JP4037253B2 - 金属製品の鋳造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固液共存状態又は液相状態の金属素材を用いて高品質の金属製品を鋳造するための金属製品の鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビレットと呼ばれる半凝固状態の金属素材を圧入室に充填したのちプランジャ等で機械加圧することにより、当該金属素材を変形流動させつつ圧入室からキャビティ(成形空間)内に充填する金属製品の製造方法が知られている。一般に半凝固状態のビレットの表層には酸化物等の不純物が存在するが、そのような不純物をもキャビティ内に進入させると、製品の品質が低下する。かかる不都合を回避するために、例えば特許文献1の金属成形品の製造装置では、例えば、圧入室の開口部周縁に設けた第1剪断刃と、プランジャの先端部周縁に設けた第2剪断刃との協働により、金属素材の圧入室への装填時にビレットの中心部を打ち抜きながら(つまり不純物を多く含むビレットの表層だけを削り取って除外しながら)、純度の高い金属素材を圧入室及びキャビティ内に充填している。この特許文献1の装置では、キャビティを備えた成形型の直上に、垂立した円筒状の圧入室を有する圧入型が配設され、更にその圧入型の上に、透孔状のビレット装着部を有するビレット装着型が配設されている。そして、マニピュレータと呼ばれるロボットハンドにより略円柱状のビレットを把持してビレット装着型の上方に運び、マニピュレータの把持力を解除することでビレットをビレット装着部内に落下供給している。その後、プランジャを上から下に向けて移動させることで上述のようなビレット中心部の打ち抜き、並びに、圧入室及びキャビティ内への金属素材の充填を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−256422号公報(要約、図1,図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1の装置では、半凝固状態の金属素材と言っても実際に扱えるのは、マニピュレータで把持しても形崩れしないようなビレット、より具体的には略円柱状の金属固体を高周波加熱等して部分溶融させたビレットに限定される。少なくとも把持時においてマニピュレータからすり抜けるほど流動性や柔軟性に富んだ金属素材(例えば、スラリー状に流動化又は軟化した固液共存状態又は液相状態の金属素材)については取り扱えない。本願発明者らは、このような欠点を持たない別方式の金属製品の鋳造装置を提案している(特願2002−39559号参照)。
【0005】
本願発明者らが提案する鋳造装置では、鋳造品成形用のキャビティを有する基体(金型装置)の直下に、嵌合筒(収容筒)とその内部を摺動可能な加圧プランジャとから構成されるところの、金属素材をキャビティに加圧供給させるための加圧機構を配設すると共に、前記基体内には前記加圧機構により加圧供給される金属素材の外層に当接可能な剥ぎ取り刃を設けている。そして鋳造時には、加圧プランジャを下から上に移動させて嵌合筒内に収容していた金属素材を上動させることにより、前記剥ぎ取り刃で金属素材の外層を剥ぎ取りながら、当該金属素材の純度の高い部分をキャビティ内に加圧供給している。この方式によれば、固液共存状態又は液相状態の金属素材をも取り扱うことができる。
【0006】
本願発明者らが提案する上記鋳造装置にも実際の運用上解決すべき点がある。即ち、基体の直下に嵌合筒及び加圧プランジャを配置した関係上、嵌合筒が直立したままの状態ではその直上に位置する基体が嵌合筒の上端開口を塞ぐかたちとなり、嵌合筒内に金属素材を給送できない。それ故、嵌合筒及び加圧プランジャからなる加圧機構を例えば傾動(傾転)させ、嵌合筒の上端開口の向きを変えてから嵌合筒内に金属素材を供給することになる。嵌合筒を傾けたときに、その内周壁面は相対的に下側になる内側面とその他の内側面とにわかれるが、試作実験を繰り返すうちに、傾動時に嵌合筒の内周壁面の相対的に下側になる内側面に接する金属素材は、その他の内側面に接する金属素材よりも凝固物が多量に生成する傾向にあることが判明した(理由は後述)。つまり、金属素材を嵌合筒に供給後、圧入動作に移るべく嵌合筒を直立状態に戻したときに、その嵌合筒内に収容されている金属素材の外層(凝固物等の不純物を多く含む層)の厚さが場所によって不均一化している(金属素材外周部における不純物の偏在)。このため、外層の厚さが周方向において均一であるとの前提のもとに設計された剥ぎ取り刃を使用したのでは、不純物を十分に取り除けない虞れがある。だからと言って、剥ぎ取り刃により外層を剥ぎ取る際の取り代をあまり大きく設定すると、生産効率が低下してしまう。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、剥ぎ取り刃による金属素材の取り代を全周的には必要最小限度にとどめつつも、金属素材の給送のために収容筒を傾斜配置することに起因して凝固物生成が特に多い外層部分だけを選択的に多く削り取り、不純物のキャビティ内への進入を未然に阻止することが可能な金属製品の鋳造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、鋳造品成形用のキャビティを有する基体と、固液共存状態又は液相状態の金属素材を収容する収容筒およびその収容筒内を摺動可能な加圧プランジャを具備すると共に前記基体の直下に設けられた加圧供給機構であって、前記収容筒の上端開口部が前記基体のキャビティ入口に向き合う加圧操作位置と、前記収容筒内に金属素材を受容すべく収容筒が傾斜配置される素材受容位置との間を切替え配置可能に構成された加圧供給機構と、前記キャビティの入口付近に上下動可能に配設され、前記加圧供給機構によるキャビティ内への金属素材の加圧供給に際してその金属素材の外層を剥ぎ取るべく前記加圧操作位置にある収容筒の中心軸線を取り囲むように形成された剥ぎ取り刃を有する刃体と、前記基体に設けられた刃体用の垂直駆動機構と、前記基体に水平スライド可能に設けられ、前記刃体を背後から支えるためのバックアップ片と、前記基体に設けられたバックアップ片用の水平駆動機構とを備えており、前記垂直駆動機構の作用により前記刃体は、剥ぎ取り操作位置と、その剥ぎ取り操作位置から後退上動した離脱位置との間を切替え配置されること、前記水平駆動機構の作用により前記バックアップ片は、前記剥ぎ取り操作位置にある前記刃体の上方に配置されてその背後を支えるバックアップ位置と、そのバックアップ位置から水平スライドした退避位置との間を切替え配置されること、及び、前記刃体の剥ぎ取り刃は、その特定部位がそれ以外の他部位よりも前記中心軸線寄りにオフセットするように形成され、当該剥ぎ取り刃の特定部位により、前記収容筒が素材受容位置に傾斜配置されたときに相対的に下側となる収容筒の内側面に接していた金属素材の外層部分を剥ぎ取ることを特徴とする金属製品の鋳造装置である。
【0009】
この鋳造装置によれば、基体の直下に設けられた加圧供給機構をその収容筒が傾斜配置される素材受容位置に配置することで、基体が邪魔になること無く、収容筒内に固液共存状態又は液相状態の金属素材を円滑に給送することが可能となる。その後、加圧供給機構を素材受容位置から、収容筒の上端開口部が基体のキャビティ入口に向き合う加圧操作位置に切替え配置し、加圧プランジャを作動させることで、収容筒内の金属素材が基体のキャビティ内に加圧供給される。キャビティへの金属素材の加圧供給に際し、キャビティの入口付近に配設された刃体の剥ぎ取り刃により、金属素材の外層(収容筒の内側面に接していた表層)が剥ぎ取られるため、不純物の少ない金属素材だけがキャビティ内に充填される。
【0010】
特に本装置では、刃体の剥ぎ取り刃をその特定部位がそれ以外の他部位よりも収容筒の中心軸線寄りにオフセットするように形成することで、剥ぎ取り刃の特定部位により剥ぎ取られる金属素材外層の厚さが、剥ぎ取り刃の他部位により剥ぎ取られる金属素材外層の厚さよりも厚くなっている。つまり傾斜状態の収容筒に金属素材を給送したとき凝固物生成が多くなる傾向にあるところの、傾斜配置時に相対的に下側となる収容筒の内側面に接していた金属素材の外層部分を、前記剥ぎ取り刃の特定部位によって他の外層部分(剥ぎ取り刃の他部位により剥ぎ取られる外層部分)よりも厚めに削り取ることができる。従って本装置によれば、剥ぎ取り刃による金属素材の取り代を全周的には必要最小限度にとどめつつも、金属素材の給送のために収容筒を傾斜配置することに起因して凝固物生成が特に多い外層部分だけを選択的に多く削り取り、不純物のキャビティ内への進入を未然に阻止して、鋳造品の品質向上を図ることができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の金属製品の鋳造装置において、前記刃体は略環形状に形成されており、その刃体の剥ぎ取り刃における前記特定部位以外の他部位は、前記中心軸線から等距離に位置して円形状をなすのに対し、前記特定部位は、前記他部位による円形ラインよりも内側にあって円弧形状又は直線形状をなしていることを特徴とする。請求項2は、刃体及びその剥ぎ取り刃の好ましい形状を具体的に特定したものである。請求項2の構成によれば、請求項1について述べた上記作用及び効果が最も効果的に発揮される。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の金属製品の鋳造装置において、前記刃体は、その剥ぎ取り刃を下に向けた状態で前記基体に装着されており、前記基体には、前記刃体の剥ぎ取り刃の周辺領域において、剥ぎ取り刃によって剥ぎ取られた屑としての金属素材外層を収容するための屑収容室が設けられていることを特徴とする。請求項3によれば、剥ぎ取り刃により金属素材から剥ぎ取られた直後の剥ぎ取り屑(金属素材外層)が屑収容室に速やかに取り込まれる。故に金属素材の本体部分と屑(外層)との円滑な切り離しを実現することによる剥ぎ取り抵抗(又は切削抵抗)の低減および剥ぎ取り作業の円滑化が図られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。図1に示すように、金属製品の鋳造装置は、金型装置たる基体1と、その直下に設けられた加圧供給機構3と、基体1内に装着された刃体4とを備えている。
【0014】
基体1は、外枠金型11と、その外枠金型11の凹部11aに保持された入子式の成形金型12とで構成されている。外枠金型11の下半部には、固液共存状態又は液相状態の金属素材Mを受容可能な円筒形状の加圧室14が設けられている。一般に加圧室14の内壁面14fには耐熱用又は潤滑用の塗型剤が塗布される。加圧室14の下端には、下側に開口した着座部14mが設けられている。成型金型12は、金属素材Mが送入されて鋳造品を成形するための複数個のキャビティ16と、各キャビティ16の底部に連通する湯道17とを有している。湯道17は加圧室14につながっており、この湯道17を介して基体底部から各キャビティ16に金属素材Mを送入させる底送入方式が実現される。また、基体1には金属素材の剥ぎ取り屑M3(図5参照)を収容するための屑収容室18と、刃体4の垂直スライドを案内するための案内面19とが形成されている。屑収容室18は、刃体4の下側位置にあって加圧室14と連通しながら加圧室14を取り囲んでいる。屑収容室18には押出しピン15が設けられ、加圧室14、キャビティ16及び湯道17には押出しピン15と連動する押出し手段(図示略)がそれぞれ設けられている。各押出しピン15は、屑収容室18内からの剥ぎ取り屑M3の除去に供され、前記各押出し手段(図示略)は、外枠金型11及び成形金型12内からの方案付き鋳造品の取り出しに供される。
【0015】
図1及び図2に示すように、基体1の直下には加圧供給機構3が配設されている。加圧供給機構3は、ストレート円筒状の収容筒31と、その収容筒31内を摺動可能な加圧プランジャ32と、この機構3を任意に駆動する駆動手段(図示略)とを具備する。そして、図1をxyz三次元直交座標におけるx−y平面に沿った断面とみなした場合に、図2に示すように加圧供給機構3は、x軸方向に延びる回動軸を中心としてy−z平面内を傾動可能に構成されている。その傾動範囲(即ち切替え配置可能な範囲)は、収容筒31がy軸に沿って直立状態となる加圧操作位置と、収容筒31がy軸に対し所定角度θ(図2ではθ=30°)だけ傾斜する素材受容位置との間である。
【0016】
加圧供給機構3が加圧操作位置に配置されるとき、収容筒31の上端開口部は基体底部の加圧室14(即ちキャビティの入口)に向き合う。このとき、前記駆動手段により、収容筒31の上端部が加圧室の着座部14mに対し着座可能となる。また収容筒31が加圧操作位置に配置されるとき、収容筒31の中心軸線Pは、基体1及びその加圧室14の中心線に一致する。他方、加圧供給機構3が素材受容位置に配置されるとき、傾斜した収容筒31の上端開口部は基体底部との対向を解除されて開放され、固液共存状態又は液相状態の金属素材Mをカップ等を用いて収容筒31内に給送しやすくなる。前記傾斜角度θは、基体1の底部下辺の長さや収容筒31の深さ等を考慮して適切な角度に設定される。尚、図2において、収容筒31の左側内側面31aが「収容筒が素材受容位置に傾斜配置されたときに相対的に下側となる収容筒の内側面」に相当し、例えば右側内側面31bは、前記「相対的に下側となる収容筒の内側面」以外の内側面である。
【0017】
図1に示すように、刃体4は、基体1内においてキャビティ16の入口付近、より具体的には加圧室14と湯道17との境界域に設けられている。図3に示すように、刃体4は、それぞれ割面43を持つ半リング状の半割片42A,42Bを二個組み合わせて構成され、両半割片42A,42Bを基体1に装着した際にこれら二つの半割片によって形作られる刃体4の全体形状が加圧室14の中心線(即ち加圧操作位置にある収容筒31の中心軸線P)を取り囲む環形状となるように構成されている。なお、それぞれの半割片42A,42Bは、耐熱性の金属(例えば耐熱鋼)又はセラミックスで作られており、基体1とは別体の交換可能部品として提供されている。
【0018】
二つの半割片42A,42Bの各々の底面には、剥ぎ取り刃41a,41bが突出形成されているが、それぞれの半割片において剥ぎ取り刃の形状は微妙に異なっている。即ち、二つの半割片42A,42Bの組み合わせ時に一連の閉じた刃形をなす略環状の突条全体を「剥ぎ取り刃41」と総称した場合に、第1の半割片42Aには、剥ぎ取り刃41の特定部位41aが設けられ、第2の半割片42Bには、前記特定部位以外の他部位41bが設けられている。そして、剥ぎ取り刃41における前記特定部位以外の他部位41bは、その刃先が前記中心軸線Pから等距離に位置して真円形をなすように形成されている。これに対し、剥ぎ取り刃41における特定部位41aは、その刃先が前記他部位41bが形作る真円形ラインよりも内側に位置することで他部位41bよりも前記中心軸線P寄りにオフセットすると共に、その真円形ラインの内側領域にあって円弧形状をなすように形成されている。図3中のOFSは、円弧状の特定部位41aの中心部における最大オフセット長を示す。更に図2及び図3に示すように、基体1内での前記中心軸線P周りにおける刃体4の取付け配置は、剥ぎ取り刃の特定部位41aにより、収容筒31が素材受容位置に傾斜配置されたときに相対的に下側となる収容筒の内側面(左側内側面31a)に接していた金属素材の外層部分M2aを剥ぎ取ることができるように設定されている。
【0019】
尚、本実施形態で使用可能な刃体4の形状は図3に示す形状に限定されるものではなく、図4に示すような形状でもよい。即ち図4に示すように、第2の半割片42Bには、刃先が前記中心軸線Pから等距離に位置して真円形をなす他部位41bのみを設ける一方で、第1の半割片42Aには、真円ラインの一部を担う二つの他部位41bと、それらの間に挟まれた直線形状の特定部位41aとを設けてもよい。第1半割片42Aの直線形状の特定部位41aが、オフセット長OFSだけ、他部位41bよりも中心軸線P寄りにオフセットすることは、図3の場合と同じである。
【0020】
更に図1に示すように、基体1には刃体4用の垂直駆動機構(52,53)が設けられている。この垂直駆動機構は、二組の第1流体圧シリンダ52(図1では一つのみ図示)と、各シリンダ52にそれぞれ作動連結されて垂直方向(矢印Y1,Y2方向)に往復動可能な作動子としての二本の第1シリンダロッド53(図1では一つのみ図示)とから構成されている。各ロッド53の下端には、刃体4の半割片42A,42Bがそれぞれ連結されている。垂直駆動機構(52,53)の作用により二つの半割片42A,42Bが同期して上下動されることにより、刃体4は、図1に示す剥ぎ取り操作位置と、図6に示す離脱位置との間を切替え配置される。
【0021】
図1に示すように、基体1内には、前記中心軸線Pを挟んで少なくとも二個の金属製バックアップ片7が設けられている。これらのバックアップ片7は、刃体4が剥ぎ取り操作位置にあるときに、その上方に配置されて刃体4を背後から支える(即ちバックアップする)働きをする。基体1内において各バックアップ片7は、刃体4の上方に配置されてその背後を支えるバックアップ位置(図1に示す位置)と、そのバックアップ位置から水平スライドした退避位置(図5に示す位置)との間を切替え配置可能となっている。そして、基体1にはバックアップ片7用の水平駆動機構(62,63)が設けられている。この水平駆動機構は、バックアップ片7の数に対応した数の第2流体圧シリンダ62と、各シリンダ62にそれぞれ作動連結されて基体1の半径方向に往復動可能な作動子としての第2シリンダロッド63とから構成されている。各ロッド63の内端にはバックアップ片7がそれぞれ連結されており、水平駆動機構(62,63)の作用により各バックアップ片7は、前記バックアップ位置と退避位置との間を切替え配置される。
【0022】
次に、本実施形態の鋳造装置を用いた金属製品の鋳造手順について説明する。基体1のキャビティ16内に金属素材Mを加圧供給する前の待機状態では、鋳造装置は図1に示すような状態にある。即ち、垂直駆動機構(52,53)の作用によって刃体4が図1に示す剥ぎ取り操作位置に配置されると共に、水平駆動機構(62,63)の作用によって各バックアップ片7が図1に示すバックアップ位置に配置される。待機時、基体1直下に位置する加圧供給機構3の収容筒31は、その上端開口部が加圧室14と向き合う直立状態(つまり加圧操作位置)にあるが、その収容筒31内に金属素材Mを給送する場合には図2に示すように、加圧操作位置から素材受容位置に角度θだけ傾動(傾転)される。その結果、収容筒31の上端開口部が側方に移って開放され、収容筒31内に金属素材Mを受け容れ可能となる。
【0023】
鋳造材料となる金属素材Mはカップにて調製される。例えば、金属素材Mがアルミニウム合金の場合、固体のアルミニウム合金をカップに計り取りカップごと加熱することで、そのカップ内のアルミニウム合金を固液共存状態又は液相状態とする。ちなみに、アルミニウム合金は550〜600℃の温度に加熱することで流動性のある固液共存状態となる。なお、カップ内で加熱するのではなく、予め加熱されて溶湯状態のアルミニウム合金をカップですくい取り、その後の自然冷却によって固液共存状態の金属素材Mを調製してもよい。
【0024】
図2に示すように、カップをひっくり返すことで、カップから素材受容位置にある収容筒31内に固液共存状態又は液相状態の金属素材Mを給送する。すると収容筒31の傾斜配置時に相対的に下側となる収容筒の左側内側面31aを伝わって金属素材Mが収容筒31内に収容される。このとき収容筒31内では、その内側面31a,31bに接した金属素材が冷やされ、これら内側面31a,31bに接する表層部分に凝固物や酸化物等を多く含む殻状の層M2a,M2b(外層と呼ぶ)が生成する。但し、その外層の厚みは均一ではなく、傾斜配置時に相対的に下側となる左側内側面31aに接する部分での凝固物等の生成が、その他の内側面(31b)での凝固物等の生成よりも顕著となる。このように収容筒31の内側面において凝固物等の生成が場所により偏在するのは、金属素材Mを給送する際の接触面積の違いによるものと考えられる。即ち、図2に示すように傾斜した収容筒31に金属素材Mを斜め上方から給送した場合、どうしても相対的に下側となる左側内側面31aに対して金属素材Mが接する時間や面積が多い。このため、左側内側面31aに接する部分での金属素材外層M2aの厚肉化が進行し易いと考えられる。それ故、凝固物や酸化物、更には凝固した外層によって加圧室内壁面14fから削り取られる塗型剤等の不純物が、キャビティ16内に巻き込まれるのを防止するためにも、左側内側面31aに対応する金属素材の外層M2aを、その他の外層M2bよりも特に厚く剥ぎ取る必要がある。
【0025】
収容筒31への金属素材Mの給送が完了したら、図1及び図2に示すように、加圧供給機構3を素材受容位置から加圧操作位置に復帰回動させる。すると図2に示されるように、収容筒の左側内側面31aに接する金属素材の外層M2aに対して刃体4の剥ぎ取り刃の特定部位41aが向き合い、その他の外層M2bに対して剥ぎ取り刃の他部位41bが向き合う。前述のように、剥ぎ取り刃41の特定部位41aは、それ以外の他部位41bよりも所定距離だけ収容筒31の中心軸線P寄りにオフセット配置されているため、特定部位41aによる取り代C1は、他部位41bによる取り代C2よりも大きい(C2<C1)。ちなみに最大オフセット長OFSの位置では、C1=C2+OFSである。
【0026】
金属素材Mを加圧供給する際には、収容筒31を図1の状態から上動させ、その上端部を加圧室の着座部14mに着座嵌合させて加圧室14と収容筒31とを連結する。そして、加圧プランジャ32を上動させて金属素材Mを加圧室14内に加圧供給する。金属素材Mは加圧室の内壁面14fに接することで更に冷却され、その外層は凝固度を更に増し、加圧室内壁面14fに塗布されていた塗型剤等の不純物を巻き込み易くなる。加圧プランジャ32の上動に伴い、加圧室14を一旦満たした金属素材Mは、その外層M2a,M2bを前記剥ぎ取り刃41によって剥ぎ取られることで、中心部に残された部分だけが湯道17を経由してキャビティ16内に加圧供給される。その結果、キャビティ16内が純度の高い固液共存状態の金属素材Mで充填される(図5及び図6参照)。
【0027】
加圧プランジャ32の上動に伴い、金属素材外層が刃体の剥ぎ取り刃41によって剥ぎ取られるが、収容筒の左側内側面31aに接していた金属素材の外層M2aは、それに対応する剥ぎ取り刃の特定部位41aにより取り代C1にて剥ぎ取られ、その他の外層M2bは、それに対応する剥ぎ取り刃の他部位41bにより取り代C2にて剥ぎ取られる。そして図5等に示すように、剥ぎ取られた外層は、剥ぎ取り屑M3として屑収容室18に押し込まれる。こうして、金属素材の外層M2a,M2bに生成又は付着されている不純物、変質組織、塗型剤等がキャビティ16内に取り込まれることを阻止する。
【0028】
剥ぎ取り刃41による金属素材外層の剥ぎ取り時には、刃体4に大きな外力が作用するが、その刃体4を各バックアップ片7が背後から支えるため、刃体4は外力に抗して強固に保持され位置ズレ等は起きない。このため、剥ぎ取り刃41による外層の剥ぎ取り精度は非常に高い。金属素材Mのキャビティ16内への充填完了後、加圧プランジャ32による加圧を保ちつつ所定時間待つことで、キャビティ16及び湯道17内の金属素材が完全に固化し、鋳造が完了する。
【0029】
金属素材Mが固化したら、水平駆動機構(62,63)によって各バックアップ片7を矢印X2方向にスライドし、図5に示す退避位置に後退させる。更にその後、垂直駆動機構(52,53)によって刃体の両半割片42A,42Bを矢印Y1方向に移動させ、図6に示す離脱位置に後退上動させる。この一連の動作により、刃体4をその剥ぎ取り刃41が噛み込んでいた金属素材Mから離脱させることができる。固化した金属素材Mから刃体4を離脱させた後、押出しピン15を用いて屑収容室18内の剥ぎ取り屑M3を押し出すと同時に、前記押出し手段(図示略)を用いて加圧室14、キャビティ16及び湯道17内の方案付き鋳造品を押し出すことで、剥ぎ取り屑M3と方案付き鋳造品とが一体化された鋳造物を外枠金型11及び成形金型12内から取り出すことができる。次の鋳造を行うには、成形金型12を元の状態に戻してから、前記垂直及び水平駆動機構により、刃体4及びバックアップ片7を図1の待機状態に戻せばよい。
【0030】
このように本実施形態の鋳造装置によれば、刃体4の剥ぎ取り刃41をその特定部位41aがそれ以外の他部位41bよりも収容筒31の中心軸線P寄りにオフセットするように形成することで、剥ぎ取り刃の特定部位41aにより剥ぎ取られる金属素材外層M2aの厚さを、剥ぎ取り刃の他部位41bにより剥ぎ取られる金属素材外層M2bの厚さよりも厚くすることができる。換言すれば、傾斜状態の収容筒31に金属素材Mを給送したとき凝固物生成が多くなる傾向にあるところの、相対的に下側となる収容筒の左側内側面31aに接していた金属素材の外層部分M2aを、前記特定部位41aによって他の外層部分M2bよりも厚めに削り取ることができる。従って、剥ぎ取り刃の他部位41bによる金属素材の取り代C2を必要最小限度にとどめつつも、金属素材Mの給送のために収容筒31を傾斜配置することに起因して凝固物生成が特に多い外層部分M2aだけを選択的に多く削り取り、不純物のキャビティ16内への進入を未然に阻止して、鋳造品の品質向上を図ることができる。
【0031】
(変更事例及び捕捉説明)上記実施形態において、刃体4の剥ぎ取り刃の特定部位41aに対応する屑収容室18の容積を、剥ぎ取り刃の他部位41bに対応する屑収容室18の容積よりも拡大することは好ましい。この屑収容室18における容積の部分的拡大は、特定部位41aによって剥ぎ取られる屑M3の量に対応させたものである。尚、金属素材Mとしては、アルミニウム合金の他に、マグネシウム合金、亜鉛合金等であってもよい。また、「固液共存状態」とは固相と液相とが共存する状態を意味し、固相が20〜80重量%(更に好ましくは30〜70重量%)で残りが液相であるような共存状態であることが好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、剥ぎ取り刃による金属素材の取り代を全周的には必要最小限度にとどめつつも、金属素材の給送のために収容筒を傾斜配置することに起因して凝固物生成が特に多い外層部分だけを選択的に多く削り取り、不純物のキャビティ内への進入を未然に阻止することができ、その結果として、鋳造品の品質向上を図ることができる。また、剥ぎ取り刃による金属素材外層の剥ぎ取り時には、刃体に大きな外力が作用するが、その刃体をバックアップ片が背後から支えるため、刃体は外力に抗して強固に保持され位置ズレ等が起きない。このため、剥ぎ取り刃による外層の剥ぎ取り精度を非常に高めることができる。更に、金属素材のキャビティ内への充填完了後、垂直駆動機構によって刃体を離脱位置に後退上動させることにより、刃体をその剥ぎ取り刃が噛み込んでいた金属素材から離脱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の鋳造装置の概要を示すx−y面での断面図。
【図2】加圧供給機構の傾動状況等を示すy−z面での断面図。
【図3】刃体の底面図並びにx−y面及びy−z面での各断面図。
【図4】刃体の変更例の底面図及びy−z面での断面図。
【図5】バックアップ片が後退した状態を示す図1相当の断面図。
【図6】刃体が後退上動した状態を示す図1相当の断面図。
【符号の説明】
1…基体、3…加圧供給機構、4…刃体、7…バックアップ片、16…鋳造品成形用のキャビティ、18…屑収容室、31…収容筒、31a…収容筒が傾斜配置されたときに相対的に下側となる収容筒の内側面、32…加圧プランジャ、41…剥ぎ取り刃、41a…特定部位、41b…特定部位以外の他部位、52,53…刃体用の垂直駆動機構、62,63…バックアップ片用の水平駆動機構、M…金属素材、M2a,M2b…金属素材の外層、P…収容筒の中心軸線。
Claims (3)
- 鋳造品成形用のキャビティを有する基体と、
固液共存状態又は液相状態の金属素材を収容する収容筒およびその収容筒内を摺動可能な加圧プランジャを具備すると共に前記基体の直下に設けられた加圧供給機構であって、前記収容筒の上端開口部が前記基体のキャビティ入口に向き合う加圧操作位置と、前記収容筒内に金属素材を受容すべく収容筒が傾斜配置される素材受容位置との間を切替え配置可能に構成された加圧供給機構と、
前記キャビティの入口付近に上下動可能に配設され、前記加圧供給機構によるキャビティ内への金属素材の加圧供給に際してその金属素材の外層を剥ぎ取るべく前記加圧操作位置にある収容筒の中心軸線を取り囲むように形成された剥ぎ取り刃を有する刃体と、
前記基体に設けられた刃体用の垂直駆動機構と、
前記基体に水平スライド可能に設けられ、前記刃体を背後から支えるためのバックアップ片と、
前記基体に設けられたバックアップ片用の水平駆動機構とを備えており、
前記垂直駆動機構の作用により前記刃体は、剥ぎ取り操作位置と、その剥ぎ取り操作位置から後退上動した離脱位置との間を切替え配置されること、
前記水平駆動機構の作用により前記バックアップ片は、前記剥ぎ取り操作位置にある前記刃体の上方に配置されてその背後を支えるバックアップ位置と、そのバックアップ位置から水平スライドした退避位置との間を切替え配置されること、及び、
前記刃体の剥ぎ取り刃は、その特定部位がそれ以外の他部位よりも前記中心軸線寄りにオフセットするように形成され、当該剥ぎ取り刃の特定部位により、前記収容筒が素材受容位置に傾斜配置されたときに相対的に下側となる収容筒の内側面に接していた金属素材の外層部分を剥ぎ取ることを特徴とする金属製品の鋳造装置。 - 前記刃体は略環形状に形成されており、その刃体の剥ぎ取り刃における前記特定部位以外の他部位は、前記中心軸線から等距離に位置して円形状をなすのに対し、前記特定部位は、前記他部位による円形ラインよりも内側にあって円弧形状又は直線形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の金属製品の鋳造装置。
- 前記刃体は、その剥ぎ取り刃を下に向けた状態で前記基体に装着されており、前記基体には、前記刃体の剥ぎ取り刃の周辺領域において、剥ぎ取り刃によって剥ぎ取られた屑としての金属素材外層を収容するための屑収容室が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製品の鋳造装置。
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