本発明の実施の形態を図面を用いて詳しく説明する。第1の実施の形態は、光学ピックアップの備える2群レンズを調整する光学ピックアップ用対物レンズの調整方法を適用して構成した装置であって、第1のレンズに対する第2のレンズの傾きを調整する2群レンズの調整装置である。
詳しくは、2群レンズの調整装置は、図1に示すように、2群レンズ21の第4の面27にレーザ光を照射して、その反射光を遠方で検出することにより第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きを調整する。
上記2群レンズは、光学ピックアップに備えられて、半導体レーザから発射されたレーザ光を光ディスクの信号記録面上で集束させる対物レンズである。
上記2群レンズは、図2に示すように、半導体レーザから入射されたレーザ光28が入射される第1の面24とこの第1の面24から入射されたレーザ光28を第2のレンズ23に対して出射する第2の面25とからなる第1のレンズ22と、第1のレンズ22を透過してきた半導体レーザよりのレーザ光が入射される第3の面26とこの第3の面26から入射されたレーザ光を対向して配設された光ディスク29に出射する第4の面27とからなる第2のレンズ23とから構成されている。すなわち、2群レンズ21は、第1の面24,第2の面25,第3の面26及び第4の面27の順に半導体レーザよりのレーザ光が入射され、第4の面27から光ディスク29に対して集束した光束を出射する。
上記第1のレンズ22において、第1の面24は、半導体レーザに向かって凸となるように非球面に形成され、その外周部24aが平面に形成されている。また、第2の面25は、第2のレンズ23に向かって凸となるように非球面に形成されている。
上記第2のレンズ23において、第3の面26は、対向する第1のレンズ22側に凸となるように球面に形成されている。また、第4の面27は、平面に形成されている。
を一定にさせている。このように構成された2群レンズ21は、光ディスク29の信号記録面29a上にレーザ光を集束させることができる。例えば、この2群レンズ21は、開口数が0.7〜0.95となる。
上記2群レンズ21は、実際には、図示しないスペーサによって第1のレンズ22と第2のレンズ23とが離間されている。なお、第1のレンズ22と第2のレンズ23とは、第1のレンズ22に対する第2のレンズ21の傾きを調整した後に、スペーサと接着される。
上記2群レンズの調整装置1は、図1に示すように、レーザ光を発射するレーザ光源2と、2群レンズ21が配設されるレンズ載置部3と、レーザ光源2とレンズ載置部3との間に配設されているビームエキスパンダ4、集光レンズ5及びビームスプリッタ6と、レンズ載置部3に配設された2群レンズ21の第4の面27から遠方に位置されて、レーザ光源2から照射され第4の面27で反射された反射光を検出するCCDカメラ7と、CCDカメラ7で受光された映像を映すモニター8と、第1のレンズ22の位置を調整する第1の位置調整用ステージ9と、第1のレンズ22に対して第2のレンズ23を平行又は傾き調整する第2の位置調整用ステージ10とから構成されている。
上記2群レンズの調整装置1において、ビームエキスパンダ4,集光レンズ5及びビームスプリッタ6の光軸は、レーザ光源2の出射するレーザ光の光軸と一致している。さらに、後述するレンズ載置部3の開口部13は、中心が上記レーザ光の光軸と一致している。
また、2群レンズの調整装置1において、ビームエキスパンダ4及び集光レンズ5は、レンズ載置部3に載置された2群レンズ21の第4の面27よりの反射光がビームスプリッタ6の反射面6aで反射されてから焦点を形成するように位置決めされている。そして、2群レンズ21の第4の面27から上記焦点が形成される位置までの距離が長くなるように、その距離を例えば5mとしてビームエキスパンダ4及び集光レンズ5が位置決めされている。
さらに、2群レンズの調整装置1は、集光レンズ5とビームスプリッタ6との間を移動可能になるように支持されているメカニカルシャッター11を備えている。メカニカルシャッター11は、レンズ載置部3に対してレーザ光源2よりのレーザ光を遮光するために用いている。
上記レーザ光源2は、He−Neレーザであって、波長が632nmのレーザ光を発射する。このレーザ光源2は、レーザ光の光軸がレンズ載置部3の開口部13中心と一致して、基準面12に対し直角になるように位置決めされている。なお、レーザ光源2の位置決めは、例えばマイケルソン干渉計を用いて、十分な精度に追い込んで行っている。
上記レーザ光源2から広がりながら発射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ4に入射される。ビームエキスパンダ4は、入射されたレーザ光をさらに広がらせて集光レンズ5に向けて出射する。
上記集光レンズ5では、広がって入射されたビームエキスパンダ4よりのレーザ光をビームスプリッタ6に向けて集束させて出射する。
上記ビームスプリッタ6は、集光レンズ5よりのレーザ光を透過して2群レンズ21が載置されるレンズ載置部3に向けて出射する。なお、このビームスプリッタ6には、反射面6aが形成され、ビームスプリッタ6は、後述するように、第2のレンズ23の第4の面27よりの反射光を反射面6aにおいて反射する光学特性を有している。
上記レンズ載置部3は、2群レンズ21が載置される基準面12と、2群レンズ21が載置される部分に位置し、円形に形成された開口部13とから構成されている。開口部13は、2群レンズ21の第1の面24の球面部の外径とほぼ同じ直径を有している。
上記レンズ載置部3は、第1の面24を開口部13によって嵌合して、基準面12に載置された2群レンズ21を保持している。
基準面12に載置された2群レンズ21には、第4の面27に対してビームスプリッタ6よりのレーザ光が入射される。第4の面27は、入射されたレーザ光の一部をビームスプリッタ6に向けて反射する。
上記ビームスプリッタ6は、反射面6aにおいて第4の面27よりの反射光をCCDカメラ7に向けて反射する。反射光は、ビームスプリッタ6の反射面6aにおいて反射された後に焦点を形成する。CCDカメラ7は、この反射光の焦点付近に位置されて、受光面7aのよって反射光の焦点を受光する。このCCDカメラ7の受光面7aは、位置検出分解能が0.5mm程度の精度を有している。
なお、CCDカメラ7は、図3に示すように、レンズ載置部3の基準面12に、いわゆるオプティカルフラットとしての平面部14aを有する平板14を載置して予め位置決めされている。
上記平板14は、断面がほぼ矩形とされ、基準面12と平行に形成された平行面14aを備えている。ここで、平板14の断面厚さは、平板14が基準面12に載置された際、平面部14aの位置が2群レンズ21の第4の面27の高さとほぼ同一になるように決定されている。
上記CCDカメラ7の位置決めは、上述した2群レンズ21の第4の面27にレーザ光を照射するのと同様な手順で行い、平板14の平面部14aに対してレーザ光を照射して行う。
すなわち、レーザ光源2よりのレーザ光を、ビームエキスパンダ4,集光レンズ5及びビームスプリッタ6を介して平板14の平面部14aに照射する。
上記平板14の平面部14aに入射されたレーザ光は、ビームスプリッタ4に向けて反射される。ここで、平板14の平面部14aが基準面12に対して平行に位置されているため、レーザ光の光軸は、平面部14aに対する入射と反射で一致している。
上記平板14の平面部14aよりの反射光は、ビームスプリッタ6の反射面6aで反射された後、焦点が形成される。CCDカメラ7は、この反射光の焦点付近に予め位置されている。このCCDカメラ7は、この反射光の光軸方向及びこの光軸に対し直角な2軸方向に移動可能に支持されている。
上記CCDカメラ7の位置決めは、モニター8を見ながら、反射光の光軸中心、すなわち反射光の焦点に受光面7aの中心が一致するようにCCDカメラ7を移動させて行う。
そして、受光面7aの中心位置が決定された後、上記反射光の光軸に対して受光面7aが垂直になるように調整される。
以上のようにしてCCDカメラ7は位置決めされている。
よって、CCDカメラ7の受光面7aは、第2のレンズ22の第4の面27よりの反射光の焦点を受光することができる位置に配設されている。
例えば、第2のレンズ22に傾きが生じている場合、基準面12に載置された2群レンズ21の第4の面27よりの反射光の焦点は、光軸に対する垂直方向のずれとなって、受光面7aの中心からずれて受光される。
そして、第2のレンズ23の傾きの調整は、モニター8を見ながら、第2の位置調整用ステージ10によって行い、CCDカメラ7の受光面7aの中心に第4の面27よりの反射光の焦点を一致させる。
よって、2群レンズの調整装置1は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きの調整を第2のレンズ23の第4の面27からの反射光に基づいて行うため、例え第2のレンズ23の外形形状の精度がよくなくても、精度良く傾きの調整をすることができる。したがって、第1のレンズ22及び第2のレンズ23を成形するために使用する金型の外径精度が出ていなくても、十分な光学特性をもった2群レンズ21を提供することができる。
また、2群レンズの調整装置1は、第4の面27よりの反射光の焦点によって、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きを調整しているために、たとえCCDカメラ7の受光面7aの位置検出感度が小さくても精度良く傾きの調整をすることができる。
なお、2群レンズの調整装置1は、上述したように、第4の面27と反射光の焦点位置との距離を5mになるように構成されている。これは、第4の面27と焦点の検出位置の距離を長くすることで、位置検出感度を向上させるためである。
例えば、CCDカメラ7の受光面7aの位置検出分解能は、0.5mm程度であるから、第2のレンズ23の傾きの検出分解能Xは、(1)式で得られるように、0.05mradになる。
X=tan-1(0.5<mm>/(5000<mm>×2)) ・・・(1)
=0.05mrad
2群レンズの調整装置1は、このように第4の面27からの反射光の焦点を遠方に形成して、第2のレンズ23に対する上記焦点の変位置を増幅させることで、位置検出感度を良好にし、傾きの調整精度を向上させている。
また、第2のレンズ23の調整について述べたが、2群レンズの調整装置1は、第1のレンズ22の傾きを調整してから第2のレンズ23の傾きを調整することもできる。この場合、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きの位置決め精度が向上する。
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、光学ピックアップの備える2群レンズを調整する光学ピックアップ用対物レンズの調整方法を適用して構成した装置であって、第1のレンズに対する第2のレンズの傾きを調整する2群レンズの調整装置である。
詳しくは、2群レンズの調整装置1は、図4に示すようにレーザ光を第1のレンズ22及び第2のレンズ23を透過させ、その透過光の回折パターンの中心位置を遠方で検出することにより第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯を調整する。
上記2群レンズは、第1の実施の形態において図2を用いて説明したように、第1のレンズ22と、光ディスク29に対向する面である第4の面27を有する第2のレンズ23とから構成されている。
上記2群レンズの調整装置は、図4及び図5に示すように、レーザ光を発射するレーザ光源32と、レーザ光源32から発射されたレーザ光を広げて出射させるビームエキスパンダ33と、ビームエキスパンダ33によって広げられて入射されるレーザ光を平行光にするコリメータレンズ34と、調整の対象となる2群レンズ21が載置されるとともに、コリメータレンズ34からの光が入射されるレンズ載置部35と、レンズ載置部35に載置された2群レンズ21を透過した光が入射されるビームスプリッタ36と、ビームスプリッタ36の反射面36aで反射された光であって、第1のレンズ22及び第2のレンズ23を透過する光の回折パターンを検出するCCDカメラ37と、CCDカメラ37で受光された映像を映すモニター38と、第1のレンズ22の光軸に対する垂直面内において第1のレンズ22の位置を調整する第1の位置調整用ステージ39と、第2のレンズ23の光軸に対する垂直面内において第2のレンズ23の位置を調整する第2の位置調整用ステージ40とから構成される。
上記2群レンズの調整装置31において、ビームエキスパンダ33、コリメータレンズ34及びビームスプリッタ36の光軸は、レーザ光源32の出射するレーザ光の光軸と一致している。さらに、後述するレンズ載置部3に設けられたアパーチャ部43は、中心が上記レーザ光の光軸と一致している。
上記レーザ光源32は、SHGのグリーンレーザであって、波長が532nmのレーザ光を発射する。このレーザ光源32は、レーザ光の光軸がレンズ載置部35のアパーチャ部43の中心と一致して、レンズ載置部35の基準面41に対し直角になるように位置決めされている。なお、レーザ光源32の位置決めは、例えばマイケルソン干渉計を用いて、十分な精度に追い込んで行っている。そして、レーザ光源32から広がりながら発射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ33に入射される。
上記ビームエキスパンダ33は、レーザ光をさらに広げてコリメータレンズ34に向けて出射する。
上記コリメータレンズ34は、広がりながら入射されたビームエキスパンダ4よりのレーザ光を平行光にしてレンズ載置部35に向けて出射する。
上記レンズ載置部35は、2群レンズ21が載置される基準面41と、2群レンズ21が載置される部分に位置し、円形に形成された貫通孔である円形孔42とから構成されている。そして、レンズ載置部35の円形孔42には、アパーチャ部43が設けられている。
上記アパーチャ部43は、円形孔42よりやや小とされた径に形成されている。詳しくは、アパーチャ部43の内径は、2群レンズ21の第1の面24の球面部の外径よりやや小とされている。このアパーチャ部43は、上述したように、軸中心がレーザ光源32から発せされるレーザ光の光軸と一致している。
よって、レンズ載置部35は、基準面41に載置される2群レンズ21の第1の面24に入射されるコリメータレンズ34よりレーザ光をアパーチャ部43において絞っている。これにより、このアパーチャ部43を介して2群レンズ21に入射される光は、回折成分を含んだ光となる。後述するように、2群レンズの調整装置31は、この回折成分によって形成される回折パターンをもとに、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯を調整している。
アパーチャ部43を介して2群レンズ21を透過した光は、ビームスプリッタ36に入射される。なお、2群レンズ21を透過した光が第4の面27から出射直後に焦点を形成するために、ビームスプリッタ35には、焦点を形成語の広がった光が入射される。
上記ビームスプリッタ36には、反射面36aが形成され、ビームスプリッタ36は、2群レンズ21を透過した光を反射面36aによって反射し、CCDカメラ37に向けて出射する。
このCCDカメラ37は、受光面37aにおいてビームスプリッタ36の反射面36aで反射された光を受光する。なお、CCDカメラ37の受光面37aは、位置検出分解能が0.5mm程度の精度を有している。また、CCDカメラ37は、位置決めされるために、光軸方向及びこの光軸に対し直角な2軸方向に移動可能に支持されている。
上記CCDカメラ37の受光面37aにおいて受光された光は、モニター38に映し出される。CCDカメラ37の受光面37aに入射された光は、アパーチャ部43を介したとで回折成分を含んでいることから、モニター37には、光の回折パターンが映し出される。
なお、CCDカメラ37は、図6に示すように、レンズ載置部35に形成されたアパーチャ部43よりレーザ光を透過させて予め位置決めされている。
先ず、レーザ光源32よりのレーザ光がビームエキスパンダ33,コリメータレンズ34を介してレンズ載置部35に形成されたアパーチャ部43に入射される。アパーチャ部43に入射され、ここを介して出射されたレーザ光は、回折成分を含む光となる。回折成分を含んだ光は、ビームスプリッタ36の反射面36aを介して、CCDカメラ37の受光面37aにおいて受光される。そして、モニター38には、第1のレンズ22を透過した光の回折パターンが映し出される。
上記CCDカメラ37の位置決めは、この回折パターンの中心がCCDカメラ37の受光面37aの中心と一致するようにして行われる。
なお、CCDカメラ37は、2群レンズ21からの光軸上における距離が長くなるように、例えば光軸上における距離が1mとされて配設されている。また、この位置において、回折パターンのピッチは、略1mmになる。
このようにCCDカメラ37が位置決めされた後、図5に示すように、先ず第1のレンズ22がレンズ載置部35の円形部52に嵌合されて基準面41上に載置され、レンズ載置部35に対して位置決めされる。
そして、第1のレンズ22には、レーザ光源32よりのレーザ光が、ビームエキスパンダ33、コリメータレンズ34及びアパーチャ部43を介して入射される。
上記第1のレンズ22に入射された光は、アパーチャ部43によって回折成分を含んだものとなって、ビームスプリッタ36の反射面36aを介してCCDカメラ37の受光面37aにおいて受光される。第1のレンズ22は、第1の位置調整用ステージ39によって行い、CCDカメラ37の受光面37aの中心に回折パターンの中心を一致させて、レンズ載置部35において位置決めされる。
よって、2群レンズの調整装置31は、レンズ載置部35に対する第1のレンズ22の位置決めを第1のレンズ22を透過した光の回折パターンに基づいて行っているために、たとえ第1のレンズ22の外形形状の精度がよくなくても、精度良く調整を行うことができる。
このように第1のレンズ22がレンズ載置部35に対して位置決めされた後、第1のレンズ22上にスペーサを介して第2のレンズ23が取り付けられ、上述のように、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯の調整が行われる。
例えば、第2のレンズ23が第1のレンズ22に対して偏芯している場合、2群レンズ21の回折パターンの中心は、CCDカメラ37の受光面37a中心からずれて受光されることになる。
そして、第2のレンズ23の偏芯の調整は、モニター38を見ながら、第2の位置調整用ステージ40によって行い、CCDカメラ37の受光面37aの中心に2群レンズ21を透過してきた光の回折パターンの中心を一致させる。
よって、2群レンズの調整装置31は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯の調整を第1のレンズ22及び第2のレンズ23を透過した光の回折パターンに基づいて行っているために、たとえ第1のレンズ22及び第2のレンズ23の外形形状の精度がよくなくても、精度良く偏芯の調整を行うことができる。したがって、第1のレンズ22及び第2のレンズ23を成形するために使用する金型の外形精度が出ていなくても、十分な光学特性をもった2群レンズ21を提供することができる。
上記2群レンズの調整装置31は、回折パターンの中心によって光軸中心を割り出しているために、従来の光量分布或いはビームパターンから光軸中心を割り出す手段よりも高い検出感度を得ることができる。
例えば、2群レンズの調整装置31は、上述したように、2群レンズ21とCCDカメラ37との光軸上における距離が略1m(L)になるように構成されている。そして、CCDカメラ37の受光面37aの位置検出分解能を0.5mm(d)程度、2群レンズ21の焦点距離を略2.5mm(f)としたとき、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯量の検出感度Δeは、(2)式で得られるように、1.25×10-3μmになる。
Δe=f×d/L ・・・(2)
=2.5<mm>×0.5<mm>/1000<mm>
=1.25×10-3μm
このように、2群レンズの調整装置31は、2群レンズ21から遠方でCCDカメラ37によって回折パターンの中心を検出することで、偏芯量の検出感度が良好になり、偏芯の調整精度を向上させている。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、光学ピックアップの備える2群レンズを調整する光学ピックアップ用対物レンズの調整方法を適用して構成した装置であって、第1のレンズと第2のレンズとの距離を調整する2群レンズの調整装置である。
詳しくは、2群レンズの調整装置は、図7に示すように、第1のレンズ22を介して第2のレンズ23の第1のレンズ22に対向する第3の面26に入射された光の反射光が再び第1のレンズ22を介して得られる光のビーム径を検出して第1のレンズと第2のレンズとの間隔を調整する。
上記2群レンズ21は、第1の実施の形態において図2を用いて説明したように、半導体レーザからのレーザ光が入射される第1の面24と第1の面24から入射されたレーザ光を第2のレンズ23に向けて出射する第2の面25とからなる第1のレンズ22と、第1のレンズ22を透過してきた半導体レーザよりのレーザ光が入射される第3の面26と光ディスク29に対向する面となる第4の面27とからなる第2のレンズ23とから構成されている。また、2群レンズ21は、スペーサを介して第1のレンズ22と第2のレンズ23とが対向されている。例えば、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離は、第1のレンズ22を透過した半導体レーザよりレーザ光が、第2のレンズ23の第3の面26に対して垂直に入射されるような最適距離に決定されている。
上記2群レンズの調整装置51は、図7及び図8に示すように、レーザ光を発射するレーザ光源52と、レーザ光源52から発射されたレーザ光の光束径を広げて出射するビームエキスパンダ53と、ビームエキスパンダ53によって広がりながら入射されるレーザ光を平行光にするコリメータレンズ54と、調整の対象となる2群レンズ21が載置されるとともに、コリメータレンズ54からの光が入射されるレンズ載置部55と、コリメータレンズ54とレンズ載置部55の間に配設されて、レンズ載置部55に載置された2群レンズ21の第3の面26において反射された光が入射されるビームスプリッタ56と、第3の面26で反射された反射光であって、ビームスプリッタ56の反射面56aで反射された光のスポット径を検出するCCDカメラ57と、CCDカメラ57で受光された映像を映すモニター58と、第1のレンズ22の光軸に対する垂直面内において第1のレンズ22の位置を調整する第1の位置調整用ステージ59と、第2のレンズ23の光軸方向に第2のレンズ23を移動調整する第2の位置調整用ステージ60と、第2の位置調整用ステージ60の送り量を検出する変位センサー61とから構成される。
上記2群レンズの調整装置51において、ビームエキスパンダ53、コリメータレンズ54及びビームスプリッタ56の光軸は、レーザ光源52が発射するレーザ光の光軸と一致している。さらに、後述するレンズ載置部55に設けられたアパーチャ64部は、中心が上記レーザ光の光軸と一致している。
上記レーザ光源52は、SHGのグリーンレーザであって、波長が532nmのレーザ光を発射する。このレーザ光源52は、レーザ光の光軸がレンズ載置部55のアパーチャ部64の中心と一致して、レンズ載置部55の基準面62に対し直角になるように位置決めされている。なお、レーザ光源52の位置決めは、例えばマイケルソン干渉計を用いて、十分な精度に追い込んで行っている。そして、レーザ光源52から発射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ53に入射される。
ビームエキスパンダ53は、光束径が広がりながら入射されたレーザ光をさらに広げてコリメータレンズ54に向けて出射する。
上記コリメータレンズ54は、広がりながら入射されたビームエキスパンダ53よりのレーザ光を、ビームスプリッタ56に向けて、平行光にして出射する。
上記ビームスプリッタ56は、コリメータレンズ54よりのレーザ光を透過する。なお、ビームスプリッタ56には、反射面56aが形成されており、ビームスプリッタ56は、後述するように、この反射面56aによって、第3の面26よりの反射光をCCDカメラ57に向けて反射する。したがって、ビームスプリッタ56は、コリメータレンズ54よりのレーザ光は透過する。ビームスプリッタ56を透過したレーザ光は、レンズ載置部55に載置された2群レンズ21に入射される。
上記レンズ載置部55は、2群レンズ21が載置される基準面62と、2群レンズ21が載置される部分に位置して、円形に形成された貫通孔である円形孔63とから構成されている。そして、レンズ載置部55の円形孔63には、アパーチャ部64が設けられている。
上記アパーチャ部64は、円形孔63よりやや小とされた径に形成されている。詳しくは、アパーチャ部64の内径は、2群レンズ21の第1の面24の球面部の外径よりやや小とされている。このアパーチャ部64は、上述したように、軸中心が上記レーザ光の光軸と一致している。
よって、レンズ載置部55は、基準面62に載置される2群レンズ21の第1の面24に入射されるレーザ光をアパーチャ部64において絞っている。
上記2群レンズ21の第1の面24に入射された光は、第1のレンズ22を透過して第2の面25より出射される。そして、第2の面25から出射された光は、第2のレンズ23の第3の面26に入射される。
第3の面26は、第2の面25よりの光の一部を第2の面25に向けて反射する。2群レンズの調整装置51は、この第3の面26で反射された反射光をもとに、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を調整する。
上記第2の面25に入射された第3の面26よりの反射光は、第1のレンズ22を透過して、第1の面24からビームスプリッタ56に向けて出射される。
ビームスプリッタ56は、反射面56aによって2群レンズ21の第1の面24より出射された反射光をCCDカメラ57に向けて反射する。
上記CCDカメラ57は、受光面57aにおいてビームスプリッタ56よりの反射光を受光する。なお、CCDカメラ57の受光面57aは、位置検出分解能が0.5mm程度の精度を有している。また、CCDカメラ37は、光軸方向及びこの光軸に対し直角な2軸方向に移動可能に支持されている。
上記CCDカメラ57の受光面57aにおいて受光された光は、モニター58に映し出される。第3の面26において反射された光は、第1のレンズ22及びビームスプリッタ56を介しても略平行光のままCCDカメラ57の受光面57aにおいて受光される。よって、モニター58には、上記反射光がスポットとして映し出される。
なお、CCDカメラ57は、図8に示すように、レンズ載置部55の基準面62に載置した、いわゆるオプティカルフラットとされる平板部65aを備える平板65にレーザ光源52よりレーザ光を照射して予め位置決めされている。
上記平板65は、断面がほぼ矩形とされ、載置された基準面62と同一面をなす平面日65aを設けている。そして、レーザ光源52よりのレーザ光は、この平板65の平面部65aに照射される。
すなわち、平板65の平面部65aには、ビームエキスパンダ、コリメータレンズ54、ビームスプリッタ56及びアパーチャ部64を介したレーザ光源52よりのレーザ光が照射される。
そして、平板65の平面部65aは、照射されたレーザ光を反射する。ここで、レーザ光の光軸は、平板65の平面部65aに対する入射と反射において一致している。
平板65の平面部65aよりの反射光は、ビームスプリッタ56の反射面56aで反射され、CCDカメラ57の受光面57aにおいて受光される。モニター58には、CCDカメラ57の受光面57aに入射された平板65の平面部65aよりの反射光のスポットが映し出される。CCDカメラ57の位置決めは、このスポット中心が受光面57aの中心と一致するように、モニター58を見ながらCCDカメラ57の位置を調整して行う。
そして、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を調整は、平板65の平面部65aよりの反射光によって形成されたスポットの径を基準面として行う。
なお、CCDカメラ57は、2群レンズ21の第3の面26からの光軸上における距離が長くなるように、例えば光軸上における距離を0.9mとした位置に配設されている。
上述のようにCCDカメラ57が位置決めされた2群レンズの調整装置51によって、レンズ載置部55に載置された2群レンズ21の第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離が調整される。
例えば、通常の2群レンズ21においては、第1のレンズ22と第2のレンズ23の間隔は、上述したように、第2の面25から出射されて光が、第3の面26に垂直に入射されるように設定されている。よって、第3の面26において反射された第2の面25よりの光も第3の面26に対して垂直に出射されることになる。
しかし、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離が、通常の設定と異なってしまうと、第2の面25から出射されて光が、第3の面26に対して垂直に入射されなくなる。すると、第3の面26において反射された第2の面25より光も第3の面26に対して垂直に出射されなくなる。
したがって、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離が上記通常の設定と異なっている場合の第3の面26よりの反射光は、平板65の平面部65aによって得たスポット径よりも小さい又は大きいスポット径をなしてCCDカメラ57の受光面57aにおいて受光される。
そして、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離の調整は、モニター58を見ながら、第2の位置調整用ステージ60によって行い、第3の面26よりの反射光のスポット径を平板65によって得た基準となるスポット径と同径になるようにする。
よって、2群レンズの調整装置51は、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離の調整を第2のレンズ23の第3の面26において反射された反射光に基づいて行うため、例え第1のレンズ22又は第2のレンズ23の外形形状の精度がよくなくても、精度良く距離の調整をすることができる。したがって、第1のレンズ22及び第2のレンズ23を成形するために使用する金型の外形精度がでていなくても、十分な光学特性をもった2群レンズ21を提供することができる。
例えば、図2に示すように、光ディスクのガラス基板29bが0.1mm、ガラス基板29bの表面と第4の面27との間隔、すなわち作動距離が0.1mmに適用して設計され、第3の面26の球面半径が1.25mm及びこの第3の面26と第4の面27との間隔、すなわち第2のレンズ23のレンズ厚さが1.4mmに設計された2群レンズ21に関して、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離が変化した場合のスポット径の変化は以下のようになる。
なお、光軸上において、CCDカメラ57は、第2のレンズ23の第3の面26から0.9m離されて配設されている。
例えば、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離が上記最適距離よりも0.543mm大きくなった場合、CCDカメラ57の受光部57aにおけるスポット径は、4.9mmになる。また、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離が上記最適距離よりも0.563mm大きくなった場合、CCDカメラ57の受光部57aにおけるスポット径は、8.5mmになる。
よって、CCDカメラ57の受光面57aの位置検出分解能が0.5mmであることから、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の距離の分解能Yは、(3)式で得られるように、2.8μmになる。
Y=(0.563<mm>-0.543<mm>)/((8.5<mm> -4.9<mm>)/0.5<mm>) ・・・(3)
=2.8μm
このように、2群レンズの調整装置51は、第2のレンズ23の第3の面26からの反射光を遠方で検出することで、上記距離の変位量を増幅させて検出感度を良好にし、上記距離の調整精度を向上させている。
また、2群レンズの調整装置51は、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を任意に設定することができる。例えば、第2の面25よりの光が第3の面26に対して任意の角度で入射させるような場合である。
この場合、先ず第2の面25よりの光が第3の面26に対して垂直入射する状態に調整する。そして、第1のレンズ22と第2のレンズ23の距離変化と第3の面26に入射される第2の面25よりの光の入射角度変化との関係を計算によって求めたうえで、第2のレンズ23を第2の位置調整用ステージ60によって適宜移動させる。これにより、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を任意に変化させることができる。
そして、検出精度が1μm以下の変位センサー61によって第2の位置調整用ステージ60の送り量を制御すれば、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を1μm以下の精度で変化することもできる。
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、光学ピックアップの備える2群レンズの第1のレンズに対する第2のレンズの傾き、偏芯及び距離を調整する2群レンズの調整装置である。
上記2群レンズは、第1の実施の形態において図2を用いて説明したように、半導体レーザからのレーザ光が入射される第1の面24と第1の面24から入射されたレーザ光を第2のレンズ23に向けて出射する第2の面25とからなる第1のレンズ22と、第1のレンズ22を透過した半導体レーザよりのレーザ光が入射される第3の面26と光ディスク29に対向する面となる第4の面27とからなる第2のレンズ23とから構成されている。
また、2群レンズ21は、スペーサによって第1のレンズ22と第2のレンズ23とが離間されている。
上記2群レンズの調整装置は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾き及び偏芯を検出するため、図9に示すように、2群レンズ21が載置されるレンズ載置部72と、レンズ載置部72に載置される2群レンズ21の第4の面27に向けてレーザ光を発射する第1のレーザ光源73と、第1のレーザ光源73とレンズ載置部72との間に配設されている第1のビームエキスパンダ74、集光レンズ75及び第1のビームスプリッタ76と、第1のビームスプリッタ76の反射面76aを介してレンズ載置部72に載置される2群レンズ21の第4の面よりの反射光を検出する第1のCCDカメラ77と、第1のビームスプリッタ76と第1のCCDカメラ77の間に配設され、第1のビームスプリッタ76の反射面76aで反射された光であって第1のレンズ22及び第2のレンズ23を透過する後述する第2のレーザ光源79よりのレーザ光の回折パターンを検出する第2のCCDカメラ78と、集光レンズ75と第1のビームスプリッタ76との間に移動可能に支持されて、レンズ載置部72に載置された2群レンズ21に対して第1のレーザ光源73よりのレーザ光を遮光するメカニカルシャッター90とを備えている。
なお、第1のビームエキスパンダ74,集光レンズ75及び第1のビームスプリッタ76は、光軸が第1のレーザ光源73の発射するレーザ光の光軸と一致している。
また、2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を検出するため、図9に示すように、レンズ載置部72に載置される2群レンズ21であって、第1のレンズ22を介して第3の面26にレーザ光を照射する第2のレーザ光源79と、第2のレーザ光源79とレンズ載置部72との間に配設されている第2のビームエキスパンダ80、コリメータレンズ81及び第2のビームスプリッタ82と、第3の面26で反射された第3の面26よりの反射光のスポット径を検出する第3のCCDカメラ83とを備えている。
さらに、2群レンズの調整装置71は、レンズ載置部72に載置された2群レンズ21の第1のレンズ22の位置を調整する第2の位置調整用ステージ84と、第2のレンズ23の位置を調整する第2の位置調整用ステージ85と、第2の位置調整用ステージ85の送り量を検出する変位センサー86とを備えている。
また、2群レンズの調整装置71は、第1のCCDカメラ77,第2のCCDカメラ78及び第3のCCDカメラ83で受光された映像を映し出す第1のモニター87、第2のモニター88及び第3のモニター89とを備えている。
なお、第2のビームエキスパンダ80,コリメータレンズ81及び第2のビームスプリッタ82は、光軸が第2のレーザ光源79の発射するレーザ光の光軸と一致している。
上記2群レンズの調整装置71において、第1のレーザ光源73と第2のレーザ光源79とは、発射するレーザ光について光軸が一致している。また、第1のレーザ光源73及び第2のレーザ光源79のレーザ光の光軸は、後述するレンズ載置部72に設けられたアパーチャ部93の軸中心と一致している。
そして、光軸上において、第1のCCDカメラ77は、レンズ載置部72に載置された2群レンズ21の第4の面27から略5m離された位置に配置され、また、第2のCCDカメラ77は、レンズ載置部72に載置された2群レンズ21から略1m離された位置に配設され、さらに、第3のCCDカメラ83は、レンズ載置部72に載置された2群レンズ21の第3の面25から略0.9m離された位置に配設されている。
上記2群レンズ21は、上述のように構成された2群レンズの調整装置71のレンズ載置部72において、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾き、偏芯及び距離を調整されながら組み立てられる。
詳しくは、2群レンズ21の第1のレンズ22が先ずレンズ載置部72の基準面91に載置され、位置決めされる。この位置決めされた第1のレンズ22上にスペーサを介して第2のレンズ23が配設される。なお、この時点では、第1のレンズ22及び第2のレンズ23は、スペーサに接着されていない。そして、第2のレンズ23は第1のレンズ22に対して傾きが調整される。傾きが調整された後、第2のレンズ23は第1のレンズ22に対して偏芯が調整される。偏芯が調整された後、第2のレンズ23は第1のレンズ22に対して距離が調整される。
以下に、2群レンズの調整装置71における第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾き、偏芯及び距離の調整についてさらに詳しく説明する。
2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きを調整するためのレーザ光を第1のレーザ光源73より発射させる。
上記第1のレーザ光源73は、He−Neレーザであって、波長が632nmのレーザ光を発射する。このレーザ光源73は、レーザ光の光軸がレンズ載置部72の開口部92の中心と一致し、基準面に対して直角になるように位置決めされている。なお、第1のレーザ光源73の位置決めは、例えばマイケルソン干渉計を用いて、十分な精度に追い込んで行っている。
上記第1のレーザ光源73から発射されたレーザ光は、第1のビームエキスパンダ74及び集光レンズ75に入射される。第1のビームエキスパンダ74及び集光レンズ75は、入射された第1のレーザ光源73よりのレーザ光を適宜調整して集束させて、第1のビームスプリッタ76に向けて出射する。
上記第1のビームスプリッタ76は、第1のビームエキスパンダ74及び集光レンズ75によって集束されたレーザ光を2群レンズ21が載置されるレンズ載置部72に向けて透過する。
上記レンズ載置部72は、2群レンズ21が載置される基準面91と、2群レンズ21が載置される部分に位置されて円形に形成された貫通孔である円形孔92とから構成されている。そして、レンズ載置部72の円形孔92には、アパーチャ部93が設けられている。
上記アパーチャ部93は、円形孔92よりやや小とされた径に形成されている。詳しくは、アパーチャ部93の内径は、2群レンズ21の第1の面24の球面部の外径よりやや小とされている。このアパーチャ部93は、上述したように、軸中心が第1のレーザ光源73から発せられるレーザ光の光軸と一致している。
上記レンズ載置部72は、第1の面24を円形孔92によって嵌合し、基準面91に載置された2群レンズ21を保持している。
上記基準面91に載置された2群レンズ21は、第4の面27に対して第1のビームスプリッタ76を透過されたレーザ光が入射される。第4の面27は、入射されたレーザ光の一部を第1のビームスプリッタ76に向けて反射する。
上記第1のビームスプリッタ76は、反斜面76aによって第4の面27よりの反射光を第1のCCDカメラ77に向けて反射する。反射光は、この第1のビームスプリッタ76の反射面76aにおいて反射された後に焦点が形成される。
上記反射光の焦点は、第1のCCDカメラ77の受光面77aによって受光される。
この第1のCCDカメラ77は、上述の第1の実施の形態において図3を用いて説明したように、レンズ載置部72に平板14を載置して行われている。すなわち、第1のCCDカメラ77は、第1のビームスプリッタ76の反射面76aを反射後に形成される平板14の平面部14aよりの反射光の焦点が受光面77a中心に位置するように位置決めされている。
したがって、2群レンズ21の第4の面27において反射された反射光は、上述のように位置決めされた第1のCCDカメラ77の受光面77aにおいて受光されたことになる。
そして、第2のレンズ23の傾きの調整は、モニター87を見ながら、第2の位置調整用ステージ85によって行い、CCDカメラ77の受光面77aの中心に第4の面27よりの反射光の焦点を一致させる。
よって、2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きの調整を第2のレンズ23の第4の面27からの反射光に基づいて行うため、たとえ第2のレンズ23の外形形状の精度がよくなくても、精度良く傾きの調整をすることができる。
また、2群レンズの調整装置71は、第4の面27よりの反射光の焦点によって、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾きを調整しているために、たとえCCDカメラ77の受光面77aの位置検出感度が小さくても精度良く傾きの調整をすることができる。
なお、2群レンズの調整装置71は、上述したように、第4の面27と反射光の焦点位置との距離を略5mになるように構成されている。これは、第4の面27と上記焦点の検出位置の距離を長くすることで、位置検出感度を向上させるためである。
例えば第1のCCDカメラ77の受光面77aの位置検出分解能が0.5mm程度、光軸上の第4の面27と第1のCCDカメラ77との間隔が略5mであることから、第2のレンズ23の傾きの検出分解能Xは、上記(1)式で得たように0.05mrdになる。
上記2群レンズの調整装置71は、このように第4の面27からの反射光の焦点を遠方に形成して、上記焦点の変位量を増幅させることで、位置検出感度を良好にし、傾きの調整精度を向上させている。
以上のように第2のレンズ23の傾きを調整した後、上記2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯を調整する。
上記第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯の調整は、第1の面24側から2群レンズ21に対して第2のレーザ光源79よりレーザ光を照射して行われる。
上記第2のレーザ光源79は、SHGのグリーンレーザであって、波長が532nmのレーザ光を発射する。この第2のレーザ光源79は、レーザ光の光軸がレンズ載置部72のアパーチャ部93の中心と一致し、レンズ載置部72の基準面91に対し直角になるように位置決めされている。なお、第2のレーザ光源79の位置決めは、例えばマイケルソン干渉計を用いて、十分な精度に追い込んで行っている。そして、第2のレーザ光源79から発射されたレーザ光は、第2のビームエキスパンダ80及びコリメータレンズ81に入射される。第2のレーザ光源79から発射されたレーザ光は、この第2のビームエキスパンダ80及びコリメータレンズ81において光束径が広げられた後平行光となって、第2のビームスプリッタ82に向かって出射される。
上記第2のビームスプリッタ82は、コリメータレンズ81よりのレーザ光をレンズ載置部72に向かって透過する。そして、第2のビームスプリッタ82よりのレーザ光は、レンズ載置部72に形成されたアパーチャ部93を介して2群レンズ21の第1のレンズ22に入射される。ここで、第1のレンズ22に入射された光は、アパーチャ部93によって回折成分を含むものとなる。
第1のレンズ22に入射した光は、第2のレンズ23を介して第1のビームスプリッタ76に向けて出射される。
なお、2群レンズ21を透過した光は、第4の面27から出射直後に焦点を形成するために、光束径が広がった光となる。
上記第1のビームスプリッタ76には、上述したように、反射面76aが形成されており、第1のビームスプリッタ76は、反射面76aによって、2群レンズ21よりの光を第2のCCDカメラ78に向けて出射する。
上記第2のCCDカメラ78は、受光面78aにおいてビームスプリッタ76の反射面76aで反射された光を受光する。
なお、第2のCCDカメラ78は、検出時には、第1のビームスプリッタ76と第1のCCDカメラ77との間に位置されているが、非検出時には、第1のCCDカメラ77の検出の妨げにならないように退避される。
この第2のCCDカメラ78は、上述の第2の実施の形態において図6を用いて説明したように、レンズ載置部72に設けられたアパーチャ部93を透過されるレーザ光の回折パターンをもとに位置決めされている。なお、第1のレンズ22も、上記図5を用いて説明したように、回折パターンをもとにレンズ載置部93に対して位置決めされている。
よって、2群レンズ21を透過してきた光は、上述のように位置決めされている第2のCCDカメラ78の受光面78aにおいて受光される。
そして、第2のレンズ23の偏芯の調整は、第2のモニター88を見ながら、第2の位置調整用ステージ85によって行い、第2のCCDカメラ78の受光面78aの中心に2群レンズ21を透過してきた光の回折パターンの中心を一致させる。
よって、2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯の調整を第1のレンズ22及び第2のレンズ23を透過した光の回折パターンに基づいて行っているために、たとえ第1のレンズ22及び第2のレンズ23の外形形状の精度がよくなくても、精度良く偏芯の調整を行うことができる。
上記2群レンズの調整装置71は、回折パターンの中心によって光軸中心を割り出しているために、従来の光量分布或いはビームパターンから光軸中心を割り出す手段よりも高い検出感度を得ることができる。
例えば、第2のCCDカメラ78の受光面78aの位置検出分解能が0.5mm程度、2群レンズ21の焦点距離が略2.5mm、光軸上の2群レンズ21と第2のCCDカメラ78との距離が1m程度であるから、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の偏芯量の検出感度Δeは、上記(2)式で得たように1.25×10-3μmになる。
このように、2群レンズの調整装置71は、2群レンズ21から遠方で第2のCCDカメラ78によって回折パターンの中心を検出することで、偏芯量の検出感度が良好になり、偏芯の調整精度を向上させている。
以上のように第2のレンズ23の傾き及び偏芯を調整した後、上記2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を調整する。
第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離は、第2のレーザ光源79よりレーザ光を照射して行われる。第2のレーザ光源79から発射されたレーザ光は、第2のビームエキスパンダ80、コリメータレンズ81及び第2のビームスプリッタ82を介して2群レンズ21の第1の面24に入射される。
第1の面24に入射されたレーザ光は、第1のレンズ22内を透過して、第2の面25から出射される。第2の面25から出射された光は、第3の面26に入射される。
なお、通常の2群レンズ21は、第2の面25よりの光が第3の面26に対して垂直に入射されるように、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間隔が設定される。
上記第3の面26は、第2の面25よりの光の一部を反射する。第3の面26において反射された反射光は、第2の面25に入射され再び第1のレンズ22内を透過して、第1の面24より第2のビームスプリッタ82に向けて出社される。
上記第2のビームスプリッタ82には、反射面82aが形成されており、第2のビームスプリッタ82は、反射面82aによって、第1の面24より出射された反射光を第3のCCDカメラ83に向けて出射する。
上記第3のCCDカメラ83は、受光面83aにおいて第2のビームスプリッタ82の反斜面82aで反射された反射光を受光する。
この第3のCCDカメラ83は、上述の第3の実施の形態において図8を用いて説明したように、レンズ載置部72に平板65を載置して位置決めされている。
すなわち、第3のCCDカメラ83は、レンズ載置面72に載置された平板65の平面部65aによって反射された光のスポット中心が受光面83a中心と一致するようにして位置決めされている。
よって、ビームスプリッタ82の反射面82aで反射された第3の面26よりの反射光は、上述のように位置決めされた第3のCCDカメラ83の受光面83aに受光されたことになる。
そして、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離の調整は、第3のモニター89を見ながら、第2の位置調整用ステージ85によって行い、第3の面26よりの反射光のスポット径を平板65によって得た基準となるスポット径と同径になるようにする。
よって、2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離の調整を第2のレンズ23の第3の面26において反射された反射光に基づいて行うため、例え第1のレンズ22又は第2のレンズ23の外形形状の精度がよくなくても、精度良く距離の調整をすることができる。
また、第3のCCDカメラ83の受光面83aの位置検出分解能が0.5mmであることから、第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の距離の分解能Yは、上記(3)式で得たように2.8μmになる。
このように、2群レンズの調整装置71は、第2のレンズ23の第3の面26からの反射光を遠方で検出することで、上記距離の変位量を増幅させて検出感度を良好にし、上記距離の調整精度を向上させている。
以上のように第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾き、偏芯及び距離が調整された2群レンズ21は、第1のレンズ22及び第2のレンズ23がスペーサに接着されて固定される。
以上のように、2群レンズの調整装置71は、2群レンズ21にレーザ光を照射してその透過光或いは反射光をもとに第1のレンズ22に対する第2のレンズ23の傾き、偏芯及び距離を調整しているために、第1のレンズ22又は第2のレンズ23の外形形状の精度が良くなくても、精密に上記傾き、偏芯及び距離を調整することができる。
したがって、第1のレンズ22及び第2のレンズ23を成形するために使用する金型の外形精度が出ていなくても、十分な光学特性をもった2群レンズ21を提供することができる。
さらに、2群レンズの調整装置71は、上記傾き、上記偏芯及び上記距離の調整を各光学部品を共有しているので、コストが安くなる。例えば、レーザ光源を第2のレーザ光源79のみを備えて構成することもできる。この場合、第2のレーザ光源79よりのレーザ光を、光学レンズを用いて適宜に分岐、反射させるなどして、2群レンズ21の第4の面27に対して照射すればよい。
また、2群レンズの調整装置71は、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を任意に設定することもできる。例えば、第2の面25よりの光が第3の面26に対して任意の角度で入射させるような場合である。
この場合、先ず第2の面25よりの光が第3の面26に対して垂直入射する状態に調整する。そして、第1のレンズ22と第2のレンズ23の距離変化と第3の面26に入射される第2の面25よりの光の入射角度変化との関係を計算によって求めたうえで、第2のレンズ23を第2の位置調整用ステージ85によって適宜移動させる。これにより、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を任意に変化させることができる。
そして、検出精度が1μm以下の変位センサー86によって、第2の位置調整用ステージ85の送り量を制御すれば、第1のレンズ22と第2のレンズ23との間の距離を1μm以下の精度で変化することもできる。
上述したような本発明の実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ用対物レンズの調整方法は、第1のレンズと、光学記録媒体に対向する対向面を有する第2のレンズとからなる2群レンズの第1のレンズに対する第2のレンズの傾きを調整する光学ピックアップ用対物レンズの調整方法において、レーザ光を上記第2のレンズの上記対向面に照射し、光軸方向に対するその反射光の垂直面上の位置を上記対向面から遠方で検出することにより上記第1のレンズに対する上記第2のレンズの傾きを調整することによって、第1のレンズ及び第2のレンズの外形形状の精度が良くなくても、第1のレンズに対する第2のレンズの傾きを高精度で調整することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ用対物レンズの調整方法は、第1のレンズ及び第2のレンズを透過する光の回折パターンを検出することにより上記第1のレンズに対する上記第2のレンズの偏芯を調整することにより、第1のレンズ及び第2のレンズの外形形状の精度が良くなくても、第1のレンズに対する第2のレンズの偏芯を高精度で調整することができる。
さらに、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ用対物レンズの調整方法は、第1のレンズを介して第2のレンズの第1のレンズに対向する面に入射された光の反射が再び第1のレンズを介して得られる光のビーム径を検出することにより第1のレンズと第2のレンズとの間の距離を調整することによって、第1のレンズ及び第2のレンズの外形形状の精度が良くなくても、第1のレンズと第2のレンズとの間の距離を高精度で調整することができる。
そして、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ用対物レンズの調整装置は、第1のレンズと、光学記録媒体に対向する対向面を有する第2のレンズとからなる2群レンズの第1のレンズに対する第2のレンズの傾きを調整する光学ピックアップ用対物レンズの調整装置において、光源と、上記2群レンズが載置される基準面と、上記基準面に載置される上記第2のレンズの上記対向面から遠方に位置されて、上記光源から照射されて上記対向面で反射された反射光を検出する検出手段と、 上記検出手段の検出結果に基づいて上記第1のレンズに対する上記第2のレンズの傾きを調整する傾き調整手段とを備え、光軸に対する上記検出手段によって検出された反射光の垂直方向の位置をもとに、上記第1のレンズに対する上記第2のレンズの傾きを調整することを特徴としており、基準面に載置される2群レンズの第2のレンズの対向面から遠方に位置されて、光源から照射されて対向面で反射された反射光を検出する検出手段を備えることによって、光軸に対する対向面よりの反射光の垂直面上の位置を対向面から遠方で検出するために、第1のレンズ及び第2のレンズの外形形状の精度が良くなくても、第1のレンズに対する第2のレンズの傾きを高精度で調整することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ用対物レンズの調整装置は、第1のレンズと、光学記録媒体に対向する対向面を有する第2のレンズとからなる2群レンズの第1のレンズに対する第2のレンズの傾き、偏芯及び距離を調整する光学ピックアップ用対物レンズの調整装置において、光源と、上記2群レンズが載置される基準面と、上記基準面に載置される上記2群レンズの上記対向面から遠方に位置されて、上記光源から照射されて上記対向面で反射された反射光を検出する第1の検出手段と、上記第1のレンズ及び上記第2のレンズを透過する光の各回折パターンを検出する第2の検出手段と、上記第1のレンズを介して上記第2のレンズの上記第1のレンズに対向する面に入射された光の反射が再び上記第1のレンズを介して得られる光のビーム径を検出する第3の検出手段と、上記第1の検出手段乃至第3の検出手段によって検出された結果に基づいて上記第1のレンズに対する上記第2のレンズの傾き、偏芯及び距離を調整する調整手段とを備えることを特徴としている。従って、基準面に載置される2群レンズの第2のレンズの対向面から遠方に位置されて光源から照射されて対向面で反射された反射光を検出する第1の検出手段と、第1のレンズ及び第2のレンズを透過する光の回折パターンを検出する第2の検出手段と、第1のレンズを介して第2のレンズの第1のレンズに対向する面に入射された光の反射が再び第1のレンズを介して得られる光のビーム径を検出する第3の検出手段とを備えることによって、2群レンズにレーザ光を照射してその透過光或いは反射光をもとに第1のレンズに対する第2のレンズの傾き、偏芯及び距離を調整しているために、第1のレンズ及び第2のレンズの外形形状の精度が良くなくても、高精度でその傾き、偏芯及び距離を調整することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 2群レンズの調整装置、2 レーザ光源、3 レンズ載置部、7 CCDカメラ、12 基準面、21 2群レンズ、22 第1のレンズ、23 第2のレンズ、24 第1の面、25 第2の面、26 第3の面、27 第4の面、29 光ディスク、31 2群レンズの調整装置、32 レーザ光源、35 レンズ載置部、37 CCDカメラ、41 基準面、51 2群レンズの調整装置、52 レーザ光源、55 レンズ載置部、57 CCDカメラ、59 第1の位置調整用ステージ、60 第2の位置調整用ステージ、62 基準面、71 2群レンズの調整装置、72 レンズ載置部、73 第1のレーザ光源、77 第1のCCDカメラ、78 第2のCCDカメラ、79 第2のレーザ光源、83 第3のCCDカメラ、84 第1の位置調整用ステージ、85 第2の位置調整用ステージ、91 基準面