JP4037705B2 - 建設機械の旋回フレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等に用いて好適な建設機械の旋回フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって大略構成されている。
【0003】
また、上部旋回体は、旋回フレームと、該旋回フレームの左前側に設けられたキャブと、前記旋回フレームの後側に搭載されたエンジン、油圧ポンプと、該エンジン等を覆う外装カバーと、前記旋回フレームの後端部に取付けられたカウンタウエイトとによって大略構成されている。
【0004】
そして、油圧ショベルの旋回フレームは、例えば特開2000−104284号公報(以下、従来技術という)等によって知られている。この種の従来技術による旋回フレームは、旋回装置の一部をなす旋回輪が設けられる底板と該底板上に立設されて前,後方向に延びた左,右の縦板とにより形成され旋回中心位置を中心として旋回可能なセンタフレームと、該センタフレームの左,右両側に離間した位置に前,後方向に延びて設けられた左,右のサイドフレームと、該左,右のサイドフレームを前記センターフレームの底板と縦板に支持するために、前記センターフレームと左,右のサイドフレームとの間に前,後方向に間隔をもって左,右方向に伸長して設けられた複数本の張出しビームとによって大略構成されている。
【0005】
また、旋回フレームには、左側の最前部の張出しビームよりも左サイドフレームを前側に延ばし、その先端部にキャブの前部を下側から支持する前枠部を設けている。
【0006】
さらに、各張出しビームのうち、キャブの後部を下側から支持するキャブ支持用張出しビームは、重量が大きいキャブを支持できるように、例えば断面略四角形状の中空構造体として形成されている。これにより、キャブ支持用張出しビームは、十分な曲げ強度を有しており、振動を小さく抑えた状態でキャブの後部を支持することができる。
【0007】
そして、キャブは、その前部の左隅と右隅が取付マウントを介して前枠部に取付けられ、後部の左隅と右隅が取付マウントを介してキャブ支持用張出しビームに取付けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による旋回フレームによると、キャブの前部位置を前枠部に取付けると共に、キャブの後部位置をキャブ支持用張出しビームに取付けている。また、旋回フレームは、旋回装置を介して下部走行体上に支持されている。
【0009】
このため、キャブが生じる振動は、旋回装置の旋回中心位置(旋回輪の中心位置)からの距離によって異なり、旋回中心位置から最も離れている旋回フレームの左前部、即ち、前枠部の左隅が大きく振動してしまう。
【0010】
しかも、前枠部は、最前部の張出しビームから前側に延びる片持ち状態で設けられているから、キャブ支持用張出しビームに比較して振動に対する強度の点で弱くなってしまう。このため、キャブは、前枠部に支持された前部、特に、左前部で大きな振動を生じてしまうから、キャブの居住性を損なってしまうという問題がある。
【0011】
また、前枠部の左隅に設けられる取付マウントは、大きな振動によって大きな負荷を受承することになるから、他の取付マウントに比較して寿命が短くなってしまうという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、キャブの前部を支持する部位の強度を高めることにより、振動を抑えてキャブ内の居住性を向上することができるようにした建設機械の旋回フレームを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による建設機械の旋回フレームは、底板と該底板上に立設された左,右の縦板とにより形成され旋回中心位置を中心として旋回可能なセンタフレームと、該センタフレームの左,右両側に位置し前,後方向に延びた左,右のサイドフレームと、該左,右のサイドフレームを前記センタフレームの底板と縦板に支持するため前記センタフレームと左,右のサイドフレームとの間に前,後方向に間隔をもって設けられた複数本の張出しビームと、前記センタフレームのうち左,右方向の一方側の前部に前側に延びて設けられた縦梁部と、前記各張出しビームのうち最前部の張出しビームよりも前側となる位置で前記左,右のサイドフレームのうち一方のサイドフレームの前側と前記縦梁部の前側との間に設けられた前枠部とを備え、該前枠部、前記縦梁部および一方のサイドフレームによってキャブの前部を下側から支持する構成としている。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記複数本の張出しビームのうち前記最前部の張出しビームは、前記前枠部の後側となる位置で前記キャブを下側から支持するキャブ支持用張出しビームとして構成し、当該キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記センタフレームの旋回中心から前記サイドフレームと前枠部との接合部に向けて放射状に斜めに配置する構成としたことにある。
【0015】
このように構成したことにより、キャブ支持用張出しビームは、その先端側を旋回中心から最も離間している旋回フレームの前部の外側隅部、即ちサイドフレームと前枠部との接合部に向けて放射状に斜めに配置することができる。これにより、旋回フレームの前部の外側隅部に支持されるキャブの前部外側は、高強度に形成されたキャブ支持用張出しビームにより支持することができ、張出しビームの本数を増やすことなく、キャブの振動を抑えることができる。
【0016】
請求項2の発明によると、前記キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記サイドフレームに接合する構成としている。これにより、左,右のサイドフレームのうち一方のサイドフレームの前側を、高強度に形成されたキャブ支持用張出しビームと接合することができ、キャブの振動を小さく抑えることができる。
また、請求項3の発明によると、キャブ支持用張出しビームの先端側は、サイドフレームと前枠部とに接合する構成としたことにある。これにより、キャブの前部を支持する前枠部は、高強度に形成されたキャブ支持用張出しビームと接合することができ、キャブの振動を小さく抑えることができる。
【0017】
請求項4の発明によると、キャブ支持用張出しビームは、先端側に比較して旋回中心側で広幅に形成したことにある。これにより、片持ち構造をなすキャブ支持用張出しビームは、広幅な旋回中心側をセンタフレームの底板と縦板に強固に取付けることができ、大きな負荷が作用する部分の強度を高めることができる。
【0018】
請求項5の発明によると、キャブ支持用張出しビームの後側には、他のキャブ支持用張出しビームを設け、当該他のキャブ支持用張出しビームと前枠部との間でキャブを支持する構成としたことにある。
【0019】
このように構成したことにより、前枠部によってキャブの前側位置を支持することができ、他のキャブ支持用張出しビームによってキャブの後側位置を支持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械の旋回フレームを油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0021】
まず、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。1は本実施の形態に適用される建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とによって大略構成されている。
【0022】
また、上部旋回体4は、後述の旋回フレーム11の左前側に搭載され、運転室を画成するキャブ5と、該キャブ5の後側に位置して旋回フレーム11上に搭載されたエンジン、油圧ポンプ(いずれも図示せず)等を覆う外装カバー6と、前記旋回フレーム11の後端部に取付けられたカウンタウエイト7とによって大略構成されている。
【0023】
8は上部旋回体4の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置で、該作業装置8は、土砂の掘削作業等を行なうものである。また、作業装置8は、基端側が後述する縦板14,15のブームブラケット14A,15Aにピン結合されたブーム8Aと、該ブーム8Aの先端側にピン結合されたアーム8Bと、該アーム8Bの先端側にピン結合されたバケット8Cと、これらを動作するブームシリンダ8D、アームシリンダ8E、バケットシリンダ8Fとによって大略構成されている。
【0024】
11は本実施の形態による旋回フレームで、該旋回フレーム11は、図2、図3に示す如く、後述するセンタフレーム12、左サイドフレーム18、右サイドフレーム19、前枠部21、キャブ支持用張出しビーム23、傾斜張出しビーム24等によって大略構成されている。
【0025】
12は旋回フレーム11の中央部分を構成するセンタフレームで、該センタフレーム12は、厚肉な鋼板等を用いて平板状に形成された底板13と、該底板13の上面側に溶接手段を用いて立設され、該底板13上を前,後方向に延びた左,右の縦板14,15とにより構成されている。
【0026】
ここで、底板13は、上部旋回体4を支持する中心部分となるもので厚板を加工することによって形成されている。そして、底板13の下面側には、旋回装置3の旋回輪3A(図1中に図示)が取付けられ、この旋回輪3Aの中心が旋回フレーム11(上部旋回体4)が旋回するときの旋回中心Oの位置(図2中に図示)となる。
【0027】
また、縦板14,15の前部側は、図1に示す作業装置8のブーム8Aが俯仰動可能にピン結合される左,右のブームブラケット14A,15Aとなっている。また、縦板14,15の前端部は、ブームシリンダ8Dの基端側が回動可能にピン結合される左,右のシリンダブラケット14B,15Bとなっている。
【0028】
16は縦板14,15のブームブラケット14A,15A間に位置してセンタフレーム12に設けられた補強用の横板で、該横板16は、ブームブラケット14A,15Aの左,右方向への倒れに対する強度等を高めるために、左,右両端側がブームブラケット14A,15Aの内側面に溶接されている。
【0029】
17はセンタフレーム12の後側に設けられたテールフレームで、該テールフレーム17は、溶接等の手段を用いてセンタフレーム12の底板13および左,右の縦板14,15に一体化されている。また、テールフレーム17の後端側は、縦板14,15の後方で横断面がI字状(Iフランジ構造)をなす左,右のウエイト取付部17A,17Aとなり、該各ウエイト取付部17Aには、カウンタウエイト7が取付けられる。
【0030】
18はセンタフレーム12の左側に間隔をもって配置された左サイドフレーム、19はセンタフレーム12の右側に間隔をもって配置された右サイドフレームで、該各サイドフレーム18,19は、例えば断面D字形状をなすD型フレームを用いて前,後方向に延びて形成されている。
【0031】
ここで、左サイドフレーム18は、右サイドフレーム19よりも前方に延びて形成され、この延長部18Aには、後述する前枠部21の左端部、傾斜張出しビーム24等が取付けられている。また、左サイドフレーム18は、キャブ支持用張出しビーム23、傾斜張出しビーム24等によりセンタフレーム12の底板13、左縦板14に支持されている。
【0032】
20はセンタフレーム12の左前部に設けられた縦梁部で、該縦梁部20は、基端側が底板13の左前部と傾斜張出しビーム24の基端側とに溶接手段を用いて接合されている。また、縦梁部20の先端側は、前側に延びて自由端となっている。
【0033】
21は旋回フレーム11の左前部に設けられた前枠部で、該前枠部21は、左サイドフレーム18の延長部18A先端部と縦梁部20の先端との間に左,右方向に延びて設けられている。また、前枠部21は、左側が延長部18Aと後述する傾斜張出しビーム24の先端部に溶接手段を用いて接合され、右側が縦梁部20の先端に溶接手段を用いて接合されている。
【0034】
さらに、前枠部21の両端側には、円形のマウント取付穴21A,21Bが設けられている。これにより、前枠部21は、マウント取付穴21A,21Bに取付けられる防振マウント(図示せず)を介してキャブ5の前部を支持している。
【0035】
22は左サイドフレーム18の後端部とテールフレーム17との間に設けられた後部プレートで、後部プレート22は、テールフレーム17のウエイト取付部17Aと左サイドフレーム18とを連結している。
【0036】
23はキャブ5の後部位置に対応するようにセンタフレーム12と左サイドフレーム18との間に設けられたキャブ支持用張出しビームで、該張出しビーム23は、左,右方向に延びて形成され、キャブ5の後部を下側から支持するものである。そして、キャブ支持用張出しビーム23はセンタフレーム12側の基端部が底板13と左側の縦板14とに溶接手段を用いて接合され、先端部は左サイドフレーム18に溶接されている。
【0037】
ここで、キャブ支持用張出しビーム23は、図4に示す如く、断面コ字形状の上側枠材23Aと、該上側枠材23Aの下側に溶接された平板状の下側板材23Bとにより、振動に対して強度を有する断面略四角形状をなす中空のボックス構造体として形成されている。また、キャブ支持用張出しビーム23の上面部には、左,右両端側に位置して円形のマウント取付穴23C,23Dが設けられている。これにより、張出しビーム23は、マウント取付穴23C,23Dに取付けられる防振マウント(図示せず)を介してキャブ5の後部を支持している。
【0038】
24はキャブ支持用張出しビーム23の前側に離間して配置され、センタフレーム12と左サイドフレーム18との間に設けられたキャブ支持用張出しビームとしての傾斜張出しビームで、該傾斜張出しビーム24は、図2に示す如く、その先端側が左サイドフレーム18の延長部18A、即ちサイドフレーム18の延長部18Aと前枠部21との接合部に向け、旋回フレーム11の旋回中心Oの位置から放射状に斜め前側に延びて形成されている。そして、傾斜張出しビーム24は、センタフレーム12(旋回中心O)側の基端部が底板13と左側の縦板14とに溶接手段を用いて接合され、先端部は左サイドフレーム18に溶接手段を用いて接合されている。
【0039】
また、傾斜張出しビーム24の先端部には、前枠部21の左端部が溶接によって接合されている。これにより、傾斜張出しビーム24は、旋回中心Oから最も離間した前枠部21の左端部での振動を小さく抑えることができる。
【0040】
さらに、傾斜張出しビーム24は、図4に示す如く、前述したキャブ支持用張出しビーム23と同様に、断面コ字形状の上側枠材24Aと、該上側枠材24Aの下側に溶接された平板状の下側板材24Bとにより、振動に対して強度を有する断面略四角形状をなす中空のボックス構造体として形成されている。
【0041】
なお、25,26,27,28は右サイドフレーム19とセンタフレーム12との間に設けられた右側の張出しビーム、29は右サイドフレーム19後端部とセンタフレーム12との間に設けられた後部プレートで、該張出しビーム25,26,27,28、後部プレート29は、前,後方向に間隔をもって配設され、右サイドフレーム19をセンタフレーム12の底板13、縦板14に支持している。
【0042】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0043】
まず、作業現場で車両を走行するときには、下部走行体2の走行用油圧モータ(図示せず)を駆動することにより、車両を前進または後進させる。そして、土砂の掘削作業等を行う場合には、下部走行体2上で上部旋回体4を旋回駆動して作業装置8を任意の方向に配置し、この状態で作業装置8を俯仰動させることにより土砂の掘削作業を行うことができる。
【0044】
また、上述した走行時、作業時には、上部旋回体4が振動を生じる。この振動は、旋回中心Oから離れた位置で大きくなり、該旋回中心Oから最も離間した旋回フレーム11の左前部、即ち、キャブ5の前部を支持する前枠部21の左隅の位置で大きな振動を生じることになる。
【0045】
しかし、本実施の形態では、大きな振動を生じる前枠部21の左隅に向けて傾斜張出しビーム24を斜めに伸長させ、その先端部に前枠部21を一体的に固着しているから、この振動に対して強度を有する傾斜張出しビーム24によって前枠部21を支持することができる。これにより、前枠部21の振動に対する強度を向上し、キャブ5の前側での振動を小さくすることができる。
【0046】
かくして、本実施の形態によれば、旋回フレーム11には、傾斜張出しビーム24を旋回中心Oの位置から放射状に斜めに配置し、その先端側を左前部の前枠部21に向けて伸長させているから、旋回中心Oから最も離間した前枠部21の左隅の位置でも、高強度に形成された傾斜張出しビーム24によって振動を小さく抑えることができる。
【0047】
この結果、張出しビームの本数を増やすことなく、前枠部21に支持されたキャブ5の前部位置での振動を抑えることができるから、コストを抑えた状態でキャブ5の居住性を向上することができる。また、前枠部21に取付けられる防振マウントに作用する負荷を軽減することができ、該防振マウントの寿命を延ばし、信頼性を向上することができる。
【0048】
しかも、傾斜張出しビーム24の先端部には、前枠部21の左側部分を溶接手段を用いて一体的に接合しているから、前枠部21は、振動に対する強度をより一層高めることができる。
【0049】
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、キャブ支持用張出しビームは、先端側に比較して旋回中心側で広幅に形成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】
31は本実施の形態によるキャブ支持用張出しビームとしての傾斜張出しビームで、該傾斜張出しビーム31は、第1の実施の形態による傾斜張出しビーム24とほぼ同様に形成されている。即ち、傾斜張出しビーム31は、旋回フレーム11′の旋回中心Oの位置から放射状に配置され、先端側が左サイドフレーム18の延長部18Aに向け斜め前側に延びて形成されている。
【0051】
そして、傾斜張出しビーム31は、センタフレーム12側の基端部が底板13と左側の縦板14とに溶接され、先端部は左サイドフレーム18と前枠部21とに溶接されている。さらに、傾斜張出しビーム31は、断面コ字形状の上側枠材31Aと、該上側枠材31Aの下側に溶接された平板状の下側板材31Bとにより、振動に対して強度を有する断面略四角形状をなす中空のボックス構造体として形成されている。
【0052】
しかし、本実施の形態による傾斜張出しビーム31は、先端側から基端側に向けて漸次幅寸法が広くなるように形成され、センタフレーム12の底板13と縦板14に溶接される部位では、先端側よりも広幅な広幅部31Cとなっている。これにより、片持ち構造をなす傾斜張出しビーム31は、大きな負荷が作用する旋回中心O側(基端側)を広幅部31Cとすることにより、溶接部分を多くすることができる。従って、傾斜張出しビーム31は、広幅部31Cをセンターフレーム12の底板13と縦板14に強固に接合することができ、振動に対する強度をより一層高めることができる。
【0053】
かくして、このように構成される本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態によれば、傾斜張出しビーム31は、センタフレーム12に対する基端側の取付強度を高めることができるから、先端側での振動をさらに小さく抑えることができる。
【0054】
なお、各実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の油圧ショベルまたは油圧クレーン等の上部旋回体を備えた建設機械の旋回フレームに適用してもよいものである。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、旋回フレームは、センタフレーム、左,右のサイドフレームおよび複数本の張出しビームと、前記センタフレームのうち左,右方向の一方側の前部に前側に延びて設けられた縦梁部と、前記各張出しビームのうち最前部の張出しビームよりも前側となる位置で前記左,右のサイドフレームのうち一方のサイドフレームの前側と前記縦梁部の前側との間に設けられた前枠部とを備え、該前枠部、前記縦梁部および一方のサイドフレームによってキャブの前部を下側から支持する構成とした上で、前記複数本の張出しビームのうち前記最前部の張出しビームは、前記前枠部の後側となる位置で前記キャブを下側から支持するキャブ支持用張出しビームとして構成し、当該キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記センタフレームの旋回中心から前記サイドフレームと前枠部との接合部に向けて放射状に斜めに配置する構成としている。
【0056】
従って、キャブ支持用張出しビームは、その先端側を旋回中心位置から最も離間している旋回フレームの前部の外側隅部に配置することができる。これにより、旋回フレームの前部の外側隅部に支持されるキャブの前部外側は、高強度に形成されたキャブ支持用張出しビームにより支持することができる。この結果、キャブ支持用張出しビームは、張出しビームの本数を増やすことなく、キャブの振動を抑えることができ、居住性を向上することができる。
【0057】
請求項2の発明によると、前記キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記サイドフレームに接合する構成としている。これにより、左,右のサイドフレームのうち一方のサイドフレームの前側を、高強度に形成されたキャブ支持用張出しビームと接合することができ、キャブの振動を小さく抑えることができる。
また、請求項3の発明によれば、キャブ支持用張出しビームの先端側は、サイドフレームと前枠部とに接合する構成としているので、キャブの前部を支持する前枠部は、高強度に形成されたキャブ支持用張出しビームと一体的に接合することができ、キャブの振動をより一層小さく抑えることができる。
【0058】
請求項4の発明によれば、キャブ支持用張出しビームは、先端側に比較して旋回中心側で広幅に形成しているので、片持ち構造をなすキャブ支持用張出しビームは、広幅な旋回中心側をセンタフレームの底板と縦板に強固に取付けることができる。これにより、キャブ支持用張出しビームは、大きな負荷が作用する部分の強度を高めることができ、振動をさらに小さく抑えることができる。
【0059】
請求項5の発明によれば、キャブ支持用張出しビームの後側には、他のキャブ支持用張出しビームを設け、当該他のキャブ支持用張出しビームと前枠部との間でキャブを支持する構成としている。従って、前枠部によってキャブの前側位置を支持することができ、他のキャブ支持用張出しビームによってキャブの後側位置を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】旋回フレームを拡大して示す平面図である。
【図3】旋回フレームを拡大して示す斜視図である。
【図4】旋回フレームの左前側部分を図2中の矢示IV−IV方向からみた要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による旋回フレームを示す平面図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
4 上部旋回体
5 キャブ
11,11′ 旋回フレーム
12 センタフレーム
13 底板
14,15 縦板
18,19 サイドフレーム
21 前枠部
23 キャブ支持用張出しビーム
24,31 傾斜張出しビーム(キャブ支持用張出しビーム)
25〜28 張出しビーム
31C 広幅部
O 旋回中心
Claims (5)
- 底板と該底板上に立設された左,右の縦板とにより形成され旋回中心位置を中心として旋回可能なセンタフレームと、該センタフレームの左,右両側に位置し前,後方向に延びた左,右のサイドフレームと、該左,右のサイドフレームを前記センタフレームの底板と縦板に支持するため前記センタフレームと左,右のサイドフレームとの間に前,後方向に間隔をもって設けられた複数本の張出しビームと、前記センタフレームのうち左,右方向の一方側の前部に前側に延びて設けられた縦梁部と、前記各張出しビームのうち最前部の張出しビームよりも前側となる位置で前記左,右のサイドフレームのうち一方のサイドフレームの前側と前記縦梁部の前側との間に設けられた前枠部とを備え、
該前枠部、前記縦梁部および一方のサイドフレームによってキャブの前部を下側から支持する構成としてなる建設機械の旋回フレームにおいて、
前記複数本の張出しビームのうち前記最前部の張出しビームは、前記前枠部の後側となる位置で前記キャブを下側から支持するキャブ支持用張出しビームとして構成し、
当該キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記センタフレームの旋回中心から前記サイドフレームと前枠部との接合部に向けて放射状に斜めに配置する構成としたことを特徴する建設機械の旋回フレーム。 - 前記キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記サイドフレームに接合する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の旋回フレーム。
- 前記キャブ支持用張出しビームの先端側は、前記サイドフレームと前記前枠部とに接合する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の旋回フレーム。
- 前記キャブ支持用張出しビームは、先端側に比較して旋回中心側で広幅に形成してなる請求項1,2または3に記載の建設機械の旋回フレーム。
- 前記キャブ支持用張出しビームの後側には、他のキャブ支持用張出しビームを設け、当該他のキャブ支持用張出しビームと前記前枠部との間で前記キャブを支持する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械の旋回フレーム。
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