JP4035749B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力制御用のスイッチング素子を含む回路群への突入電流を防止する過電流保護回路を備えた放電灯点灯装置に関し、特に制御回路内に含まれる過電流保護回路を独立させた構成とすることにより、回路規模を増大することなく低コストで構成することのできる放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放電灯用電子安定器である放電灯点灯装置においては、放電灯の安定した点灯制御を行うため、入力電流高調波を低減する種々様々な回路方式の放電灯点灯装置が開発されている。放電灯に与える入力電流(ランプ電流ともいう)に含まれる高調波成分を低減することにより、該高調波成分の影響により生じる虞れのある機器の誤動作を防止することができ、正常な点灯制御を行うことができるという利点がある。
【0003】
このよう放電灯点灯装置には、一般にアクティブフィルタ方式と呼ばれるものがあり、昇圧チョッパ型,昇降圧チョッパ型等の独立型チョッパ方式や、昇圧チョッパの素子を兼用された兼用型チョッパ方式のものがある。従来より一般的に使用されている昇圧チョッパのスイッチング素子を用いたハーフブリッジと呼ばれる放電灯点灯装置の一例を図2に示す。
【0004】
図2はこのような放電灯点灯装置の一例を示す回路図である。
【0005】
図2において、交流電源11の一方の出力端子は、整流回路12例えばダイオードブリッジによる全波整流器の一方の入力端子に接続され、他方の出力端子は、整流回路13の他方の入力端子に接続される。整流回路12は交流電源11から供給された交流を全波整流することにより、直流に変えて後段のチョッパ回路13,インバータ回路14及び負荷回路部15へと供給する。
【0006】
整流回路12の出力端子間には、チョッパ回路13が接続されており、チョッパ回路13は、例えば昇圧チョッパ回路方式のものが用いられ、トランスL1,ダイオードD1,平滑コンデンサC1,スイッチング素子Q1及び制御回路16等で構成されている。
【0007】
つまり、チョッパ回路13は、整流回路12からの直流電源電圧を入力電源とし、スイッチング素子Q1(例えばトランジスタ)によるスイッチング動作により、平滑コンデンサC1を充放電させることにより、インバータ回路14を駆動するための平滑電源電圧を得る。
【0008】
回路構成としては、主スイッチ素子となるスイッチング素子Q1のエミッタ、コレクタ路は、エミッタ側に接続されるトランスL1を介して、上記整流回路12の出力端子間に直列接続されている。ベースには、制御回路16が接続されており、図示しない制御回路内のドライバー回路によって、オン/オフするためのドライブ信号が供給されることにより、スイッチングが制御されるようになっている。
【0009】
また、該スイッチング素子Q1のエミッタはダイオードD1,平滑コンデンサC1を介して該スイッチング素子Q1のコレクタに接続されている。該平滑コンデンサC1の両端には、インバータ回路14が接続され、該インバータ回路14には、チョッパ回路13により得られた平滑電源電圧が供給されるようになっている。
【0010】
インバータ回路14は、例えばハーフブリッジと呼ばれるもので、2つのダイオードD1,D2,2つのスイッチング素子Q2,Q3,バラストトランスBT及びコンデンサC2を含む回路で構成されている。インバータ回路14は、平滑電源電圧を入力し、2つのスイッチング素子によるスイッチング動作により、負荷回路部15に与える高周波電力を発生させて、放電灯15a,コンデンサC3で構成される負荷回路部15に高周波電力を与える。
【0011】
このような放電灯点灯装置では、制御回路16からのドライブ信号がスイッチング素子Q1のゲートに供給されることにより、該スイッチング素子Q1はこのドライブ信号に基づきスイッチングすることで、平滑コンデンサC2が充電され、その後放電する。この平滑電源電圧は、インバータ回路14に供給され、図示しないドライバー回路によって2つのスイッチング素子Q2,Q3が交互にスイッチング動作制御されることにより、負荷回路部20に与えられる電流が入力電圧と相違の上下対称の包絡線の高周波電流となり、放電灯20aを点灯させるようにしている。
【0012】
ところで、このような放電灯点灯装置においては、放電灯起動時、あるいは点灯中に外来サージが生じた場合に、突入電流が発生することがある。突入電流が発生すると、例えば主スイッチング素子の電流が瞬時に規格範囲を越えてしまい、該主スイッチング素子が破壊されてしまう虞れもある。つまりこれは、図2に示すように、主スイッチング素子Q1が平滑電源を生成するための平滑コンデンサC1より前段に配置されるからであり、このような回路構成では、突入電流に伴う影響が顕著である。そこで、従来回路では、このような突入電流による過電流から主スイッチング素子等の回路を保護するために、過電流保護回路が設けられている。
【0013】
図2に示す回路では、制御回路部15内に過電流保護回路が内蔵されており、制御回路15は、放電灯点灯時や点灯動作を制御するためのスイッチング素子Q1のオン/オフ制御(オン幅制御を含む)を行う他、放電灯過渡期における回路保護制御、さらには、突入電流が発生した場合には、前記過電流保護回路を制御することにより、スイッチング素子Q1に流れる過電流を抑制している。
【0014】
過電流保護制御の一例としては、例えば、過電流発生時、図2に示すトランスL1や過飽和CT等の自励回路を備えた回路である場合の過飽和CTの飽和するタイミングが早くなるという特徴を利用し、この場合、制御回路15は主スイッチング素子Q1の早く遮断したり、あるいは過電流保護回路に過電流検出手段を設け、この検出結果に基づき主スイッチング素子Q1を遮断するように制御する。また、制御回路15は、主スイッチング素子のオン幅を変更制御することにより、該スイッチング素子に与える電流を極力制限するようにして、過電流保護を行っていた。
【0015】
ところが、このような従来の放電灯点灯装置では、制御回路15内に過電流保護回路や過電流検出回路等の保護対策のための回路群を内蔵しているため、通常の発熱や放電灯起動制御などの各種制御を行うことは勿論のこと、飽和するタイミングにばらつきや温度特性に応じた過電流保護制御や、通常の点灯制御から過電流発生時に応じた保護制御への円滑な変更制御、あるいは過電流検出感度に起因する誤動作を防止する制御を行うためには、前記制御回路15自体が複雑になってしまい、設計を容易に行うことが出来ないことは勿論のこと、回路規模が増大するとともに、コストが高価となってしまうという不都合があった。
【0016】
昨今、過電流保護回路を備えた放電灯点灯装置では、いかに簡単な構成で且つ低コストで複合回路のスイッチング素子に対する過電流保護を行うことが望まれているが、この問題を解決するに至っていないのが現状である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、従来における放電灯点灯装置では、主スイッチング素子の駆動を制御する制御回路内に、突入電流発生時の過電流から該主スイッチング素子を保護するための過電流保護回路を内蔵した構成となっているので、通常の点灯制御を含む動作制御の他に、最適な過電流保護制御を行うためには、この制御回路が複雑になってしまい、特に低コスト化が望まれる複合回路では、簡単な構成で且つ低コストで構成することができないという問題点があった。
【0018】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、点灯起動などの各種制御を行う制御回路と過電流保護回路とを分割した構成とすることにより、簡単な回路構成で主スイッチング素子の過電流保護を行うことができるとともに、低コスト化を図ることができる放電灯点灯装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明による放電灯点灯装置は、交流電源と;前記交流電源からの交流電圧を直流電源電圧に変換して出力する整流回路と;前記整流回路からの直流電源電圧を高周波スイッチングする第1及び第2のスイッチング素子を有し、前記整流回路の出力端子間に直列に接続された前記第1のスイッチング素子は、高周波スイッチングする電界効果トランジスタで構成されるとともに、放電灯起動時、平滑電源を得るために平滑回路を充電させるのに必要な電流経路であって、かつ突入電流発生時の過電流が流れる電流経路に接続されたスイッチング素子と;前記スイッチング素子によるスイッチング動作により得られた高周波電力を蓄えるインダクタと;平滑コンデンサを含み、前記インダクタからの高周波電力を平滑化することによって放電灯を点灯させるのに必要な出力電力を得る平滑回路と;前記スイッチング素子と前記平滑回路との導通経路に配置され、前記スイッチング素子からの高周波電力が一次巻線に導かれるとともに、二次巻線から前記放電灯にランプ電流を供給するトランスと;前記スイッチング素子のゲートに駆動信号を供給することで該スイッチング素子のオン/オフを駆動させる駆動回路を備え、該駆動回路を制御することにより、前記スイッチング素子をスイッチング動作させ電源投入時前記駆動信号により所定期間オンし、流れる電流により前記平滑コンデンサを充電させて前記出力電力を制御する制御回路と;前記制御回路とは分離して設けられたもので、前記第1のスイッチング素子と前記トランスの一次巻線との導通経路に配置され、前記平滑回路に接続される前記第1のスイッチング素子の電流を検出し、この検出結果に応じて該第1のスイッチング素子に供給する駆動信号電圧及び電流を低減させる過電流保護回路と;を具備した放電灯点灯装置において、前記過電流保護回路は、前記電界効果トランジスタのゲートと制御回路との間にコレクタが接続された過電流保護用トランジスタと、前記電界効果トランジスタのドレインと該過電流保護用トランジスタのベースに接続される抵抗回路で構成され該過電流保護用トランジスタのベース・エミッタ間の電圧が所定電圧値よりも高くなると前記電解効果トランジスタのゲート電流を引き抜いてゲート電流を引き下げ、電解効果トランジスタのオン時間設定に影響しないように構成したことを特徴とする放電灯点灯装置。
したものである。
【0020】
請求項1の発明においては、前記過電流保護回路が、前記スイッチング素子をスイッチング動作させて前記出力電力を制御する制御回路とは分離して設けられたものであって、前記スイッチング素子と前記トランスの一次巻線との導通経路に配置され、前記平滑回路に接続される第1のスイッチング素子の電流を検出し、この検出結果に応じて該第1のスイッチング素子に供給する駆動信号電圧及び電流を低減させる。つまり、突入電流発生時に、該過電流保護回路によって、この突入電流発生時が検出され、検出された場合には、該突入電流発生によって極めて高くなる第1のスイッチング素子に供給する駆動信号電圧及び電流を低減させる。これにより、簡単な構成で、過電流の影響による第1のスイッチング素子の破壊を防止することができる。また、過電流保護回路が各種の制御を行う制御回路とは分離した構成となっているので、制御回路を複雑にする事もなく、結果として低コスト化に大きく寄与し、過電流保護機能を備えた高性能な放電灯点灯装置が構成可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施形態例について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明に係る放電灯点灯装置の一実施例を示し、過電流保護回路を備えた装置の一例を示す回路構成図である。尚、図1に示す装置は、図2に示す装置と同様の構成要素には同一符号を付している。
【0028】
本実施の形態の放電灯点灯装置では、点灯起動などの各種の制御を行う制御回路と過電流保護を行う過電流保護回路とを分離した構成とすることにより、制御回路を簡素化して上記目的を達成するようにしている。
【0029】
全体構成としては、図1に示すように本実施の形態の放電灯点灯装置には、交流電源11を備え、交流電源11の一方の出力端子は、整流回路12例えばダイオードブリッジによる全波整流器の一方の入力端子に接続される。交流電源11の他方の出力端子は、整流回路12の他方の入力端子に接続される。なお、交流電源11の出力端子間に交流電源11からの交流電源電圧に含まれる高周波成分を取り除くフィルタ手段を配置し、該フィルタ手段の出力を整流回路12へと与えるように構成しても良い。整流回路12は交流電源11から供給された交流を全波整流することにより、直流に変えて後段の回路群へと供給する。
【0030】
整流回路12の出力端子間には、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2が直列接続されており、また平滑コンデンサC1、コンデンサC2が直列接続されている。第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2と平滑コンデンサC1,コンデンサC2との間には、ダイオードD2,D3が配置され、これらのダイオードD2,D3についても整流回路12の出力端子間に直列接続されている。
【0031】
これらの第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2は、例えばMOSFETであり、スイッチング素子Q1のソース・ドレイン路と、スイッチング素子Q2のソース・ドレイン路とは、過電流保護回路部30の抵抗R2を介して直列に接続されている。
【0032】
主スイッチとなるスイッチング素子Q1のドレインは、過電流保護回路部30の抵抗R3及び抵抗R4に接続され、該スイッチング素子Q1のゲートには、制御回路20に接続される抵抗R1の基端部及び過電流保護回路部30の過電流保護用トランジスタQ3のコレクタが接続される。主スイッチとは、放電灯起動時、平滑電源を得るために、平滑コンデンサC1を充電させるのに必要な電流経路を形するためのスイッチであり、この場合第1のスイッチング素子Q1がそれに該当することになる。
【0033】
前記過電流保護回路部30の抵抗R4の他端部は、第2のスイッチング素子Q2のソースに接続され、第2のスイッチング素子Q2のドレインは、制御回路20、平滑コンデンサ及び整流回路12の負極側に接続されていいる。該第2のスイッチング素子Q2のゲートには、制御回路20に接続される抵抗R5の基端部が接続されるようになっている。
【0034】
また、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2との接続点には、昇圧トランスL0の一次側巻線が接続されており、該昇圧トランスL0の一次巻線の他端は、コンデンサC2と平滑コンデンサとの接続点に接続される。この昇圧トランスLOの二次側巻線には、放電灯15aを含む負荷回路部15が接続されており、この放電灯15aは該昇圧トランスLOによる発振に基づいて生成される高周波電力によって高周波点灯されるようになっている。
【0035】
本実施の形態では、前述したように点灯起動などの各種の制御を行う制御回路20と過電流保護を行う過電流保護回路30とを分離した構成となっている。
【0036】
制御回路20は、少なくとも予熱点灯や点灯起動、あるいは点灯維持や放電灯過渡期における保護制御などの各種制御を実施可能に構成されたもので、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに与えるドライブ信号を生成するドライバー回路を備えて構成されている。例えば、制御回路20は、各種制御を実施するの必要な対応する回路群(図示せず)の制御を行う他、内蔵した各ドライバー回路によるドライブ信号を制御することにより、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2におけるスイッチング動作を交互に駆動させることができ、また、これらのスイッチング素子のオン幅を可変させるように制御することで、最適なスイッチング動作が得られ、放電灯15aに与える高周波電流を最適なもにする。したがって、このような本実施の形態の制御回路20には、過電流保護するための回路群は備えていない。
【0037】
一方、従来技術とは異なり制御回路20と分離して設けられた過電流保護回路部30は、特に突入電流発生時の過電流に影響のある第1のスイッチング素子Q1を保護するために配置された構成となっている。具体的な構成としては、過電流保護回路部30は、3つの抵抗R3,R4,R5と、コンデンサC3と、過電流保護用トランジスタQ3とで構成されている。過電流保護用トランジスタQ3のベース、エミッタ間には、抵抗R3,抵抗R4の直列抵抗回路と、抵抗R4と、コンデンサC3とが並列接続される。また、該過電流保護用トランジスタQ3のコレクタは、第1のスイッチング素子Q1のゲート及び制御回路20に接続される抵抗R1に接続される。なお、抵抗R4の他端部は、第2のスイッチング素子Q2とソースに接続されるようになっている。
【0038】
このような構成の過電流保護回路部30は、放電灯起動時、あるいは外来サージにより突入電流が発生すると、その回路特性により、この突入電流に起因して増大する主スイッチング素子Q1のゲート電流(ドライブ信号電圧)を低減させて、該主スイッチング素子Q1の破壊を防止する。
【0039】
具体的には、放電灯起動時、制御回路20による制御によって第1のスイッチング素子Q1がオンすることにより、入力直流電源電圧となる整流回路12の正極側から第1のスイッチング素子Q1,過電流保護回路30の抵抗R4,昇圧トランスL0,平滑コンデンサC2,整流回路12の負極側に電流が流れ、平滑コンデンサの充電が行われる。このとき、なんらかの影響により突入電流が重畳された場合には、このスイッチング素子Q1のゲート電流が高くなる。しかし、過電流保護回路部30において、過電流保護用トランジスタQ3のエミッタ、コレクタ間の電圧VBETが抵抗R2〜R4の時定数によって決定される所定のVBE電圧よりも高くなった際には、該過電流保護用トランジスタQ3オンすることになるので、スイッチング素子Q1のゲート電流を引き抜くことができ、即ち、ゲート電流(ドライブ信号電圧)を小さくすることが可能となる。
【0040】
通常用いられる過電流保護用トランジスタQ3のVBEは、0.6V、過電流保護用トランジスタQ3が動作する電流は、
IDQ1 =0.6(V)/R2(抵抗R2が抵抗R3,R4に対して十分小さいとき) …(式1)
によるQ1の過電流値で示すことができ、したがって、どのくらい過電流レベルで過電流保護用トランジスタQ3をオンさせて過電流保護動作を実施させ、誤動作しないように設定するには、上記抵抗R2の抵抗値によりIDQ1 が決まるように設定すれば良い。また、過電流保護用トランジスタQ3を他の規格のものに変更する場合に、過電流保護は、0.6/R2以上で決定することになるので、この条件を満足するように、変更に応じて上記抵抗R2の抵抗値を設定すれば良い。
【0041】
次に、図1に示す放電灯点灯装置の過電流保護動作を詳細に説明する。
【0042】
通常ランプ起動動作時では、制御回路20によるドライバー回路(図示せず)の駆動制御によって、ドライバー回路を介して供給されるゲート電圧(ドライブ信号)に基づいて、第1,第2のスイッチング素子が交互にオン/オフする。電源投入時、スイッチング素子Q1はこのドライブ信号に基づく所定期間オンし、この流れる直流により、平滑コンデンサC2が充電される。
【0043】
このとき、負荷回路部への電流は、整流回路12正極側→スイッチング素子Q1のソース・ドレイン間→抵抗R2→昇圧トランスL0→平滑コンデンサC1→整流回路負極側を介する経路で流れる。
【0044】
その後、平滑コンデンサC1のコンデンサ電圧が電源電圧よりも大きくなると、平滑コンデンサC1の放電が始まり、制御回路20はこれを検出してスイッチング素子Q1をオフさせると同時に、スイッチング素子Q2をオンさせる。
【0045】
すると、放電電流は、平滑コンデンサC1→昇圧トランスL0→スイッチング素子Q2のソース・ドレイン間→平滑コンデンサC1を介する経路で流れることになる。
【0046】
こうして、昇圧トランスL0に交互に流れる電流によって昇圧トランスL0が発振することによって、該昇圧トランスL0の二次巻線側には、入力電圧と相違の上下対象包絡線の高周波電流が生成され、この高周波電流によって放電灯15aを高周波点灯させる。
【0047】
いま、電源投入時(放電灯起動時)に、何らかの影響により、突入電流が流れ込んだものとする。すると、このとき、スイッチング素子Q1のゲート電流が高くなり、このままの状態だと、該スイッチング素子Q1の許容範囲を越える過電流が流れることから、該スイッチング素子Q1が破壊され、あるいは該点灯装置自体が誤動作してしまう虞れがある。
【0048】
そこで、このように突入電流が入力電流に重畳された場合には、過電流保護回路部30による過電流保護動作が起動する。
【0049】
つまり、ランプ起動時、スイッチング素子Q1がオンしているので、負荷回路部への電流が、整流回路12正極側→スイッチング素子Q1のソース・ドレイン間→抵抗R2→昇圧トランスL0→平滑コンデンサC1→整流回路負極側を介する経路で流れることから、スイッチング素子Q1のゲート・ドレイン間の電圧も高くなり、過電流保護回路30を構成する抵抗R2〜R4に発生する電圧も上昇する。つまり、これらの抵抗R2〜R4によって過電流が流れたことが検出される。
【0050】
すると、過電流保護用トランジスタQ3のVBE電圧が所定の電圧値よりも高くなることによって、該過電流保護用トランジスタQ3がオンし、コレクタ電流が流れる。このため、スイッチング素子Q1のゲート電流(ドライブ信号電圧)がLOWレベルまで引き下げることになり、過電流による主スイッチング素子Q1の破壊を防止することができる。
【0051】
したがって、本実施の形態によれば、簡単な回路構成の過電流保護回路部を制御回路とは一体構成せずに分離して主スイッチング素子Q1に接続するのみで、主スイッチング素子Q1の過電流保護を確実に行うことが可能となる。また、この過電流保護回路はスイッチング素子のオン時間設定に影響がない構成であり、また放電灯過渡期の保護制御も可能であるので、制御回路は最低限必要な制御機能を備えれば良く、このため、回路構成が複雑になることもない。よって、制御回路の低コスト化が可能であるので、点灯装置自体の低コスト化を図ることが可能となり、過電流保護機能を備えた高性能の放電灯点灯装置を提供することが可能となる。
【0052】
なお、本発明は、上記実施の形態における回路構成に限定されるものではなく、平滑電源となる平滑コンデンサへの充電を図るための主スイッチング素子が前記平滑コンデンサよりも前段に位置する他の複合回路であれば、本発明を適応させることが可能となり、同様の効果が得られる。
【0053】
また、本発明の係る実施の形態では、放電灯起動時における過電流保護動作について説明したが、これに限定されるものではなく、予熱時、放電灯点灯時、あるいは放電灯過渡期における点灯時などのあらゆるケースにおいても、同様に過電流保護動作を行うことができるものである。
【0054】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、点灯起動などの各種制御を行う制御回路と過電流保護回路とを分割した構成とすることにより、簡単な回路構成で主スイッチング素子の過電流保護を行うことができるとともに点灯装置全体の低コスト化を図ることが可能となり、過電流保護機能を備えた高性能の放電灯点灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放電灯点灯装置の一実施の形態を示す回路図。
【図2】従来の放電灯点灯装置の一例を示す回路図。
【符号の説明】
11…交流電源、
12…整流回路、
15…負荷回路部、
15a…放電灯、
20…制御回路、
30…過電流保護回路部、
R1〜R5…抵抗、
C1…平滑コンデンサ、
C2…共振用コンデンサ、
C3,C4…コンデンサ、
Q1…第1のスイッチング素子、
Q2…第2のスイッチング素子、
LO…昇圧トランス(絶縁トランス)、
Q3…過電流保護用トランジスタ。
Claims (1)
- 交流電源と;
前記交流電源からの交流電圧を直流電源電圧に変換して出力する整流回路と;
前記整流回路からの直流電源電圧を高周波スイッチングする第1及び第2のスイッチング素子を有し、前記整流回路の出力端子間に直列に接続された前記第1のスイッチング素子は、高周波スイッチングする電界効果トランジスタで構成されるとともに、放電灯起動時、平滑電源を得るために平滑回路を充電させるのに必要な電流経路であって、かつ突入電流発生時の過電流が流れる電流経路に接続されたスイッチング素子と;
前記スイッチング素子によるスイッチング動作により得られた高周波電力を蓄えるインダクタと;
平滑コンデンサを含み、前記インダクタからの高周波電力を平滑化することによって放電灯を点灯させるのに必要な出力電力を得る平滑回路と;
前記スイッチング素子と前記平滑回路との導通経路に配置され、前記スイッチング素子からの高周波電力が一次巻線に導かれるとともに、二次巻線から前記放電灯にランプ電流を供給するトランスと;
前記スイッチング素子のゲートに駆動信号を供給することで該スイッチング素子のオン/オフを駆動させる駆動回路を備え、該駆動回路を制御することにより、前記スイッチング素子をスイッチング動作させ電源投入時前記駆動信号により所定期間オンし、流れる電流により前記平滑コンデンサを充電させて前記出力電力を制御する制御回路と;
前記制御回路とは分離して設けられたもので、前記第1のスイッチング素子と前記トランスの一次巻線との導通経路に配置され、前記平滑回路に接続される前記第1のスイッチング素子の電流を検出し、この検出結果に応じて該第1のスイッチング素子に供給する駆動信号電圧及び電流を低減させる過電流保護回路と;
を具備した放電灯点灯装置において、
前記過電流保護回路は、前記電界効果トランジスタのゲートと制御回路との間にコレクタが接続された過電流保護用トランジスタと、前記電界効果トランジスタのドレインと該過電流保護用トランジスタのベースに接続される抵抗回路で構成され該過電流保護用トランジスタのベース・エミッタ間の電圧が所定電圧値よりも高くなると前記電解効果トランジスタのゲート電流を引き抜いてゲート電流を引き下げ、電解効果トランジスタのオン時間設定に影響しないように構成したことを特徴とする放電灯点灯装置。
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JP2000286087A (ja) | 2000-10-13 |
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