JP4037556B2 - 塗料滓の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料滓の処理方法に関し、一層詳細には、自動車車体の塗装工程において発生する塗料滓と、リン酸塩含有廃水の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つからなる廃棄物とを混合して混合物とし、該混合物を加熱することにより前記塗料滓を炭素集合体とするとともに前記廃棄物を金属や無機化合物とする塗料滓の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体の塗装工程は、脱脂処理工程、皮膜形成工程、塗膜形成工程に大別される。
【0003】
すなわち、脱脂処理工程において車体をアルカリ性溶液に浸漬し、車体表面に付着した油やダストを取り除く。その後、中和、水洗する。
【0004】
次いで、皮膜形成工程において、亜鉛イオンおよびリン酸イオンを含有する処理溶液に車体を浸漬する。この浸漬により、リン酸亜鉛の皮膜が車体表面に形成される。この皮膜は、車体の防錆効果を向上させ、かつ、次工程の塗膜形成工程で形成される塗膜の密着性を向上させる役割を果たす。
【0005】
次いで、塗膜形成工程において、塗装装置から塗料を車体に噴射して塗料を前記皮膜上に塗着させる。塗着された塗料を乾燥して固化させれば、塗膜が形成される。塗料としては、通常、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とし、さらに、着色顔料、体質顔料、分散剤、紫外線吸収剤、希釈剤等が含有されているものが使用されている。
【0006】
塗膜形成工程の際には、塗装装置から噴射された塗料が全て車体に塗着することが望ましいが、実際には車体から滴下してしまうもの等があるため、未塗着の塗料(塗料滓)が存在するに至る。一般に、塗膜形成工程は複数回繰り返されるので、塗料滓の量はかなりのものとなる。
【0007】
塗料滓は、通常、高圧で噴射された水によって収集され、この水とともにピットに蓄積されることにより捕集される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、捕集された塗料滓の処理方法としては、例えば、特開昭55−8810号公報や特公平7−102359号公報に開示された処理方法、あるいは焼却処理方法や加熱処理方法等が知られている。
【0009】
しかしながら、塗料滓を焼却処理あるいは加熱処理する場合、塗料滓の主成分は上記したように熱硬化性樹脂であるため、加熱の際にはCOやCO2 、さらには塩化有機物ガス等が発生する。したがって、環境上好ましい処理方法であるとは言い難い。
【0010】
また、自動車工場における生産活動に伴って排出されるものは塗料滓だけではなく、例えば、上記の塗装工程における皮膜形成工程からはリン酸塩含有廃水の汚泥が排出される。すなわち、皮膜形成工程において使用される亜鉛イオンおよびリン酸イオンを含有する処理溶液中には、皮膜形成の回数の増加に伴って、車体から溶出した鉄とリン酸とが化合したリン酸鉄等のリン酸塩やリン酸亜鉛が徐々に析出してくるため、前記処理溶液が最終的に汚泥となる。この汚泥は皮膜形成能を有しておらず、廃棄物として処理されるべきものである。
【0011】
また、前記脱脂処理工程の後に車体を水洗することにより発生した廃洗浄水等(すなわち一般廃水)の汚泥や生ゴミ等を焼却した残渣である焼却灰等が排出されるが、これらも廃棄物として処理されるべきものである。
【0012】
一般に、これらの廃棄物を処理するには大規模な設備が必要となるため、これらの処理は業者へ委託することが通例である。しかしながら、外部への委託は、廃棄物処理コストの上昇を招くという不具合がある。
【0013】
そこで、塗料滓とこれら廃棄物とを同時にかつ簡便に該塗料滓からCOやCO2 、塩化有機物ガスを発生させることなく処理することができれば、環境への負荷が低減されるとともに廃棄物処理コストを低減することができると考えられる。さらに、そのような処理方法によりこれらから再利用可能なものが得られるようにすれば、省資源化という観点からも望ましい。しかしながら、そのような処理方法はこれまでのところ知られていない。
【0014】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、塗料滓とリン酸塩含有廃水の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つからなる廃棄物とを混合して加熱することによって、前記塗料滓を再利用可能な炭素集合体とすることができ、かつ、前記廃棄物を無機化合物や金属とし得、しかも前記加熱の際にCOやCO2 、塩化有機物ガスを発生させることのない塗料滓の処理方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、塗料滓を粉砕する第1の粉砕工程と、粉砕された前記塗料滓と、リン酸塩含有廃水の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つからなる廃棄物とを混合して混合物とする混合工程と、前記混合物の含水率を40%以下にまで脱水する脱水工程と、脱水された前記混合物を、雰囲気ガスを供給することなく加熱して、前記塗料滓を炭素材とする炭化工程と、前記炭素材を粉砕する第2の粉砕工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
塗料滓の例としては、自動車車体の塗装工程において発生した熱硬化性樹脂を含有する塗料滓を挙げることができる。
【0017】
この処理方法においては、塗料滓に含有されていた熱硬化性樹脂のほとんどが固形の粒状炭素材に変化せしめられ、COやCO2 、有機塩化物ガスが発生しない。したがって、環境への負荷が低減される。
【0018】
この場合、前記炭化工程または前記第2の粉砕工程の後に、炭素材に含有されている磁性体を該炭素材から分離除去して回収する分離除去工程を行うとよい。この磁性体は実質的に鉄からなり、したがって、鉄として再利用することができる。
【0019】
一方、回収されることなく前記炭素材に含有された金属や無機化合物の量は極めて少なく、炭素材の物性に影響を及ぼすことがない。したがって、炭素材からこれらを分離しなくとも、該炭素材を骨材や体質顔料、あるいは脱臭剤や肥料等として供することができる。
【0020】
すなわち、上記処理方法は、塗料滓と廃棄物を同時にかつ簡便に処理することができ、かつ、塗料滓や廃棄物自体を再利用可能な形態に変化せしめる。したがって、廃棄物処理コストを低減することができるとともに省資源化を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る塗料滓の処理方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照してその作用とともに詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態に係る処理方法における工程の流れをフローチャートにして図1に示す。この図1に示すように、本実施の形態に係る処理方法は、第1の粉砕工程S1と、混合工程S2と、脱水工程S3と、炭化工程S4と、分離除去工程S5と、第2の粉砕工程S6と、必要に応じて分級工程S7とを備える。
【0023】
なお、本実施の形態においては、塗料滓として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とするものが選定される。塗料滓には、さらに、シンナー等の有機溶剤や顔料が含有されていてもよい。また、さらに、水分が含有されていてもよい。このような塗料滓の例としては、自動車車体の塗装工程における未塗着分の塗料が捕集された塗料滓が挙げられる。
【0024】
まず、第1の粉砕工程S1において、前記塗料滓を粉砕機により粉砕し、平均径5mm程度の塊状物とする。具体的には、図2に示すように、容器10に貯留された塗料滓9をホッパー12に投入し、このホッパー12の底部に臨むコンベア14によって粉砕機16に搬送する。粉砕機16で粗粉砕された塗料滓9は、次いで撹拌翼が設けられたミキサ18に導かれる。このミキサ18には廃棄物もまた導入され、ここで営まれる混合工程S2での廃棄物との混合時に、塊状の塗料滓9が該廃棄物と均一に混ざり合う。すなわち、混合工程S2において、粉砕された塗料滓9と廃棄物、すなわち、リン酸塩含有廃水の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つとを混合する。この混合により、塊状となった塗料滓9の周囲には前記廃棄物が付着する。
【0025】
ここで、リン酸塩含有溶液の汚泥とは、リン酸亜鉛やリン酸鉄等のリン酸塩を含有する溶液の汚泥のことを指称し、具体的には、自動車車体の塗装工程の1つである皮膜形成工程において使用された、リン酸イオンおよび亜鉛イオンを含有する処理溶液の汚泥が例として挙げられる。また、一般廃水の汚泥の例としては、自動車車体の廃洗浄水等が収集されてなる自動車製造工場の総合廃水の汚泥が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。例えば、家庭生活の営みにより排出される洗濯水や入浴水等の廃水の汚泥、土木工事現場の浚渫汚泥、雨水汚泥、あるいはこれらの混合汚泥等を使用してもよい。
【0026】
上記2つの汚泥には無機化合物や金属が含有されている。具体的には、リン酸塩含有溶液の汚泥には、上記したようにリン酸亜鉛やリン酸鉄等のリン酸塩が含有されている。また、自動車製造工場の総合廃水(一般廃水)の汚泥には、鉄および亜鉛、ニッケル、銅等が含有されている。したがって、汚泥から水分や揮発成分を除去すれば、このような無機化合物や金属が得られる。なお、鉄に対するその他の金属の割合は極めて小さいので、前記金属は実質的に鉄であるとみなすことができる。
【0027】
また、焼却灰も特に限定されるものではないが、好適な例として、紙、木材、厨房から廃棄される生ゴミ、プラスチック(熱可塑性樹脂)等の一般塵芥、あるいはこれらの混合廃棄物等を焼却して得られる灰を挙げることができる。焼却灰には、水分、上記したような金属(上記と同様に、実質的に鉄)、無機化合物、炭化物等が含まれている。
【0028】
前記ミキサ18における塗料滓9と廃棄物との混合比は、塗料滓100重量部に対して廃棄物を10重量部以上とすることが好ましい。廃棄物の割合が10重量部よりも少ないと、炭化工程S4における加熱時に、塗料滓9の主成分である熱硬化性樹脂が加熱装置の内壁等に付着することがあり、その結果、加熱装置内が閉塞してしまうことがあるからである。このミキサ18の混合は、実質的にミキサ18内に塗料滓9と廃棄物とを連続的に投入しながら前記撹拌翼を回転させて混合する。
【0029】
混合工程S2が終了すると、この混合物をミキサ18の取出口からコンベア20によって連続的に排出し、次なる脱水工程S3へと搬送する。なお、この混合工程S2においては、塗料滓9や廃棄物の含水率が高いほどこれらが均一に混合される。したがって、混合工程S2の前に、塗料滓9や廃棄物の脱水を行う必要はない。次いで、脱水工程S3において、含水率が40%以下となるまで前記混合物を脱水する。含水率が40%よりも高い場合には、炭化工程S4において混合物を加熱した場合に水分の蒸発揮散に長時間を要するため、混合物の処理効率が低下する。脱水方法としては特に限定されるものではなく、適当な脱水装置22であればよいが、例としては、フィルタープレスによる圧搾脱水を挙げることができる。このようにして脱水された混合物は、さらに、コンベア24によって炭化工程へと送給される。
【0030】
この炭化工程S4において、含水率が40%以下にまで脱水された混合物を加熱する。すなわち、前記混合物を、予め一定温度に上昇された加熱装置26内に投入する。この際の温度は、350〜550℃とすることが好ましい。350℃よりも低いと、塗料滓9の反応率が低いので処理効率が低くなり、炭素集合体の収率も低くなる。また、550℃よりも高いと、加熱装置内に酸素がわずかでも残留していた場合には、炭素材がこの酸素により酸化されてCO2 が発生する。より好ましい温度は、400〜500℃である。実際、加熱装置26は二本の並列されたスクリューコンベア28a、28bを有し、下方に熱源30を備える。脱水工程S3を経た混合物は、前記加熱装置26を構成するホッパ32に投入され、スクリューコンベア28a、28bによって搬送される間、熱源30の加熱作用下に乾留炭化される。
【0031】
この加熱は、前記加熱装置26内への酸化性ガスの混入を防ぐため、雰囲気ガスを供給することなく行う。酸化性ガスが混入した雰囲気中で前記混合物を加熱すると、塗料滓9の主成分である熱硬化性樹脂は容易に酸化されてCOやCO2 となり、また、自身が分解したり塩素と化合することによって塩化有機物ガスを生成するので、炭素材を収率よく得ることができないからである。
【0032】
加熱によって、塗料滓9からは水分やシンナー等の有機溶剤が蒸発揮散し、熱硬化性樹脂が残渣となり残留する。また、汚泥や焼却灰からも水分が蒸発揮散し、金属や無機化合物、炭化物が残渣となり、前記熱硬化性樹脂の表面に残留する。さらに、塗料滓9に含有された顔料が無機化合物に変化する。
【0033】
このように揮発成分が蒸発揮散した後、前記熱硬化性樹脂が硬化し始め、粘着性を呈するようになる。その結果、金属や無機化合物、炭化物が熱硬化性樹脂の表面に粘着されるに至る。すなわち、これらにより熱硬化性樹脂の表面が被覆された状態となる。また、金属や無機化合物、炭化物の一部は、粘着性を呈した熱硬化性樹脂の内部に取り込まれ、該熱硬化性樹脂に融着される。
【0034】
この加熱の間、金属や無機化合物、炭化物は粘着性を呈することはない。したがって、これらにより表面が被覆された熱硬化性樹脂が、加熱装置26の内壁やスクリューコンベア28a、28bに付着することがない。結局、塗料滓9や廃棄物を加熱装置26内で移送しながら連続的に処理することができる。
【0035】
そして、最終的には、前記熱硬化性樹脂が炭化して炭素材が生成される。すなわち、酸化性ガスが存在しないので、熱硬化性樹脂はCOやCO2 、塩化有機物ガスを発生することなく炭素材に変化する。したがって、従来技術に係る塗料滓の加熱あるいは焼却処理方法と比較して、環境への負荷が著しく低減される。
【0036】
この炭素材の表面には金属や無機化合物、炭化物が付着しており、また、一部の炭素材は、その内部に金属や無機化合物、炭化物を含んでいる。金属のうち、磁性体は分離除去工程S5において除鉄機36を用いて炭素材から分離除去することができる。例えば、加熱装置26から排出された炭素材を、磁石を用いた除鉄機36に臨ませれば、炭素材の表面に付着した磁性体は前記磁石の磁力により吸引され、炭素材から分離除去される。そして、除鉄機36の排出口からは、磁性体が分離除去された炭素材が排出される。なお、分離除去された磁性体は、別の排出口から排出される。
【0037】
上記したように、金属は実質的に鉄とみなせる。鉄は磁石に吸引されるので、本実施の形態においては、分離回収された磁性体は実質的に鉄であるとみなすことができる。したがって、回収された磁性体は鉄として再利用することが可能である。
【0038】
次いで、コンベア38を介して搬送される炭素材を、粉砕機40により第2の粉砕工程S6において、目的および用途に応じた粒径に粉砕すれば、微小径の粒状炭素材からなる炭素集合体が得られる。
【0039】
なお、必要に応じて、図1中にかっこ書きで示したように、分級工程S7において、微粉砕された粒状炭素を分級してもよい。この場合、分級機42にコンベア44を介して前記炭素集合体を送給し分級することにより、粒径分布の幅が狭い、すなわち、粒径がほぼ均一な粒状炭素が得られる。この粒状炭素には、分離除去工程S5において分離除去されなかった金属や無機化合物、炭化物が含まれているが、この含有量は極めて少ないので、粒状炭素の諸性質に影響を及ぼすことはない。したがって、粒状炭素からこれらを分離することなく、該粒状炭素集合体からなる炭素材料として使用することができる。
【0040】
このように、本実施の形態の塗料滓の処理方法においては、塗料滓と、リン酸塩含有溶液の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つからなる廃棄物とを非常に簡便に処理することができる。また、塗料滓の主成分である熱硬化性樹脂をほとんど炭化せしめることができ、炭素材を収率よく得ることができる。
【0041】
上記処理方法によって得られた炭素材は、コンクリートあるいはモルタルの骨材として使用することができる。すなわち、セメントや砂等とともにこの炭素材を混練し、次いでこれを硬化すれば、硬化したコンクリートあるいはモルタルはこの炭素材が添加されていないものよりも高強度なものとなる。
【0042】
また、前記炭素材は、体質顔料として使用することもできる。例えば、この炭素材を印刷インキや塗料に添加することにより、これらの色相や着色力を所望のものに調整することができる。
【0043】
さらに、この炭素材は多孔質で比表面積が大きく、したがって、活性炭の代用品とも成り得る。すなわち、脱臭剤、吸着剤等として使用することができる。
【0044】
またさらに、この炭素材を植物の肥料として使用することもできる。
【0045】
一方、上記したように、分離除去工程S5において分離回収された磁性体(実質的に鉄)もまた、鉄として使用することが可能である。
【0046】
このように、生成した炭素材および分離回収された鉄は再利用することが可能であり、したがって、省資源化を図ることができる。
【0047】
なお、上記した実施の形態では除鉄機36による鉄等の磁性体の分離除去工程S5を炭化工程S4の後に行っているが、炭化工程S4の後ではなく、第2の粉砕工程S6の後に行うようにしてもよい(図2の破線参照)。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る塗料滓の処理方法によれば、塗料滓やリン酸塩含有廃水の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つからなる廃棄物を非常に簡便に処理することができる。また、塗料滓の加熱の際にCOやCO2 、塩化有機物ガスが発生することがない。したがって、前記廃棄物の処理コストを低減させるとともに環境への負荷を低減させることができるという効果が達成される。
【0049】
さらに、本発明の塗料滓の処理方法によれば、塗料滓を、コンクリートあるいはモルタルの骨材や体質顔料等、再利用可能な粒状炭素とすることが可能であるとともに、廃棄物から分離回収された磁性体をも再利用することが可能である。したがって、省資源化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る塗料滓の処理方法の工程を示すフローチャートである。
【図2】本実施の形態に係る塗料滓の処理方法により塗料滓を処理する設備の全体概略説明図である。
【符号の説明】
9…塗料滓 16…粉砕機
18…ミキサ 22…脱水装置
26…加熱装置 36…除鉄機
40…粉砕機 42…分級機

Claims (5)

  1. 塗料滓を粉砕する第1の粉砕工程と、
    粉砕された前記塗料滓と、リン酸塩含有廃水の汚泥、一般廃水の汚泥、焼却灰からなる群から選択された少なくとも1つからなる廃棄物とを混合して混合物とする混合工程と、
    前記混合物の含水率を40%以下にまで脱水する脱水工程と、
    脱水された前記混合物を、雰囲気ガスを供給することなく加熱して、前記塗料滓を炭素材とする炭化工程と、
    前記炭素材を粉砕する第2の粉砕工程と、
    を備えることを特徴とする塗料滓の処理方法。
  2. 請求項1記載の塗料滓の処理方法において、
    前記炭化工程の後に、前記炭素材に含有されている磁性体を該炭素材から分離除去する分離除去工程を備えることを特徴とする塗料滓の処理方法。
  3. 請求項1記載の塗料滓の処理方法において、
    前記第2の粉砕工程の後に、前記炭素材に含有されている磁性体を該炭素材から分離除去する分離除去工程を備えることを特徴とする塗料滓の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料滓の処理方法において、
    前記第2の粉砕工程の後に、粉砕された炭素材を分級する分級工程をさらに備えることを特徴とする塗料滓の処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料滓の処理方法において、
    前記塗料滓が、自動車車体の塗装工程において発生した熱硬化性樹脂を含有する塗料滓であることを特徴とする塗料滓の処理方法。
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