以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本実施形態1の冷凍装置(10)は、コンビニエンスストア等に設置されて、店内の空気調和とショーケース内の冷却とを行うものである。図1に示すように、上記冷凍装置(10)には、室外ユニット(11)と、空調ユニット(12)と、冷蔵ショーケース(13)と、冷凍ショーケース(14)と、ブースタユニット(15)とが設けられている。そして、上記室外ユニット(11)が屋外に設置され、残りの空調ユニット(12)等がコンビニエンスストア等の店内に設置される。なお、上記ブースタユニット(15)は、屋外に設置するようにしてもよい。
上記室外ユニット(11)には室外回路(40)が、空調ユニット(12)には空調回路(100)が、冷蔵ショーケース(13)には冷蔵回路(110)が、冷凍ショーケース(14)には冷凍回路(120)が、ブースタユニット(15)にはブースタ回路(130)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(10)では、上述した各回路(40,100,…)を配管で接続することによって冷媒回路(20)が構成されている。この冷媒回路(20)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われるように構成されている。
また、この冷凍装置(10)において、室外回路(40)が熱源系統を、冷蔵回路(110)が第1利用系統を、冷凍回路(120)およびブースタ回路(130)が第2利用系統を、空調回路(100)が第3利用系統をそれぞれ構成している。そして、上記第1利用系統、第2利用系統および第3利用系統が、熱源系統に対して並列に接続されている。
上記冷媒回路(20)には、第1液側連絡配管(21)と、第2液側連絡配管(22)と、第1ガス側連絡配管(23)と、第2ガス側連絡配管(24)とが設けられている。
上記第1液側連絡配管(21)は、室外回路(40)とブースタ回路(130)との間に接続されている。上記第2液側連絡配管(22)は、一端が第1液側連絡配管(21)の途中に接続され、他端が空調回路(100)に接続されている。上記第1ガス側連絡配管(23)は、室外回路(40)と冷蔵回路(110)とに接続されている。上記第2ガス側連絡配管(24)は、室外回路(40)と空調回路(100)との間に接続されている。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(11)は、冷凍装置(10)の熱源ユニットを構成している。この室外ユニット(11)の室外回路(40)には、可変容量圧縮機(41)と、第1固定容量圧縮機(42)と、第2固定容量圧縮機(43)と、室外熱交換器(44)と、レシーバ(45)と、室外膨張弁(46)とが設けられている。また、この室外回路(40)には、3つの吸入管(61,62,63)と、2つの吐出管(64,65)と、4つの液管(81,82,83,84)と、1つの高圧ガス管(66)とが設けられている。更に、この室外回路(40)には、3つの四路切換弁(51,52,53)と、1つの液側閉鎖弁(54)と、2つのガス側閉鎖弁(55,56)とが設けられている。
上記室外回路(40)において、液側閉鎖弁(54)には第1液側連絡配管(21)が、第1ガス側閉鎖弁(55)には第1ガス側連絡配管(23)が、第2ガス側閉鎖弁(56)には第2ガス側連絡配管(24)がそれぞれ接続されている。
上記可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)および第2固定容量圧縮機(43)は、何れも全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機である。上記可変容量圧縮機(41)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することにより、その容量が可変となっている。一方、上記2つの固定容量圧縮機(42,43)は、圧縮機モータが常に一定の回転速度で運転されるものであり、その容量が変更不能となっている。上記3つの圧縮機(41,42,43)は、室外回路(40)における圧縮機構を構成している。
上記第1吸入管(61)は、一端が第1ガス側閉鎖弁(55)に接続されている。この第1吸入管(61)は、他端側で第1分岐管(61a)と第2分岐管(61b)とに分岐されており、第1分岐管(61a)が可変容量圧縮機(41)の吸入側に、第2分岐管(61b)が第3四路切換弁(53)にそれぞれ接続されている。上記第1吸入管(61)の第2分岐管(61b)には、第1ガス側閉鎖弁(55)から第3四路切換弁(53)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-1)が設けられている。
上記第2吸入管(62)は、一端が第3四路切換弁(53)に、他端が第1固定容量圧縮機(42)の吸入側にそれぞれ接続されている。
上記第3吸入管(63)は、一端が第2四路切換弁(52)に接続されている。この第3吸入管(63)は、他端側で第1分岐管(63a)と第2分岐管(63b)とに分岐されており、第1分岐管(63a)が第2固定容量圧縮機(43)の吸入側に、第2分岐管(63b)が第3四路切換弁(53)にそれぞれ接続されている。上記第3吸入管(63)の第2分岐管(63b)には、第2四路切換弁(52)から第3四路切換弁(53)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-2)が設けられている。
上記第1吐出管(64)は、一端側で第1分岐管(64a)と第2分岐管(64b)とに分岐されており、第1分岐管(64a)が可変容量圧縮機(41)の吐出側に、第2分岐管(64b)が第1固定容量圧縮機(42)の吐出側にそれぞれ接続されている。この第1吐出管(64)の他端は、第1四路切換弁(51)に接続されている。この第1吐出管(64)の第2分岐管(64b)には、第1固定容量圧縮機(42)から第1四路切換弁(51)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-3)が設けられている。また、この第1吐出管(64)には、圧縮機(41,42)の吐出ガスから冷凍機油を分離するための油分離器(70)が設けられている。
上記第2吐出管(65)は、一端が第2固定容量圧縮機(43)の吐出側に、他端が第1吐出管(64)における油分離器(70)の下流側にそれぞれ接続されている。この第2吐出管(65)には、第2固定容量圧縮機(43)から第1四路切換弁(51)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
上記室外熱交換器(44)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、熱源側熱交換器を構成している。この室外熱交換器(44)では、冷媒と室外空気の間で熱交換が行われる。この室外熱交換器(44)の一端は、第1四路切換弁(51)に接続されている。一方、上記室外熱交換器(44)の他端は、第1液管(81)を介してレシーバ(45)の頂部に接続されている。この第1液管(81)には、室外熱交換器(44)からレシーバ(45)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-5)が設けられている。なお、上記室外熱交換器(44)の近傍には、外気温センサ(90)と室外ファン(47)とが設けられている。上記室外熱交換器(44)へは、室外ファン(47)によって室外空気が送られる。
上記レシーバ(45)の底部には、第2液管(82)の一端が接続されている。この第2液管(82)の他端は、液側閉鎖弁(54)に接続されている。この第2液管(82)には、レシーバ(45)から液側閉鎖弁(54)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-6)が設けられている。
上記第2液管(82)における逆止弁(CV-6)と液側閉鎖弁(54)との間には、第3液管(83)の一端が接続されている。この第3液管(83)の他端は、第1液管(81)における逆止弁(CV-5)とレシーバ(45)との間に接続されている。この第3液管(83)には、第2液管(82)側から第1液管(81)側へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-7)が設けられている。
上記第2液管(82)におけるレシーバ(45)と逆止弁(CV-6)との間には、第4液管(84)の一端が接続されている。この第4液管(84)の他端は、第1液管(81)における室外熱交換器(44)と逆止弁(CV-5)との間に接続されている。この第4液管(84)には、第2液管(82)側から第1液管(81)側へ向かって順に、逆止弁(CV-8)および室外膨張弁(46)が設けられている。この逆止弁(CV-8)は、第2液管(82)側から第1液管(81)側へ向かう冷媒の流通だけを許容する。また、上記室外膨張弁(46)は、電子膨張弁により構成されている。
上記高圧ガス管(66)は、一端が第1吐出管(64)における油分離器(70)の下流側にに、他端が第3四路切換弁(53)にそれぞれ接続されている。
上記第1四路切換弁(51)は、第1のポートが第1吐出管(64)の終端に、第2のポートが第2四路切換弁(52)に、第3のポートが室外熱交換器(44)に、第4のポートが第2ガス側閉鎖弁(56)にそれぞれ接続されている。この第1四路切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記第2四路切換弁(52)は、第1のポートが第2吐出管(65)における逆止弁(CV-4)の下流側に、第2のポートが第3吸入管(63)の始端に、第4のポートが第1四路切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この第2四路切換弁(52)は、第3のポートが封止されている。この第2四路切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記第3四路切換弁(53)は、第1のポートが高圧ガス管(66)の終端に、第2のポートが第2吸入管(62)の始端に、第3のポートが第1吸入管(61)の第2分岐管(61b)の終端に、第4のポートが第3吸入管(63)の第2分岐管(63b)の終端にそれぞれ接続されている。この第3四路切換弁(53)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記室外回路(40)には、各種のセンサや圧力スイッチが設けられている。具体的に、上記第1吸入管(61)には第1吸入温度センサ(91)が設けられ、上記第3吸入管(63)には第3吸入温度センサ(92)が設けられている。上記第1吐出管(64)には第1吐出温度センサ(94)が設けられ、上記第2吐出管(65)には第2吐出温度センサ(95)が設けられている。また、上記第1吐出管(64)の各分岐管(64a,64b)と第2吐出管(65)とには、高圧圧力スイッチ(93)が1つずつ設けられている。
〈空調ユニット〉
上記空調ユニット(12)は、利用ユニットを構成している。この空調ユニット(12)の空調回路(100)は、一端である液側端が第2液側連絡配管(22)に、他端であるガス側端が第2ガス側連絡配管(24)にそれぞれ接続されている。
上記空調回路(100)では、液側端からガス側端へ向かって順に、空調膨張弁(102)と空調熱交換器(101)とが設けられている。この空調熱交換器(101)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷凍装置(10)の第3利用側熱交換器を構成している。この空調熱交換器(101)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。一方、上記空調膨張弁(102)は、電子膨張弁により構成されている。
上記空調ユニット(12)には、熱交換器温度センサ(103)と冷媒温度センサ(104)とが設けられている。この熱交換器温度センサ(103)は、空調熱交換器(101)の伝熱管に取り付けられている。上記冷媒温度センサ(104)は、空調回路(100)におけるガス側端の近傍に取り付けられている。また、上記空調ユニット(12)には、空調ファン(105)と内気温センサ(106)とが設けられている。上記空調熱交換器(101)へは、空調ファン(105)によって店内の室内空気が送られる。
〈冷蔵ショーケース〉
上記冷蔵ショーケース(13)は、利用ユニットを構成している。この冷蔵ショーケース(13)の冷蔵回路(110)は、一端である液側端がブースタ回路(130)に、他端であるガス側端が第1ガス側連絡配管(23)にそれぞれ接続されている。
上記冷蔵回路(110)では、液側端からガス側端へ向かって順に、冷蔵膨張弁(112)と冷蔵熱交換器(111)とが設けられている。この冷蔵熱交換器(111)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷凍装置(10)の第1利用側熱交換器を構成している。この冷蔵熱交換器(111)では、冷媒と冷蔵ショーケース(13)の庫内空気との間で熱交換が行われる。上記冷蔵膨張弁(112)は、電子膨張弁により構成されている。
上記冷蔵ショーケース(13)には、熱交換器温度センサ(113)と冷媒温度センサ(114)とが設けられている。この熱交換器温度センサ(113)は、冷蔵熱交換器(111)の伝熱管に取り付けられている。上記冷媒温度センサ(114)は、冷蔵回路(110)におけるガス側端の近傍に取り付けられている。また、上記冷蔵ショーケース(13)には、冷蔵庫内ファン(115)と冷蔵庫内温度センサ(116)とが設けられている。上記冷蔵熱交換器(111)へは、冷蔵庫内ファン(115)によって庫内空気が送られる。
〈冷凍ショーケース〉
上記冷凍ショーケース(14)は、利用ユニットを構成している。この冷凍ショーケース(14)の冷凍回路(120)は、一端である液側端および他端であるガス側端の何れもがブースタ回路(130)に接続されている。
上記冷凍回路(120)では、液側端からガス側端へ向かって順に、ドレンパンヒータ(127)と冷凍膨張弁(122)と冷凍熱交換器(121)とが設けられている。この冷凍熱交換器(121)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷凍装置(10)の第2利用側熱交換器を構成している。この冷凍熱交換器(121)では、冷媒と冷凍ショーケース(14)の庫内空気との間で熱交換が行われる。上記冷凍膨張弁(122)は、電子膨張弁により構成されている。上記ドレンパンヒータ(127)は、高温の冷媒が流れることによって図示しないドレンパンを加熱するように構成されている。
上記冷凍ショーケース(14)には、熱交換器温度センサ(123)と冷媒温度センサ(124)とが設けられている。この熱交換器温度センサ(123)は、冷凍熱交換器(121)の伝熱管に取り付けられている。上記冷媒温度センサ(124)は、冷凍回路(120)におけるガス側端の近傍に取り付けられている。また、上記冷凍ショーケース(14)には、冷凍庫内ファン(125)と冷凍庫内温度センサ(126)とが設けられている。上記冷凍熱交換器(121)へは、冷凍庫内ファン(125)によって庫内空気が送られる。
〈ブースタユニット〉
上記ブースタユニット(15)のブースタ回路(130)には、ブースタ圧縮機(131)と四路切換弁(132)が設けられている。
上記ブースタ圧縮機(131)は、全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、室外回路(40)の圧縮機(41,42,43)を高段側とする低段側の副圧縮機を構成している。このブースタ圧縮機(131)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することによって、その容量が変更可能となっている。
上記ブースタ圧縮機(131)の吐出側には、吐出管(133)の一端が接続され、吸入側には、吸入管(134)の一端が接続されている。これら吐出管(133)および吸入管(134)は、それぞれの他端が四路切換弁(132)に接続されている。
上記吐出管(133)には、ブースタ圧縮機(131)側から順に、高圧圧力スイッチ(135)、油分離器(136)および逆止弁(CV-11)が設けられている。上記油分離器(136)と吸入管(134)との間には、開閉弁である第1電磁弁(SV-1)を有する油戻し管(137)が接続されている。上記油分離器(136)で分離された冷凍機油は、油戻し管(137)を通じてブースタ圧縮機(131)の吸入側へ送り返される。上記逆止弁(CV-11)は、ブースタ圧縮機(131)から四路切換弁(132)へ向かう冷媒の流通だけを許容する。
上記四路切換弁(132)は、第1のポートに吐出管(133)が、第2のポートに吸入管(134)がそれぞれ接続されている。また、上記四路切換弁(132)の第3のポートには、第1ガス管(138)の一端が接続され、第4のポートには、第2ガス管(139)の一端が接続されている。上記第1ガス管(138)の他端は、冷凍回路(120)のガス側端に接続されている。上記第2ガス管(139)の他端は、第1ガス側連絡配管(23)の途中に接続されている。また、この第2ガス管(139)には、開閉弁である第2電磁弁(SV-2)が設けられている。上記四路切換弁(132)は、第1のポートと第4のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第3のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第4ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
さらに、上記ブースタ回路(130)には、予備熱交換器(146)と、過冷却熱交換器(150)と、2つの液管(142,143)と、吸入用接続管(148)とが設けられている。
上記2つの液管(142,143)は、第1液管(142)と第2液管(143)である。上記第1液管(142)は、流入端である一端が第1液側連絡配管(21)に接続され、流出端である他端が冷蔵回路(110)の液側端に接続されている。上記第2液管(143)は、一端が第1液管(142)の途中に接続され、他端が冷凍回路(120)の液側端に接続されている。この第2液管(143)には、全閉から全開に亘って開度調整可能な開閉弁である流量調整弁(144)が設けられている。
上記吸入用接続管(148)は、流入端である一端が第2液管(143)における流量調整弁(144)よりも下流側、即ち冷凍回路(120)側に接続されている。また、この吸入用接続管(148)は、流出端である他端が第2ガス管(139)における第2電磁弁(SV-2)よりも上流側、即ち四路切換弁(132)側に接続されている。
上記過冷却熱交換器(150)は、いわゆるプレート式熱交換器である。この過冷却熱交換器(150)には、第1流路(151)と第2流路(152)とが複数ずつ形成されている。この第1流路(211)は第1液管(142)に接続され、第2流路(152)は吸入用接続管(148)に接続されている。そして、この過冷却熱交換器(150)は、第1流路(151)を流れる第1液管(142)の冷媒と第2流路(152)を流れる吸入用接続管(148)の冷媒とを熱交換させ、第1液管(142)の冷媒を過冷却するように構成されている。つまり、この過冷却熱交換器(150)は、第2流路(152)の冷媒が第1流路(151)の冷媒と熱交換して蒸発する蒸発手段を構成している。
また、上記吸入用接続管(148)には、過冷却熱交換器(150)の第2流路(152)よりも上流側に過冷却用膨張弁(145)が設けられている。この過冷却用膨張弁(145)は、電子膨張弁により構成されている。
上記予備熱交換器(146)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。この予備熱交換器(146)は、吸入用接続管(148)における過冷却用膨張弁(145)と過冷却熱交換器(150)の第2流路(152)との間に設けられている。そして、この予備熱交換器(146)は、冷媒が室内空気と熱交換する空気熱交換器を構成している。また、この予備熱交換器(146)の近傍には、室内空気を予備熱交換器(146)へ送るための予備ファン(147)が設けられている。この予備ファン(147)は、除霜運転時の除霜能力が不足した場合に運転され、除霜能力を増大させるためのものである。
上記ブースタ回路(130)において、四路切換弁(132)が第1状態に設定された場合、第1液管(142)から分岐した冷媒が冷凍熱交換器(121)へ流入し、該冷凍熱交換器(121)からブースタ圧縮機(131)へ吸入されて室外回路(40)の圧縮機(41,42,43)の吸入側へ吐出される第1動作が行われる。また、上記ブースタ回路(130)において、四路切換弁(132)が第2状態に設定された場合、ブースタ圧縮機(131)の吐出冷媒が冷凍熱交換器(121)へ流れてから吸入用接続管(148)へ流入し、過冷却熱交換器(150)を通ってブースタ圧縮機(131)へ吸入される第2動作が行われる。つまり、第2動作では、冷媒がブースタ圧縮機(131)、冷凍熱交換器(121)および過冷却熱交換器(150)を順に循環する循環経路(以下、除霜回路という。)が形成される。すなわち、この除霜回路は、閉回路を構成し、第2利用系統内に形成される。
このように、本実施形態において、吸入用接続管(148)は、少なくとも第2動作時に、除霜回路の一部を構成し、冷凍熱交換器(121)からの冷媒をブースタ圧縮機(131)の吸入ラインへ流すように形成されている。
また、上記ブースタ回路(130)には、3つのバイパス管(139a,140,141)が設けられている。
上記第1バイパス管(139a)は、第2ガス管(139)における吸入用接続管(148)の接続部よりも下流側であって、第2電磁弁(SV-2)をバイパスするように接続されている。この第1バイパス管(139a)には、開閉弁である第3電磁弁(SV-3)が設けられている。そして、上記第2電磁弁(SV-2)の口径は、第3電磁弁(SV-3)の口径よりも大きくなっている。
上記第2バイパス管(140)は、一端がブースタ圧縮機(131)のケーシング内に開口し、ケーシング内の高圧冷媒が流入するように構成されている。一方、上記第2バイパス管(140)の他端は、第2ガス管(139)における第1バイパス管(139a)よりも下流側に接続されている。この第2バイパス管(140)には、開閉弁である第4電磁弁(SV-4)が設けられている。
上記第3バイパス管(141)は、一端が吸入管(134)における油戻し管(137)の接続部よりも上流側に接続され、他端が第2ガス管(139)における第1バイパス管(139a)よりも下流側に接続されている。この第3バイパス管(141)には、吸入管(134)から第2ガス管(139)へ向かう冷媒の流通だけを許容する。上記第3バイパス管(141)は、ブースタ圧縮機(131)の停止中にだけ該ブースタ圧縮機(131)をバイパスして冷媒が流れるバイパス通路を構成している。
また、この冷凍装置(10)は、各種弁を制御するコントローラ(170)を備えている。ここでは、ブースタ回路(130)における各種弁の制御について説明する。
上記コントローラ(170)は、上述した第1動作時に、流量調整弁(144)を開状態に設定すると共に、第2電磁弁(SV-2)および第3電磁弁(SV-3)の少なくとも一方を開状態に設定するように構成されている。上記コントローラ(170)は、第2動作時に、流量調整弁(144)を閉状態に設定すると共に、第2電磁弁(SV-2)および第3電磁弁(SV-3)の両方を閉状態に設定するように構成されている。さらに、上記コントローラ(170)は、第2動作中に、除霜回路の冷媒循環量が不足すると、流量調整弁(144)を一定時間開状態にし、第2動作中に、除霜回路の冷媒循環量が過剰になると、第2電磁弁(SV-2)、第3電磁弁(SV-3)および第4電磁弁(SV-4)の少なくとも1つを開状態にするように構成されている。
−運転動作−
上記冷凍装置(10)が行う運転動作のうち、主要なものについて説明する。
〈冷房運転〉
この冷房運転は、冷蔵ショーケース(13)および冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の冷却を行って店内を冷房する運転である。
図2に示すように、冷房運転中は、第1四路切換弁(51)、第2四路切換弁(52)および第3四路切換弁(53)がそれぞれ第1状態に設定される。また、室外膨張弁(46)が全閉される一方、空調膨張弁(102)、冷蔵膨張弁(112)および冷凍膨張弁(122)の開度がそれぞれ適宜調節される。
また、上記ブースタ回路(130)では、四路切換弁(132)が第1状態に設定される。流量調整弁(144)が全開される一方、過冷却用膨張弁(145)が適宜調節される。第1電磁弁(SV-1)と第2電磁弁(SV-2)と第3電磁弁(SV-3)とが全開される一方、第4電磁弁(SV-4)が全閉される。つまり、この冷房運転は、ブースタ回路(130)で第1動作が行われる。なお、予備ファン(147)は休止する。
上記の状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)、第2固定容量圧縮機(43)およびブースタ圧縮機(131)が運転される。
上記可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)および第2固定容量圧縮機(43)から吐出された冷媒は、第1四路切換弁(51)を通過して室外熱交換器(44)へ送られる。この室外熱交換器(44)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。この凝縮した冷媒は、第1液管(81)とレシーバ(45)と第2液管(82)とを順に通過して第1液側連絡配管(21)へ流入する。
上記第1液側連絡配管(21)へ流入した冷媒は、一部が第2液側連絡配管(22)を通って空調回路(100)へ流れ、残りがブースタ回路(130)へ流れる。
上記空調回路(100)へ流れた冷媒は、空調膨張弁(102)を通過する際に減圧されて空調熱交換器(101)へ導入される。この空調熱交換器(101)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その際、この空調熱交換器(101)では、冷媒の蒸発温度が例えば5℃程度に設定される。上記空調ユニット(12)では、空調熱交換器(101)で冷却された室内空気が店内へ供給される。
上記空調熱交換器(101)で蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を通って室外回路(40)へ流入し、その後、第1四路切換弁(51)および第2四路切換弁(52)を順に通過して第3吸入管(63)へ流入する。この第3吸入管(63)へ流入した冷媒は、一部が第1分岐管(63a)を通って第2固定容量圧縮機(43)に吸入され、残りが第2分岐管(63b)と第3四路切換弁(53)と第2吸入管(62)とを順に通過して第1固定容量圧縮機(42)に吸入される。
上記ブースタ回路(130)へ流れた冷媒は、第1液管(142)に流入する。この第1液管(142)の冷媒は、過冷却熱交換器(150)の第1流路(151)へ流入し、該第1流路(151)を通過する間に第2流路(152)の冷媒によって冷却される。この過冷却熱交換器(150)で冷却された過冷却状態の液冷媒は、第1液管(142)を通って、一部が冷蔵回路(110)へ流れ、残りが第2液管(143)へ流れる。
上記冷蔵回路(110)へ流れた冷媒は、冷蔵膨張弁(112)を通過する際に減圧されて冷蔵熱交換器(111)へ導入される。この冷蔵熱交換器(111)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その際、この冷蔵熱交換器(111)では、冷媒の蒸発温度が例えば−5℃程度に設定される。この冷蔵熱交換器(111)で蒸発した冷媒は、第1ガス側連絡配管(23)へ流入する。上記冷蔵ショーケース(13)では、冷蔵熱交換器(111)で冷却された庫内空気が庫内へ供給され、庫内温度が例えば5℃程度に保たれる。
上記ブースタ回路(130)において、第2液管(143)に流入した冷媒は、一部が冷凍回路(120)へ流れ、残りが吸入用接続管(148)へ流れる。
上記冷凍回路(120)へ流れた冷媒は、ドレンパンヒータ(127)を通った後、冷凍膨張弁(122)を通過する際に減圧されて冷凍熱交換器(121)へ導入される。この冷凍熱交換器(121)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その際、この冷凍熱交換器(121)では、冷媒の蒸発温度が例えば−30℃程度に設定される。上記冷凍ショーケース(14)では、冷凍熱交換器(121)で冷却された庫内空気が庫内へ供給され、庫内温度が例えば−20℃程度に保たれる。
上記冷凍熱交換器(121)で蒸発した冷媒は、再びブースタ回路(130)へ流れる。このブースタ回路(130)に流れた冷媒は、第1ガス管(138)、四路切換弁(132)および吸入管(134)を順に通ってブースタ圧縮機(131)へ吸入される。このブースタ圧縮機(131)で圧縮された冷媒は、吐出管(133)および四路切換弁(132)を順に通って第2ガス管(139)へ流れる。
一方、上記吸入用接続管(148)へ流れた冷媒は、過冷却用膨張弁(145)を通過する際に減圧されて、過冷却熱交換器(150)の第2流路(152)へ流入する。なお、予備熱交換器(146)では、予備ファン(147)が停止しているため、冷媒が吸熱および放熱を行わずに通過する。この第2流路(152)では、冷媒が第1流路(151)の冷媒から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、吸入用接続管(148)を通って第2ガス管(139)および第1バイパス管(139a)へ流れ、ブースタ圧縮機(131)の吐出冷媒と合流する。この合流した冷媒は、第1ガス側連絡配管(23)へ流入し、冷蔵回路(110)から送り込まれた冷媒と合流して室外回路(40)へ流れる。この室外回路(40)の冷媒は、第1吸入管(61)および第1分岐管(61a)を順に通って可変容量圧縮機(41)に吸入される。
このように、冷房運転では、ブースタ回路(130)において、第1液管(142)から分岐して冷凍熱交換器(121)へ流入した冷媒をブースタ圧縮機(131)が吸入して室外回路(40)の可変容量圧縮機(41)の吸入側へ吐出する第1動作が行われる。これにより、冷蔵ショーケース(13)の冷蔵および冷凍ショーケース(14)の冷凍が行われる。さらに、過冷却熱交換器(150)で過冷却された冷媒が冷蔵回路(110)および冷凍回路(120)へ導入されるので、冷蔵能力および冷凍能力が増大する。
〈暖房運転〉
この暖房運転は、冷蔵ショーケース(13)および冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の加熱を行って店内を暖房する運転である。
図3に示すように、室外回路(40)では、第1四路切換弁(51)、第2四路切換弁(52)および第3四路切換弁(53)がそれぞれ第2状態に設定される。また、室外膨張弁(46)が全閉される一方、空調膨張弁(102)、冷蔵膨張弁(112)および冷凍膨張弁(122)の開度が適宜調節される。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。なお、ブースタ回路(130)では、四路切換弁(132)や流量調整弁(144)、各電磁弁(SV-1,・・・)等が上記冷房運転の状態と同様に設定される。つまり、この暖房運転においても、ブースタ回路(130)で第1動作が行われる。
上記可変容量圧縮機(41)および第1固定容量圧縮機(42)から吐出された冷媒は、一部が第1四路切換弁(51)および第2ガス側連絡配管(24)を順に通って空調回路(100)へ流れ、残りが第2四路切換弁(52)および第1四路切換弁(51)を順に通って室外熱交換器(44)へ流れる。
上記空調回路(100)へ流れた冷媒は、空調熱交換器(101)で室内空気へ放熱して凝縮する。上記空調ユニット(12)では、空調熱交換器(101)で加熱された室内空気が店内へ供給される。この空調熱交換器(101)で凝縮した冷媒は、第2液側連絡配管(22)を通って第1液側連絡配管(21)へ流れる。
一方、上記室外熱交換器(44)へ流入した冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮する。この凝縮した冷媒は、第1液管(81)とレシーバ(45)と第2液管(82)とを順に通過して第1液側連絡配管(21)へ流入し、空調回路(100)から送り込まれた冷媒と合流する。この合流した冷媒は、ブースタ回路(130)へ流れる。このブースタ回路(130)では、上記冷房運転と同様に、冷媒が流れて冷蔵回路(110)および冷凍回路(120)へ流入する。
上記冷蔵ショーケース(13)および冷凍ショーケース(14)では、上記冷房運転時と同様に、庫内空気の冷却が行われる。上記冷蔵回路(110)へ流入した冷媒は、冷蔵熱交換器(111)で蒸発した後に第1ガス側連絡配管(23)へ流入する。一方、上記冷凍回路(120)へ流入した冷媒は、冷凍熱交換器(121)で蒸発した後、上記冷房運転と同様にブースタ回路(130)を通過して第1ガス側連絡配管(23)へ流入する。そして、この第1ガス側連絡配管(23)へ流入した冷媒は、室外回路(40)の第1吸入管(61)から第1分岐管(61a)と第2分岐管(61b)とに分岐してそれぞれ可変容量圧縮機(41)と第1固定容量圧縮機(42)とへ吸入される。
このように、暖房運転では、上記冷房運転の場合と同様に、ブースタ回路(130)において、第1液管(142)から分岐して冷凍熱交換器(121)へ流入した冷媒をブースタ圧縮機(131)が吸入して室外回路(40)の可変容量圧縮機(41)および第1固定容量圧縮機(42)の吸入側へ吐出する第1動作が行われる。これにより、冷蔵ショーケース(13)の冷蔵および冷凍ショーケース(14)の冷凍が行われる。さらに、過冷却熱交換器(150)で過冷却された冷媒が冷蔵回路(110)および冷凍回路(120)へ導入されるので、冷蔵能力および冷凍能力が増大する。
〈除霜運転〉
この除霜運転(デフロスト運転)は、冷蔵ショーケース(13)において庫内空気の冷却を行うと共に、空調ユニット(12)で室内の冷房または暖房を行いながら、冷凍ショーケース(14)において除霜を行う運転である。ここでは、代表して、空調ユニット(12)で暖房が行われている場合の除霜運転について説明する。
図4に示すように、この除霜運転では、冷凍回路(120)およびブースタ回路(130)の各種弁等の設定状態が、上記暖房運転の場合と異なる。具体的に、冷凍回路(120)では、冷凍膨張弁(122)が全開される。ブースタ回路(130)では、四路切換弁(132)が第2状態に設定される。また、流量調整弁(144)が全閉される一方、過冷却用膨張弁(145)が適宜調節される。さらに、第1電磁弁(SV-1)が全開される一方、第2電磁弁(SV-2)と第3電磁弁(SV-3)と第4電磁弁(SV-4)とが全閉される。つまり、この除霜運転は、ブースタ回路(130)で第2動作が行われる。なお、予備ファン(147)は休止する。
上記の状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。なお、ここでは、室外回路(40)、空調回路(100)および冷蔵回路(110)における冷媒流れが上記暖房運転と同様であるため、主として冷凍回路(120)およびブースタ回路(130)における冷媒流れについて説明する。
上記可変容量圧縮機(41)および第1固定容量圧縮機(42)から吐出された冷媒は、上記暖房運転と同様に、一部が空調回路(100)へ流れ、残りが室外熱交換器(44)へ流れる。上記空調回路(100)へ流れた冷媒は、空調熱交換器(101)で室内空気へ放熱して凝縮し、第1液側連絡配管(21)へ流れる。一方、上記室外熱交換器(44)へ流れた冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮して第1液側連絡配管(21)へ流入し、空調回路(100)から送り込まれた冷媒と合流する。この合流した冷媒は、ブースタ回路(130)へ流れる。
上記ブースタ回路(130)へ流れた冷媒は、第1液管(142)に流入する。この第1液管(142)の冷媒は、過冷却熱交換器(150)の第1流路(151)へ流入し、該第1流路(151)を通過する間に第2流路(152)の冷媒によって冷却される。この過冷却熱交換器(150)で冷却された過冷却状態の液冷媒は、全量が第1液管(142)を通って冷蔵回路(110)へ流れる。
上記冷蔵回路(110)へ流れた冷媒は、冷蔵熱交換器(111)で庫内空気から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、第1ガス側連絡配管(23)から室外回路(40)へ流れ、第1吸入管(61)および第1分岐管(61a)を順に通って可変容量圧縮機(41)へ吸入される。
また、上記ブースタ回路(130)では、ブースタ圧縮機(131)から吐出された冷媒が、吐出管(133)、四路切換弁(132)および第1ガス管(138)を順に通って、冷凍回路(120)へ流れる。
上記冷凍回路(120)へ流れた冷媒は、冷凍熱交換器(121)、冷凍膨張弁(122)およびドレンパンヒータ(127)を順に通って、再びブースタ回路(130)へ流れる。その際、高温の冷媒が熱冷凍熱交換器(121)およびドレンパンヒータ(127)へ放熱して凝縮し、冷凍熱交換器(121)およびドレンパンヒータ(127)が除霜される。
上記ブースタ回路(130)へ流れた冷媒は、第2液管(143)から吸入用接続管(148)へ流入する。この吸入用接続管(148)の冷媒は、過冷却用膨張弁(145)を通過する際に減圧されて、過冷却熱交換器(150)の第2流路(152)へ流入する。なお、予備熱交換器(146)では、予備ファン(147)が停止しているため、冷媒が吸熱および放熱を行わずに通過する。上記第2流路(152)では、冷媒が第1流路(151)の冷媒から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、吸入用接続管(148)から第2ガス管(139)へ流れ、四路切換弁(132)および吸入管(134)を順に通ってブースタ圧縮機(131)へ吸入されて再び吐出される。
このように、除霜運転では、ブースタ回路(130)において、第1液管(142)の冷媒の全量を冷蔵回路(110)へ供給する一方、冷媒がブースタ圧縮機(131)から冷凍熱交換器(121)と過冷却熱交換器(150)とを順に通って再びブースタ圧縮機(131)へ戻る第2動作が行われる。つまり、この第2動作では、主としてブースタ圧縮機(131)、冷凍熱交換器(121)、過冷却用膨張弁(145)および過冷却熱交換器(150)で成る閉回路が形成され、該閉回路(以下、除霜回路という。)において冷媒が循環する。
したがって、冷蔵ショーケース(13)の運転状態に関係なく、冷凍ショーケース(14)の除霜が行われる。つまり、別個独立の除霜回路にて冷凍ショーケース(14)の除霜を行うので、冷蔵ショーケース(13)の運転が停止状態であっても、ブースタ圧縮機(131)を運転させることで除霜運転を行うことができる。また、この除霜運転において、上記冷房運転および暖房運転の場合と同様に、過冷却熱交換器(150)で過冷却された冷媒が冷蔵回路(110)へ導入されるので、冷蔵能力が増大する。
〈各種運転制御〉
また、本実施形態の除霜運転では、次のような各種制御が行われる。
上記除霜運転において、例えば、冷蔵回路(110)の冷蔵能力がそれ程必要でない場合、除霜能力が不足することがある。つまり、冷蔵回路(110)の冷蔵能力を低下させるため、可変容量圧縮機(41)を容量制御してブースタ回路(130)の第1液管(142)の冷媒量を減少させる。そうすると、除霜回路において、過冷却熱交換器(150)での冷媒の吸熱量が減少するので、冷凍熱交換器(121)での冷媒の放熱量が減少して除霜能力が低下する。その場合、上述した除霜運転の状態に加え、コントローラ(170)によって予備ファン(147)が運転される。
上記予備ファン(147)が運転されると、予備熱交換器(146)へ室内空気が送り込まれる。そうすると、過冷却用膨張弁(145)で減圧された冷媒は、予備熱交換器(146)で室内空気から吸熱した後、過冷却熱交換器(150)の第2流路(152)で第1流路(151)の冷媒から吸熱し、蒸発する。したがって、除霜回路において、予備熱交換器(146)で吸熱した分だけ、冷媒の吸熱量が増大する。これにより、冷凍熱交換器(121)における冷媒の放熱量が増大するので、除霜能力が増大する。
また、本実施形態では、除霜運転時の除霜回路における冷媒循環量がコントローラ(170)によって調節される。
例えば、上記除霜回路において冷媒循環量が不足した場合、図5に示すように、コントローラ(170)によってブースタ回路(130)の流量調整弁(144)が開状態に設定される。そうすると、第1液管(142)の冷媒の一部が第2液管(143)を介して吸入用接続管(148)へ流入する。これにより、除霜回路における冷媒循環量が増大し、冷媒循環量の不足状態が解消される。なお、流量調整弁(144)は、冷媒循環量の不足量に基づいて開度調節される。つまり、冷媒循環量の不足量が多くなるに従って、流量調整弁(144)の開度が大きく設定される。
一方、上記除霜回路において冷媒循環量が過剰となった場合、コントローラ(170)によってブースタ回路(130)の第2電磁弁(SV-2)や第3電磁弁(SV-3)等が制御される。具体的に、冷媒循環量が過剰となると、図6に示すように、第3電磁弁(SV-3)が開けられる。そうすると、吸入用接続管(148)から第2ガス管(139)へ流れた冷媒の一部は、第1バイパス管(139a)(第3電磁弁(SV-3))を通って第1ガス側連絡配管(23)へ排出される。つまり、除霜回路における循環冷媒の一部が冷蔵回路(110)の循環冷媒に加えられ、除霜回路の冷媒循環量が減少する。
上記の制御を行っても冷媒循環量の過剰状態が解消しない場合、図7に示すように、第3電磁弁(SV-3)が閉められ、第2電磁弁(SV-2)が開けられる。そうすると、除霜回路の循環冷媒の一部が第2ガス管(139)(第2電磁弁(SV-2))を通って第1ガス側連絡配管(23)へ排出される。この場合、第3電磁弁(SV-3)の口径よりも第2電磁弁(SV-2)の口径が大きいため、除霜回路から排出される冷媒量が多くなる。
上記の制御を行っても冷媒循環量の過剰状態が解消しない場合、図8に示すように、第3電磁弁(SV-3)が開けられる。つまり、第2電磁弁(SV-2)および第3電磁弁(SV-3)の両方が開状態となる。これにより、除霜回路から排出される冷媒量が一層多くなる。
上記の制御を行っても冷媒循環量の過剰状態が解消しない場合、図9に示すように、第2電磁弁(SV-2)および第3電磁弁(SV-3)が閉められ、第4電磁弁(SV-4)が開けられる。そうすると、ブースタ圧縮機(131)のケーシング内の冷媒が第2バイパス管(140)を通って第1ガス側連絡配管(23)へ排出される。ここで、上記のように第2電磁弁(SV-2)や第3電磁弁(SV-3)を開けた場合、第2ガス管(139)の圧力はブースタ圧縮機(131)の吸入圧力とほぼ同じである一方、第1ガス側連絡配管(23)の圧力は可変容量圧縮機(41)の吸入圧力とほぼ同じである。つまり、この場合、第2ガス管(139)と第1ガス側連絡配管(23)との圧力差はそれ程大きくない。ところが、上記のように第4電磁弁(SV-4)を開けた場合、第2バイパス管(140)の圧力はブースタ圧縮機(131)の吐出圧力とほぼ同じとなる。つまり、この場合、第2バイパス管(140)と第1ガス側連絡配管(23)との圧力差が大きいため、第2電磁弁(SV-2)等を開けた場合と比べて、除霜回路から第1ガス側連絡配管(23)へ排出させる冷媒量が多くなる。したがって、除霜回路における冷媒循環量が著しく過剰な場合でも、その過剰状態を解消することができる。
−実施形態1の効果−
以上説明したように、本実施形態によれば、ブースタ回路(130)内に過冷却熱交換器(150)を設け、ブースタ圧縮機(131)の吐出冷媒が冷凍熱交換器(121)および過冷却熱交換器(150)を順に流れて再びブースタ圧縮機(131)へ戻る冷媒循環で冷凍熱交換器(121)の除霜を行うようにした。つまり、第2利用系統内で除霜のための冷媒の循環経路を形成するようにした。したがって、冷蔵熱交換器(111)や空調熱交換器(101)の運転状態に関係なく、冷凍熱交換器(121)の除霜運転を行うことができる。
また、除霜運転において、冷凍熱交換器(121)で凝縮した冷媒を過冷却熱交換器(150)で第1液管(142)の冷媒と熱交換させて蒸発させるようにしたので、第1液管(142)の冷媒を冷却することができる。したがって、除霜のための熱量を回収しながらも、冷蔵熱交換器(111)における冷却能力を増大させることができる。
さらに、除霜運転において、除霜回路の冷媒循環量が不足すると、流量調整弁(144)を開くようにしたので、除霜回路内に冷媒を補充することができ、冷媒循環量の不足状態を解消することができる。また、除霜回路の冷媒循環量が過剰になると、第2電磁弁(SV-2)等を開くようにしたので、除霜回路から冷媒を排出させることができ、冷媒循環量の過剰状態を解消することができる。これらの結果、除霜能力を確実に確保することができる。
また、過冷却熱交換器(150)に加えて予備熱交換器(146)を設けるようにしたので、過冷却熱交換器(150)だけでは熱回収不足であっても、十分な熱量を回収することができる。これにより、必要な除霜能力を確実に確保することができる。
《発明の実施形態2》
本実施形態2の冷凍装置(10)は、図10に示すように、上記実施形態1におけるブースタ回路(130)の構成を変更したものである。つまり、上記実施形態1におけるブースタ回路(130)の四路切換弁(132)とは別の新たな第2四路切換弁(153)を設けるようにしたものである。また、本実施形態のブースタ回路(130)は、油戻し管(137)の接続状態が変更されている。
具体的に、上記ブースタ回路(130)の油戻し管(137)は、油分離器(136)とブースタ回路(130)の中間圧ポート(図示せず)との間に接続されている。この中間圧ポートは、ブースタ圧縮機(131)における圧縮途中の圧縮室に連通している。つまり、油戻し管(137)の出口端は、ブースタ圧縮機(131)の吸入圧力と吐出圧力の中間の圧力状態にある圧縮室に連通している。
上記第2四路切換弁(153)は、吸入用接続管(148)における過冷却熱交換器(150)の下流側に設けられている。この第2四路切換弁(153)は、第1のポートに第4ガス管(154)の一端が、第2のポートに第5ガス管(155)の一端が、第3のポートに第6ガス管(156)の一端が、第4のポートに第7ガス管(157)の一端がそれぞれ接続されている。第4ガス管(154)の他端は、油戻し管(137)における第1電磁弁(SV-1)の下流側に接続されている。第5ガス管(155)の他端は、第2ガス管(139)における第1バイパス管(139a)の上流側に接続されている。第6ガス管(156)の他端は、過冷却熱交換器(150)の第2流路(152)に接続されている。第7ガス管(157)の他端は、第1液管(142)における過冷却熱交換器(150)と第2液管(143)の接続部との間に接続されている。なお、この第7ガス管(157)には、第2四路切換弁(153)から第1液管(142)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-13)が設けられている。
そして、上記第2四路切換弁(153)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図10に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図10に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(10)が行う運転動作のうち、第1暖房運転と、第2暖房運転と、除霜運転とについて説明する。
〈第1暖房運転〉
この第1暖房運転は、上記実施形態1の暖房運転と同様に、冷蔵ショーケース(13)および冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の加熱を行って店内を暖房する運転である。また、この第1暖房運転は、冷蔵ショーケース(13)の冷蔵負荷が割と小さい場合に行う運転である。なお、ここでは、主として、上記実施形態1の暖房運転と異なるブースタ回路(130)の冷媒流れについて説明する。
図示しないが、上記ブースタ回路(130)では、第2四路切換弁(153)が第2状態に設定される。なお、ブースタ回路(130)において、第2四路切換弁(153)以外の各種弁等は実施形態1の暖房運転と同様に設定される。つまり、この第1暖房運転は、ブースタ回路(130)で第1動作が行われる。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。
上記第1液側連絡配管(21)からブースタ回路(130)の第1液管(142)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で過冷却された後、一部が冷蔵回路(110)へ流れ、残りが第2液管(143)へ流れる。この第2液管(143)に流れた冷媒は、一部が冷凍回路(120)へ流れ、残りが吸入用接続管(148)へ流れる。この吸入用接続管(148)の冷媒は、過冷却熱交換器(150)で蒸発した後、第6ガス管(156)、第2四路切換弁(153)および第5ガス管(155)を順に通って第2ガス管(139)へ流入し、ブースタ圧縮機(131)の吐出冷媒と合流する。この合流した冷媒は、第1ガス側連絡配管(23)へ流入し、冷蔵回路(110)から送り込まれた冷媒と合流して室外回路(40)へ流れる。
〈第2暖房運転〉
この第2暖房運転は、上記実施形態1の暖房運転と同様に、冷蔵ショーケース(13)および冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の加熱を行って店内を暖房する運転である。また、この第2暖房運転は、冷蔵ショーケース(13)の冷蔵負荷が割と大きい場合に行う運転である。ここでは、主として、上記実施形態1の暖房運転と異なる冷媒流れについて説明する。
図11に示すように、上記ブースタ回路(130)では、第2四路切換弁(153)が第1状態に設定され、それ以外の各種弁等は実施形態1の暖房運転と同様に設定される。つまり、この第1暖房運転においても、ブースタ回路(130)で第1動作が行われる。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。
上記第1液側連絡配管(21)からブースタ回路(130)の第1液管(142)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で過冷却された後、一部が冷蔵回路(110)へ流れ、残りが第2液管(143)へ流れる。この第2液管(143)に流入した冷媒は、一部が冷凍回路(120)へ流れ、残りが吸入用接続管(148)へ流れる。
上記吸入用接続管(148)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で蒸発した後、第6ガス管(156)、第2四路切換弁(153)および第4ガス管(154)を順に通って油戻し管(137)へ流れる。そして、この油戻し管(137)から冷媒がブースタ圧縮機(131)の中間圧ポートへ流入し、圧縮される。ブースタ圧縮機(131)から吐出された冷媒は、第2ガス管(139)を通って第1ガス側連絡配管(23)へ流入し、冷蔵回路(110)から送り込まれた冷媒と合流して室外回路(40)へ流れる。
このように、第2暖房運転では、過冷却熱交換器(150)で蒸発した冷媒が第1ガス側連絡配管(23)へ流れるのではなく、ブースタ圧縮機(131)へ吸入される。したがって、上記第1暖房運転の場合と比べて、ブースタ回路(130)から第1ガス側連絡配管(23)へ流れる冷媒量が減少する。これにより、可変容量圧縮機(41)および第1固定容量圧縮機(42)の吸入冷媒量は一定であることから、ブースタ回路(130)から第1ガス側連絡配管(23)への冷媒量が減少した分、冷蔵回路(110)から可変容量圧縮機(41)等へ流れる冷媒量が増大する。この結果、冷蔵回路(110)の循環冷媒量が増大するので、冷蔵能力を増大させることができる。
また、過冷却熱交換器(150)で蒸発した冷媒が吸入管(134)ではなくブースタ圧縮機(131)の中間圧ポートに流入するので、吸入管(134)を通じてブースタ圧縮機(131)へ吸入される冷媒量の減少を防止することができる。つまり、冷凍回路(120)からブースタ圧縮機(131)へ吸入される冷媒量の減少が防止される。これにより、冷凍回路(120)の循環冷媒量が増大するので、冷凍能力を増大させることができる。
〈除霜運転〉
この除霜運転は、上記実施形態1の除霜運転と同様に、冷蔵ショーケース(13)において庫内空気の冷却を行うと共に、空調ユニット(12)で室内の暖房を行いながら、冷凍ショーケース(14)において除霜を行う運転である。ここでは、主として、上記実施形態1の除霜運転と異なるブースタ回路(130)における冷媒流れについて説明する。
図12に示すように、上記ブースタ回路(130)では、第2四路切換弁(153)が第2状態に設定され、それ以外の各種弁等は実施形態1の除霜運転と同様に設定される。つまり、この除霜運転は、ブースタ回路(130)で第2動作が行われる。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。
上記第1液側連絡配管(21)からブースタ回路(130)の第1液管(142)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で過冷却された後、全量が冷蔵回路(110)へ流れる。一方、ブースタ回路(130)では、ブースタ圧縮機(131)から吐出された冷媒が、吐出管(133)、四路切換弁(132)および第1ガス管(138)を順に通って、冷凍回路(120)へ流れる。冷凍回路(120)へ流れた冷媒は、冷凍熱交換器(121)やドレンパンヒータ(127)で放熱して凝縮し、ブースタ回路(130)へ流れる。その際、冷凍熱交換器(121)およびドレンパンヒータ(127)が除霜される。
上記ブースタ回路(130)へ流れた冷媒は、吸入用接続管(148)へ流入し、過冷却熱交換器(150)で蒸発した後、第6ガス管(156)、第2四路切換弁(153)および第5ガス管(155)を順に通って第2ガス管(139)へ流れる。この第2ガス管(139)の冷媒は、吸入管(134)を通ってブースタ圧縮機(131)へ吸入される。
このように、本実施形態の除霜運転では、上記実施形態1と同様に、主としてブースタ圧縮機(131)、冷凍熱交換器(121)、過冷却用膨張弁(145)および過冷却熱交換器(150)で成る除霜回路において冷媒が循環する。つまり、吸入用接続管(148)と第6ガス管(156)と第2四路切換弁(153)と第5ガス管(155)とが、除霜回路の一部を構成している。また、暖房運転時に、第2四路切換弁(153)を第1状態と第2状態とに切り換えることにより、冷蔵回路(110)および冷凍回路(120)における循環冷媒量を増減させることかできる。これにより、冷蔵能力および冷凍能力を調節することができる。その他の構成、作用および効果は、実施形態1と同様である。
《発明の実施形態3》
本実施形態3の冷凍装置(10)は、図13に示すように、上記実施形態1におけるブースタ回路(130)の構成を変更したものである。つまり、上記実施形態1におけるブースタ回路(130)の四路切換弁(132)とは別の新たな第2四路切換弁(160)を設けるようにしたものである。
具体的に、本実施形態のブースタ回路(130)では、上記実施形態1における第2液管(143)に代えて、第1接続管(161)が第1液管(142)より分岐している。なお、この第1接続管(161)には、上記実施形態1と同様に、流量調整弁(144)が設けられている。また、四路切換弁(132)の第3のポートには、上記実施形態1における第1ガス管(138)に代えて、第2接続管(162)が接続されている。
上記第2四路切換弁(160)は、第1のポートに第1接続管(161)の一端が、第2のポートに第2接続管(162)の一端が、第3のポートに第3接続管(163)の一端が、第4のポートに第4接続管(164)の一端がそれぞれ接続されている。つまり、第1接続管(161)は、第1液管(142)における過冷却熱交換器(150)の下流側と第2四路切換弁(160)との間に接続され、第2接続管(162)は、四路切換弁(132)と第2四路切換弁(160)との間に接続されている。第3接続管(163)の他端は、冷凍回路(120)の液側端に接続され、第4接続管(164)の他端は、冷凍回路(120)のガス側端に接続されている。なお、本実施形態では、吸入用接続管(148)の流入端である一端が、第1接続管(161)における流量調整弁(144)の下流側に接続されている。
そして、上記第2四路切換弁(160)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図13に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通し且つ第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図13に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記第2四路切換弁(160)は、除霜運転時に、冷凍回路(120)における冷媒の流れ方向を可逆に切り換える切換手段を構成している。つまり、除霜運転時に、第2四路切換弁(160)が第1状態に設定されると、冷媒が冷凍回路(120)においてガス側端から液側端へ向かって流れ(逆方向)、第2四路切換弁(160)が第2状態に設定されると、冷媒が冷凍回路(120)において液側端からガス側端へ向かって流れる(正方向)。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(10)が行う運転動作のうち、暖房運転と、第1除霜運転と、第2除霜運転とについて説明する。
〈暖房運転〉
この暖房運転は、上記実施形態1の暖房運転と同様に、冷蔵ショーケース(13)および冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の加熱を行って店内を暖房する運転である。なお、ここでは、主として、上記実施形態1の暖房運転と異なるブースタ回路(130)の冷媒流れについて説明する。
図14に示すように、上記ブースタ回路(130)では、第2四路切換弁(160)が第1状態に設定され、それ以外の各種弁等は実施形態1の暖房運転と同様に設定される。つまり、この暖房運転は、ブースタ回路(130)で第1動作が行われる。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。
上記第1液側連絡配管(21)からブースタ回路(130)の第1液管(142)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で過冷却された後、一部が冷蔵回路(110)へ流れ、残りが第1接続管(161)へ流れる。この第1接続管(161)に流れた冷媒は、一部が第2四路切換弁(160)および第3接続管(163)を順に介して冷凍回路(120)へ流れ、残りが吸入用接続管(148)へ流れる。この吸入用接続管(148)の冷媒は、過冷却熱交換器(150)で蒸発した後、第2ガス管(139)へ流入してブースタ圧縮機(131)の吐出冷媒と合流する。この合流した冷媒は、第1ガス側連絡配管(23)へ流入し、冷蔵回路(110)から送り込まれた冷媒と合流して室外回路(40)へ流れる。
〈第1除霜運転〉
この第1除霜運転は、上記実施形態1の除霜運転と同様に、冷蔵ショーケース(13)において庫内空気の冷却を行うと共に、空調ユニット(12)で室内の暖房を行いながら、冷凍ショーケース(14)において除霜を行う運転である。ここでは、主として、上記実施形態1の除霜運転と異なるブースタ回路(130)における冷媒流れについて説明する。
図15に示すように、上記ブースタ回路(130)では、第2四路切換弁(160)が第1状態に設定され、それ以外の各種弁等は実施形態1の除霜運転と同様に設定される。つまり、この第1除霜運転は、ブースタ回路(130)で第2動作が行われる。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。
上記第1液側連絡配管(21)からブースタ回路(130)の第1液管(142)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で過冷却された後、全量が冷蔵回路(110)へ流れる。一方、ブースタ回路(130)では、ブースタ圧縮機(131)から吐出された冷媒が、四路切換弁(132)、第2接続管(162)、第2四路切換弁(160)および第4接続管(164)を順に通って、冷凍回路(120)のガス側端へ流れる。この冷凍回路(120)では、冷媒が冷凍熱交換器(121)およびドレンパンヒータ(127)を順に通過する際に放熱して凝縮し、液側端からブースタ回路(130)へ流れる。その際、冷凍熱交換器(121)およびドレンパンヒータ(127)が除霜される。つまり、この第1除霜運転では、冷凍回路(120)における冷媒の流れ方向が上記暖房運転時の流れ方向と逆になる。
上記ブースタ回路(130)へ流れた冷媒は、第3接続管(163)、第2四路切換弁(160)および第1接続管(161)を順に通って、吸入用接続管(148)へ流入する。この吸入用接続管(148)の冷媒は、過冷却熱交換器(150)で蒸発した後、第2ガス管(139)へ流入し、四路切換弁(132)および吸入管(134)を順に通ってブースタ圧縮機(131)へ吸入される。
〈第2除霜運転〉
この第2除霜運転は、上記実施形態1の除霜運転と同様に、冷蔵ショーケース(13)において庫内空気の冷却を行うと共に、空調ユニット(12)で室内の暖房を行いながら、冷凍ショーケース(14)において除霜を行う運転である。ここでは、主として、上記実施形態1の除霜運転と異なるブースタ回路(130)における冷媒流れについて説明する。
図16に示すように、上記ブースタ回路(130)では、第2四路切換弁(160)が第2状態に設定され、それ以外の各種弁等は実施形態1の除霜運転と同様に設定される。つまり、上述した第1除霜運転の場合において、第2四路切換弁(160)が第1状態から第2状態へ切り換えられるのみである。この状態において、可変容量圧縮機(41)、第1固定容量圧縮機(42)およびブースタ圧縮機(131)が運転され、第2固定容量圧縮機(43)が休止する。
上記第1液側連絡配管(21)からブースタ回路(130)の第1液管(142)に流入した冷媒は、過冷却熱交換器(150)で過冷却された後、全量が冷蔵回路(110)へ流れる。一方、ブースタ回路(130)では、ブースタ圧縮機(131)から吐出された冷媒が、四路切換弁(132)、第2接続管(162)、第2四路切換弁(160)および第3接続管(163)を順に通って、冷凍回路(120)の液側端へ流れる。上記冷凍回路(120)では、冷媒がドレンパンヒータ(127)および冷凍熱交換器(121)を順に通過する際に放熱して凝縮し、ガス側端からブースタ回路(130)へ流れる。その際、冷凍熱交換器(121)およびドレンパンヒータ(127)が除霜される。つまり、この第2除霜運転では、冷凍回路(120)における冷媒の流れ方向が上記暖房運転時の流れ方向と同じになる。
上記ブースタ回路(130)へ流れた冷媒は、第4接続管(164)、第2四路切換弁(160)および第1接続管(161)を順に通って、吸入用接続管(148)へ流入する。この吸入用接続管(148)の冷媒は、過冷却熱交換器(150)で蒸発した後、第2ガス管(139)へ流入し、四路切換弁(132)および吸入管(134)を順に通ってブースタ圧縮機(131)へ吸入される。
ここで、暖房運転時の冷凍回路(120)では、低温の液冷媒(二相冷媒)が液側端より流入し、蒸発して過熱状態となったガス冷媒がガス側端から流出する。つまり、冷凍回路(120)において、ガス側端の冷媒温度より液側端の冷媒温度が低い。したがって、冷凍回路(120)では、ガス側端より液側端が着霜の程度が高くなる。そこで、この第2除霜運転では、ブースタ圧縮機(131)から吐出された高温の冷媒が冷凍回路(120)の液側端へ流入するので、着霜の程度が高い液側端において冷媒の高温熱を有効に利用することができる。これにより、冷凍回路(120)において除霜能力を効果的に発揮させることができる。
以上のように、本実施形態の第1除霜運転および第2除霜運転の何れにおいても、上記実施形態1と同様に、主としてブースタ圧縮機(131)、冷凍熱交換器(121)、過冷却用膨張弁(145)および過冷却熱交換器(150)で成る除霜回路において冷媒が循環する。つまり、吸入用接続管(148)と、第2四路切換弁(160)と、4つの接続管(161,162,163,164)とが、除霜回路の一部を構成している。その他の構成、作用および効果は、実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、利用系統として、空調回路(100)と冷蔵回路(110)と冷凍回路(120)とを設けるようにしたが、空調回路(100)または冷蔵回路(110)を省略するようにしてもよい。
また、利用系統として、複数の冷凍回路(120)を設け、そのうち1つの冷凍回路(120)にブースタ回路(130)が接続されている形態であってもよい。
また、各実施形態において、過冷却熱交換器(150)を蒸発手段として用いたが、これに限らず、電気ヒータを用いて吸入用接続管(148)の冷媒を蒸発させるようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。