JP4036156B2 - 逆光画像の判定 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する判定方法、判定手段を備える画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
逆光条件下で人物等の近景被写体を撮影した場合、一般的に、背景の輝度が高く、被写体である人物の輝度が低い画像となってしまう。かかる場合には、ストロボを強制発光させることにより、被写体輝度を上げることで撮影者が撮影しようとした人物の表情等を明瞭に撮像することができる。一方で、全ての撮影者が、逆光条件下の撮影においてストロボを強制発光させるとは限らない。
【0003】
被写体撮影が、ディジタルスチルカメラ(DSC)にて行われた場合、生成された画像データに対して比較的容易に画像処理を施すことが可能であり、画像データに対する画像処理技術は種々提案、実用化されている。これら画像処理技術では、ユーザにより選択されたコントラスト補正、明度補正、彩度補正といった既定の補正条件、または画像データの解析結果に基づいて画像データに対するコントラスト補正、明度補正、彩度補正といった画像処理(いわゆる自動画質調整)が実行される。例えば、特許文献1および特許文献2参照。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−79885号公報
【特許文献2】
特開平11−120325号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像処理技術では、画像データ特性の解析によっては、撮影画像が逆光条件下における人物画像であるか否かを適切に判断することができず、ユーザが適宜、画像データの撮影条件を判断しなければならなかった。すなわち、いわゆる、パーソナルコンピュータを介した自動的な画像処理によっては、画像データが逆光人物画像の画像データであるか否かを上手く判定することができず、逆光人物画像の画像データに対して自動的な画質処理を適切に施すことができなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像データを解析することによって、撮影画像が逆光条件下における人物画像を始めとする近景被写体画像であるか否かを適切に判定することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する画像処理装置を提供する。本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、前記画像データを取得する取得手段と、前記取得された画像データを構成する複数の画素を、前記撮影画像の中央領域に対応する内周領域画素および中央領域以外の領域に対応する外周領域画素とに分割してそれぞれ解析する解析手段と、前記解析結果を用いて前記内周領域画素についての輝度分布特性である内周輝度分布特性を求める内周輝度分布特性取得手段と、前記解析結果を用いて前記外周領域画素についての輝度分布特性である外周輝度分布特性を求める外周輝度分布特性取得手段と、前記求められた内周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域と前記撮影画像の中央領域との類似度を示す内周類似度を求める内周類似度算出手段と、前記求められた外周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域以外の領域と前記撮影画像の中央領域以外の領域との類似度を示す外周類似度を求める外周類似度算出手段と、前記求められた内周類似度および外周類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置によれば、逆光画像の中央領域と撮影画像の中央領域との類似度を示す内周類似度を求め、逆光画像の中央領域以外の領域と撮影画像の中央領域以外の領域との類似度を示す外周類似度を求め、求められた内周類似度および外周類似度を用いて撮影画像が逆光画像であるか否かを判定するので、画像データを解析することによって、撮影画像が逆光条件下における人物画像を始めとする近景被写体画像であるか否かを適切に判定することができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記内周類似度は、前記内周類似度算出手段によって、前記求められた内周輝度分布特性と前記内周領域画素についての逆光判定モデルである内周逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められ、前記外周類似度は、前記外周類似度算出手段によって、前記求められた外周輝度分布特性と前記外周領域画素についての逆光判定モデルである外周逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められても良い。かかる場合には、画像全体の印象に近い逆光画像の判定を実行することができると共に、逆光画像の判定時間の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記判定手段は、前記内周類似度と前記外周類似度との積が所定値以下の場合には、前記撮影画像は逆光画像であると判定しても良い。かかる場合には、内周類似度および外周類似度を用いた個別の逆光画像判定に加えて、画像全体の類非判定に基づく逆光画像判定を行うことができるので、逆光画像の判定をより適切に行うことができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する画像処理装置を提供する。本発明の第2の態様に係る画像処理装置は、前記画像データを取得する取得手段と、前記取得された画像データを構成する複数の画素を、前記撮影画像の被写体領域に対応する被写体領域画素および被写体領域以外の背景領域に対応する背景領域画素とに分割してそれぞれ解析する解析手段と、前記解析結果を用いて前記被写体領域画素についての輝度分布特性である被写体輝度分布特性を求める被写体輝度分布特性取得手段と、前記解析結果を用いて前記背景領域画素についての輝度分布特性である背景輝度分布特性を求める背景輝度分布特性取得手段と、前記求められた被写体輝度分布特性を用いて逆光画像の被写体領域と前記撮影画像の被写体領域との類似度を示す被写体類似度を求める被写体類似度算出手段と、前記求められた背景輝度分布特性を用いて逆光画像の背景領域と前記撮影画像の背景領域との類似度を示す背景類似度を求める背景類似度算出手段と、前記求められた被写体類似度および背景類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様に係る画像処理装置によれば、逆光画像の被写体領域と撮影画像の被写体領域との類似度を示す内周類似度を求め、逆光画像の背景領域と撮影画像の背景領域との類似度を示す外周類似度を求め、求められた内周類似度および外周類似度を用いて撮影画像が逆光画像であるか否かを判定するので、画像データを解析することによって、撮影画像が逆光条件下における人物画像を始めとする近景被写体画像であるか否かを適切に判定することができる。
【0013】
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記被写体類似度は、前記被写体類似度算出手段によって、前記求められた被写体輝度分布特性と前記被写体領域画素についての逆光判定モデルである被写体逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められ、前記背景類似度は、前記背景類似度算出手段によって、前記求められた背景輝度分布特性と前記背景領域画素についての逆光判定モデルである背景逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められても良い。かかる場合には、画像全体の印象に近い逆光画像の判定を実行することができると共に、逆光画像の判定時間の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の第2の態様に係る画像処理装置において、前記判定手段は、前記被写体類似度と前記背景類似度との積が所定値以下の場合には、前記撮影画像は逆光画像であると判定しても良い。かかる場合には、内周類似度および外周類似度を用いた個別の逆光画像判定に加えて、画像全体の類非判定に基づく逆光画像判定を行うことができるので、逆光画像の判定をより適切に行うことができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する画像処理装置を提供する。本発明の第3の態様に係る画像処理装置は、前記画像データを取得する画像データ取得手段と、前記取得された画像データを構成する複数の画素を、前記撮影画像の中央領域に対応する内周領域画素および中央領域以外の領域に対応する外周領域画素とに分割する画素領域分割手段と、前記分割された内周領域画素を解析し、画質特性を示す内周画質特性を求める内周画質特性取得手段と、前記分割された外周領域画素を解析し、画質特性を示す外周画質特性を求める外周画質特性取得手段と、前記求められた内周画質特性を用いて逆光画像の中央領域の特徴と前記撮影画像の中央領域の特徴との類似度を示す内周類似度を求める内周類似度算出手段と、前記求められた外周画質特性を用いて逆光画像の中央領域以外の領域の特徴と前記撮影画像の中央領域以外の領域の特徴との類似度を示す外周類似度を求める外周類似度算出手段と、前記求められた内周類似度および外周類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の態様に係る画像処理装置によれば、逆光画像の中央領域の特徴と撮影画像の中央領域の特徴との類似度を示す内周類似度を求め、逆光画像の中央領域以外の領域の特徴と撮影画像の中央領域以外の領域の特徴との類似度を示す外周類似度を求め、求められた内周類似度および外周類似度を用いて撮影画像が逆光画像であるか否かを判定するので、画像データを解析することによって、撮影画像が逆光条件下における人物画像を始めとする近景被写体画像であるか否かを適切に判定することができる。
【0017】
本発明の第1ないし第3の態様のいずれかに係る画像処理装置はさらに、前記撮影画像が逆光画像であると判定された場合には、逆光画像に適した明度補正を実行する明度補正手段を備えても良い。かかる場合には、逆光画像を順光画像と同等の画像に補正することができる。
【0018】
本発明の第4の態様は、撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する方法を提供する。本発明の第4の態様に係る方法は、前記画像データを取得し、前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の中央領域に対応する内周領域画素を解析し、内周輝度分布特性を求め、前記求めた内周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域と前記撮影画像の中央領域との類似度を示す内周類似度を求め、前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の中央領域以外の領域に対応する外周領域画素を解析し、外周輝度分布特性を求め、前記求めた外周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域以外の領域と前記撮影画像の中央領域以外の領域との類似度を示す外周類似度を求め、前記求めた内周類似度および外周類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定することを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の態様に係る方法によれば、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第4の態様に係る方法は本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【0020】
本発明の第5の態様は、撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する方法を提供する。本発明の第5の態様に係る方法は、前記画像データを取得し、前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の被写体領域に対応する被写体領域画素について解析し、被写体領域輝度分布特性を求め、前記求めた被写体領域輝度分布特性を用いて逆光画像の被写体領域と前記撮影画像の被写体領域との類似度を示す被写体類似度を求め、前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の被写体領域以外の領域である背景領域に対応する背景領域画素について解析し、背景領域輝度分布特性を求め、前記求めた背景領域輝度分布特性を用いて逆光画像の背景領域と前記撮影画像の背景領域との類似度を示す背景類似度を求め、前記求めた被写体類似度および背景類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定することを特徴とする。
【0021】
本発明の第5の態様に係る方法によれば、本発明の第2の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第5の態様に係る方法は本発明の第2の態様に係る画像処理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【0022】
本発明の第6の態様は、撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する方法を提供する。本発明の第6の態様に係る方法は、前記画像データを取得する画像データ取得手段と、前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の中央領域に対応する内周領域画素を解析し、画質特性を示す内周画質特性を求め、前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の中央領域以外の領域に対応する外周領域画素を解析し、画質特性を示す外周画質特性を求め、前記求めた内周画質特性を用いて逆光画像の中央領域の特徴と前記撮影画像の中央領域の特徴との類似度を示す内周類似度を求め、前記求めた外周画質特性を用いて逆光画像の中央領域以外の領域の特徴と前記撮影画像の中央領域以外の領域の特徴との類似度を示す外周類似度を求め、前記求めた内周類似度および外周類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定することを特徴とする。
【0023】
本発明の第6の態様に係る方法によれば、本発明の第3の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第6の態様に係る方法は本発明の第3の態様に係る画像処理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【0024】
本発明の第4ないし第6の態様のいずれかに係る方法はさらに、前記撮影画像が逆光画像であると判定した場合には、逆光画像に適した明度補正を実行しても良い。
【0025】
本発明の第4ないし第6の態様に係る判定方法は、この他にも、判定プログラムおよび判定プログラムが記録された記録媒体としても実現され得る。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像処理装置および逆光画像判定方法について図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
【0027】
A.画像処理システムの構成:
本実施例に係る画像処理装置を適用可能な画像処理システムの構成について図1を参照して説明する。図1は本実施例に係る画像処理装置としてのパーソナルコンピュータを含む画像処理システムの一例を示す説明図である。
【0028】
画像処理システムは、画像データを生成する入力装置としてのディジタルスチルカメラ10、ディジタルスチルカメラ10にて生成された画像データが逆光画像の画像データであるか否かを判定すると共に、画像処理を実行し、印刷用画像データを出力する画像処理装置としてのパーソナルコンピュータ20、印刷用画像データを用いて画像を出力する出力装置としてのカラープリンタ30を備えている。なお、カラープリンタ30は、パーソナルコンピュータPCが備える画像処理機能を備えていても良く、かかる場合には、スタンドアローンにて画像処理、画像出力を実行することができる。また、出力装置としては、プリンタ30の他に、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ等のモニタ25、プロジェクタ等が用いられ得る。以下の説明では、パーソナルコンピュータ20と接続されて用いられるカラープリンタ30を出力装置として用いるものとする。
【0029】
パーソナルコンピュータ20は、一般的に用いられているタイプのコンピュータであり、逆光画像判定処理を含む画像処理プログラムを実行するCPU200、CPU200における演算結果、画像データ等を一時的に格納するRAM201、画像処理プログラムを格納するハードディスクドライブ(HDD)202を備えている。パーソナルコンピュータ20は、メモリカードMCを装着するためのカードスロット203、ディジタルスチルカメラ10等からの接続ケーブルを接続するための入出力端子204を備えている。
【0030】
ディジタルスチルカメラ10は、光の情報をディジタルデバイス(CCDや光電子倍増管)に結像させることにより画像を取得するカメラであり、光情報を電気情報に変換するためのCCD等を備える光電変換回路、光電変換回路を制御して画像を取得するための画像取得回路、取得したディジタル画像を加工処理するための画像処理回路等を備えている。ディジタルスチルカメラ10は、取得した画像をディジタルデータとして記憶装置としてのメモリカードMCに保存する。ディジタルスチルカメラ10における画像データの保存形式としては、非可逆圧縮保存方式としてJPEGデータ形式、可逆圧縮保存方式としてTIFFデータ形式が一般的であるが、この他にもRAWデータ形式、GIFデータ形式、BMPデータ形式等の保存形式が用いられ得る。
【0031】
ディジタルスチルカメラ10において生成された画像データは、例えば、ケーブルCV、コンピュータ20を介して、あるいは、ケーブルCVを介してカラープリンタ30に送出される。あるいは、ディジタルスチルカメラ10にて画像データが格納されたメモリカードMCが、メモリカード・スロットに装着されたコンピュータ20を介して、あるいは、メモリカードMCをプリンタ30に対して直接、接続することによって画像ファイルがカラープリンタ30に送出される。なお、以下の説明では、画像データに対する画像処理がパーソナルコンピュータ20にて実行され、処理済みの画像データがカラープリンタ30に対して出力される場合について説明する。
【0032】
カラープリンタ30は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを印刷媒体上に噴射してドットパターンを形成することによって画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。あるいは、カラートナーを印刷媒体上に転写・定着させて画像を形成する電子写真方式のプリンタである。色インクには、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロ(暗いイエロ、DY)を用いても良い。
【0033】
B.パーソナルコンピュータ20における画像処理:
図2〜図7を参照してパーソナルコンピュータ20において実行される画像処理について説明する。図2は本実施例に従う、パーソナルコンピュータにて実行される画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図3は画像データを画素単位にて分析する際の外周領域画素と内周領域画素との区分の一例を示す説明図である。図4は本実施例に係る逆光画像判定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図5はメモリ上に展開された逆光画像の画像データを概念的に示す説明図である。図6は図5に示す画像データを画素単位にて分析した結果得られる画素データの全画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。図7は図6に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた分布割合を示す説明図である。図8は図5に示す画像データを画素単位にて分析した結果得られる画素データの内周領域画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。図9は図8に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた分布割合を示す説明図である。図10は図5に示す画像データを画素単位にて分析した結果得られる画素データの外周領域画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。図11は図10に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた分布割合を示す説明図である。
【0034】
パーソナルコンピュータ20(CPU200)は、スロット203にメモリカードMCが差し込まれると、あるいは、ディジタルスチルカメラ10に接続されている接続ケーブルCVが入出力端子204に接続されると本画像処理のプログラムを起動する。CPU200は、ユーザの指示に従ってメモリカードMCから画像データを取得し(読み出し)、取得した画像データをRAM201に一時的に格納する(ステップS100)。
【0035】
CPU200は、続いて、画像データGDを画素単位にて解析する(ステップS110)。本実施例では、画像データGD(画素データ)は、図3に示すように、撮影画像の中央領域に相当する内周領域画素IPと撮影画像の中央領域以外の領域に相当する外周領域画素OPとに分割される。内周領域および外周領域は、各領域内において更に細分化される。一般的に、逆光画像が問題となるのは、背景よりもカメラ側に位置する人物等の被写体を撮影した場合であり、かかる場合、通常、被写体は画像の中央領域に配置される。そこで、本実施例では、被写体画像に対応する画素領域を内周領域画素IPとし、背景画像に対応する画素領域を外周領域画素OPとして、逆光画像の判定処理を行う。
【0036】
画像データGDを画素(データ)単位にて解析する際には、CPU200は、内周領域画素IPおよび外周領域画素OPについて別々に解析を実行し、画像データGDの画質特性として、例えば、輝度分布特性を内周領域画素IPおよび外周領域画素OPについてそれぞれ求める。ここで、一般的に、ディジタルスチルカメラ10から出力される画像データは輝度成分および色差成分とによって表されるYCbCrデータであるから、画像データから直接、輝度成分を得ることができる。なお、画像データGDを解析する際には、画像データを構成する全画素を対象に解析を実行してもよく、あるいは、画像データを構成する所定の画素を対象に解析を実行してもよい。
【0037】
画像データGDが図5に示すように逆光条件下における撮影画像(人物画像)に対応する画像データであるとき、画像データGDの全画素についての輝度分布特性は、例えば、図6に示す分布特性を示し、画像データGDの内周領域画素IPについての輝度分布特性は、例えば、図8に示す分布特性を示し、画像データGDの外周領域画素OPについての輝度分布特性は、例えば、図10に示す分布特性を示す。ここで、図6、図8および図10において、横軸は各画素の輝度値(本実施例では0〜255)を示し、縦軸は各輝度値に対する画素数を示している。なお、図5は前述の通り、メモリ上に展開された画像データGDを概念的に示している。
【0038】
CPU200は、画像データGDの内周および外周領域についての解析をそれぞれ終えると、画像データGDに対応する撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する逆光画像判定処理を実行する(ステップS120)。逆光画像判定処理について図4を参照して説明する。
【0039】
CPU200は、画像データの解析によって得た内周領域画素IPの輝度分布特性である内周輝度分布特性Yi(図8)を取得する(ステップS200)。CPU200は、取得した内周輝度分布特性Yiを5つの輝度領域a1、a2、a3、a4およびa5に分割し、各輝度領域に属する画素数を画像データGDの全画素数で除して各輝度領域における内周領域輝度分布割合を求める(ステップS210)。本実施例では、図8の内周輝度分布特性Yiに対応する内周領域輝度分布割合は、図9に示すように、(a1:a2:a3:a4:a5)=(4.5:3.5:0:0:0)である。ここで、図9において横軸は輝度領域を示し、縦軸は各輝度領域における分布割合を示す。
【0040】
CPU200は、求めた内周領域輝度分布割合と、予めHDD202に格納されている逆光画像の画像データの内周領域画素IPが示す基準輝度分布特性に基づく内周領域基準輝度分布割合とを比較して、内周類似度Siを算出する(ステップS220)。
【0041】
ここで、撮影画像が逆光画像である場合の輝度分布特性Yr、分布割合、内周領域画素の輝度分布割合、外周領域画素の輝度分布割合について図12〜図15を参照して説明する。図12は逆光画像の判定に用いられる基準逆光画像の画素データの全画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。図13は図12に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた基準輝度分布割合を示す説明図である。図14は基準逆光画像の画像データの内周領域画素についての内周領域基準輝度分布割合を示す説明図である。図15は基準逆光画像の画像データの外周領域画素についての外周領域基準輝度分布割合を示す説明図である。
【0042】
逆光画像データは、図5に示すように明るい背景領域BAと暗い被写体(人物)領域DAとに大別されるため、典型的(理想的)な逆光画像(画像データ)の輝度値分布は、図12に示すように輝度の低い部分(暗い部分)と高い部分(明るい部分)とで2つのピークを有するという特徴を示す。また、逆光画像においては、高輝度部分の輝度が高いので、高輝度側のヒストグラムは1つの輝度領域内に収まるスパイク状のピークを示す。また、基準輝度分布割合は、例えば、図13に示すように、(a1:a2:a3:a4:a5)=(4:5:0:0:1)となり、内周領域基準輝度分布割合は、図14に示すように、(a1:a2:a3:a4:a5)=(4:5:0:0:0)となり、外周領域基準輝度分布割合は、図15に示すように、(a1:a2:a3:a4:a5)=(0:0:0:0:1)となる。
【0043】
内周類似度Siの算出について以下に詳述する。内周類似度Siの算出にあたっては、各分布割合の値を成分とした5次元ベクトルを用い、以下の式(1)により求められる5次元ベクトルのコサイン(cos)成分を求める。
【0044】
【数1】
Figure 0004036156
【0045】
ここで、ベクトルg0は、内周領域基準輝度分布割合を成分としたベクトルであって、各成分値は(4,5,0,0,0)である。一方、ベクトルgnは、処理対象の画像データの内周領域画素IPの分布割合である内周領域輝度分布割合を成分としたベクトルであり、各成分値は、例えば、(4.5,3.5,0,0,0)である。式(1)の右辺は、2つのベクトルg0、gnの内積を2つのベクトルg0、gnの大きさの積で除したものであり、2つのベクトルg0、gnのcos成分と等しくなる。
【0046】
2つのベクトルg0、gnのcos成分は、両ベクトルが一致する場合に最大値である1を取り、両ベクトル間の角度が大きくなるにつれて1より小さな値を取る。したがって、式(1)によって得られた値が1に近いか否かによって両ベクトルが類似しているか否か、すなわち両ベクトルの類似度を判定することができる。
【0047】
内周類似度Siの算出を終えると、CPU200は、画像データの解析によって得た外周領域画素OPの輝度分布特性である外周輝度分布特性Yo(図10)を取得する(ステップS230)。CPU200は、取得した外周輝度分布特性Yoを5つの輝度領域a1、a2、a3、a4およびa5に分割し、各輝度領域に属する画素数を画像データGDの全画素数で除して各輝度領域における外周領域輝度分布割合を求める(ステップS240)。本実施例では、図10の外周輝度分布特性Yoに対応する外周領域輝度分布割合は、図11に示すように、(a1:a2:a3:a4:a5)=(0:0:0:0:2)である。ここで、図11において横軸は輝度領域を示し、縦軸は各輝度領域における分布割合を示す。
【0048】
CPU200は、求めた外周領域輝度分布割合と、予めHDD202に格納されている逆光画像の画像データの外周領域画素が示す基準輝度分布特性に基づく外周領域基準輝度分布割合とを比較して、外周類似度Soを算出する(ステップS250)。
【0049】
外周類似度Soの算出手法は既述の内周類似度Siの算出手法と同様であり、外周類似度Soは式(2)を用いて算出される。
【0050】
【数2】
Figure 0004036156
【0051】
外周類似度Soを算出する場合、式(1)において、外周領域基準輝度分布割合を成分としたベクトルg0の各成分値は(0,0,0,0,1)となり、処理対象の画像データの外周領域画素OPの分布割合である外周領域輝度分布割合を成分としたベクトルgnの各成分値は、例えば、(0,0,0,0,2)となる。
【0052】
CPU200は、求めた内周類似度Siと外周類似度Soとを掛け合わせて(式(3))、総合類似度Stを算出する(ステップS260)。
St=Si*So 式(3)
【0053】
CPU200は算出した総合類似度Stが判定類似度Strefよりも大きいか否か比較し(ステップS270)、総合類似度Stが判定類似度Strefよりも大きいと判定した場合には(ステップS270:Yes)、処理対象の画像データに対応する撮影画像は逆光画像であると判定し(ステップS280)、本処理ルーチンを終了し、図2に示す処理ルーチンにリターンする。
【0054】
CPU200は算出した総合類似度Stが判定類似度Stref以下であると判定した場合には(ステップS270:No)、処理対象の画像データに対応する撮影画像は順光(非逆光)画像であると判定し(ステップS290)、本処理ルーチンを終了し、図2に示す画像処理ルーチンにリターンする。
【0055】
図2に戻り説明を続けると、CPU200は、画像データの伸長、色変換処理を実行する(ステップS130)。具体的には、CPU200は、画像データGDを伸張し、伸張した画像データGDに対してマトリクスSを用いたマトリクス演算を実行してYCbCr→RGB色変換処理を実行する。
【0056】
本実施例において用いられる画像データは、JPEG画像データを格納しており、JPEGデータはYCbCrデータを圧縮したデータである。また、現在のパーソナルコンピュータPC、プリンタにおける画像処理では一般的にRGBデータが用いられている。したがって、JPEGデータの伸張(デコード)、YCbCrデータのRGBデータへの色変換処理が必要となる。マトリクスSは、JFIF規格において、YCbCrデータをRGBデータへと変換する際に一般的に用いられるマトリクスであり、当業者にとって周知のマトリクスであるから詳細な説明は省略する。
【0057】
CPU200は、画像データGDが逆光画像の画像データであると判定した場合には、逆光画像に適した画像処理を実行し、一方、画像データGDが非逆光画像の画像データであると判定した場合には、通常の画像処理を実行する(ステップS140)。逆光画像の画像データに対して適切な補正には、例えば、入出力値のトーンカーブを用いて画像データの低輝度成分の明度(輝度)を増加させる補正が含まれる。かかる処理によって、逆光画像においても順光画像と同様に被写体領域を明るく表すことができる。
【0058】
CPU200は、画像処理が施された画像データをプリンタドライバへ出力して(ステップS150)、本処理ルーチンを終了する。プリンタドライバでは、画像データ(RGBデータ)をCMYKデータに変換する色変換処理を実行する。すなわち、画像データの表色系をカラープリンタ20が印刷処理を実行する際に用いる表色系であるCMYK表色系に変換する。具体的には、HDD202(ROM)に格納されているRGB表色系とCMYK表色系とを対応付けたルックアップデーブルを用いて実行される。また、ハーフトーン処理、解像度変換処理が実行され、印刷用のラスタデータとしてカラープリンタ30に出力される。
【0059】
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置および逆光画像判定方法によれば、画像データの構成画素単位にて最大輝度値、平均輝度値を求めることなく、基準となる逆光画像が示す基準輝度分布特性(基準輝度分布割合)と処理対象画像が示す輝度分布特性(輝度分布割合)との類似度に基づいて逆光画像であるか否かを判定するので、より安定した画像全体の印象に近い逆光画像の判定ができると共に、逆光画像の判定処理速度を向上させることができる。
【0060】
さらに、逆光画像データの輝度分布特性に対する画像データの輝度分布特性の類似度を用いて逆光画像判定を実行するに当たり、画像データを構成する画素を内周領域画素IPと外周領域画素OPとに分割し、内周領域画素IPおよび外周領域画素OPについてそれぞれ別個に内周類似度Siおよび外周類似度Soを算出し、両類似度Si、Soの積を用いて撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する。すなわち、内周領域画素IPについて逆光画像における被写体領域の画素データに相当するか否か、また、外周領域画素OPについて逆光画像における背景領域の画素データに対応するか否かをそれぞれ判定することができる。
【0061】
したがって、画像データを構成する全画素の輝度分布特性が、逆光画像と同様の輝度分布特性を取り得る夜景+人物の画像を逆光画像であると誤判定することはない。よって、画像データの輝度分布特性を用いた類非判定処理における誤判定を防止し、処理対象である画像データ(撮影画像)が逆光画像の画像データであるか否かを、画像データの解析結果を用いて適切かつより高い精度にて判定することができる。
【0062】
なお、本実施例おける被写体とは、近景の主要被写体であれば良く、例えば、人間、犬または猫等のペット、自動車等の被写体を意味する。通常、これら被写体を逆光下で撮影する場合には、被写体の輝度が背景輝度よりも低くなり、被写体のディテールを明瞭に表すことができないという問題を有するからである。
【0063】
・その他の実施例:
上記実施例では、輝度領域を5分割して5次元ベクトルを用いて類非判定をしているが、3分割、10分割等による3次元ベクトル、10次元ベクトルといった他の多次元ベクトルを用いて類非判定を行っても良い。逆光画像の要求精度と処理速度とに基づいて適切な分割数を決定すればよい。
【0064】
上記実施例では、画像データの画質特性を示すパラメータとして画像データの輝度分布特性を用いて逆光画像であるか否かの判定を行っているが、この他にも、画像の明度に関連するコントラスト、ハイライト、シャドーといった画像データの画質特性を示すパラメータを用いて逆光画像の判定を行っても良い。
【0065】
上記実施例では、画像処理装置として、パーソナルコンピュータ20を用いて画像処理を実行しているが、このほかにも、例えば、画像処理機能を備えるスタンドアローン型のプリンタを画像処理装置として用いてもよく、係る場合にはプリンタにおいて上記画像処理が実行される。また、画像処理装置等のハードウェア構成を伴うことなく、プリンタドライバ、画像処理アプリケーション(プログラム)としても実現され得る。
【0066】
パーソナルコンピュータ20によって実行される画像処理には、明度調整の他にもコントラスト、色彩等の調整が行われ得ることは言うまでもない。かかる場合には、例えば、CPU200は、画像データを画素単位にて解析して画像データの特性を示す各種の特性パラメータ値、例えば、輝度最小値、輝度最大値、明度代表値といった画像統計値を取得する。CPU200は、HDD202に格納されている各特性パラメータに対して予め定められた基準値と、解析により得られた画像統計値との差を解消または低減させるように各パラメータについての補正量を求め、画像データのRGB値を補正する。画像データの補正は、例えば、求めた補正量を入力値に対する出力値の関係を規定するトーンカーブに適用して修正し、かかるトーンカーブを用いて画像データの各画素のR、G、B値を変更することにより実行される。
【0067】
上記実施例では、ディジタルスチルカメラ10から得たYCbCrデータをそのまま用いて輝度分布特性を求めているが、先ず、YCbCr−RGB変換を行い、その後、RGB値から輝度値Yを求めることによって輝度分布特性を求めても良い。
【0068】
上記実施例において、被写体領域は、画像の中央領域に相当し、背景領域は画像の中央領域以外の領域に相当することが多い一方で、被写体領域は画像の中央領域に存在することが要求されるものではない。すなわち、被写体領域には、中央領域および近景被写体が存在する領域の双方が含まれている。
【0069】
以上、実施例に基づき本発明に係る画像処理装置、逆光画像判定方法および判定プログラムを説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る画像処理装置としてのパーソナルコンピュータを含む画像処理システムの一例を示す説明図である。
【図2】本実施例に従う、パーソナルコンピュータにて実行される画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】画像データを画素単位にて分析する際の外周領域画素と内周領域画素との区分の一例を示す説明図である。
【図4】本実施例に係る逆光画像判定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】メモリ上に展開された逆光画像の画像データを概念的に示す説明図である。
【図6】図5に示す画像データを画素単位にて分析した結果得られる画素データの全画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。
【図7】図6に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた分布割合を示す説明図である。
【図8】図5に示す画像データを画素単位にて分析した結果得られる画素データの内周領域画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。
【図9】図8に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた分布割合を示す説明図である。
【図10】図5に示す画像データを画素単位にて分析した結果得られる画素データの外周領域画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。
【図11】図10に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた分布割合を示す説明図である。
【図12】逆光画像の判定に用いられる基準逆光画像の画素データの全画素についての輝度分布特性(ヒストグラム)を示す説明図である。
【図13】図12に示すヒストグラムを均等に5分割して得られた基準輝度分布割合を示す説明図である。
【図14】基準逆光画像の画像データの内周領域画素についての内周領域基準輝度分布割合を示す説明図である。
【図15】基準逆光画像の画像データの外周領域画素についての外周領域基準輝度分布割合を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ディジタルスチルカメラ(DSC)
20…パーソナルコンピュータ
200…中央演算装置(CPU)
201…リードオンリメモリ(ROM)
202…ハードディスク(HDD)
203…ランダムアクセスメモリ(RAM)
204…カードスロット
205…入出力端子
25…表示装置
30…プリンタ
MC…メモリカード

Claims (14)

  1. 撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する画像処理装置であって、
    前記画像データを取得する取得手段と、
    前記取得された画像データを構成する複数の画素を、前記撮影画像の中央領域に対応する内周領域画素および中央領域以外の領域に対応する外周領域画素とに分割してそれぞれ解析する解析手段と、
    前記解析結果を用いて前記内周領域画素についての輝度分布特性である内周輝度分布特性を求める内周輝度分布特性取得手段と、
    前記解析結果を用いて前記外周領域画素についての輝度分布特性である外周輝度分布特性を求める外周輝度分布特性取得手段と、
    前記求められた内周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域と前記撮影画像の中央領域との類似度を示す内周類似度を求める内周類似度算出手段と、
    前記求められた外周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域以外の領域と前記撮影画像の中央領域以外の領域との類似度を示す外周類似度を求める外周類似度算出手段と、
    前記求められた内周類似度および外周類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する判定手段とを備える画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記内周類似度は、前記内周類似度算出手段によって、前記求められた内周輝度分布特性と前記内周領域画素についての逆光判定モデルである内周逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められ、
    前記外周類似度は、前記外周類似度算出手段によって、前記求められた外周輝度分布特性と前記外周領域画素についての逆光判定モデルである外周逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められる画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記判定手段は、前記内周類似度と前記外周類似度との積が所定値以下の場合には、前記撮影画像は逆光画像であると判定する画像処理装置。
  4. 撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する画像処理装置であって、
    前記画像データを取得する取得手段と、
    前記取得された画像データを構成する複数の画素を、前記撮影画像の被写体領域に対応する被写体領域画素および被写体領域以外の背景領域に対応する背景領域画素とに分割してそれぞれ解析する解析手段と、
    前記解析結果を用いて前記被写体領域画素についての輝度分布特性である被写体輝度分布特性を求める被写体輝度分布特性取得手段と、
    前記解析結果を用いて前記背景領域画素についての輝度分布特性である背景輝度分布特性を求める背景輝度分布特性取得手段と、
    前記求められた被写体輝度分布特性を用いて逆光画像の被写体領域と前記撮影画像の被写体領域との類似度を示す被写体類似度を求める被写体類似度算出手段と、
    前記求められた背景輝度分布特性を用いて逆光画像の背景領域と前記撮影画像の背景領域との類似度を示す背景類似度を求める背景類似度算出手段と、
    前記求められた被写体類似度および背景類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する判定手段とを備える画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置において、
    前記被写体類似度は、前記被写体類似度算出手段によって、前記求められた被写体輝度分布特性と前記被写体領域画素についての逆光判定モデルである被写体逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められ、
    前記背景類似度は、前記背景類似度算出手段によって、前記求められた背景輝度分布特性と前記背景領域画素についての逆光判定モデルである背景逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められる画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置において、
    前記判定手段は、前記被写体類似度と前記背景類似度との積が所定値以下の場合には、前記撮影画像は逆光画像であると判定する画像処理装置。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の画像処理装置はさらに、
    前記撮影画像が逆光画像であると判定された場合には、逆光画像に適した明度補正を実行する明度補正手段を備える画像処理装置。
  8. 撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する方法であって、
    前記画像データを取得し、
    前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の中央領域に対応する内周領域画素を解析し、内周輝度分布特性を求め、
    前記求めた内周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域と前記撮影画像の中央領域との類似度を示す内周類似度を求め、
    前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の中央領域以外の領域に対応する外周領域画素を解析し、外周輝度分布特性を求め、
    前記求めた外周輝度分布特性を用いて逆光画像の中央領域以外の領域と前記撮影画像の中央領域以外の領域との類似度を示す外周類似度を求め、
    前記求めた内周類似度および外周類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、
    前記内周類似度は、前記求めた内周輝度分布特性と前記内周領域画素についての逆光判定モデルである内周逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められ、
    前記外周類似度は、前記求めた外周輝度分布特性と前記外周領域画素についての逆光判定モデルである外周逆光判定輝度分布特性とを対比することによって求められる方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、
    前記逆光画像であるか否かの判定において、前記内周類似度と前記外周類似度との積が所定値以下の場合には、前記撮影画像は逆光画像であると判定する方法。
  11. 撮影画像が逆光画像であるか否かを複数の画素から構成される画像データに基づいて判定する方法であって、
    前記画像データを取得し、
    前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の被写体領域に対応する被写体領域画素について解析し、被写体領域輝度分布特性を求め、
    前記求めた被写体領域輝度分布特性を用いて逆光画像の被写体領域と前記撮影画像の被写体領域との類似度を示す被写体類似度を求め、
    前記取得した画像データを構成する前記複数の画素のうち、前記撮影画像の被写体領域以外の領域である背景領域に対応する背景領域画素について解析し、背景領域輝度分布特性を求め、
    前記求めた背景領域輝度分布特性を用いて逆光画像の背景領域と前記撮影画像の背景領域との類似度を示す背景類似度を求め、
    前記求めた被写体類似度および背景類似度を用いて前記撮影画像が逆光画像であるか否かを判定する方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、
    前記求めた被写体領域輝度分布特性と前記被写体領域画素についての逆光判定モデルである被写逆光判定輝度分布特性とを対比することによって前記被写体類似度を求め、
    前記求めた背景領域輝度分布特性と前記背景領域画素についての逆光判定モデルである背景逆光判定輝度分布特性とを対比することによって前記背景類似度を求める方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、
    前記逆光画像であるか否かの判定において、前記被写体類似度と前記背景類似度との積が所定値以下の場合には、前記撮影画像は逆光画像であると判定する方法。
  14. 請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の方法はさらに、
    前記撮影画像が逆光画像であると判定した場合には、逆光画像に適した明度補正を実行する方法。
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