点がある。一人のための左右の眼の特注レンズ(ペア品という)では、左右のレンズでレンズ径や極端に度数が異なる場合、一つのレンズ保持治具にペア品を装着することができないため、別のレンズ保持治具にペア品をそれぞれ装着することになり、そのため後にペア品を製造工程中で合流させるペアリングの手間が必要であるという問題点がある。
【0009】
また、従来のレンズ保持治具600は、レンズ受け610以外のレンズ受け610を支える骨組みが多く、ハードコート液に浸漬されるときに、これらの骨組みにもハードコート液が付着するため、ハードコート液が無駄になり、ハードコート液の利用効率が低いという問題点がある。
【0010】
更に、レンズ受けが15連装で密に配置されているため、レンズを装着する際に、レンズに傷を付けやすいという作業性や歩留まりの問題点がある。
【0011】
特に、近年、レンズの特注品が多くなり、多品種、小ロットになって、レンズ保持治具に装着されるレンズの充填率が低くなっており、これらの問題点が顕著になってきている。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来のレンズ保持治具の問題点を解消し、多品種、小ロットに対応できるレンズ保持治具を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、かかる多品種、小ロットに対応できるレンズ保持治具を搬送できる搬送治具を提供することを目的とする。
【0014】
更に、本発明は、多品種、小ロットのレンズを浸漬処理等するレンズの処理方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、搬送治具に掛けて吊り下げられる掛着部と、前記掛着部に結合されている複数のアームにそれぞれ設けられている保持部で一枚のレンズの側面を支えて保持するレンズ保持部とを有し、一枚の前記レンズを保持するレンズ保持治具であって、前記レンズ保持部が、水平方向に延伸する水平部からコイルバネを介して鋭角的に折曲される傾斜部を有するとともに先端側に前記コイルバネにより前記レンズの側面に当接するように付勢される第1保持部を備えている第1アームと、前記第1保持部が当接するレンズの側面と対向する側の側面に当接する第3保持部を備える第3アームと、前記第1保持部が当接する前記レンズの側面と前記第3保持部が当接する前記レンズの側面との間の前記レンズの下方側面に当接する第2保持部を備える第2アームとを有し、前記第2アームは案内孔を有し、前記第1アームが前記案内孔を通って前記第2アームと交差していることを特徴とするレンズ保持治具を提供する。
【0016】
このようなレンズ保持治具は、従来のレンズ保持治具のレンズ受けを一つづつ切り離して吊り下げ式のレンズ保持部とし、搬送治具も別体とした構造に相当する。一枚のレンズを一つのレンズ保持治具で保持する毎葉式であるため、レンズの種類に応じたレンズ保持治具を用意すれば、多種類のレンズをそれぞれレンズ保持治具で保持し、一つの搬送治具に吊してハードコート液等に浸漬することができる。そのため、多品種、小ロットに対応することができる。また、吊り下げ式であるため、レンズ以外にハードコート液が付着する量は少なく、ハードコート液の利用効率が高い。また、レンズ一枚を一つのレンズ保持治具に装着し、広い空間を利用して作業することができるため、レンズに傷を付けるミスも減少する。更に、レンズ保持部をレンズの径の違いに対応できるようにすれば、レンズ径によらず、多種類のレンズを一種類のレンズ保持治具で保持することが可能であるため、レンズの分別作業も簡単になる。
【0017】
請求項2記載の発明は、搬送治具に掛けて吊り下げられる掛着部と、前記掛着部に結合されている複数のアームにそれぞれ設けられている保持部で一枚のレンズの側面を支えて保持するレンズ保持部とを有し、一枚の前記レンズを保持するレンズ保持治具であって、前記レンズ保持部が、水平方向に延伸する水平部からコイルバネを介して鋭角的に折曲される傾斜部を有するとともに先端側に前記コイルバネにより前記レンズの側面に当接するように付勢される第1保持部を備えている第1アームと、前記第1保持部が当接するレンズの側面と対向する側の側面に当接する第3保持部を備える第3アームと、前記第1保持部が当接する前記レンズの側面と前記第3保持部が当接する前記レンズの側面との間の前記レンズの下方側面に当接する第2保持部を備える第2アームとを有し、前記第1アームの前記傾斜部が前記第2アームと前記第3アームとに挟まれて交差していることを特徴とするレンズ保持治具を提供する。
【0018】
このようなレンズ保持治具は、保持部が付勢手段を介してレンズ側面に付勢されているアームを有するため、保持部の可動範囲が広く、幅広い径のレンズに対応してこれを保持できる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載のレンズ保持治具において、複数の前記保持部がそれぞれレンズの側面に当接し、前記レンズを保持して前記掛着部で搬送治具に吊されたときに、前記保持部が前記レンズと当接するそれぞれの箇所が、前記レンズの中心を通る鉛直線上にないことを特徴とするレンズ保持治具を提供する。
【0022】
保持部とレンズの接点がレンズの中心を通る鉛直線上にあると、レンズをハードコート液から引き上げたときに、レンズから垂れ落ちるハードコート液が保持部を通り、保持部にレンズ表面の液膜が引き寄せられてレンズ表面に均一なハードコート膜が形成されないおそれがある。
【0031】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の複数のレンズ保持治具にそれぞれレンズを保持させ、それぞれのレンズ保持治具の前記掛着部を搬送治具に掛けて吊り下げ、前記レンズを処理液中に浸漬することを特徴とするレンズの処理方法を提供する。
【0032】
このレンズの処理方法によれば、レンズの径やレンズの厚みに対応したレンズ保持治具を準備することによって、一つの搬送治具に多種類のレンズを混載可能にでき、多品種、小ロット生産に適したレンズの処理方法とすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のレンズ保持治具、搬送治具、レンズの処理方法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明のレンズ保持治具の第1実施形態の複数個を搬送治具の一実施形態に掛けて吊り下げた状態を示す斜視図である。図2は、第1実施形態のレンズ保持治具単体の一部断面を含む正面図である。図3は第1実施形態のレンズ保持治具単体の第2アームと第3アームを手前に配置した斜視図である。
【0035】
図1に示すように、本発明のレンズ保持治具1と搬送治具10は、従来のレンズ保持治具のレンズ受けを一つづつ分離してレンズを保持する単体のレンズ保持部2とし、搬送治具10も別体とし、搬送治具10に掛けて吊り下げる掛着部3をレンズ保持部2上部に設けたような構造になっている。
【0036】
レンズ保持治具1は、ステンレススチールで全体が構成されている。図2に示すように、搬送治具10に掛けて吊り下げられるレンズ保持治具1全体を支える掛着部3としての鉤状の鉤部30を備える。鉤部30は、搬送治具10に掛けたときに揺れないようにやや肉厚で幅広になっており、搬送治具10の横棒16の図1に示していない断面略矩形状の鉤部用凹部の上面と左右側面に嵌まって安定するように内面が形成されている。
【0037】
鉤部30の下端に図2左側の第1アーム21と図2右側の第2アーム22に水平方向に分岐して結合している。一方の第1アーム21は針金状で、ほぼ水平方向に延びている第1水平部211から付勢手段としてのコイルバネ212を介して水平方向から下方へ鋭角に折り返されている。折り返されて図2右側斜め下方へ傾斜している第1傾斜部213は、レンズLの図2右側上方位置で鉛直方向よりやや内側に折曲され、鉛直方向よりやや左側へ傾斜して延びる第1鉛直部214となり、その先端はレンズLの中央側面近傍に位置している。第1鉛直部214の先端部の内面側にレンズLの右側面と当接する第1保持部41が一体に取り付けられている。
【0038】
他方の第2アーム22は、厚みのあるほぼ水平方向の矩形板221が鉤部30下端に鉤部30と一体に設けられ、更に帯状板222が面をレンズ側に向けて矩形板221の端縁に鉛直方向に接合されている。帯状板222は矩形板221下方で矩形板221と鋭角に第1傾斜部213と対称的に左側斜め下方へ折曲され、図2左側斜め下方へ傾斜する第2傾斜部223が形成されている。これらの第1アーム21と第2アーム22とは、ほぼ同一平面上で折曲されている。第2傾斜部223は、第1アーム21の第1傾斜部213とほぼ同一平面上で交差してレンズLの図2左側上方位置で鉛直方向よりやや内側へ折曲され、鉛直方向よりやや右側へ傾斜して延びる第2鉛直部224となっている。図2,図3に示すように、第2鉛直部224の上部で帯状板222が幅方向のほぼ中心で鉛直方向に2分割され、第3アーム23として分岐している。第2アーム22の第2鉛直部224は、レンズLの図2左側斜め下でレンズL側に向かって折曲されて第3傾斜部225となり、第3傾斜部225の先端の内面にレンズL側面と当接する第2保持部42が一体に取り付けられている。第2保持部42先端はレンズの中心を通る鉛直線VLから偏心してやや左側のレンズLの下方側面に当接するようになっている。
【0039】
第2アーム22の第2鉛直部224上部で第2アーム22と分岐した第3アーム23は、第2アーム22の第2鉛直部224とほぼ平行して延び、レンズLの中央左側側面近傍に達する位置に先端が配置されている。第3アーム23の先端の内面には第3保持部43が一体に設けられ、第3保持部43の先端がレンズL左端の側面に当接する。
【0040】
図2、図3に示すように、第2アーム22の第1アーム21と交差する帯状板222の第2傾斜部223には、幅方向中心に沿って第1アーム21が通る細長い案内孔226が穿設され、案内孔226に第1アーム21の第1傾斜部213が通されている。
【0041】
第1アーム21の先端の第1保持部41は、コイルバネ212の付勢力でレンズL中心側に向かうように付勢されている。そのため、レンズLは、図2に示すように、下方の側面を第2保持部42で、左側側面を第3保持部43でそれぞれ受けられ、右側のやや上方側面を第1アームの先端の第1保持部41が押圧し、これらの第1保持部41、第2保持部42、第3保持部43の三点支持で保持される。
【0042】
図6に保持部の一例を示す。レンズLの側面が厚い場合は、図6(a)に示すように、先端が針状に尖った板状保持部401が用いられ、尖った先端をレンズLの側面に押圧することによってレンズLを三箇所の保持部で挟持する。図3に示したレンズ保持治具1は、このように厚みのあるレンズLを保持する板状保持部401を備えている。レンズLの側面の厚みが薄い場合は、図6(b)に示すように、先端がM型状の板状保持部402が用いられる。M型状の板状保持部402の先端のV型の凹み402aがレンズLの側面の両側縁と当接することによってレンズLの側面を凹み402aが挟むようにして三箇所の保持部で挟持する。図1、図2に示したレンズ保持治具1はこのような保持部402を備える。
【0043】
図6(b)に示す板状保持部402の凹み402aの先端は、刃状402bに形成され、レンズL側面と接触する面積をできる限り少なくするようになっている。これにより、板状保持部402近傍のレンズL表面に形成されたハードコート液の液膜が板状保持部402に引き寄せられて、板状保持部402が接触したレンズL表面近傍のハードコート膜の膜厚が薄くなることを防止している。
【0044】
図2、図3に示したレンズ保持治具1は、第1アーム21がコイルバネ212を介して鋭角に折り返され、コイルバネ212の支点から第1保持部41までのストロークが長くとれ、バネの撓み量を多くできるため、第1アーム21はレンズLの側面に対して離間接近する可動範囲が広くなっている。そのため、広い範囲のレンズの外径に対応できる。例えばレンズの外径は、60〜80mmの範囲で2〜3mm刻みの9種類がある。従来はこの9種類ごとにレンズ保持治具が必要であったが、本実施形態のレンズ保持治具1では、第1アーム21の可動範囲が広いため、例えば2種類のレンズ保持治具1で60〜80mmの範囲をカバーできる。その結果、図6(a)、(b)に示したレンズの厚みに対応した板状保持部401、402の2種類を加えて4種類のレンズ保持治具1で現在のレンズ全てをほぼカバーできる。
【0045】
これによって、多種類のレンズ保持治具1を準備しなくても良く、設備費が低減され、管理も簡易になる。しかも、レンズの径毎に分別する作業が簡易になり、生産性が向上する。ペア品も一つの搬送治具で一緒に処理できる可能性が高いため、ペアリングの煩雑さも少なくなる。
【0046】
また、第1アーム21の第1傾斜部213は、第2アーム22の案内孔226を通って第2アーム22の第2傾斜部223と交差している。これにより、第1アーム21のレンズL側面に対して離間接近する動きが第2アーム22の案内孔226で制限され、第1アーム21の平面上の動きが、第2アーム22の折曲して形成されている仮想平面とほぼ同一になることが確保され、相互にねじれが生じないようになっている。このため、第1保持部41と第2保持部42でレンズLの側面を確実に挟持することができる。
【0047】
また、レンズLの下方を支える第2保持部42は、図2に示すように、レンズの側面と当接している箇所が、レンズ保持治具1を搬送治具10に鉤部30で吊したときに、レンズL中心を通る鉛直線VL上から偏心して約10mmほど左にずれた位置にある。
【0048】
第2保持部42のレンズLの側面に対する当接位置がレンズL中心を通る鉛直線VL上にあると、レンズLをハードコート液に浸漬した後、引き上げる際に、レンズL表面から第2保持部42にハードコート液が引き寄せられ、ツリー状のスジが発生することが経験的に認められる。
【0049】
本実施形態のレンズ保持治具1では、レンズ中心を通る鉛直線VL上から第2保持部42の当接位置が偏心しているため、このようなツリー状のスジの発生を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態のレンズ保持治具1では、図3に示したように、第3アーム23が鉛直方向の第2アーム22を縦に分割して枝分かれして設けられ、第2アーム22と第3アーム23とはレンズLの厚さ方向に並列している。その結果、第2保持部42以外に第2アーム22とレンズL側面との間に橋渡しをするものがない構造となっている。第1アーム21と第3アーム23についても同様に、それぞれ第1保持部41と第3保持部43以外にレンズL側面と接するものがない構造となっている。そのため、ハードコート液にレンズを浸漬し、引き上げる際にレンズL側面とこれらの第1アーム21、第2アーム22、第3アーム23との間にハードコート液の膜が形成されないようになっている。ハードコート液の膜が形成されると、膜がはじける際にはじけた液滴がレンズに付着し、不良の発生原因となるが、本実施形態のレンズ保持治具1ではこのような不良が生じ難い構造となっている。
【0051】
レンズLをレンズ保持治具1に保持させる作業は、例えば、第1アーム21の第2アーム22と交差後の斜めになっている第1傾斜部213を第2アーム22の矩形板221側に指で引き寄せて第1アーム21を大きく開き、レンズLの側面を第2保持部42と第3保持部43に当接させた後、コイルバネ212の付勢力に従って第1アーム21の先端の第1保持部41をレンズL側面に当接させるようにすればよい。
【0052】
このような作業でレンズLをレンズ保持治具1に保持させることができるため、従来のレンズ保持治具600のレンズ受け610の狭い隙間にレンズLを装着する作業と異なり、レンズLに傷を付けるおそれは小さく、歩留まりを向上させることができる。
【0053】
また、レンズ保持治具1が破損したときに、レンズ1枚分のレンズ保持治具1の破損であるため、従来のレンズ30枚を装着するレンズ保持治具500と異なり、損失が少なくて済む利点がある。
【0054】
次に、図4〜図6を参照しながら本発明のレンズ保持治具の第2実施形態について説明する。図4は、レンズ保持治具の正面側から見た斜視図、図5は、前方斜め上から見た斜視図である。
【0055】
第2実施形態のレンズ保持治具1bは、第1実施形態のレンズ保持治具1に対して、保持部の改良によるレンズ面に対するハードコート液の均一な付着を可能とし、更に洗浄性を改良したものである。
【0056】
このレンズ保持治具1bは、全体がステンレススチールで構成され、最上部に搬送治具10の横棒16に掛けて吊すことによりレンズ保持治具1b全体を支える掛着部3bとしての鉤部30bと、この鉤部30bに結合されているレンズ保持部2bとを有する。鉤部30bは、やや厚手の矩形板を折曲して形成され、搬送治具10の横棒16の図1に示していない断面略矩形状の鉤部用凹部の上面と左右側面に嵌まって安定するように形成された逆凹型の形状を有する支持部31bとこれと一体に形成されている水平板32bとを有する。
【0057】
レンズ保持部2bは、それぞれ基端部が鉤部30bの水平板32bに結合され、先端部が自由端になっている第1アーム21b、第2アーム22b、第3アーム23bを有する。これらの第1アーム21b、第2アーム22b、第3アーム23bは、基本的に断面がほぼ円形の針金で構成されている。
【0058】
第1アーム21bの基端部は、鈎部30bの水平板32bの上面にこれと平行に接合されている。基端部から水平方向に延伸する第1水平部211bから、付勢手段としてのコイルバネ212bを介して水平方向から斜め下方へ鋭角に折り返されている。折り返されて図4斜め右側へ傾斜している第1傾斜部213bは、レンズLの右側端よりやや右側で鉛直方向よりやや内側に折曲され、鉛直方向よりやや左側へ傾斜して延伸している第1鉛直部214bとなり、その先端がレンズLの中央右側面近傍に位置するようになっている。第1アーム21bの先端部はプレス等で扁平に形成されて取付部215bが形成され、取付部215bには細いワイヤを折曲して形成された第1保持部41bの基端部が接合されている。第1保持部41bの基端部から立ち上がる部分は、第1アーム21bの先端縁にほぼ位置している。
【0059】
第2アーム22bと第3アーム23bとは、それぞれ鈎部30bの水平板32b下面に断面がω型に形成された案内板24を介して基端部が接合され、基端部から第1アーム21bとは逆の図面右水平方向に延伸している第1水平部221b、231bを有する。これらの第1水平部221b、231bから左側斜め下方に向かって鋭角的に折曲され、この斜め左下方へ延伸している第2傾斜部222bと232bが、第1アーム21bの第1傾斜部213bを両側から挟むように第1アーム21bと交差している。第2傾斜部222b、232bからレンズLの左端よりやや左側で鉛直方向よりやや右方向に折曲され、鉛直方向よりやや右側に向かって傾斜している第2鉛直部223b、233bになっている。第2アーム22bは更にレンズL斜め左下側で右側下方に向かって折曲されて第3傾斜部224bとなり、更に、レンズL中心側に向かうように折曲され、取付部225bが形成されている。第2アーム22bの先端の取付部225bは、レンズL下方の側面のやや左側近傍に位置するようになっている。第2アーム22bの取付部225bには、第2保持部42bが接合されている。第2保持部42bは、図6(b)に示した先端がM型状の板状保持部402である。第3アーム23bの第2鉛直部232bの先端は、レンズL中央左側面近傍に位置するように延伸されている。第3アーム23bの第2鉛直部233bの先端部は、プレス等で扁平に形成されて取付部235bが形成され、取付部235bにはワイヤを折曲して形成された第3保持部43bの基端部が接合されている。第3保持部43bの基端部から立ち上がる部分は、第3アーム23bの先端縁にほぼ位置している。第2アーム22bと第3アーム23bのそれぞれの第2鉛直部223b、233bの上部は、連結板25によって、第2アーム22bと第3アーム23bのそれぞれの第2鉛直部223b、233bがレンズLの側面とほぼ平行になるように相互に固定されている。図5に示すように、第1アーム21b、第2アーム22b及び第3アーム23bは、レンズLの側面とほぼ平行になるように折曲されている。
【0060】
第2実施形態のレンズ保持治具1bに取り付けられている第1保持部41bと第3保持部43bは、図6(d)に示すように、細いワイヤを折曲して形成されたワイヤ状保持部404になっている。ワイヤ状保持部404は、側面が薄いレンズLの左右の両側面のそれぞれの両端縁に当接するように略く字状にワイヤが折曲されたく字状部404aを有する。このく字状部404aを第1アーム21bと第3アーム23bのそれぞれの取付部215b、235bに接合されている基端部に接続する接続部404bは、それぞれの取付部215b、235bの先端縁から立ち上がり、レンズLの側面と外れた方向に延伸している。図4、図5に示したレンズ保持治具1bでは、第1保持部41bと第3保持部43bがこの図6(d)に示すワイヤ状保持部404であり、第2保持部42bは、図6(b)に示した板状保持部402であったが、第2保持部42bもワイヤ状保持部404としてもよい。側面が厚いレンズの場合は、図6(c)に示すように、第1保持部41b、第2保持部42b、第3保持部43bは、それぞれ針金の先端が尖った針状の針金状保持部403を用いる。
【0061】
第2実施形態のレンズ保持治具1bは、レンズLの左右両側面を第1保持部41bと第3保持部43bで、レンズLの下方の側面を第2保持部42bで保持する。第2実施形態のレンズ保持治具1bは、基本的な構成は第1実施形態のレンズ保持治具1とほぼ同じであるため、第1実施形態のレンズ保持治具1と同様の効果を有する。
【0062】
即ち、第1アーム21bがコイルバネ212bを介して鋭角的に折り曲げられ、第1保持部41bのストロークが長く、可動範囲が広いため、広い範囲のレンズLの外径に対応することができると共に、レンズLを装着する作業中にレンズに傷を付けるおそれが少なくなっている。また、第2保持部42bのレンズLの側面と当接している箇所が、レンズ保持治具1bを搬送治具10に吊したときに、レンズLの中心を通る鉛直線VL上から偏心した位置にあるため、第2保持部42bに処理液が引き寄せられてレンズL表面の処理液の液膜の厚さに不均一を生じさせるおそれはない。
【0063】
また、第1アーム21bの第1傾斜部213bは、第2アーム22bの第2傾斜部222bと第3アーム23bの第2傾斜部232bと挟まれて交差している。これにより、第1アーム21bのレンズL側面に対して離間接近する動きを、第2アーム22bの第2傾斜部222bと第3アーム23bの第2傾斜部232bがいわば案内として規制し、第1アーム21bの平面上の動きが、レンズLの側面とほぼ平行になることが確保されている。
【0064】
第2実施形態のレンズ保持治具1bでは、これらの効果に加えて、第1アーム21b、第2アーム22b、第3アーム23bが断面円形の針金で構成され、表面積が最小になるようになっている。そのため、ハードコート液の付着量が少なく、しかも洗浄により付着物が簡単に脱離するため、容易に洗浄できるという効果が加わる。また、第1保持部41bと第3保持部43bとが、細いワイヤを折り曲げて形成されているワイヤ状保持部404であるため、図6(b)に示した板状保持部402よりも処理液の付着量が少なく、そのために第1保持部41b、第3保持部43bにハードコート液が引き寄せられてレンズL表面の処理液の液膜の厚さに不均一を生じさせるおそれが少なくなり、ハードコート処理での歩留まりが顕著に向上することが認められる。また、図6(a)に示した板状保持部401を図6(c)示した針金状保持部403に変更したことにより、ハードコート液の付着量が少なくなる。
【0065】
更に、第2実施形態のレンズ保持治具1bは、第1実施形態のレンズ保持治具1よりも、更にハードコート液の膜ができにくい構造となっている。即ち、第1実施形態のレンズ保持治具1の第1保持部41と第3保持部43がそれぞれ第1アーム21と第3アーム23の先端縁からやや距離をおいた位置から斜め上に立ち上がっており、折曲されている金属板で構成されている板状保持部402とこれと対向しているレンズLの側面との間にハードコート液の膜が生じることがあった。これに対し、第2実施形態のレンズ保持治具1bでは、第1保持部41bが第1アーム21bのほぼ先端縁から、第3保持部43bが第3アーム23bのほぼ先端縁から立ち上がる構造となっていることと、ワイヤ状保持部404のく字状部404aにつながる接続部403bがレンズLの側面に向かう方向と異なる方向を向いていることにより、レンズL側面と保持部41b、43bとの間に粘度の高いハードコート液の膜が生じ難く、膜の破裂による不良発生が起こりにくくなっている。
【0066】
これらの第1実施形態のレンズ保持治具1及び第2実施形態のレンズ保持治具1bは、第1アーム21,21bがコイルバネ212,212bの付勢力でそれぞれ先端の第1保持部41,41bをレンズL側に付勢するようになっている。そのため、例えばコイルバネ212,212bを構成する第1アーム21,21bの線径を太くしたり細くすることによって、コイルバネ212,212bのバネ圧を変化させることが可能である。例えば、第1アーム21,21bの線径を細くすることによって、バネ圧を減少させ、外周縁が薄くなった非円形レンズも変形させることなく保持することが可能となる。即ち、この非円形レンズは、レンズの厚み(中心厚)を薄くしたい顧客の希望がある場合に、全体の厚みを均等に削った薄型レンズである。特に凸レンズ(+範囲のレンズ)では、外周部が薄くなり、外周部が削られて楕円形や非円形になる場合がある。外周部が削られた非円形レンズの外周縁は薄く刃先のように尖っており、強い力で両側から挟んだ状態で熱を加えると変形を生じてしまうおそれがある。本発明のレンズ保持治具1,1bでは、コイルバネ212,212bのバネ圧を変更することによってこのような非円形レンズも保持可能である。
【0067】
次に、本発明のレンズ保持治具1、1bを搬送する本発明の搬送治具について説明する。搬送治具10は、図1に示したように、主軸棒11の両端縁に矩形板状の位置合わせ板12,13が軸方向と直交する方向でかつ水平方向に一体に設けられ、主軸棒11の位置合わせ板12,13より両側の内側に断面V字状の受け渡し板14が主軸棒11を下から挟むように一体に設けられている。更に、主軸棒11の受け渡し板14の両側の内方下面には、鉛直方向の釣り棒15が一体に設けられ、この釣り棒15と一体に横棒16が主軸棒11とほぼ平行に設けられている。この横棒16にレンズ保持治具1、1bの鉤部30、30bを掛けて吊すことにより、複数のレンズ保持治具1、1bをまとめて搬送することができる。
【0068】
搬送治具10の一実施形態の側面図を図7に示す。図7は横棒16に設けられている鉤部用凹部17の配列を示すものである。この鉤部用凹部17は、レンズ保持部1の鉤部30、30bの内面が嵌め込まれて固定されるもので、図7の一番左の第1鉤部用凹部17−1から一番右の第20鉤部用凹部17−20までこの搬送治具10では20個の鉤部用凹部17が設けられている。第1鉤部用凹部17−1と次の第2鉤部用凹部17−2の間にはやや幅広の凸部が設けられている。第2鉤部用凹部17−2と次の第3鉤部用凹部17−3、第3鉤部用凹部17−3と第4鉤部用凹部17−4とは互いに鉤部用凹部を区画する狭い凸部で隔てられている。更に、第4鉤部用凹部17−4と次の第5鉤部用凹部17−5とは、第1鉤部用凹部17−1と第2鉤部用凹部17−2との間隔と同様に比較的幅広い凸部で隔てられている。第6鉤部用凹部17−6から第8鉤部用凹部17−8までは第2鉤部用凹部17−2から第4鉤部用凹部17−4と同様に3連装となっている。第5鉤部用凹部17−5から以降は、第1鉤部用凹部17−1から第4鉤部用凹17−4部と同じ配列が繰り返されている。
【0069】
3連装の第2鉤部用凹部17−2〜第4鉤部用凹部17−4はそれぞれピッチaの間隔で設けられている。第1鉤部用凹部17−1と第2鉤部用凹部17−2との間のピッチは、ピッチaの2倍のピッチのピッチbになっており、第2鉤部用凹部17−2と第4鉤部用凹部17−4との間、第4鉤部用凹部17−4と第5鉤部用凹部17−5との間もピッチbの間隔である。一方、第1鉤部用凹部17−1と第3鉤部用凹部17−3との間のピッチはピッチb+ピッチaであるからピッチaの3倍のピッチのピッチcとなっており、第3鉤部用凹部17−3と第5鉤部用凹部17−5との間のピッチもピッチcとなっている。例えば、ピッチaは10mm、ピッチbは20mm、ピッチcは30mmである。
【0070】
即ち、本実施形態の搬送治具10は、レンズの厚みによってピッチb又はピッチcを選択することができるようになっている。例えば、レンズの厚みの薄いレンズを保持したレンズ保持治具1、1bを搬送治具10に掛けるときは、ピッチbで掛け、レンズの厚みが厚いレンズ保持したレンズ保持治具1、1bを掛けるときは、ピッチcを選択して掛けることによって、レンズ相互を接触させずにレンズの厚みに応じた最大のレンズ枚数を搬送治具10に容易にセットすることができる。また、ピッチbを選択して掛ける途中で、レンズの厚みの厚いレンズをピッチcを選択して掛けることにより、異なるレンズの厚みのレンズを混載して搬送治具10にセットすることも可能である。
【0071】
本実施形態の搬送治具10は、鉤部用凹部17を等間隔で並べるのではなく、ピッチの選択が容易に行えるように鉤部用凹部17を不等間隔で配置している。
【0072】
次に、レンズ保持治具1、1bと搬送治具10を組み合わせたものの使用方法を説明する。図1に示したように、本発明のレンズ保持治具1、1bにレンズLを保持させ、レンズLを保持したレンズ保持治具1、1bを本発明の搬送治具10の横棒16に掛け、吊したレンズLに種々の処理を施すことができる。
【0073】
例えば、ハードコート処理の前に、アルカリ処理、酸処理、純水洗浄槽などの前処理槽に搬送し、レンズLをこれらの前処理槽に順次浸漬し、レンズ面の洗浄を行う。
【0074】
次に、搬送治具10をハードコート処理槽に搬送し、搬送治具10の位置合わせ板12,13を所定の位置決め凹部に嵌め、搬送治具10を降下させてレンズ保持治具1、1bで保持されているレンズLをハードコート液中に所定時間浸漬する。その後、所定の引き上げ速度で搬送治具を引き上げ、レンズLに付着しているハードコート液を液切れする。その後、搬送治具10を乾燥炉に搬送し、レンズLやレンズ保持治具1、1bに付着しているハードコート液の乾燥を行う。
【0075】
次に、例えば乾燥したハードコート膜が付着しているレンズLをレンズ保持治具1、1bから外し、レンズLを焼成炉で焼成し、ハードコート膜を硬化させ、耐擦傷性を付与するハードコート膜をレンズ表面に形成することができる。
【0076】
このように、本発明のレンズ保持治具1、1bと搬送治具10を組み合わせることによって、多種類のレンズLを搬送治具10に混載して処理することができるので、多品種、小ロットに対応して効率的にレンズの処理を行うことができる。
【0077】
また、本発明のレンズ保持治具1、1bでレンズLを保持させてレンズ保持治具1、1bを搬送治具10に掛け、ハードコート液にレンズLを浸漬する方法では、第1実施形態のレンズ保持治具1では、第2アーム21と第3アーム23の分岐点より下を、第2実施形態のレンズ保持治具1bでは、連結板25より下をハードコート液に浸漬する。レンズL以外にハードコート液が付着するのは、第1〜第3アーム21、21b、22、22b、23、23bの先端と第1〜第3保持部41、41b、42、42b、43、43bであり、これらのアーム21、21b、22、22b、23、23bを支える骨組みにはハードコート液は付着しないので、レンズ保持治具1、1bにハードコート液が付着する量は、従来のレンズ保持治具600と比較して格段に少なくて済む。その結果、ハードコート液の利用効率が向上すると共に、レンズ保持治具を洗浄する洗剤の使用量も減少し、生産コストを低減することができる。
【0078】
上記説明では、掛着部は鉤状の鉤部として説明しているが、例えば突出部に掛けるリング状、あるいは2本以上の横棒に掛けるようなT字状のような形状であっても良い。また、搬送治具もフック状の突出部を設けた構造でも良く、横棒を並列したような構造であっても良い。
【0079】
【発明の効果】
本発明のレンズ保持治具は、レンズを一枚毎に保持して個々に搬送治具に吊すようにしているので、多品種、小ロットに対応して効率的に多種類のレンズを一つの搬送治具に混載することが可能となった。
【0080】
本発明の搬送治具は、レンズの厚みに対応して容易にレンズ保持治具をセットすることができる。
【0081】
本発明のレンズの処理方法によれば、多種類のレンズをまとめて処理することができるので、多品種、小ロットに対応して効率的にレンズの処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ保持治具の第1実施形態を搬送治具に掛けて吊した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明のレンズ保持治具の第1実施形態を示す一部断面を含む正面図である。
【図3】本発明のレンズ保持治具の第1実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明のレンズ保持治具の第2実施形態を正面側から見た斜視図である。
【図5】本発明のレンズ保持治具の第2実施形態を斜め上方から見た斜視図である。
【図6】レンズ保持治具のレンズを保持する保持部の形状を示すもので、(a)は先端を尖らせた板状保持部、(b)はM型状の板状保持部、(c)は先端が尖った針金状保持部、(d)はワイヤが折曲されたワイヤ状保持部を示す。
【図7】本発明の搬送治具の一実施形態を示す側面図である。
【図8】従来のレンズ保持治具を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1、1b レンズ保持治具
2、2b レンズ保持部
21、21b 第1アーム
212、212b コイルバネ
22、22b 第2アーム
23、23b 第3アーム
3、3b 掛着部
30、30b 鉤部
41、41b 第1保持部
42、42b 第2保持部
43、43b 第3保持部
10 搬送治具
16 横棒
L レンズ
Claims (4)
- 搬送治具に掛けて吊り下げられる掛着部と、前記掛着部に結合されている複数のアームにそれぞれ設けられている保持部で一枚のレンズの側面を支えて保持するレンズ保持部とを有し、一枚の前記レンズを保持するレンズ保持治具であって、
前記レンズ保持部が、水平方向に延伸する水平部からコイルバネを介して鋭角的に折曲される傾斜部を有するとともに先端側に前記コイルバネにより前記レンズの側面に当接するように付勢される第1保持部を備えている第1アームと、
前記第1保持部が当接するレンズの側面と対向する側の側面に当接する第3保持部を備える第3アームと、
前記第1保持部が当接する前記レンズの側面と前記第3保持部が当接する前記レンズの側面との間の前記レンズの下方側面に当接する第2保持部を備える第2アームとを有し、
前記第2アームは案内孔を有し、前記第1アームが前記案内孔を通って前記第2アームと交差していることを特徴とするレンズ保持治具。 - 搬送治具に掛けて吊り下げられる掛着部と、前記掛着部に結合されている複数のアームにそれぞれ設けられている保持部で一枚のレンズの側面を支えて保持するレンズ保持部とを有し、一枚の前記レンズを保持するレンズ保持治具であって、
前記レンズ保持部が、水平方向に延伸する水平部からコイルバネを介して鋭角的に折曲される傾斜部を有するとともに先端側に前記コイルバネにより前記レンズの側面に当接するように付勢される第1保持部を備えている第1アームと、
前記第1保持部が当接するレンズの側面と対向する側の側面に当接する第3保持部を備える第3アームと、
前記第1保持部が当接する前記レンズの側面と前記第3保持部が当接する前記レンズの側面との間の前記レンズの下方側面に当接する第2保持部を備える第2アームとを有し、
前記第1アームの前記傾斜部が前記第2アームと前記第3アームとに挟まれて交差していることを特徴とするレンズ保持治具。 - 請求項1または2のいずれかに記載のレンズ保持治具において、
複数の前記保持部がそれぞれレンズの側面に当接し、前記レンズを保持して前記掛着部で搬送治具に吊されたときに、前記保持部が前記レンズと当接するそれぞれの箇所が、前記レンズの中心を通る鉛直線上にないことを特徴とするレンズ保持治具。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の複数のレンズ保持治具にそれぞれレンズを保持させ、それぞれのレンズ保持治具の前記掛着部を搬送治具に掛けて吊り下げ、前記レンズを処理液中に浸漬することを特徴とするレンズの処理方法。
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