JP4037800B2 - 照明方法、表面状態検出方法および表面状態検出装置 - Google Patents

照明方法、表面状態検出方法および表面状態検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物の表面状態を検出するために好適に用いられる照明方法、表面状態検出方法および表面状態検出装置に関する。
【0002】
本発明において、全位置光通過領域付近は全位置光通過領域を含む。また本発明において、境界付近は境界を含む。
【0003】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ用の液晶パネル基板の製造では、たとえばガラスなどの絶縁基板の一表面部に、アクティブマトリックス形の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、略称TFT)などの高性能な半導体素子を形成する。このような液晶パネル基板の製造工程では、金属、シリコンおよび樹脂などの薄膜を形成する成膜工程、フォトリソグラフィ工程によるパターン形成工程などを経て、所望の回路および薄膜トランジスタを形成する。
【0004】
液晶パネル基板の製造工程では、膜欠損および異物突起などの凹凸形状の欠陥が生じることがある。このような凹凸形状の欠陥は、回路動作および絶縁などの不良を生じ、液晶パネル基板の誤動作を招く。このため、液晶パネル基板の製造工程では外観検査を行い、この外観検査の結果を品質管理に役立てている。
【0005】
外観検査に関する第1の従来技術としては、基板の配線パターンを十分に識別し得る分解能のカメラを用いて、基板を撮像して、基板の画像を生成し、この基板の画像から基板上の繰り返しパターンを除去し、繰り返しパターンを除いた残余の画像部分を異物として検出する技術(特許文献1)が提案されている。
【0006】
また外観検査に関する第2の従来技術としては、低分解能のカメラを用いて基板を撮像して、凹凸形状の欠陥を検出する技術(特許文献1)が提案されている。この従来技術では、基板を斜め上方から照明し、基板の法線方向から前記カメラで基板を撮像する。基板の画像は、基板面の明度が低くなり、異物などの凹凸形状の欠陥の明度が高くなる。この従来技術の光学系は、顕微鏡などの分野では暗視野と呼ばれる光学系に相当する。このような光学系を利用すれば、分解能未満の寸法の異物の明度が増加するので、低い分解能のカメラで撮像した画像であっても、異物の所在を観察することができる。
【0007】
前記光学系では、基板の全面を照明する必要がある。そこで、複数の光ファイバを予め定める方向に沿って配列し、これらの光ファイバによって、光源からの照明光を導光し、出射する。さらに光ファイバから出射された照明光を、シリンドリカルレンズによって、略平行光に変換する。この略平行光に変換された照明光によって、基板を照明する。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−175520号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
液晶パネル基板は、表示機器の大画面化および低価格化を目的とした基板の大形化と、高精細な情報表示を目的とした回路パターンの微細化とが進展している。これに伴い、基板撮像用カメラの高分解能化および撮像範囲の増加が進められている。
【0010】
前記第1の従来技術では、基板の回路パターンの微細化に対応するためにカメラを高分解能化する必要がある。このようにカメラを高分解能化したうえで、大形化した基板を撮像すると、取得すべきデータ量が非常に大きくなる。それ故、凹凸形状の欠陥を検出するための検出時間が増大するという問題がある。また画像を高速で演算処理するための装置が必要となり、その分、装置全体の製作コストが増大するという問題がある。
【0011】
前記第2の従来技術では、計測および検査の検出感度を均一化するために、基板全体にわたって均一な照明条件で照明を行なう必要がある。すなわち基板が一定の照射角度および照度で照明されることが望ましい。
【0012】
光ファイバの出射端部は、大きさが極小である理想的な点光源ではなく、予め定める大きさを有する。この光ファイバから出射され、シリンドリカルレンズを通過した照明光には、シリンドリカルレンズの光軸に対して平行な光線だけでなく、前記光軸に対して傾斜した光線も含まれる。つまり光ファイバから出射され、シリンドリカルレンズを通過した照明光は、完全な平行光とはならない。
【0013】
このように照明光は完全な平行光ではないので、照明光内には光線の粗密の分布が発生する。大形化された基板の全面を照明するためには、基板に対する照射角度を低角度にする必要があるので、基板が照明されていても、基板の配置によっては、基板の各部分の照度が異なるという場合がある。基板の各部分の照度が異なる場合、検出感度にむらが発生する。すなわち検出性能に、基板内の場所に依存する差異が発生してしまう。
【0014】
したがって本発明の目的は、安価な装置で、対象物の表面状態を、短時間で、対象物全体にわたって確実に検出することを可能にする照明方法、表面状態検出方法および表面状態検出装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一直線状に延びる出射端部から照明光を発散光として発する照明手段と、一直線状に延び、前記出射端部に対して平行に配置され、前記出射端部から発せられて前記出射端部の幅方向に発散する照明光を、略平行光に変換する光学手段とを用いて、板状の対象物の一表面部を照明する照明方法であって、
前記出射端部の幅方向に関する全ての位置から発せられた照明光が光学手段を通過した後に通過する全位置光通過領域付近に、前記対象物の一表面部を配置することを特徴とする照明方法である。
【0016】
本発明に従えば、照明手段および光学手段を用いて板状の対象物の一表面部を照明する。照明手段は、一直線状に延びる出射端部から照明光を発散光として発する。この照明手段の出射端部から発せられて出射端部の幅方向に発散する照明光を、光学手段によって略平行光に変換する。特に、前記出射端部の幅方向に関する全ての位置から発せられた照明光が光学手段を通過した後に通過する全位置光通過領域付近に、対象物の一表面部を配置する。これによって対象物の一表面部の照度を、対象物の一表面部の表面全体にわたって、高くし、かつ均一化することができる。
【0017】
詳細に説明すると、照明手段の出射端部の幅方向に関する各位置から発せられた照明光が光学手段を通過して略平行光に変換されるとともに、出射端部の幅方向に関する各位置にそれぞれ対応する各光通過領域が形成される。したがって、出射端部の幅方向に関する全ての位置に対応する全位置光通過領域付近に、対象物の一表面部を配置することで、対象物の一表面部の表面全体にわたる照度を均一化することができるうえ、必要十分な照度を得ることが可能となる。逆に言えば、対象物の一表面部の配置位置に起因する照度の不均一および照度不足を未然に防止することができる。
【0018】
前述のように対象物の一表面部を照明しつつ、たとえば、対象物の一表面部の画像を取得し、その画像に基づいて対象物の一表面部の表面状態を検出する。この場合、対象物の一表面部の照度が、対象物の一表面部の表面全体にわたって、高く、かつ均一化されているので、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0019】
前述のように対象物の一表面部の画像を取得して対象物の一表面部の表面状態を検出するにあたっては、分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、対象物の一表面部の表面状態を検出するための検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0020】
また本発明は、前記全位置光通過領域と他の領域との境界付近に、前記対象物の一表面部を配置することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、対象物の一表面部は、全位置光通過領域と他の領域との境界付近に、配置される。これによって、より大きな対象物の一表面部を、高く、かつ均一な照度で、照明することが可能となる。
【0022】
本件発明者の実験によれば、前記境界付近に対象物の一表面部が配置されたときに、対象物の一表面部の照度が最も高くなることが判明している。また照明手段からの離反に伴う対象物の一表面部の照度の低下が最も小さくなることも判明している。したがって前記境界付近に対象物の一表面部を配置することによって、対象物の一表面部の照度を極力高くするとともに、対象物の一表面部表面全体にわたる照度のさらなる均一化を図ることができる。
【0023】
また本発明は、複数の照明手段を、前記対象物の一表面部に関して対称に配置することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、複数の照明手段が、対象物の一表面部に関して対称に配置される。照明手段から発せられた照明光は、照明手段から離反するにつれて徐々に減衰してしまう。この点を考慮して、複数の照明手段を対象物の一表面部に関して対称に配置し、これによって、一の照明手段から離反した対象物の部分の照度を、他の照明手段による照明光によって高め、対象物の一表面部の表面全体にわたる照度の均一化を図ることができる。
【0025】
また本発明は、前記照明方法を用いて照明された前記対象物の一表面部の画像を取得し、その画像に基づいて前記対象物の一表面部の表面状態を検出する表面状態検出方法である。
【0026】
本発明に従えば、前述のいずれかの照明方法を用いて照明された対象物の一表面部の画像を取得し、その画像に基づいて対象物の一表面部の表面状態を検出する。このとき、対象物の一表面部の照度が、対象物の一表面部の表面全体にわたって、高く、かつ均一化されているので、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0027】
前述のように対象物の一表面部の画像を取得して対象物の一表面部の表面状態を検出するにあたっては、分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、対象物の一表面部の表面状態を検出するための検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0028】
また本発明は、一直線状に延びる出射端部から照明光を発散光として発する照明手段と、
一直線状に延び、前記出射端部に対して平行に配置され、前記出射端部から発せられて前記出射端部の幅方向に発散する照明光を、略平行光に変換する光学手段と、
前記出射端部の幅方向に関する全ての位置から発せられた照明光が光学手段を通過した後に通過する全位置光通過領域付近に、板状の対象物の一表面部が配置されるように、前記対象物を保持する保持手段と、
照明手段および光学手段と協働して前記対象物の一表面部の画像を取得する観察手段と、
観察手段によって取得される画像を処理して、前記対象物の一表面部の表面状態を検出する画像処理手段とを含むことを特徴とする表面状態検出装置である。
【0029】
本発明に従えば、照明手段は、一直線状に延びる出射端部から照明光を発散光として発する。この照明手段の出射端部から発せられて出射端部の幅方向に発散する照明光を、光学手段によって略平行光に変換する。保持手段は、前記出射端部の幅方向に関する全ての位置から発せられた照明光が光学手段を通過した後に通過する全位置光通過領域付近に、対象物の一表面部を保持し、観察手段は、照明手段および光学手段と協働して、対象物の一表面部の画像を取得する。画像処理手段は、観察手段によって取得される画像を処理して、対象物の一表面部の表面状態を検出する。これによって、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0030】
詳細に説明すると、照明手段の出射端部の幅方向に関する各位置から発せられた照明光が光学手段を通過して略平行光に変換されるとともに、出射端部の幅方向に関する各位置にそれぞれ対応する各光通過領域が形成される。したがって、出射端部の幅方向に関する全ての位置に対応する全位置光通過領域付近に、対象物の一表面部が配置されるように、保持手段によって対象物を保持することで、対象物の一表面部表面全体にわたる照度を均一化することができるうえ、必要十分な照度を得ることが可能となる。逆に言えば、対象物の一表面部の配置位置に起因する照度の不均一および照度不足を未然に防止することができる。
【0031】
このように照明手段および光学手段によって対象物の一表面部を照明しつつ、観察手段によって対象物の一表面部の画像を取得し、その画像を、画像処理手段によって演算処理して、対象物の一表面部の表面状態を検出する。このとき対象物の一表面部は、高く、かつ均一な照度で照明されているので、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0032】
前述のように対象物の一表面部の画像を取得して対象物の一表面部の表面状態を検出するにあたっては、観察手段の分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、画像処理手段による対象物の一表面部の表面状態の検出に要する検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0033】
また本発明は、前記画像処理手段によって検出される表面状態の結果を出力する出力手段をさらに含むことを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、画像処理手段によって検出される表面状態の結果を、出力手段によって出力する。これによって前記結果を、たとえば作業者および情報システムなどに与えることができ、前記結果に応じた対象物の処置が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の照明方法を用いて対象物11を照明している状態を模式的に示す模式図である。図2は、照明手段12および光学手段13と、対象物11との位置関係を示す斜視図である。図3は、各光ファイバ14の配列状態の一例を示す正面図である。本実施形態の照明方法は、対象物11の表面状態を検出するために好適に用いられる。
【0036】
前記対象物11は、予め定める仮想一平面に沿う一表面部16を有する。この対象物11は、たとえば板状体である。本実施形態においては、対象物11として、たとえば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、略称TFT)液晶パネル基板が用いられる。TFT液晶パネル基板においては、薄膜トランジスタを含む表面部が、前記一表面部16に相当する。
【0037】
対象物11は、必ずしもTFT液晶パネル基板に限定されるものではない。TFT液晶パネル基板以外の対象物11としては、たとえば、TFTに限らない液晶パネル基板、液晶ディスプレイを構成するカラーフィルタ基板、および半導体ウエハなどが用いられる。
【0038】
本実施形態の照明方法では、照明手段12および光学手段13を用いて、対象物11を照明する。さらに詳しくは、対象物11の前記一表面部16を照明する。照明手段12は、照明光を発散光として発し、光学手段13は、照明手段12から発せられる照明光を略平行光に変換する。
【0039】
照明手段12は、光を発生する光源21と、光源21からの光を導光する導光部22と、導光部22によって導光された光を発する光出射部23とを含む。光源21は、1または複数(本実施形態では6つ)のハロゲン光源によって実現される。具体的に述べると、光源21は、たとえば株式会社モリテックス製のハロゲン光源MHL−150Lによって実現される。導光部22および光出射部23は、複数の光ファイバ14を含む。導光部22は、各光ファイバ14の長手方向一方側の部分14aが束ねられて、構成される。光出射部23では、各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bが、図3に示されるように配列方向Xに沿って1列に配列されている。導光部22および光出射部23は、たとえば株式会社モリテックス製のMKG180−1500Sによって実現される。前記各光ファイバ14としては、直径dがたとえば約50μmのものが採用されている。
【0040】
光出射部23は、2次光源として設けられる。光出射部23は、前記各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bが、略直方体形状のケーシング24に収容されて、構成される。ケーシング24には、前記配列方向Xに沿って延びる出射端部25が形成される。各光ファイバ14によって導光された光は、出射端部25から発せられる。出射端部25から発せられた光は、光ファイバ14の光学特性である開口数(Numerical Aperture、略称NA)によって規定された角度で発散する。この出射端部25から発せられた光が照明光に相当する。
【0041】
出射端部25は、予め定める大きさを有する。出射端部25は、配列方向Xに沿って延びる。出射端部25の配列方向Xの長さWは、たとえば約960mmである。出射端部25の幅wは、この出射端部25の配列方向Xの一端から他端にわたって略同一である。略同一は同一を含む。出射端部25の幅wは、たとえば約0.5mmである。
【0042】
以下、前記配列方向Xを「X方向」と記載し、出射端部25の幅方向を「Y方向」と記載する。またX方向およびY方向を含む仮想一平面に垂直な方向を「Z方向」と記載する。
【0043】
光学手段13は、予め定める集光方向に関してだけ集光特性を有する。光学手段13の焦点距離fは、たとえば約20mmである。光学手段13は、シリンドリカルレンズによって実現される。具体的に述べると、光学手段13は、たとえば株式会社モリテックス製のシリンドリカルレンズMLP−180によって実現される。
【0044】
光学手段13は、前記出射端部25に関して、Z方向の一方に配置される。光学手段13は、X方向に関して、出射端部25と同じ程度の長さを有する。光学手段13の集光方向は、Y方向に対して略平行である。略平行は平行を含む。光学手段13の光軸c1は、Z方向に対して略平行であり、かつ出射端部25のY方向の略中央を通る。略中央は中央を含む。
【0045】
光学手段13のうち照明光が通過する光通過部分26の幅A、すなわち光通過部分26のY方向の長さは、この光通過部分26のX方向の一端から他端にわたって略同一である。光通過部分26の幅Aは、たとえば約14mmである。
【0046】
本実施形態においては、出射端部25と光学手段13の主点との間の最短距離である第1距離Sは、光学手段13の焦点距離fと略同一になるように設定される。第1距離Sは、たとえば約20mmに設定される。前記光学手段13は、図示しないハウジング内に固定され、照明手段12の光出射部23は、前記ハウジング内に挿入されて装着される。これによって出射端部25および光学手段13の相対的な変位が阻止され、第1距離Sの変化が阻止される。換言すれば、光学手段13の焦点距離fと略同一に設定された第1距離Sが不所望に変化することを確実に防止することができる。
【0047】
本実施形態では、照明手段12から発散光として発せられた照明光を、光学手段13によって略平行光に変換することによって、照明光の発散を抑制し、照明光の無駄を低減することができる。換言すれば、照明手段12からの照明光を、対象物11の照明のために効率よく利用することができ、対象物11の照度を高くすることが可能となる。
【0048】
対象物11は、前記出射端部25の全ての位置から発せられた照明光が光学手段13を通過した後に通過する全位置光通過領域付近31aに、配置される。全位置光通過領域31は、X方向に沿って延びる。この全位置光通過領域31を、X方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面の形状は、X方向に沿った任意の位置において、略同一形状となっている。
【0049】
以下、図1を参照して、全位置光通過領域31の前記断面について、幾何光学的に説明する。照明光は、前記出射端部25の全ての位置から発せられるが、図1では、理解を容易にするために、複数の光線のうち、前記出射端部25の予め定める3つの位置のいずれかから発せられ、かつ前記光通過部分26の予め定める3つの位置のいずれかを通過した9本の光線だけを示す。
【0050】
出射端部25の前記3つの位置は、出射端部25における、Y方向一端の位置である一端位置25aと、Y方向中央の位置である中央位置25bと、Y方向他端の位置である他端位置25cとである。光学手段13の前記3つの位置は、光通過部分26における、Y方向一端の位置である一端位置26aと、Y方向中央の位置である中央位置26bと、Y方向他端の位置である他端位置26cとである。
【0051】
出射端部25の一端位置25aから発せられ、光通過部分26の前記各位置26a〜26cを通過する各光線を、第1〜第3光線L1〜L3と記載する。出射端部25の中央位置25bから発せられ、光通過部分26の前記各位置26a〜26cを通過する各光線を、第4〜第6光線L4〜L6と記載する。出射端部25の他端位置25cから発せられ、光通過部分26の前記各位置26a〜26cを通過する各光線を、第7〜第9光線L7〜L9と記載する。
【0052】
出射端部25の一端位置25aから発せられた照明光は、第1光線L1と第3光線L3とに挟まれる領域A1(以下「第1領域A1」と記載する)を通過する。出射端部25の中央位置25bから発せられた照明光は、第4光線L4と第6光線L6とに挟まれる領域A2(以下「第2領域A2」と記載する)を通過する。出射端部25の他端位置25cから発せられた照明光は、第7光線L7と第9光線L9とに挟まれる領域A3(以下「第3領域A3」と記載する)を通過する。
【0053】
第1〜第3領域A1〜A3は、完全には一致しないが、一部が重なる。第1〜第3領域A1〜A3が重なる領域C(以下「共通領域C」という場合がある)は、出射端部25の前記各位置25a〜25cから発せられた照明光が通過する領域である。共通領域Cは、第1光線L1と第9光線L9とに挟まれる領域であり、図1において斜線で示される。この共通領域Cは、全位置光通過領域31をX方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面に相当する。
【0054】
第1光線L1と第9光線L9とが交差する点P1と、光学手段13の主点との間の最短距離である第2距離Lは、式1によって求まる。すなわち第2距離Lは、第1距離Sに、光通過部分26の幅Aを乗じ、この値を、出射端部25の幅wで除した値である。ただし式1は、第1距離Sが、光学手段13の焦点距離fと同一である場合に適用可能な関係式である。
L=S×A/w …(1)
【0055】
本実施形態では、第1距離Sは約20mm、光通過部分26の幅Aは約14mm、出射端部25の幅wは約0.5mmであるので、第2距離Lは、約560mmとなる。
【0056】
全位置光通過領域31は、出射端部25の全ての位置から発せられた照明光が通過する。これに対して、他の領域32は、出射端部25の全ての位置のうち少なくともいずれか1つの位置から発せられた照明光が通過しない。たとえば図1において、出射端部25の他端位置25cから発せられた照明光は、第2光線L2と第6光線L6の交点P2を通過しない。
【0057】
これらの点を考慮すると、全位置光通過領域31に対象物11を配置すれば、対象物11の照度を、対象物11全体にわたって、高くし、かつ均一化することができると予測される。前記対象物11全体は、対象物11の前記一表面部16の表面全体と同義である。
【0058】
図4は、照明状態を模式的に示す模式図であり、本件発明者による実験の結果を示す。同図では、理解を容易にするために、Z方向の明暗の変化は示さず、Y方向の明暗の変化だけを示す。
【0059】
実験の結果によれば、全位置光通過領域付近31aが最も明るく、全位置光通過領域付近31aから離反するにつれて暗くなることが証明された。また全位置光通過領域付近31aは、ほぼ均一な明るさとなっていることが証明された。これらの点を考慮して、全位置光通過領域付近31aに対象物11を配置する。これによって、対象物11の照度を、対象物11全体にわたって、高くし、かつ均一化することができる。
【0060】
一方、全位置光通過領域付近31aを除く残余の領域33に対象物11を配置したときは、対象物11の照度を、高くすることができない。また全位置光通過領域付近31aと前記残余の領域33とにわたって、対象物11を配置したときは、対象物11の照度を、均一化することができない。
【0061】
注目すべきは、全位置光通過領域31と他の領域32との境界付近34aが、特に明るくなっている点である。しかも前記境界付近34aは、照明手段12からの離反に伴う明るさの低下が最も小さい。したがって前記境界付近34aに対象物11を配置することによって、対象物11の照度を極力高くするとともに、対象物11の全体にわたる照度のさらなる均一化を図ることができる。前記境界付近34aは、全位置光通過領域31と他の領域32との境界34からたとえば約1mmの範囲内の領域である。
【0062】
再び図1を参照して、本実施形態においては、前記境界付近34aに対象物11を配置する。このとき、対象物11の前記一表面部16が沿う仮想一平面と、光学手段13の光軸c1とがなす角度θは、たとえば約0.716度に設定される。
【0063】
図5は、照明方法を段階的に示すフローチャートである。ステップa1で、対象物11を照明するための動作を開始すると、ステップa2に移行する。ステップa2では、作業者によって、全位置光通過領域付近31aが求められる。次にステップa3では、その全位置光通過領域付近31aに、たとえば後述の基板保持機構43によって、対象物11を配置する。こうしてステップa4で、対象物11を照明するための動作を終了する。
【0064】
図5においては、ステップa2で作業者によって全位置光通過領域付近31aが求められ、ステップa3でその全位置光通過領域付近31aに基板保持機構43によって対象物11を配置するが、前記ステップa2で作業者によって境界付近34aが求められ、前記ステップa3でその境界付近34aに基板保持機構43によって対象物11を配置してもよい。
【0065】
図6は、表面状態検出装置41の概略的な構成を示すブロック図である。表面状態検出装置41は、対象物11の表面状態を検出する。ここで、対象物11の表面状態を検出するとは、対象物11の前記一表面部16に存在する凹凸形状の欠陥を検出することを意味する。前記凹凸形状の欠陥は、膜欠損および異物突起などを含む。表面状態検出装置41は、照明装置42、基板保持機構43、撮像カメラ44、画像処理装置45および主制御装置46を含む。
【0066】
照明装置42は、基板保持機構43によって保持される対象物11を照明する。この照明装置42は、前記照明手段12および光学手段13を含んで構成される。照明装置42は、対象物11が基板保持機構43によって位置決めされて保持されたときに、前述の図1に示される状態を実現することができるように、予め設けられる。
【0067】
基板保持機構43は、図示しない搬送機構によって搬送された対象物11を、照明装置42による全位置光通過領域付近31aに位置決めして保持する。基板保持機構43は、対象物11の他表面部47を吸着することによって、対象物11を保持する。この基板保持機構43は、保持手段に相当する。
【0068】
撮像カメラ44は、対象物11が基板保持機構43によって位置決めされて保持されたときに、対象物11の前記一表面部16に臨むように、予め設けられる。撮像カメラ44は、照明装置42と協働して対象物11を撮像する。すなわち撮像カメラ44は、基板保持機構43によって保持された状態で照明装置42によって照明される対象物11を、撮像する。これによって対象物11の画像を取得する。撮像カメラ44は、取得した対象物11の画像を画像処理装置45に与える。この撮像カメラ44は、観察手段に相当する。
【0069】
画像処理装置45は、メモリ媒体51および処理部52を有する。メモリ媒体51は、撮像カメラ44によって取得された画像を記憶する。処理部52は、前記画像を演算処理するためのプログラムを記憶するとともに、画像の演算処理を実行する。処理部52は、前記画像を、後述の凹凸個所のデータに変換する。この凹凸個所のデータが表面状態の結果に相当する。画像処理装置45は、凹凸個所のデータを主制御装置46に与える。この画像処理装置45は、画像処理手段に相当する。
【0070】
主制御装置46は、基板保持機構43および画像処理装置45を制御する。また主制御装置46は、凹凸個所のデータに基づいて、対象物11の良・不良を判定する。主制御装置46は、表示手段53および通信手段54を有する。表示手段53は、凹凸個所のデータおよび前記判定の結果を表示する。通信手段54は、凹凸個所のデータおよび前記判定の結果を、図示しない情報システムに出力する。この主制御装置46は、たとえばファクトリオートメーション用のコンピュータによって実現される。この主制御装置46は、出力手段に相当する。
【0071】
図7は、表面状態検出方法を段階的に示すフローチャートである。表面状態検出方法は、前述の表面状態検出装置41を用いて実現される。図示しない搬送機構によって、対象物11が基板保持機構43上に搬送されると、ステップb1で表面状態の検出動作が開始され、ステップb2に移行する。
【0072】
ステップb2では、主制御装置46によって基板保持機構43が制御される。対象物11は、基板保持機構43によって位置決めされて保持される。これによって、図1に示される状態が実現される。
【0073】
次にステップb3では、照明装置42によって対象物11を照明しつつ、撮像カメラ44によって対象物11を撮像する。これによって対象物11の画像を取得する。対象物11の画像は、顕微鏡の暗視野の原理に基づき、凹凸個所が明るく観察される。すなわち明るい部位が凹凸個所である。
【0074】
次にステップb4では、画像処理装置45によって、撮像カメラ44で取得された画像が演算処理され、凹凸個所のデータに変換される。凹凸個所のデータは、明るい部位の個所数に関する数値データと、各明るい部位の寸法に関する数値データとを含む。
【0075】
次にステップb5では、主制御装置46によって、前記凹凸個所データが出力される。すなわち主制御装置46の表示手段53によって前記凹凸個所データが表示され、主制御装置46の通信手段54によって前記凹凸個所データが情報システムに出力される。
【0076】
また主制御装置46は、凹凸個所のデータに基づいて、予め定める基準寸法以上の寸法を有する凹凸個所を欠陥と判定し、欠陥個所数を計数する。主制御装置46は、計数した欠陥個所数と、欠陥個所数の上限個数とを比較する。主制御装置46は、前記上限個数を超える欠陥が検出されたとき、対象物11を不良と判定する。主制御装置46は、前記判定の結果をも出力する。こうしてステップb6で、表面状態の検出動作を終了する。
【0077】
以上説明した照明方法によれば、照明手段12の出射端部25の各位置から発せられた照明光が光学手段13を通過して略平行光に変換されるとともに、出射端部25の各位置にそれぞれ対応する各光通過領域が形成される。したがって、出射端部25の全ての位置に対応する全位置光通過領域付近31aに、対象物11を配置することで、対象物11の全体にわたる照度を均一化することができるうえ、必要十分な照度を得ることが可能となる。逆に言えば、対象物11の配置位置に起因する照度の不均一および照度不足を未然に防止することができる。
【0078】
また照明方法によれば、対象物11は、全位置光通過領域付近31aのうち、全位置光通過領域31と他の領域32との境界付近34aに、配置される。本件発明者の実験によれば、前記境界付近34aに対象物11が配置されたときに、対象物11の照度が最も高くなることが判明している。また照明手段12からの離反に伴う対象物11の照度の低下が最も小さくなることも判明している。したがって前記境界付近34aに対象物11を配置することによって、対象物11の照度を極力高くするとともに、対象物11の全体にわたる照度のさらなる均一化を図ることができる。
【0079】
また表面状態検出方法によれば、前述の照明方法を用いて照明された対象物11の画像を取得し、その画像に基づいて対象物11の表面状態を検出する。このとき、対象物11の照度が、対象物11全体にわたって、高く、かつ均一化されているので、対象物11の表面状態を、対象物11全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0080】
前述のように対象物11の画像を取得して対象物11の表面状態を検出するにあたっては、分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、対象物11の表面状態を検出するための検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0081】
また表面状態検出装置41によれば、照明手段12の出射端部25の各位置から発せられた照明光が光学手段13を通過して略平行光に変換されるとともに、出射端部25の各位置にそれぞれ対応する各光通過領域が形成される。したがって、出射端部25の全ての位置に対応する全位置光通過領域付近31aに、特に基板保持機構43によって対象物11を保持することで、対象物11の全体にわたる照度を均一化することができるうえ、必要十分な照度を得ることが可能となる。逆に言えば、対象物11の配置位置に起因する照度の不均一および照度不足を未然に防止することができる。
【0082】
このように照明手段12および光学手段13によって対象物11を照明しつつ、撮像カメラ44によって対象物11の画像を取得し、その画像を画像処理装置45によって演算処理して、対象物11の表面状態を検出する。このとき対象物11は、高く、かつ均一な照度で照明されているので、対象物11の表面状態を、対象物11全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0083】
前述のように対象物11の画像を取得して対象物11の表面状態を検出するにあたっては、撮像カメラ44の分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、画像処理装置45による対象物11の表面状態の検出に要する検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0084】
また表面状態検出装置41によれば、画像処理装置45による凹凸個所のデータを、主制御装置46によって出力する。これによって凹凸個所のデータを、たとえば作業者および情報システムなどに与えることができ、凹凸個所のデータに応じた対象物11の処置および製造工程管理へのフィードバックが可能となる。
【0085】
図8は、全位置光通過領域31を模式的に示す模式図であり、図8(1)は第1距離Sが光学手段13の焦点距離fと略同一であるときの全位置光通過領域31を示し、図8(2)は第1距離Sが光学手段13の焦点距離fよりも大きいときの全位置光通過領域31を示し、図8(3)は第1距離Sが光学手段13の焦点距離fよりも小さいときの全位置光通過領域31を示す。前述の実施形態の照明方法では、第1距離Sが光学手段13の焦点距離fと略同一になるように照明手段12および光学手段13を設けるが、第1距離Sは、必ずしも焦点距離fと略同一である必要はない。
【0086】
第1距離Sが焦点距離fよりも大きいときは、第1距離Sが光学手段13の焦点距離fと略同一であるときと比べて、光学手段13を通過した後の照明光の集光成分が大きくなる。これによって図8(2)に示されるように、第2距離Lが小さくなり、全位置光通過領域31が小さくなる。
【0087】
第1距離Sが焦点距離fよりも小さいときは、第1距離Sが光学手段13の焦点距離fと略同一であるときと比べて、光学手段13を通過した後の照明光の発散成分が大きくなる。これによって図8(3)に示されるように、第2距離Lが大きくなり、全位置光通過領域31が大きくなる。
【0088】
このように全位置光通過領域31は、第1距離Sに応じて大きさが変化する。このように大きさが変化しても、全位置光通過領域31は出射端部25の全ての位置から発せられた照明光が通過する。したがって第1距離Sを変更しても、全位置光通過領域31を形成することができれば、全位置光通過領域付近31aに対象物11を配置することによって、対象物11の照度を、対象物11全体にわたって、高くし、かつ均一化することができる。
【0089】
対象物11の前記一表面部16に凹凸性を有するパターンが形成されている場合は、照明光の照射角度が大きいと、前記パターンが明るく観察される。これによってパターンと凹凸形状の欠陥との明度差が小さくなり、検出感度への悪影響がある。
【0090】
第1距離Sが光学手段13の焦点距離fと略同一であるときは、対象物11の全体にわたって、照明光の照射角度がほぼ均一である。第1距離Sが光学手段13の焦点距離fよりも小さいときは、対象物11の前記一表面部16のうち光学手段13に近接する部分ほど、照明光の照射角度が大きく、検出感度への悪影響がある。第1距離Sが光学手段13の焦点距離fよりも大きいときは、対象物11の前記一表面部16のうち光学手段13から離反する部分ほど、照明光の照射角度が大きくなる。対象物11の前記一表面部16の光学手段13から離反した部分は、照射角度が大きくても、検出感度への影響は少ない。
【0091】
これらの点を考慮すると、パターンを有する対象物11を照明する際は、第1距離Sと光学手段13の焦点距離fとを略同一にするのが最も良く、次いで第1距離Sを光学手段13の焦点距離fよりも少し大きくするのが良いことが判る。
【0092】
図9は、本発明の実施の他の形態の照明方法を用いて対象物11を照明している状態を模式的に示す模式図である。図10は、表面状態検出装置61の概略的な構成を示すブロック図である。本実施形態の表面状態検出装置61は、前述の実施形態の表面状態検出装置61に類似するので、対応する部分には同一の参照符を付して説明を省略する。
【0093】
対象物11の寸法によっては、前述の実施形態のように1つの照明手段12による全位置光通過領域付近31aに対象物11を収容することができない場合がある。このような場合には、複数(本実施形態では2つ)の照明手段12を用いて対象物11を照明する。
【0094】
本実施形態では、対象物11に関して対称に、2つの照明装置42を配置する。具体的に説明すると、対象物11の前記一表面部16が沿う仮想一平面に垂直であり、かつ対象物11の中心を含む対称面36に関して対称になるように、各照明装置42を配置する。
【0095】
こうして各照明手段12による全位置光通過領域付近31aに、対象物11を収容する。これによって1つの照明手段12による全位置光通過領域付近31aに収容することができない大きな寸法の対象物11に対しても、高く、かつ均一な照度で照明することができる。
【0096】
しかも各照明手段12による境界付近34aに対象物11を配置し、さらに各照明手段12による各全位置光通過領域31のうち各照明手段12から最も離反した各部分を、対象物11と対称面36とが交差する部分と一致させる。これによって、より大きな寸法の対象物11に対して、高く、かつ均一な照度で照明することが可能となる。
【0097】
本実施形態においては、対象物11の寸法は、たとえば約700mm×約800mmである。対象物11は、その短辺方向が、X方向に対して略平行となるように、配置されるとする。
【0098】
このとき、基板の縁辺部と光学手段13との間の最短距離である第3距離WDは、式2によって求められる。すなわち第3距離WDは、第2距離Lから、基板の長辺の長さHを2で除した値を減じた値である。
WD=L−(H÷2) …(2)
【0099】
本実施形態では、第2距離Lは約560mm、基板の長辺の長さHは約800mmであるので、第3距離WDは約160mmとなる。
【0100】
図9および図10を用いて説明した照明方法によれば、2つの照明手段12が、対象物11に関して対称に配置される。照明手段12から発せられた照明光は、照明手段12から離反するにつれて徐々に減衰してしまう。この点を考慮して、2つの照明手段12を対象物11に関して対称に配置し、これによって、一の照明手段12から離反した対象物11の部分の照度を、他の照明手段12による照明光によって高め、対象物11の全体にわたる照度の均一化を図ることができる。
【0101】
図9および図10に示される実施形態では、2つの照明手段12を用いて対象物11を照明するが、本発明の実施のさらに他の形態では、たとえば4つの照明手段12を用いて対象物11を照明してもよい。4つの照明手段12を用いて対象物11を照明する場合、第1対称面に関して対称になるように一対の照明手段12を配置し、さらに第2対称面に関して対称になるように、もう一対の照明手段12を配置する。前記第1対称面は、対象物11の前記一表面部16が沿う仮想一平面に垂直であり、かつ対象物11の中心を含む対称面である。前記第2対称面は、対象物11の前記一表面部16が沿う仮想一平面に垂直であり、かつ対象物11の中心を含むとともに、前記第1対称面に対して垂直な対称面である。このように4つの照明手段12を用いても、図9および図10に示される実施形態と同様の効果を達成することができる。
【0102】
図11は、各光ファイバ14の配列状態の他の例を示す正面図である。各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bは、必ずしも図3に示されるようにX方向に沿って1列に配列されている必要はなく、たとえば図11に示されるようにX方向に沿って2列に配列されていてもよい。
【0103】
詳細に述べると、X方向に沿って進むにつれてY方向の一方および他方に交互にずれるように、各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bが配列される。このように各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bが配列された照明手段12を用いても、前述の実施形態と同様の効果を達成することができる。
【0104】
各光ファイバ14の配列状態のさらに他の例として、図示しないが、X方向に沿って進むにつれて2つ毎にY方向の一方および他方に交互にずれるように、各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bが配列されてもよい。このように各光ファイバ14の長手方向他方側の部分14bが配列された照明手段12を用いても、前述の実施形態と同様の効果を達成することができる。
【0105】
前述の各実施形態では、出射端部25の大きさ、光学手段13の焦点距離f、対象物11の寸法などについて具体的な数値を述べて説明をしたが、これらの数値を変更しても、本発明は適用可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、照明手段の出射端部の幅方向に関する各位置から発せられた照明光が光学手段を通過して略平行光に変換されるとともに、出射端部の幅方向に関する各位置にそれぞれ対応する各光通過領域が形成される。したがって、出射端部の幅方向に関する全ての位置に対応する全位置光通過領域付近に、対象物の一表面部を配置することで、対象物の一表面部の表面全体にわたる照度を均一化することができるうえ、必要十分な照度を得ることが可能となる。逆に言えば、対象物の一表面部の配置位置に起因する照度の不均一および照度不足を未然に防止することができる。
【0107】
このように対象物の一表面部を照明しつつ、たとえば、対象物の一表面部の画像を取得し、その画像に基づいて対象物の一表面部の表面状態を検出する。この場合、対象物の一表面部の照度が、対象物の一表面部の表面全体にわたって、高く、かつ均一化されているので、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0108】
このように対象物の一表面部の画像を取得して対象物の一表面部の表面状態を検出するにあたっては、分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、対象物の一表面部の表面状態を検出するための検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0109】
また本発明によれば、対象物の一表面部は、全位置光通過領域と他の領域との境界付近に、配置される。本件発明者の実験によれば、前記境界付近に対象物の一表面部が配置されたときに、対象物の一表面部の照度が最も高くなることが判明している。また照明手段からの離反に伴う対象物の一表面部の照度の低下が最も小さくなることも判明している。したがって前記境界付近に対象物の一表面部を配置することによって、対象物の一表面部の照度を極力高くするとともに、対象物の一表面部表面全体にわたる照度のさらなる均一化を図ることができる。
【0110】
また本発明によれば、複数の照明手段が、対象物の一表面部に関して対称に配置される。照明手段から発せられた照明光は、照明手段から離反するにつれて徐々に減衰してしまう。この点を考慮して、複数の照明手段を対象物の一表面部に関して対称に配置し、これによって、一の照明手段から離反した対象物の部分の照度を、他の照明手段による照明光によって高め、対象物の一表面部表面全体にわたる照度の均一化を図ることができる。
【0111】
また本発明によれば、前述のいずれかの照明方法を用いて照明された対象物の一表面部の画像を取得し、その画像に基づいて対象物の一表面部の表面状態を検出する。このとき、対象物の一表面部の照度が、対象物の一表面部の表面全体にわたって、高く、かつ均一化されているので、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0112】
このように対象物の一表面部の画像を取得して対象物の一表面部の表面状態を検出するにあたっては、分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、対象物の一表面部の表面状態を検出するための検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0113】
また本発明によれば、照明手段の出射端部の幅方向に関する各位置から発せられた照明光が光学手段を通過して略平行光に変換されるとともに、出射端部の幅方向に関する各位置にそれぞれ対応する各光通過領域が形成される。したがって、出射端部の幅方向に関する全ての位置に対応する全位置光通過領域付近に、対象物の一表面部が配置されるように、保持手段によって対象物を保持することで、対象物の一表面部表面全体にわたる照度を均一化することができるうえ、必要十分な照度を得ることが可能となる。逆に言えば、対象物の一表面部の配置位置に起因する照度の不均一および照度不足を未然に防止することができる。
【0114】
このように照明手段および光学手段によって対象物の一表面部を照明しつつ、観察手段によって対象物の一表面部の画像を取得し、その画像を、画像処理手段によって演算処理して、対象物の一表面部の表面状態を検出する。このとき対象物の一表面部は、高く、かつ均一な照度で照明されているので、対象物の一表面部の表面状態を、対象物の一表面部の表面全体にわたって確実に検出することが可能となる。
【0115】
このように対象物の一表面部の画像を取得して対象物の一表面部の表面状態を検出するにあたっては、観察手段の分解能を高める必要がないので、取得すべきデータ量を小さくすることができる。これによって、画像処理手段による対象物の一表面部の表面状態の検出に要する検出時間を短縮することができる。また画像を高速で演算処理するための装置が必要なくなるので、装置全体の製作コストを低減することが可能となる。
【0116】
また本発明によれば、画像処理手段によって検出される表面状態の結果を、出力手段によって出力する。これによって前記結果を、たとえば作業者および情報システムなどに与えることができ、前記結果に応じた対象物の処置および製造工程管理へのフィードバックが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の照明方法を用いて対象物11を照明している状態を模式的に示す模式図である。
【図2】照明手段12および光学手段13と、対象物11との位置関係を示す斜視図である。
【図3】各光ファイバ14の配列状態の一例を示す正面図である。
【図4】照明状態を模式的に示す模式図である。
【図5】照明方法を段階的に示すフローチャートである。
【図6】表面状態検出装置41の概略的な構成を示すブロック図である。
【図7】表面状態検出方法を段階的に示すフローチャートである。
【図8】全位置光通過領域31を模式的に示す模式図である。
【図9】本発明の実施の他の形態の照明方法を用いて対象物11を照明している状態を模式的に示す模式図である。
【図10】表面状態検出装置61の概略的な構成を示すブロック図である。
【図11】各光ファイバ14の配列状態の他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
11 対象物
12 照明手段
13 光学手段
14 光ファイバ
25 出射端部
31 全位置光通過領域
31a 全位置光通過領域付近
32 他の領域
34 境界
34a 境界付近
41,61 表面状態検出装置
42 照明装置
43 基板保持機構
44 撮像カメラ
45 画像処理装置
46 主制御装置

Claims (6)

  1. 一直線状に延びる出射端部から照明光を発散光として発する照明手段と、一直線状に延び、前記出射端部に対して平行に配置され、前記出射端部から発せられて前記出射端部の幅方向に発散する照明光を、略平行光に変換する光学手段とを用いて、板状の対象物の一表面部を照明する照明方法であって、
    前記出射端部の幅方向に関する全ての位置から発せられた照明光が光学手段を通過した後に通過する全位置光通過領域付近に、前記対象物の一表面部を配置することを特徴とする照明方法。
  2. 前記全位置光通過領域と他の領域との境界付近に、前記対象物の一表面部を配置することを特徴とする請求項1に記載の照明方法。
  3. 複数の照明手段を、前記対象物の一表面部に関して対称に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の照明方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の照明方法を用いて照明された前記対象物の一表面部の画像を取得し、その画像に基づいて前記対象物の一表面部の表面状態を検出する表面状態検出方法。
  5. 一直線状に延びる出射端部から照明光を発散光として発する照明手段と、
    一直線状に延び、前記出射端部に対して平行に配置され、前記出射端部から発せられて前記出射端部の幅方向に発散する照明光を、略平行光に変換する光学手段と、
    前記出射端部の幅方向に関する全ての位置から発せられた照明光が光学手段を通過した後に通過する全位置光通過領域付近に、板状の対象物の一表面部が配置されるように、前記対象物を保持する保持手段と、
    照明手段および光学手段と協働して前記対象物の一表面部の画像を取得する観察手段と、
    観察手段によって取得される画像を処理して、前記対象物の一表面部の表面状態を検出する画像処理手段とを含むことを特徴とする表面状態検出装置。
  6. 前記画像処理手段によって検出される表面状態の結果を出力する出力手段をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の表面状態検出装置。
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