JP4038130B2 - 連層式作業装置とその作業方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築物を建造する際に建築物の外側に配置されて作業者が建築物外面に対する作業を行ったり、建築物外面を安全ネットにより覆うための連層式作業装置およびその作業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築現場において、作業者は連層式作業装置に設けられた足場板の上で外面塗装作業などの種々の建築作業を行う。ここで、中層ないし高層の建築物を建造する場合には、地上から足場を組み上げていくことは困難であることから、建築物の外側に配置される連層式作業装置を上層階側に移動させるようにした技術が開発されており、例えば特許文献1に示す構成が知られている。この連層式作業装置は、所定階数、例えば3階あるいは4階程度の階数に対応する高さとなって建築物の外側に配置され、連層式作業装置を使用した所定の作業が終了するとともに、上層階の部分の建築が進むに従って連層式作業装置はクレーンやホイストなどの起重機によって上方に登攀移動される。
【0003】
【特許文献1】
特許第2522748号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなタイプの連層式作業装置は、建築現場まで分解した状態でトラック輸送ができるとともに、建築現場において容易に組み立てることができることが好ましく、更に上方に登攀移動させる際には迅速に建築物の躯体部から取り外してクレーンなどにより迅速に移動し得ることが好ましい。
【0005】
しかしながら、これまで開発された登攀式の連層式作業装置は、所定の作業が終了した後に上昇移動させる盛替作業に時間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、組立て分解作業を迅速に行うことができるとともに上下動作業を迅速に行うことができる連層式作業装置およびその方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、強風に煽られて躯体部に衝突する心配がなく、常に安定した状態で盛替作業を行うことができる連層式作業装置およびその方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の連層式作業装置は、上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイドローラに案内されて上下方向に移動するガイド部材と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて水平に突設され、足場板を支持する足場板支持梁とを有し、前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイドローラに案内されて前記ユニット枠体と前記ガイド部材を上下動させることを特徴とする。
【0009】
本発明の連層式作業装置は、上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイド部材に案内されて上下方向に移動するガイドローラと、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて水平に突設され、足場板を支持する足場板支持梁とを有し、前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイド部材に案内されて前記ユニット枠体と前記ガイドローラを上下動させることを特徴とする。
【0010】
本発明の連層式作業装置は、上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイドローラに案内されて上下方向に移動するガイド部材と、前記ユニット枠体に装着される安全ネットとを有し、前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイドローラに案内されて前記ユニット枠体と前記ガイド部材と前記安全ネットを上下動させることを特徴とする。
【0011】
本発明の連層式作業装置は、上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイド部材に案内されて上下方向に移動するガイドローラと、前記ユニット枠体に装着される安全ネットとを有し、前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイド部材に案内されて前記ユニット枠体と前記ガイドローラと前記安全ネットを上下動させることを特徴とする。
【0012】
本発明の連層式作業装置は、前記締結アームは締結駒を有するボルトと一体に形成されたアンカーボルト挿入プレートと、前記締結アームに固定され前記ボルトの挿入孔を形成した金具を有し、前記金具に挿入された前記ボルトに嵌合されるナットを調整することにより前記アンカーボルト挿入プレートを上下に移動させることを特徴とする。
【0013】
本発明の連層式作業装置は、前記締結アームは、把持部を有するネジと、前記締結アームに固定され、前記ネジが嵌入されるネジ穴が貫通して形成された筒体と、前記ネジの一端部に取り付けられ、前記ネジを回転自在とする回転支持体を搭載するアンカーボルト挿入プレートとを有し、前記筒体に嵌入された前記ネジに取り付けられた把持部を回動させることにより前記アンカーボルト挿入プレートを上下に移動させることを特徴とする。
【0014】
本発明の連層式作業装置は、建築物最上階に設けられた巻上げ機と、両端が前記巻上げ機および前記ユニット枠体に固定されたワイヤとを有し、前記巻上げ機を作動させると前記ユニット枠体が建築物に対して上下動することを特徴とする。
【0015】
本発明の連層式作業装置は、建築物最上階に設けられた滑車と、前記ユニット枠体に備えられた巻取り機と、前記滑車を介して両端を前記ガイド部材および前記巻取り装置に取り付けられたワイヤとを有し、前記巻取り機を作動させると前記ユニット枠体が建築物に対して上下動することを特徴とする。
【0016】
本発明の連層式作業装置は、前記垂直支柱のそれぞれは、上下端部に連結部を有し、かつ、長手方向に沿って所定間隔毎に取付孔が形成された柱部材を上下方向に複数連結して形成され、前記水平梁のそれぞれは、水平端部に連結部を有する梁部材を水平方向に複数連結してそれぞれ形成されたことを特徴とする。
【0017】
本発明の連層式作業装置は、前記柱部材は、逆向きに対向して配置され、スペーサを介して結合された一対のチャンネル材によって構成され、前記チャンネル材のそれぞれの対向面には、長手方向に沿って所定間隔毎に取付孔が形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の連層式作業装置は、前記梁部材は、逆向きに対向して配置され、スペーサを介して結合された一対のチャンネル材によって構成され、前記柱部材の前記取付孔に対応する貫通孔が形成された連結部を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の連層式作業装置は、前記垂直支柱に取り付けられる前記締結具は、前記柱部材の前記取付孔に対応する貫通孔が形成された連結部を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の連層式作業装置は、前記ユニット枠体の側辺に外方に向けて前記ユニット枠体に平行となって水平に突設される梯子支持梁と、上下方向に隣り合う前記梯子支持梁との間に取り付けられる梯子と、前記側辺に位置する前記足場板支持梁に回動自在に装着される渡り足場とを有し、作業者が前記梯子を介して上下に移動し得るとともに前記渡り足場板を介して相互に隣り合う連層式作業装置に移動し得ることを特徴とする。
【0021】
本発明の連層式作業装置の作業方法は、上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイドローラに案内されて上下方向に移動するガイド部材とを有する連層式作業装置の作業方法であって、前記締結具の前記建築物に対する締結を解除し、前記締結アームを退避位置に回転移動させる締結解除工程と、前記ユニット枠体に取り付けられた前記ガイド部材を、前記ガイドローラに案内されて上下方向に移動させる登攀工程と、前記締結アームを締結位置に回転移動させ、前記締結具の前記建築物に対して締結を行う締結工程とを有することを特徴とする。
【0022】
このような本発明の連層式作業装置およびその方法によれば、ガイドレールかガイドローラのいずれか1つを躯体部に締結した状態で盛替作業を行うので、強風に煽られた連層式作業装置が躯体部に衝突する心配もなく、常に安定した状態で盛替作業を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の連層式作業装置20を建築物10の外側に取り付けた状態を示す正面図であり、図2は図1におけるA−A線に沿う方向の矢視図であり、図3は図1におけるB−B線に沿う方向の矢視図である。
【0025】
図1および図3には建設途中における建築物10の各躯体部11a〜11eが示されており、本発明の連層式作業装置20は建築物10の外側に配置されるようになっている。マンションやオフィスビルなどの1つの建築物を建設する際にはその周囲全体を覆うように、若しくは必要な箇所に所定の台数の連層式作業装置20が建築物10の下層部に取り付けられることになる。図1および図2には、1つの連層式作業装置20とこれに隣接する他の連層式作業装置20の一部が示されており、連層式作業装置20は建築物10の外側に配置されるユニット枠体21を有している。
【0026】
ユニット枠体21は、上下方向に延びる複数本の垂直支柱22と、水平方向に延びて垂直支柱22を上下両端部で連結する複数本の水平梁23とを備えている。ユニット枠体21を構成する垂直支柱22および水平梁23の本数は、図1に示された本数に限定されるものではなく、任意の本数とすることができる。図1に示すように、ユニット枠体21の外面には安全ネット19が取り付けられており、作業用工具の落下、小物部品の落下、それによる作業者の負傷を未然に防止している。図示はしないが、ユニット枠体21の垂直支柱22の間には水平方向に延びる複数の手摺り材が所定の間隔を隔てて備えられており、作業者の転落事故を防止している。
【0027】
垂直支柱22のそれぞれは、所定の長さの柱部材24を複数本接続することにより形成されており、分解および組立てを行うことができる。同様に、水平梁23も、所定の長さの梁部材25を複数本接続することにより形成されており、分解および組立てを行うことができる。
【0028】
図4(A)は柱部材24の側面図であり、図4(B)は柱部材24の正面図であり、図4(C)は柱部材24の一部を示す斜視図である。柱部材24はそれぞれ所定長さの断面コの字形状の2本のチャンネル材24aを逆向きにして、それぞれに溶接されるスペーサ24cによって固定することにより形成されている。
【0029】
一方のチャンネル材24aの一端部と他方のチャンネル材24aの他端部にはそれぞれ断面コの字形状のジョイント部材24bが固定され、それぞれのジョイント部材24bには取付孔26aが形成されている。また、一方のチャンネル材24aの他端部と他方のチャンネル材24aの一端部には、それぞれ取付孔26aに対応して取付孔26bが形成されている。これにより、柱部材24のジョイント部材24b同士を連結することができ、所定の長さの垂直支柱22を構成することができる。それぞれのチャンネル材24aの対向面には、長手方向に所定の間隔毎に取付孔26が形成されている。その取付孔26を貫通するボルトによってジョイント部材24bを取り付け、ジョイント部材24bを介して柱部材24を連結することにより必要な長さの垂直支柱22を建築現場で容易に組み立てることができる。
【0030】
図5(A)は梁部材25を側面から見た部分断面図であり、図5(B)は梁部材25を示す正面図であり、図5(C)は梁部材25の一部を示す斜視図であり、図5(D)は梁部材25の一部を示す斜視図である。
【0031】
図5(A)〜(D)に示す梁部材25は、それぞれ所定長さの断面コの字形状の2本のチャンネル材25aを逆向きにし、それぞれに溶接されるスペーサ25cによって固定することにより形成されている。
【0032】
一方のチャンネル材25aの一端部と他方のチャンネル材25aの他端部には、それぞれ断面コの字形状のジョイント部材25bが固定され、それぞれのジョイント部材25bには取付孔27aが形成されている。また、一方のチャンネル材25aの他端部と他方のチャンネル材25aの一端部には、それぞれ取付孔27aに対応して取付孔27bが形成されている。さらに、それぞれのチャンネル材25aの長手方向の端部には取付孔27が形成されており、その取付孔27を通過するボルトによってジョイント部材25bを取り付け、ジョイント部材25bを介して梁部材25を連結することにより必要な長さの水平梁23を建築現場で容易に組み立てることができる。
【0033】
対向するチャンネル材25a相互間には、柱部材24に形成された取付孔26に対応する貫通孔28が形成された支柱用連結部材29がネジ止め、若しくは溶接などの結合手段によって固定されている。水平梁23を垂直支柱22に取り付けるには、支柱用連結部材29に形成された貫通孔28と柱部材24に形成された取付孔26とを位置合わせしてボルトなどの締結具で締結すればよい。
【0034】
図6は足場板支持梁30を示す斜視図である。足場板支持梁30は、持ち送り枠もしくはブラケット枠とも称されており、図6に示すように、チャンネル材に加工が施され、柱部材24に形成された取付孔26に対応する貫通孔31が形成された足場用連結部材32を有する。足場用連結部材32の両端部のそれぞれには、丸パイプ部からなる支持梁本体33と支持梁補助部34とが足場用連結部材32に対して直角方向に溶接などの結合手段を用いて固定されており、支持梁本体33および支持梁補助部34の内部には、それぞれ摺動パイプ33a、34aが嵌め合わされている。これにより、装着される足場板の幅寸法に応じて足場板支持梁30の長手方向の寸法を自在に調節することができる。図示された支持梁本体33および支持梁補助部34は、丸パイプで構成されているが、角パイプで構成されてもよい。また、摺動パイプ33a、34aの先端には、図示しない手摺り材を装着するための受け部35が摺動パイプ33a、34aに対して直角方向に溶接などの結合手段によって固定されている。
【0035】
図7は図1のC部を拡大して示した斜視図である。図7において、足場板は省略されている。図6に示したような足場板支持梁30を垂直支柱22に取り付けるには、図7に示すように、足場用連結部材32に形成された貫通孔31と垂直支柱22に形成された取付孔26とに止めピンまたはボルトなどの足場用締結具36を用いて締結する。これにより、相互に隣り合う足場板支持梁30の垂直支柱22に対する取り付け高さを同一に揃えることができる。
【0036】
図2に示されるように、足場板支持梁30は、それぞれの垂直支柱22に取り付けられており、水平方向に隣り合う足場板支持梁30相互間には足場板37が着脱自在に装着されるようになっている。ただし、ユニット枠体21に足場板支持梁30と足場板37を取り付けることなく、安全ネット19のみを取り付けるようにしても良く、安全ネット19を取り付けることなく、足場板支持梁30を介して足場板37のみを取り付けるようにしても良い。
【0037】
図8(A)は足場板37を示す平面図であり、図8(B)は足場板37を示す正面図である。足場板37として布板と称されているものが使用されている。図8(A)(B)に示すように、足場板37は、枠体部38の上面に布板部39が設けられ、枠体部38の長手方向の両端面にそれぞれ幅方向に間隔を隔ててフック40が設けられており、フック40を足場板支持梁30の支持梁本体33に掛け留めることによって、足場板支持梁30に対して着脱自在に装着される。
【0038】
枠体部38は、鉄などの金属薄板の折り曲げ、打ち抜き、またはプレス加工を経て製造してもよいし、角パイプ若しくは丸パイプを組み合わせて構成してもよい。また、この実施の形態では、布板部39にエキスパンドメタル等の金属メッシュが用いられているが、金属板の表面に多数の穴を設けた多孔板や、金属板の表面に多数の微小な凹凸模様を付したものを用いても良い。
【0039】
図9は、締結具A41を示した斜視図である。図9に示すように、締結具A41は、角パイプに加工が施された締結梁42と、締結梁42に直角方向に固定された締結補助部材43と、締結補助部材43の柱部材24に対向する面上に固定された締結部材44と、締結梁42に回転自在に連結される締結アームA45と、締結梁42と締結補助部材43に対して垂直方向に突設されたガイド連結部材46とを有し、締結梁42と直角に固定された締結補助部材43との間には三角状のプレートからなる補強部材47が固定されており、締結具A41の機械的強度が確保されている。締結部材44には、柱部材24の軸方向に等間隔で形成された取付孔26と同じ間隔で同径の締結孔48が複数形成されている。これより図7に示すのと同様の締結部材44を用いることで、柱部材24に締結具A41を締結保持することができる。締結アームA45は、板材を直角方向に曲げたものを、締結梁を挟み込むように相互に向かい合わせて配置し、先端部をそれぞれに溶接されるスペーサ45aによって固定することにより形成されている。ただし、締結アームA45は、溶接などの方法で2枚の板材を直角に固定してもよい。さらに、締結梁42側面にはヒンジ穴42a,42bが、締結アームA45側面にはヒンジ部42a,42bの位置に対応してヒンジ穴45b,45cが形成されている。これらのヒンジ穴の間隔はヒンジ穴42c(45c)から先端部45dまでの長さよりも短くしてある。このようなヒンジ構造にあっては、両ヒンジ部を締結ボルト50a,50bを用いて連結することにより、締結梁42および締結アームA45を水平に保持することができる。そして、締結ボルト50aを引き抜いてヒンジ部49aにおける締結を解除した場合には、ヒンジ部49bを回転支点として、ガイド連結部材46と衝突しない範囲内において、締結アームA45を上下に回転自在とすることができるとともに、無負荷状態にあっては、常に矢印aの方向に締結アームA45が回転することになる。締結具A41の締結アームA45の先端にはアンカーボルト取付孔51が形成されている。これより、躯体部11にアンカーボルト52で固定することで締結具A41を所定の位置で保持することができる。締結梁42底面の所定の位置には、締結梁42と連結補助部材43のそれぞれに対して垂直となる方向にガイド連結部材46が固定されている。ガイド連結部材46は、ガイド保持部材53を挿入するために中空パイプで構成され、挿入されたガイド保持部材53が抜け落ちるのを防ぐための保持具54の取付孔55形成されている。なお、加工が施された角パイプからなる締結梁42と締結部材44と締結補助部材43は、丸パイプやその他の板材を加工したものであっても良く、ガイド連結部材46は丸パイプなどの中空材であってもよい。
【0040】
図10はガイドローラ56を示す斜視図である。ガイドローラ56は、ガイドローラ支持部57とガイドローラ部58からなる。ガイドローラ支持部57にはアンカーボルト取付孔59が形成され、一端部に支持片58aが取り付けられている。ガイドローラ部58は軸方向両端に回転体58bがそれぞれ結合された回転軸58cと、それを回転自在に支持する支持片58aとを有する。このようなガイドローラ支持部57を躯体部11に固定すれば、ガイドローラ56に案内されてガイド部材60を有するユニット枠体21を上下動させることができる。
【0041】
図11は、図1のD部を拡大して示した斜視図である。締結具A41は基端部41a側で、チェーンにより締結具A41に取り付けられた固定具61により垂直支柱22に固定され、締結具A41の先端部41bはアンカーボルト52により躯体部11に固定され、締結梁42と締結アームA45はヒンジ結合している。ガイド部材60には水平方向にガイド保持部材53が取り付けられており、ガイド保持部材53は中空のガイド連結部材46に挿入されている。ガイドローラ支持部57はアンカーボルト52により躯体部11に固定され、回転体58bがガイド部材60のガイド溝60aに嵌め合わされている。このように各部材を構成配置することで、後述するように、外面塗布作業時などの建築作業中には確実に連層式作業装置20を所定の高さで保持し、登攀作業時には強風等の外圧の影響を受けることなく所定の位置まで連層式作業装置20を迅速に移動することが可能となる。なお、ガイド連結部材46にはガイドローラ56を締結しても良く、この場合は躯体部11にガイド部材60が固定されることになる。
【0042】
図1〜図3に示す実施例にあっては、ガイド部材60とユニット枠体21とを上下方向に駆動するために上下動機構62が備えられている。この上下動機構62は、ユニット枠体21に水平に突設された支持腕62aと、支持腕62aの先端に設けられたウインチなどの巻上げ機62bとを有しており、巻上げ機62bのワイヤ63がユニット枠体21に固定されている。したがって、締結具A41の建築物に対する締結を解除した状態でワイヤ63を巻き取ればユニット枠体21を上昇移動させることができる。なお、ワイヤ63の取付部分はユニット枠体21のみならず、ガイド部材60がユニット枠体21に固定され一体として移動する本実施例にあっては、ガイド部材60に取り付けることもできる。
【0043】
つぎに、連層式作業装置20の使用方法の一実施例について説明する。
【0044】
図12は本発明の連層式作業装置20の初期使用状態を示す説明図であり、図13は本発明の連層式作業装置20の上昇移動を開始する状態を示す説明図であり、図14は本発明の連層式作業装置20の上昇移動が終了した状態を示す説明図であり、図15は本発明の連層式作業装置20の盛替作業が完了した状態を示す説明図である。
【0045】
建築物10の外面塗装作業など種々の建築作業を行うには、まず所定の台数の連層式作業装置20を建築物10下層部の周囲全体もしくは必要な箇所に配置する。図12に示すように、連層式作業装置20は、ガイド部材60の複数の締結具A41により、各躯体部11a,11b,11cに固定されている。
【0046】
ユニット枠体21のそれぞれの垂直支柱22には、複数の足場板支持梁30が締結され、それぞれの足場板支持梁30の支持梁本体33には足場板37が着脱自在に敷設されており、作業者は足場板37の上で外面塗装など種々の建築作業を行う。
【0047】
建築作業の進行にともなって、下層階での作業が完了し、更に上層階での建築作業を行うには、図13に示すように、まず、ユニット枠体21に設けられた締結具A41の各躯体部11a,11b,11cに対する締結を解除するとともに、ヒンジ部49aの締結を解除する。つぎに、上下動機構62の巻上げ機62bを駆動させてワイヤ63を巻き上げ、ユニット枠体21を吊り上げる。そうすると、締結アームA45は自動的に矢印bの方向に回転するので、ユニット枠体21の上下動時に締結アームA45が各躯体部11a〜11eと衝突する事態を回避することができる。その後、図14に示すように、次に作業を行う階層部分の高さに締結アームA45を水平位置に回転させることができる高さを加えた位置にまでユニット枠体21を吊り上げる。そして、締結アームA45を矢印cの方向に水平になるまで回転させ、ヒンジ部49aを締結状態とし、締結アームA45を水平位置に保持する。最後に、図15に示すように水平位置にある締結アームA45が躯体部と接触する位置にまでユニット枠体21を下降させ、それから締結アームA45をアンカーボルト54にて各躯体部11b,11c,11dに固定する。
【0048】
このように作動する本発明の連層式足場装置20は、ユニット枠体21と一体として移動するガイド部材60が各躯体部11a〜11dに固定されたガイドローラ56に案内されることで、強風などの揺れにより連層式作業装置20が所定の位置からずれるのを防ぐことができる。したがって、常に安定した状態で迅速確実に盛替作業を行うことができる。なお、上述したように、ガイド連結部材46にはガイドローラ56を締結しても良く、この場合は各躯体部11a〜11dに固定されるガイド部材60により案内されることになる。
【0049】
1つの連層式作業装置20は建築物10の複数階分の上下寸法と、所定の幅寸法を有しており、建築物10に対しては複数の連層式作業装置20が使用される。図1に示されるように、1つの連層式作業装置20と他の連層式作業装置20は所定の間隔を隔てて建築物10の外側に配置される。そこで、1つの連層式作業装置20からこれに隣接する他の連層式作業装置20に作業者が移動し得るように、ユニット枠体21の一方の側辺に位置する足場板支持梁30には、渡り足場板37が回転自在に装着されている。
【0050】
図1に示すように、ユニット枠体21の一方の側辺に位置する垂直支柱22には、梯子64が取り付けられている。垂直支柱22には、図示しない梯子支持梁が所定の間隔毎にユニット枠体21の外方に向けてユニット枠体21の外面に平行となって水平に取り付けられており、梯子64は梯子支持梁に取り付けられている。したがって、作業者が上下方向に足場を移動する際には、梯子64を上り下りすることになる。
【0051】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0052】
たとえば、垂直支柱22は、図4に示したような所定の間隔で複数形成された柱部材取付孔26を有する断面コの字形状の柱部材24で構成されたものに限られず、取付孔26を有しない断面円形状の柱部材65で構成されていてもよい。このような柱部材65からユニット枠体21に組み上げるのに、例えば図16に示すようなビーム支持部材66を用いることができる。このビーム支持部材66は、部材中央部にビーム材67の挿入孔66aが形成されており、その両側面には柱部材65に形成された取付孔65aに嵌入される突出部66bが複数形成されている。図17は、このビーム支持部材66を用いてユニット枠体21の組上作業を行う状態を示した説明図である。2本の柱部材65に嵌入されたビーム支持部材66の挿入孔66aにはビーム材67が挿入されている。このようなビーム支持部材66を用いることで、各垂直支柱22を垂直方向に任意の間隔で容易に立て置くことができ、ユニット枠体21の組上作業を迅速かつ効率的に行うことができる。なお、この場合、垂直支柱22と水平梁23の締結にはクランプ等を用いることができる。
【0053】
図18は垂直支柱22と足場板支持梁30との他の締結方法を示した斜視図である。このように図6に示す足場板支持梁30を用いる場合にあっては、垂直支柱22は図4に示すような形状のものに限られず、図18に示すような角パイプを柱部材24として用いることも可能である。図19は、図18に示すような各パイプを柱部材24として用いる場合の柱部材24と締結具A41との他の締結方法を示した斜視図である。垂直支柱22が図18に示したような角パイプからなる場合にあっては、締結部材44を図19に示すような形状に加工することで、角パイプよりなる柱部材24に締結具A41を取り付けることができる。
【0054】
締結具による躯体部11への締結手段も上記実施例に限られるものではない。図20(A)は締結具B68を示した斜視図であり、(B)は締結駒72a付きボルト72を示した斜視図であり、(C)は金具71を貫通し、アンカーボルト挿入プレート70と一体に形成されたボルト72を示した斜視図である。図20(A)において、締結具A41と同じ部品が用いられるものには図9で示したのと同じ番号が付されている。図20(A)に示すように、締結具B68は、締結アームB69の先端の形状のみが異なる。すなわち、締結アームB69は、その先端部に、締結駒72aを有するボルト72と一体に形成されたアンカーボルト挿入プレート70と、締結アームB69に固定されボルト72の挿入孔71aが形成された金具71を有している。これより、各階ごとに突設して築造される躯体部の間隔に多少のズレが生じていても、金具71に挿入されたボルト72に嵌合されるナット73を調整することによりアンカーボルト挿入プレート70を上下に移動させることができ、躯体部11上面に対して水平に締結具B68を固定することが可能となる。図21は、締結具B68の躯体部11への締結状態を拡大して示した側面図である。図21に示すように、ガイド連結部材46とガイド連結部材46に挿入されたガイド保持部材53は固定具61により固定されている。また、締結アームB69に固定された金具71に形成されたボルト72の挿入孔71aには、締結駒72aを有しアンカーボルト挿入プレート70と一体に形成されたボルト72が貫通している。金具71とアンカーボルト挿入プレート70の間にはナット73が嵌合されている。このように構成された締結アームB69にあっては、ナット73の締結を緩めることで、アンカーボルト挿入プレート70を上下に移動させることができ、アンカーボルト挿入プレート70の垂直位置を可変にすることができる。
【0055】
図22は、締結具C74を示した斜視図である。図22において、締結具A41と同じ部品が用いられるものには図9で示したのと同じ番号が付されている。締結具C74は、締結アームC75の先端の形状のみが異なる。締結具C74は、ネジ穴が形成された筒体76と、把持部77を有するネジ78と、ネジ78を回転自在とするアンカーボルト挿入プレート79に取り付けられた回転支持体80とを有する。このように構成される締結具C74にあっては、把持部77を特定の方向に回転させることで、アンカーボルト挿入プレート79を上下動させることができる。したがって、躯体部11の間隔にズレが生じていても、アンカーボルト挿入プレート79を上下に移動させることで、躯体部11上面に対して水平に締結具C74を固定することが可能となる。
【0056】
締結具A41,B68,C74については、それぞれの締結アームA45,B69,C75は上下方向に回動する場合についてのみ言及したが、これを水平方向に回動するようにしても良い。図23は水平回転が可能な締結具の一実施例を示した斜視図である。図23に示すように、締結梁82と締結アームD83の側面部を複数個のヒンジ84を用いてヒンジ結合することで、図示する矢印の方向に回動自在とすることもできる。
【0057】
さらに、締結具の躯体部11への締結手段もアンカーボルト52による締結に限定されるものではなく、図23に示した締結アームD83のような構成とすることも可能である。この締結アームD83にはスリーブ85が摺動自在に嵌合されており、スリーブ85に対して締結アームD83と平行にネジ結合された締結ネジ86の先端には、躯体部11の内面に接触する締結駒86aが設けられている。締結アームD83には複数の位置決め孔87が形成され、躯体部11の厚み寸法にあわせて何れかの位置決め孔87に、図示しない止めピンなどの固定具を打ち込むことにより、スリーブ85の締結アームD83に対する位置を設定することができる。
【0058】
このように躯体部11への締結手段として用いられる締結具の締結アームの回動方向は、上下方向または水平方向のいずれに設定しても良く、躯体部11への締結方法もアンカーボルト54または図23に示したスリーブ85と締結ネジ86を用いた方法のいずれに設定しても良く、その組合せ方は、躯体部11の形状、ユニット枠体21の総重量等に基づいて好適な選択を行うことができる。
【0059】
その他、本発明は以下の形態で実施することも可能である。
【0060】
たとえば、それぞれのユニット枠体21のサイズおよびユニット枠体21に装着される足場板37の段数は建築現場に応じて任意に設定することができる。
【0061】
また、前記実施の形態では、上下動機構62は、巻上げ機62bとしてウインチを想定しているが、これ以外の機構、例えば手動の巻上げ機を用いても良いし、図示した態様以外にも、滑車を設けたり、取付位置を調整するなどして様々な態様を取り得る。たとえば、最上階からワイヤ63を垂らし、これをユニット枠体21に取り付けたホイスト等による巻取り機でワイヤを巻き取ることで上下動を行うことも可能である。ここで、最上階に滑車を設けて、一端部を巻取り機に他端部をユニット枠体や建築物に取り付けた後、前記巻取り機を作動させることでユニット枠体を上下動するようにしてもよい。さらに、ワイヤ63に代えてチェーンやロープを用いても良い。とくに、前記実施の形態では、連層式作業装置20を上層階へ移動させる場合についてのみ言及しているが、下層階へ移動させることも可能である。加えて、これまでユニット枠体21を上下動させる場合についてのみ言及したが、クレーン等を用いることで枠体21を水平移動させるようにしても良い。
【0062】
さらに、図示する場合にはユニット枠体21に足場板37を取り付ける場合について説明したが、足場板37を取り付けることなく、安全ネット19のみをユニット枠体21に取り付けるようにしても良い。
【0063】
【発明の効果】
上述したように、本発明の連層式足場装置およびその作業方法によれば、ユニット枠体と一体として移動するガイド部材(又はガイドレール)が躯体部に固定されたガイドレール(又はガイド部材)に案内されることで、強風などの揺れにより連層式作業装置が所定の位置からずれるのを防ぐことができ、常に安定した状態で盛替作業を行うことができる。
【0064】
しかも、垂直支柱と水平梁とが一体に形成されたユニット枠体を用いているので、足場板および安全ネットを取り付けたまま上層階に移動することができ、迅速に盛替作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連層式作業装置を建築物の外側に取り付けた状態を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う方向の矢視図である。
【図3】図1におけるB−B線に沿う方向の矢視図である。
【図4】(A)は柱部材の側面図であり、(B)は柱部材の正面図であり、(C)は柱部材の一部を示す斜視図である。
【図5】(A)は梁部材の部分断面図であり、(B)は梁部材の正面図であり、(C)は梁部材の一部を示す斜視図であり、(D)は梁部材の一部を示す斜視図である。
【図6】足場板支持梁を示す斜視図である。
【図7】図1のC部を拡大して示した斜視図である。
【図8】(A)は足場板の平面図であり、(B)は足場板の正面図である。
【図9】締結具Aを示した斜視図である。
【図10】ガイドローラを示す斜視図である。
【図11】図1のD部を拡大して示した斜視図である。
【図12】本発明の連層式作業装置の初期使用状態を示す説明図である。
【図13】本発明の連層式作業装置の上昇移動を開始する状態を示す説明図である。
【図14】本発明の連層式作業装置の上昇移動が終了した状態を示す説明図である。
【図15】本発明の連層式作業装置の盛替作業が完了した状態を示す説明図である。
【図16】ユニット枠体の組上作業に用いるビーム支持部材を示した説明図である。
【図17】ビーム支持部材を用いてユニット枠体の組上作業を行う状態を示した説明図である。
【図18】垂直支柱と足場板支持梁との他の締結方法を示した斜視図である。
【図19】垂直支柱と締結具との他の締結方法を示した斜視図である。
【図20】(A)は締結具Bを示した斜視図であり、(B)は締結駒付きボルトを示した斜視図であり、(C)は金具を貫通し、アンカーボルト挿入プレートと一体に形成されたボルトを示した斜視図である。
【図21】締結具B68の躯体部への締結状態を拡大して示した側面図である。
【図22】締結具Cを示した斜視図である。
【図23】水平回転が可能な締結具Dを示した斜視図である。
【符号の説明】
10 建築物
11a〜11e 躯体部
19 安全ネット
20 連層式作業装置
21 ユニット枠体
22 垂直支柱
23 水平梁
24 柱部材
24a チャンネル材
24b ジョイント部材
24c スペーサ
25 梁部材
25a チャンネル材
25b ジョイント部材
25c スペーサ
26 柱部材取付孔
27 梁部材取付孔
28 貫通孔
29 支柱用連結部材
30 足場板支持梁
31 貫通孔
32 足場用連結部材
33 支持梁本体
33a 摺動パイプ
34 支持梁補助部
34a 摺動パイプ
35 受け部
36 足場用締結具
37 足場板
38 枠体部
39 布板部
40 フック
41 締結具A
41a 基端部
41b 先端部
42 締結梁
42a,42b ヒンジ穴
43 締結補助部材
44 締結部材
45 締結アームA
45a スペーサ
45b,45c ヒンジ穴
45d 先端部
46 ガイド連結部材
47 補強部材
48 締結孔
49a,49b ヒンジ部
50a,50b 締結ボルト
51 アンカーボルト取付孔
52 アンカーボルト
53 ガイド保持部材
54 保持具
55 取付孔
56 ガイドローラ
57 ガイドローラ支持部
58 ガイドローラ部
58a 支持片
58b 回転体
58c 回転軸
59 アンカーボルト取付孔
60 ガイド部材
60a ガイド溝
61 固定具
62 上下動機構
62a 支持腕
62b 巻上げ機
63 ワイヤ
64 梯子
65 柱部材
65a 取付孔
66 ビーム支持部材
66a 挿入孔
66b 突出部
67 ビーム材
68 締結具B
69 締結アームB
70 アンカーボルト挿入プレート
71 金具
71a 挿入孔
72 ボルト
72a 締結駒
73 ナット
74 締結具C
75 締結アームC
76 筒体
77 把持部
78 ネジ
79 アンカーボルト挿入プレート
80 回転支持体
81 締結具D
82 締結梁
83 締結アームD
84 ヒンジ
85 スリーブ
86 締結ネジ
86a 締結駒
87 位置決め孔

Claims (14)

  1. 上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、
    前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、
    前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイドローラに案内されて上下方向に移動するガイド部材と、
    前記ユニット枠体に前記建築物に向けて水平に突設され、足場板を支持する足場板支持梁とを有し、
    前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイドローラに案内されて前記ユニット枠体と前記ガイド部材を上下動させることを特徴とする連層式作業装置。
  2. 上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、
    前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、
    前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイド部材に案内されて上下方向に移動するガイドローラと、
    前記ユニット枠体に前記建築物に向けて水平に突設され、足場板を支持する足場板支持梁とを有し、
    前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイド部材に案内されて前記ユニット枠体と前記ガイドローラを上下動させることを特徴とする連層式作業装置。
  3. 上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、
    前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、
    前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイドローラに案内されて上下方向に移動するガイド部材と、
    前記ユニット枠体に装着される安全ネットとを有し、
    前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイドローラに案内されて前記ユニット枠体と前記ガイド部材と前記安全ネットを上下動させることを特徴とする連層式作業装置。
  4. 上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、
    前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、
    前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイド部材に案内されて上下方向に移動するガイドローラと、
    前記ユニット枠体に装着される安全ネットとを有し、
    前記ユニット枠体の前記建築物に対する締結を解除することで、前記ガイド部材に案内されて前記ユニット枠体と前記ガイドローラと前記安全ネットを上下動させることを特徴とする連層式作業装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記締結アームは締結駒を有するボルトと一体に形成されたアンカーボルト挿入プレートと、前記締結アームに固定され前記ボルトの挿入孔を形成した金具を有し、前記金具に挿入された前記ボルトに嵌合されるナットを調整することにより前記アンカーボルト挿入プレートを上下に移動させることを特徴とする連層式作業装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記締結アームは、把持部を有するネジと、前記締結アームに固定され、前記ネジが嵌入されるネジ穴が貫通して形成された筒体と、前記ネジの一端部に取り付けられ、前記ネジを回転自在とする回転支持体を搭載するアンカーボルト挿入プレートとを有し、前記筒体に嵌入された前記ネジに取り付けられた把持部を回動させることにより前記アンカーボルト挿入プレートを上下に移動させることを特徴とする連層式作業装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、建築物最上階に設けられた巻上げ機と、両端が前記巻上げ機および前記ユニット枠体に固定されたワイヤとを有し、前記巻上げ機を作動させると前記ユニット枠体が建築物に対して上下動することを特徴とする連層式作業装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、建築物最上階に設けられた滑車と、前記ユニット枠体に備えられた巻取り機と、前記滑車を介して両端を前記ガイド部材および前記巻取り装置に取り付けられたワイヤとを有し、前記巻取り機を作動させると前記ユニット枠体が建築物に対して上下動することを特徴とする連層式作業装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記垂直支柱のそれぞれは、上下端部に連結部を有し、かつ、長手方向に沿って所定間隔毎に取付孔が形成された柱部材を上下方向に複数連結して形成され、前記水平梁のそれぞれは、水平端部に連結部を有する梁部材を水平方向に複数連結してそれぞれ形成されたことを特徴とする連層式作業装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記柱部材は、逆向きに対向して配置され、スペーサを介して結合された一対のチャンネル材によって構成され、前記チャンネル材のそれぞれの対向面には、長手方向に沿って所定間隔毎に取付孔が形成されていることを特徴とする連層式作業装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記梁部材は、逆向きに対向して配置され、スペーサを介して結合された一対のチャンネル材によって構成され、前記柱部材の前記取付孔に対応する貫通孔が形成された連結部を有することを特徴とする連層式作業装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記垂直支柱に取り付けられる前記締結具は、前記柱部材の前記取付孔に対応する貫通孔が形成された連結部を有することを特徴とする連層式作業装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の連層式作業装置において、前記ユニット枠体の側辺に外方に向けて前記ユニット枠体に平行となって水平に突設される梯子支持梁と、上下方向に隣り合う前記梯子支持梁との間に取り付けられる梯子と、前記側辺に位置する前記足場板支持梁に回動自在に装着される渡り足場板とを有し、作業者が前記梯子を介して上下に移動し得るとともに前記渡り足場板を介して相互に隣り合う連層式作業装置に移動し得ることを特徴とする連層式作業装置。
  14. 上下方向に延びる複数本の垂直支柱と水平方向に延びて前記垂直支柱に連結される複数本の水平梁とを有し、建築物の外側に配置されるユニット枠体と、前記ユニット枠体に前記建築物に向けて突出して固定される複数の締結梁およびそれぞれの前記締結梁に回転自在に装着され前記建築物に締結される締結アームを備えた締結具と、前記締結梁に取り付けられ、前記建築物に着脱自在に取り付けられたガイドローラに案内されて上下方向に移動するガイド部材とを有する連層式作業装置の作業方法であって、
    前記締結具の前記建築物に対する締結を解除し、前記締結アームを退避位置に回転移動させる締結解除工程と、
    前記ユニット枠体に取り付けられた前記ガイド部材を、前記ガイドローラに案内されて上下方向に移動させる登攀工程と、
    前記締結アームを締結位置に回転移動させ、前記締結具の前記建築物に対して締結を行う締結工程とを有することを特徴とする連層式作業装置の作業方法。
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