JP4037308B2 - カウンタバランス弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブーム起伏用油圧シリンダやブーム伸縮用油圧シリンダ等のクレーン用の油圧シリンダに装備されるカウンタバランス弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図4に示すような車両搭載型のクレーン1は、アウトリガ2を備えたベース4上にコラム6が旋回自在に設けられ、このコラム6の上端部に伸縮するブーム7が起伏自在に枢支されている。
コラム6にはウインチ11が設けられており、このウインチからワイヤロープ12をブーム7の先端部に導いて、ブーム7の先端部の滑車(図示略)を介して吊荷用のフック13に掛回すことにより、フック13をブーム7の先端部から吊下している。
【0003】
このクレーン1では、コラム6の旋回、ブーム7の起伏と伸縮、及びウインチ11の巻上巻下の作動を行うための油圧アクチュエータとして、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10を備えている。
旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10は、切換制御弁装置3の操作レバー14を操作することにより作動させる。
【0004】
図5に示すように、ブーム起伏用油圧シリンダ9やブーム伸縮用油圧シリンダ8等のクレーン用の油圧シリンダCには、カウンタバランス弁Aが装備されており、油圧ポンプDから吐出された作動油は切換制御弁装置3を構成する各切換制御弁Bからカウンタバランス弁Aを介して各油圧シリンダCに供給される。
従来のカウンタバランス弁Aは、図5、及び図6に示すように、弁本体A0とマニホールドGとからなり、弁本体A0は、切換制御弁Bから伸油路B1が接続される伸長側一次ポートA1と、マニホールドGの伸長側ポートG3を介して油圧シリンダCの伸長側油室C1 に接続される伸長側二次ポートA2とを有している。
【0005】
また、マニホールドGは、切換制御弁Bから縮油路B2が接続される縮小側一次ポートG1と 油圧シリンダCの縮小側油室C2に接続される縮小側二次ポートG2とを有している。
伸長側一次ポートA1と伸長側二次ポートA2間の正流油路A4内には逆止弁A5が設けられており、伸長側一次ポートA1と伸長側二次ポートA2間の逆流油路A9内には、メインスプールA6と絞りA8とが設けられている。
【0006】
メインスプールA6はスプリングA10で常時閉側(図上、左側)へ付勢されており、パイロットポートA3からパイロット油路A11を経て供給されるパイロット圧油によってスプリングA10の付勢力に抗して開側に移動するようになっている。パイロットポートA3はマニホールドGの縮小側一次ポートG1と接続されており、パイロット油路A11の途中には絞りA7が設けられている。
【0007】
油圧ポンプDの吐出油路D1とタンクEへの戻り油路E1との間にはリリーフ弁Fが設けられている。
油圧シリンダCが伸長する場合には、油圧ポンプDから吐出された作動油が切換制御弁Bから伸油路B1を通って伸長側一次ポートA1に入り、逆止弁A5を開側(図6上、左側)へ押し、伸長側二次ポートA2からマニホールドGの伸長側ポートG3経て油圧シリンダCの伸長側油室C1に供給される。
【0008】
油圧シリンダCの縮小側油室C2内の作動油は、マニホールドGの縮小側二次ポートG2、縮小側一次ポートG1、縮油路B2、切換制御弁Bを経てタンクEへ流出する。これにより、ピストンロッドC3が伸出し、シリンダCが伸長する。
油圧シリンダCが縮小する場合には、油圧ポンプDから吐出された作動油が切換制御弁Bから縮油路B2を通ってマニホールドGの縮小側一次ポートG1に入り、縮小側二次ポートG2を経て油圧シリンダCの縮小側油室C2に供給される。
【0009】
これと同時にパイロットポートA3からパイロット油路A11を経てメインスプールA6にパイロット圧油が供給され、スプリングA10の付勢力に抗してメインスプールA6を開側に移動させるので、逆流油路A9が開となり伸長側一次ポートA1と伸長側二次ポートA2とが連通する。
油圧シリンダCの伸長側油室C1内の作動油はマニホールドGの伸長側ポートG3、伸長側二次ポートA2、絞りA8、伸長側一次ポートA1、伸油路B1、切換制御弁Bを経てタンクEへ流出する。これにより、油圧シリンダCが縮小する。
【0010】
油圧シリンダCが縮小するとき、伸長側油室C1内から流出する作動油は、パイロット油路A11からメインスプールA6に供給されるパイロット圧油の圧力、即ち油圧ポンプDの吐出圧力に応じて開放されていたので、油圧シリンダCに作用する負荷の大小とは無関係であり、カウンタバランス弁Aの開放圧力、油圧シリンダCの縮小時の作動速度は常に一定であった(特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
実開昭59−47167号公報(第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、油圧シリンダCが、図4のクレーン1のブーム起伏用シリンダ9である場合、重荷重を吊りあげているときや、ブーム7を伸長させた状態で作業しているときに、高速でブーム7を倒伏させると、ブーム7の倒伏に伴う作業半径の増加によるモーメント増大と、倒伏運動による慣性とが加わり、クレーン1を搭載している車両が転倒する事故につながつるおそれがある。
【0013】
このように、油圧シリンダCに作用する負荷が大きい場合、高速で油圧シリンダCを縮小させると危険な場合があるため、油圧シリンダCに作用する負荷が大きい場合には、低速でしか縮小できないようにしておくことが望ましい。
本発明はカウンタバランス弁における上記問題を解決するものであって、油圧シリンダに作用する負荷が大きい場合、縮小速度を低速にすることのできるカウンタバランス弁を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、作動油の供給切換制御弁に接続される伸長側一次ポートと、油圧シリンダの伸長側油室に接続される伸長側二次ポートと、切換制御弁に接続される縮小側一次ポートと、油圧シリンダの縮小側油室に接続される縮小側二次ポートとを有し、伸長側一次ポートと伸長側二次ポート間の正流油路内に逆止弁を設け、伸長側一次ポートと伸長側二次ポート間の逆流油路内に、常時閉側へ付勢され縮小側一次ポートに接続されたパイロットポートから供給されるパイロット圧油によって開側に移動するメインスプールを設けたカウンタバランス弁において、縮小時に、油圧シリンダに作用する負荷に応じて、油圧シリンダの縮小側油室への作動油の供給量を制限する流量制御弁を備えることにより上記課題を解決している。
【0015】
本発明のカウンタバランス弁は、縮小時に、油圧シリンダに作用する負荷が大きい場合には、流量制御弁が油圧シリンダの縮小側油室への作動油の供給量を制限し、伸長側油室からの作動油の流出を少なくするので、油圧シリンダを低速で縮小させることができる。油圧シリンダに作用する負荷が小さい場合には、油圧シリンダを高速で縮小させる。
【0016】
流量制御弁に、縮小時に油圧シリンダに作用する負荷に応じて、縮小側一次ポートに供給された作動油の一部を戻り油路へ流出させる開放スプールを設ければ、開放スプールを開いて縮小側一次ポートに供給された作動油の一部を戻り油路へ流出させることにより、油圧シリンダの縮小側油室への作動油の供給量を制限することができる。
【0017】
流量制御弁に、縮小時に油圧シリンダに作用する負荷に応じて、開放スプールの閉側への付勢力を低減させるピストンを設けると、油圧シリンダに作用する負荷に応じた開放スプールの開閉を確実に行うことができる。
流量制御弁のピストンの開側油室と閉側油室の受圧面積比を、油圧シリンダの伸長側油室と縮小側油室の受圧面積比に等しくすれば、シリンダに発生する差圧とピストンに発生する差圧を等しくすることができ、油圧シリンダに作用する負荷に適正に対応した縮小速度制御が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるカウンタバランス弁を装備した油圧シリンダの油圧回路図、図2はカウンタバランス弁の弁本体の構成を示す断面図、図3は流量制御弁の構成を示す断面図である。
このカウンタバランス弁Aは、弁本体A0とマニホールドGと流量制御弁Jとを備えている。
【0019】
弁本体A0は、切換制御弁Bから伸油路B1が接続される伸長側一次ポートA1と、マニホールドGの伸長側ポートG3を介して油圧シリンダCの伸長側油室C1に接続される伸長側二次ポートA2とを有している。
また、マニホールドGは、切換制御弁Bから縮油路B2が接続される縮小側一次ポートG1と、油圧シリンダCの縮小側油室C2に接続される縮小側二次ポートG2とを有している。
【0020】
伸長側一次ポートA1と伸長側二次ポートA2間の正流油路A4内には逆止弁A5が設けられており、伸長側一次ポートA1と伸長側二次ポートA2間の逆流油路A9内には、メインスプールA6と絞りA8とが設けられている。
メインスプールA6はスプリングA10で常時閉側(図上、左側)へ付勢されており、パイロットポートA3からパイロット油路A11を経て供給されるパイロット圧油によってスプリングA10の付勢力に抗して開側に移動するようになっている。パイロットポートA3はマニホールドGの縮小側一次ポートG1と接続されており、パイロット油路A11の途中には絞りA7が設けられている。
【0021】
油圧ポンプDの吐出油路D1とタンクEへの戻り油路E1との間にはリリーフ弁Fが設けられている。
流量制御弁Jは、マニホールドGの縮小側一次ポートG1に接続される流量制御一次ポートJ1と、伸油路B1に接続される流量制御二次ポートJ2と、マニホールドGの伸長側ポートG3に接続される流量制御パイロットポートJ3とを有している。
【0022】
流量制御弁Jの流量制御一次ポートJ1と流量制御二次ポートJ2との間には、開放スプールJ4が設けられている。開放スプールJ4は中空筒状であり、一端部(図3上、上端部)にフランジ状のストッパJ14が形成されている。この開放スプールJ4内にはピストンJ10のロッドJ13が摺動自在に挿通されており、ロッドJ13の先端部(図3上、上端部)には、開放スプールJ4に係合する係合部J15が設けられている。
【0023】
ストッパJ14上には、開放スプールJ4を閉側へ付勢するスプリングJ12が設けられており、係合部J15上には、係合部J15を開放スプールJ4に当接させ、且つ開放スプールJ4を閉側へ付勢するスプリングJ11が設けられている。
開放スプールJ4の他端部(図3上、下端部)とピストンJ10の閉側油室J8とはパイロット油路J16で流量制御一次ポートJ1に連通している。ピストンJ10の開側油室J9はパイロット油路J17で流量制御パイロットポートJ3に連通している。パイロット油路J17には絞りJ5が設けられており、絞りJ5と開側油室J9との間には、絞りJ6と逆止弁J7とが並列に設けられている。
【0024】
上記構成により、開放スプールJ4は、通常スプリングJ11、J12で付勢され、さらにピストンJ10の閉側油室J8のパイロット圧油による推力で閉側に押し下げられている。スプリングJ11、J12の付勢力は、開放スプールJ4が流量制御一次ポートJ1から流入するパイロット圧油による推力だけでは開放されないよう、アジャストスクリューJ18、J19で調整されている。
【0025】
ピストンJ10の開側油室J9のパイロット圧油による推力でピストンJ10が押し上げられ、ロッドJ13の係合部J15が上昇すると、スプリングJ11の付勢力は開放スプールJ4に作用しなくなる。
ピストンJ10の開側油室J9は、流量制御パイロットポートJ3、伸長側ポートG3を介してシリンダCの伸長側油室C1と連通しているため、伸長側油室C1内の油圧の増減により開側油室J9内の油圧も増減する。
【0026】
パイロット油路J17に設けられている絞りJ5と絞りJ6と逆止弁J7とは、開側油室J9内へのパイロット圧油の流入時より流出時の流量抵抗を大とする。この流量抵抗の差により、シリンダCが縮小している状態でシリンダCにかかる負荷が高速周期で変動したとき、シリンダCの伸長側油室C1に発生する圧油の脈動により、ピストンJ10、ロッドJ13がチャタリングを起こすことで開放スプールJ4の閉側への付勢力を変動させ、開放スプールJ4がチャタリングし、パイロット油路J16のパイロット圧油が脈動し、流量制御一次ポートJ1、パイロットポートA3、パイロット油路A11にて接続されたメインスプールA6もチャタリングを引き起こす、シリンダCの縮小作動時のチャタリング現象を防止する。
【0027】
ピストンJ10の閉側油室J8は、流量制御一次ポートJ1、縮小側二次ポートG2を介してシリンダCの縮小側油室C2と連通しているため、縮小側油室C2内の油圧の増減により閉側油室J8内の油圧も増減する。
ピストンJ10の開側油室J9と閉側油室J8の受圧面積比は、油圧シリンダCの伸長側油室C1と縮小側油室C2の受圧面積比と等しくなっており、シリンダCに発生する差圧とピストンJ10に発生する差圧は等しくなる。
【0028】
ここで、シリンダCの負荷が小さいとき、伸長側油室C1内の油圧は低いため、伸長側油室C1と縮小側油室C2間の差圧は小さい。よって、ピストンJ10の開側油室J9と閉側油室J8間の差圧が小さく、ピストンJ10に作用する開側(図3上、上方)への推力も小さいので、ロッドJ13は殆ど、あるいは全く、開側へは移動しない。従って、開放スプールJ4の閉側への付勢力は、スプリングJ11とスプリングJ12の付勢力の和とほぼ等しい。
【0029】
縮小側一次ポートG1に流入する作動油は流量制御一次ポートJ1から流量制御二次ポートJ2へ流れようとするが、シリンダCに作用する負荷が小さい場合、開放スプールJ4が開口しないか、あるいは開口量が僅かであるので、流量制御二次ポートJ2側へは全く、あるいは殆ど流れず、ポンプDから吐出された作動油圧はほぼ全量がシリンダCの縮小側油室C2に流入する。
【0030】
一方、シリンダCの負荷が大きいときは、伸長側油室C1内の油圧が高くなるため、伸長側油室C1と縮小側油室C2間の差圧は大きくなる。よって、ピストンJ10の開側油室J9と閉側油室J8間の差圧が大きくなり、ピストンJ10に作用する開側への推力も大きくなるので、ロッドJ13は大きく開側へ移動する。従って、開放スプールJ4の閉側への付勢力は、スプリングJ12の付勢力のみに左右されることになり、開放スプールJ4は開口し易くなる。
【0031】
そこで、開放スプールJ4は、流量制御一次ポートJ1からパイロット油路J16を経て流入するパイロット圧油により発生する推力で開口可能となる。
開放スプールJ4が開口すると、縮小側一次ポートG1に流入する作動油は流量制御一次ポートJ1から流量制御二次ポートJ2、伸油路B1、切換制御弁Bを経てタンクEへ流出可能となるので、ポンプDから吐出された作動油圧の一部がシリンダCの縮小側油室C2に流入せずタンクEに戻る。これにより、縮小側油室C2に流入する作動油の量が減少する。また、縮小側一次ポートG1からパイロットポートA3、パイロット油路A11を経てメインスプールA6に作用するパイロット圧油の油圧も低下するので、メインスプールA6の開口量も小さくなり、伸長側油室C1からタンクEへの作動油の流出量も減少する。
【0032】
これらの効果により、シリンダCへの負荷が大きいときほどシリンダCの縮小速度は遅くなる。
油圧シリンダCが伸長する場合には、油圧ポンプDから吐出された作動油が切換制御弁Bから伸油路B1を通って伸長側一次ポートA1に入り、逆止弁A5を開側へ押し、伸長側二次ポートA2からマニホールドGの伸長側ポートG3経て油圧シリンダCの伸長側油室C1 に供給される。
【0033】
このとき、開放スプールJ4は閉じられているため、作動油は流量制御二次ポートJ2から流量制御一次ポートJ1側へは流れない。
油圧シリンダCの縮小側油室C2 内の作動油は、マニホールドGの縮小側二次ポートG2、縮小側一次ポートG1、縮油路B2、切換制御弁Bを経てタンクEへ流出する。これにより、ピストンロッドC3が伸出し、シリンダCが伸長する。
【0034】
油圧シリンダCが縮小する場合には、油圧ポンプDから吐出された作動油が切換制御弁Bから縮油路B2を通ってマニホールドGの縮小側一次ポートG1に入り、縮小側二次ポートG2を経て油圧シリンダCの縮小側油室C2に供給される。
これと同時にパイロットポートA3からパイロット油路A11を経てメインスプールA6にパイロット圧油が供給され、スプリングA10の付勢力に抗してメインスプールA6を開側に移動させるので、逆流油路A9が開となり伸長側一次ポートA1と伸長側二次ポートA2とが連通する。
【0035】
油圧シリンダCの伸長側油室C1内の作動油はマニホールドGの伸長側ポートG3、伸長側二次ポートA2、絞りA8、伸長側一次ポートA1、伸油路B1、切換制御弁Bを経てタンクEへ流出する。これにより、油圧シリンダCが縮小する。
なお、このとき伸長側油室C1から流出した作動油の一部が伸長側ポートG3から流量制御パイロットポートJ3、パイロット油路J17の絞りJ5、逆止弁J7を経てピストンJ10の開側油室J9に入り、ロッドJ13を押し上げる推力を発生させる。
【0036】
また、縮小側一次ポートG1に入った作動油の一部が、流量制御一次ポートJ1からパイロット油路J16を経てピストンJ10の閉側油室J8に入り、ロッドJ13を押し下げる推力を発生させる。
通常、開放スプールJ4はスプリングJ12の付勢力とスプリングJ11の付勢力と閉側油室J8の推力とによって、閉じられている。
【0037】
開側油室J9の推力がスプリングJ11の付勢力と閉側油室J8の推力の和より大となれば、ピストンJ10、ロッドJ13が押し上げられて、スプリングJ11による付勢力が開放スプールJ4へ作用しなくなるため、開放スプールJ4はスプリングJ12の付勢力だけで閉じられる状態となる。
そこで、開放スプールJ4は、流量制御一次ポートG1からパイロット油路16を経て流入するパイロット圧油により発生する推力で開口する。
【0038】
開放スプールJ4が開口すると、縮小側一次ポートG1に流入する作動油は流量制御一次ポートJ1から流量制御二次ポートJ2、伸油路B1、切換制御弁Bを経てタンクEへ流出可能となるので、ポンプDから吐出された作動油圧の一部がシリンダCの縮小側油室C2に流入せずタンクEに戻る。これにより、縮小側油室C2に流入する作動油の量が減少する。
【0039】
また、縮小側一次ポートG1からパイロットポートA3、パイロット油路A11を経てメインスプールA6に作用するパイロット圧油の油圧も低下するので、メインスプールA6の開口量も小さくなり、伸長側油室C1からタンクEへの作動油の流出量も減少する。
これらの効果により、シリンダCの縮小速度は遅くなる。
【0040】
但し、開放スプールJ4の移動量は、ロッドJ13の移動量によって制限される。
ロッドJ13の移動量は、[開側油室J9の推力]と、[スプリングJ11の付勢力と閉側油室J8の推力の和]との差によって決定される。スプリングJ11の付勢力は一定であるので、[開側油室J9の推力]と[閉側油室J8の推力]の差がスプリングJ11の付勢力を超えて大きくなれば、ロッドJ13の移動量は増大し、その差が小さくなればロッドJ13の移動量は減少する。
【0041】
よって、シリンダCの縮小時は、シリンダCにかかる負荷の大小に応じて開放スプールJ4の移動量が決定され、これに応じて縮小速度が変化することになる。[開側油室J9の推力]と[閉側油室J8の推力]の差がスプリングJ11の付勢力以下になれば、ロッドJ13の移動量は0となり、開放スプールJ4が閉となり縮小速度は通常の高速状態に戻る。
【0042】
このカウンタバランス弁Aは、油圧シリンダCの縮小時において、油圧シリンダCに作用する負荷が大きい場合、油圧シリンダCの縮小側油室C2に流入する作動油の量を制限すると共に、メインスプールA6の開放圧力を低圧に変化させるように構成しているので、油圧シリンダCに作用する負荷に応じて、縮小速度を制御することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカウンタバランス弁は、油圧シリンダに作用する負荷が大きい場合、縮小速度を低速にすることができ、作業の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態であるカウンタバランス弁を装備した油圧シリンダの油圧回路図である。
【図2】カウンタバランス弁の弁本体の構成を示す断面図である。
【図3】流量制御弁の構成を示す断面図である。
【図4】車両搭載用クレーンの正面図である。
【図5】従来のカウンタバランス弁を装備した油圧シリンダの油圧回路図である。
【図6】従来のカウンタバランス弁の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
A カウンタバランス弁
A0 弁本体
A1 伸長側一次ポート
A2 伸長側二次ポート
A3 パイロットポート
A4 正流油路
A5 逆止弁
A6 メインスプール
A9 逆流油路
A10 スプリング
A11 パイロット油路
B 切換制御弁
B1 伸油路
B2 縮油路
C 油シリンダ
C1 伸長側油室
C2 縮小側油室
D 油圧ポンプ
E タンク
G マニホールド
G1 縮小側一次ポート
G2 縮小側二次ポート
G3 伸長側ポート
J 流量制御弁
J1 流量制御一次ポート
J2 流量制御二次ポート
J3 流量制御パイロットポート
J4 開放スプール
J8 閉側油室
J9 開側油室
J10 ピストン
J11 スプリング
J12 スプリング
J13 ロッド
J16 パイロット油路
J17 パイロット油路
Claims (4)
- 切換制御弁に接続される伸長側一次ポートと、油圧シリンダの伸長側油室に接続される伸長側二次ポートと、切換制御弁に接続される縮小側一次ポートと、油圧シリンダの縮小側油室に接続される縮小側二次ポートとを有し、伸長側一次ポートと伸長側二次ポート間の正流油路内に逆止弁を設け、伸長側一次ポートと伸長側二次ポート間の逆流油路内に、常時閉側へ付勢され縮小側一次ポートに接続されたパイロットポートから供給されるパイロット圧油によって開側に移動するメインスプールを設けたカウンタバランス弁であって、
縮小時に、油圧シリンダに作用する負荷に応じて、縮小側一次ポートに供給された作動油の一部を戻り油路へ流出させることで、油圧シリンダの縮小側油室への作動油の供給量を制限する流量制御弁を備えたことを特徴とするカウンタバランス弁。 - 流量制御弁が、縮小時に油圧シリンダに作用する負荷に応じて、縮小側一次ポートに供給された作動油の一部を戻り油路へ流出させる開放スプールを有することを特徴とする請求項1記載のカウンタバランス弁。
- 流量制御弁が、縮小時に油圧シリンダに作用する負荷に応じて、開放スプールの閉側への付勢力を低減させるピストンを有することを特徴とする請求項2記載のカウンタバランス弁。
- 流量制御弁のピストンの開側油室と閉側油室の受圧面積比が、油圧シリンダの伸長側油室と縮小側油室の受圧面積比に等しいことを特徴とする請求項3記載のカウンタバランス弁。
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